JP2017206329A - シ−ト給送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】手差し分離給送モ−ドで、1枚給送する毎にロ−ラの回転を停止していると、次を給送するまで待ち時間が発生してしまう。対策としてロ−ラを連続回転させる方法があるが、その場合、原稿を搬送していないときに送りロ−ラと分離ロ−ラを逆方向に回転駆動させるので、ロ−ラが早く摩耗してしまい、装置としての寿命が短くなる。【解決手段】手差し分離給送モ−ドを開始すると、送りロ−ラ106を連続回転させる。分離ロ−ラ107を分離方向に駆動して回転方向を検出し、送りロ−ラ106と同方向(給送方向)に回転しているときは駆動と非駆動を繰り返し、逆方向(分離方向)に回転しているときは駆動し続けることで、分離動作が必要なときのみ分離ロ−ラ107を駆動させ、不要なときは送りロ−ラ106に連れ回る状態にすることで、ロ−ラの寿命を長くする。【選択図】図1
Description
本発明は、画像読取装置や画像形成装置に使用される給送装置及びその制御方法に関する。
画像読取装置や画像形成装置に使用される給送装置は、一般に、分離給送モ−ドと非分離給送モ−ドとを備えている。分離給送モ−ドは、原稿台に積載された1枚以上の原稿を送りロ−ラによって搬送路へ送り込むモ−ドである。なお、分離給送モ−ドでは、複数枚の原稿が重なって搬送路に送り込まれないようするために、分離ロ−ラが原稿を1枚ずつ分離する。一方、非分離給送モ−ドは、分離機構が原稿を破損してしまう恐れがある場合や、あえて複数の原稿を重ねて給送したい場合などで、利用される。
さらに給送装置は一般に、手差しモ−ドを備えている。手差しモ−ドは、給送開始指示を出した後、操作者が原稿を1シ−トずつ給送位置まで手で差し入れるモ−ドである。このため従来は、手差しモ−ドは非分離給送モ−ドで使用されることが多かった(特許文献1)。
ところが手差しモ−ドには、シ−トの継ぎ足し給送が可能という特徴があり、このため近年では、異種混載原稿の束を継ぎ足しながら給送する場合などで広く利用されるようになってきた。その結果、手差しモ−ドでも分離給送モ−ドの需要が高まっている。
従来の手差しモ−ドでは、分離給送モ−ド/非分離給送モ−ドに関わらず、1枚給送する毎にロ−ラの回転を停止していた。これでは、次のシ−トを給送するまでの間に待ち時間が発生してしまう。このため、手差し分離給送モ−ドにおいては送りロ−ラを連続駆動することで、待ち時間を低減する必要がある。
しかし、手差し分離給送モ−ドにおいて送りロ−ラを連続駆動させた場合、分離ロ−ラは、原稿を給送していないときにも常に送りロ−ラと逆方向に回転駆動しようとするため、ロ−ラが早く摩耗してしまい、装置としての寿命が短くなるという課題がある。また、分離ロ−ラにトルクリミッタを内蔵し、ロ−ラが摩耗しないよう構成されたものもあるが、原稿を給送していないときにトルクリミッタが消耗してしまい、装置としての寿命が短くなるという課題がある。
シ−トが給送可能な状態にあるか否かを検知するシ−ト検知手段と、シ−トの給送を開始させるための給送開始指示を受け付ける受付手段と、給送開始指示が受け付けられ、シ−ト検知手段がシ−トを検知すると、シ−トを搬送路に給送する給送手段と、複数のシ−トが給送されたときに複数のシ−トを1つずつ分離する分離手段と、分離手段の動作を検出する分離動作検出手段と、を備え、分離手段は、シ−ト搬送方向に回転する搬送回転体と、シ−ト搬送方向とは逆方向に回転する分離回転体と、を有し、分離回転体はトルクリミッタを備え、受付手段が手差し分離モ−ドの給送開始指示を受け付けた場合に、前記搬送回転体を搬送方向に駆動し、前記分離動作検出手段によって分離動作を行っていると検出されたときには前記分離回転体を分離方向に連続的に駆動し、前記分離動作検出手段によって分離動作を行っていないと検出されたときには前記分離回転体を分離方向に断続的に駆動することを特徴とする。このようにすれば、分離動作が必要なときのみ分離手段を駆動させることが出来るので、分離手段が必要以上に消耗することがなく、装置の寿命を延ばすことが出来る。
前記分離回転体を分離方向に断続的に駆動させているときに、前記シ−ト検知手段がシ−トを検知しなくなった場合は、前記分離回転体の回転トルクを増加させることを特徴とする。このようにすれば、シ−ト束の給送が終わりそうになり、操作者が次のシ−ト束を給送しようとしたときに、誤って分離手段の中にまでシ−ト束を入れてしまうことを防止できるので、重送によって装置が停止することはない。
