以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、発明の詳細な説明に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、発明の詳細な説明に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の詳細な説明中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
本発明の第1の側面のインデクサは、オーバーヘッドコンベアに吊り下げられて搬送され、回転させられて回転方向に位置決めするインデクサであって、オーバーヘッドコンベアに搬送されて移動しているとき他の物体に当接することで回転の付勢力を生じさせる、放射状に形成されている延伸部材(例えば、図1の回転プレート31−1乃至31−4)と、放射状の延伸部材の中心に直交して、回転可能に延伸部材を支えて回転方向に位置決めする軸(例えば、図2の軸受部33)と、延伸部材上の2つの位置であって、軸を通る直線上にあり、軸から同じ距離の2つの位置のそれぞれから軸の向きに平行する向きに伸びる2本の支え(例えば、図2の支え34−1および34−2)と、延伸部材に対向する面である対向面が延伸部材に対して正対するように配置され、延伸部材に対して2本の支えによって支えられている四角柱状の被係止部材(例えば、図3のプレート35)と、延伸部材の長さより長い径の円板状の皿(例えば、図3の皿41)と、2本の支えの間隔よりも長く形成され、被係止部材の外形に対応する内面形状であって、対向面に対応する側の面に対向する側が開いている内面形状に形成され、2本の支えをそれぞれ通して、2本の支えの位置を規制する、同じ向きに開いている2つの第1の切り欠きが設けられている係止部材(例えば、図3のフックプレート44)と、被係止部材の軸の向きの大きさである厚さより皿の一方の面からの距離が長くなる位置であって、皿の中心に直交する直線と交差する位置に、開いている側が皿を向く向きに係止部材を皿に固定する固定部材(例えば、図2の固定部材43−1および43−2)とを備える。
以下、本発明の一実施の形態を図1乃至図14を参照して説明する。まず、ゴミ受け皿を備えるインデクサの構成の全体について説明する。図1乃至図4は、それぞれ、ゴミ受け皿22を備えるインデクサ11の構成の一例を示す上面図、正面図、右側面図および底面図である。
なお、以下、インデクサ11に対して前後の方向をY軸で図示し、上下の方向をZ軸で図示し、左右の方向をX軸で図示する。また、以下、X軸方向のうち、図1中の左側を単に左側と称し、X軸方向のうち、図1中の右側を単に右側と称する。さらに、以下、Y軸方向のうち、図1中の下側を単に前側と称し、Y軸方向のうち、図1中の上側を単に後側と称する。さらにまた、以下、Z軸方向のうち、図2中の上側を単に上側と称し、Z軸方向のうち、図2中の下側を単に下側と称する。なお、下側は、重力がかかる方向である。また、Z軸方向を、単に上下方向とも称し、X軸およびY軸に平行な面に沿う方向を単に水平方向または横方向とも称する。
インデクサ11は、塗装工程に用いられる治具またはツールである。インデクサ11には、塗装の対象であるワークを保持するハンガーが吊り下げられる。インデクサ11は、ワークを保持するハンガーが吊り下げられた状態で、チェーン牽引式などのオーバーヘッドコンベアに吊り下げられて搬送される。インデクサ11は、オーバーヘッドコンベアによって搬送されて移動しているとき、オーバーヘッドコンベアの横などに固定されている突起、アームやガイドまたはローラーなどの他の物体に当接すると、回転方向の付勢力を生じさせ、上下方向の軸(以下、回転軸と称する)を中心に回転させられる。インデクサ11は、回転軸を中心に回転させられた場合、回転方向に所定の角度位置に停止するように、回転方向に位置決めする。これにより、吊り下げられたハンガーに保持されているワークは、回転軸を中心に回転させられ、回転方向の所定の角度位置に停止して位置決めされる。従って、塗装工程では、ワークの回転方向の姿勢を変えさせて塗装することができる。
インデクサ11は、回転位置決め部21およびごみ受け皿22からなる。回転位置決め部21の上側は、オーバーヘッドコンベアに吊り下げられる。回転位置決め部21の下側には、ごみ受け皿22が装着される。回転位置決め部21は、オーバーヘッドコンベアによって搬送されて移動しているとき、オーバーヘッドコンベアの横などに固定されている突起、アームやガイドまたはローラーなどの他の物体に当接すると、回転方向の付勢力を生じさせ、回転軸を中心に回転させられる。回転位置決め部21は、回転軸を中心に回転させられた場合、回転方向に所定の角度位置に停止するように、回転方向に位置決めする。
ごみ受け皿22は、回転位置決め部21またはオーバーヘッドコンベアから落下するごみや塗装カスまたは油などを受けて、これらの異物がワークに付着するのを防止する。回転位置決め部21とごみ受け皿22とは、着脱自在に構成されている。
回転位置決め部21は、回転プレート31−1乃至31−4、吊り下げ部材32、軸受部33、支え34−1および34−2、並びにプレート35を含み構成されている。回転プレート31−1乃至31−4、吊り下げ部材32、軸受部33、支え34−1および34−2、並びにプレート35は、鋼などの金属、より好ましくは、ステンレス鋼、またはオーステナイト系若しくはマルテンサイト系などの耐熱鋼で成形されている。このようにすると、塗料カス等を燃焼させる加熱による清掃を行うことができ、塗料カス等を取り除いて、その落下を防止できるので、不良の発生をより抑制できる。
回転プレート31−1乃至31−4は、延伸部材の一例であり、それぞれ、回転軸としての軸受部33を中心にして、放射状に形成され配置されている。回転プレート31−1乃至31−4は、回転軸としての軸受部33から水平面(X軸およびY軸で規定される面)上を、回転軸側である中心側から外周側に向かって放射状に伸びる。回転プレート31−1乃至31−4は、一体に形成されている。回転プレート31−1乃至31−4は、それぞれ、厚さ方向を上下方向とする平板状に形成され、回転プレート31−1乃至31−4の先端部(外周側の部分)は、半円状に形成されている。
