JP2017200803A - 無人航空機の飛行高度補正システムおよび方法 - Google Patents
無人航空機の飛行高度補正システムおよび方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017200803A JP2017200803A JP2016093244A JP2016093244A JP2017200803A JP 2017200803 A JP2017200803 A JP 2017200803A JP 2016093244 A JP2016093244 A JP 2016093244A JP 2016093244 A JP2016093244 A JP 2016093244A JP 2017200803 A JP2017200803 A JP 2017200803A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- value
- altitude
- flight
- increase
- flight altitude
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 238000012937 correction Methods 0.000 title claims abstract description 237
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims abstract description 122
- 230000007423 decrease Effects 0.000 claims abstract description 175
- 230000008569 process Effects 0.000 claims description 66
- 238000009434 installation Methods 0.000 claims description 26
- 238000012935 Averaging Methods 0.000 claims description 7
- 238000001514 detection method Methods 0.000 claims description 5
- 230000008859 change Effects 0.000 abstract description 52
- 238000012423 maintenance Methods 0.000 description 51
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 41
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 21
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 description 18
- 230000006870 function Effects 0.000 description 16
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 6
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 5
- 230000007246 mechanism Effects 0.000 description 5
- RZVHIXYEVGDQDX-UHFFFAOYSA-N 9,10-anthraquinone Chemical compound C1=CC=C2C(=O)C3=CC=CC=C3C(=O)C2=C1 RZVHIXYEVGDQDX-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 238000012067 mathematical method Methods 0.000 description 4
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 description 2
- 238000010295 mobile communication Methods 0.000 description 2
- 230000001133 acceleration Effects 0.000 description 1
- 238000004422 calculation algorithm Methods 0.000 description 1
- 239000013256 coordination polymer Substances 0.000 description 1
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 description 1
- 239000000835 fiber Substances 0.000 description 1
- 230000007774 longterm Effects 0.000 description 1
