JP2017202860A - 包装用フィルム、包装用成型品ならびにそれらの製造方法 - Google Patents

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正志 中野
Masashi Nakano
正志 中野
西松 英明
Hideaki Nishimatsu
英明 西松
晴紀 安田
Haruki Yasuda
晴紀 安田
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【課題】揮発性の薬効成分や香り成分を含む製品の包装に適した包装用フィルム、包装用成型品ならびにそれらの製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】実質的に環状オレフィン樹脂からなり、二軸配向されたフィルムであり、その厚さが35μm以上である包装用フィルム10。この包装用フィルム10は、収容物に対して低収着性を有する。この包装用フィルム10は、真空成型、圧空成型、プレス成型等の塑性加工に適している。特に、PTP包装体等のブリスターパックに適している。【選択図】図1

Description

本発明は、包装用フィルム、包装用成型品ならびにそれらの製造方法に関する。
医薬品、医療機器や食品等の包装用フィルムには種々の特性が求められる。求められる特性は、例えば、内容物の品質保持のための防湿性、ガスバリア性、遮光性、流通時に破損しない強度、開封時の開口性(易引裂性)、内容物の情報表示のための印刷性等である。さらに、ブリスターパックのように立体形状を有する包装体に用いる包装用フィルムには、塑性加工に耐えうる靭性、かつ、その立体形状を保持しうる剛性(コシ)が求められる。
一方、このようなフィルムには、内容物から揮発する香り成分等を吸着・収着しにくいことも求められる。低吸着性あるいは低収着性であることは、鎮痛消炎貼付剤等の医薬品、美容液マスク等の医薬部外品、微香性の化粧品、食品のうち香気嗜好品等、揮発性の薬効成分や香り成分を含む製品を包装する場合に特に重要である。
低吸着性・低収着性を有する樹脂の一つに環状オレフィン樹脂がある。しかし、環状オレフィン樹脂には靱性に劣り、かつ、剛性(コシ)が乏しいという問題があった。これに対して、特許文献1には、環状オレフィン系樹脂およびスチレン系エラストマーからなる樹脂組成物を薄膜化したフィルムが記載されている。また、特許文献2には、ポリアミド樹脂層と環状オレフィン系樹脂層とが接着剤を介して積層されてなる積層フィルムが記載されている。
特開2004−156048号公報 特開平10−119204号公報
特許文献1に記載されたフィルムでは、環状オレフィン系樹脂にスチレン系エラストマーを添加することにより、フィルムの靱性が改善されている。しかし、スチレン系エラストマーの添加によって、環状オレフィン樹脂の有する低収着性が損なわれるという問題がある。また環状オレフィン系樹脂へのスチレン系エラストマーの添加は、剛性(コシ)を高めるものではない。
特許文献2に記載された積層フィルムは、環状オレフィン系樹脂層によって、水蒸気バリア性を向上している。しかし、特許文献2の積層フィルムは、塑性加工をし、形状を付与することを想定したものではない。
本発明は、上記を考慮してなされたものであり、揮発性の薬効成分や香り成分を含む製品の包装に適した包装用フィルム、包装用成型品ならびにそれらの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の包装用フィルムは、実質的に環状オレフィン樹脂からなり、二軸配向されたフィルムであって、厚さが35μm以上であることを特徴としている。
本発明の包装用フィルムは、実質的に環状オレフィン樹脂からなるため、揮発性の薬効成分や香り成分に対する低収着性および水蒸気バリア性に優れる。またヒートシール性に優れているため、ヒートシールして密封する包装体にも適している。本明細書中で収着とは、フィルム表面への吸着と、吸着された気体分子のフィルム内部への拡散により吸収とを合わせた概念である。
本発明の包装用フィルムは、二軸配向されているため、靭性(伸びおよび引張強さ)および剛性(コシ)が優れており、かつ、降伏点を有している。また厚さを35μm以上としているため、一層剛性(コシ)が高い。このように本発明の包装用フィルムは、真空成型、圧空成型、プレス成型等の塑性加工、特に真空成型及び圧空成型に適している。
本発明の包装用フィルムであって、引張破壊呼びひずみが縦方向(MD)および横方向(TD)のいずれにおいても15%以上であるのが好ましい。