回転プレート31−1乃至31−4は、回転方向の位置決めの角度毎に配置されている。例えば、回転プレート31−1乃至31−4は、回転方向の位置決めの角度である90度毎に設けられている。すなわち、上側から下側を見た場合、回転プレート31−2は、回転軸としての軸受部33を中心に、回転プレート31−1に対して時計回り90度の角度で配置されている。同様に、上側から下側を見た場合、回転プレート31−3は、回転軸としての軸受部33を中心に、回転プレート31−1に対して時計回り180度の角度で配置され、回転プレート31−4は、回転軸としての軸受部33を中心に、回転プレート31−1に対して時計回り270度の角度で配置されている。
例えば、このように、回転プレート31−1乃至31−4は、回転軸としての軸受部33を中心にして、十字状に形成され配置されている。
回転プレート31−1乃至31−4は、インデクサ11がオーバーヘッドコンベアによって搬送されて移動しているとき、オーバーヘッドコンベアの横などに固定されている突起、アームやガイドまたはローラーなどの他の物体に当接することで回転方向の付勢力を生じさせる。
回転プレート31−1乃至31−4が、90度毎に設けられているので、インデクサ11は、オーバーヘッドコンベアの横などに固定されている突起、アームやガイドまたはローラーなどの他の物体に当接したとき、回転方向に90度回ることになる。
吊り下げ部材32は、オーバーヘッドコンベアに吊り下げられる。より詳細には、吊り下げ部材32の四角柱状の部分の上側には、所定の接続具などを介して、オーバーヘッドコンベアのトロリーなどに固定するための接続穴などが設けられている。吊り下げ部材32は、軸受部33と一体に形成され、回転軸としての軸受部33により、回転プレート31−1乃至31−4、支え34−1および34−2、並びにプレート35を回転自在に吊り下げる。吊り下げ部材32の四角柱状の部分の上下方向の中心は、回転軸としての軸受部33の中心と一致させられている。
軸受部33は、軸の一例であり、吊り下げ部材32に対して、回転プレート31−1乃至31−4、支え34−1および34−2、並びにプレート35を回転自在に軸支する。例えば、軸受部33の上側の部材は、横方向から見て、4つの周期の正弦波状に波型に形成され、軸受部33の下側の部材は、上側の部材の形状に対応するように、上側の部材の波型を反転した形状に形成されている。この場合、軸受部33は、軸受部33の上側の部材と軸受部33の下側の部材とで、波型の対応する形状の部分が噛み合うことで、回転方向に90度毎に位置決めすることになる。すなわち、回転プレート31−1乃至31−4が、オーバーヘッドコンベアの横などに固定されている突起、アームやガイドまたはローラーなどの他の物体に当接すると、回転方向に90度回り、軸受部33によって、90度毎に位置決めされる。
支え34−1は、支えの一例であり、回転プレート31−1の下側にプレート35を支えて固定する。言い換えれば、支え34−1は、回転プレート31−1に対してプレート35を支える。支え34−1の上端側は、回転プレート31−1および軸受部33の上側の部材に形成されている孔に通されて、回転プレート31−1および軸受部33の上側の部材を挟み込んで固定する。また、支え34−1の下端側は、プレート35の水平方向の一方の端部側を挟み込んで固定する。
支え34−2は、回転プレート31−3とプレート35とを支えて固定する。言い換えれば、支え34−2は、回転プレート31−3に対してプレート35を支える。支え34−2の上端側は、回転プレート31−3および軸受部33の上側の部材に形成されている孔に通されて、回転プレート31−3および軸受部33の上側の部材を挟み込んで固定する。また、支え34−2の下端側は、プレート35の水平方向の他方の端部側を挟み込んで固定する。
プレート35は、被係止部材の一例であり、四角柱状に形成され、支え34−1および34−2によって、回転プレート31−1と回転プレート31−3とに固定される。プレート35には、ごみ受け皿22が引っ掛けられる。
支え34−1および34−2並びにプレート35の詳細は後述する。
ごみ受け皿22は、皿41、ハンガー掛け42、固定部材43−1および43−2、並びにフックプレート44を含み構成されている。
皿41、ハンガー掛け42、固定部材43−1および43−2、並びにフックプレート44は、鋼などの金属、より好ましくは、ステンレス鋼、またはオーステナイト系若しくはマルテンサイト系などの耐熱鋼で成形されている。このようにすると、塗料カス等を燃焼させる加熱による清掃を行うことができ、塗料カス等を取り除いて、その落下を防止できるので、不良の発生をより抑制できる。
皿41は、回転プレート31−1乃至31−4の外周の円の径より大きい径の円形に形成されている。言い換えれば、皿41は、周が回転プレート31−1乃至31−4の外側の端部の先端を通る円の径より大きい径の円形に形成されている。皿41は、回転位置決め部21またはオーバーヘッドコンベアから落下するごみや塗装カスまたは油などを受けて、これらの異物がワークに付着するのを防止する。皿41の周側は、一旦受けたゴミが落下しないように、中央部分に対して上側に持ち上がる形状とされている。
ハンガー掛け42は、皿41と共に回転するように皿41の下側に固定される。ハンガー掛け42は、鋼線などで、上側が開いている略U字形状に形成されている。ハンガー掛け42には、ワークを保持するハンガーが吊り下げられる。ハンガー掛け42の上側の2本の直線状の端部は、螺子切りされ、ハンガー掛け42の下側(U字の折り返し部分)の先端の中央部分は、回転軸を通り、V字に近い形状とされている。このような形状とすることで、ワークを保持するハンガーの上下方向の軸と軸受部33の回転軸とが一致して、ハンガーの回転軸に対してワークを線対称に配置すると、回転しても、塗装の対象となるそれぞれのワークと塗装ガンとの距離を一定に保つことができる。
