JP2017200832A - 包装材料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐摩耗性が高く、且つ、撥水性を有する包装材料及びその製造方法を提供する。【解決手段】基材2と、基材2上に設けられる接着層3と、接着層3上に設けられ、疎水性微粒子及びバインダーを有する撥水層4と、を備える。撥水層4の表面には、平面視による形状がストライプ状の凹凸構造が形成されている。凹凸構造の凹凸は、ピッチが50nm以上20000nm以下であり、アスペクト比が0.5以上1以下である。撥水層4において、疎水性微粒子の平均粒径は5nm以上5000nm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、包装材料及びその製造方法に関する。
液体、半固体又はゲル状の内容物が封入された包装容器の蓋材には、内容物の付着を抑制する機能を有するものがある。例えば下記特許文献1に記載される蓋材において、内容物と対向する面側の最外層として、疎水性酸化物微粒子により形成される多孔質層が形成されている。この特許文献1では、上記多孔質層が撥水性を奏することによって、内容物が蓋材に付着することを抑制している。下記特許文献2においても、最外層として疎水性酸化物微粒子を含んだ付着防止層が記載されている。
特許第4348401号公報 特許第5441843号公報
上記特許文献1に記載される蓋材を用いて内容物が収容される容器を封止する際には、蓋材をローラ等の搬送機械によって搬送し、蓋材を打ち抜き等によって個片化する。これらの際、多孔質層と搬送機械との摩擦等により、多孔質層を形成する疎水性酸化物微粒子が蓋材から脱離することがある。この場合、多孔質層の撥水性が十分に奏されなくなり、多量の内容物が蓋材に付着するおそれがある。
また上記特許文献1及び2では蓋材の開封時、撥液した内容物が蓋材の周辺方向に流れ、撥水機構が失われたシール部に付着するおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、耐摩耗性が高く、且つ、撥水性を有する包装材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す本発明の各態様に想到した。
即ち、本発明の一態様に係る包装材料は、基材と、前記基材上に設けられる接着層と、前記接着層上に設けられ、疎水性微粒子及びバインダーを有する撥水層と、を備え、前記撥水層の表面には、平面視による形状がストライプ状の凹凸構造が形成されており、前記凹凸構造の凹凸は、ピッチが50nm以上20000nm以下であり、アスペクト比が0.5以上1以下であることを特徴とする。
本発明の一態様に係る包装材料の製造方法は、基材上に接着層を形成する工程と、前記接着層の表面に平面視による形状がストライプ状の凹凸構造を形成する工程と、前記凹凸構造が形成された前記接着層上に、疎水性微粒子及びバインダーを有する撥水層を形成する工程と、を備え、前記凹凸構造を形成する工程では、前記凹凸構造に対応する凹凸面を有するスタンパーの該凹凸面を前記接着層の表面に押圧して、前記凹凸構造を形成し、前記撥水層を形成する工程では、前記凹凸構造が前記撥水層の表面に現れるように前記撥水層を成膜し、前記凹凸構造の凹凸は、ピッチが50nm以上20000nm以下であり、アスペクト比が0.5以上1以下であることを特徴とする。
本発明の別の態様に係る包装材料の製造方法は、基材上に接着層を形成する工程と、前記接着層上に、疎水性微粒子及びバインダーを有する撥水層を形成する工程と、前記撥水層の表面に平面視による形状がストライプ状の凹凸構造を形成する工程と、を備え、前記凹凸構造を形成する工程では、前記凹凸構造に対応する凹凸面を有するスタンパーの該凹凸面を前記撥水層の表面に押圧して、前記凹凸構造を形成し、前記凹凸構造の凹凸は、ピッチが50nm以上20000nm以下であり、アスペクト比が0.5以上1以下であることを特徴とする。
本発明によれば、耐摩耗性が高く、且つ、撥水性を有する包装材料を提供できる。