分離動作検知手段が分離動作を行っていると検知する条件は、分離手段が分離方向に回転していることを特徴とする。詳細は後述するが、このようにすれば、分離手段を分離方向に回転させようとしたとき、実際に分離手段が分離方向に回転していれば、分離動作を行っていると検出することが出来る。
分離回転体を分離方向に断続的に駆動するとき、駆動していない時間を調整出来る機能を有することを特徴とする。このようにすれば、シ−トがニップを抜ける前に分離動作を行うことが出来るので、分離性能を向上させることが出来る。
異種混載原稿の継ぎ足し給送に利用される手差し分離給送モ−ドにおいて、次のシ−トを給送するまでの間も送りロ−ラを連続駆動することで、作業に占める無駄な待ち時間を解消することができる。さらに、分離ロ−ラは分離動作を行っているときのみ動作させることで消耗を抑えることが出来るため、ロ−ラが長持ちし、交換の手間を減らすことが出来る。
<実施例>
以下に本発明の一実施形態を示す。以下で説明される個別の実施形態は、本発明の上位概念、中位概念および下位概念など種々の概念を理解するために役立つであろう。また、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
以下に本発明の一実施形態を示す。以下で説明される個別の実施形態は、本発明の上位概念、中位概念および下位概念など種々の概念を理解するために役立つであろう。また、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
図1は、給送装置100の概略断面図である。給送装置100は、画像読み取り対象である原稿を画像読取装置の内部に給送する装置である。画像読取装置は、イメ−ジスキャナ、原稿読取装置、ドキュメントスキャナなどと呼ばれることもある。給送装置100は、複数枚の原稿(シ−ト状部材)を積載し、連続で原稿を給送することができる。以下では、シ−ト状部材の一例として紙製の原稿について説明するがこの限りではない。シ−ト状部材はフィルムやカ−ドなどであってもよい。
原稿台101は、複数枚の原稿を積載可能な原稿積載手段である。原稿台101は、CPU109によって制御される原稿台昇降モ−タ102によって上昇したり、下降したりする。このように原稿台101はシ−ト状部材を積載する積載手段の一例である。また、原稿台昇降モ−タ102は、シ−ト状部材を搬送路へ給送できるようシ−ト状部材を上昇させる上昇手段の一例である。
給送位置検知センサ103は、原稿が所定の給送位置まで上昇したことを検知するセンサである。原稿台昇降モ−タ102や給送位置検知センサ103を必要としない給送装置も存在する。これは、原稿台101に搭載できる原稿枚数が少ない給送装置などである。紙検知センサ104は、原稿が原稿台101に積載されていることを検知する原稿検知手段である。すなわち、紙検知センサ104は、シ−ト状部材が給送可能な状態にあるか否かを検知する検知手段の一例である。
給送ロ−ラ105は、原稿台101に積載されている原稿を分離給送位置まで移動させるよう回転するロ−ラである。送りロ−ラ106は、原稿を搬送路110に送り込むよう回転するロ−ラである。このように、給送ロ−ラ105や送りロ−ラ106は、給送開始指示が受け付けられると、シ−ト状部材を搬送路に給送する給送手段の一例である。
分離ロ−ラ107は、複数枚の原稿が重なって搬送路110に送り込まれないよう回転する分離手段である。分離モ−タ108は、CPU109によって制御されて分離ロ−ラ107を駆動するモ−タである。複数枚の原稿を連続で給送する際に、CPU109は、搬送方向とは逆方向に分離ロ−ラ107を回転させる。このように、分離ロ−ラ107が搬送方向とは逆回転である分離方向に回転している状態での給送を分離給送(分離給送モ−ド)と呼ぶ。このように、分離ロ−ラ107は、複数のシ−ト状部材が給送されたときに複数のシ−ト状部材を1つずつ分離する分離手段の一例である。
上述したように、薄い原稿や剛性の弱い原稿は、分離ロ−ラ107によって破損してしまうおそれがある。また、あえて複数枚の原稿を重ねて給送したい場合もある。このようなときには、非分離給送(非分離給送モ−ド)が利用される。分離給送モ−ドから非分離給送モ−ドに切り替わると、CPU109は、分離モ−タ108への電力供給を停止させるか、分離ロ−ラ107が搬送方向に回転するよう分離モ−タ108を駆動する。これにより、分離ロ−ラ107は、搬送方向に従動ないしは搬送方向に回転することになる。
手差し給送(手差し給送モ−ド)においては、CPU109は、原稿台101の原稿搭載面と搬送路の搬送面とが同一面となるように、原稿台昇降モ−タ102を駆動してもよい。両者が同一面となれば、操作者は、給送位置まで原稿を手で差し入れやすくなる。
