JP2017202891A - 媒体処理装置、媒体処理方法、構造物製造システム、及び、構造物製造方法 - Google Patents

媒体処理装置、媒体処理方法、構造物製造システム、及び、構造物製造方法 Download PDF

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【課題】媒体処理装置、媒体処理方法、構造物製造システム、及び構造物製造方法において、媒体に生じるカールを抑制する。【解決手段】媒体処理装置1は、媒体M(媒体M14)を排出する排出口12と、この排出口12から排出された媒体Mが載置されるトレイ30と、媒体Mの排出方向D(X方向)及び当該排出方向に直交する媒体幅方向(Y方向)に亘って配置され、排出口12から排出された媒体Mに対しトレイ30側へ向けて力を付勢する押さえ部材20と、を備える。【選択図】図2A

Description

本発明は、媒体に処理を行う媒体処理装置及び媒体処理方法、並びに、構造物を製造する構造物製造装置及び構造物製造方法に関する。
従来、吸収した熱量に応じて発泡膨張する膨張層を一方の面上に有する媒体(例えば、熱膨張性シート)の膨張層上に、後に印刷されるカラー画像の中から選択された部位に例えばカーボンブラックを含む黒インクを印刷することにより電磁波を熱に変換する電磁波熱変換層を形成し、電磁波の照射によって黒インクの印刷部位を発泡膨張させて盛上げる構造物製造装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5212504号公報
上述の膨張層を有する媒体が電磁波を照射されると、媒体に含まれる水分が蒸発することや膨張層が発泡膨張することに起因して、媒体処理装置の排出口から排出される媒体には、例えば、媒体の排出方向の先端が電磁波の照射部側である上方に持ち上がるように、カールが生じる。なお、このようなカールは、カールの向きは様々であるが、膨張層を有する媒体に限らず生じるものである。例えば、媒体の1つである印刷用紙は、印刷画像濃度が濃いほど、印刷画像の面積が大きいほど、或いは、色の重ね合わせが多いほど、排出後にカールが生じやすい。また、搬送経路が平面状ではなく湾曲すること、熱転写方式などによる印刷時に媒体が加熱されることなどの他の要因によっても、媒体にはカールが生じる。
本発明の目的は、媒体に生じるカールを抑制することができる、媒体処理装置、媒体処理方法、構造物製造システム、及び構造物製造方法を提供することである。
1つの態様では、媒体処理装置は、排出口から媒体が排出されるように当該媒体を搬送する搬送部と、前記排出口から排出された前記媒体が載置されるトレイと、前記媒体の排出方向及び当該排出方向に直交する媒体幅方向に亘って配置され、前記排出口から排出された前記媒体に対し前記トレイ側へ向けて力を付勢する押さえ部材と、を備える。
別の1つの態様では、媒体処理方法は、媒体に処理を行い、排出口から前記媒体が排出されるように当該媒体を搬送し、前記媒体の排出方向及び当該排出方向に直交する媒体幅方向に亘って配置された押さえ部材によって、前記排出口から排出された前記媒体に対し、前記排出口から排出された前記媒体が載置されるトレイ側へ向けて力を付勢する。
別の1つの態様では、構造物製造システムは、加熱により膨張する膨張層を含む媒体に対し、電磁波を熱に変換する電磁波熱変換層を形成する電磁波熱変換層形成部と、前記媒体に電磁波を照射する照射部と、排出口から媒体が排出されるように当該媒体を搬送する搬送部と、前記排出口から排出された前記媒体が載置されるトレイと、前記媒体の排出方向及び当該排出方向に直交する媒体幅方向に亘って配置され、前記排出口から排出された前記媒体に対し前記トレイ側へ向けて力を付勢する押さえ部材と、を備える。
別の1つの態様では、構造物製造方法は、加熱により膨張する膨張層を含む媒体に対し、電磁波を熱に変換する電磁波熱変換層を形成し、前記媒体に電磁波を照射し、排出口から前記媒体が排出されるように当該媒体を搬送し、前記媒体の排出方向及び当該排出方向に直交する媒体幅方向に亘って配置された押さえ部材によって、前記排出口から排出された前記媒体に対し、前記排出口から排出された前記媒体が載置されるトレイ側へ向けて力を付勢する。
本発明によれば、媒体に生じるカールを抑制することができる。
本発明の一実施の形態に係る媒体処理装置を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態に係る媒体処理装置の内部構造を簡略化した断面図(その1)である。 本発明の一実施の形態に係る媒体処理装置の内部構造を簡略化した断面図(その2)である。 本発明の一実施の形態における押さえ部材等を示す斜視図である。 図3のIV−IV断面図である。 本発明の一実施の形態における照射領域上ガイド板を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態における構造物製造用の媒体を示す断面図である。 本発明の一実施の形態に係る構造物製造方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の一実施の形態に係る構造物製造システムの制御ブロック図である。 本発明の一実施の形態における制御部として動作することが可能なコンピュータのハードウェア構成例である。 本発明の一実施の形態におけるインクジェットプリンタの構成を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態に係る、媒体処理装置、媒体処理方法、構造物製造システム、及び構造物製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る媒体処理装置1を示す斜視図である。
図2A及び図2Bは、媒体処理装置1の内部構造を簡略化した断面図である。
図3は、本実施の形態における押さえ部材20等を示す斜視図である。
図4は、図3のIV−IV断面図である。
