JP2017204573A - 強誘電体薄膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】強誘電体薄膜を形成するために、主溶媒が酢酸イソアミルであるCSD溶液(ゾルゲル法溶液)をスピンコート後にEBR(エッジビードリンス)したときに、基板の外周端部の膜の除去率を高めることができるとともに、基板の外周端部の膜にクラックや局部剥がれを生じることなく除去して、パーティクルの発生を防止する。【解決手段】有機金属化合物を含有する主溶媒が酢酸イソアミルであるCSD溶液を基板に塗布してゲル状塗膜1を形成し、基板2を回転させながら外周端部にメタノール及び/又はエタノールを主成分とする液体4を噴射又は滴下して、ゲル状塗膜の外周端部を除去し、外周端部について除去された後のゲル状塗膜を加熱処理して強誘電体薄膜を形成する。強誘電体薄膜はBST系膜、BT系膜又はST系膜であることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、ゾルゲル法等により調製した原料溶液を塗布焼成して、強誘電体薄膜を製造する方法に関するものである。更に詳しくは、BST系膜(チタン酸ストロンチウムバリウム系膜)、BT系膜(チタン酸バリウム系膜)又はST系膜(チタン酸ストロンチウム系膜)の強誘電体薄膜を製造するのに適した方法である。
ゾルゲル法は、金属アルコキシドからなるゾルを加水分解・重縮合反応により、流動性を失ったゲルとし、このゲルを加熱焼成して酸化物とする方法であり、基板(ウェーハ)上に膜を形成する技術としては、例えば基板を溶液中に浸漬した後一定速度で引き上げるディップコート法、基板の上部から溶液を基板上に流し拡げるフローコート法、回転するプラスチツクロール表面を溶液で濡らし基板を搬送しながらロールに接触させるロールコート法、或いは回転する基板上に溶液を滴下し回転力によって基板上に流し拡げるスピンコート法など種々の方法が知られている。このうち、特にスピンコート法の場合、基板の外周端部で膜が厚くなり易く、基板の裏面にも回り込む現象が生じ易い。
このようなゾルゲル法等(以下、CSD法と総称し、その溶液をCSD溶液と称する。)による塗布方法の場合、一回で塗布する膜厚が厚すぎると、熱処理後の膜にクラックが入りやすいという問題がある。このクラックで剥がれた膜がパーティクルとなり、デバイスの歩留まりが低下する原因となり得るため、基板の外周端部の膜は熱処理する前に除去するという方法が取られる。
基板の外周端部の膜を除去する方法として、原料溶液を塗布した後に、基板を回転させながら基板の外周端部に有機溶剤を接触させて膜を取り除くエッジビードリンス(EBR)と称する方法がある。
上記EBR法でCSD溶液による塗膜の一部を除去する場合、一般的には、そのCSD溶液に使用されている溶液をEBR用液体として用いることが考えられている。一方、ゾルゲル法等により製作した原料溶液を塗布焼成して、PZT膜(チタン酸ジルコン酸鉛膜)、SBT膜(タンタル酸ビスマスストロンチウム膜)等の強誘電体薄膜を形成するときに、これらの強誘電体薄膜を形成するための有機金属化合物を含有するCSD溶液を基板に塗布してゲル状塗膜を形成し、基板を回転させながら外周端部に、EBR用液体として水を噴射又は滴下して、ゲル状塗膜の外周端部を除去した後、外周端部について除去された後のゲル状塗膜を加熱処理して強誘電体薄膜を形成する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1の発明においてEBR用液体として水を選定している理由は、強誘電体薄膜がPZT膜(チタン酸ジルコン酸鉛膜)、SBT膜(タンタル酸ビスマスストロンチウム膜)である場合、その原料溶液であるCSD溶液の主溶媒にメタノール、エタノール、ブタノール等を使用している関係上、CSD溶液を塗布した後に、上記外周端部にメタノール、エタノール、ブタノール等の溶媒を噴射又は滴下すると、溶媒の半径方向内方への浸透と、溶けた膜の半径方向外方への伸びとが相互に影響し合い、両者の作用力のばらつき等により、噴射又は滴下領域近傍の膜厚が不均一になって、加熱処理後に噴射又は滴下領域近傍においてクラックや局部剥がれが生じる問題点があるためである。