本実施形態に係る包装材料の構成例を模式的に示す図である。 本実施形態に係る包装材料の第1の製造方法を模式的に示す断面図である。 本実施形態に係る包装材料の第2の製造方法を模式的に示す断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、各部の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
<構造>
図1(a)及び(b)は、本実施形態に係る包装材料1の構成例を示す模式的に示す平面図と、この平面図をX1−X’1線で切断した断面図である。本実施形態に係る包装材料1は、食品、飲料、医薬品、化学品等の包装材に用いられるシーラントであり、内容物の非付着性に優れた包装材である。
図1(a)及び(b)に示すように、この包装材料1は、少なくとも基材2と、基材2上に設けられる接着層3と、接着層3上に設けられる撥水層4とを備える。撥水層4の表面には、平面視による形状ストライプ状の凹凸構造が形成されている。この凹凸構造の凹凸は、ピッチPが50nm以上20000nm以下であり、アスペクト比(D/W)が0.5以上1以下である。ここで、凹凸のピッチとは、凹凸の配置間隔のことである。また、凹凸のアスペクト比とは、凹部の開口端面における幅(W)に対する、凸部頂面からの凹部の深さ(D)のことである。
包装材料1の表面には、例えば印刷又は貼り合わせの加工を施して、文字及び模様等の意匠性が付与されていてもよい。
基材2は、支持体となる物であれば特に制限はなく、例えば紙、樹脂を含むフィルム、又は金属箔の少なくとも一種を有する。紙としては、上質紙、特殊上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、模造紙、又はクラフト紙等が挙げられる。樹脂を含むフィルムとしては、ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、セルロースアセテート、及びセロファン樹脂の少なくとも一種を含むフィルムが挙げられる。このフィルムは延伸フィルムでもよいし、非延伸フィルムでもよい。金属箔としては、例えばアルミ箔又はニッケル箔等が挙げられる。基材2が積層体である場合、例えば接着剤等が用いられてもよい。
また、基材2は、バリア性フィルム、無機蒸着フィルム、又は金属箔等のバリア膜を有してもよい。このバリア膜は、液体及び空気が包装材料1を通過することを阻害する機能、及び光が包装材料1を透過することを抑制する機能等を有している。
バリア性フィルムとしては、例えばポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリアクリロニトリル(PAN)、又はポリビニルアルコール(PVA)等から構成されるフィルムが挙げられる。また、バリア性フィルムとして、PETフィルム、ポリエチレン又はポリプロピレン等の延伸オレフィン樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、セルロースアセテートフィルム、又はセロファンフィルム等を用いてもよい。この場合、これらのフィルムの表面にPVDCコート、PVAコート、アクリル酸系樹脂コート等を施してもよい。
また、バリア性フィルムとして、PVDC共押出フィルム、EVOH共押出フィルム、ナイロン(ONY)系共押出フィルム、又はOPP共押出フィルム等を用いてもよい。
無機蒸着フィルムは、例えば延伸オレフィン樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、セルロースアセテートフィルム、又はセロファンフィルムに対して、アルミニウム、アルミナ、又はシリカ等が蒸着されることによって形成されるフィルムである。