図5は、本実施の形態における照射領域上ガイド板63を示す斜視図である。
なお、図1〜図5において、X方向は、図2Aに示す媒体Mを排出する排出方向D(図1、図2A、及び図3参照)と同一であり、Y方向は、媒体Mの媒体幅方向と同一であり、Z方向は鉛直方向と同一であり、X方向、Y方向、及びZ方向は、互いに直交する。本実施の形態では、筐体10における媒体Mの搬送経路が湾曲せずに平面状であるため、排出方向Dは、搬送方向及び吸入方向と同一である。
図1〜図3に示すように、媒体処理装置1は、筐体10と、押さえ部材20と、トレイ30と、一対のアーム40,40と、を有する。また、図2A及び図2Bに示すように、媒体処理装置1は、筐体10の内部において、照射部50と、挿入側上ガイド板61と、挿入側下ガイド板62と、照射領域上ガイド板63と、照射領域下ガイド板64と、排出側上ガイド板65と、排出側下ガイド板66と、それぞれ搬送方向Dの2箇所に配置された上搬送ローラ67,67及び下搬送ローラ68,68と、を更に備える。上搬送ローラ67,67及び下搬送ローラ68,68が搬送部の一例である。搬送部は、排出口12から媒体Mが排出されるように媒体Mを搬送するものである。
媒体処理装置1は、媒体Mに加熱、印刷等の予め定めた処理が施された媒体Mを排出口12から排出する上述の搬送部と、押さえ部材20と、を備える装置であればよい。本実施の形態では、媒体処理装置1は、電磁波を照射する照射部50を備える加熱装置である。媒体Mとしては、例えば、後述する図6に示すように、加熱により膨張する膨張層の一例である発泡樹脂層102を含む、構造物製造用の媒体M14である。
図1に示すように、筐体10は、押さえ部材20及びトレイ30を挟み込むように、X方向に突出する一対のフレーム11,11を有する。一対のフレーム11,11の互いに対向する面には、トレイ30の係止爪31,31が挿入されることでトレイ30を係止するための係止凹部11a,11aが形成されている。
図2A及び図2Bに示すように、媒体Mは、排出側上ガイド板65及び排出側下ガイド板66の間のX方向先端に位置する排出口12において媒体処理装置1(筐体10)の内部から排出される。
図1に示すように、筐体10には、押さえ部材20の一対の連結部材23,23がそれぞれ挿入される一対の連結部材用凹部13,13が互いに対向するように形成されている。なお、一対の連結部材用凹部13,13は、一対の連結部材23,23を係止しておらず、一対の連結部材23,23との干渉を回避するために形成されている。
押さえ部材20は、筐体10に設けられた例えば凹部である押さえ部材用支持部14によって回動可能に支持され、媒体Mを押さえる図1、図2A、及び図3に示す第1の位置P1と、筐体10に沿うようにトレイ30と筐体10との間に保持される図2Bに示す第2の位置P2とに回動可能である。
トレイ30は、フレーム11に設けられた例えば孔である図1に示す一対のトレイ用支持部11b,11b(一方のトレイ用支持部11bは押さえ部材20によって隠れて図示されず。)によって回動可能に支持され、媒体Mが載置される図1、図2A、及び図3に示す第1の位置P1と、係止爪31がフレーム11の係止凹部11aに挿入されることで筐体10に係止され筐体10に沿う図2Bに示す第2の位置P2とに回動可能である。
また、図1及び図3に示すように、トレイ30には、フレーム11に設けられた例えば孔である一対のアーム用支持部11c,11cによって一端を回動可能に支持された一対のアーム40,40の他端が挿入されるアーム用溝33がY方向の両端に設けられている。トレイ30が手動で第1の位置P1と第2の位置P2との間を回動する際に、アーム40は、アーム用溝33内でスライドする。このアーム40は、トレイ30の第1の位置P1における角度を規定することができ、本実施の形態では、第1の位置P1においてトレイ30の媒体Mが載置される載置面30aの角度を水平に保っている。なお、図2Bに示すように、トレイ30は、第2の位置P2において、第1の位置P1から90度回動し、載置面30aがY方向及びZ方向に拡がる。
押さえ部材20は、第1の位置P1において、X方向及びY方向に拡がり周囲にZ軸方向下向きに突出する壁面が形成された皿状のプレート21を有する。このプレート21には、押さえ部材20の第1の位置P1において、X方向に延び且つY方向に互いに隔てて配置された複数のリブ22が形成されている。このように、押さえ部材20は、媒体Mの排出方向D(X方向)及び当該排出方向Dに直交する媒体幅方向(Y方向)に亘って配置されている。なお、押さえ部材20は、第2の位置P2において、第1の位置P1から90度回動し、プレート21がY方向及びZ方向に拡がるように位置する。
図4に示すように、複数のリブ22は、プレート21からZ方向下向きに、排出口12から排出された媒体Mに向かって突出し、例えばカールが生じた媒体Mの排出方向Dの先端に接触することで、媒体Mを平面状に近づけるように、媒体Mに対しトレイ30側へ向けて力を付勢する(媒体Mを押さえる)。また、図1、図2A、及び図3に示すように、押さえ部材20は、第1の位置P1において、排出口12に隣接した位置からトレイ30の上方に亘って配置され、排出口12から排出された媒体Mに対し、複数のリブ22においてトレイ30側へ向けて力を付勢する。なお、複数のリブ22は、Y方向において、媒体Mの幅よりも広い範囲に亘って配置され、媒体Mに対し、Y方向の全体に亘ってトレイ30側へ向けて力を付勢することが可能であることが望ましい。
図2Aに示すように、複数のリブ22は、排出方向Dの前方(矢印Dの先端側)にかけて、プレート21からの突出高さH1,H2が漸増するように設けられている(H2>H1)。換言すると、押さえ部材20は、排出方向Dの前方にかけて、媒体Mに接近するように、すなわちZ方向下向きに、傾斜している。なお、排出方向Dの先端における複数のリブ22とトレイ30との間隔(例えば7,8mm)は、媒体Mの厚さ(例えば1,2mm)よりも十分に広くなっており、単一の媒体Mがリブ22とトレイ30とで挟み込まれるほどには押さえ部材20とトレイ30とは接近していない。但し、トレイ30上に媒体Mが積層される場合などには、押さえ部材20とトレイ30とで媒体Mが挟み込まれるようにしてもよい。