不図示のタッチパネルは、情報を入力するための入力装置と情報を出力するための出力装置である。CPU109は、タッチパネルから入力された指示を受け付けたり、操作者への問い合せやメッセ−ジをタッチパネルへ出力したりする。
CPU109は、タッチパネルから入力される検知情報を元に、分離給送すべきか非分離給送すべきかを判定し、分離ロ−ラ107による分離を有効とするか無効とするかを決定する。
本実施形態では、分離モ−ドの給送口が非分離モ−ドの給送口を兼ねており、1つの給送口からの給送モ−ドとして分離モ−ドと非分離モ−ドとをそれぞれ実現している。
分離ロ−ラ107には、トルクリミッタを内蔵している。軸部と外周部の回転方向が逆のときに、一定以上の力がかかると、トルクの伝達を遮断する構造である。図2を用いてトルクリミッタの動作を説明する。
図2(a)は、分離給送モ−ドによる給送開始指示を受け付けた後、紙検知センサ104がシ−ト状部材を検知していない状態を表している。シ−ト状部材が給送される矢印の向きが給送方向である。送りロ−ラ106は、給送開始指示により矢印の給送方向に回転する。分離モ−タ108はまだ駆動させないため、分離ロ−ラ107は自由に回転出来るので、送りロ−ラに連れ回り、矢印の搬送方向に回転する。このとき、トルクリミッタに負荷はかからない。
図2(b)は、シ−ト状部材は紙検知センサ104の位置まで進んでいるが、送りロ−ラ106と分離ロ−ラ107の位置には到着していない状態である。紙検知センサ104がシ−ト状部材を検知したことで、分離モ−タ108を駆動する。分離ロ−ラ107は分離ロ−ラ軸部107inと分離ロ−ラ外周部107outに分けられ、分離ロ−ラ軸部107inは分離モ−タによって矢印の向き、すなわちシ−ト状部材が複数給送された場合に分離させようとする分離方向に回転する。しかし、分離ロ−ラ外周部107outは送りロ−ラ106に連れ回り、矢印の向きである搬送方向に回転する。分離ロ−ラ外周部107outがこのような動作をする理由は、トルクリミッタがトルク伝達を遮断する力Tが、分離ロ−ラ外周部107outと送りロ−ラ106の摩擦力Paより弱くなっているからである(T<Pa)。
図2(c)は、シ−ト状部材1枚が搬送方向に進み、送りロ−ラ106と分離ロ−ラ107に接触する位置まで到達した状態である。分離ロ−ラ軸部107inは分離モ−タによって分離方向に回転するが、分離ロ−ラ外周部107outはシ−ト状部材に連れ回り、搬送方向に回転する。これは、トルクリミッタがトルク伝達を遮断する力Tが、シ−ト状部材と分離ロ−ラ外部107outとの摩擦力Pbより弱いためである(T<Pb)。
図2(d)は、シ−ト状部材2枚が搬送方向に進み、2枚目のシ−ト状部材が分離ロ−ラ107に接触する位置まで到着した状態である。分離ロ−ラ軸部107inは分離モ−タによって分離方向に回転し、分離ロ−ラ外周部107outも分離方向に回転する。これは、トルクリミッタがトルク伝達を遮断する力Tが、シ−ト状部材同士の摩擦力Pcより強いためである(T>Pc)。
図2(a)〜(d)の説明から、分離ロ−ラ外周部107(out)が搬送方向に回転しているときは、送りロ−ラ106と分離ロ−ラ107の間にシ−ト状部材が無い、もしくは1枚である、と言える。また、分離ロ−ラ外周部107(out)が分離方向に回転しているときは、シ−ト状部材が2枚以上である、と言える。
分離ロ−ラ外周部107outには、分離動作検出手段として不図示のロ−タリ−エンコ−ダが取り付けられているため、搬送方向,分離方向どちらに回転しているかを検出でき、また回転速度を検出することができる。分離ロ−ラ外周部107outの回転方向を検出することで、送りロ−ラ106と分離ロ−ラ107の間にシ−ト状部材が無いもしくは1枚か、2枚以上か、を判別できるようになる。
次に、本発明の最も特徴的な部分である、分離ロ−ラの制御方法について、図3を用いて説明する。図3は制御波形を表しており、上側の波形(i)は分離モ−タ108の駆動状況を表している。波形がHighレベルのときは分離方向に回転し、Lowレベルのときは駆動していない。下側の波形(ii)は分離ロ−ラ外周部107outの回転方向を表しており、波形がHighレベルのときは分離方向に回転し、Lowレベルのときは搬送方向に回転している。
図3(a)は、図2(a)と同様に、紙検知センサ104がシ−ト状部材を検知していない状態である。分離モ−タ108は駆動させていないため、波形(i)はLowレベルのままである。分離ロ−ラ107は送りロ−ラ106に連れ回り、搬送方向に回転するので、波形(ii)はLowレベルのままである。このようにすることで、トルクリミッタに負荷はかけずにすむため、分離ロ−ラの寿命を延ばすことができる。
