JP2017204229A - 入力装置、入力装置の検査装置、検査方法および検査プログラム - Google Patents
入力装置、入力装置の検査装置、検査方法および検査プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】本願は、筐体の組み付け後にラバードームの位置ずれを容易に確認可能な技術を開示する。【解決手段】本願で開示する入力装置は、キートップと、キートップの下に配置されるラバードームを有するラバーシートと、ラバードームの下に配置される接点と、を備え、ラバードームには、放射線撮像装置で映る造影物が接点と重ならない位置に設けられている。【選択図】図3
Description
本願は、入力装置、入力装置の検査装置、検査方法および検査プログラムに関する。
電子機器には、様々な入力装置が備わっている。例えば、コンピュータには、キーボードが備わっている。入力装置に用いられるキーの機構としては、指で押されるキートップの下にバネを配置した機構や、その他の様々な機構が提案されている(例えば、特許文献1−2を参照)。
キートップを弾性のラバードームで押し上げる機構では、キーの電気的な接点がラバードームの下に配置される。そして、キートップが指で押されると、キートップがラバードームを介して接点を押し下げる。よって、例えば、製造時の不具合により、ラバードームが入力装置内で位置ずれしていると、キートップが押されてラバードームが押し下げられてもラバードームが接点に適正に接触せず、キー入力が正しく認識されない。
ラバードームの位置ずれを防ぐ方策としては、ラバードームが形成されているラバーシートに位置決め用の孔を設けておき、入力装置の筐体の内側に形成した突起類をラバーシートの孔に嵌合させてから筐体を組み付けることが考えられる。しかし、ラバードームは、キートップを押した際の指の感触を考慮して素材や剛性、厚み等が決定される。よって、ラバードームを形成するラバーシートの強度は、ラバードームの設計に影響される。したがって、ラバードームの設計によっては、ラバーシート全体が柔軟になることがある。ラバーシート全体が柔軟だと、ラバーシートに位置決め用の孔を設けて筐体の内側の突起類に嵌合させても、筐体を組み付ける際にラバーシート自体が歪んでしまい、ラバードームが入力装置内で位置ずれすることがある。
工業製品の製造においては、製品の検査が行われる。入力装置も同様であり、キー入力が正しく行われるか否かの検査が行われる。しかし、入力装置の不具合の原因としては、上記のようなラバードームの位置ずれの他、電子回路の接続不良や断線、接点の故障といった様々なものが考えられるため、キー入力が正しく行われない場合、原因がラバードームの位置ずれによるものなのか否かの判別が困難である。また、ラバードームが僅かに位置ずれしている場合、検査に合格しても、出荷後に不具合を生じることがある。よって、筐体の組み付け後にラバードームが位置ずれしていないことを確認することが望まれるが、例えば、筐体の組み付け後にキートップを外し、筐体の孔から内部を覗き込んでラバードームの位置を確認することは煩わしい。
そこで、本願は、筐体の組み付け後にラバードームの位置ずれを容易に確認可能な技術を開示する。
本願は、次のような入力装置を開示する。すなわち、本願で開示する入力装置は、キー
トップと、キートップの下に配置されるラバードームを有するラバーシートと、ラバードームの下に配置される接点と、を備え、ラバードームには、放射線撮像装置で映る造影物が接点と重ならない位置に設けられている。
トップと、キートップの下に配置されるラバードームを有するラバーシートと、ラバードームの下に配置される接点と、を備え、ラバードームには、放射線撮像装置で映る造影物が接点と重ならない位置に設けられている。
また、本願は、次のような入力装置の検査装置を開示する。すなわち、本願で開示する入力装置の検査装置は、放射線撮像装置によって撮像された入力装置の内部の画像から、入力装置のキートップの下に配置されるラバードームに設けられた造影物の像と、ラバードームの下に配置されている接点の像との相対的な位置のずれ量を算出する位置ずれ算出部と、算出されたずれ量に基づいて入力装置の合否を判定する判定部と、を備える。
また、本願は、上記の検査装置を方法の側面から捉えた検査方法、及び、上記の検査装置をコンピュータプログラムの側面から捉えた検査プログラムを開示する。
上記の入力装置、入力装置の検査装置、検査方法および検査プログラムであれば、筐体の組み付け後にラバードームの位置ずれを容易に確認可能である。