なお、押さえ部材20は、リブ22を有さずに例えば平面状の部分で、媒体Mに対しトレイ30側へ向けて力を付勢してもよい。この場合でも、押さえ部材20は、排出方向Dの前方にかけて媒体Mに接近するように傾斜していることが望ましい。即ち、トレイ30との対向面(押さえ部材20の下面)が、排出方向Dの前方にかけて媒体Mに接近するように傾斜するように設けられていることが望ましい。
図1及び図3に示すように、押さえ部材20には、押さえ部材20とトレイ30とを連結する一対の連結部材23,23がY方向の両端に設けられている。これらの一対の連結部材23,23は、押さえ部材20の第1の位置P1において、トレイ30側であるZ方向下向きに突出する。
図1及び図4に示すように、一対の連結部材23,23は、トレイ30の載置面30aに設けられた一対の連結部材用溝32,32に挿入され係合することで、押さえ部材20とトレイ30とを連結する。ここで、一対の連結部材用溝32,32は、連結部材23をスライドさせるためのガイドの一例である。一対の連結部材23,23は、押さえ部材20及びトレイ30が第1の位置P1と第2の位置P2との間で回動するときに、連結部材用溝32,32内でスライドする。一対の連結部材23,23が連結部材用溝32,32に挿入され係合しているため、例えばトレイ30が手動で第1の位置P1と第2の位置P2との間を回動する際に、押さえ部材20とトレイ30とが互いに連動して回動するように設けられている。
すなわち、押さえ部材20は、第2の位置P2においてトレイ30と筐体10との間に保持されており、手動で、トレイ30と筐体10との係止爪31及び係止凹部11aによる係止状態が解除されることによってトレイ30が第1の位置P1に回動するときに、第1の位置P1へ回動する。また、押さえ部材20は、手動でトレイ30が第1の位置P1から第2の位置P2へ回動する際に、第1の位置P1から第2の位置P2へ回動し、トレイ30と筐体10との間で保持される。
図4に示すように、連結部材23は、連結部材用溝32内からの脱落を防止するための爪23aを先端に有することで連結部材用溝32,32に係合することが望ましい。なお、連結部材23は、トレイ30に設けられていてもよい。この場合、トレイ30が連結部材23を有し、押さえ部材20が連結部材用溝32を一例とするガイドを有することになる。
図2Aに示すように、照射部50は、照射領域上ガイド板63と照射領域下ガイド板64との間に位置する媒体Mに対し、電磁波を照射する。照射部50は、例えば、ハロゲンランプであり、近赤外領域(750〜1400nm)の光を照射する。なお、照射部50は、媒体Mに処理を行う処理部の一例として機能する。
挿入側上ガイド板61及び挿入側下ガイド板62は、筐体10(媒体処理装置1)に挿入される媒体Mのそれぞれ上面又は下面をガイドする。照射領域上ガイド板63及び照射領域下ガイド板64は、照射部50によって電磁波を照射される媒体Mのそれぞれ上面又は下面をガイドする。排出側上ガイド板65及び排出側下ガイド板66は、筐体10の排出口12から排出される直前の媒体Mのそれぞれ上面又は下面をガイドする。また、X方向に例えば2つずつ配列された上搬送ローラ67及び下搬送ローラ68は、媒体MをX方向に搬送する。
図1に示すように、排出側上ガイド板65には、照射部50による電磁波の照射によって媒体Mから蒸発する水蒸気を逃がすための厚さ方向の孔が、少なくとも搬送される媒体Mの上方全体に複数形成されている。これらの孔は、媒体Mの引っ掛かりを防止する観点では小径であることが望ましく、排出側上ガイド板65の軽量化の観点では数が多く形成されていることが望ましい。
挿入側上ガイド板61、挿入側下ガイド板62、照射領域下ガイド板64、排出側上ガイド板65、及び排出側下ガイド板66は、媒体Mのガイド面(挿入側上ガイド板61及び挿入側下ガイド板62の上下にテーパ状に拡がった吸入口を除く。)がX方向及びY方向に拡がるように水平に配置されているが、照射領域上ガイド板63は、照射部50における媒体Mの搬送方向(排出方向D)の先端が持ち上がるようにカールするのを抑制するために、搬送方向であるX方向の前方にかけてZ方向下向きに傾斜するように、水平に対し斜めに配置されている。
図5に示すように、照射領域上ガイド板63は、Y方向に延びる2本のロッド63a,63bと、これらの2本のロッド63a,63bに架け渡されるように互いに間隔を隔てて配置された複数のロッド63c,63c,63d,63d,63e,63e,63f,63fと、を有する。照射領域上ガイド板63のY方向両端に位置するロッド63c,63c及びこれらに隣接するロッド63d,63dはX方向に延びるが、他のロッド63e,63e,63f,63fは、搬送方向であるX方向の前方にかけて、X方向から照射領域上ガイド板63のY方向中心に寄るように傾いている。
なお、上述の説明では、排出口12及び押さえ部材20を備える媒体処理装置1が、処理部の一例である照射部50を備える加熱装置である例を説明したが、媒体処理装置1としては、照射部50に代えて処理部の一例である印刷部が配置されるインクジェットプリンタ、レーザープリンタなどの印刷装置やその他の媒体処理装置であってもよい。
図6は、本実施の形態における構造物製造用の媒体M14を示す断面図である。
図6に示す媒体M14は、図2Aに示す媒体Mとして媒体処理装置1に挿入され、照射部50により電磁波を照射されることで発泡樹脂層102が加熱により膨張し、構造物として製造される。また、媒体M14は、基材101と発泡樹脂層102とインク受容層103とが順に積層された媒体M11から加工されたものであり、発泡樹脂層102を加熱により膨張させる前の状態である。
