JP2017206932A - 遮熱断熱シートおよび建築建設構造物の断熱遮熱材 - Google Patents

遮熱断熱シートおよび建築建設構造物の断熱遮熱材 Download PDF

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Abstract

【課題】断熱性の高い遮熱断熱シートおよび建築建設構造物の断熱遮熱材を提供する。
【解決手段】遮熱断熱シート100は、表面に配置される表面シート110と、アルミ膜を備えるアルミシート120と、綿状の綿シート130と、を備え、アルミシート120は、表面シート110と綿シート130との間に配置され、綿シート130に含まれる空気および綿シート130に浸入した水を表面シート110側に通過させる複数の穴を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、遮熱断熱シート、および、建築建設構造物の断熱遮熱材に関する。
建設構造物や建物等の内部の温度変化を抑制する技術が求められている。特許文献1には、水を含ませた吸水性のシートで車を覆うことで、気化熱を利用して、車内部の温度上昇を抑制する冷却用シートが開示されている。
特開2003−314925号公報
特許文献1のシートは、シートに給水する必要があるため、給水が困難な状況での使用例えば、建物等の断熱には適さない。水を使用しない断熱シートを使用することも可能であるが、このようなシートは一般に断熱性が高くなく、真夏の強い日差しの下では十分に内部の温度変化を抑制できない。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、遮熱断熱性の高い遮熱断熱シートおよび建築建設構造物の断熱遮熱材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる遮熱断熱シートは、
表面に配置される表面シートと、
アルミ膜を備えるアルミシートと、
綿状の綿シートと、アルミシートと裏面シートを備え、前記アルミシートは、前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置され、前記綿シートに含まれる空気および携帯電話等の電波帯に通過させる複数の穴を有している、ことを特徴とする。
前記アルミシートの面積に対する前記穴の面積の割合は40%以下であってもよい。
前記アルミシートの面積に対する前記穴の面積の割合は5%以下であってもよい。
前記穴の1個あたりの面積は30mm以下であってもよい。
前記穴の1個あたりの面積は4.2mm以下であってもよい。
前記アルミシートおよび前記綿シートを挟んで前記裏面シートの下側に配置される裏面材を備えていてもよい。
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかる建築建設構造物の断熱遮熱材は、建設構造物の外側及び内側に作業可能に加工された第1の観点にかかる遮熱断熱シートを備える、ことを特徴とする。
遮熱断熱性の高い遮熱断熱シートおよび建築建設構造物の断熱遮熱材を提供できる。
実施形態1にかかる遮熱断熱シートの部分断面図である。 遮熱断熱シートに配置されたアルミシートを示す図であり、(A)はアルミシートの表面図、(B)はA−A’部分断面図、(C)はB−B’部分断面図である。 遮熱断熱シートの表面に形成された格子状の溝を示す図である。 アルミシートの変形例を示す図であり、(A)はフィルムの片面にアルミ膜を形成したアルミシートを示す図であり、(B)は2枚のフィルムでアルミ膜を挟み込んだアルミシートを示す図である。 遮熱断熱シートの表面に配置された表面シートと裏面シートの部分断面図である。 遮熱断熱シートの表面に形成された波線状の溝を示す図である。 表面シート、アルミシート、綿シート、アルミシート、裏面シートを超音波溶着の方法又は縫製によって貼り合わせる様子を示す図である。 超音波溶着又は縫製の際に形成される凹部を連ねることによって、遮熱断熱シートの表面に溝を形成した様子を示す図である。 遮熱断熱シートの裏面に気泡緩衝シートを貼り付けた様子を示す図である。 遮熱断熱シートの遮熱断熱性を検証するための実験装置の斜視図である。 遮熱断熱シートの遮熱断熱性を検証するための実験装置の断面図である。 図10、図11に示す実験装置を使用して遮熱断熱シートの遮熱断熱性の検証結果を示す図である。 図10、図11に示す実験装置を使用して遮熱断熱シートの(A)2時間テスト(B)6時間テストの遮熱断熱性の検証結果を示す図である。 一般的な住宅に屋根裏、天井裏、床下、内壁内部に遮熱断熱シート100を使用した例である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
本発明の実施形態に係る遮熱断熱シート100は複数のシートを重ね合わせた多層構造のシートである。太陽からの赤外線等を建物等の対象物外部で遮ることで、対象物内部の温度上昇を抑制する。
