JP2017203046A - ノルイボガインの硫酸エステル - Google Patents

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Abstract

【課題】ノルイボガインの硫酸エステルを提供すること。【解決手段】本明細書において開示されるものは、ノルイボガインまたは9,17ジヒドロノルイボガインの硫酸エステル、およびこれらのそれぞれの薬学的に受容可能な塩、このような化合物を含む薬学的組成物、ならびに嗜癖および/または疼痛を処置することを含む、それらの使用の方法である。本明細書において使用される場合、上記硫酸エステルは、薬学的に許容可能な塩およびこれらのエステル(硫黄原子に結合しているOH基をエステル化したもの)を含む。【選択図】なし

Description

(発明の分野)
本発明は、ノルイボガインの硫酸エステルに関する。
(技術水準)
ノルイボガインは、イボガインの代謝産物であり、そしてしばしば12−ヒドロキシイボガインとして言及される。米国特許第2,813,873号は、イボガインに誤った構造式を提供するものの、「12−O−デメチルイボガイン」としてではあるがノルイボガインを主張する。ノルイボガインは、下記の式により描写され得る。
Figure 2017203046
最近ノルイボガインおよびその薬学的に受容可能な塩は、薬物依存を処置する際に有用な非中毒性のアルカロイド(米国特許第6,348,456号)として、および強力な鎮痛剤(米国特許第7,220,737号)として、顕著な注目を集めている。
ノルイボガインは、代表的に経口でまたは静脈内に投与され、そして処置された患者に対し全身的に有効になる。
米国特許第2,813,873号明細書 米国特許第6,348,456号明細書 米国特許第7,220,737号明細書
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
式Iの化合物:
Figure 2017203046

またはその塩であって、
Figure 2017203046

は、単結合または二重結合を示すが、ただし
Figure 2017203046
が、単結合であるとき、式Iは、対応するジヒドロ化合物を示し;
Rは、水素またはSOORであり;
は、水素またはSOORであり;
は、水素またはC〜Cアルキルであり;
ただしRとRの少なくとも1つは水素ではない;
化合物またはその塩。
(項目2)
は、水素である、項目1に記載の化合物。
(項目3)
は、SOORである、項目1に記載の化合物。
(項目4)
Rは、水素である、項目1に記載の化合物。
(項目5)
Rは、SOORである、項目1に記載の化合物。
(項目6)
項目1に記載の化合物および少なくとも1つの薬学的に受容可能な賦形剤を含む、薬学的組成物。
(項目7)
患者において疼痛を処置する方法であって、該方法は、項目1に記載の化合物または項目6に記載の組成物の治療有効量を該患者に投与する工程を包含する方法。
(項目8)
患者において嗜癖を処置する方法であって、該方法は、項目1に記載の化合物または項目6に記載の組成物の治療有効量を該患者に投与する工程を包含する方法。
(発明の要旨)
本発明は、ノルイボガインの硫酸エステルおよびノルイボガインのビシナルジヒドロ誘導体ならびにそれらのそれぞれを含む組成物に関する。本明細書において使用される場合、上記硫酸エステルは、薬学的に許容可能な塩およびこれらのエステル(硫黄原子に結合しているOH基をエステル化したもの)を含む。
本発明の一局面において、式Iの化合物:
Figure 2017203046
またはこの塩が提供され、
ここで、
Figure 2017203046
は、単結合または二重結合を示すが、ただし
Figure 2017203046
が単結合であるとき、式Iは、対応する9,17ビシナルジヒドロ化合物を示し;
Rは、水素またはSOORであり;
は、水素またはSOORであり;
は、水素またはC〜Cアルキルであり;
ただしRおよびRの少なくとも1つは水素ではない。
本明細書において使用される場合、上記9,17ジヒドロノルイボガインおよびそれらの硫酸エステル誘導体は、9α,17β;9α,17α;9β,17α;および9β,17β立体異性体を含む。
その組成物の局面の1つにおいて、本発明は、式Iの化合物の治療有効量および少なくとも薬学的に受容可能な賦形剤を含む薬学的組成物を提供する。
その方法の局面の1つにおいて、本発明は、患者における疼痛を処置する方法に関し、方法は、必要に応じて少なくとも薬学的に受容可能な賦形剤の存在下で式Iの化合物の治療有効量で上記患者に投与することを含む。
その方法の局面の別のものにおいて、本発明は、患者における嗜癖を処置する方法に関し、方法は、必要に応じて少なくとも薬学的に受容可能な賦形剤の存在下で式Iの化合物の治療有効量を上記患者に投与することを含む。