- CMIAIUZBKPLIOP-YZLZLFLDSA-N methyl (1r,4ar,4br,10ar)-7-(2-hydroperoxypropan-2-yl)-4a-methyl-2,3,4,4b,5,6,10,10a-octahydro-1h-phenanthrene-1-carboxylate Chemical compound C1=C(C(C)(C)OO)CC[C@@H]2[C@]3(C)CCC[C@@H](C(=O)OC)[C@H]3CC=C21 CMIAIUZBKPLIOP-YZLZLFLDSA-N 0.000 description 1
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 1
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 1
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 1
- 230000003287 optical effect Effects 0.000 description 1
- 230000002123 temporal effect Effects 0.000 description 1
- 238000012876 topography Methods 0.000 description 1
- 230000000007 visual effect Effects 0.000 description 1
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B64—AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
- B64D—EQUIPMENT FOR FITTING IN OR TO AIRCRAFT; FLIGHT SUITS; PARACHUTES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF POWER PLANTS OR PROPULSION TRANSMISSIONS IN AIRCRAFT
- B64D45/00—Aircraft indicators or protectors not otherwise provided for
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B64—AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
- B64U—UNMANNED AERIAL VEHICLES [UAV]; EQUIPMENT THEREFOR
- B64U10/00—Type of UAV
- B64U10/10—Rotorcrafts
- B64U10/13—Flying platforms
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01C—MEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
- G01C5/00—Measuring height; Measuring distances transverse to line of sight; Levelling between separated points; Surveyors' levels
- G01C5/06—Measuring height; Measuring distances transverse to line of sight; Levelling between separated points; Surveyors' levels by using barometric means
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B64—AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
- B64U—UNMANNED AERIAL VEHICLES [UAV]; EQUIPMENT THEREFOR
- B64U2201/00—UAVs characterised by their flight controls
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B64—AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
- B64U—UNMANNED AERIAL VEHICLES [UAV]; EQUIPMENT THEREFOR
- B64U30/00—Means for producing lift; Empennages; Arrangements thereof
- B64U30/20—Rotors; Rotor supports