固定部材43−1および43−2は、皿41の上側にフックプレート44を固定する。固定部材43−1の下端側は、皿41に設けられている2つの孔のうちの一方に通され、皿41を挟み込んで固定する。固定部材43−1の上端側は、フックプレート44の水平方向の長手方向の一方の端部側を挟み込んで固定する。固定部材43−2の下端側は、皿41に設けられている2つの孔のうちの他方に通され、皿41を挟み込んで固定する。固定部材43−2の上端側は、フックプレート44の水平方向の長手方向の他方の端部側を挟み込んで固定する。
フックプレート44は、係止部材の一例であり、下側が開いた形状に形成され、プレート35に被せられる。すなわち、フックプレート44の外形は、四角柱状に形成されている。フックプレート44の内面形状は、プレート35の外形に対応する形状に形成されている。また、詳細は後述するが、フックプレート44には、支え34−1および34−2を逃がし(支え34−1および34−2との干渉を防止させ)、支え34−1および34−2に対して、フックプレート44の水平方向のうちの長手方向に位置決めをするための切り欠きが形成されている。
フックプレート44がプレート35に被せられると、フックプレート44がプレート35に係止される。すなわち、フックプレート44はプレート35に引っ掛けられて止められる。これにより、回転位置決め部21の下側に、ごみ受け皿22が装着される。
固定部材43−1および43−2並びにフックプレート44の詳細は後述する。
次に、回転位置決め部21、支え34−1および34−2、並びにプレート35の詳細を説明する。
図5乃至図7は、それぞれ、回転位置決め部21の構成の一例を示す正面図、右側面図および底面図である。
支え34−1は、ボルト61−1、ナット62−1、ナット63−1、スペーサ64−1およびナット65−1を含み構成される。ボルト61−1は、いわゆる皿ねじである。ボルト61−1の頭がプレート35の孔(図8を参照して後述する孔81−1およびテーパー部91−1)に嵌められている。ボルト61−1には、ナット62−1、ナット63−1およびナット65−1が螺合される。ボルト61−1の頭がプレート35の孔に嵌められ、ボルト61−1の軸部がプレート35の孔に通されて、ボルト61−1の軸部にナット65−1が螺合され、ボルト61−1およびナット65−1により、プレート35が挟まれて、支え34−1が、プレート35に固定される。
ナット65−1が螺合されたボルト61−1の軸部に、さらに、スペーサ64−1が挿入される。スペーサ64−1は、管状に形成されている。スペーサ64−1は、いわゆるカラーである。スペーサ64−1によって、ボルト61−1の軸部が覆われて保護され、ナット65−1とナット63−1との間の距離がスペーサ64−1の長さ以上になるように規制される。ナット65−1が螺合され、スペーサ64−1が挿入されたボルト61−1の軸部に、ナット63−1が螺合される。ナット65−1が螺合され、スペーサ64−1が挿入され、ナット63−1が螺合されたボルト61−1の軸部は、軸受部33の上側の部材の孔および回転プレート31−1の孔に通されて、回転プレート31−1の側からナット62−1が螺合される。軸受部33の上側の部材および回転プレート31−1は、ボルト61−1の軸部に螺合されたナット63−1およびナット62−1によって挟まれて固定される。このようにして、支え34−1が、軸受部33の上側の部材および回転プレート31−1に固定される。
支え34−2は、ボルト61−2、ナット62−2、ナット63−2、スペーサ64−2およびナット65−2を含み構成される。ボルト61−2は、いわゆる皿ねじである。ボルト61−2の頭がプレート35の孔(図8を参照して後述する孔81−2およびテーパー部91−2)に嵌められている。ボルト61−2には、ナット62−2、ナット63−2およびナット65−2が螺合される。ボルト61−2の頭がプレート35の孔に嵌められ、ボルト61−2の軸部がプレート35の孔に通されて、ボルト61−2の軸部にナット65−2が螺合され、ボルト61−2およびナット65−2により、プレート35が挟まれて、支え34−2が、プレート35に固定される。
ナット65−2が螺合されたボルト61−2の軸部に、さらに、スペーサ64−2が挿入される。スペーサ64−2は、管状に形成されている。スペーサ64−2は、いわゆるカラーである。スペーサ64−2によって、ボルト61−2の軸部が覆われて保護され、ナット65−2とナット63−2との間の距離がスペーサ64−2の長さ以上になるように規制される。ナット65−2が螺合され、スペーサ64−2が挿入されたボルト61−2の軸部に、ナット63−2が螺合される。ナット65−2が螺合され、スペーサ64−2が挿入され、ナット63−2が螺合されたボルト61−2の軸部は、軸受部33の上側の部材の孔および回転プレート31−3の孔に通されて、回転プレート31−3の側からナット62−2が螺合される。軸受部33の上側の部材および回転プレート31−3は、ボルト61−2の軸部に螺合されたナット63−2およびナット62−2によって挟まれて固定される。このようにして、支え34−2が、軸受部33の上側の部材および回転プレート31−3に固定される。
スペーサ64−1および64−2の長さを変更することで、回転プレート31−1および31−3とプレート35との間隔が調整される。
ボルト61−1の軸部が通される軸受部33の上側の部材の孔および回転プレート31−1の孔と、ボルト61−2の軸部が通される軸受部33の上側の部材の孔および回転プレート31−3の孔とは、回転軸である軸受部33を通る直線上にある。ここで、この直線は仮想的な直線である。以下、同様である。軸受部33の回転の中心から、ボルト61−1の軸部が通される軸受部33の上側の部材の孔および回転プレート31−1の孔までの距離と、ボルト61−2の軸部が通される軸受部33の上側の部材の孔および回転プレート31−3の孔までの距離とは、同じである。