(発明の詳細な記載)
本発明は、記載される特定の実施形態に限定されず、たとえばもちろん変化し得ると理解されるべきである。本明細書において使用される専門用語は、特定の実施形態のみを記載する目的であり、本発明の範囲は、添付された特許請求の範囲のみにより限定されるため、限定することを意図しないとまた理解されるべきである。
本明細書において使用される場合および添付された特許請求の範囲において、文脈が明らかに他のものを指図しない限り、単数形「a」、「an」、および「the」は複数形の指示対象を含むことは、注目されなければならない。このため、たとえば、「式Iの化合物」に対する言及は、式Iの化合物の複数たとえばこのような化合物の2つまたは2つより多くの混合物などを含む。
(定義)
他に定義されていない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明に関係する当業者により一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書において使用される場合、下記の用語は下記の意味を有する。
本明細書において使用される場合、用語「含んでいる」または「含む」は、組成物および方法が、記載された要素を含むものの、他の要素を除外しないことを意味するものとする。「から本質的になる」が、使用されて組成物および方法を定義するとき、「から本質的になる」は、述べられた目的のための組み合わせに対して任意の本質的に有意な他の要素を除外することを意味するものとする。このため、本明細書において定義される要素から本質的になる組成物または方法は、請求項に係る発明の基本的かつ新規な特性(単数または複数)に実質的に影響しない他の材料または工程を除外しない。「からなる」は、他の成分および実質的な方法工程のわずかな要素より多いものを除外することを意味するものとする。これらの移行用語それぞれにより定義された実施形態は、本発明の範囲内にある。
用語「約」が、数字表示、たとえば、範囲を含む、温度、時間、量、および濃度、の前に使用されるとき、(+)または(−)10%、5%もしくは1%で変化し得る近似値を示す。
上述されたように、本発明は、ノルイボガインの硫酸エステルまたはこの薬学的に受容可能な塩に関する。
本明細書において使用される場合、用語「ノルイボガイン」は以下の化合物:
Figure 2017203046
ならびにこの薬学的に受容可能な塩を示す。慣例的に、ノルイボガインは、天然に存在するイボガインの脱メチルにより調製される:
Figure 2017203046
イボガインは、西アフリカの低木Tabernanthe ibogaから単離される。脱メチルは、たとえば室温での三臭化ホウ素/塩化メチレンによる反応に続く従来の精製などの従来技術により達成され得る。(たとえば、Huffman,et al.,J.Org.Chem.50:1460(1985)を参照のこと。)本発明は、ノルイボガインの特定の化学形態のいずれにも限定されず、薬物は、遊離塩基か薬学的に受容可能な
付加塩かのどちらかとして患者に与えられ得る。
本明細書において使用される場合、用語「アルキル」は、1個から12個の炭素原子、好ましくは1個から6個の炭素原子そしてより好ましくは1個から3個の炭素原子を有するアルキル基を示す。上記アルキル基は、直鎖状または分枝状の炭素鎖を含有し得る。この用語は、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、およびn−ペンチルなどの基により例示される。用語「Cアルキル」は、x個の炭素原子を有するアルキル基を示し、ここでxは、整数であり、たとえば、Cは、3個の炭素原子を有するアルキル基を示す。
本明細書において使用される場合、用語「シクロアルキル」は、例として、アダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロオクチルなどを含む1つまたは複数の環式環を有する3個から10個の炭素原子の環式炭化水素基を示す。
本明細書において使用される場合、用語「アリール」は、1個の環(たとえば、フェニル)または複数の縮合環(たとえば、ナフチルまたはアントリル)を有する6個から14個の炭素原子からなる芳香族炭素環式基を示し、ここで縮合環は、芳香族であってもなくてもよい(たとえば、2−ベンゾオキサゾリノン、および2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン−7−イルなど)が、ただし結合点は芳香族炭素原子にある。