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Remote Sensing (AREA)
- Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Radar, Positioning & Navigation (AREA)
- Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)
Abstract
【課題】無人航空機が気圧センサの出力値に基づいてその飛行高度を制御するときに、気圧変化による無人航空機の飛行高度の乱れを抑制可能な飛行高度補正システム、および、飛行高度補正方法を提供する。
【解決手段】気圧センサを備える無人航空機および基準器と、前記基準器の気圧値等である基準値を記憶する基準値記憶手段と、前記無人航空機の離陸時における前記基準値と現在の前記基準値とを比較して増減値を算出する増減値取得手段と、前記無人航空機の気圧値等に対して、前記増減値を加味した値である補正値を算出する補正値取得手段と、前記補正値に基づいて前記無人航空機の飛行高度を制御する飛行高度調節手段と、を備えることを特徴とする無人航空機の飛行高度補正システム、および、これを用いた方法により解決する。
【選択図】図2
【解決手段】気圧センサを備える無人航空機および基準器と、前記基準器の気圧値等である基準値を記憶する基準値記憶手段と、前記無人航空機の離陸時における前記基準値と現在の前記基準値とを比較して増減値を算出する増減値取得手段と、前記無人航空機の気圧値等に対して、前記増減値を加味した値である補正値を算出する補正値取得手段と、前記補正値に基づいて前記無人航空機の飛行高度を制御する飛行高度調節手段と、を備えることを特徴とする無人航空機の飛行高度補正システム、および、これを用いた方法により解決する。
【選択図】図2
Description
本発明は、無人航空機の飛行高度補正システムおよび方法に関する。
従来、産業用無人ヘリコプターに代表される小型の無人航空機は、機体が高価で入手困難なうえ、安定して飛行させるためには操作に熟練が必要とされるものであった。しかし近年、無人航空機の姿勢制御や自律飛行に用いられるセンサ類およびソフトウェアの改良が大きく進んだことで、無人航空機の操作性が著しく向上し、また、高性能な機体を安価に入手できるようになった。こうした背景から現在、特に小型のマルチコプターについては、趣味目的だけでなく、広範な分野における種々のミッションへの応用が試行されている。
このような無人航空機では、その飛行高度を検知するために気圧センサが一般に用いられている。無人航空機は気圧センサの出力値を気圧高度に換算し、それに基づいて機体の飛行高度を制御する。その他の高度検知手段としては、例えばレーザーや赤外線、または超音波を用いた距離センサも利用可能であるが、これら距離センサは地表と機体との相対的な距離を測るものであり、地表に凹凸がある場合にはその影響を受けやすい。そのため、これら距離センサを用いて、平坦でない地表の上空を無人航空機に一定の高度を保たせつつ飛行させるためには、地表の凹凸による測定高度の乱れを相殺する仕組みを別途備える必要がある。
一方、気圧センサを用いた場合でも、気圧センサが検知する大気圧は高度に対して常に一定ではなく、気象条件の変化や、地形、または大気潮汐などにより変化する。比較的短時間のフライトや手動操縦による有視界飛行ではその影響は小さいが、飛行距離・飛行時間が長くなるにつれ、この気圧変化による飛行高度の誤差は顕著となる。
上記問題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、無人航空機が気圧センサの出力値に基づいてその飛行高度を制御するときに、気圧変化による無人航空機の飛行高度の乱れを抑制可能な飛行高度補正システム、および、飛行高度補正方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の無人航空機の飛行高度補正システムは、回転翼および気圧センサを備える無人航空機と、気圧センサを備え固定位置に設置された基準器と、前記基準器の気圧センサの気圧値または該気圧値から算出した気圧高度を基準値として記憶する基準値記憶手段と、前記無人航空機の離陸時における前記基準値である初期値を前記基準値記憶手段から取得し、該初期値と現在の前記基準値である現在値とを比較してこれらの差である増減値を算出する増減値取得手段と、前記無人航空機の気圧センサの気圧値または該気圧値から算出した気圧高度を実機値としたときに、該実機値に対して、前記増減値取得手段が算出した前記増減値を加味した値である補正値を算出する補正値取得手段と、前記補正値に基づいて前記無人航空機の飛行高度を制御する飛行高度調節手段と、を備えることを特徴とする。
無人航空機とは別に、大気圧の変化を検知するための基準器を無人航空機の発着ポートや飛行エリア内などに設けることにより、無人航空機の離陸時からの大気圧の変化(増減値)を検知することが可能となる。そして、無人航空機が認識する気圧値や気圧高度(実機値)をこの増減値に基づいて調整することにより、同一高度における実機値の増減を相殺し、無人航空機の飛行高度を一定に保つことが可能となる。