また、支え34−1および34−2は、上下方向に伸びるように配置される。すなわち、支え34−1および34−2は、軸受部33の軸の向きに平行する向きに伸びる。
このように、支え34−1および34−2は、回転プレート31−1上および回転プレート31−3上の2つの位置であって、回転軸である軸受部33を通る直線(仮想的な直線)上にあり、回転軸である軸受部33から同じ距離の2つの位置のそれぞれから軸受部33の向きに平行する向きに伸びる。
プレート35の上側の面の中央には、ピン71が設けられている。ピン71は、円柱状に形成されている。例えば、ピン71は、圧入されると径方向に縮むスプリングピンである。ピン71は、プレート35の上側の面から上側に突出する突起である。ピン71は、プレート35に設けられた孔に圧入されて、プレート35に固定される。ピン71が圧入される孔は、プレート35の上側の面の中央、すなわち、軸受部33の中心を通る直線と交わる位置に形成されているので、ピン71は、回転軸である軸受部33を通る直線と交わる位置に設けられる。ピン71は、プレート35の上側の面に設けられるので、プレート35の面のうち、回転プレート31−1乃至31−4側の面に設けられることになる。
このように、プレート35には、回転プレート31−1乃至31−4側の面に、回転軸である軸受部33を通る直線と交わる位置に突起の一例であるピン71が設けられる。
次に、図8を参照して、プレート35の構成の詳細を説明する。図8(A)乃至(D)は、それぞれ、プレート35の正面図、上面図、底面図および右側面図である。
プレート35は、四角の平板状に形成されている。プレート35は、四角柱状に形成されているとも言える。
プレート35の右側の端部側であって、プレート35の前後方向の中央部分には、円形に開口する孔81−1が設けられている。孔81−1の部分のうち、プレート35の底面側は、プレート35の上面側の孔81−1の径に比較して大きい径の孔になるようにテーパー部91−1が形成されている。すなわち、プレート35の上面には、より小さい径の円形の孔81−1が開口し、プレート35の底面には、孔81−1が広げられた孔として、より大きい径の円形の孔81−1のテーパー部91−1が開口する。
図7、図6および図5に示されるように、皿ねじであるボルト61−1の頭がテーパー部91−1に嵌まり込み、ボルト61−1の頭の頭頂部は、プレート35の底面と面一になる。
プレート35の左側の端部側であって、プレート35の前後方向の中央部分には、円形に開口する孔81−2が設けられている。孔81−2の部分のうち、プレート35の底面側は、プレート35の上面側の孔81−2の径に比較して大きい径の孔になるようにテーパー部91−2が形成されている。すなわち、プレート35の上面には、より小さい径の円形の孔81−2が開口し、プレート35の底面には、孔81−2が広げられた孔として、より大きい径の円形の孔81−2のテーパー部91−2が開口する。
図7、図6および図5に示されるように、皿ねじであるボルト61−2の頭がテーパー部91−2に嵌まり込み、ボルト61−2の頭の頭頂部は、プレート35の底面と面一になる。
円形に開口する孔81−1の中心軸は、プレート35の上面および底面に直交する。円形に開口する孔81−2の中心軸は、プレート35の上面および底面に直交する。孔81−1に挿入されたボルト61−1の中心軸および孔81−2に挿入されたボルト61−2の中心軸は、プレート35の上面および底面に直交する。支え34−1および34−2は、回転プレート31−1および31−3に直交するので、支え34−1および34−2によって支えられるプレート35の上面は、回転プレート31−1および31−3の底面と平行になる。すなわち、プレート35の上面は、回転プレート31−1および31−3の底面に対して正対する。
皿ねじであるボルト61−1の頭がテーパー部91−1に嵌まり込み、皿ねじであるボルト61−2の頭がテーパー部91−2に嵌まり込むので、支え34−1および34−2がプレート35の底面に突出せず、プレート35にフックプレート44を被せたとき、皿41の上面に支え34−1および34−2が当たることがないので、容易に、回転位置決め部21にごみ受け皿22を装着することができる。また、このようにすることで、回転位置決め部21にごみ受け皿22が装着されている状態で、回転プレート31−1乃至31−4から皿41の上面までの間隔をより短くすることができ、したがって、皿41が、回転位置決め部21またはオーバーヘッドコンベアから落下するごみや塗装カスまたは油などを、より確実に受けることができる。さらに、回転プレート31−1乃至31−4から皿41の上面までの間隔をより短くすることができると、ワークに塗装を行う塗装ブースやワークに塗着した塗料を焼き付けするためのオーブンに設けられているマスク(塗装ブースやオーブンの出入口に設けられる、気流の横流れを防止して、ごみなどの吸い込みを防止するための仕切り)にぶつかってしまうことを防止できる。
プレート35の上面の中央には、プレート35の上面および底面を通る向きに、円柱状の孔82が設けられている。すなわち、円柱状の孔82の円形の底面は、プレート35の上面および底面に開かれる。孔82の側面が、プレート35の上面および底面に直交するように、孔82はプレート35に開けられている。孔82の径は、ピン71の径よりも若干短くされている。このようにすることで、ピン71が孔82に圧入されると、ピン71は孔82に固定される。
プレート35にフックプレート44を被せたとき、ピン71は、フックプレート44の中央に開けられた孔に収容される。これにより、回転位置決め部21の回転軸とごみ受け皿22の中心とが一致する。
次に、ごみ受け皿22、固定部材43−1および43−2、並びにフックプレート44の詳細を説明する。