図3(b)は、図2(b)と同様に、紙検知センサ104がシ−ト状部材を検知し、且つ、シ−ト状部材が送りロ−ラ106と分離ロ−ラ107に到着する前の状態である。紙検知センサ104がシ−ト状部材を検知すると、分離モ−タ108を分離方向に駆動させる。このときの波形が時間b1である。時間b1のとき波形(ii)はLowレベルのままである、すなわち分離ロ−ラ外周部107outは搬送方向に回転しているため、送りロ−ラ106と分離ロ−ラ107の間にシ−ト状部材が無い、もしくは1枚である、と言える。このため、分離動作は不要と判断できるので、分離モ−タ108の駆動を止める。このときの波形が時間b2である。一定時間経過したのち、時間b3で、b1のときと同様に分離モ−タ108を駆動させ、分離ロ−ラ107outの回転方向を検出するという、b1からb3までと同じ動作を繰り返す。このようにすることで、トルクリミッタが動作している時間をb1からb2までの時間のみとし、b2からb3までの間はトルクリミッタに負荷をかけずにすむため、分離ロ−ラ107の寿命を長くすることが出来る。
図3(c)は、図2(c)と同様に、シ−ト状部材1枚が搬送方向に進み、送りロ−ラ106と分離ロ−ラ107に接触する位置まで到達した状態である。紙検知センサ104がシ−ト状部材を検知し、分離モ−タ108を分離方向に駆動させたときの波形が時間c1である。時間c1のとき波形(ii)がLowレベルのままである、すなわち分離ロ−ラ外周部107outは搬送方向に回転しているため、送りロ−ラ106と分離ロ−ラ107の間にシ−ト状部材が無い、もしくは1枚である、と言える。このため、分離動作は不要と判断できるので、分離モ−タ108の駆動を止めたときの波形が時間b2である。一定時間経過したあとの時間c3で、c1と同様に分離モ−タ108を駆動させ、分離ロ−ラ107outの回転方向を検出し、c1からc3までと同じ動作を繰り返す。図3(c)の波形は、図3(b)と同じ形状になる。
図3(d)は、図2(d)と同様に、シ−ト状部材2枚が搬送方向に進み、2枚目のシ−ト状部材が分離ロ−ラ107に接触する位置まで到着した状態である。時間d1,d2ではまだ2枚目のシ−ト状部材は到着しておらず、時間d3では到着している。時間d3’で波形(ii)がHighレベルになっており、すなわち分離ロ−ラ外周部107outが分離方向に回転しているため、送りロ−ラ106と分離ロ−ラ107の間にシ−ト状部材が2枚以上ある、と言える。このため、分離動作が必要と判断できるので、分離モ−タ108は時間d3以降連続駆動し、時間d4で波形(ii)がLowレベルに変わったことを確認したら、時間d4’で駆動を終了する。その後は、一定時間経過後、時間d5で分離モ−タを駆動させる。波形(ii)はLowレベルのままなので、シ−ト状部材が無い、もしくは1枚である、と言えるため、時間d6で駆動を終了している。このようにすることで、シ−ト状部材が2枚以上あるd3からd4までの間は分離動作を行うことで重送を防止することができる。また分離動作が不要な時間であるd2からd3までの間やd4からd5までの間はトルクリミッタに負荷をかけずにすむため、分離ロ−ラ107の寿命を長くすることが出来る。
また、トルクリミッタは内部にバネを使用した構成であるため、図3(d)の時間d3で分離ロ−ラ外周部107outが給送方向から分離方向に回転方向を変えるまでには、ばねが動作するぶんの時間がかかる。図3(e)に、時間d3から、分離ロ−ラ外周部107outが分離方向に回転するまでの波形(ii)を示す。時間d3以降、波形が徐々にHighレベルになっていく、すなわち回転方向が搬送方向から徐々に分離方向に変化する。少しでも早く分離モ−タを駆動し、分離動作を開始するためには、分離ロ−ラ外周部107outの回転方向が分離方向になるまで待たなくても良い。例えば分離ロ−ラ外周部107outの速度が0になるときを検出することで、分離ロ−ラ外周部107outが給送方向から分離方向に回転方向を変えようとしていることがわかる。速度0のときを時間d3’とし、分離モ−タ108を駆動し始めることで、分離方向に回転するまで待つよりも半分の時間で分離動作を開始することが出来る。
また、送りロ−ラ106と分離ロ−ラ107の硬度が異なる場合、柔らかい方のロ−ラが潰れやすくなる。例えば分離ロ−ラ107の方が柔らかい場合、図4のように分離ロ−ラ107が潰れ、ニップ部は搬送方向に幅を持って接触することになる。分離モ−タ108を断続的に駆動させるとき、分離モ−タが駆動していない時間を、シ−トがニップ部を通過する時間より短くするように調整出来る機能を有することで、重送したシ−トが分離部よりも後段に入ることを防止し易くなる。