特開2011−014649号公報(請求項1、段落[0001]、段落[0009])
CSD溶液の主溶媒の種類を考慮することなく、この主溶媒と同一の有機溶媒をEBR用液体として用いた場合にも上記と同様の問題点が起こることがあった。特に、強誘電体薄膜がチタン酸ストロンチウムバリウム系膜(以下、BST系膜と称することもある。)、チタン酸バリウム系膜(以下、BT系膜と称することもある。)又はチタン酸ストロンチウム系膜(以下、ST系膜と称することもある。)である場合であって、その原料溶液であるCSD溶液の主溶媒に酢酸イソアミルを使用するときに、CSD溶液を塗布した後に、上記外周端部にEBR用液体として特許文献1に記載された水を噴射又は滴下すると、酢酸イソアミルを主溶媒とするCSD溶液は、水と混ざらないため、水系のEBR用の液体では基板の外周端部の膜を除去をすることができない問題点があった。またEBR用液体としてこの主溶媒と同一の酢酸イソアミルを用いた場合も、塗膜が膨潤し膜厚が不均一になることから、基板の外周端部の膜の除去率を高めることができない問題点があった。
本発明の目的は、強誘電体薄膜を形成するために、主溶媒が酢酸イソアミルであるCSD溶液をスピンコート後にエッジビードリンスしたときに、基板の外周端部の膜の除去率を高めることができるとともに、基板の外周端部の膜にクラックや局部剥がれを生じることなく除去して、パーティクルの発生を防止する強誘電体薄膜の製造方法を提供することにある。
本発明の第1の観点は、強誘電体薄膜を形成するための有機金属化合物を含有するCSD溶液を基板に塗布してゲル状塗膜を形成する工程と、前記基板を回転させながら外周端部に液体を噴射又は滴下して、前記ゲル状塗膜の外周端部を除去する工程と、前記外周端部について除去された後の前記ゲル状塗膜を加熱処理して強誘電体薄膜を形成する工程とを有する強誘電体薄膜の製造方法において、前記CSD溶液の主溶媒が酢酸イソアミルであって、前記液体がメタノール及び/又はエタノールを主成分とする液体であることを特徴とする。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、前記強誘電体薄膜がBST系膜、BT系膜又はST系膜であることを特徴とする。
本発明の第3の観点は、第1又は第2の観点に基づく発明であって、前記有機金属化合物が一般式C2n+1COOH(但し、3≦n≦7)で表されるカルボン酸の金属塩であることを特徴とする。
本発明の第1の観点の強誘電体薄膜の製造方法によれば、CSD溶液の主溶媒が酢酸イソアミルであるときに、基板にCSD溶液を塗布した後、回転する基板にメタノール及び/又はエタノールを主成分とする液体を噴射又は滴下した場合、この液体は主溶媒の酢酸イソアミルに対して他の有機溶媒と比較して溶解性が高いため、噴射又は滴下した箇所から半径方向外方位置の外周端部の塗膜が膨潤しにくく、部分的に厚くなることがなく、結果としてこの外周端部の膜におけるクラックや局部剥がれを防止することができる。
本発明の第2の観点の強誘電体薄膜の製造方法によれば、BST系膜、BT系膜又はST系膜である強誘電体薄膜を製造するときの主溶媒には、上記有機金属化合物を溶解した場合の経時安定性が良好な酢酸イソアミルが多用されるため、上記強誘電体薄膜を製造する際に効果的である。
本発明の第3の観点の強誘電体薄膜の製造方法によれば、上記有機金属化合物として一般式C2n+1COOH(但し、3≦n≦7)で表されるカルボン酸の金属塩を用いることにより、主溶媒に対して溶解性の高いEBR用のメタノール及び/又はエタノールを主成分とする液体を噴射又は滴下した場合でも、より一層塗膜が膨潤しにくいため、クラックや局部剥がれを防止することができる。
本発明の実施形態において基板を回転させながら外周端部の膜を除去している状態を概略的に示す断面図である。(a)はゲル状塗膜の外周端部を除去する前の状態を示す断面図であり、(b)はゲル状塗膜の外周端部を除去した後の状態を示す断面図である。 膜の外周端部における断面部を模式的に示す図である。
次に本発明を実施するための形態を図面を参照しながら説明する。