本発明の包装用フィルムであって、引張降伏ひずみが縦方向(MD)および横方向(TD)のいずれにおいても15%以下であるのが好ましい。
本発明の包装用フィルムであって、前記二軸配向が二軸延伸によって実現され、延伸倍率が縦方向(MD)および横方向(TD)のいずれにおいても1.2倍以上、3.0倍以下であるのが好ましい。
本発明の包装用フィルムは、ブリスターパックに好ましく用いられる。特に、PTP(Press through Pack)包装体に好ましい。
本発明の包装用成型品は、本発明の包装用フィルムに凹み部が設けられたことを特徴としている。凹み部に製品を収容することにより、製品を外力から保護することができる。この凹み部は、医薬品例えば錠剤等の包装対象物が収容される収容部である。
本発明の包装用成型品は、ブリスターパックに好ましく用いられる。特に、PTP(Press through Pack)包装体に好ましい。
本発明の包装用フィルムの製造方法は、実質的に環状オレフィン樹脂からなる包装用フィルムの製造方法であって、フィルムの厚さが35μm以上となるように前駆体フィルムを二軸延伸することを特徴としている。
環状オレフィン樹脂からなる前躯体フィルムを厚さが35μm以上となるように二軸延伸しているため、靭性(伸びおよび引張強さ)および剛性(コシ)を高めることができ、かつ、降伏点を発現させることができる。つまり、低収着性に優れ、かつ、加工性に優れた包装用フィルムを得ることができる。
本発明の包装用フィルムの製造方法であって、前記二軸延伸の延伸倍率が縦方向(MD)および横方向(TD)のいずれにおいても1.2倍以上、3.0倍以下であるのが好ましい。これにより靭性および剛性を一層高めることができる。
本発明の包装用フィルムの製造方法であって、引張破壊呼びひずみが縦方向(MD)および横方向(TD)のいずれにおいても15%以上となるように前躯体フィルムを二軸延伸するのが好ましい。
本発明の包装用フィルムの製造方法であって、引張降伏ひずみが縦方向(MD)および横方向(TD)のいずれにおいても15%以下となるように前躯体フィルムを二軸延伸するのが好ましい。
本発明の包装用成型品の製造方法は、二軸配向された本発明の包装用フィルムに塑性加工を施して凹み部を形成することを特徴としている。
本発明の包装用成型品の製造方法の第2の態様は、本発明の包装用フィルムの製造方法により得られる包装用フィルムに塑性加工を施して凹み部を形成することを特徴としている。
これらの製造方法によって製造された包装用成型品は、PTP包装体等のブリスターパックに用いることができる。
ここで塑性加工は、常温で行ってもよく、材料を溶融させない範囲で加温してもよい。
本発明の包装用フィルムの一実施形態を示す斜視図である。 図2a、図2bは、それぞれ本発明の包装用成型品の一実施形態を示す斜視図である。
図1の包装用フィルム10は、実質的に環状オレフィン樹脂からなり、二軸配向されたフィルムであり、その厚さが35μm以上である。
この包装用フィルム10は、実質的に環状オレフィン樹脂からなるため、収容物に対して低収着性を有する。そのため、揮発性の有効成分を含む製品の包装に好ましく用いられる。このような製品としては、例えば、医薬品、医薬部外品、食品、化粧品等が挙げられ、特に、医薬品、医薬部外品が好ましく挙げられる。
この包装用フィルム10は、二軸配向されており、かつ、厚さが35μm以上であるため、靭性(伸びおよび引張強さ)および剛性が優れており、降伏点を有する。そのため、真空成型、圧空成型、プレス成型等の塑性加工に適している。特に、PTP包装体等のブリスターパックに適している。
環状オレフィン樹脂とは、主鎖が炭素−炭素結合からなり、主鎖の少なくとも一部に環状炭化水素構造を有する熱可塑性の高分子化合物で、一般的には非晶性である。この環状炭化水素構造は、ノルボルネンやテトラシクロドデセンに代表されるような、環状炭化水素構造中に少なくとも一つのオレフィン性二重結合を有する化合物(環状オレフィン)を単量体として用いることで導入される。
環状オレフィン樹脂は、環状オレフィンとα−オレフィン等との付加共重合体またはその水素添加物である環状オレフィンコポリマー(COC)と、環状オレフィンの開環(共)重合体またはその水素添加物である環状オレフィンポリマー(COP)に分類される。包装用フィルムの環状オレフィン樹脂としては、環状オレフィンコポリマー(COC)を用いることが好ましい。より低い収着性が得られるからである。