また、前記基準器は、互いに距離を空けて複数設置されており、前記基準値記憶手段には、前記基準値とともに、該基準値の取得時刻、および、該基準値を取得した前記基準器の個体識別情報が記憶され、前記増減値取得手段はさらに、前記各基準器の前記増減値を均した値である調整増減値を算出し、前記補正値取得手段は、前記実機値に対して、前記増減値取得手段が算出した前記調整増減値を加味して前記補正値を算出する構成としてもよい。
無人航空機の離陸地点と、そこから遠く離れた場所とでは、互いに大気圧の変化条件が異なっている。そのため、無人航空機が基準器から遠ざかるにつれて、実際に無人航空機が飛行しているエリアの大気圧の増減値と、基準器が設置されたエリアの大気圧の増減値とに違いが生じ、無人航空機の飛行高度に乱れが生じるおそれがある。そこで、基準器を適当な間隔で複数設置し、これら各基準器における大気圧の増減値を均した調整増減値(例えばこれら増減値の単純平均や、無人航空機と各基準器との距離に基づく加重平均)に基づいて無人航空機の実機値に調整することにより、無人航空機の飛行高度の乱れを広範なエリアにわたって抑えることが可能となる。
また、前記無人航空機および前記各基準器と通信可能なサーバ装置をさらに備え、前記サーバ装置は、前記各基準器の設置位置の緯度および経度が記憶された設置座標記憶手段、前記基準値記憶手段、および、前記増減値取得手段を有しており、前記無人航空機は、自機の緯度および経度である飛行座標を取得可能な飛行座標取得手段、前記補正値取得手段、および、前記飛行高度調節手段を有しており、前記サーバ装置は、前記無人航空機から前記飛行座標を取得して、前記無人航空機と前記各基準器との距離を算出可能であり、前記増減値取得手段は、前記調整増減値を算出するときに、前記無人航空機と前記各基準器との距離に応じて前記各増減値に重み付けをする構成としてもよい。
各基準器と無人航空機との間にこれらと通信可能なサーバ装置を設け、サーバ装置が各基準器の増減値を収集して調整増減値を算出し、無人航空機はサーバ装置から取得した調整増減値に基づいてその飛行高度を制御する構成とすることにより、サーバ装置を中心として飛行高度補正システムを一元的に管理することが可能となる。またこれにより、各基準器と無人航空機が備える機能を最小限に抑えることができ、システムの規模や数の拡張が容易となる。さらに、増減値取得手段が調整増減値を算出するときに、各基準器と無人航空機との距離に応じて各増減値に重みづけを行うことにより、実際の大気圧の変化と調整増減値とをより正確に一致させることが可能となる。
また、上記課題を解決するため、本発明の無人航空機の飛行高度補正システムは、回転翼および気圧センサを備える無人航空機と、気圧センサを備え固定位置に設置された基準器と、前記基準器の設置位置の標高または該標高を気圧値に変換した値を標高値として記憶する標高値記憶手段と、前記基準器の気圧センサの気圧値または該気圧値から算出した気圧高度を基準値としたときに、前記基準器の前記標高値を前記標高値記憶手段から取得し、該標高値と、該基準器の前記基準値との差である高度誤差を算出する高度誤差取得手段と、前記無人航空機の気圧センサの気圧値または該気圧値から算出した気圧高度を実機値としたときに、該実機値に対して、前記高度誤差取得手段が算出した前記高度誤差を加味した値である補正値を算出する補正値取得手段と、前記補正値に基づいて該無人航空機の飛行高度を制御する飛行高度調節手段と、を備えることを特徴とする。
無人航空機とは別に、実際の高度(真高度)と気圧高度との誤差を検知するための基準器を無人航空機の発着ポートや飛行エリア内などに設け、無人航空機の実機値をこの高度誤差に基づいて調整することにより、無人航空機の真高度と実機値との誤差を解消させることができる。そして、これにより、無人航空機の飛行高度を真高度に基づいて一定に保つことが可能となる。上述の、無人航空機の離陸時からの大気圧の増減値を使用した飛行高度の補正は、あくまで離陸時の大気圧に対する相対的かつ経時的な変化を相殺することを目的としたものであり、真高度を基準として無人航空機を一定の飛行高度に維持するためには、真高度を認識するための仕組みを別途備える必要がある。本発明では、基準器の設置位置における標高(実際の高度)を予め標高値記憶手段に登録しておくことにより、上で述べた構成と同様の仕組みで、かつ、真高度を基準として無人航空機を一定の飛行高度に保つことが可能となる。
また、前記基準器は、互いに距離を空けて複数設置されており、前記標高値記憶手段には、前記標高値とともに該標高値を取得した前記基準器の個体識別情報が記憶され、前記高度誤差取得手段はさらに、前記各基準器の前記高度誤差を均した値である調整高度誤差を算出し、前記飛行高度調節手段は、前記実機値に対して、前記高度誤差取得手段が算出した前記調整高度誤差を加味して前記補正値を算出することが好ましい。