本明細書において使用される場合、用語「ヘテロアリール」は、環内の1から10個の炭素原子および酸素、窒素、硫黄からなる群から選択される1から4個のヘテロ原子からなる芳香族基を示し、ここで上記ヘテロアリールの1個または複数の窒素および/または硫黄原子は、必要に応じて酸化される(たとえば、N−オキシド、−S(O)−または−S(O)−)。このようなヘテロアリール基は、1個の環(たとえば、ピリジルまたはフリル)または複数の縮合環(たとえば、インドリジニルまたはベンゾチエニル)を有し得る。ここで上記縮合環は、芳香族であってもなくてもよくおよび/またはヘテロ原子を含んでも含まなくてもよいが、ただし結合点は、芳香族ヘテロアリール基の原子を介する。ヘテロアリールの例は、ピリジル、ピロリル、インドリル、チオフェニルおよびフリルを含む。
本明細書において使用される場合、用語「ストレス」または「不安」は、患者が、感情的脅威または身体的脅威に適切に反応することができないときの結果を示す。上記脅威は、現実に生じたものであっても想像されるものでもよい。ストレス症状またはストレス状態は、認識的、感情的、身体的または行動的であり得、警告およびアドレナリン生成の状態、対処メカニズムとしての短期抵抗、極度の疲労、被刺激性、筋緊張、集中力欠如、低下した判断力、全体的な悲観的な態度、過度の心配、イライラ感(moodiness)、被刺激性、激越、弛緩不能、孤独、孤立もしくはうつ状態を感じること、痛みおよび疼痛、下痢もしくは便秘、悪心、目まい、胸痛、頭痛、速い心臓の鼓動、過剰に食べるもしくは十分に食べないこと、過剰に寝るもしくは十分に寝ないこと、社会的ひきこもり、優柔不断(procrastination)もしくは責任の放棄、アルコール、ニコチンもしくは薬物の消費量の増加、およびたとえば歩き回るまたは爪噛みなどの神経症的習癖を含むものの、限定されない。ストレスは、たとえば強迫性障害、パニック障害、急性ストレス障害および心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの過度で非合理的な恐怖の無能力障害(disabling disorder)に発展し得る。
本明細書において使用される場合、用語「保護基」または「Pg」は、周知の官能基を示し、上記周知の官能基は、官能基に結合されたとき、化合物の他の部分で行われる反応および対応する反応条件に対して不活性な、結果として生じる保護された官能基を与え、脱保護条件下で反応されて、元の官能基を再生させ得る。上記保護基の本質(ident
ity)は、重大なものではなく、分子の残りと適合可能であるように選択される。一実施形態において、上記保護基は、本明細書において記載された合成の間、ノルイボガインまたはこの誘導体のアミノ官能基を保護する「アミノ保護基」である。アミノ保護基の例は、たとえば、ベンジル、アセチル、オキシアセチル、およびカルボニルオキシベンジル(Cbz)などを含む。別の実施形態において、上記保護基は、本明細書において記載された合成の間ノルイボガインまたはこの誘導体のヒドロキシル官能基を保護する「ヒドロキシ保護基」である。ヒドロキシル保護基の例は、たとえば、ベンジル、p−メトキシベンジル、p−ニトロベンジル、アリル、トリチル、たとえばジメチルシリルエーテルなどのジアルキルシリルエーテル、ならびにたとえばトリメチルシリルエーテル、トリエチルシリルエーテルおよびt−ブチルジメチルシリルエーテルなどのトリアルキルシリルエーテル;たとえばベンゾイル、アセチル、フェニルアセチル、ホルミル、ならびにたとえばクロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチルなどのモノハロアセチル、ジハロアセチル、およびトリハロアセチルなどのエステル;ならびにたとえばメチル、エチル、2,2,2−トリクロロエチル、アリル、およびベンジルなどのカーボネートを含む。アミノ保護基およびヒドロキシ保護基のさらなる例は、たとえばGreeneおよびWuts、Protective Groups in Organic Synthesis.,2d Ed.,1991,John Wiley&Sonsおよび McOmie Protective Groups in Organic
Chemistry,1975,Plenum Pressなどの標準参考文献において見出される。本明細書において開示されるフェノール性ヒドロキシル基およびインドールN−H基を保護および脱保護する方法は、当該分野において、具体的には上記GreeneおよびWutsならびにそこで引用される参考文献に見出され得る。
本明細書において使用される場合、用語「薬学的に受容可能な塩」は、有機酸または無機酸から誘導される塩を示す。このような酸の例は、以下に限定されないが、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、メタンスルホン酸、亜リン酸、硝酸、過塩素酸、酢酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アコニット酸、サリチル酸、フタル酸(thalic acid)、パモ酸、およびエナント酸などを含む。