環状オレフィンコポリマーとしては、特許文献1に記載されたように、1環ないし多環の各種環状オレフィンの1種または2種以上と、各種α−オレフィンの1種または2種以上との共重合体を用いることができる。中でも、低収着性に優れ、フィルム材の製造時の押出成型が容易であることから、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(ノルボルネン)とエチレンの付加共重合体を用いることが好ましい。
環状オレフィン樹脂には、必要に応じて、包装用フィルムとしての価値を損なわない範囲で、滑剤、フィラー、酸化防止剤、着色剤等の添加剤を添加してもよい。
環状オレフィン樹脂のガラス転移温度Tgは、160℃以下、好ましくは150℃以下、特に好ましくは140℃以下とするのが好ましい。ガラス転移温度が高いものは、脆さが増して前駆体の取り扱いが煩雑になる。特に、二軸延伸工程において、割れやすくなる。またガラス転移温度が高いものは、ヒートシールして密封する包装体に用いる場合、ヒートシール性が悪くなることがある。他方、流通過程でのフィルムの熱的安定性の点から、好ましくは60℃以上、より好ましくは65℃以上である。
二軸配向とは、面方向において、高分子が互いに異なる2方向で配向していることを意味する。異なる2方向としては、略直角をなす2方向(フィルムの縦方向(MD)および横方向(TD))で配向しているのが好ましい。
包装用フィルム10は二軸配向しているため、フィルムに伸びおよび降伏点を発現させることができ、かつ、引張強さおよび剛性(コシ)を高めることができる。
二軸配向は、未延伸の前躯体フィルムを二軸延伸することにより達成することができる。例えば、同時二軸延伸法式、逐次二軸延伸方式等が挙げられる。未延伸の前躯体フィルムは、樹脂材料を溶融してフィルム状に成型することにより成形される。例えば、押出成型法、カレンダー成型法、キャスティング法等が挙げられる。
包装用フィルム10の引張破壊呼びひずみ(JIS K7161−1:2014に規定された引張試験において、試験片タイプ2、試験速度200mm/min(JIS K7127:1999)で測定)は、MDおよびTDのいずれにおいても、15%以上、好ましくは20%以上、特に好ましくは30%以上である。これにより塑性加工、特に常温での塑性加工に必要な靭性が得られる。また包装用フィルムの製造後の輸送工程、ラミネーション工程等におけるハンドリングにも十分な靱性が得られる。また、引張破壊ひずみの上限は特に限定されない。
包装用フィルム10は、降伏点を有している。
包装用フィルム10の引張降伏ひずみ(JIS K7161−1:2014に規定された引張試験において、試験片タイプ2、試験速度200mm/min(JIS K7127:1999)で測定)は、MDおよびTDのいずれにおいても15%以下、好ましくは10%以下である。これにより塑性加工、特に常温で塑性加工を施したとき、十分に形付けすることができる。
包装用フィルム10の引張破壊呼びひずみと引張降伏ひずみの差は大きいほど好ましい。たとえば、引張破壊呼びひずみと引張降伏ひずみの差が10以上、好ましくは20以上、特に30以上であることが好ましい。差が大きくなるほど、成型レンジ(形状の選択性)が広くなり好ましい。
フィルムの厚さは、35μm以上、好ましくは40μm以上、特に好ましくは50μm以上である。35μmより薄い場合、剛性を十分に得られず、塑性加工によって形成した形状が外力により変形しやすくなる。一方、厚さが厚すぎると、材料コストが高くなり、応力が高くなり塑性加工しにくくなり、ヒートシール性が悪くなる。そのため、125μm以下、好ましくは100μm以下、特に好ましくは90μm以下とする。
包装用フィルム10は、包装する内容物に応じて二層または多層構造としてもよい。例えば、ガスバリア性、遮光性や隠蔽性等を付与することを目的として機能的な層を設けてもよい。具体的には、例えば、アルミニウム箔またはエチレンビリルアルコール共重合体やポリ塩化ビニリデンシート等の合成樹脂フィルムを設ける、あるいは、アルミニウム、シリカ、アルミナ等を蒸着、スパッタリングまたはコーティングする等が挙げられる。
次に包装用フィルム10の製造方法を示す。
包装用フィルム(二軸延伸フィルム)10は、環状オレフィン樹脂からなる未延伸の前躯体フィルムを厚さが35μm以上となるように二軸延伸することにより製造できる。
前躯体フィルムは、環状オレフィン樹脂ペレットを溶融・混練し、溶融した環状オレフィン樹脂を型等に充填することにより成形される未延伸のフィルムである。例えば、溶融した樹脂をTダイより押し出す押出成型法、溶融した樹脂をフラットなダイに押し出し、その溶融膜を固化させるキャスティング法、溶融した樹脂を複数のドラム間で圧延するカレンダー法等が挙げられる。特に押出成型法は、フィルムの厚みの調整が容易であり、生産性が高いことから好ましい。