また、シ−ト検知手段のシ−ト検知結果が有りから無しに移行した後、分離モ−タ108の回転トルクを増加させても良い。このようにすれば、シ−ト束の給送が終わりそうになり、操作者が次のシ−ト束を給送しようとしたときに、誤って分離手段の中にまでシ−ト束を入れてしまうことを防止できるので、重送によって装置が停止することはない。
次に、図5のフロ−チャ−トを用いて、手差し分離給送における、給送判定処理の一連の動作を説明する。ステップS101で、CPU109は、タッチパネルから入力された手差し分離給送開始指示を受け付ける。CPU109は、シ−ト状部材の給送を開始させるための手差し分離給送開始指示を受け付ける受付手段として機能する。
ステップS102で、CPU109は、手差し分離給送終了指示が入力されたか否かを判定する。入力されたのであれば、ステップS109に進み、CPU109は、給送ロ−ラ105及び送りロ−ラ106などの回転を停止させ、給送を終了する。一方、手差し分離給送終了指示が入力されていなければ、ステップS103に進む。
ステップS103で、CPU109は、手差し分離給送の準備に移行する。すなわち、CPU109は、給送可能位置まで原稿台101を上昇させるよう、CPU109は原稿台昇降モ−タ102を駆動する。原稿台101の原稿搭載面と搬送路の搬送面とが同一面になるため、操作者が原稿を搭載しやすくなる。
ステップS104で、CPU109は、送りロ−ラを給送方向に回転させる。このとき分離モ−タは駆動せず、分離ロ−ラは自由に回転できるため、分離ロ−ラは送りロ−ラに連れ回ることになる。
次にステップS105で、CPU109は、紙検知センサ104が原稿を検知しているか否かを判定する。紙検知センサ104が原稿を検知していなければ、ステップS102に戻る。紙検知センサ104が原稿を検知したのであれば、ステップS106に進む。
ステップS106で、分離モ−タを分離方向に駆動させるため、ここまで送りロ−ラに連れ回っていた分離ロ−ラに駆動力を与える。分離動作の説明は図3で済ませているため、ここでは省略する。
ステップS107で、CPU109は、手差しされたシ−ト状部材の給送を実行する。このように、給送終了指示が入力されるまで、手差し給送が繰り返し実行されることになる。
なお、ステップS107でのシ−ト状部材の給送速度は、給送開始時には低速とし、一定量給送した後に加速しても良い。最初から高速で給送を開始すると、操作者が思わず原稿を押さえる等の行動を反射的に起こし易くなり、斜行の原因になる。そこで、一定量給送するまでは低速にする。操作者が原稿の給送開始を確認して手が離れた後に原稿の速度が増しても、問題は発生しない。
図6は、給送判定処理を示したフロ−チャ−トである。図5に対し、分離機能を有効にするか操作者に問い合わせるステップが追加されている。図5と共通するステップには同一の参照符号を付与することで説明を簡潔にする。とりわけ、図5と比較すると図6では、ステップS201及びS202がステップS101とS102との間に挿入されている。S202でNoとなった場合にはS203からS208を通るようになっている。
ステップS101で、手差し給送開始指示が受け付けられると、ステップS201に進む。ステップS201で、CPU109は、手差し給送への移行を促すためのメッセ−ジをタッチパネル120から出力してもよい。なお、CPU109は、分離ロ−ラ107による分離機能を無効状態から有効状態へ遷移させて良いか否かを問い合せるためのメッセ−ジをタッチパネルから出力してもよい。
図7は、非分離給送モ−ドから分離給送モ−ドへ遷移して良いか否かを問い合せるためのメッセ−ジの一例を示す図である。ダイアログ200は、分離給送モ−ドか非分離給送モ−ドかを選択するためのラジオボタンを有している。タッチパネルは、分離手段を有効状態へ遷移させて良いか否かを問い合せるためのメッセ−ジを出力する出力手段の一例である。また、タッチパネルやCPU109は、分離有効状態への遷移を許可するか否かの指示を受け付ける手段としても機能する。CPU109は、分離有効状態への遷移を許可する指示が受け付けられると分離手段を有効状態へ遷移させることになる。