基材101は、紙、キャンバス地などの布、プラスチックなどのパネル材などからなり、材質は特に限定されるものではない。
発泡樹脂層102には、基材101上に設けられた熱可塑性樹脂であるバインダー内に熱発泡剤(熱膨張性マイクロカプセル)が分散配置されている。これにより、発泡膨張層102は、吸収した熱量に応じて発泡膨張する。なお、発泡樹脂層102は、加熱により膨張する膨張層の一例である。
インク受容層103は、発泡樹脂層102の上面全体を覆うように、例えば、10μmの厚さに形成されている。インク受容層103は、インクジェット方式のプリンタに用いられる印刷用のインク、レーザー方式のプリンタに用いられる印刷用のトナー、ボールペンや万年筆のインク、鉛筆の黒鉛などを受容し、少なくともその表面に定着させるために好適な材料からなり、インクジェット用紙などに用いられている汎用的なインク受容層を用いることができる。
インク受容層103、表側電磁波熱変換層104、及び裏側電磁波熱変換層106は、それぞれ伸縮性を有する場合、発泡樹脂層102の発泡膨張に追従して変形することで、発泡樹脂層102とインク受容層103との間、インク受容層103と表側電磁波熱変換層104との間、及び基材101と裏側電磁波熱変換層106との間に隙間が生じにくくなる。このような隙間が生じると、表側電磁波熱変換層104から発泡樹脂層102への熱伝導量が抑制されるおそれがある。
図7は、本実施の形態に係る構造物製造方法を説明するためのフローチャートである。
まず、上述の媒体M11を準備し、次いで、媒体M11の膨張層102が設けられた側の面である第1面、即ち、インク受容層103の表面において、膨張層102を膨張させたい部分に表側電磁波熱変換層104として、カーボンブラックを含む黒色インク(黒色材料)を、図10に示す汎用的なインクジェットプリンタ400を用いてインクジェット方式により印刷することにより、表側電磁波熱変換層104が形成される(ステップS11:第1面電磁波熱変換層形成工程)。表側電磁波熱変換層104が形成された媒体M11を媒体M12と称する。
インクジェットプリンタ400は、座標毎に設定されたグレースケール値を読み取り、読み取った値に基づいて、黒色材料(黒色インク)を、例えば、面積階調によりその濃度を制御しながら印刷する。なお、表側電磁波熱変換層104は、媒体M11に含まれる、基材101、発泡樹脂層102、及びインク受容層103の各材料よりも、電磁波を熱エネルギーに変換しやすい材料により形成される。また、表側電磁波熱変換層104は、電磁波を熱に変換するものであればよく、インクジェットプリンタ400によって形成される層以外の層であってもよい。
なお、裏側電磁波熱変換層106についても同様であるが、表側電磁波熱変換層104が同量の電磁波を照射された場合、表側電磁波熱変換層104の濃度(例えば、面積階調)が濃い部分に対応する領域ほど、発泡樹脂層102は、より多くの熱エネルギーを吸収する。基本的には、発泡樹脂層102の発泡高さは、発泡樹脂層102の吸収する熱量に正の相関を有するため、結局、表側電磁波熱変換層104や裏側電磁波熱変換層106の濃度がより濃く形成された部分ほど、発泡樹脂層102の発泡高さは高くなる。そこで、表側電磁波熱変換層104は、後述する裏側電磁波熱変換層106とともに、発泡樹脂層102が発泡膨張することにより形成される立体形状の目標高さに対応するように濃淡が決定される。但し、カラーインク層105に熱吸収性があって且つカラーインク層105が吸収した熱が発泡樹脂層102の発泡膨張に寄与する場合には、発泡樹脂層102の立体形状の目標高さを実現するために、カラーインク層105の熱吸収性を差し引いた分を、表側電磁波熱変換層104や裏側電磁波熱変換層106の熱吸収性(黒濃度)とするとよい。
次いで、媒体M12の第1面、即ち、表側電磁波熱変換層104が設けられた表面に、彩色材料としてのシアンC、マゼンタM、及びイエローYの3色のカラーインクを、図10に示す汎用的なインクジェットプリンタ400を用いてインクジェット方式により印刷することにより、画像層の一例であるカラーインク層105が形成される(ステップS12:画像層形成工程)。このカラーインク層105が形成された媒体M12を媒体M13と称する。
ここで、画像層形成工程S12においてカーボンブラックを含む黒インクを用いると、この黒インク部分が電磁波から変換した熱が発泡膨張層102に伝導することにより、発泡樹脂層102の所望の発泡状態を得ることができなくなる。そのため、カラーインク層105における黒又はグレーの色合いは、シアンC、マゼンタM、及びイエローYの混色により形成するか、又は、熱エネルギーを吸収しない黒インク、即ちカーボンブラックを含まないブラックKのインクを用いて形成するとよい。或いは、上述のように、カラーインク層105の部位ごとの熱吸収性を考慮して、この熱吸収性を差し引いて表側熱変換層104の熱吸収性、即ち濃淡が決定されてもよい。
また、発泡樹脂層102が発泡膨張して発泡樹脂層102の表面積が拡がるのに伴い、カラーインク層105の密度が小さくなることで、発泡樹脂層102の後述する発泡膨張後に、発泡膨張前に比べて、視覚的な色合いが薄くなる。このため、カラーインク層105は、発泡樹脂層102の膨張後において視覚的に所望の色合いになるように設定されるとよい。即ち、発泡樹脂層102の膨張量が大きく設定された部分ほど、その部分へ形成されるカラーインク層105の形成濃度が高くなるとよい。
なお、画像層形成工程S12において、カラーインク層105を形成するのに代えて、白黒印刷によって黒インク層を形成してもよい。また、これらのカラーインク層105及び黒インク層は、インクジェットプリンタ400以外の手段、例えばレーザープリンタなどによって形成されてもよい。