本明細書において使用される場合、用語「治療的に受容可能な量」は、本明細書において定義されるように、処置を必要としている被験体に投与されるとき、処置をもたらすのに十分な本発明の組成物の量を示す。治療有効量は、処置される被験体および状態、被験体の体重および年齢、上記状態の重症度、選択される特定の組成物または賦形剤、従われるべき投与計画、投与のタイミングおよび投与の様式など、当該分野における当業者により容易に決定され得るすべてに依存して変化する。
本明細書において使用される場合、用語「処置」または「処置する」は、患者における病気または状態の任意の処置を意味し、
・病気または状態に対して予防もしくは保護すること、つまり、たとえば、臨床症状を、被験体において病気または状態に罹患する危険性に発展させず、それによって病気または状態の発症を実質的に回避すること;
・病気または状態を抑制すること、つまり、臨床症状の進行を止めるもしくは抑えること;および/または
・病気または状態を軽減すること、つまり、臨床症状の退行を引き起こすこと
を含む。
本明細書において使用される場合、用語「疼痛」は、神経性疼痛および侵害受容性疼痛を含む全てのタイプの疼痛を示す。本明細書において開示される組成物は、たとえば幻肢痛などの他のタイプの疼痛を処置するために使用され得ることがまた企図される。上記幻肢痛は、失われているか、またはヒトがもはや物理的信号を受けられない四肢もしくは器
官からの疼痛の感覚であり、切断患者および四肢麻痺患者によりほとんど普遍的に報告される経験である。
本明細書において使用される場合、用語「嗜癖」は、物質、特にたとえば麻酔薬、興奮薬、および鎮静薬などの薬物に対する身体的および/または精神的依存状態により特徴づけられる持続的行動パターンを示す。上記薬物は、以下に限定されないが、ヘロイン、コカイン、アルコール、ニコチン、カフェイン、アンフェタミン、デゾキシエフェドリン、メタドンおよびこれらの組み合わせを含む。本明細書において使用される場合、「患者における嗜癖の処置」は、依存者において薬物依存に関係している禁断症状を減らし、ならびに薬物欲求を軽減することを示す。このような症状は、悪心、嘔吐、不安、腹部痙攣、筋肉痛、悪寒および頭痛を含む。
本明細書において使用される場合、用語「患者」または「被験体」は、哺乳動物を示し、ならびにヒトおよび非ヒトの哺乳動物を含む。
(本発明の化合物)
本発明の一局面において、式Iの化合物
Figure 2017203046
が提供される。
ここで、
Figure 2017203046
は、単結合または二重結合を示すが、ただし
Figure 2017203046
が、単結合であるとき、式Iは、対応するジヒドロ化合物を示し、
Rは、水素またはSOORであり;
は、水素またはSOORであり;
は、水素またはC〜Cアルキルであり;
ただしRおよびRの少なくとも1つは水素ではない。
ある実施形態において、Rは、水素である。ある実施形態において、Rは、SOORである。ある実施形態において、Rは、水素である。ある実施形態において、Rは、SOORである。ある実施形態において、Rは、水素である。ある実施形態において、Rは、C〜Cアルキルである。ある実施形態において、
Figure 2017203046
は、二重結合である。ある実施形態において、
Figure 2017203046
は、単結合である。
好ましい実施形態において、本発明は、以下に表にされた式Iの化合物およびこれらの薬学的に許容される塩を提供する。
Figure 2017203046
(発明の方法)
ノルイボガインは、疼痛および薬物依存または薬物乱用に関係している禁断症状の処置によく適している特性を有する。特に、ノルイボガインは、少なくとも2種類の疼痛緩和に関係しているオピオイド受容体、μおよびκ受容体に結合することが発見されている。μ−タイプ受容体についていえば、ノルイボガインは、アヘン作用薬として働く。加えて、ノルイボガインは、シナプス再取り込みを妨害することにより脳内セロトニン濃度を高める。このような濃度(ならびにμおよびκアヘン剤受容体でのリガンド相互作用)は、撤退の間依存者により経験される不安および薬物欲求において役割を果たすと信じられている。ノルイボガインは、嗜癖を引き起こす傾向なしに鎮痛作用を示す初めてのμオピオイド作用薬である。