接着層3は、対象物を包装する際に接着性を発揮する層であり、公知の材料を使用することができる。接着層3は、例えば、ヒートシール性ニス接着剤またはホットメルト接着剤からなる。ヒートシール性ニス接着剤は、アクリル系、ポリエステル系、エチレン系、EVA系、塩化酢酸ビニル系、変性オレフィン系、合成ゴム系、ビニル系、EAA系、ウレタン系、イミン系樹脂から選択される1種以上の樹脂を主成分とする、ラッカータイプ接着剤である。ホットメルト接着剤は、エチレン酢酸ビニル系、ポリオレフィン系、ポリアミド系、合成ゴム系、アクリル系、ポリウレタン系樹脂から選択される1種以上の樹脂と、ワックスと、タッキファイヤーと、を含む。
撥水層4は、少なくとも撥水性を発揮する層であり、撥水層4の厚さは、例えば0.1μm以上20μm以下である。撥水層4の厚さがこの範囲内である場合、包装材料1は液滴を任意の方向に誘導するとともに十分な撥水性を発揮する。
撥水層4は、疎水性微粒子及びバインダーを有している。撥水層4内において、疎水性微粒子とバインダーとの質量比は、20:80〜80:20であってもよい。この場合、疎水性微粒子をバインダーにて結合しやすくなり、撥水層4の耐摩耗性をより向上できる。
また、撥水層4において、疎水性微粒子とバインダーとの質量比は、30:70〜50:50であってもよい。この場合、疎水性微粒子をバインダーにてさらに結合しやすくなり、撥水層4の耐摩耗性をより一層向上できる。
疎水性微粒子は、無機酸化物を主成分としている。この無機酸化物は、例えば酸化珪素(シリカ)、酸化アルミニウム、酸化チタン、及び酸化マグネシウムの内少なくとも1種を含んでいる。無機酸化物が酸化珪素である場合、合成シリカ又は天然シリカが用いられる。合成シリカは、例えば燃焼法若しくはアーク法等の乾式製法、沈殿法、又はゲル法等の湿式製法によって合成される。
疎水性微粒子の表面には疎水化処理が施されている。疎水化処理としては、乾式法、湿式法等が挙げられる。微粒子の全面を処理するためには、CVD法又はプラズマ法等による乾式法を用いることが好ましい。このような疎水化処理を行うことによって、微粒子の表面に疎水性官能基を結合させ、付着防止機能を付与している。
微粒子の表面に結合する疎水性官能基は、例えばジメチルシリル基((CHSi(O−R))、トリメチルシリル基((CHSiO−R)、ジメチルポリシロキサン基((CH−Si−O−Si(O−R))、ジメチルシロキサン基、アミノアルキルシリル基、アルキルシリル基、又はメタクリルシリル基である。このような官能基を微粒子の表面に結合させることにより、撥水層4の臨界表面張力(表面エネルギー)を小さくする。なお、Rは低級アルキル基であり、例えば炭素数が1〜4のアルキル基である。
疎水性微粒子の平均粒径は、例えば5nm以上5μm(5000nm)以下であればよい。疎水性微粒子の平均粒径が上記範囲内であることにより、疎水性微粒子がバインダーによって良好に結合され、撥水層4から脱落しにくくなる。加えて、疎水性微粒子は撥水層4中を良好に分散でき、疎水性微粒子をハンドリングよく用いることができる。また、撥水層4内に様々な平均粒径を有する疎水性粒子が存在する場合、フラクタル構造が形成されやすくなり、結果として撥水層4の撥水性が高まる。
また、疎水性微粒子には互いに平均粒径が異なる複数の種類の粒子から構成されてもよい。例えば、撥水層4は、第1疎水性微粒子と、第1疎水性微粒子よりも大きい平均粒径を有する第2疎水性微粒子とを有してもよい。これによりフラクタル構造が形成されやすくなり、撥水層4の撥水性が高まる。なお、第1疎水性微粒子の平均粒径は例えば5nm以上1000nm以下であり、第2疎水性微粒子の平均粒径は例えば1μm以上5μm以下である。
疎水性微粒子の平均粒径は、撥水層4の表面に露出している疎水性微粒子の粒径から算出される。疎水性微粒子の粒径は、例えば走査電子顕微鏡(SEM)による目視観察にて計測された値と定義する。疎水性微粒子の平均粒径の測定法として、まずSEMにて任意の5箇所を測定する。この5か所を観察表面とする。次に、各観察表面にて確認される疎水性微粒子100個の粒径を測定する。そして、各観察表面の全計測値の平均値を算出することによって、疎水性微粒子の平均粒径を求める。
