JP2017203726A - インピーダンス測定装置およびインピーダンス測定方法 - Google Patents

インピーダンス測定装置およびインピーダンス測定方法 Download PDF

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【課題】 ゲインや位相の変動から生ずる影響を小さくして、測定誤差を少なくし、安定した測定が可能なインピーダンス測定装置および測定方法を提供することである。【解決手段】 測定対象の試料に所定周波数の測定信号を供給する交流源と、測定信号に同期する基準信号を生成する基準信号生成部と、試料に現れる検出信号を通過させるバンドパスフィルタと、試料に現れる検出信号を基準信号で同期検波する同期検波部とを備える。基準信号生成部は、所定の測定用周波数であって位相が異なる二つの基準信号を生成する手段を備え、検出信号を異なる2つの基準信号で同期検波してバンドパスフィルタのゲインと位相回りが算出され、算出されたゲインと位相回りに基づいてインピーダンス測定が実行される。【選択図】 図1

Description

本発明は、インピーダンス測定装置およびインピーダンス測定方法に関する。
電気回路を構成する素子がもつ内部インピーダンスを測定する方法として、測定対象である試料に交流信号を与えてその電気応答を測定する交流インピーダンス測定法がある。この方法では、試料がもつ抵抗成分、キャパシタンス成分、インダクタンス成分の大きさを調べることができる。また、それらの成分が試料内でどのような等価回路を構成しているか、あるいは、その等価回路のパラメータを求めることができる。
このようなインピーダンス測定法として、定電流源から試料に正弦波の測定交流電流を供給し、試料に現れる電圧信号を、供給する測定交流電流に同期する同一周波数の基準信号(または参照信号ともいう)で同期検波することで、試料に現れるノイズ成分の影響を小さくする同期検波を用いたインピーダンス測定方法がある。
同期検波によるインピーダンス測定装置については、以下の先行技術文献がある。
以下図6を参照して同期検波によるインピーダンス測定を説明する。図6は、従来の同期検波によるインピーダンス測定装置を説明する図である。
測定交流電流iは、定電流源110から、試料111(Device under test:DUT)に供給される。なお、ここでは、試料111は、内部抵抗Rxをもつ電池である。抵抗(Rs)112は、測定交流電流iの電流値を検出するための電流検出用抵抗であり、定電流源110、試料111に直列に挿入されている。符号115は、測定交流電流iに応じて試料111に現れた検出信号(電圧信号)を増幅する増幅器である。同様に、符号116は、電流検出用抵抗(Rs)112で検出された電圧信号を増幅する増幅器である。増幅器115で増幅された電圧検出信号vは、測定周波数を通過させるバンドパスフィルタ(BPF:Band Pass Filter)117を通して同期検波器120に入力される。また、測定交流電流iに同期する基準信号vは増幅器116で増幅され同期検波器120に入力される。同期検波器120は、電圧検出信号vを基準信号vで同期検波し、その検波出力は、交流成分を除去するためのローパスフィルタ(Low−Pass Filter:LPF)122に入力され交流成分が除去されて、アナログデジタルコンバータ(Analog to Digital Converter:ADC)123に入力される。アナログデジタルコンバータ123は、同期検波出力をデジタル信号に変換する。変換されたデジタル信号は、図示されない演算装置に入力され、試料111の交流インピーダンス値、等価回路のパラメータ等が演算され、これらの値は、図示しない表示装置等に表示され、あるいはプリントされて出力される。
次に、図6のインピーダンス測定装置でのインピーダンス測定動作を説明する。
定電流源110からは、測定交流電流として、i=Isin(ωt)の正弦波が試料111に印加される。試料111の両端には、電池の内部抵抗Rに対応した電圧が発生し、その電圧は増幅器115で増幅されてv=iRとして出力される。また、増幅器116からは、電流検出抵抗Rに対応したv=iRが出力され、同期検波器120で同期検波される。ここで、v、vは、それぞれ以下の数式(1)、数式(2)により求めることができる。なお、kは定数とする(IとRは一定であるとする)。