本発明の強誘電体薄膜の製造方法は、ペロブスカイト型酸化物薄膜、好ましくはBST系膜、BT系膜又はST系膜を製造する方法であって、有機金属化合物を含有する主溶媒が酢酸イソアミルであるCSD溶液を基板に塗布してゲル状塗膜を形成する工程(CSD溶液塗布工程)と、この基板を回転させながら外周端部にメタノール及び/又はエタノールを主成分とする液体を噴射又は滴下して、この外周端部のゲル状塗膜を除去する工程(EBR工程)と、この外周端部について除去された後のゲル状塗膜を加熱処理して強誘電体薄膜を形成する工程(加熱処理工程)とを有する。BST系膜、BT系膜又はST系膜は、ドーパントとしてカルシウム(Ca)及び/又はジルコニウム(Zr)をそれぞれ含んでもよい。ドーパントとしてのカルシウムの量はバリウム及び/又はストロンチウムの合計モル数の0〜20%であることが好ましく、ドーパントとしてのジルコニウムの量はチタンのモル数の0〜20%であることが好ましい。
<CSD溶液>
この強誘電体薄膜の製造方法で使用されるCSD溶液は、金属化合物を溶媒により溶解し、安定化剤等を添加したものであり、BST系膜(チタン酸ストロンチウムバリウム系膜)では、Ba原料、Sr原料、Ti原料が用いられ、BT系膜(チタン酸バリウム系膜)では、Ba原料、Ti原料が用いられ、ST系膜(チタン酸ストロンチウム系膜)ではSr原料、Ti原料が用いられる。このCSD溶液は、バリウム及び/又はストロンチウムを含有するペロブスカイト型酸化物形成用溶液である。BST系膜を形成する溶液の場合、Ba原料の有機バリウム化合物、Sr原料の有機ストロンチウム化合物及びTi原料のチタンアルコキシドを有機溶媒中に溶解してなる。BT系膜を形成する溶液の場合、Ba原料の有機バリウム化合物及びTi原料のチタンアルコキシドを有機溶媒中に溶解してなる。ST系膜を形成する溶液の場合、Sr原料の有機ストロンチウム化合物及びTi原料のチタンアルコキシドを有機溶媒中に溶解してなる。BST系膜、BT系膜又はST系膜がドーパントとしてカルシウム(Ca)及び/又はジルコニウム(Zr)を含む場合には、上記有機金属化合物として、Ca原料の有機カルシウム化合物及びZr原料の有機ジルコニウム化合物が選ばれる。強誘電体薄膜のドーパントとしてジルコニウム(Zr)を含む場合には、有機ジルコニウム化合物はジルコニウムアルコキシドであることが好ましい。
上記有機バリウム化合物及び有機ストロンチウム化合物は、一般式C2n+1COOH(但し、3≦n≦7)で表されるカルボン酸の金属塩であることが好ましい。強誘電体薄膜のドーパントとしてカルシウム(Ca)を含む場合には、有機カルシウム化合物も、上記一般式で表される金属塩であることが好ましい。このようなカルボン酸としては、上記一般式のnの数に応じて具体的には次のような化合物が挙げられる。
n=3の場合にはn−酪酸が挙げられる。n=4の場合にはα−メチル酪酸又はイソキッソウ酸(β−メチル酪酸)が挙げられる。n=5の場合には2−エチル酪酸、2,2−ジメチル酪酸、3,3−ジメチル酪酸、2,3−ジメチル酪酸、3−メチルペンタン酸又は4−メチルペンタン酸が挙げられる。n=6の場合には2−エチルペンタン酸、3−エチルペンタン酸、2,2−ジメチルペンタン酸、3,3−ジメチルペンタン酸、2,3−ジメチルペンタン酸又は4−メチルヘキサン酸が挙げられる。n=7の場合には2−エチルヘキサン酸、3−エチルヘキサン酸、2,2−ジメチルヘキサン酸又は3,3−ジメチルヘキサン酸が挙げられる。
またチタンアルコキシドとしては、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、テトラi−ブトキシチタン、テトラt−ブトキシチタン、ジメトキシジイソプロポキシチタン等が例示される。ジルコニウムアルコキシドとしては、ジルコニウムn−ブトキシド、ジルコニウムn−プロポキシド、ジルコニウムイソプロポキシド、ジルコニウムエトキシド等が例示される。
本発明の強誘電体薄膜の製造方法では、有機バリウム化合物及び/又は有機ストロンチウム化合物、必要に応じて有機カルシウム化合物及び/又は有機ジルコニウム化合物、チタンアルコキシド、及び有機溶媒を所望の金属成分濃度となるように、適当な比率で混合する。また、溶液の均質化のために加熱還流することが行われる。