式Iのスルフェートは、新規化合物であり、ここでノルイボガインの12−ヒドロキシル基またはインドールN−Hは、生体適合性のある硫酸基に置き換えられる。エステルおよび/またはこの塩を含む、この硫酸基は、ノルイボガインを超える高められた溶解性を示す。加えて、上記硫酸基は、ノルイボガインの調整された(titrated)放出を提供する様式において消化管内で加水分解する。9,17ジヒドロノルイボガイン部分は、たとえば好気条件下インビボで存在することにより経時的に、ノルイボガインまたはこの誘導体の二重結合に酸化されることが企図される。ノルイボガインは、胃において急速な吸収の可能性を示すので、ノルイボガインの調整された放出は、単位時間帯を超えて体により吸収されるノルイボガインの量を制御する際に重要である。
(疼痛の処置)
本発明の別の局面は、患者において疼痛を処置する方法に関する。上記疼痛は、以下に限定されないが、神経障害性疼痛または侵害受容性疼痛を含むいずれのタイプの疼痛であってもよく、ならびに体性痛、内臓痛および幻肢痛を含むこれらのさまざまなタイプの疼
痛であってもよい。したがって、一実施形態において、方法は、式Iの化合物またはこの薬学的に許容される塩の治療有効量を含む薬学的組成物を上記患者に投与することを含む。たとえば、米国特許第7,220,737号を参照のこと(参考文献により本明細書においてその全体が組み込まれる)。
(嗜癖の処置)
ノルイボガインは、薬物依存からの撤退に関係している症状を軽減するために患者を処置するために使用されることが公知である。したがって、本発明もまた、患者において、嗜癖を処置する方法に関し、方法は、式Iの化合物またはこの薬学的に許容される塩の治療有効量を含む薬学的組成物を上記患者に投与することを含む。たとえば、米国特許第6,348,456号を参照のこと(参考文献により本明細書においてその全体が組み込まれる)。
特定の実施形態において、患者における嗜癖の処置は、薬物依存からの撤退に関係している症状を軽減することを含む。このような症状は、悪心、嘔吐、不安、腹部痙攣、筋肉痛、悪寒および頭痛を含む。加えて、ノルイボガインの処置は、乱用物質の自己投与の中止後に依存者により通常経験される薬物欲求を軽減する。本明細書において開示された組成物は、たとえばヘロインおよびメタドンなどの麻酔薬に対する嗜癖の処置において特に有用であることが企図される。しかしながら、それはまたコカイン、アルコール、アンフェタミンおよびこれらの薬物の組み合わせに依存している患者を処置する際に有用である。
(ストレスの処置)
ストレスは、たとえば強迫性障害、パニック障害、急性ストレス障害および心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの過度で非合理的な恐怖の無能力障害に発展し得る。PTSDは、精神的外傷をもたらす出来事への曝露の後に発展し得る重症のストレス障害である。このような出来事は、通常誰かの死、自分自身もしくは誰かに対する死の脅威、または自分自身のもしくは誰かの身体的、性的もしくは精神的な完全性に対する外傷に関係する。PTSDは、それが自身の対処する能力を圧倒するような出来事に対する急性ストレス反応または長期間ストレス反応であってもよい。PTSDの症状は、以下のいくらかまたはすべてを含む:外傷を再発的に再体験すること、たとえば、出来事の侵入的な、動揺させる記憶、外傷性の出来事のフラッシュバック(行動することまたは上記出来事を感じることが再び起こること)、悪夢を再発すること(上記出来事かまたは他の怖がらせることのいずれか);上記外傷を思い出させられるとき、強烈な窮迫および/または強烈な身体的反応を感じること;病人に上記外傷および感情的反応性の全体的な麻痺を思い出させる場所、人々、および経験の恐怖症を有するほどの回避;上記外傷の重要な局面を思い出すことができないこと;および睡眠障害、集中困難、被刺激性、怒り、集中力不足、ブラックアウトまたはものを思い出す難しさを含む過覚醒(hyperarousal)の身体的徴候、驚愕する傾向および反応の増大ならびに脅威に対する過覚醒(hypervigilance)。他の症状は、快感消失、楽しんでいた活動への興味の欠如、感情の死、自身が人々から遠ざけられていること、および/または限定された将来の感覚(たとえば、将来について考えることまたは将来の計画を作ることができないこと、自身がずっと長く生きることを信じないこと)、罪、恥、自己非難、鬱状態および絶望、自殺思考および自殺感情、疎遠にされ孤立したように感じること、頭痛、胃の疾患、胸痛、および薬物乱用を含む。
式Iの化合物またはこの薬学的に許容される塩を含む組成物は、単独かまたはN−メチルD−アスパルテート経路(NMDA)インターラプター(interrupter)と組み合わせるかのいずれかで、ストレスに対する効果的な処置を提供することが企図される。NMDA受容体は、グルタミン酸受容体ファミリーに属する。それらは、Ca2+およびNaイオンに対して透過性のあるリガンド開口型イオンチャネルであり、シナプス可塑性、神経発達、ならびに学習および記憶に関係している。記憶のための細胞機構であ