図9乃至図11は、それぞれ、ごみ受け皿22の構成の一例を示す上面図、正面図および右側面図である。なお、図10において、皿41は、X軸およびZ軸で規定される面であって、回転軸と交わる面における断面を示している。また、図11において、皿41は、Y軸およびZ軸で規定される面であって、回転軸と交わる面における断面を示している。
固定部材43−1は、ボルト101−1、ナット102−1、ワッシャ103−1、スペーサ104−1、ワッシャ105−1およびナット106−1を含み構成される。ボルト101−1は、両側に頭部のない、いわゆるスタッドボルトである。ボルト101−1には、ナット102−1およびナット106−1が螺合される。ナット102−1は、ボルト101−1の一方の端部に螺合される。一方の端部にボルト101−1が螺合されたナット102−1には、他の端部側からワッシャ103−1が通される。そして、ナット102−1の他の端部側は、フックプレート44の孔(図12を参照して後述する孔141−1)に通される。さらに、ナット102−1の他の端部側には、スペーサ104−1およびワッシャ105−1が通される。スペーサ104−1は、管状に形成されている。スペーサ104−1は、いわゆるカラーである。
皿41には、回転軸である中心をX軸方向に挟んで、中心から同じ距離の対向する位置に、固定部材43−1および固定部材43−2を固定するための2つの孔が設けられている。ナット102−1の他の端部側は、この2つの孔のうち、右側の孔に通されて、ナット106−1が螺合される。フックプレート44は、ボルト101−1およびナット102−1並びにスペーサ104−1に挟まれて固定される。皿41は、スペーサ104−1およびワッシャ105−1並びにナット106−1に挟まれて固定される。
固定部材43−2は、ボルト101−2、ナット102−2、ワッシャ103−2、スペーサ104−2、ワッシャ105−2およびナット106−2を含み構成される。ボルト101−2は、両側に頭部のない、いわゆるスタッドボルトである。ボルト101−2には、ナット102−2およびナット106−2が螺合される。ナット102−2は、ボルト101−2の一方の端部に螺合される。一方の端部にボルト101−2が螺合されたナット102−2には、他の端部側からワッシャ103−2が通される。そして、ナット102−2の他の端部側は、フックプレート44の孔(図12を参照して後述する孔141−2)に通される。さらに、ナット102−2の他の端部側には、スペーサ104−2およびワッシャ105−2が通される。スペーサ104−2は、管状に形成されている。スペーサ104−2は、いわゆるカラーである。
さらにまた、ナット102−2の他の端部側は、皿41に開けられている、回転軸である中心をX軸方向に挟んだ2つの孔のうち、左側の孔に通されて、ナット106−2が螺合される。フックプレート44は、ボルト101−2およびナット102−2並びにスペーサ104−2に挟まれて固定される。皿41は、スペーサ104−2およびワッシャ105−2並びにナット106−2に挟まれて固定される。
スペーサ104−1および104−2のそれぞれによって、ボルト101−1および101−2のそれぞれが覆われて保護される。また、フックプレート44と皿41との間の間隔(Z軸方向の距離)がスペーサ104−1および104−2の長さ以上になるように規制される。
スペーサ104−1および104−2の長さを変更することで、フックプレート44と皿41との間隔が調整される。
皿41には、回転軸である中心をY軸方向に挟んで、中心から同じ距離の対向する位置に、ハンガー掛け42を固定するための2つの孔が設けられている。ハンガー掛け42を固定するための2つの孔と回転軸である中心とを結ぶ直線と、固定部材43−1および43−2を固定するための2つの孔と回転軸である中心とを結ぶ直線とは、回転軸である中心において90度で交わっている。ハンガー掛け42の螺子切りされている上側の2本の直線状の端部に、ナット121−1および121−2がそれぞれ螺合されて、ハンガー掛け42の螺子切りされている上側の2本の直線状の端部が、それぞれ、皿41に開けられている固定用の2つの孔のそれぞれに挿入される。そして、ハンガー掛け42の螺子切りされている上側の2本の直線状の端部に、ボルト122−1および122−2が螺合される。ハンガー掛け42に螺合されているナット121−1および121−2並びにボルト122−1および122−2によって、皿41が挟まれることで、皿41にハンガー掛け42が固定される。
次に、図12を参照して、フックプレート44の構成の詳細を説明する。図12(A)乃至(D)は、それぞれ、フックプレート44の背面図、上面図、正面図および右側面図である。
フックプレート44は、プレート35に上側から被せられて使用されるので、フックプレート44の外側の形状は、底面が開かれている四角柱状とされている。すなわち、右側面図に示されるように、フックプレート44のX軸およびZ軸で規定される面の断面は、コの字型(U字型)とされている。
言い換えると、フックプレート44は、水平方向に広がる四角の平板状の部分と、その平板の長手方向の2つの端部から、平板状の部分に対して下向きに直交して、2つの端部で同じ長さだけ下向きに伸びた部分とからなる。フックプレート44おいては、長方形の平板の長手方向の両側の端部に、端部から直角に曲げられた長方形のフランジが形成されていると言うこともできる。
フックプレート44の内面形状は、プレート35の外形に対応する形状とされている。すなわち、フックプレート44の内面に、プレート35を収めることができるように、フックプレート44の内面形状が形成されている。また、フックプレート44の内面に、プレート35を収めた場合、フックプレート44の内面の上面がプレート35の上面に接し、また、フックプレート44の内面の両側の側面が、所定の隙間をもって、プレート35の両側の側面に沿うように、フックプレート44の内面形状が形成されている。すなわち、フックプレート44の内面形状は、四角柱状とされている。