上記有機溶媒は、酢酸イソアミルを主溶媒とする。本明細書で「主溶媒」とは溶媒中、51質量%以上含むことをいう。酢酸イソアミルはカルボン酸塩の溶解性の点で優れる。上記CSD溶液を塗布に適した濃度及び濡れ性とするために、酢酸イソアミル以外に、カルボン酸などの溶媒を補助溶媒として混合してもよい。但し、カルボン酸塩を溶解した場合の経時安定性が低いことから、本発明の有機溶媒にはメタノール、エタノール、ブタノール等のアルコールは含まない。なお、溶液中の有機金属化合物の合計濃度は、金属酸化物換算量で0.1〜20重量%程度であることが好ましい。
また、CSD溶液中には、必要に応じて安定化剤としてβ−ジケトン類(例えば、アセチルアセトン、ヘプタフルオロブタノイルピバロイルメタン、ジピバロイルメタン、トリフルオロアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン等)、ケトン酸類(例えば、アセト酢酸、プロピオニル酢酸、ベンゾイル酢酸等)などを、金属に対するモル比で0.2〜3倍程度配合してもよい。
<CSD溶液塗布工程>
基板にCSD溶液を塗布することにより、基板の全面にゲル状塗膜を形成する。基板材料としては、シリコンウェーハ(単結晶)、及び白金、ニッケルなどの金属類、酸化ルテニウム、酸化イリジウム、ルテニウム酸ストロンチウム(SrRuO)又はコバルト酸ランタンストロンチウム((LaSr1−x)CoO)などのぺロブスカイト型導電性酸化物などの被膜を有した、シリコン、ガラス、アルミナ、石英などの基板が挙げられる。 CSD溶液を基板上に塗布する方法は、スピンコート法である。
<EBR工程>
図1(a)に示すように、CSD溶液を塗布した後のゲル状塗膜1が形成された基板2を回転させながら、その外周端部に上方のノズル3からメタノール及び/又はエタノールを主成分とする液体4を噴射又は滴下することにより、図1(b)に示すようにゲル状塗膜1の外周端部を除去する。EBR用液体として炭素数が1〜2の範囲にあるアルコールであるメタノール、エタノールに限定するのは、炭素数が3以上のアルコール、例えば1−プロパノール、2−プロパノール及び1−ブタノールは、沸点がそれぞれ97.2℃、82.6℃及び117.7℃であるのに対して、メタノール及びエタノールの沸点は64.7℃及び78.4℃であって、基板へ噴射又は滴下後に速やかに揮発し、塗膜を膨潤させることが少ないためである。またCSD溶液の主溶媒と同一の酢酸イソアミルをEBR用液体とした場合、酢酸イソアミルは、塗膜との親和性が高く効果的に塗膜の除去を行うことができるが、沸点が高く乾燥しにくいことが塗膜の膨潤を促す要因になり、基板の外周端部の膜の除去を確実に行うことができない。以上の理由から本発明のEBR用液体はメタノール及び/又はエタノールを主成分とする液体である。ここで主成分とはEBR用液体100質量%に対して75質量%以上、好ましくは80質量%以上を含む割合をいう。
EBR時の基板の回転速度としては、例えば、1000〜3000rpmである。噴射又は滴下の位置は、除去対象の位置に対応して適宜設定される。例えば、基板の外周縁5mmから半径方向外側を除去する場合、その基板の外周縁から半径方向内方に5mmの位置に上記液体4を噴射又は滴下し、その噴射又は滴下位置の外側の5mmの範囲の膜を除去する。噴射又は滴下量としては、塗膜の厚さ等から適宜に設定され、除去対象の範囲に存在するゲル状塗膜を洗い流すのに十分な量であればよい。上記の回転速度であれば2〜5秒間上記液体4を噴射又は滴下し続ければ十分である。また、このEBR工程においては、外周端部のゲル状塗膜1が流れ易いように、基板2を回転させながら、必要に応じて、ノズル3を半径方向外方に移動させるようにしてもよい。
<加熱処理工程>
加熱処理工程は、乾燥工程、仮焼工程、結晶化アニール工程から構成される。
(乾燥工程)
外周端部を除去した後のゲル状塗膜を乾燥させ、溶媒を除去する。この乾燥温度は溶媒の種類によっても異なるが、通常は80〜200℃程度であり、好ましくは100〜180℃の範囲でよい。但し、原料溶液中の金属化合物を金属酸化物に転化させるための次工程の加熱の際の昇温中に、溶媒は除去されるので、塗膜の乾燥工程は必ずしも必要とされない。