Figure 2017203726
Figure 2017203726
同期検波出力は、以下の数式(3)により求めることができる。
Figure 2017203726
交流成分をローパスフィルタで遮断すると、アナログデジタル変換器123の入力は、以下の数式(4)により求めることができる。
Figure 2017203726
数式(4)より以下の数式(5)を導き、試料の抵抗値Rを求めることができる。
Figure 2017203726
このように、試料の両端の電圧検出信号を測定交流電流と同位相の基準信号で同期検波し、ローパスフィルタにより交流成分(cos(2ωt))を除去することにより、直流成分のみが抽出されるので、電池など純抵抗以外の成分を含む測定対象の試料の実効インピーダンスを求めることができる。また、同期検波で現れた交流成分はローパスフィルタで除去されるため、交流であるノイズの影響を除去でき、ノイズに埋もれた微小信号を取り出すことが可能である。
特開2007−132806号公報
ところで、信号がバンドパスフィルタ117やその周辺デバイスを通過する際にゲインが変動したり、位相が回転(変動)したりすることがある。ゲインや位相が変動すると、得られる測定値に誤差が生じてしまい、その結果、測定値のばらつきが生じ、測定値が安定しないという問題が生じる。
本発明は、ゲインや位相の変動から生ずる影響を小さくして、測定誤差を少なくし、安定した測定が可能なインピーダンス測定装置および測定方法を提供することを目的とする。
本発明の第一の側面は、測定対象の試料に所定周波数の測定信号を供給する交流源と、測定信号に同期する基準信号を生成する基準信号生成部と、試料に現れる検出信号を通過させるバンドパスフィルタと、試料に現れる検出信号を基準信号で同期検波する同期検波部とを備えたインピーダンス測定装置であって、基準信号生成部は、所定の測定用周波数であって、位相が異なる二つの基準信号を生成する手段を備え、試料に現れる検出信号を異なる2つの基準信号で同期検波してバンドパスフィルタのゲインと位相回りが算出され、該算出されたゲインと位相回りに基づいてインピーダンス測定が実行されることを特徴とする。
なお、試料に現れる検出信号をバンドパスフィルタに供給しない状態で、基準信号生成部からの異なる2つの基準信号で測定信号に基づく電流検出信号を同期検波して、2つの基準信号の位相差、バンドパスフィルタのゲイン及び位相回りが算出されるように、かつ、試料に現れる検出信号をバンドパスフィルタに供給した状態で、算出された2つの基準信号の位相差、バンドパスフィルタのゲイン及び位相回りに基づいて試料のインピーダンスが算出されるように、基準信号生成部、バンドパスフィルタ及び同期検波部の間の接続を切り換えるための選択部を備えることができる。
なお、バンドパスフィルタからの出力を、測定信号と位相が異なる基準信号で同期検波することによって、バンドパスフィルタの位相回りの極性を算出し、算出された極性に基づいてバンドパスフィルタの位相回りが遅れ位相及び進み位相のいずれであるかが判定されることが好ましい。
なお、試料は電池であって、交流供給部は定電流源であることが好ましい。
本発明の他の側面は、測定対象の試料に所定周波数の測定信号を供給し、基準信号生成部を介して測定信号に同期する基準信号を生成し、バンドパスフィルタを介して試料に現れる検出信号を通過させ、同期検波部を介して試料に現れる検出信号を基準信号で同期検波し、同期検波された信号の直流成分を抽出して試料の交流インピーダンスを測定するインピーダンス測定方法であって、所定の測定用周波数であって、位相が異なる二つの基準信号を生成するステップと、試料に現れる検出信号を異なる2つの基準信号で同期検波してバンドパスフィルタのゲインと位相回りを算出するステップと、算出されたゲインと位相回りに基づいて交流インピーダンスの測定を実行するステップを有することを特徴とする。