または、フックプレート44の外形は、四角柱状とされ、フックプレート44の底面は、外形に比較して小さい四角柱状に開かれているとも言える。
フックプレート44の左右方向の長さは、プレート35の左右方向の長さより長い。プレート35の左右方向の長さは、支え34−1および34−2の間隔より長いので、フックプレート44の左右方向の長さは、支え34−1および34−2の間隔より長い。
フックプレート44の右側の端部側であって、フックプレート44の前後方向の中央部分には、孔141−1が設けられている。孔141−1の径は、ボルト101−1の外形より大きく、スペーサ104−1およびワッシャ105−1の外径より小さくされている。
フックプレート44の左側の端部側であって、フックプレート44の前後方向の中央部分には、孔141−2が設けられている。孔141−2の径は、ボルト101−2の外形より大きく、スペーサ104−2およびワッシャ105−2の外径より小さくされている。
フックプレート44の孔141−1の左側であって、フックプレート44の前後方向の中央部分には、切り欠き142−1が形成されている。切り欠き142−1は、半長円状に形成され、上面図および正面図に示されるように、切り欠き142−1の手前側が開いている。切り欠き142−1は、上側から下側に見た場合、U字状とされ、開いている側が正面になる。切り欠き142−1は、支え34−1を挟むことのできる大きさとされている。半長円状の切り欠き142−1の径は、ナット65−1の外径(対角距離)より若干大きくされている。
フックプレート44の孔141−2の右側であって、フックプレート44の前後方向の中央部分には、切り欠き142−2が形成されている。切り欠き142−2は、半長円状に形成され、上面図および正面図に示されるように、切り欠き142−2の手前側が開いている。切り欠き142−2は、上側から下側に見た場合、U字状とされ、開いている側が正面になる。切り欠き142−2は、支え34−2を挟むことのできる大きさとされている。半長円状の切り欠き142−2の径は、ナット65−2の外径(対角距離)より若干大きくされている。
フックプレート44の上面の中央には、フックプレート44の上面および底面を通る向きに、円柱状の孔143が設けられている。すなわち、円柱状の孔143の円形の底面は、フックプレート44の上面および底面に開かれる。孔143の側面が、フックプレート44の上面および底面に直交するように、孔143はフックプレート44に開けられている。孔143の径は、ピン71の径よりも若干長くされている。このようにすることで、ピン71が孔143に入ることで、ピン71によって、プレート35に対してフックプレート44が位置決めされる。
このように、フックプレート44には、プレート35の上面に対応する側の面に、切り欠き142−1および142−2から同じ距離になる位置にピン71を収容可能な形状の孔143が設けられている。
プレート35にフックプレート44を被せたとき、ピン71は、フックプレート44の孔143に収容される。これにより、回転位置決め部21の回転軸とごみ受け皿22の中心とが一致する。
フックプレート44の正面の側面の中央には、切り欠き144が設けられている。すなわち、切り欠き142−1および142−2が開いている側の面に、切り欠き144が設けられている。切り欠き144の左右方向の幅は、孔143の径より広い。すなわち、切り欠き144の左右方向の幅は、ピン71の径より広い。このようにすることで、プレート35にフックプレート44を被せるとき、ピン71が切り欠き144を通るので、プレート35の上面でフックプレート44を滑らせるようにすれば、容易にプレート35にフックプレート44を被せることができる。
このように、フックプレート44には、プレート35の上面に対応する側の面に隣接する面であって、回転プレート31−1および31−3の長手方向に伸びる2つの面のうち、切り欠き142−1および142−2が開いている側の面に、孔143の径より広い幅の切り欠き144が設けられている。
プレート35にフックプレート44が被せられた状態を、図13および図14の断面図を参照して説明する。図13は、図2中のCC’の範囲の図1中のAA‘線における断面を示す図である。図14は、図3中のDD’の範囲の図1中のBB‘線における断面を示す図である。
回転位置決め部21にごみ受け皿22を装着する場合、プレート35の長手方向と、フックプレート44の長手方向とが一致するように、回転位置決め部21およびごみ受け皿22の向きを決めて、切り欠き142−1が、支え34−1を挟み込み、切り欠き142−2が、支え34−2を挟み込むようにして、プレート35の上面でフックプレート44を滑らせて、最後に、ピン71を、孔143に収容させるようにして、プレート35にフックプレート44を被らせる。
プレート35にフックプレート44が被せられたとき、フックプレート44の内面に、プレート35が収められる。このとき、図14に示されるように、フックプレート44の内面の上面がプレート35の上面に接し、また、フックプレート44の内面の両側の側面が、所定の隙間をもって、プレート35の両側の側面に沿う。
プレート35にフックプレート44が被せられたとき、ピン71は、孔143に収容される。
切り欠き142−1は、支え34−1を挟む。また、切り欠き142−2は、支え34−2を挟む。
プレート35にフックプレート44が被せられたとき、図13に示されるように、回転位置決め部21の回転軸とごみ受け皿22の中心とに交わる直線であって、X軸方向の直線上に、右から、固定部材43−1、支え34−1、ピン71、支え34−2、および固定部材43−2が順に並ぶ。
このように、プレート35は、四角柱状に形成されている。プレート35の面のうち、回転プレート31−1および31−3に対向する面である対向面が、回転プレート31−1および31−3に対して正対するようにプレート35は配置されている。プレート35は、回転プレート31−1および31−3に対して支え34−1および34−2によって支えられている。