バインダーは、撥水層4内の疎水性微粒子を強固に結合するために用いられる物質である。このバインダーとして、例えば1種以上の金属アルコキシドが用いられる。この金属アルコキシドは加水分解物でもよい。この場合、金属アルコキシドの加水分解物と、水/アルコール混合溶媒とが含まれるバインダーであってもよい。また、必要に応じてシランカップリング剤、又はバインダーの反応を制御するための触媒等の添加剤がさらに含まれてもよい。
金属アルコキシドは、M(OR)nで示される。Mは金属原子であり、nは自然数である。Mは、例えば、Li、Na、Cu、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、B、Al、Ga、Y、Si、Ge、Pb、P、Sb、Ta、W、La、Nd、Ti等である。nはMの原子価である。Rは低級アルキル基であり、例えば炭素数が1〜4のアルキル基である。
金属アルキコシドの具体例として、例えば、メチルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン、アルミニウムプロポキシド、チタンイソプロポキシド、亜鉛t−ブトキシド、亜鉛n−ブトキシド、カルシウムエトキシド、鉄エトキシド、バナジウムイソプロポキシド、錫t−ブトキシド、リチウムエトキシド、ベリリウムエトキシド、ホウ素エトキシド、燐エトキシド、燐メトキシド、マグネシウムメトキシド、又はマグネシウムエトキシド等が挙げられる。本実施形態では、上記金属アルコキシドの中で、例えばテトラエトキシシラン(TEOS)、トリイソプロポキシアルミニウム、及び3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの少なくとも一種を用いている。
また、バインダーとして、例えばアクリル樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩酢ビ樹脂(塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合物)、SBR樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、又はポリビニルアルコール等の少なくとも一種が用いられてもよい。
<製造方法>
(1)第1の製造方法
次に、本実施形態に係る包装材料1の形成方法の一例を説明する。
図2(a)及び(b)は、本実施形態に係る包装材料の第1の製造方法を模式的に示す断面図である。
図2(a)に示すように、まず、基材2を準備する。基材2は、単層でもよく、接着剤によって互いに接着された積層体でもよい。もしくは、基材2は、例えばPETフィルム等のプラスチックフィルムに金属又は金属酸化物等が蒸着されたフィルムでもよい。
次に、基材2の一方の主面上に接着層3’を形成する。例えば、加熱されたグラビア版を用いたダイレクトグラビア方式で、上述した接着剤を基材2上にコーティングすることによって、接着層3’を形成する。次に、この接着層3’の表面に、平面視による形状がストライプ状の凹凸構造を形成する。この凹凸構造は、凹凸構造に対応する凹凸面11を有するスタンパー10を用意し、このスパンパー10の凹凸面11を接着層3’の表面に押圧(例えば、圧着加工)することにより形成する。これにより、図2(b)に示すように、ストライプ状の凹凸構造を表面に有する接着層3を形成する。またストライプ状の凹凸構造は必ずしも連続的につながっている必要はない。
次に、凹凸構造が形成された接着層3上に、疎水性微粒子及びバインダーを有する撥水層4を形成する。この撥水層4を形成する工程では、接着層3の凹凸構造が撥水層4の表面に現れるように撥水層4を成膜する。つまり、接着層3の表面の凹凸構造とほぼ同一形状でほぼ同一寸法の凹凸構造が撥水層4の表面に現れるように、撥水層4を成膜する。例えば、次の方法で撥水層4を形成する。
まず、疎水性微粒子及びバインダーが混入された液体を準備する。この液体の溶媒は、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、若しくはイソプロピルアルコール(IPA)等のアルコール溶媒、酢酸エチル、トルエン、アセトン等の有機溶媒、又は水である。この液体は、接着層3を形成する前に準備してもよい。