次いで、媒体M11の膨張層102が設けられた側の面である第1面とは反対側の第2面、即ち、基材101の裏面において、カーボンブラックを含む黒色インク(黒色材料)を、図10に示す汎用的なインクジェットプリンタ400を用いてインクジェット方式により印刷することにより、裏側電磁波熱変換層106が形成される(ステップS13:第2面電磁波熱変換層形成工程)。裏側電磁波熱変換層106が形成された媒体M13を媒体M14と称する。裏側電磁波熱変換層106の形成方法については、上述の表側電磁波熱変換層104と同様にすることができる。なお、表側電磁波熱変換層104及び裏側電磁波熱変換層106のうちの一方を省略してもよい。また、裏側電磁波熱変換層106の形成を、表側電磁波熱変換層104の形成前、或いは、表側電磁波熱変換層104の形成後で且つカラーインク層105の形成前に行ってもよい。
次いで、媒体M14は、第2面側、即ち裏側電磁波熱変換層106側から、電磁波を放射され(ステップS14:第2面側電磁波照射工程)、その後、第1面側、即ちカラーインク層105側から、電磁波を放射される(ステップS15:第1面側電磁波照射工程)。なお、第2面側電磁波照射工程S14の前又は第2面側電磁波照射工程S14と同時に第1面側電磁波照射工程S15を行ってもよい。また、表側電磁波熱変換層104及び裏側電磁波熱変換層106のうちの一方を省略した場合には、それに合わせて第2面側電磁波照射工程S14又は第1面側電磁波照射工程S15が省略される。
これらの第2面側電磁波照射工程S14及び第1面側電磁波照射工程S15は、裏側電磁波熱変換層106及び表側電磁波熱変換層104により吸収される波長領域の電磁波を照射することによって発泡樹脂層102を加熱により膨張させる工程であればよく、図2A及び図2Bに示す照射部50によって行われる。これにより、特に裏側電磁波熱変換層106及び表側電磁波熱変換層104が電磁波を熱に変換し、その熱が発泡樹脂層102に含まれる熱発泡剤に伝導し、熱発泡剤が膨張反応を起こす。そのため、特に裏側電磁波熱変換層106及び表側電磁波熱変換層104の黒濃度に応じた程度、発泡樹脂層102が発泡膨張する。
その後、図2Aに示す筐体10の排出口12から構造物である媒体Mが排出される(ステップS16:媒体排出工程)。その後、上述のように、排出口12から排出された媒体Mに対し、押さえ部材20によってトレイ30側へ向けて力が付勢される。以上のようにして、媒体M11から構造物が製造される。なお、発泡樹脂層102のうち裏側電磁波熱変換層106及び表側電磁波熱変換層104の両方とも形成されていない部分が熱エネルギーを吸収したとしてもその熱量は十分小さく抑えられており、実質的に高さが変化しないか、裏側電磁波熱変換層106及び表側電磁波熱変換層104を形成された部分に比べれば高さの変化は十分小さい。
ここで、裏側電磁波熱変換層106及び表側電磁波熱変換層104へ向けて照射される電磁波の波長は、裏側電磁波熱変換層106及び表側電磁波熱変換層104に応じて適宜変更してよい。裏側電磁波熱変換層106及び表側電磁波熱変換層104に用いられるカーボンブラックは、他の波長の電磁波に比べ、近赤外領域(750〜1400nm)を中心に、可視光領域(380〜750nm)及び中赤外領域(1400〜4000nm)を含む波長の電磁波を吸収しやすい。カーボンブラック以外の材料を裏側電磁波熱変換層106及び表側電磁波熱変換層104として用いてもよく、用いる材料に応じて、全波長領域のうちから所望の波長領域の電磁波を照射すればよい。従って、材料によっては、近紫外領域(200〜380nm)、遠紫外領域(10〜200nm)、近赤外、中赤外を除く赤外領域(4000〜15000nm)等、他の波長の電磁波を照射してもよい。なお、上記の数値は一例であり、波長領域の境界はこの数値に限らない。
図8は、本実施の形態に係る構造物製造システムの制御ブロック図である。
なお、構造物製造システムは、図1〜図2Bに示す媒体処理装置1と、電磁波熱変換層形成装置(電磁波熱変換層形成部)の一例であるインクジェットプリンタ400と、を備える。これらの媒体処理装置1及びインクジェットプリンタ400は、一体のシステムデスク等として一体に備えられてもよい。
図8に示す制御部210は、加熱装置を一例とする媒体処理装置1と、インクジェットプリンタ400と、を制御し、これらと協働して構造物を製造する構造物製造制御部210bとして機能する。また、制御部210は、メモリ制御回路211に記憶された印刷データ及び印刷制御データを、取得部の一例である印刷データ取得部210aを制御することにより取得し、取得したデータに基づいて構造物製造を制御する構造物製造制御部210bとして機能する。この製造物製造制御部210bは、表示制御を行う表示制御部や、表側電磁波熱変換層104及び裏側電磁波熱変換層106のパターンの生成を行うパターン生成部の一例としても機能する。
制御部210及びメモリ制御回路211としては、図9に示すコンピュータ300、即ち、CPU(Central Processing Unit)301と、記憶部302と、入力部303と、表示部304と、インターフェース部305と、記録媒体駆動部306とを備えるコンピュータを用いることができる。これらの構成要素は、バスライン307を介して接続されており、各種のデータを互いに授受する。
CPU301は、コンピュータ300全体の動作を制御する演算処理装置である。CPU301は、構造物製造用のプログラムを読み出して実行することにより、構造物の製造の制御を行う。
記憶部302は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクなどを含む。
ROMは、所定の基本制御プログラムが予め記録されている読み出し専用半導体メモリである。なお、ROMとして、フラッシュメモリ等の、電力供給の停止に対して記憶データが不揮発性であるメモリを使用してもよい。
RAMは、CPU301が各種の制御プログラムを実行する際に、必要に応じて作業用記憶領域として使用される随時書き込み読み出し可能な半導体メモリである。
ハードディスクは、CPU301によって実行される各種の制御プログラムや各種のデータを記憶する。