なお、タッチパネルは、分離機能が有効状態か無効状態かを示す通知または現在の給送モ−ドが手差し給送モ−ドかを示す通知を表示してもよい。なお、タッチパネルに代えて、発音手段(例えばブザ−など)や、発光表示手段(例えば発光LEDや液晶表示部)、給送装置100に接続された制御手段(例えばパ−ソナルコンピュ−タなど)であってもよい。このように、タッチパネルなどは、分離手段が分離有効状態にあるか分離無効状態にあるかを示す情報を通知する通知手段の一例である。なお、通知は、給送モ−ドが切り替わったことを示す警告や、分離機構の状態が切り替わったことを示す警告であってもよい。
図6に戻り、ステップS202で、CPU109は、給送モ−ドの変更許可が操作者から得られたか否かを判定する。例えば、CPU109は、タッチパネルから入力された非分離給送モ−ドから分離給送モ−ドへの遷移を許可する指示を受け付けたか否かを判定する。分離給送モ−ドの変更許可が得られると、非分離給送モ−ドから分離給送モ−ドへ切り替えるために、ステップS102に進む。一方で、給送モ−ドの変更許可が得られなければ、非分離給送モ−ドにし、ステップS203に進む。
ステップS203からS208は非分離給送モ−ドの動作である。分離給送モ−ドのステップS102からS208のうち、S106の分離ロ−ラ回転のステップを省略したのと同様の動作を行う。すなわちS203がS102、S204がS103、S205がS104、S206がS105、S207がS107、S208がS108と対応する。同様の動作を行うことになるので、動作の説明は省略する。
ところで、給送装置100は、搬送路において複数のシ−ト状部材が重送しているか否かを検出する重送検出センサを備えていてもよい。一般に、CPU109は、重送検出センサが重送を検知すると、原稿の搬送を停止する。上述したように、本発明では、非分離給送モ−ドに移行すると分離機構が無効となる。よって、重送が発生すると原稿の搬送が停止する。しかし、封筒、エンベロ−プ、切手や付箋紙を貼った原稿、原稿が大きすぎて搬送可能な大きさに折り曲げたもの、分離給送の制限を超えた厚紙やカ−ドなどは、非分離給送することが要求される。よって、非分離給送モ−ドでは、重送検出を無効とし、搬送を停止させないことが望ましい。一般に、重送検出センサの有効/無効は操作者がマニュアルで切り替える場合が多い。また、非分離給送モ−ドを使用した後に分離給送モ−ドを使用する場合に、重送検出を有効とするのを忘れてしまったために、重送を検知出来ないこともある。
そこで、本実施例では、手差し給送モ−ドに移行し分離機構が有効になったときは、CPU109が重送検出センサを有効とする。このように、重送検出センサを自動で有効にできれば操作者の負担が軽減されよう。
図8は、給送装置100の概略断面図である。図1に対して重送検出センサ301を追加した構成なので、図1ですでに説明した箇所には同一の参照符号を付与している。重送検出センサ301は、搬送路110の途中に設けられている。重送検出センサ301は、搬送路110を通過する原稿が1枚なのか複数なのかを示す情報をCPU109に出力する。重送検出センサ301は、搬送路において複数のシ−ト状部材が重送しているか否かを検出する重送検出手段の一例である。
重送検出センサ301の実現方法は種々考えられる。例えば、搬送路110を挟んで発光素子と受光素子を対向配置した光学式のセンサがある。この光学式のセンサでは、発光素子から出力され、搬送路110の原稿を透過した光を受光素子が検出する。受光素子は、光の透過量に応じた信号をCPU109に出力する。CPU109は、信号の強度と閾値とを比較することで、複数枚の原稿が重送しているのか否かを判定できる。
また、重送検出センサ301は、搬送路の原稿を挟むよう配置された、原稿の厚みを検出する厚み検出センサであってもよい。厚み検出センサは、原稿の厚みに応じた信号をCPU109に出力する。CPU109は、信号の強度と閾値とを比較することで、複数枚の原稿が重送しているのか否かを判定できる。
重送検出センサ301は、搬送路110を挟んで発光素子と受光素子とを対向配置させた原稿通過タイミング検出センサであってもよい。CPU109は、原稿の通過タイミングから算出した原稿の長さが1枚の原稿の長さを超えているか否かを判定することで、原稿の重送を検知できる。原稿通過タイミング検出センサは、搬送路110の片側に発光素子と受光素子とを配置させて、原稿、または対向した搬送路面からの反射光を検出するセンサであってもよい。原稿からの反射光量と搬送路面からの反射光量が違うことで、原稿通過タイミングが検出される。原稿通過タイミング検出センサは、搬送路110の片側に発光素子と受光素子を配置し、搬送路対向側に導光部材を配置し、発光素子から出力され導光部材を透過した光を受光素子が検出するものであってもよい。