なお、試料に現れる検出信号をバンドパスフィルタに供給しない状態で、基準信号生成部からの異なる2つの基準信号で測定信号に基づく電流検出信号を同期検波して、2つの基準信号の位相差、バンドパスフィルタのゲイン及び位相回りが算出されるように、かつ、試料に現れる検出信号をバンドパスフィルタに供給した状態で、算出された2つの基準信号の位相差、バンドパスフィルタのゲイン及び位相回りに基づいて試料の交流インピーダンスが算出されるように、基準信号生成部、バンドパスフィルタ及び同期検波部の間の接続を切り換えるステップを備えることができる。
なお、バンドパスフィルタからの出力を、測定信号と位相が異なる基準信号で同期検波することによって、バンドパスフィルタの位相回りの極性を算出するステップと、算出された極性に基づいてバンドパスフィルタの位相回りが遅れ位相及び進み位相のいずれであるかを判定するステップを備えることができる。
ゲインや位相の変動から生ずる影響を小さくして、測定誤差を少なくし、安定した測定が可能なインピーダンス測定装置および測定方法を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係るインピーダンス測定装置の構成を示し、第1の接続構成態様を示した図である。 バンドパスフィルタのゲインGBPFと位相回りθBPFを求めるための第2の接続構成態様を示した図である。 第2の接続構成態様で求めた位相回りθBPFが遅れ位相又は進み位相のいずれであるかの判定を行うための第3の接続構成態様を示した図である。 実効抵抗Rを求めるための第4の接続構成態様を示した図である。 本発明の変形例に係るインピーダンス測定装置の構成を示した図である。 従来の同期検波を用いたインピーダンス測定装置の構成を示す図である。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。インピーダンス測定装置1は、定電流源10、増幅器15,16、スイッチSW1、バンドパスフィルタ(BPF)17、位相調整器19、スイッチSW2、スイッチSW3、同期検波器20−1,20−2、ローパスフィルタ(LPF)22−1,22−2、アナログデジタルコンバータ(ADC)23-1,23−2を備えて構成されている。なお、定電流源10は請求項1の交流供給部に相当し、同期検波器20は請求項1の同期検波部に相当する。
本発明の一実施の形態に係るインピーダンス測定装置は、スイッチSW1〜スイッチSW3の選択(切り換え)の態様によって第1〜第4の接続構成態様が生じる。ここで、スイッチSW1は増幅器15の出力と増幅器16の出力のいずれかを選択する。スイッチSW2はバンドパスフィルタ(BPF)17の出力あるいは増幅器16の出力のいずれかを選択する。スイッチSW3はスイッチSW2の出力あるいは位相調整器19の出力のいずれかを選択する。なお、スイッチSW1〜SW3は請求項2の選択部に相当する。
したがって、以下では、第1の接続構成態様、第2の接続構成態様、第3の接続構成態様及び第4の接続構成態様に分けて説明する。
ここで、第1の接続構成態様とは、SW1によって増幅器15の出力が選択され、SW2によって増幅器16の出力が選択され、スイッチSW3によって位相調整器19の出力が選択された接続構成態様(図1参照)である。第2の接続構成態様とは、SW1によって増幅器16の出力が選択され、SW2によってバンドパスフィルタ(BPF)17の出力が選択され、スイッチSW3によってスイッチSW2の出力が選択された接続構成態様(図2参照)である。第3の接続構成態様とは、SW1によって増幅器16の出力が選択され、SW2によってバンドパスフィルタ(BPF)17の出力が選択され、スイッチSW3によって位相調整器19の出力が選択された接続構成態様(図3参照)である。第4の接続構成態様とは、SW1によって増幅器15の出力が選択され、SW2によってバンドパスフィルタ(BPF)17の出力が選択され、スイッチSW3によって位相調整器19の出力が選択された接続構成態様(図4参照)である。
[第1の接続構成態様]
図1は、本発明の一実施の形態に係るインピーダンス測定装置の構成を示し、第1の接続構成態様を示した図である。