無人航空機の離陸地点と、そこから遠く離れた場所とでは、互いに大気圧の変化条件が異なっている。そのため、無人航空機が基準器から遠ざかるにつれて、実際に無人航空機が飛行しているエリアの高度誤差と、基準器が設置されたエリアの高度誤差とに違いが生じ、無人航空機の飛行高度に乱れが生じるおそれがある。そこで、基準器を適当な間隔で複数設置し、これら各基準器における高度誤差を均した調整高度誤差(例えばこれら調整高度誤差の単純平均や、無人航空機と各基準器との距離に基づく加重平均)に基づいて無人航空機の実機値を調整することにより、無人航空機の飛行高度の乱れを広範なエリアにわたって抑えることが可能となる。
また、前記無人航空機および前記各基準器と通信可能なサーバ装置をさらに備え、前記サーバ装置は、前記各基準器の設置位置の緯度および経度が記憶された設置座標記憶手段、および前記高度誤差取得手段を有しており、前記無人航空機は、自機の緯度および経度である飛行座標を取得可能な飛行座標検出手段、前記補正値取得手段、および、前記飛行高度調節手段を有しており、前記サーバ装置は、前記無人航空機から前記飛行座標を取得して、前記無人航空機と前記各基準器との距離を算出可能であり、前記増減値取得手段は、前記調整高度誤差を算出するときに、前記無人航空機と前記各基準器との距離に応じて前記各高度誤差に重み付けをする構成としてもよい。
各基準器と無人航空機との間にこれらと通信可能なサーバ装置を設け、サーバ装置が各基準器の高度誤差を収集して調整高度誤差を算出し、無人航空機はサーバ装置から取得した調整高度誤差に基づいてその飛行高度を制御する構成とすることにより、サーバ装置を中心として飛行高度補正システムを一元的に管理することが可能となる。またこれにより、各基準器と無人航空機が備える機能を最小限に抑えることができ、システムの規模や数の拡張が容易となる。さらに、高度誤差取得手段が調整高度誤差を算出するときに、各基準器と無人航空機との距離に応じて各高度誤差に重みづけを行うことにより、実際の大気圧の変化と調整高度誤差とをより正確に一致させることが可能となる。
また、上記課題を解決するため、本発明の無人航空機の飛行高度補正方法は、回転翼および気圧センサを備える無人航空機と、気圧センサを備え固定位置に設置された基準器と、を用いた無人航空機の飛行高度補正方法であって、前記基準器の気圧センサの気圧値または該気圧値から算出した気圧高度を基準値としたときに、前記無人航空機の離陸時における該基準値である初期値と、該初期値と現在の前記基準値との差である増減値を算出する増減値取得処理と、前記無人航空機の気圧センサの気圧値または該気圧値から算出した気圧高度に対して前記増減値を加味した値に基づいて該無人航空機の飛行高度を制御する飛行高度調節処理と、を含むことを特徴とする。
無人航空機とは別に、大気圧の変化を検知するための基準器を無人航空機の発着ポートや飛行エリア内などに設けることにより、無人航空機の離陸時からの大気圧の変化(増減値)を取得することが可能となる。そして、無人航空機が認識する気圧値や気圧高度(実機値)をこの増減値に基づいて調整することにより、同一高度における実機値の増減を相殺し、無人航空機の飛行高度を一定に保つことが可能となる。
また、上記課題を解決するため、本発明の無人航空機の飛行高度補正方法は、回転翼および気圧センサを備える無人航空機と、気圧センサを備え固定位置に設置された基準器と、を用いた無人航空機の飛行高度補正方法であって、前記基準器の設置位置の標高または該標高を気圧値に変換した値と、該基準器の気圧センサの気圧値または該気圧値から算出した気圧高度との差である高度誤差を算出する高度誤差取得処理と、前記無人航空機の気圧センサの気圧値または該気圧値から算出した気圧高度に、前記高度誤差を加味した値に基づいて該無人航空機の飛行高度を制御する飛行高度調節処理と、を含むことを特徴とする。
無人航空機とは別に、実際の高度(真高度)と気圧高度との誤差を検知するための基準器を無人航空機の発着ポートや飛行エリア内などに設け、無人航空機の実機値をこの高度誤差に基づいて調整することにより、無人航空機の真高度と実機値との誤差を解消することができ、無人航空機の飛行高度を真高度に基づいて一定に保つことが可能となる。
以上のように、本発明にかかる無人航空機の飛行高度補正システムおよび方法によれば、無人航空機が気圧センサの出力値に基づいてその飛行高度を制御するときに、気圧変化による無人航空機の飛行高度の乱れを抑えることが可能となる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。以下の実施形態にかかる無人航空機の飛行高度補正システム、および、無人航空機の飛行高度補正方法は、屋外においてマルチコプターを一定の飛行高度で飛行させる例である。
<第1実施形態>
[全体構成]
図1は、第1実施形態にかかる飛行高度補正システムS1の全体構成を示す模式図である。図2は、飛行高度補正システムS1の機能構成を示すブロック図である。本実施形態の飛行高度補正システムS1は、無人航空機であるマルチコプター11、マルチコプター11の発着ポート近傍の地面に設置された基準器60、および、マルチコプター11へオペレータの指示を送信する操縦端末91により構成されている。
[全体構成]