二軸延伸としては、逐次二軸延伸方式と同時二軸延伸方式とがある。同時二軸延伸方式の方が、面内の品質のばらつきをより小さく抑えることができるため、好ましい。
二軸延伸工程によって、フィルムが二軸配向し、環状オレフィン樹脂の靭性(伸びおよび引張強さ)および剛性が向上する。具体的には、フィルムの引張破壊応力(引張強さ)および引張破壊呼びひずみ(伸び)が増大し、降伏点が発現する。そのため、このフィルムに塑性加工を施してもフィルムが破れたりすることがなく形付けでき、かつ、形成した形状を保持することができる。
延伸倍率は、MDおよびTDのいずれにおいても、好ましくは1.2倍以上、より好ましくは1.3倍以上である。延伸倍率が小さすぎると十分な靱性の向上が得られないからである。また、延伸倍率は、MDおよびTDのいずれにおいても、好ましくは3.0倍以下、より好ましくは2.5倍以下である。延伸倍率が大きすぎると工程の制御が難しくなり、延伸中にフィルムが破断しやすくなるからである。
延伸後の厚さの下限が35μm以上、好ましくは40μm以上、特に好ましくは50μmとする。一方、厚さの上限は、125μm以下、好ましくは100μm以下、特に好ましくは90μmとする。これにより剛性を一層高めることができる。
延伸条件により引張破壊呼びひずみがMDおよびTDのいずれにおいても、15%以上、好ましくは20%以上、特に好ましくは30%以上とする。
延伸条件により引張降伏ひずみがMDおよびTDのいずれにおいても15%以下、好ましくは10%以下とする。
二軸延伸によっては、DSC(示差走査熱量測定)によるガラス転移温度はほとんど変化しない。しかし、樹脂が配向することにより、ヒートシール性は若干低下する。
なお、延伸後の熱固定処理は行わないのが好ましい。熱固定を行うと、延伸による靱性向上等の効果が減殺されてしまうからである。
図2aの包装用成型品20は、凹み部21が設けられたものである。詳しくは、図1の包装用フィルム10に凹み部21を設けたものである。凹み部21以外は、図1の包装用フィルム10と実質的に同じものである。
包装用成型品20の凹み部21は、図1の包装用フィルム10に塑性加工を施して形成する。この塑性加工により付与される凹み部すなわち収容部は、例えば低吸着性を発揮できる用途である医薬品を収容する場合、深さ1〜7mm程度であり好ましくは2〜6mm程度である。包装用フィルムは、少なくともこの程度の深さを付与する塑性加工(深さ1〜7mm程度の絞り成型)ができる必要がある。
ここで塑性加工とは、素材を溶融させずに、フィルムを塑性変形させる加工法である。例えば、真空成型、圧空成型、プレス成型等が挙げられる。塑性加工は材料を溶融させない範囲で加温してもよいが、生産性が良く、かつ、低コストでできるため常温で行うのが好ましい。
なお、機能的な層(例えば、アルミニウム層や合成樹脂層等)を設ける場合、二軸延伸フィルムの片面に機能的な層を積層して二層フィルム(または多層フィルム)を成形し、その後、その二層フィルム(または多層フィルム)に塑性加工を施して凹み部を形成する。
この包装用成型品20を一個単位(図2aの点線)に切断することによりブリスターパック用のブリスターカバー25となる。そして、このブリスターカバー25に台紙を固定(ヒートシール、接着あるいは係合)することによりブリスターパックとなる。特に、医薬品等の製品を取り出すPTP包装体に用いる場合、製品に対して低収着であるから好ましい。
なお、図2bの包装用成型品20aのように所定の大きさの包装用フィルム10を成形し、一個毎に凹み部21を設けてもよい。
以下に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。
[成型評価]
図2bの包装用成型品20aを次のとおりに成形した。ノルボルネンとエチレンの共重合体で非晶性の環状オレフィンコポリマー(COC1、COC2)を、それぞれT−ダイを先端に取り付けた押出機を用いて250℃、280℃にて溶融押出後、冷却して前躯体フィルムを得た。これらの前躯体フィルムをそれぞれ92℃、152℃で延伸速度300%/分でMDおよびTDに同時二軸延伸した。これにより、厚さ75μm、60μmの二軸延伸フィルムを得た。この二軸延伸フィルムに常温で真空成型することにより包装用成型品20aを得た。これらをそれぞれ実施例1、2とする。また、比較例1のフィルムは、実施例1と同じ樹脂を用いて製造した未延伸の前躯体フィルムに、常温で真空成型することにより得た成型品である。