次に、上記液体を接着層3の表面にコーティングする。例えば、グラビアコート、バーコート、キスリバースコート、ダイコート、ドクターブレードコート、刷毛塗り、ディップコート、スプレーコート、スピンコート、又は押出しラミネーション等の公知の方法によって、上記液体を接着層3の表面にコーティングする。
次に、上記液体の溶媒を除去することにより、接着層3上に空隙(すなわち、凹凸構造の凹部)を有する撥水層4を形成する。例えば、ヒータ若しくは温風等を用いた加熱乾燥、又は自然乾燥によって、上記溶媒を除去する。以上により、図1(a)及び(b)に示したような、基材2、接着層3、及び撥水層4を有する包装材料1を形成する。
(2)第2の製造方法
また、本実施形態において、包装材料表面のストライプ状の凹凸構造は、接着層及び撥水層を形成した後、スタンパーによる圧着加工で形成してもよい。
図3は、本実施形態に係る包装材料の第2の製造方法を模式的に示す断面図である。
図3において、接着層3’を形成する工程までは、上述の第1の製造方法と同じである。第2の製造方法では、接着層3’を形成した後で、その上に撥水層4’を形成する。撥水層4’の形成方法は、第1の製造方法で説明した撥水層4の形成方法と同じである。
その後、この撥水層4’の表面に、平面視による形状がストライプ状の凹凸構造を形成する。この凹凸構造は、凹凸構造に対応する凹凸面11を有するスタンパー10を用意し、このスタンパー10の凹凸面11を撥水層4’の表面に押圧(例えば、圧着加工)することにより形成する。これにより、ストライプ状の凹凸構造を表面に有する接着層3を形成する。またストライプ状の凹凸構造は必ずしも連続的につながっている必要はない。
以上により、図1(a)及び(b)に示したような、基材2、接着層3、及び撥水層4を有する包装材料1を形成する。
<実施形態の効果>
本実施形態によれば、包装材料1は、基材2と、基材2上に設けられる接着層3と、接着層3上に設けられ、少なくとも疎水性微粒子及びバインダーを有する撥水層4とを備えた積層体である。この積層体の表面に平面視による形状がストライプ状の凹凸構造を有する。この凹凸構造の凹凸のピッチは50nm以上20000nm以下である。凹凸のアスペクト比は0.5以上1以下である。
撥水層4は、この凹凸構造の凹部に空気層を含むため、内容物に対して十分な撥液性を示すことができる。また凹凸構造を表面に有する撥水層4は層内凝集力が強いため、撥水層4から疎水性微粒子が脱落して包装材料の内容物に混入することを防ぐことができる。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(実施例1)
厚み12μmのPETフィルムの片面に、厚さ7μmのアルミニウム箔をドライラミネートにて貼り付けた。そして、アルミニウム箔面に、主剤としてポリエステル系樹脂にイソシアネート硬化剤を配合したプライマー層を設けて、基材を形成した。
次に、基材のプライマー層上にポリアクリレート樹脂系のヒートシール性ニス接着剤をバーコートで塗布し、接着層を形成した。次に、スタンパーを用いて、ピッチ50nm、アスペクト比0.5のストライプ状の凹凸構造を、接着層の表面に形成した。
次に、平均粒径が15nmであるシリカ微粒子と、金属アルコキシド加水分解液とを2−プロパノールに加えて分散させることにより、シリカ微粒子が分散した液体を作製した。このシリカ微粒子の表面には、ポリジメチルシロキサンにより疎水化処理が施されていた。また、金属アルコキシド加水分解液は、バインダーとして機能するテトラエトキシシラン(TEOS)を、0.1規定濃度の塩酸溶液に加えて加水分解させることによって形成した。上記液体では、シリカ微粒子と、バインダーとして機能するTEOSとの質量比は、50:50となるように調整した。
次に、上記液体を接着層の表面塗布した後、60℃の熱風に曝して2−プロパノール等の溶媒を蒸発させた。これにより、撥水層が接着層上に形成された包装材料を得た。上記液体内の固形分塗布量が1g/mになるように、液体をマイクログラビアコートによって塗布し、目的とする包装材料を作製した。