以下、実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、単なる例示であり、本開示の技術的範囲を以下の態様に限定するものではない。
図1は、キーボード1の外観図である。また、図2は、キーボード1の内部構造を示した図である。キーボード1は、本願で開示する入力装置の一例であり、図2に示すように、ユーザが指で押すキートップ2、キーボード1の筐体の上側部分を形成する上部筐体3、キートップ2の下に配置されるラバーシート4、ラバーシート4の下に配置されるメンブレンシート5、上部筐体3の下側部分を形成する下部筐体6を備える。
メンブレンシート5は、上面に円形の電極や配線パターンが成膜された樹脂製のフィルムである下部電極層と、下面に円形の電極や配線パターンが成膜された樹脂製のフィルムである上部電極層と、電極が位置する部分に開口が設けられており、上部電極層と下部電極層との間に挟まれる樹脂製のフィルムである絶縁層とを備える。メンブレンシート5は、上部電極層と下部電極層との間に絶縁層を挟んだ構造を採っており、下部電極層にある円形の電極と上部電極層にある円形の電極が接点7を形成する。なお、メンブレンシート5には、位置決め用の嵌合孔8Cが適当な箇所に設けられている。
ラバーシート4は、薄いシート状のシリコンにラバードーム9を形成した部材であり、全体的に柔軟である。ラバーシート4には、位置決め用の嵌合孔8Rが適当な箇所に設けられている。ラバードーム9は、キートップ2に対応する部位に設けられており、上面視円形で上側に盛り上がるドーム状の部位である。ラバードーム9は、キートップ2の下に配置されてキートップ2を押し上げる役割を果たす。
キートップ2は、アルファベット等の入力文字が上面に刻印された部材であり、指に押されるブロック状のキー本体部10と、キー本体部10の下側から突き出る突出部11とを備える。突出部11は、上部筐体3に形成されている孔12に嵌る部分である。また、突出部11の先端は、ラバードーム9に接触する部分である。突出部11は、上部筐体3の孔12の中で僅かに上下動可能である。しかし、キートップ2は、ラバードーム9の上側に配置されるので、指に押されていない状態においてはラバードーム9に押し上げられる。
上部筐体3と下部筐体6は、ねじ13で互いに締結されることにより、キーボード1の筐体を形成する。下部筐体6には、ラバーシート4に設けられている嵌合孔8Rやメンブレンシート5に設けられた嵌合孔8Cに対応する部位に位置決め用の突起14が設けられている。よって、キーボード1の組み立ての際には、嵌合孔8R,8Cが突起14に嵌るようにラバーシート4およびメンブレンシート5が下部筐体6の上に置かれた状態で上部筐体3の取り付けが行われる。そして、下部筐体6の下面にあるねじ孔にねじ13が取り付けられることにより、ラバーシート4およびメンブレンシート5が上部筐体3と下部筐体6との間に挟まれて固定された状態になる。
図3は、ラバードーム9を拡大した図である。ラバードーム9の頂部には、接点7の外径よりも大径の輪の形をした塗料15(本願でいう「造影物」の一例である)が塗布されている。塗料15は、金属の粒子を含む溶剤が硬化した部位であり、ラバードーム9の素材よりも放射線の透過率が低い。塗料15に含まれる金属の粒子としては、例えば、銅やアルミニウム等の各種素材を適用可能である。
なお、ラバードーム9の頂部には、塗料15に代えて、放射線の透過率が低い素材が造影物として埋め込まれ、溶着され、蒸着され、或いは貼り付けられていてもよい。ラバードーム9の頂部には、少なくとも、メンブレンシート5に用いられている樹脂製のフィルムやキートップ2、上部筐体3、下部筐体6よりも放射線の透過率が低い物質が造影物として埋め込まれていればよい。
上記のキーボード1は、次のようにして検査することができる。図4は、キーボード1を検査する検査装置20の一例を示した図である。検査装置20は、図4に示すように、放射線の一種であるX線を放つ線源21Aと、X線を受ける受光素子21Bと、受光素子21Bの信号や線源21Aの制御を行う処理装置21Cとを有するX線撮像装置21(本願でいう「放射線撮像装置」の一例である)を備える。また、検査装置20は、X線撮像装置21によって得られた画像を基にキーボード1の良否判定を行うコンピュータ22を備える。
図5は、コンピュータ22のハードウェアを示した図である。コンピュータ22は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含む処理部31、処理部31が実行するコンピュータプログラムや各種