定電流源10は一対の出力端子(図示せず)を介して測定対象の試料(DUT)11に接続される。本実施の形態では、試料11は、電池であり、内部抵抗としてRをもつ。定電流源10と試料11の間には電流検出用抵抗Rが挿入(接続)され、試料11の検出信号は、増幅器15を介して測定周波数を通過させるバンドパスフィルタ(BPF)17に入力される。なお、電流検出用抵抗Rは請求項1の基準信号生成部に相当する。
増幅器15は定電流源10から供給される測定交流電流iに応じて試料11に現れた検出信号(電圧信号)を増幅し、増幅器16は電流検出用抵抗Rで検出された電圧信号を増幅する。増幅器15で増幅された電圧検出信号vは、本接続構成態様では同期検波器20に入力されない。
電流検出用抵抗Rは増幅器16に接続される。増幅器16で増幅された出力(測定電流検出信号)は、スイッチSW2を介して同期検波器20−1,20−2に入力されるとともに、測定交流電流iに同期し測定電流と同位相である第1の基準信号(以下、「第1の参照信号」と呼ぶ。)v(以下の数式(6)参照)として同期検波器20−1に入力される。なお、測定電流検出信号は請求項2の「測定信号に基づく電流検出信号」に相当する。
Figure 2017203726
また、増幅器16で増幅された出力(測定電流検出信号)は、位相調整器19、スイッチSW3を介して第2の基準信号(以下、「第2の参照信号」と呼ぶ。)vとして同期検波器20−2に入力される。なお、位相調整器19は増幅器16の出力信号の位相が他方の基準信号に対して所定角度の位相差をもった位相(本例ではθ)となるように位相調整する。なお、θはθ≠θ、かつ、θ+π以外とする。
同期検波器20−1、20−2の検波出力は、それぞれローパスフィルタ(LPF)22−1,22−2に入力され、交流成分が除去されたローパスフィルタ22−1,22−2の出力は、それぞれアナログデジタルコンバータ(ADC)23−1,23−2に入力される。
アナログデジタルコンバータ23−1,23−2は、同期検波出力をデジタル信号に変換する。変換されたデジタル信号は、図示されない演算装置に入力され、試料11の交流インピーダンス値、等価回路のパラメータ等が演算され、これらの値は、図示しない表示装置等に表示され、あるいはプリントされて出力される。
第1の接続構成態様では、第1の参照信号vと第2の参照信号vの位相差θ1−2を求めるが、以下にその算出手順を詳細に説明する。
上記した第1の参照信号vにおいて、θは増幅器(検出回路)16による位相回りであるが、ここでは増幅器16の位相回りはないものとする(θ=0°)。位相回りがある場合は、初期調整にてキャンセルできるからである。したがって、第1の参照信号vは以下の数式(7)のように求められる。
Figure 2017203726
まず、増幅器16の出力(測定電流検出信号)から、第1の参照信号(測定電流iと同位相)vと(以下の数式(8)参照)、第1の参照信号vと位相が異なる第2の参照信号v(以下の数式(9)参照)とが生成される。
Figure 2017203726
Figure 2017203726
次に、測定交流電流iを第1の参照信号v及び第2の参照信号vで同期検波する。第1の参照信号vとの同期検波において、ADC23−1の入力電圧VADC1_V2×V2は、以下の数式(10)を用いて求められる。
Figure 2017203726
これより、測定交流電流iの振幅値Iは以下の数式(11)を用いて求められる。
Figure 2017203726
第2の参照信号vとの同期検波において、ADC23−2の入力電圧VADC2_V2×V3は以下の数式(12)を用いて求められる。
Figure 2017203726
なお、θ1−2は第1の参照信号vと第2の参照信号vの位相差であり、数式(12)÷数式(10)により導き出された以下の数式(13)を用いて求められる。なお、遅れ位相、進み位相は位相調整器19で任意に設定できるため既知とする。
Figure 2017203726
Figure 2017203726
[第2の接続構成態様]
第2の接続構成態様では、バンドパスフィルタ17のゲインGBPFと位相回りθBPFを求めるが、以下に図2を参照してその算出手順を詳細に説明する。
バンドパスフィルタ17の出力v2´は以下の数式(15)を用いて求められる。