(実施例2)
厚み12μmのPETフィルムの片面に、厚さ7μmのアルミニウム箔をドライラミネートにて貼り付けた。そして、アルミニウム箔面に、厚さ25μmの低密度ポリエチレンフィルム(LDPEフィルム)を押し出し法にて成膜することにより、基材を形成した。この基材のLDPEフィルム上に、接着層3を形成した。
次に、基材のプライマー層上にポリアクリレート樹脂系のヒートシール性ニス接着剤をバーコートで塗布し、接着層を形成した。その後スタンパーによって、ピッチ50nm、アスペクト比0.5のストライプ状の凹凸構造を、接着層の表面に形成した。それ以外は実施例1と同様にして包装材料を作製した。
(実施例3)
スタンパーをピッチ1000nm、アスペクト比1のストライプ状の凹凸構造とした以外は実施例2と同様にして包装材料を作製した。
(実施例4)
スタンパーをピッチ20000nm、アスペクト比1のストライプ状の凹凸構造とした以外は実施例2と同様にして包装材料を作製した。
(実施例5)
実施例2において、接着層を形成した後、接着層上に乾燥後塗布量1.0g/m2となる撥水層を形成した。次に、スタンパーを用いて、ピッチ50nm、アスペクト比0.5のストライプ状の凹凸構造を撥水層に形成し、目的とする包装材料を作製した。
(比較例1)
実施例1において、スタンパーを用いなかった。これ以外は、実施例1と同様にして包装材料を作製した。
(比較例2)
実施例1において、接着層にスタンパーを用いてピッチ500nm、アスペクト比1の格子状の凹凸構造を形成した。これ以外は、実施例1と同様にして包装材料を作製した。
(比較例3)
実施例2において、スタンパーをピッチ50000nm、アスペクト比1のストライプ状の凹凸構造とした。これ以外は、実施例2と同様にして包装材料を作製した。
(評価方法)
実施例1〜5及び比較例1〜3の包装材料を下記の方法で試験し、評価した。
(耐摩耗性試験)
上述の実施例1〜5及び比較例1〜3の包装材料に対して、JIS L 0849:2013に準拠した耐摩耗性試験1(平行方向への摺動)及び耐摩耗性試験2(垂直方向への摺動)を行った。これらの耐摩耗性試験1,2では、まず各実施例及び各比較例の包装材料から、所定の大きさの試験片を作成した。そして、学振試験用の摩擦試験機(大栄科学精器製作所製RT−300)を用いて、包装材料の撥水層に荷重500gにて摩擦子を押し当て、摩擦子を撥水層表面のストライプ状の凹凸構造に対して垂直方向、平行方向にそれぞれ100回ずつ往復運動させた。耐摩耗性試験の実施後、撥水層4上に、ヨーグルト(ダノンジャパン社製「ダノンビオ(R)プレーン加糖」)を約0.5ミリリットル滴下し、付着状態を目視にて評価した。
この耐磨耗性試験の評価結果は、以下のように判定した。
A:液滴の付着なし。
B:わずかな付着はするが、液滴の大半は付着しない。
C:液滴の付着あり。
(撥水性の特性試験)
上述の実施例1〜5及び比較例1〜3の包装材料において、撥水層が設けられた側の撥水性を確認した。25度に傾斜させた試料台に、試験面である撥水層が上面になるよう包装材料を貼り付けた。貼り付ける方向としては、実施例1〜5、比較例3では、ストライプ状の凹凸構造の並びに対して液滴を滑落させる方向が垂直、平行の2種類になるよう貼り付けた。次に包装材料の撥水層上に、上記と同様にヨーグルトを滴下し、ヨーグルトの滴下位置から50mm移動する時間を計測評価した。
なおヨーグルトが移動しないもの、付着物が残るものについては、「付着」とした。各実施例及び比較例の評価結果を下記表1に示す。
Figure 2017200832
上記表1に示されるように、実施例1〜5では、耐摩耗性試験を行った後であってもヨーグルトは包装材料に付着しない、または、わずかに付着はするが大半は付着しなかった。
一方、比較例1,3では耐摩耗性試験1を行った後にヨーグルトが包装材料1の少なくとも一部に付着した。この結果から、凹凸構造のないもの及び凹凸サイズが大きいものは、表面の撥水層が磨耗しやすくなったことがわかる。