成形した実施例および比較例の長方形状の成型品の大きさは、幅100mm、長さ150mmとし、長方形状の凹み部の大きさは幅50mm、長さ90mm、深さ3mmとした。
用いた環状オレフィンコポリマーは次のとおりである。
・COC1:ポリプラスチックス株式会社製、TOPAS−8007、Tg=78℃
・COC2:ポリプラスチックス株式会社製、TOPAS−6013、Tg=138℃
樹脂のガラス転移温度(Tg)は、ISO11357に規定された示差走査熱量測定(DSC)、10℃/minによる値で、樹脂メーカーのカタログ値である。引張破壊応力、引張破壊呼びひずみおよび引張降伏ひずみは、JISK7161−1:2014に規定された引張試験において、試験片タイプ2、試験片幅10mm、試験速度200mm/min(JIS K7127:1999)で測定した。
表1に実施例1、2および比較例の製造条件と評価結果を示す。
Figure 2017202860
※1:未延伸フィルムは、降伏点が見られなかった。
※2:○:破れ、白化なく、真空成型(絞り成形)が可能であった。
×:破れ、白化があり、真空成型(絞り成形)が不可であった。
実施例1、2と比較例1を比べると、実施例の方が引張破壊応力および引張破壊呼びひずみが大きく、同時二軸延伸処理によりフィルムの靭性が向上したことが分かる。実施例の方には降伏点が発現していた。
そして、実施例1、2の成型品には問題が見られなかったが、比較例1の成型品には破れおよび白化が見られた。
[剛性評価]
次に、実施例1、2と同じ条件で前躯体フィルムを成形し、同じ条件で同時二軸延伸し、それぞれ厚さ25μmの二軸延伸フィルムを得た。これらの二軸延伸フィルムに常温で真空成型することによりそれぞれ比較例2、3の成型品を得た。
実施例1、2の成型品および比較例2、3の成型品の凹み部を指で押して、凹み部の剛性(コシ)を比較した。
実施例1、2は、指で軽く押しても変形しなかったが、比較例2、3は指で軽く押しただけで凹み部の底部が伸びて変形した。その結果を表2に示す。
Figure 2017202860
※3:○:指で軽く押しても変形しなかった。
×:指で軽く押すだけで変形した。
10 包装用フィルム
20 包装用成型品
20a 包装用成型品
21 凹み部
25 ブリスターカバー

Claims (13)

  1. 実質的に環状オレフィン樹脂からなり、二軸配向されたフィルムであって、
    厚さが35μm以上である、包装用フィルム。
  2. 引張破壊呼びひずみが縦方向(MD)および横方向(TD)のいずれにおいても15%以上である、
    請求項1記載の包装用フィルム。
  3. 引張降伏ひずみが縦方向(MD)および横方向(TD)のいずれにおいても15%以下である、
    請求項1または2記載の包装用フィルム。
  4. 前記二軸配向が二軸延伸によって実現され、延伸倍率が縦方向(MD)および横方向(TD)のいずれにおいても1.2倍以上、3.0倍以下である、
    請求項1から3いずれか記載の包装用フィルム。
  5. ブリスターパックに用いられる、
    請求項1から4いずれか記載の包装用フィルム。
  6. 請求項1から5いずれか記載の包装用フィルムに凹み部が設けられた、
    包装用成型品。
  7. ブリスターパックに用いられる、
    請求項6記載の包装用成型品。
  8. 実質的に環状オレフィン樹脂からなる包装用フィルムの製造方法であって、
    フィルムの厚さが35μm以上となるように前駆体フィルムを二軸延伸する、
    包装用フィルムの製造方法。
  9. 前記二軸延伸の延伸倍率が縦方向(MD)および横方向(TD)のいずれにおいても1.2倍以上、3.0倍以下である、
    請求項8記載の包装用フィルムの製造方法。
  10. 引張破壊呼びひずみが縦方向(MD)および横方向(TD)のいずれにおいても15%以上となるように前躯体フィルムを二軸延伸する、
    請求項8または9記載の包装用フィルムの製造方法。
  11. 引張降伏ひずみが縦方向(MD)および横方向(TD)のいずれにおいても15%以下となるように前躯体フィルムを二軸延伸する、
    請求項8から10いずれか記載の包装用フィルムの製造方法。
  12. 前記請求項1〜5に記載の二軸配向された包装用フィルムに塑性加工を施して凹み部を形成する包装用成型品の製造方法。
  13. 前記請求項8〜11に記載の製造方法により得られた包装用フィルムに塑性加工を施して凹み部を形成する包装用成型品の製造方法。
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