遮熱断熱シート100は、図1に示すように、表面シート110と、アルミシート120と、綿シート130と、裏面シート140とから構成される。
表面シート110は、遮熱断熱シート100の表面に配置され、太陽から降り注ぐ紫外線や物が接触した際の摩擦から遮熱断熱シート100を保護する。表面シート110は、例えば、摩擦に強く紫外線透過率の低いポリエステル繊維の織布から構成される。
アルミシート120は、表面シート110と綿シート130の間に配置され、太陽からの赤外線が対象物に達するのを抑制する。アルミシート120は、例えば、図2(B)(C)に示すように、PET(Polyethylene Terephthalate)フィルム121の両面に赤外線反射率の高いアルミ膜(アルミ膜122、122)を形成したアルミ蒸着PETから構成される。アルミシート120には、図2(A)に示すように、円形の穴が等間隔に複数開いている。
綿シート130は、外気熱等で対象物が熱せられるのを防止するためのシートである。綿シート130は、例えば、ポリエステル繊維を綿状に結合或いは絡み合わせた不織布から構成される。綿シート130は、その性質上、内部に大量の空気を含んでいる。綿シート130内部の空気は、アルミシート120に形成された穴を通過して、表面シート110とアルミシート120の間に供給される。
裏面シート140は、遮熱断熱シート100の裏面に配置され、対象物と接触する際の摩擦で遮熱断熱シート100が劣化するのを防止するためのシートである。裏面シート140は、アルミシート120および綿シート130を挟んで表面シート110の反対側に配置されている。裏面シート140は、例えば、摩擦に対して強いポリプロピレン繊維の織布やポリプロピレン不織布から構成される。
これら4枚のシート(表面シート110、アルミシート120、綿シート130、裏面シート140)は、化学繊維の糸で縫い合わされる。そのため、遮熱断熱シート100の両面には、図1に示すように、縫目150に沿って溝が形成されている。なお、4枚のシートは、図3に示すように、幾何模様に縫い合わされる。ここで、幾何模様とは、三角形、方形、菱形、多角形、円形などを素材とする模様のことをいう。幾何模様にシートを縫い合わせることによって、遮熱断熱シート100は、縦方向、横方向、いずれの方向からの張力にも強くなる。
上述したように、遮熱断熱シート100の表面には幾何学模様の溝が形成されている。そのため、太陽光から降り注いだ光はシート表面で乱反射され、シート内部に入射する赤外線の量は低減される。また、乱反射されずにシート内部に入射した赤外線も、アルミシート120で反射されるので、太陽からの赤外線で対象物が熱せられるのが抑制される。
また、遮熱断熱シート100は断熱性の高い綿シート130を有している。そのためアルミシート120に伝達した熱も、この綿シート130に阻まれ、対象物への熱の伝達は大幅に抑制される。しかも、対象物と遮熱断熱シート100との間には、図1に示すように、裏面の溝に沿って空気層が形成されているので、綿シート130を通過したわずかな熱も、この空気層により阻まれる。また、冬季等の外気温が低い状況下では、熱を対象物内部に閉じ込める必要があるが、この溝によって対象物内部からの熱の放出は大幅に抑制される。
このように、遮熱断熱シート100は赤外線や熱を通過させにくい構造である。このため、遮熱断熱シート100は、対象物内部の温度変化を十分に抑制することができる。
また、遮熱断熱シート100の表面に配置された表面シート110には、紫外線や摩擦に対して強いポリエステル繊維が使用されているので、遮熱断熱シート100を太陽光や摩擦等にさらされる屋外に設置したとしても、長期間に渡って劣化することなく使用し続けることができる。
また、遮熱断熱シート100は、断熱性の高い綿シート130を備えているので、対象物内部・外部の熱を効率よく遮断することができる。しかも、綿には吸音性があるので、遮熱断熱シート100は、熱に加えて、対象物内部・外部からの音も遮断することができる。
また、アルミシート120には複数の穴が形成されている。そのため、後述の実施例で示すように、遮熱断熱シート100は、アルミシート120に穴の開いていない場合と比較して高い断熱性を発揮できる。また、遮熱断熱シート100を屋外で使用していると、使用している間に遮熱断熱シート100内部に雨水等が浸入することがある。内部に浸入した水分は綿シート130に長期間滞留し、遮熱断熱シート100の劣化を促進させる。しかしながら、本実施形態の遮熱断熱シート100は、アルミシート120に穴が形成されているので、綿シート130に水が浸入したとしても、浸入した水はその穴を通って表面シート110に吸収、もしくは、針穴等を通って外部へ放出される。その結果、水分が遮熱断熱シート100内部に長期間滞留することが少なくなり、遮熱断熱シート100の劣化が抑制される。