情報を記憶する記憶装置32、処理装置21Cと通信するためのI/F(インタフェース)33、各種情報を表示する表示装置34、キーボードやマウス等の入力装置35を備える情報処理装置である。
情報を記憶する記憶装置32、処理装置21Cと通信するためのI/F(インタフェース)33、各種情報を表示する表示装置34、キーボードやマウス等の入力装置35を備える情報処理装置である。
コンピュータ22は、検査プログラムを実行することにより、次のような機能ブロックを実現する。図6は、コンピュータ22が実現する機能ブロックを現した図である。コンピュータ22は、検査プログラムを実行することにより、X線撮像装置21から画像データを取得する画像データ取得部22Aと、画像データが映し出す画像の中から接点7に相当する円形の像を抽出する接点抽出部22Bと、画像データが映し出す画像の中から塗料
15に相当する輪の形をした像を抽出する造影物抽出部22Cと、抽出された円形の像と輪の形をした像との相対的な位置のずれ量を算出する位置ずれ算出部22Dと、算出された位置ずれ量が所定の許容範囲内にあるか否かに基づいてキーボード1の良否判定を行う判定処理部22Eとを実現する。
15に相当する輪の形をした像を抽出する造影物抽出部22Cと、抽出された円形の像と輪の形をした像との相対的な位置のずれ量を算出する位置ずれ算出部22Dと、算出された位置ずれ量が所定の許容範囲内にあるか否かに基づいてキーボード1の良否判定を行う判定処理部22Eとを実現する。
図7は、検査装置20において実行される検査の流れを示したフロー図である。X線撮像装置21に検査対象のキーボード1がセットされ、キーボード1の内部が撮像されると、コンピュータ22は、X線撮像装置21から送られる画像データを取得する(S101)。そして、コンピュータ22は、画像データが映し出す画像の中から円形の像および輪の形をした像を抽出する(S102)。そして、コンピュータ22は、円形の像と輪の形をした像との相対的な位置のずれ量を算出する(S103)。そして、コンピュータ22は、算出した位置のずれ量が所定の許容範囲内にあるか否かの判定を行う(S104)。コンピュータ22は、ステップS104の処理で否定判定を行った場合、キーボード1が検査に合格しなかった旨を表示画面に表示する(S105)。また、コンピュータ22は、ステップS104の処理で肯定判定を行った場合、検査対象の全てのキーについて完了したか否かを判定する(S106)。検査対象のキーは、キーボード1に備わる全てのキーであってもよいし、一部のキーであってもよい。コンピュータ22は、ステップS106の処理で否定判定を行った場合、未検査のキーについてステップS102以降の処理を再び実行する。また、コンピュータ22は、ステップS106の処理で肯定判定を行った場合、キーボード1が検査に合格した旨を表示画面に表示する(S107)。
なお、判定処理部22Eに設定されている所定の許容範囲は、例えば、次のようにして決定される。図8は、ラバードーム9と接点7との位置関係を示した図である。例えば、図8(A)に示されるように、ラバードーム9の中心が概ね接点7の中心に位置していれば、キートップ2が押された際、キートップ2の突出部11がラバードーム9の中心部を介して接点7を押圧し、接点7が適正に導通する。一方、図8(B)に示されるように、ラバードーム9の中心と接点7の中心との相対的な位置のずれ量が大きいと、キートップ2が押された際、例えば、キートップ2の突出部11がラバードーム9の周縁部を介して接点7を押圧することになる。ラバードーム9の周縁部は、ラバーシート4からの立ち上がり部分なので平坦ではない。よって、キートップ2の突出部11がラバードーム9の周縁部を介して接点7を押圧しても、接点7が適正に押圧されずに導通不良を生じる場合がある。そこで、判定処理部22Eに設定される許容範囲の設定値は、キートップ2の突出部11が少なくともラバードーム9の周縁部を押すことが無いようなずれ量の範囲内に設定される。
ラバーシート4は、柔軟なシートなので、ねじ13を組み付けるためにキーボード1を裏返しする際、筐体の内部で撓んでしわや位置ずれを生じる場合がある。ねじ13を組み付ける際にキーボード1内でラバーシート4がしわや位置ずれを生じると、ラバードーム9の中心と接点7の中心との位置関係にずれが生じる。位置ずれが生じると、キートップ2が押されてラバードーム9が押し下げられてもラバードーム9が接点7に適正に接触せず、キー入力が正しく認識されない。しかし、上記のキーボード1であれば、メンブレンシート5に用いられている樹脂製のフィルムやキートップ2、上部筐体3、下部筐体6よりも放射線の透過率が低い塗料15が造影物としてラバードーム9の頂部に設けられているので、上部筐体3と下部筐体6との組み付けを行った後にラバードーム9の位置ずれを検査装置20で容易に確認できる。よって、例えば、製造時のラバードーム9の位置ずれに起因する不具合が出荷後に発生する可能性を抑制することができる。