また、フックプレート44は、支え34−1および34−2の間隔よりも長く形成されている。フックプレート44の内面形状は、プレート35の外形に対応する形状であって、回転プレート31−1および31−3に対向する面である対向面に対応する側の面に対向する側が開いている形状に形成されている。フックプレート44には、支え34−1および34−2をそれぞれ通して、支え34−1および34−2の位置を規制する、同じ向きに開いている切り欠き142−1および142−2が設けられている。
固定部材43−1および43−2は、プレート35の回転軸の向きの大きさである厚さより皿41の上側の面からの距離が長くなる位置であって、皿41の中心に直交する直線と交差する位置に、フックプレート44を皿41に固定する。また、固定部材43−1および43−2は、開いている側が皿41を向く向きにフックプレート44を皿41に固定する。
プレート35にフックプレート44が被せられたとき、切り欠き142−1が、支え34−1を挟み込み、切り欠き142−2が、支え34−2を挟み込むので、プレート35とフックプレート44とは、X軸方向(左右方向)にずれることがない。また、プレート35にフックプレート44が被せられたとき、フックプレート44の内面の上面がプレート35の上面に接し、また、フックプレート44の内面の両側の側面が、所定の隙間をもって、プレート35の両側の側面に沿うので、プレート35とフックプレート44とは、Y軸方向(前後方向)にずれることがない。
このように、プレート35、フックプレート44、並びに支え34−1および34−2によって、X軸方向およびY軸方向のずれが防止される。
また、フックプレート44の内面の両側の側面およびプレート35の両側の側面には、所定の高さがあるので、仮に、その高さ以内で、プレート35に対して、フックプレート44が持ち上げられて、その後にフックプレート44が下げられたとしても、フックプレート44がプレート35に対して元の位置に被さるので、回転位置決め部21とごみ受け皿22とがずれることがない。
プレート35、フックプレート44、並びに支え34−1および34−2は、接合部であるとも言える。プレート35とフックプレート44とが、面形状で嵌り合って、Z軸方向のうちの下向きとY軸方向とについて、位置が規制され、支え34−1および34−2のそれぞれとフックプレート44の切り欠き142−1および142−2のそれぞれとが当接して、X軸方向について、位置が規制されて、プレート35に対してフックプレート44が位置決めされる。プレート35、フックプレート44、並びに支え34−1および34−2でなる接合部は、左右方向および前後方向の水平方向の位置と上下方向のうちの下向きの位置とで位置決めして、接合するとも言える。プレート35に被せられているフックプレート44は、プレート35に対して、上下方向のうちの上向きにのみ動かすことができる。
さらに、仮に、フックプレート44の内面の両側の側面の高さ以上に、プレート35に対して、フックプレート44が持ち上げられたとしても、フックプレート44の下端と皿41の上面との間の距離は、プレート35を入れることのできる最小のものとすることで、必要以上にフックプレート44が高く持ち上げられることがなく、また、切り欠き142−1が支え34−1をガイドして、切り欠き142−2が支え34−2をガイドするので、再度、フックプレート44がプレート35に対して元の位置に被さる可能性が高くなる。
このように、回転させられるとき、傾いたとき、または突き上げられたときでも、ごみ受け皿22の脱落をより少なくすることができる。
フックプレート44のY軸およびZ軸で規定される面の断面が、コの字型(U字型)とされているので、フックプレート44の強度および剛性がより高くなる。
さらに、プレート35にフックプレート44が被せられたとき、ピン71は、孔143に収容されるので、回転位置決め部21の回転軸とごみ受け皿22の中心とが確実に一致する。
従って、回転させられるとき、揺れたとき、オーバーヘッドコンベアのアップダウン、ワークの取り外しまたはハンガーの取り外しにおいて、プレート35に対して、フックプレート44が持ち上げられたとしても、回転位置決め部21からのごみ受け皿22の脱落をより少なくすることができる。
また、プレート35にフックプレート44が被せられて、ハンガーが取り付けられるごみ受け皿22の荷重を回転位置決め部21が受けるので、単純なフックに比較して、耐荷重をより大きくすることができる。また、プレート35とフックプレート44とが面で接触するので、静電塗装に用いる場合、電気抵抗をより小さくすることができ、電流値の異常などにより安全装置が働いてしまうことがない。さらに、プレート35とフックプレート44との接触面がフックプレート44で覆われているので、プレート35とフックプレート44との接触面に塗料が付着しにくい。静電塗装においてより安定して電圧を加えて、塗着効率をより高く維持することができる。
一方、回転位置決め部21からごみ受け皿22を取り外す場合、プレート35に対して、フックプレート44を持ち上げて、プレート35の上面をフックプレート44の下端部を滑らせつつ、切り欠き142−1に沿って、支え34−1を移動させ、また、切り欠き142−2に沿って、支え34−2を移動させることで、フックプレート44の内面側からプレート35を抜き出す。
この場合、プレート35の上面、並びに切り欠き142−1および切り欠き142−2がガイドになるので、簡単に、回転位置決め部21からごみ受け皿22を取り外すことができる。
プレート35にフックプレート44を被せる構造としたことで、単純なフックに比較して、皿41から回転プレート31−1乃至31−4までの高さをより低くすることができる。これにより、コンベアのアップダウンの傾斜やマスクの開口部など塗装設備を変更することなく、インデクサ11を従来のインデクサに置き換えることができる。