なお、アルミシート120の面積(穴の面積を含む。)に対する穴の面積の割合(以下、「開口率」という。)の好適な範囲は5%以下、より望ましくは2%〜4%である。なお、遮熱断熱シート100の劣化防止を優先する場合、アルミシート120の開口率は5%以上40%以下であってもよい。開口率40%以下のアルミシート120であっても、遮熱断熱シート100は高い遮熱断熱性を発揮できる。なお、開口率Rは、穴1個あたりの面積をSh、アルミシート120単位面積あたりの穴の数をn、単位面積をSaとして、例えば下記(式1)により算出される。
R=(Sh×n×100)÷Sa ・・・・・・・・・・・(式1)
また、アルミシート120に開ける穴の大きさの好適な範囲は、直径2mm以下、より望ましくは直径1mm以下である。なお、遮熱断熱シート100の劣化防止を優先する場合、穴の大きさは3mm以下や5mm以下であってもよい。穴の大きさが2.5mm以下や5mm以下であっても、遮熱断熱シート100は高い遮熱断熱性を発揮できる。
なお、アルミシート120に形成する穴の形は円形に限られない。三角形、四角形、六角形等の多角形であってもよいし、楕円形等の任意の形状であってもよい。このとき、穴1個あたりの好適な面積としては直径2mmの円の面積に相当する3.2mm以下、より望ましくは直径1mmの円の面積に相当する約0.8mm以下であってもよい。また、綿シート130に浸入した水分の抜けを考慮して、直径3mmの円の面積に相当する約7.1mm以下、直径5mmの円の面積に相当する約20mm以下であってもよい。
また、アルミシート120に形成する穴の配置は等間隔に限られない。穴と穴の間隔はランダムに変更されていてもよい。
また、アルミシートの構造は図2(B)に示した構造に限られず、例えば、図4(A)に示すように、PETフィルム121の片面にアルミ膜122が形成された構造であってもよい。また、図4(B)に示すようにPETフィルム121等でアルミ膜122を挟み込んだ構造であってもよい。
なお、遮熱断熱シート100内層への水分の浸透を防止するために、表面シート110の裏面側(遮熱断熱シート100の内層側)には、図5に示すように、アクリル樹脂の防水膜111が形成されていてもよい。防水膜111を形成することによって、水分の浸透によるアルミシート120からのアルミ膜の剥離が抑制されるので、遮熱断熱シート100は、長期に渡って高い遮熱断熱性を維持することができる。しかも、防水膜111は、表面シート110の裏面側に形成されているので、表面シート110表面に物が接触する等によって、表面シート110の表面から防水膜111が剥離することがない。そのため、遮熱断熱シート100は、長期に渡って高い防水性を維持できる。
なお、遮熱断熱シート100の表面側に防水膜111を形成した場合、防水膜111は、表面シート110の表面に付着した塵や埃等と化学反応を起こし、シート表面に洗浄不能な汚れや着色を発生させる。表面シート110の表面に発生した汚れや着色は、外気熱を吸収し易くし、しかも表面シートの赤外線等の反射機能を低下させる。しかしながら、本実施形態では、表面シート110の裏面側に防水膜111を形成しているので、防水膜111が表面シート110の表面に洗浄不能な汚れや着色を発生させることはない。また、表面側に防水膜111を形成した場合、遮熱断熱シート100の水洗いは困難となる。なぜなら、表面シート110の表面に付着した水は、防水膜111の撥水機能によって水玉状になり、シート表面から即座に離脱しまうからである。しかしながら、本実施形態の遮熱断熱シート100は表面に防水膜111を有していないので、織布の吸水性を利用して表面シート110の表面を容易に水洗いすることができる。したがって、表面シート110の表面に塵や埃等が付着したとしても、表面シート110の表面を水洗いすることによって、表面シート110の反射機能を容易に回復することができる。
なお、防水膜111はアクリル樹脂に限られず、フッ素化合物等であってもよい。フッ素化合物は極めて安定していて、長期間変質しないので、より長期に渡って遮熱断熱シート100の防水性を維持できる。
また、上述の実施形態では、遮熱断熱シート100の表面に格子状に溝を形成したが、溝は、図6に示すように、波線状に形成してもよい。雨水が遮熱断熱シート100の表面に付着した際に、波線に沿って水滴が落ち易くなるため、気化熱によって、遮熱断熱シート100の表面が過度に冷却されることがなくなる。
また、表面シート110、アルミシート120、綿シート130、および、裏面シート140は、超音波溶着により貼り合わされていてもよい。ここで超音波溶着とは、超音波振動によって、物体を熱で溶かして接着する方法のことをいう。例えば、図7に示すように、遮熱断熱シート100の一部をシート両面から加圧し、その加圧部分に超音波振動を与えることによって、加圧部分を熱で溶かして接着してもよい。