入力部303は、例えばキーボード装置やマウス装置であり、コンピュータ300のユーザにより操作されると、その操作内容に対応付けられているユーザからの各種の入力情報を取得し、取得した入力情報をCPU301に送る。
表示部304は、例えばディスプレイであり、各種のテキストや画像を表示する。
インターフェース部305は、各種機器との間での各種情報の授受の管理を行う。
記録媒体駆動部306は、可搬型記録媒体308に記録されている各種の制御プログラムやデータの読み出しを行う装置である。CPU301は、可搬型記録媒体308に記録されている所定の制御プログラムを、記録媒体駆動部306を介して読み出して実行することによって、構造物製造の各処理を行うようにすることもできる。
なお、可搬型記録媒体308としては、例えばCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)やDVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、USB規格のコネクタが備えられているフラッシュメモリなどがある。
このようなコンピュータ300を構造物製造システムの制御部210としてとして動作させるために、まず、各処理をCPU301に行わせるための制御プログラムが作成される。この作成された制御プログラムは、記憶部302のハードディスク装置又は可搬型記録媒体308に予め格納される。そして、CPU301に所定の指示が与えられることで、制御プログラムが読み出されて実行される。これにより、コンピュータ300が、制御部210として動作する。
図10は、本実施の形態におけるインクジェットプリンタ400の構成を示す斜視図である。
インクジェットプリンタ400は、用紙搬送方向に直交する両方向矢印aで示す方向に往復移動可能に設けられたキャリッジ401を備える。このキャリッジ401には、印刷を実行する印刷ヘッド402とインクを収容しているインクカートリッジ403(403w,403c,403m,403y)とが取り付けられている。
カートリッジ403w,403c,403m,403yは、それぞれ、ホワイトW,シアンC,マゼンタM,イエローYの色インクを収容する。これらのカートリッジは、個別に独立して配置されているか、又は各インク室が1個の筐体内に一体化された構成をしており、各色インクを吐出するそれぞれのノズルを有する印刷ヘッド402に連結されている。
また、キャリッジ401は、一方ではガイドレール404により滑動自在に支持され、他方では歯付き駆動ベルト405に固着している。これにより、印刷ヘッド402及びインクカートリッジ403(403w,403c,403m,403y)は、キャリッジ401と共に、図10の両方向矢印aで示す用紙搬送方向と直交する方向つまり印刷の主走査方向に往復駆動される。
印刷ヘッド402と図8に示す制御部210との間には、フレキシブル通信ケーブル406が内部フレーム407を介して接続されている。制御部210の構造物製造制御部210bは、フレキシブル通信ケーブル406を通して印刷データ及び印刷制御データを印刷ヘッド402に送出し、これらのデータに基づいて印刷ヘッド402を制御する。
内部フレーム407の下部には、印刷ヘッド402に対向する位置に、印刷ヘッド402の上記主走査方向に延在するように、プラテン408が配設されている。このプラテン408は、用紙搬送路の一部を構成している。表側電磁波熱変換層104を形成される媒体M11、カラーインク層105が形成される媒体M12、及び、裏側電磁波熱変換層106を形成される媒体M13のそれぞれは、下面がプラテン408上に接した状態で、給紙ローラ対409(下のローラは媒体M11,M12,M13の陰になっていて図10では見えない)及び排紙ローラ対410(下のローラは同様に見えない)により図10の矢印bで示す印刷副走査方向に間欠的に搬送される。給紙ローラ409及び排紙ローラ対410は、制御部210によって制御される。
制御部210は、モータ411、印刷ヘッド402、給紙ローラ対409、及び排紙ローラ対410を制御することで、モータ411に連結された駆動ベルト405を介してキャリッジ401とともに印刷ヘッド402を主走査方向の適切な位置へと搬送させるとともに、媒体M12の搬送の停止期間中に、印刷ヘッド402によりシアンC、マゼンタM、イエローYの各カラーインク滴、及び、ブラックKの黒色インク滴を媒体M12へ向けて噴射させることにより、媒体M12上にカラーインク層105の印刷が行われる。また、媒体M11又は媒体M13の搬送の停止期間中に、印刷ヘッド402によりブラックKの黒色インク滴を媒体M11又は媒体M13へ向けて噴射させることにより、媒体M11には表側電磁波熱変換層104の印刷が行われ、媒体M13には裏側電磁波熱変換層106の印刷が行われる。
以上説明した本実施の形態では、媒体処理装置1は、排出口12から媒体M(媒体M14)が排出されるように当該媒体Mを搬送する搬送部の一例である上搬送ローラ67,67及び下搬送ローラ68,68と、排出口12から排出された媒体Mが載置されるトレイ30と、媒体Mの排出方向D(X方向)及び当該排出方向Dに直交する媒体幅方向(Y方向)に亘って配置され、排出口12から排出された媒体Mに対しトレイ30側へ向けて力を付勢する押さえ部材20と、を備える。
このように、押さえ部材20が排出方向D及び媒体幅方向に亘って配置されているため、排出方向Dや媒体幅方向の全体に亘って媒体Mにカールが生じていても、媒体Mに生じるカールを押さえ部材20によって排出方向Dや媒体幅方向に亘って抑制することができる。また、媒体幅方向の一方側、他方側、若しくは中央側、又は、排出方向Dの一方側、他方側、若しくは中央側で媒体Mに局所的にカールが生じていても、媒体Mに生じるカールを押さえ部材20によって排出方向Dや媒体幅方向に亘って抑制することができる。よって、本実施の形態によれば、媒体Mに生じるカールを抑制することができる。