重送検出センサ301は、搬送路110を挟んで超音波発信装置と超音波受信装置とを対向配置したセンサであってもよい。超音波発信装置から発信され、搬送路110の原稿を透過してきた超音波を超音波受信装置が検出する。CPU109は、超音波受信装置が出力する、超音波の透過量を示す信号と閾値とを比較することで、原稿の重送を検知する。
図9は、給送判定処理を示したフロ−チャ−トである。図5に対し、重送検出を有効にするステップが追加されている。図5と共通するステップには同一の参照符号を付与することで説明を簡潔にする。とりわけ、図5と比較すると図9では、ステップS301がステップS101とS102との間に挿入されている。
ステップS301で、CPU109は、重送検出を有効にする。例えば、CPU109は、重送検出センサ301の検知機能を有効にする。CPU109は、重送検出センサ301により原稿の重送を検知したときは原稿の搬送を停止し、原稿の破損を防止する。また、CPU109は、タッチパネルから原稿の重送を検知したことを操作者に通知してもよい。
なお、ステップS301は、図6におけるステップS202とS102との間に挿入されてもよい。この場合のフロ−チャ−トを図10に示す。
図10では、ステップS301はステップS401とS402に相当する。ステップS202で、分離給送モ−ドを有効にすべきときはステップS401に進み、分離給送モ−ドを無効にすべきときはステップS402に進む。
ステップS401で、CPU109は、重送検出を有効にする。例えば、CPU109は、重送検出センサ301の検知機能を有効にする。CPU109は、重送検出センサ301により原稿の重送を検知したときは原稿の搬送を停止し、原稿の破損を防止する。また、CPU109は、タッチパネルから原稿の重送を検知したことを操作者に通知してもよい。
一方で、ステップS402で、CPU109は、重送検出センサ301の検知機能を無効にする。例えば、CPU109は、重送検出センサ301への電力の供給を停止したり、重送検出センサ301からの検知信号を無視したりすることで、重送検出センサ301の検知機能を無効にする。このように、CPU109は、分離手段が分離無効状態に遷移すると、重送検出手段を有効から無効に切り替える切替手段の一例である。
ところで、非分離給送モ−ドに移行する際に、CPU109は、重送検出を有効にするか無効にするかを問い合せるためのメッセ−ジをタッチパネルに表示してもよい。
図11は、重送検出を有効にするか無効にするかを問い合せるためのメッセ−ジの一例を示す図である。ダイアログ400は、重送検出を有効にするか無効にするかを選択するためのラジオボタンを有している。ステップS402において、CPU109は、ダイアログ400をタッチパネルに表示し、ダイアログ400において有効が選択されたか無効が選択されたかを判定する。CPU109は、無効が選択されたときは重送検出を無効に設定し、有効が選択されたときは重送検出を有効に設定する。これにより、操作者の選択の自由を確保することができる。
なお、重送検出手段が重送を検出した場合、分離モ−タ108の回転トルクを増加させても良い。トルクの増加によって2枚目以降のシ−トを分離できれば、重送によって装置が停止することはない。
本実施例によれば、シ−ト状部材が給送可能な状態にあるか否かを検知する検知手段を、積載手段にシ−ト状部材が搭載されているか否かを検知するセンサや、給送口にシ−ト状部材が挿入されているか否かを検知するセンサによって実現することができる。これらのセンサは、給送装置が通常備えているセンサであるため、本発明を実施するために必要となる追加のコストを抑制しやすくなる。
また、分離手段が分離有効状態に遷移すると、重送検出手段を無効から有効に切り替えてもよく、分離手段が分離無効状態に遷移すると、重送検出手段を有効から無効に切り替えてもよい。非分離給送モ−ドでは、重送検出にひっかかってしまうような厚紙などの特殊なシ−ト状部材が給送されることが多い。よって、分離手段が分離無効状態に遷移したときは、自動で、重送検出を無効に切り替えることで、ユ−ザの負担を軽減できるであろう。
なお、操作者の個別的な事情を反映させるために、分離無効状態から分離有効状態へ分離手段を遷移させて良いか否かを問い合せてもよい。分離手段が有効状態にあるか無効状態にあるかを示す情報を通知すれば、操作者は、装置の状態を理解しやすいだろう。例えば、給送装置が分離無効状態にあるにもかかわらず、手差しモ−ドで原稿束の給送を行おうとすることを抑制できるだろう。