(仮焼工程)
その後、仮焼工程として、塗布した基板を加熱し、有機金属化合物を完全に加水分解又は熱分解させて金属酸化物に転化させ、金属酸化物からなる膜を形成する。この加熱は、一般に加水分解の必要なゾルゲル法では水蒸気を含んでいる雰囲気、例えば、空気又は含水蒸気雰囲気(例えば、水蒸気を含有する窒素雰囲気)中で行われ、熱分解させるMOD法では含酸素雰囲気中で行われる。加熱温度は、金属酸化物の種類によっても異なるが、通常は150〜550℃の範囲であり、好ましくは、300〜450℃である。加熱時間は、加水分解及び熱分解が完全に進行するように選択するが、通常は1分ないし1時間程度である。
ゾルゲル法等の場合は、1回の塗布で、ペロブスカイト型酸化物薄膜に必要な膜厚とすることは難しい場合が多いので、必要に応じて、上記のCSD溶液塗布から仮焼までの工程を繰返すことによりCSD溶液を重ね塗りし、その塗布の都度、外周端部についてゲル状塗膜を除去しながら、所望の膜厚の金属酸化物の膜を得る。
(結晶化アニール工程)
このようして得られた塗布膜は、非晶質であるか、結晶質であっても結晶性が不十分であるので、分極性が低く、強誘電体薄膜として利用できない。そのため、最後に結晶化アニール工程として、その金属酸化物の結晶化温度以上の温度で焼成して、ペロブスカイト型の結晶構造を持つ結晶質の金属酸化物薄膜とする。なお、結晶化のための焼成は、最後に一度で行うのではなく、各塗布した塗膜ごとに、上記の仮焼に続けて行ってもよいが、高温での焼成を何回も繰返す必要があるので、最後にまとめて行う方が経済的には有利である。
この結晶化のための焼成温度は通常は500〜800℃の比較的低い温度で良く、例えば550〜700℃である。従って、基板としては、この焼成温度に耐える程度の耐熱性を有するものを使用する。結晶化のための焼成(アニール)時間は、通常は1分から1時間程度であり、焼成雰囲気は特に制限されないが、通常は空気又は酸素である。このようにして形成されたペロブスカイト型酸化物薄膜は、基板の上に均一に形成され、その外周端部においてもクラックや局部剥がれがなく、したがって、パーティクルの付着のない強誘電体薄膜を得ることができる。
ここから
<Ba、Sr、Ca含有ペロブスカイト型酸化物薄膜用CSD溶液の調製>
Ba、Sr、Caのカルボン酸塩と、Ti、Zrのアルコキシドとを、表1に示す金属原子比となるように混合することにより、7種類のCSD溶液1〜7を調製した。具体的には、Ba、Sr、Ca原料として、一般式M(C2n+1COO)(但し、3≦n≦7、MはBa、Sr、Caを意味する。)で表わされるカルボン酸塩を用いた。またTi原料としてチタンテトライソプロポキシドを用いた。更にZr原料としてジルコニウムn−ブトキシドを用いた。これらを表1に示す金属原子比となるように計量し、ZrとTiの合計モル数の1倍量のアセチルアセトンを安定化剤として混合した。また組成物の酸化物換算の合計濃度が表1に示す質量%の濃度(表1では「酸化物濃度」で示している。)となるように主溶媒として酢酸イソアミルをCSD溶液100質量%に対して40〜70質量%加え、補助溶媒としてCSD溶液に用いたカルボン酸塩と同じn数を持つカルボン酸を11〜24質量%の割合で加え、150℃で1時間、窒素雰囲気の中で還流し、7種類のペロブスカイト型酸化物薄膜用のCSD溶液1〜7を調製した。表1に、7種類のCSD溶液1〜7に用いられる主溶媒の酢酸イソアミルの含有割合、補助溶媒のカルボン酸の含有割合をそれぞれ示す。
Figure 2017204573
<実施例1>
直径4インチのシリコンウエーハ上にSiO膜、TiO膜、Pt膜がこの順に形成された基板のPt膜表面にCSD溶液1を1mL滴下し、基板を先ずスピンコーターで500rpmの回転速度で3秒間回転させ、次いで3000rpmの回転速度で15秒間回転させて、基板のPt膜上(以下、単に基板という。)にCSD溶液1をスピンコートした。その後、基板をスピンコーターで2800rpmの回転速度で回転させながら、基板の外周端部から半径方向内側5mmの位置にメタノールを噴射してゲル状塗膜を溶解し、EBR処理を行った。この基板を300℃に加熱したホットプレート上で5分間加熱し、有機物の熱分解を行った。この操作を繰り返し、計2回塗布を行った後、急速加熱(RTA)により700℃で5分焼成を行い、基板上にペロブスカイト型酸化物薄膜であるBST系膜を得た。