図1は、第1実施形態にかかる飛行高度補正システムS1の全体構成を示す模式図である。図2は、飛行高度補正システムS1の機能構成を示すブロック図である。本実施形態の飛行高度補正システムS1は、無人航空機であるマルチコプター11、マルチコプター11の発着ポート近傍の地面に設置された基準器60、および、マルチコプター11へオペレータの指示を送信する操縦端末91により構成されている。
[マルチコプターの構成]
マルチコプター11の機体には、フライトコントローラ20、複数の回転翼であるローターRおよびこれらローターRの回転を制御するESC43(Electric Speed Controller)、オペレータの操縦端末91や基準器60と無線通信を行う無線送受信器33、および、電力供給源であるバッテリー51が搭載されている。
マルチコプター11の機体には、フライトコントローラ20、複数の回転翼であるローターRおよびこれらローターRの回転を制御するESC43(Electric Speed Controller)、オペレータの操縦端末91や基準器60と無線通信を行う無線送受信器33、および、電力供給源であるバッテリー51が搭載されている。
各ローターRは、DCモータであるモータ41、およびその出力軸に取り付けられたブレード42により構成されている。ESC43はローターRのモータ41に接続されており、フライトコントローラFCから指示された速度でモータ41を回転させる装置である。尚、本実施形態におけるマルチコプター11は、4基のローターRが搭載されたクアッドコプターであるが、ローターRの数は4基には限定されず、求められる飛行安定性や許容されるコスト等に応じて、ローターRが2基のヘリコプター(テールローターを除外するとローターRが1基)からローターRが8基のオクトコプター、さらにそれ以上のローター数を備えるものまで適宜変更可能である。
フライトコントローラFCは、マイクロコントローラである制御装置20を備えている。制御装置20は、中央処理装置であるCPU21、ROMやRAMなどの記憶装置であるメモリ22、および、ESC43を介して各モータ41の回転数および回転速度(以下、これらを総称して単に「回転数」という。)を制御するPWMコントローラ23を備えている。
フライトコントローラFCはさらに、飛行制御センサ群31およびGPS受信器32(以下、「センサ等」ともいう。)を備えており、これらは制御装置20に接続されている。本実施形態におけるマルチコプター11の飛行制御センサ群31には、気圧センサ311のほか、加速度センサ、角速度センサ、地磁気センサ(方位センサ)などが含まれている。制御装置20は、これらセンサ等により、機体の傾きや回転のほか、飛行中の緯度経度、飛行高度、および機首の方位角を含む自機の位置情報を取得可能とされている。
制御装置20のメモリ22には、マルチコプター11の飛行時における姿勢や基本的な飛行動作を制御する飛行制御アルゴリズムが実装されたプログラムである飛行制御プログラムFCPが記憶されている。飛行制御プログラムFCPは、オペレータ(操縦端末91)からの指示に従い、センサ等から取得した現在位置を基に各ローターRの回転数を調節し、機体の姿勢や位置の乱れを補正しながらマルチコプター11を飛行させる。尚、本実施形態におけるマルチコプター11の操縦は、基本的にオペレータが操縦端末91を用いて行うこととしているが、例えば、緯度経度、飛行高度、飛行ルートなどのパラメータを飛行制御プログラムFCPに予め登録しておき、目的地へ自律的に飛行させることも可能である(以下、このような自律飛行のことを「オートパイロット」という。)。
このように、本実施形態におけるマルチコプター11は高度な飛行制御機能を備えている。ただし、本発明における無人航空機は、気圧センサを備え、回転翼による一般的な飛行動作と、機体の飛行高度の自律的な調節が可能な機体であればよく、他の構成や機能はあくまで追加的なものである。例えば、地磁気センサやGPS32が省略され、オートパイロット機能を備えない機体も本発明の無人航空機に含まれる。
[基準器の構成]
基準器60は、気圧センサ61と無線送受信器62とを備え、その配置された場所における気圧値を検知して発信するビーコンである。基準器60は、取得した気圧値をBLE(Bluetooth Low Energy)(登録商標)などの近距離無線通信プロトコルを用いてマルチコプター11へ送信する。尚、これら気圧センサ61や無線送受信器62への電力の供給は、図示しないバッテリーを用いてもよく、有線給電により行ってもよい。
基準器60は、気圧センサ61と無線送受信器62とを備え、その配置された場所における気圧値を検知して発信するビーコンである。基準器60は、取得した気圧値をBLE(Bluetooth Low Energy)(登録商標)などの近距離無線通信プロトコルを用いてマルチコプター11へ送信する。尚、これら気圧センサ61や無線送受信器62への電力の供給は、図示しないバッテリーを用いてもよく、有線給電により行ってもよい。