なお、遮熱断熱シート100の表面の溝は、図8に示すように、超音波溶着する際に、シート両面に形成される凹部160を複数連ねることによって形成してもよい。シートを縫い合わせるのとは違い、遮熱断熱シート100の表面に針穴を開けることがないので、針穴から雨水が浸入することがなくなる。その結果、遮熱断熱シート100の防水性をさらに高めることができる。
なお、表面シート110、アルミシート120、綿シート130、および、裏面シート140には、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂が含まれていてもよい。シートが熱で溶けやすくなるので、超音波溶着でシートを貼り合わせたときに、シートの接着強度がさらに高まる。
表面シート110、アルミシート120、綿シート130、および、裏面シート140を貼り合わせる方法は、縫合や超音波溶着に限られない。接着剤を使用して貼り合わせてもよいし、超音波ではなくシートに直接熱を加えることによって貼り合わせてもよい。
また、裏面シート140に、平均直径1〜1000nmの微細繊維を、例えば、貫通させたり植え着けたりする等によって裏面シート140の表面から微細繊維を複数突出させ、その微細繊維を綿シート130に絡ませることによって、いわゆる面ファスナーのように、裏面シート140と綿シート130とを接着してもよい。裏面シート140は対象物と直接接触する部分であり、遮熱断熱シート100から剥離しやすいので、縫合や超音波溶着等に加え、この方法を使用して綿シート130と裏面シート140とを接着しておくことにより、裏面シート140の遮熱断熱シート100からの剥離を大幅に抑制できる。また、この微細繊維を、対象物と接触する側の表面にも突出させておけば、遮熱断熱シート100を対象物に設置した際に、微細繊維が裏面シート140と対象物との間でクッションの役割を果たし、対象物との摩擦による裏面シート140の劣化を抑止できる。
これらシートを重ねる順番は「表面シート110、アルミシート120、綿シート130、裏面シート140」の順番に限られない。アルミシート120と綿シート130の順番を入れ換えて「表面シート110、綿シート130、アルミシート120、裏面シート140」としてもよいし、綿シート130と裏面シート140の間にアルミシート120を加えて「表面シート110、アルミシート120、綿シート130、アルミシート120、裏面シート140」としてもよい。綿シート130と裏面シート140の間にアルミシート120を設けることによって、対象物が発した赤外線を、綿シート130に到達する前に反射することができる。そのため、冬場等の外気温が低い状況下では、対象物が発した赤外線を、即座に対象物に反射できるので、対象物を効率よく保温できる。
また、遮熱断熱シート100には、図9に示すように、気泡緩衝シート170をさらに貼り合わせてもよい。ここで気泡緩衝シートとは、2枚の樹脂製シートを貼り合わせたシートであって、2枚のシートの一方に形成された複数の円柱形の突起171の中に空気を封入したシートのことをいう。動かない空気、いわゆるデッドエアの熱伝導率は極めて低いので、遮熱断熱シート100は、気泡緩衝シート170を備えることによって、断熱性をさらに高めることができる。
なお、突起171の中には、空気のほかに、二酸化炭素ガス、アルゴンガス、クリプトンガス、もしくは、キセノンガス等を封入してもよい。これらのガスは空気より熱伝導率が低いので、遮熱断熱シート100の断熱性をさらに高めることができる。
ラムの熱によってコンクリートの硬化が促進されることがないので、気温が高い状況下でも、より長時間(即ち、より遠くまで)コンクリートを運ぶことができる。
図13に示す実験装置を使用して遮熱断熱シートの断熱性を検証した。
まず、アルミシートに穴が開いていない断熱シート(サンプルA)と、穴の直径および開口率を変更した16個の断熱シート(サンプルB1〜9)と、アルミシートを使用していない断熱シート(サンプルC)とを作成した。表1に各サンプルの開口率と穴の直径を示す。なお、サンプルB1〜9の構成は、穴の大きさと開口率以外は実施形態1と同様である。つまり、サンプルB1〜9は、ポリエステル繊維の織布から構成される表面シートと、両面にアルミ膜を形成したアルミ蒸着PETから構成されるアルミシートと、ポリエステル繊維の不織布から構成される綿シートと、ポリプロピレン繊維の織布から構成される裏面シートと、を順に積層した構造である。また、サンプルAはアルミシートに穴が開いていない以外はサンプルB1〜9と同じ構成であり、サンプルCはサンプルB1〜9からアルミシートを取り除いた構成である。
これら11枚のサンプルを、それぞれ図13に示す実験装置300にセットした。
実験装置300は、図14に示すように、一方が開口した断熱性の円筒310、320と、円筒310内に設置され熱源となる白熱電球330と、白熱電球330の温度を測定する温度計341と、断熱シートの表裏の表面温度を測定する温度計342、343とから構成される。なお、各サンプルは円筒310側が表面シート、円筒320側が裏面シートとなるようにセットされる。