<実施例2〜11、比較例1〜8>
表2に示す7種類のCSD溶液1〜7を用いて、実施例1で用いた基板と同じ基板上に実施例1と同様にCSD溶液1〜7を実施例2〜11及び比較例1〜8毎にスピンコートした。次いで表2に示すEBR用の液体を用いてEBR処理を実施例1と同様に行った。以下、実施例1と同様にして行い、基板上にペロブスカイト型酸化物薄膜であるBST系膜、ST系膜、BT系膜を得た。
<比較試験及び評価>
実施例1〜11及び比較例1〜8で得られた19種類の膜の外周端部を触針式表面形状測定器(Veeco Instruments社製、機器名:Dectak)により観察し、膜の外周端部の塗膜の除去率としてのハンプ(hump)率を算出した。また上記膜の外周端部を目視で観察し、クラックや膜剥がれの有無を調べた。ここで「ハンプ率」とは、図2に示すように、基板表面から測定した最も厚い部分の膜厚から平均膜厚を差し引いた値(ハンプ高さh)の平均膜厚aに対する割合((h/a)×100(%))をいう。その結果を表2に示す。
Figure 2017204573
表2から明らかなように、EBR用の液体として、1−プロパノールを用いた比較例1及び2−プロパノールを用いた比較例2では、いずれも膜の剥がれやクラックはなかったものの、メタノールやエタノールと比較して沸点が高く、塗膜が膨潤したことにより、ハンプ率はいずれも「6%」と高かった。またEBR用の液体として、1−ブタノールを用いた比較例3では、膜の剥がれやクラックはなかったものの、1−プロパノールや2−プロパノールより更に沸点が高いためにハンプ率は「8%」と高かった。
またEBR用の液体として、主溶媒と同一の酢酸イソアミルを用いた比較例4及び6では、いずれも膜の剥がれやクラックはなかったものの、メタノールやエタノールより沸点が高く、膜が膨潤したためにハンプ率はいずれも「5%」と高かった。
更にEBR用の液体として水を用いた比較例7及びEBR用の液体として水とプロピレングリコールを質量比で80:20の割合で混合して用いた比較例8では、いずれも膜の外周端部には塗膜の除去できていない部分があり、ハンプ率の測定を正常に行うことができなかった。また局所的に膜の剥がれが確認された。
これに対して、EBR用の液体として、メタノール及び/又はエタノールを主成分とする液体を用いた実施例1〜11では、いずれも膜の外周端部のハンプ率が「4〜4.5%」と低く、膜の外周端部の塗膜の除去率が高かった。また膜の外周端部の全周にわたって膜の剥がれやクラックは確認されなかった。
本発明の方法で製造された強誘電体薄膜は、キャパシタや強誘電体メモリ(FeRAM)、圧電素子等のデバイスに利用することができる。
1 ゲル状塗膜
2 基板
3 ノズル
4 液体
h ハンプ高さ
a 平均膜厚

Claims (3)

  1. 強誘電体薄膜を形成するための有機金属化合物を含有するCSD溶液を基板に塗布してゲル状塗膜を形成する工程と、前記基板を回転させながら外周端部に液体を噴射又は滴下して、前記ゲル状塗膜の外周端部を除去する工程と、前記外周端部について除去された後の前記ゲル状塗膜を加熱処理して強誘電体薄膜を形成する工程とを有する強誘電体薄膜の製造方法において、
    前記CSD溶液の主溶媒が酢酸イソアミルであって、前記液体がメタノール及び/又はエタノールを主成分とする液体であることを特徴とする強誘電体薄膜の製造方法。
  2. 前記強誘電体薄膜がBST系膜(チタン酸ストロンチウムバリウム系膜)、BT系膜(チタン酸バリウム膜)又はST系膜(チタン酸ストロンチウム膜)である請求項1記載の強誘電体薄膜の製造方法。
  3. 前記有機金属化合物が一般式C2n+1COOH(但し、3≦n≦7)で表されるカルボン酸の金属塩である請求項1又は2記載の強誘電体薄膜の製造方法。
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