また、操作者が給送装置に不慣れな場合や、初めて給送する種類の原稿の場合、分離給送モ−ドで給送して原稿が破損しないか、わからない場合が多い。そのため、原稿を原稿台に1枚だけ積載し、非分離モ−ドで給送して厚さを測定するといった、判定モ−ドを設けても良い。原稿が薄かった場合や、光を照射したときの透け量が多かった場合などは、分離給送モ−ドでは原稿破損の可能性があるとして、タッチパネルに非分離給送モ−ドへの変更を推奨する画面を表示させても良い。
なお、分離モ−タ108の駆動方法は、分離方向に駆動することと、駆動しないことの2種類を用いて説明したが、励磁することと、励磁しないことの2種類を用いても良い。励磁することで分離ロ−ラ軸107inを回転しないようにように出来、励磁していないときは分離ロ−ラ107は自由に回転出来る。すると、図2や図3で説明した分離ロ−ラ107の動作は、分離方向に回転していた部分が、停止することになる。このため、分離ロ−ラ外周部107outが停止しているときは、送りロ−ラ106と分離ロ−ラ107の間にシ−ト状部材が2枚以上ある、と言えるため、分離動作が必要ということがわかる。
上述の給送装置100は、複写機、複合機、印刷装置、プリンタなどの画像形成装置に採用されてもよい。
100・・・給送装置
101・・・原稿台
102・・・原稿台昇降モ−タ
103・・・給送位置検知センサ
104・・・紙検知センサ
105・・・給送ロ−ラ
106・・・送りロ−ラ
107・・・分離ロ−ラ
108・・・分離モ−タ
109・・・CPU
110・・・搬送路
200・・・ダイアログ
301・・・重送検出センサ
400・・・ダイアログ
101・・・原稿台
102・・・原稿台昇降モ−タ
103・・・給送位置検知センサ
104・・・紙検知センサ
105・・・給送ロ−ラ
106・・・送りロ−ラ
107・・・分離ロ−ラ
108・・・分離モ−タ
109・・・CPU
110・・・搬送路
200・・・ダイアログ
301・・・重送検出センサ
400・・・ダイアログ
Claims (4)
- シ−トが給送可能な状態にあるか否かを検知するシ−ト検知手段と、
シ−トの給送を開始させるための給送開始指示を受け付ける受付手段と、
前記給送開始指示が受け付けられ、シ−ト検知手段がシ−トを検知すると、シ−トを搬送路に給送する給送手段と、
複数のシ−トが給送されたときに該複数のシ−トを1枚ずつ分離する分離手段と、
前記分離手段の動作を検出する分離動作検出手段と、を備え、
前記分離手段は、シ−ト搬送方向に回転する搬送回転体と、該シ−ト搬送方向とは逆方向に回転する分離回転体と、を有し、前記分離回転体はトルクリミッタを備え、
前記受付手段が手差し分離モ−ドの給送開始指示を受け付けた場合に、
前記搬送回転体を搬送方向に駆動し、
前記分離動作検出手段によって分離動作を行っていると検出されたときには前記分離回転体を分離方向に連続的に駆動し、
前記分離動作検出手段によって分離動作を行っていないと検出されたときには前記分離回転体を分離方向に断続的に駆動することを特徴とするシ−ト給送装置。 - 前記分離回転体を分離方向に断続的に駆動させているときに、
前記シ−ト検知手段がシ−トを検知しなくなった場合は、前記分離回転体の回転トルクを増加させることを特徴とする、請求項1に記載のシ−ト給送装置。 - 前記分離動作検知手段が分離動作を行っていると検知する条件は、前記分離手段が分離方向に回転していることを特徴とする、請求項1または2に記載のシ−ト給送装置。
- 前記分離回転体を分離方向に断続的に駆動するとき、駆動していない時間を調整出来る機能を有することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシ−ト給送装置。
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JP2016098341A JP2017206329A (ja) | 2016-05-17 | 2016-05-17 | シ−ト給送装置 |
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JP2021095278A (ja) * | 2019-12-19 | 2021-06-24 | 株式会社Pfu | 媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラム |
-
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- 2016-05-17 JP JP2016098341A patent/JP2017206329A/ja active Pending
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