各サンプルをそれぞれ円筒310と円筒320の開口部分に挟み込み、白熱電球330に電源を投入した。そして、熱源温度(温度計341で測定される温度)が常温(約25℃)の状態から90℃、95℃、100℃、105℃、110℃に達したときの、各サンプルの表裏の表面温度の差(温度計342と温度計343で測定される温度の差)を測定した。その測定結果を表2に示す。また、熱源温度が110℃に達したときの測定結果のグラフを図15に示す。
開口率が1%、3%の断熱シート(サンプルB1、B2)の場合、アルミシートに穴のない断熱シート(サンプルA)よりも高い断熱性を示すことが分かった。特に、開口率3%の断熱シート(サンプルB2)が高い断熱性を示すことが分かった。これは、綿シート130に含まれる空気が穴を通って表面シート110とアルミシート120の間に供給され、その結果、空気が表面シート110とアルミシート120の間に僅かに滞留し、アルミシート120が表面シート110にぴったり張り付くことが抑制され、結果、表面シート110の熱がアルミシート120に伝達され難くなったためと考えられる。
一方、開口率が5%の断熱シート(サンプルB3)場合、アルミシートに穴のない断熱シート(サンプルA)と比較して断熱性が低くなることが分かった。これは、開口率が大きくなることによってアルミシートの赤外線反射効率が低下し、その結果、空気の滞留による断熱性の上昇を超えて断熱シートの断熱性が低下したためと考えられる。
したがって、アルミシートにあける穴の開口率の好適な範囲は4%以下、より望ましくは2〜4%である。
また、開口率30%が以下の断熱シート(サンプルB1〜B9)とアルミシートのない断熱シート(サンプルC)とでは、開口率が30%以下の断熱シートのほうが高い断熱性を示すことが分かった。したがって、綿シートに浸入した水分の抜けを考慮し、開口率を5%以上40%以下としても、十分に高い遮熱断熱性を得ることができる。
また、穴の直径が直径5mm以下の断熱シート(サンプルB1〜B9)とアルミシートを有していない断熱シート(サンプルC)とでは、穴の直径が直径5mm以下の断熱シートのほうが高い断熱性を示すことが分かった。したがって、アルミシートにあける穴の大きさを直径5mm以下(面積にして約20mm以下)にしても、十分に高い断熱性を得ることができる。
また、穴の直径が1mmの断熱シート(サンプルB1〜B3)と穴の直径が3mm、5mmの断熱シート(サンプルB4〜B9)とでは、直径1mmの断熱シートのほうが高い断熱性を示すことが分かった。したがって、アルミシートにあける好適な穴の大きさとしては、直径2mm以下(面積にして約3.2mm以下)、より望ましくは1mm(面積にして約0.8mm)以下である。
100 遮熱断熱シート
110 表面シート
111 防水膜
120 アルミシート
121 フィルム
122 アルミ膜
130 綿シート
140 裏面シート
150 縫目
160 凹部
170 気泡緩衝シート
171 突起
300 実験装置
310、320 円筒
330 白熱電球
341〜343 温度計

Claims (7)

  1. 表面に配置される表面シートと、
    アルミ膜を備えるアルミシートと、
    綿状の綿シートと、を備え、
    前記アルミシートは、前記表面シートと前記綿シートとの間に配置され、前記綿シートに含まれる空気および前記綿シートに浸入した水を前記表面シート側に通過させる複数の穴を有している、
    ことを特徴とする遮熱断熱シート。
  2. 前記アルミシートの面積に対する前記穴の面積の割合は40%以下である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の遮熱断熱シート。
  3. 前記アルミシートの面積に対する前記穴の面積の割合は4%以下である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の遮熱断熱シート。
  4. 前記穴の1個あたりの面積は30mm以下である、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に遮熱断熱シート。
  5. 前記穴の1個あたりの面積は3.2mm以下である、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に遮熱断熱シート。
  6. 前記アルミシートおよび前記綿シートを挟んで前記表面シートの反対側に配置される裏面シートを備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の遮熱断熱シート。
  7. アルミシートに穴を開けることにより携帯電話等の広帯域の電波障害を軽減したことを特徴とする、請求項1に記載の遮熱断熱シート。
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