本実施形態における基準器60は、検知した気圧値を例えば数秒〜数十秒に一回のサイクルでマルチコプター11へ送信する構成とされている。その他、例えば、マルチコプター11に前回送信した気圧値を基準器60が記憶可能であり、その値に対して所定の閾値以上の変化が生じた場合にのみ気圧値を送信する構成としてもよい。または、マルチコプター11からの送信指示があったときにだけ気圧値を送信する構成としてもよい。さらに、検知した気圧値を国際標準大気などに基づいて気圧高度に変換したうえでマルチコプター11に送信してもよい。
上でも述べたように、本実施形態における基準器60はマルチコプター11の発着ポート近傍の地表に固定されている。基準器60の設置位置は厳密には制限されないが、マルチコプター11の飛行位置における気圧変化と同等の気圧変化の影響をうける場所に設置することが望ましい。また、基準器60の設置対象も常に地表である必要はなく、例えば地上に設けられた家屋、ビル、電柱、フェンスなどの工作物、または樹木などの自然物に取り付けてもよい。尚、本発明の基準器の配置場所についての定義である「固定位置に設置」とは、例えば移動不能かつ変形不能な工作物や自然物に対して、基準器をねじ止めなどで強固に固着させた場合のみを指すのではなく、基準器をその位置があまり変わらない場所におく、という程度の意味である。よって、例えば地表やビルの屋上に基準器60を単に置いただけの場合や、さらには、マルチコプター11のオペレータが基準器60を身につけ、一定の場所からマルチコプター11を操縦するような場合も含まれる。
[操縦端末の構成]
本実施形態における操縦端末91は、マルチコプター11に対してオペレータの指示を送信するいわゆるプロポである。
本実施形態における操縦端末91は、マルチコプター11に対してオペレータの指示を送信するいわゆるプロポである。
[飛行高度補正機能および方法]
図2に示すように、マルチコプター11は、基準器60の気圧センサ61が検知した気圧値である基準値vを記憶する基準値記憶領域VS(基準値記憶手段)を有している。本実施形態においては、基準値記憶領域VSには、マルチコプター11の離陸時における基準値vが初期値iとして登録される。
図2に示すように、マルチコプター11は、基準器60の気圧センサ61が検知した気圧値である基準値vを記憶する基準値記憶領域VS(基準値記憶手段)を有している。本実施形態においては、基準値記憶領域VSには、マルチコプター11の離陸時における基準値vが初期値iとして登録される。
マルチコプター11の飛行制御プログラムFCPは、マルチコプター11の飛行高度を管理するサブプログラムとして、飛行高度調節プログラムFAP(飛行高度調節手段)を有している。さらに飛行高度調節プログラムFAPは、そのサブプログラムとして、増減値取得プログラムDP(増減値取得手段)、および、補正値取得プログラムCP(補正値取得手段)を有している。増減値取得プログラムDPは、初期値iを基準値記憶領域VSから取得し、この初期値iと、基準器60の現在の基準値vである現在値pとを比較して、これらの値の差である増減値dを算出する。補正値取得プログラムCPは、マルチコプター11の気圧センサ311が検知した気圧値である実機値mに対して、増減値取得プログラムDPが算出した増減値dを加減算した値である補正値cを算出する。つまり、補正値cは、マルチコプター11の離陸以降に生じた大気圧の変化を相殺した実機値mである。すなわち、マルチコプター11の離陸時点における大気圧を基準としたマルチコプター11の現在の気圧高度である。
飛行高度調節プログラムFAPは、補正値取得プログラムCPが算出した補正値cに基づいてマルチコプター11の飛行高度を調節する。ここで、飛行高度調節プログラムFAPは、マルチコプター11が到達および維持すべき気圧値である維持高度khが記憶される維持高度記憶領域KSを有している。本実施形態における維持高度記憶領域KSは、飛行高度調節プログラムFAPの変数として定義されている。この維持高度記憶領域KSには、オペレータの操縦端末91からの飛行高度変更指示が停止したときの補正値cが維持高度khとして記憶される。または、マルチコプター11をオートパイロットで飛行させる場合には、その地点における予め指定された飛行高度を気圧値に変換した値が記憶される。飛行高度調節プログラムFAPは、飛行制御プログラムFCPと協働し、マルチコプター11の補正値cが維持高度khと一致するようにマルチコプター11の飛行高度を制御する。
以下に、図3を参照し、飛行高度補正システムS1を用いたマルチコプター11の飛行高度補正方法について説明する。図3はマルチコプター11の飛行高度補正方法の手順を示すフローチャートである。飛行高度補正システムS1を用いたマルチコプター11の飛行高度補正方法は、大きく、初期値設定処理S1、増減値取得処理S2、補正値算出処理S3、および飛行高度調節処理S4からなる。