Figure 2017203726
また、上記出力v2´と同位相の第3の参照信号vINDEX3を生成する。本接続構成態様では、第3の参照信号vINDEX3はバンドパスフィルタ17の出力v2´と等しくなる。ここで、バンドパスフィルタ17の出力v2´を、第1の参照信号vと第3の参照信号vINDEX3により同期検波する。出力v2´を第1の参照信号vで同期検波したときのADC23−1の入力電圧VADC1_V2´×V2は以下の数式(16)を用いて求められる。
Figure 2017203726
第3の参照信号vINDEX3との同期検波において、ADC23−2の入力電圧VADC2_V2´×V2´は以下の数式(17)を用いて求められる。
Figure 2017203726
数式(17)÷数式(10)を実行すると以下の数式(18)が導き出される。
Figure 2017203726
したがって、ゲインGBPFは以下の数式(19)を用いて求められる。
Figure 2017203726
また、数式(16)÷数式(17)を実行すると、以下の数式(20)が得られ、数式(20)の右辺の分母をはらうと以下の数式(21)となる。
Figure 2017203726
Figure 2017203726
数式(21)から以下の数式(22)を導き、数式(22)より位相回りθBPFが求められる。
Figure 2017203726
[第3の接続構成態様]
第3の接続構成態様では、第2の接続構成態様で求めた位相回りθBPFが遅れ位相又は進み位相のいずれであるのかについて判定を行うが、以下に図3を参照してその判定手順を詳細に説明する。
第2の接続構成態様で求めた位相回りθBPFは、位相角0≦θ≦πの解しか求まらない。バンドパスフィルタ17の位相回りθBPFは、遅れ位相と進み位相のいずれの可能性もあるため、−π<θ<0の範囲である可能性があるので、いずれであるのかを判定する必要がある。
まず、バンドパスフィルタ17の出力v2´を第2の参照信号vで同期検波する。そのときのADC23−2の入力電圧VADC2_V2´×V3は以下の数式(23)を用いて求められる。
Figure 2017203726
数式(23)÷数式(16)により、以下の数式(24)が得られる。
Figure 2017203726
数式(24)の左辺と右辺の分母をはらうと以下の数式(25)となり、これより数式(26)、(27)、(28)に展開し、位相回りθBPFは以下の数式(29)より求められる。
Figure 2017203726
Figure 2017203726
Figure 2017203726
Figure 2017203726
Figure 2017203726
ここで、0<|θBPF|≦π/2のとき、
X>0であれば、位相回りθBPFの極性は+、X<0であれば、位相回りθBPFの極性は−となる。
また、π/2<|θBPF|<πのとき、
X<0であれば、位相回りθBPFの極性は+、X>0であれば、位相回りθBPFの極性は−となる。したがって、位相回りθBPFが0のとき及び位相回りθBPFがπのときは、極性判定は不要である。
[第4の接続構成態様]
第4の接続構成態様では、実効抵抗Rを求めるが、以下に図4を参照してその算出手順を詳細に説明する。まず、以下の数式(30)により試料11の両端電圧vを検出する。
Figure 2017203726
ここで、θI-Vは、試料11の両端電圧vと測定交流電流iの位相差であり、θAMPは増幅器15の位相回りである。なお、本実施の形態ではθAMPは0°とする。位相回りがあるときは初期調整にてキャンセルできるからである。したがって、両端電圧vは以下の数式(31)を用いて求められる。
Figure 2017203726
バンドパスフィルタ(BPF)17の出力v1´は以下の数式(32)を用いて求められる。
Figure 2017203726
バンドパスフィルタ17の出力v1´を、第1の参照信号vと第2の参照信号vにより同期検波して、試料11の両端に発生する電圧の振幅と位相を求める。出力v1´を第1の参照信号vで同期検波したときのADC23−1の入力電圧VADC1_V1´×V2は以下の数式(33)を用いて求められる。