また、撥水性(内容物のはじき性)についても、実施例1〜5では任意の方向に滑落しやすい性能が示された。一方で比較例3でも同様の効果は見られるが、凹凸サイズが大きいため垂直方向での実用レベルの撥水性を示さなかった。
1 包装材料
2 基材
3 接着層
3’ (凹凸構造を形成する前の)接着層
4 撥水層
4’ (凹凸構造を形成する前の)撥水層
10 スタンパー
11 凹凸面

Claims (6)

  1. 基材と、
    前記基材上に設けられる接着層と、
    前記接着層上に設けられ、疎水性微粒子及びバインダーを有する撥水層と、を備え、
    前記撥水層の表面には、平面視による形状がストライプ状の凹凸構造が形成されており、
    前記凹凸構造の凹凸は、ピッチが50nm以上20000nm以下であり、アスペクト比が0.5以上1以下であることを特徴とする包装材料。
  2. 前記撥水層において、前記疎水性微粒子の平均粒径は5nm以上5000nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の包装材料。
  3. 前記接着層は、ヒートシール性ニス接着剤またはホットメルト接着剤からなり、
    前記ヒートシール性ニス接着剤は、アクリル系、ポリエステル系、エチレン系、EVA系、塩化酢酸ビニル系、変性オレフィン系、合成ゴム系、ビニル系、EAA系、ウレタン系、イミン系樹脂から選択される1種以上の樹脂を主成分とし、
    前記ホットメルト接着剤は、エチレン酢酸ビニル系、ポリオレフィン系、ポリアミド系、合成ゴム系、アクリル系、ポリウレタン系樹脂から選択される1種以上の樹脂と、ワックスと、タッキファイヤーと、を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の包装材料。
  4. 基材上に接着層を形成する工程と、
    前記接着層の表面に平面視による形状がストライプ状の凹凸構造を形成する工程と、
    前記凹凸構造が形成された前記接着層上に、疎水性微粒子及びバインダーを有する撥水層を形成する工程と、を備え、
    前記凹凸構造を形成する工程では、
    前記凹凸構造に対応する凹凸面を有するスタンパーの該凹凸面を前記接着層の表面に押圧して、前記凹凸構造を形成し、
    前記撥水層を形成する工程では、前記凹凸構造が前記撥水層の表面に現れるように前記撥水層を成膜し、
    前記凹凸構造の凹凸は、ピッチが50nm以上20000nm以下であり、アスペクト比が0.5以上1以下であることを特徴とする包装材料の製造方法。
  5. 基材上に接着層を形成する工程と、
    前記接着層上に、疎水性微粒子及びバインダーを有する撥水層を形成する工程と、
    前記撥水層の表面に平面視による形状がストライプ状の凹凸構造を形成する工程と、を備え、
    前記凹凸構造を形成する工程では、
    前記凹凸構造に対応する凹凸面を有するスタンパーの該凹凸面を前記撥水層の表面に押圧して、前記凹凸構造を形成し、
    前記凹凸構造の凹凸は、ピッチが50nm以上20000nm以下であり、アスペクト比が0.5以上1以下であることを特徴とする包装材料の製造方法。
  6. 前記接着層は、ヒートシール性ニス接着剤またはホットメルト接着剤からなり、
    前記ヒートシール性ニス接着剤は、アクリル系、ポリエステル系、エチレン系、EVA系、塩化酢酸ビニル系、変性オレフィン系、合成ゴム系、ビニル系、EAA系、ウレタン系、イミン系樹脂から選択される1種以上の樹脂を主成分とし、
    前記ホットメルト接着剤は、エチレン酢酸ビニル系、ポリオレフィン系、ポリアミド系、合成ゴム系、アクリル系、ポリウレタン系樹脂から選択される1種以上の樹脂と、ワックスと、タッキファイヤーと、を含むことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の包装材料の製造方法。
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