また、本実施の形態では、媒体処理装置1は、排出口12が形成された筐体10を更に備え、押さえ部材20は、媒体Mを押さえる第1の位置P1と、筐体10に沿う第2の位置P2とに回動可能である。そのため、媒体処理装置1を使用しない場合には、押さえ部材20を第2の位置P2に位置させることで、押さえ部材20が筐体10から突出するのを防ぐことができる。
また、本実施の形態では、トレイ30は、媒体Mが載置される第1の位置P1と、筐体10に沿う第2の位置P2とに回動可能であり、押さえ部材20とトレイ30とが、互いに連動して回動するように設けられている。また、本実施の形態では、トレイ30は、第2の位置P1において筐体10に係止され、押さえ部材20は、第2の位置P2においてトレイ30と筐体10との間に保持され、トレイ30が筐体10との係止状態を解除されることで第1の位置P1へ回動するように設けられている。そのため、媒体処理装置1を使用しないときには、押さえ部材20及びトレイ30を第2の位置P2に回動させることで、押さえ部材20及びトレイ30が筐体10から突出するのを防ぐことができる。更には、トレイ30を回動させることで押さえ部材20も回動させることができるため、押さえ部材20を個別に回動させるための例えば手動の動作を省略することができる。
また、本実施の形態では、押さえ部材20(押さえ部材20及びトレイ30のうち一方)は、押さえ部材20とトレイ30とを連結する連結部材23,23を有し、トレイ30(押さえ部材20及びトレイ30のうち他方)は、押さえ部材20及びトレイ30の回動動作に伴って連結部材23をスライドさせるためのガイドの一例である連結部材用溝32,32を有する。そのため、簡素な構成で、押さえ部材20を、トレイ30の回動動作に連動して回動させることができる。
また、本実施の形態では、押さえ部材20は、排出方向Dに延び且つ媒体幅方向に互いに隔てて配置された複数のリブ22を有し、これらの複数のリブ22は、トレイ30に向かって突出し、排出方向Dの前方にかけて突出高さH1,H2が漸増するように設けられている(H2>H1)。そのため、平面状に拡がる部分が媒体Mを押さえる場合と比較して、媒体Mとの間に生じる摩擦を低減することができる。また、排出口12から排出された媒体Mを押さえやすくすることができる。
また、本実施の形態では、押さえ部材20は、トレイ30との対向面が、排出方向Dの前方にかけて媒体Mに接近するように傾斜するように設けられている。そのため、排出口12から排出された媒体Mを押さえやすくすることができる。
また、本実施の形態では、媒体処理装置1は、加熱により膨張する膨張層の一例である発泡樹脂層102を含む媒体Mに電磁波を照射する照射部50を更に備え、この照射部50により電磁波が照射された媒体Mが、搬送部の一例である上搬送ローラ67,67及び下搬送ローラ68,68により排出口12から排出される。このような媒体Mは、水分が蒸発することや発泡樹脂層102が発泡膨張することに起因して、排出口12から排出されるときに、例えば、媒体Mの先端が照射部50側である上方に持ち上がるようにカールが生じるが、押さえ部材20が排出方向D及び媒体幅方向に亘って配置されていることで、媒体Mにカールが生じる先端における媒体幅方向の全体を押さえ部材20によって押さえることができる。
以上、本発明の一実施の形態を説明したが、本願発明は特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含む。以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
排出口から媒体が排出されるように当該媒体を搬送する搬送部と、
前記排出口から排出された前記媒体が載置されるトレイと、
前記媒体の排出方向及び当該排出方向に直交する媒体幅方向に亘って配置され、前記排出口から排出された前記媒体に対し前記トレイ側へ向けて力を付勢する押さえ部材と、
を備えることを特徴とする媒体処理装置。
[付記2]
前記排出口が形成された筐体を更に備え、
前記押さえ部材は、前記媒体を押さえる第1の位置と、前記筐体に沿う第2の位置とに回動可能である、
ことを特徴とする付記1記載の媒体処理装置。
[付記3]
前記トレイは、前記媒体が載置される第1の位置と、前記筐体に沿う第2の位置とに回動可能であり、
前記押さえ部材と前記トレイとが、互いに連動して回動するように設けられている、
ことを特徴とする付記2記載の媒体処理装置。
[付記4]
前記トレイは、前記第2の位置において前記筐体に係止され、
前記押さえ部材は、前記第2の位置において前記トレイと前記筐体との間に保持され、前記トレイが前記筐体との係止状態を解除されることで前記第1の位置へ回動するように設けられている、
ことを特徴とする付記3記載の媒体処理装置。
[付記5]
前記押さえ部材及び前記トレイのうち一方は、前記押さえ部材と前記トレイとを連結する連結部材を有し、
前記押さえ部材及び前記トレイのうち他方は、前記押さえ部材及び前記トレイの前記回動動作に伴って前記連結部材をスライドさせるためのガイドを有する、
ことを特徴とする付記3又は4記載の媒体処理装置。
[付記6]
前記押さえ部材は、前記排出方向に延び且つ前記媒体幅方向に互いに隔てて配置された複数のリブを有し、
前記複数のリブは、前記トレイに向かって突出し、前記排出方向の前方にかけて突出高さが漸増するように設けられている、
ことを特徴とする付記1から5のいずれか記載の媒体処理装置。
[付記7]
前記押さえ部材は、前記トレイとの対向面が、前記排出方向の前方にかけて前記媒体に接近するように傾斜するように設けられている、
ことを特徴とする付記1から5のいずれか記載の媒体処理装置。
[付記8]
加熱により膨張する膨張層を含む前記媒体に電磁波を照射する照射部を更に備え、
前記照射部により電磁波が照射された前記媒体が、前記搬送部により前記排出口から排出される、
ことを特徴とする付記1から7のいずれか記載の媒体処理装置。
[付記9]
媒体に処理を行い、
排出口から前記媒体が排出されるように当該媒体を搬送し、