る長期間相乗作用は、NMDA受容体を介したCa2+流入により一部調節される。上記NMDA受容体の活性化は、海馬のCA1領域においてcAMPを増加させる、そしてそのことは、Ca2+カルモジュリン依存性アデニリルシクラーゼにより介在される。Ca2+の流入もまた、Ca2+カルモジュリン依存性酸化窒素(NO)シンターゼ(NOS)タイプを刺激してNOを生み出す、そしてそのことは、グアニリルシクラーゼを刺激してcGMPを生み出す。cAMPおよびcGMPは、たとえばキナーゼの活性化、シグナル変換、遺伝子転写、およびチャネル機能の調節などの多くの細胞内プロセスに関係している。Suvarna,et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,302(1):249−256(2002)。さらに、NMDAシグナル伝達経路もまた、Arc翻訳への調節作用を有する。そしてそのことは、記憶の固定化において重要な役割を果たす。Bloomer,et al.,J.Bio.Chem.283(1):582−592(2008)。N−メチルD−アスパルテート経路インターラプターは、NMDA受容体が役割を果たすシナプス可塑性、神経発達、ならびに学習および記憶の調節に関係している任意の受容体、酵素、イオンチャネルなどのアンタゴニストまたはインヒビターであってもよい。
ある実施形態において、上記NMDA経路インターラプターは、アマンタジン、デキストロメトルファン、デキストロルファン、エタノール、ケタミン、ケトベミドン、メマンチン、メタドン、亜酸化窒素、フェンシクリジン、ジゾシルピン(MK801)およびトラマドールからなる群から選択される。一実施形態において、上記NMDA経路インターラプターは、シクロセリンである。
(投薬量および投与の経路)
投与のいずれの経路および投薬形態が、上で議論された化合物および方法と適合可能であってもよいことが企図される。適切な投薬計画および投与の経路は、主治医である臨床医により容易に決定され得る。特に、本発明の組成物の成分それぞれの治療有効量は、同時にまたは逐次に任意の順序で投与され得、そして上記成分は、別々にまたは固定された組み合わせとして投与され得る。上記組成物の個々の成分は、分けられたもしくは単一の組成物形態で治療過程の間または同時に別々に異なる回数で投与され得る。
経口送達、静脈送達または動脈送達に適している組成物は、おそらく最も頻繁に使用されるが、使用され得る他の経路は、経口経路、肺経路、直腸経路、鼻経路、膣経路、舌経路、筋肉内経路、腹腔内経路、皮内経路および皮下経路を含む。加えて、上記組成物は、経皮的に投与され得、上記組成物において薬物は、クリーム、ゲル、またはパッチの一部として適用されることが企図される(たとえば経皮調合物、米国特許4,806,341号;5,149,538号;および4,626,539号を参照のこと。)。他の投薬形態は、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、エーロゾル剤、坐剤、非経口剤(parenteral)ならびに懸濁剤、溶剤および乳剤を含む経口液体を含む。徐放性投薬形態もまた、使用され得る。すべての投薬形態は、当該分野において標準である方法を使用して調製され得る(たとえば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,16th ed.,A. Oslo editor,Easton Pa.1980を参照のこと。)。
式Iの化合物もしくはこのエステル、またはこのそれぞれの塩は、たとえば、タルク、アラビアゴム、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ココアバター、水性または非水性溶剤、オイル、パラフィン誘導体、グリコールなどの医薬製剤に一般的に用いられるビヒクルおよび賦形剤のいずれかと共に使用され得る。着色剤および香味剤もまた、製剤、特に経口投与のための製剤に対し加えられ得る。液剤は、水またはエタノール、1,2−プロピレングリコール、ポリグリコール、ジメチルスルホキシド、脂肪アルコール、トリグリセリド、およびグリセリンの部分エステルなどのような生理学的に相溶性のある有機溶剤を使用して調製され得る。ノルイボガインを含有する非経口組成物は、無
菌等張食塩水、水、1,3−ブタンジオール、エタノール、1,2−プロピレングリコール、水と混ぜられたポリグリコール、リンゲル液などを含み得る従来技術を使用して調製され得る。