なお、検査装置20は、キーボード1を搬送する搬送装置に設置されていてもよい。キーボード1を搬送するコンベア等の搬送装置に検査装置20が設置されていれば、検査装置20は複数のキーボード1を連続的に検査することが可能である。
また、上記の検査装置20は、位置ずれが許容範囲内にあるか否かを自動判定しているが、オペレータが画像を目視して良否を判定するようにしてもよい。また、キーボード1は、本願で開示する入力装置の一例であり、本願で開示する検査技術は各種の電子機器に備わるあらゆるキー入力装置に適用することが可能である。また、上記のキーボード1には丸い形をした輪の造影物が設けられていたが、造影物はその他の様々な形状であってもよい。
なお、上記実施形態や各変形例に係る情報処理プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。このような記録媒体のプログラムをコンピュータに読み込ませて実行させることにより、上記各機能を提供させることができる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD、DAT、8mmテープ、メモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM(リードオンリーメモリ)等がある。
1・・キーボード:2・・キートップ:3・・上部筐体:4・・ラバーシート:5・・メンブレンシート:6・・下部筐体:7・・接点:8C,8R・・嵌合孔:9・・ラバードーム:10・・キー本体部:11・・突出部:12・・孔:13・・ねじ:14・・突起:15・・塗料:20・・検査装置:21・・X線撮像装置:22・・コンピュータ:21A・・線源:21B・・受光素子:21C・・処理装置:22A・・画像データ取得部:22B・・接点抽出部:22C・・造影物抽出部:22D・・位置ずれ算出部:22E・・判定処理部:31・・処理部:32・・記憶装置:33・・I/F:34・・表示装置:35・・入力装置
Claims (8)
- キートップと、
前記キートップの下に配置されるラバードームを有するラバーシートと、
前記ラバードームの下に配置される接点と、を備え、
前記ラバードームには、放射線撮像装置で映る造影物が前記接点と重ならない位置に設けられている、
入力装置。 - 前記造影物は、金属の粒子を含む塗料である、
請求項1に記載の入力装置。 - 前記接点は、円形であり、
前記造影物は、前記接点の外径よりも大径の輪の形である、
請求項1または2に記載の入力装置。 - 前記接点は、前記造影物よりも放射線の透過率が高いシート状の素材に成膜されている、
請求項1から3の何れか一項に記載の入力装置。 - 前記ラバーシートと前記接点を格納する筐体を更に備え、
前記キートップと前記筐体は、前記造影物よりも放射線の透過率が高い素材で形成されている、
請求項1から4の何れか一項に記載の入力装置。 - 放射線撮像装置によって撮像された入力装置の内部の画像から、前記入力装置のキートップの下に配置されるラバードームに設けられた造影物の像と、前記ラバードームの下に配置されている接点の像との相対的な位置のずれ量を算出する位置ずれ算出部と、
算出された前記ずれ量に基づいて前記入力装置の合否を判定する判定部と、を備える、
入力装置の検査装置。 - コンピュータが、
放射線撮像装置によって撮像された入力装置の内部の画像から、前記入力装置のキートップの下に配置されるラバードームに設けられた造影物の像と、前記ラバードームの下に配置されている接点の像との相対的な位置のずれ量を算出し、
算出された前記ずれ量に基づいて前記入力装置の合否を判定する、
入力装置の検査方法。 - コンピュータに、
放射線撮像装置によって撮像された入力装置の内部の画像から、前記入力装置のキートップの下に配置されるラバードームに設けられた造影物の像と、前記ラバードームの下に配置されている接点の像との相対的な位置のずれ量を算出する位置ずれ算出処理と、
算出された前記ずれ量に基づいて前記入力装置の合否を判定する判定処理と、を実行させる、
入力装置の検査プログラム。
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