前記媒体の排出方向及び当該排出方向に直交する媒体幅方向に亘って配置された押さえ部材によって、前記排出口から排出された前記媒体に対し、前記排出口から排出された前記媒体が載置されるトレイ側へ向けて力を付勢する、
ことを特徴とする媒体処理方法。
[付記10]
加熱により膨張する膨張層を含む媒体に対し、電磁波を熱に変換する電磁波熱変換層を形成する電磁波熱変換層形成部と、
前記媒体に電磁波を照射する照射部と、
排出口から媒体が排出されるように当該媒体を搬送する搬送部と、
前記排出口から排出された前記媒体が載置されるトレイと、
前記媒体の排出方向及び当該排出方向に直交する媒体幅方向に亘って配置され、前記排出口から排出された前記媒体に対し前記トレイ側へ向けて力を付勢する押さえ部材と、
を備えることを特徴とする構造物製造システム。
[付記11]
加熱により膨張する膨張層を含む媒体に対し、電磁波を熱に変換する電磁波熱変換層を形成し、
前記媒体に電磁波を照射し、
排出口から前記媒体が排出されるように当該媒体を搬送し、
前記媒体の排出方向及び当該排出方向に直交する媒体幅方向に亘って配置された押さえ部材によって、前記排出口から排出された前記媒体に対し、前記排出口から排出された前記媒体が載置されるトレイ側へ向けて力を付勢する、
ことを特徴とする構造物製造方法。
1…媒体処理装置、10…筐体、11…フレーム、11a…係止凹部、12…排出口、20…押さえ部材、22…リブ、23…連結部材、30…トレイ、31…係止爪、32…連結部材用溝、40…アーム、50…照射部、400…インクジェットプリンタ、M,M11,M12,M13,M14…媒体

Claims (11)

  1. 排出口から媒体が排出されるように当該媒体を搬送する搬送部と、
    前記排出口から排出された前記媒体が載置されるトレイと、
    前記媒体の排出方向及び当該排出方向に直交する媒体幅方向に亘って配置され、前記排出口から排出された前記媒体に対し前記トレイ側へ向けて力を付勢する押さえ部材と、
    を備えることを特徴とする媒体処理装置。
  2. 前記排出口が形成された筐体を更に備え、
    前記押さえ部材は、前記媒体を押さえる第1の位置と、前記筐体に沿う第2の位置とに回動可能である、
    ことを特徴とする請求項1記載の媒体処理装置。
  3. 前記トレイは、前記媒体が載置される第1の位置と、前記筐体に沿う第2の位置とに回動可能であり、
    前記押さえ部材と前記トレイとが、互いに連動して回動するように設けられている、
    ことを特徴とする請求項2記載の媒体処理装置。
  4. 前記トレイは、前記第2の位置において前記筐体に係止され、
    前記押さえ部材は、前記第2の位置において前記トレイと前記筐体との間に保持され、前記トレイが前記筐体との係止状態を解除されることで前記第1の位置へ回動するように設けられている、
    ことを特徴とする請求項3記載の媒体処理装置。
  5. 前記押さえ部材及び前記トレイのうち一方は、前記押さえ部材と前記トレイとを連結する連結部材を有し、
    前記押さえ部材及び前記トレイのうち他方は、前記押さえ部材及び前記トレイの前記回動動作に伴って前記連結部材をスライドさせるためのガイドを有する、
    ことを特徴とする請求項3又は4記載の媒体処理装置。
  6. 前記押さえ部材は、前記排出方向に延び且つ前記媒体幅方向に互いに隔てて配置された複数のリブを有し、
    前記複数のリブは、前記トレイに向かって突出し、前記排出方向の前方にかけて突出高さが漸増するように設けられている、
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の媒体処理装置。
  7. 前記押さえ部材は、前記トレイとの対向面が、前記排出方向の前方にかけて前記媒体に接近するように傾斜するように設けられている、
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の媒体処理装置。
  8. 加熱により膨張する膨張層を含む前記媒体に電磁波を照射する照射部を更に備え、
    前記照射部により電磁波が照射された前記媒体が、前記搬送部により前記排出口から排出される、
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の媒体処理装置。
  9. 媒体に処理を行い、
    排出口から前記媒体が排出されるように当該媒体を搬送し、
    前記媒体の排出方向及び当該排出方向に直交する媒体幅方向に亘って配置された押さえ部材によって、前記排出口から排出された前記媒体に対し、前記排出口から排出された前記媒体が載置されるトレイ側へ向けて力を付勢する、
    ことを特徴とする媒体処理方法。
  10. 加熱により膨張する膨張層を含む媒体に対し、電磁波を熱に変換する電磁波熱変換層を形成する電磁波熱変換層形成部と、
    前記媒体に電磁波を照射する照射部と、
    排出口から媒体が排出されるように当該媒体を搬送する搬送部と、
    前記排出口から排出された前記媒体が載置されるトレイと、
    前記媒体の排出方向及び当該排出方向に直交する媒体幅方向に亘って配置され、前記排出口から排出された前記媒体に対し前記トレイ側へ向けて力を付勢する押さえ部材と、
    を備えることを特徴とする構造物製造システム。
  11. 加熱により膨張する膨張層を含む媒体に対し、電磁波を熱に変換する電磁波熱変換層を形成し、
    前記媒体に電磁波を照射し、
    排出口から前記媒体が排出されるように当該媒体を搬送し、
    前記媒体の排出方向及び当該排出方向に直交する媒体幅方向に亘って配置された押さえ部材によって、前記排出口から排出された前記媒体に対し、前記排出口から排出された前記媒体が載置されるトレイ側へ向けて力を付勢する、
    ことを特徴とする構造物製造方法。
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