疼痛を処置するために必要とされる投薬量は、嗜癖を処置するために必要とされる投薬量とは異なり得ることが企図される。しかしながら、投薬計画は、望まれる処置に基づいて主治医である臨床医により容易に決定され得る。疼痛の処置のために、患者に投与される式Iの化合物もしくはこのエステル、またはこのそれぞれの塩の投薬量は、体重1kgにつき約0.1mgから約100mgまで、好ましくは、体重1kgにつき約0.1mgから約30mgまでであってもよいことが企図される。嗜癖の処置のために、患者に投与される投薬量は、約0.1mg/mlから約20mg/mlまでであってもよい。
(部分のキット)
本発明の一局面は、本明細書において開示される組成物およびこれを必要としている患者に対し上記組成物を投与する手段を含む部分のキットに関する。患者に対し投与する手段は、たとえば、注射器、針、上記組成物を含むIVバッグ、上記組成物を含むバイアルなどのいずれか1個または組み合わせを含み得る。
(合成方法)
本発明の化合物は、容易に入手できる出発原料から下記の一般的な方法および手順を使用して調製され得る。代表的なまたは好まれるプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応物質のモル比、溶媒、圧力など)が与えられ、他に述べられなければ他のプロセス条件もまた、使用され得ると認識される。最適反応条件は、使用される特定の反応物質または溶媒によって変化し得るものの、このような条件は、所定の最適化手順により当業者により決定され得る。
加えて、当業者に対して明白なように、従来の保護基は、特定の官能基が望まれない反応を経ることを妨げるために必要であり得る。さまざまな官能基に対して適切な保護基ならびに特定の官能基を保護および脱保護するための適切な条件は、当該分野において周知である。たとえば、多数の保護基は、T.W.GreeneおよびG.M.Wuts,Protecting Groups in Organic Synthesis,Third Edition,Wiley,New York,1999、ならびにそこで引用される参考文献に記載される。
さらに、本発明の化合物は、1個または1個より多くのキラル中心を代表的に含有する。したがって、望まれるならば、このような化合物は、純粋な立体異性体として、すなわち個々のエナンチオマーもしくはジアステレオマーとして、または立体異性体富化混合物として調製または単離され得る。すべてのこのような立体異性体(および富化混合物)は、もし他に指示されなければ、本発明の範囲内に含まれる。純粋な立体異性体(または富化混合物)は、たとえば、当該分野において周知の光学活性な出発原料または立体選択的試薬を使用して調製され得る。代替的に、このような化合物のラセミ混合物は、たとえば、キラルカラムクロマトグラフィーおよびキラル分割剤などを使用して分割され得る。
以下の反応のための出発原料は、一般的に公知である化合物であるかまたは公知である手順もしくはこの自明な改変により調製され得る。たとえば、出発原料の多くは、たとえばAldrich Chemical Co.(Milwaukee,Wis.,USA)、Bachem(Torrance,Calif.,USA)、Emka−Chemce or Sigma(St.Louis,Mo.,USA)などの商業的供給者から入手できる。他は、たとえばFieser and Fieser’s Reagents
for Organic Synthesis,Volumes 1 15 (John Wiley and Sons,1991)、Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds,Volumes 1 5 and Supp
lementals(Elsevier Science Publishers,1989)、Organic Reactions,Volumes 1 40(John Wiley and Sons,1991)、March’s Advanced Organic Chemistry,(John Wiley and Sons,4th
Edition)、およびLarock’s Comprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc.,1989)などの標準参照テキストに記載された手順またはこの自明な改変により調製され得る。
本発明の化合物は、ノルイボガインを使用して調製され得、上記ノルイボガインは、たとえば室温での三臭化ホウ素/塩化メチレンによる反応など、当該分野において公知である方法によりイボガインを脱メチル化することによるなど、公知である手順に従って調製され得る。スキーム1は、本発明の化合物を調製するための例示的な一般プロセスを示す。