Figure 2017203726
出力v1´を第2の参照信号vで同期検波したときのADC23−2の入力電圧VADC2_V1´×V3は以下の数式(34)を用いて求められる。
Figure 2017203726
数式(33)÷数式(34)を実行すると以下の数式(35)が導き出される。
Figure 2017203726
数式(35)の左辺と右辺の分母をはらうと以下の数式(36)となる。
Figure 2017203726
さらに、左辺を展開すると、以下の数式(37)のようになり、右辺を展開すると以下の数式(38)のようになる。
Figure 2017203726
Figure 2017203726
これにより以下の数式(39)が導き出され、数式(39)の左辺をtan(θI-V)に置き換えると、θI-Vは以下の数式(40)を用いて求められる。なお、θI-Vは-π≦θI-V≦πである。
Figure 2017203726
Figure 2017203726
試料11の両端に発生する電圧の振幅(V=IR)は上記数式(33)を変形して得られる以下の数式(41)を用いて求められる。
Figure 2017203726
そして、上記数式(41)に基づいて得られる以下の数式(42)を用いて実効抵抗Rが求められる。
Figure 2017203726
なお、スイッチSW1〜3による選択(切り換え)については、上記した実施の形態では第1の接続構成態様、第2の接続構成態様、第3の接続構成態様、第4の接続構成態様の順に接続構成を変えるべく切り換えを行っているが、切り換えの順番についてはこれに限定されない。例えば、最終的に第1〜第3の接続構成態様全てにおいて測定や判定を行った後に第4の接続構成態様におけるインピーダンス測定を行えばよいので、第1〜第3の接続構成態様の切り換える順番は適宜変更可能である。また、その切り換えは図示されない演算装置内のメモリに記憶された順番にしたがって行うこともできるし、図示されない表示装置に表示された測定値に応じて手動で切り換えるようにしてもよい。
[効果]
上記したように、本実施の形態によれば、バンドパスフィルタ(BPF)17やその周辺デバイスのゲインや位相の両方若しくはいずれかの変動量を算出し、その測定されたゲイン、位相を用いてインピーダンス測定を行っている。したがって、バンドパスフィルタ(BPF)17やその周辺デバイスのゲインや位相が変動した場合でも、ゲイン変動や位相回りによる影響を抑制することができるので、測定誤差を少なくし、安定した測定が可能となる。
<変形例>
上記した実施の形態は2つの同期検波器20−1,20−2とそれらに対応する2つのローパスフィルタ22−1,22−2を用いていたが、図5に示すように1つの同期検波器30とそれに対応する1つのローパスフィルタ32、ADC33を用いて、上記第1〜第4の接続構成態様全てにおいて測定や判定を行ってもよい。その場合における第1〜第4の接続構成態様に係る測定や判定については上記と同様であるのでここではその説明は省略する。
また、上記の実施の形態は、定電流源10から試料に交流定電流を供給してインピーダンスを測定する例で説明したが、電圧によるインピーダンス測定も可能である。たとえば、電圧源から試料に交流定電圧を供給して同期検波によりインピーダンスを測定するものでもよい。測定対象が電池の場合には、定電流によりインピーダンス測定を行うことが好ましいが、例えば、電気回路に組み込まれてノイズが現れる可能性のあるコンデンサの場合には、交流定電圧によるインピーダンス測定でもよい。
10 定電流源
11 試料(DUT)
12 電流検出用抵抗(Rs)
15、16 増幅器
17 バンドパスフィルタ(BPF)
19 位相調整器
20−1、20−2 同期検波器
22−1、22−2 ローパスフィルタ(LPF)
23−1、23−2 アナログデジタル変換器(ADC)
SW1〜SW3 スイッチ

Claims (7)

  1. 測定対象の試料に所定周波数の測定信号を供給する交流源と、
    前記測定信号に同期する基準信号を生成する基準信号生成部と、
    前記試料に現れる検出信号を通過させるバンドパスフィルタと、
    前記試料に現れる検出信号を前記基準信号で同期検波する同期検波部と、