プレート35の上面とフックプレート44の内面とが当接して位置決めされるので、傾きが生じにくく、水平位置が出し易くなる。また、ばねなどの弾性による付勢力を利用して押さえたり位置決めする場合、長期間使用することで、脆くなったりへたりが生じたりするが、プレート35にフックプレート44を被せる構造としたことで、長期間でも安定して使用することができる。不要な塗膜を剥離するために、ごみ受け皿22を加熱したり酸に漬けたりすることで、フックプレート44に多少の歪が生じても、プレート35の上面とフックプレート44の内面とが当接して面によって位置決めされるので、傾きが生じにくい。
さらに、プレート35にフックプレート44を被せる比較的単純な構造なので、容易に製造することができ、価格を抑えることができる。また、プレート35およびフックプレート44以外は、規格品、標準品を使用することができるので、容易に製造することができ、価格を抑えることができる。
プレート35にフックプレート44が正しい位置に被せられたとき、ピン71は、孔143に収容されるので、インデクサ11の上側から、目視で、孔143を確認することで、プレート35にフックプレート44が正しい位置に被せられたか否かを確実に知ることができる。
また、支え34−1および支え34−2によって、プレート35およびフックプレート44と軸受部33とが離れた構造になるので、軸受部33への給油が容易にできる。
このように、回転プレート31−1および31−3は、オーバーヘッドコンベアに搬送されて移動しているとき他の物体に当接することで回転の付勢力を生じさせる、放射状に形成されている。軸受部33は、放射状の回転プレート31−1および31−3の中心に直交して、回転可能に回転プレート31−1および31−3を支えて回転方向に位置決めする。支え34−1および34−2は、回転プレート31−1および31−3上の2つの位置であって、軸受部33の軸を通る直線上にあり、軸受部33の軸から同じ距離の2つの位置のそれぞれから軸受部33の軸の向きに平行する向きに伸びる。
プレート35は、四角柱状とされている。また、プレート35は、回転プレート31−1および31−3に対向する面である対向面が回転プレート31−1および31−3に対して正対するように配置され、回転プレート31−1および31−3に対して支え34−1および34−2によって支えられている。皿41は、回転プレート31−1および31−3より長い径の円板状に形成されている。
フックプレート44は、支え34−1および34−2の間隔より長く形成されている。フックプレート44の内面形状は、プレート35の外形に対応する形状であって、プレート35の上面に対応する側の面に対向する側が開いている形状に形成されている。フックプレート44には、支え34−1および34−2をそれぞれ通して、支え34−1および34−2の位置を規制する、同じ向きに開いている切り欠き142−1および142−2が設けられている。
固定部材43−1および43−2は、プレート35の軸受部33の軸の向きの大きさである厚さより皿41の上面からの距離が長くなる位置であって、皿41の中心に直交する直線と交差する位置に、開いている側が皿41を向く向きにフックプレート44を皿41に固定する。
切り欠き142−1および142−2は、それぞれ、半長円状に形成することができる。
プレート35の上面には、軸受部33の軸を通る直線と交わる位置に突起であるピン71を設け、フックプレート44には、プレート35の上面に対応する側の面に、切り欠き142−1および142−2から同じ距離になる位置にピン71を収容可能な形状の孔143を設けることができる。
フックプレート44には、プレート35の上面に対応する側の面に隣接する面であって、回転プレート31−1および31−3の長手方向に伸びる2つの面のうち、切り欠き142−1および142−2が開いている側の面に、孔143の径より広い幅の切り欠き144を設けることができる。
支え34−1および34−2は、皿ねじであるボルト61−1および61−2を含んで構成し、支え34−1および34−2が、それぞれ、皿ねじであるボルト61−1および61−2の頭がプレート35に嵌まり込み、プレート35を支えるようにすることができる。
なお、回転位置決め部21は、オーバーヘッドコンベアに吊り下げられて搬送され、回転させられて回転方向に位置決めするインデクサの一例でもある。
インデクサとしての回転位置決め部21は、回転プレート31−1および31−3と、軸受部33と、支え34−1および34−2と、プレート35とを備える。
ごみ受け皿22は、皿41と、フックプレート44と、固定部材43−1および43−2と備える。
なお、回転プレート31−1乃至31−4は、平板状であると説明したが、これに限らず、他の物体に当接することで回転方向の付勢力を得られる形状であれば足り、例えば、棒状などでも良い。
また、支え34−1が、ボルト61−1、ナット62−1、ナット63−1、スペーサ64−1およびナット65−1を含み構成され、支え34−2が、ボルト61−2、ナット62−2、ナット63−2、スペーサ64−2およびナット65−2を含み構成されると説明したが、これに限らず、回転プレート31−1および31−3または軸受部33の上側の部材並びにプレート35に丸棒や角棒などを直接溶接などして接合して支えとするようにしてもよい。固定部材43−1および43−2も同様である。
回転方向の位置決めの角度は、90度に限らず、60度、120度、または180度など、所定の角度とすることができる。
なお、切り欠き142−1および142−2は、半長円状に形成されていると説明したが、これに限らず、支え34−1および34−2を逃がして位置決め出来れば良く、四角状または半円状などの左右で対称な形状でも良いし、または左右で非対称な形状などであっても良い。
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。