下記のスキーム1は、12−ヒドロキシル基を硫酸化し、必要に応じて上記12−ヒドロキシル基およびインドール窒素原子を二硫酸化する反応スキームを示す。下記のスキーム2は、従来のヒドロキシル保護基により上記12−ヒドロキシル基を保護することによる上記インドール窒素原子の選択的な硫酸化のための反応スキームを示す。さまざまな保護基、好ましくは酸性条件下で安定なものは、Pgとして有用であり、当業者に対して明白である。クロロスルホン酸のエステルは、式Iの化合物のエステルを調製するために使用され得る。ノルイボガインのインドール窒素は、保護され得、硫酸化がノルイボガインのヒドロキシ基上で起こり、続いてN−保護基が脱保護されることがまた企図される。N−保護されたノルイボガインを調製する方法は、この開示を考慮して当業者に対し明白である。
Figure 2017203046
上に示したように、Xは、クロロ、ブロモ、ヨードまたはR−SO−部分のような脱離基を示す。Rは、1〜3個のフッ素原子により必要に応じて置換された(subtitued)C〜CアルキルであるかまたはRは、1〜3個のハロ基もしくはC〜Cアルキル基により必要に応じて置換されたフェニルである。
式Iのジヒドロノルイボガイン化合物は、対応するノルイボガイン誘導体の二重結合を還元することにより合成される。当業者に対して周知のさまざまな還元剤は、この目的のために有用である。たとえば、水素およびたとえばPd/CまたはPt/Cなどの触媒を用いる触媒的水素化は、9,17シス、すなわちα,αまたはβ,βジヒドロ化合物を提供するために有用である。たとえばホウ化水素またはアルミニウム水素化物などの試薬は、α,βまたはβ,αジヒドロ化合物を提供するために有用である。
上記反応は、上記生成物の実質量を提供するために十分な期間の間行われ、上記生成物は、たとえば薄層クロマトグラフィー、およびH−核磁気共鳴(NMR)分光法などの所定の方法を使用することにより確かめられ得る。式1−1、1−2、2−1、2−2および2−3の化合物は、単離され得、たとえば沈殿、結晶化、および/または液体クロマトグラフィーなどの標準精製技術を使用して必要に応じて精製され得る。
本発明を、以下の実施例に対する言及によりさらに定義する。材料と方法の両方に対する多くの改変を、本発明の範囲から逸脱することなく行い得ることは、当業者に対して明白である。
Figure 2017203046
(実施例1:調合物)
下記の成分を、密に混合し、圧縮して単一の割線つき錠剤にする。
Figure 2017203046
下記の成分を、密に混合し、殻の硬いゼラチンカプセルに詰め込む。
Figure 2017203046
下記の成分を、混合し経口投与のための懸濁剤を形成する(q.s.=十分量)。
Figure 2017203046
下記の成分を、混合し注射可能な調合物を形成する。
Figure 2017203046
坐剤の全重量2.5gを、本発明の化合物をWitepsol(登録商標)H−15(飽和植物性脂肪酸のトリグリセリド;Riches−Nelson,Inc.,New York)と混合することにより調製し、坐剤は、以下の組成を有する:
Figure 2017203046
(実施例2:成体のラットにおけるインビボ微量透析法)
ノルイボガインの硫酸エステルを、右前頭皮質に微量透析プローブを介して与える。一方で、左前頭皮質内のプローブが、ビヒクル対照部位として役立ち得る。
ガイドカニューレ(CMA/12ポリウレタン、Carnegie Medicine,Sweden)を麻酔下で左前頭(運動)皮質および右前頭(運動)皮質に移植する。上記ガイドのチップをPaxinosおよびWatson,The rat brain
in stereotaxic coordinates,Sydney,Academic Press,1986にしたがって座標に置く。微量透析実験を、手術後少なくとも3日の回復期間の後で行う。上記微量透析プローブを、上記ガイドカニューレを通して下げる。挿入後14時間から16時間で、上記プローブの灌流を、リンゲル液(mMにおいて147 Na、2.3 Ca2+、4.0 Kおよび155.6 Cl、pH6.0)を使用して始める。2つの透析物サンプルをラットにノルイボガインを注射する前に1時間の期間にわたって集める。薬物投与のあとで、さらに試料を次の2時間にわたって集める。左の微量透析プローブをそれぞれの薬物ビヒクル、たとえばリンゲル液により灌流する。
透析物および血漿試料におけるノルイボガイン濃度は、UV検出を有する高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によるものである。
実施例3:PTSDの処置
75kgの男性患者は、心的外傷後ストレス障害を示す。上記患者を、主治医である臨床医により決定される10〜100mgのNMDA受容体経路インターラプターを有する実施例1の薬学的組成物の1つにより処置する。心的外傷後ストレス障害の症状が、軽減するまで投与を続ける。

Claims (1)

  1. 明細書中に記載の発明。
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