    を備えたインピーダンス測定装置であって、
    前記基準信号生成部は、所定の測定用周波数であって、位相が異なる二つの基準信号を生成する手段を備え、
    前記試料に現れる検出信号を前記異なる2つの基準信号で同期検波して前記バンドパスフィルタのゲインと位相回りが算出され、該算出されたゲインと位相回りに基づいてインピーダンス測定が実行される、
    ことを特徴とするインピーダンス測定装置。
  2. 前記試料に現れる検出信号をバンドパスフィルタに供給しない状態で、前記基準信号生成部からの異なる2つの基準信号で、前記測定信号に基づく電流検出信号を同期検波して、前記2つの基準信号の位相差、前記バンドパスフィルタのゲイン及び位相回りが算出されるように、かつ、前記試料に現れる検出信号を前記バンドパスフィルタに供給した状態で、前記算出された2つの基準信号の位相差、前記バンドパスフィルタのゲイン及び位相回りに基づいて前記試料のインピーダンスが算出されるように、前記基準信号生成部、前記バンドパスフィルタ及び前記同期検波部の間の接続を切り換えるための選択部を備えている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のインピーダンス測定装置。
  3. 前記バンドパスフィルタからの出力を、前記測定信号と位相が異なる前記基準信号で同期検波することによって、前記バンドパスフィルタの位相回りの極性を算出し、算出された極性に基づいて前記バンドパスフィルタの位相回りが遅れ位相及び進み位相のいずれであるかが判定される、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のインピーダンス測定装置。
  4. 前記試料は電池であって、前記交流供給部は定電流源である、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインピーダンス測定装置。
  5. 測定対象の試料に所定周波数の測定信号を供給し、基準信号生成部を介して前記測定信号に同期する基準信号を生成し、バンドパスフィルタを介して前記試料に現れる検出信号を通過させ、同期検波部を介して前記試料に現れる検出信号を前記基準信号で同期検波し、同期検波された信号の直流成分を抽出して前記試料の交流インピーダンスを測定するインピーダンス測定方法であって、
    所定の測定用周波数であって、位相が異なる二つの基準信号を生成するステップと、
    前記試料に現れる検出信号を前記異なる2つの基準信号で同期検波して前記バンドパスフィルタのゲインと位相回りを算出するステップと、
    前記算出されたゲインと位相回りに基づいて交流インピーダンスの測定を実行するステップと、
    を有することを特徴とするインピーダンス測定方法。
  6. 前記試料に現れる検出信号を前記バンドパスフィルタに供給しない状態で、前記基準信号生成部からの異なる2つの基準信号で前記測定信号に基づく電流検出信号を同期検波して、前記2つの基準信号の位相差、前記バンドパスフィルタのゲイン及び位相回りが算出されるように、かつ、前記試料に現れる検出信号をバンドパスフィルタに供給した状態で、前記算出された2つの基準信号の位相差、前記バンドパスフィルタのゲイン及び位相回りに基づいて前記試料の交流インピーダンスが算出されるように、前記基準信号生成部、前記バンドパスフィルタ及び前記同期検波部の間の接続を切り換えるステップを備える、
    ことを特徴とする請求項5に記載のインピーダンス測定方法。
  7. 前記バンドパスフィルタからの出力を、前記測定信号と位相が異なる前記基準信号で同期検波することによって、前記バンドパスフィルタの位相回りの極性を算出するステップと、
    算出された極性に基づいて前記バンドパスフィルタの位相回りが遅れ位相及び進み位相のいずれであるかを判定するステップを備える、
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載のインピーダンス測定方法。
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