初期値設定処理S1では、マルチコプター11が、その離陸時における基準器60の基準値vを取得し、その基準値vを初期値iとして基準値記憶領域VSに記憶する。増減値取得処理S2では、値取得プログラムDPが、基準器60から現在値pを取得し、増減初期値iと現在値pとの差である増減値dを算出する。補正値算出処理S3では、補正値取得プログラムCPが、実機値mに対して増減値dを加減算した値である補正値cを算出する。飛行高度調節処理S4では、飛行高度調節プログラムFAPが、補正値cに基づいてマルチコプター11の飛行高度を調節する。このとき、オペレータの操縦端末91やオートパイロット処理から、マルチコプター11の飛行高度を上昇または下降させる指示(以下、このような指示を「飛行高度変更指示」という。)が与えられている場合には、飛行高度調節プログラムFAPは、その指示に従い、補正値cを現在の飛行高度としてマルチコプター11の飛行高度を変更する。飛行高度調節プログラムFAPはさらに、操縦端末91からの飛行高度変更指示が停止したときには、そのときの補正値cを維持高度kaとして維持高度記憶領域KSを更新する。尚、オートパイロット処理からの飛行高度変更指示とは、飛行高度調節プログラムFAPが、その地点における予め指定された飛行高度を気圧値に変換した値を、維持高度記憶領域KSに維持高度kaとして設定し、その維持高度kaに到達およびこれを維持するようにマルチコプター11の飛行高度を調節することをいう。マルチコプター11は、離陸後、着陸するまでこれら増減値取得処理S2〜飛行高度調節処理S4を繰り返す。
以下に、図4を参照し、具体値を用いてマルチコプター11の飛行高度補正方法について説明する。図4は、飛行高度補正システムS1によりマルチコプター11の飛行高度が維持される様子を示す説明図である。図4(a)に示すように、基準器60の気圧センサ61が検知した気圧値である基準値vは、マルチコプター11の離陸時において1013.0hPaであった。マルチコプター11は離陸時にその基準値vを初期値iとして基準値記憶領域VSに記憶する(初期値設定処理S1)。尚、本実施形態および以降の実施形態では、説明の便宜上、1hPaの気圧高度差を単純に10mとし、同様に、0.1hPaの気圧高度差を1mとしている。
そしてこの例では、オペレータはマルチコプター11をそのまま手動で10m上昇させ、その位置で自律的にホバリングするようマルチコプター11に指示をした(オペレータの操縦端末91からの指示を停止した)。このとき、マルチコプター11の気圧センサ311が検知した気圧値である実機値mは1012.0hPaであった。また、マルチコプター11が離陸してからホバリングを開始するまでの間に大気圧の変化は生じておらず、このときの基準器60の基準値vである現在値pは、初期値iと同じ1013.0hPaのままであった。
マルチコプター11は、離陸後、増減値取得プログラムDPにより、初期値i(1013.0hPa)と、そのときの現在値p(1013.0hPa)との差(現在値p−初期値i)である増減値d(0hPa)を算出し(増減値取得処理S2)、補正値取得プログラムCPにより、実機値m(1012.0hPa)に対して増減値d(0hPa)を加算した値である補正値c(1012.0hPa)を算出する(補正値算出処理S3)。そして、飛行高度調節プログラムFAPにより、補正値c(1012.0hPa)を基準としてマルチコプター11の飛行高度を調節する(飛行高度調節処理S4)。マルチコプター11は、これら増減値取得処理S2〜飛行高度調節処理S4を繰り返しながら飛行する。しかし、マルチコプター11が離陸してからこれまでに大気圧の変化はなく、増減値dは0hPaのままである。よって、この時点では実機値mと補正値cはどちらも同じ値(1012.0hPa)を示している。
飛行高度調節プログラムFAPは、オペレータの操縦端末91からの飛行高度変更指示が停止したときに(ホバリングを開始したときに)、そのときの補正値c(1012.0hPa)を維持高度kaとして維持高度記憶領域KSに記憶する。以降、飛行高度調節処理S4では、飛行高度調節プログラムFAPは、オペレータの操縦端末91やオートパイロット処理から飛行高度変更指示が与えられるまで、この維持高度kaを維持するように動作する。
その後、図4(b)に示すように、大気圧が1hPa下がり、基準器60の基準値vが1012.0hPaに、実機値mが1011.0hPaに下がった(マルチコプター11の実際の飛行高度は実機値mが1012.0hPaであったときと同じ10m)。
このとき、マルチコプター11は、増減値取得プログラムDPにより初期値i(1013.0hPa)と、そのときの現在値p(1012.0hPa)との増減値d(−1hPa)を算出する(現在値p−初期値i)(増減値取得処理S2)。そして、補正値取得プログラムCPにより、実機値m(1011.0hPa)に対して増減値d(−1hPa)を加減算(増減値dの符号を反転させた値を実機値mに加算)して補正値c(1012.0hPa)を算出する(補正値算出処理S3)。そして、補正値c(1012.0hPa)に基づいて飛行高度調節プログラムFAPによりマルチコプター11の飛行高度を調節する(飛行高度調節処理S4)。しかしこのとき、補正値c(1012.0hPa)は維持高度ka(1012.0hPa)と一致しているため、飛行高度調節プログラムFAPは、マルチコプター11の実際の飛行高度は変更せず、それまでの飛行高度を維持する。ここで、オペレータの操縦端末91やオートパイロット処理から飛行高度変更指示が別途与えられている場合には、飛行高度調節プログラムFAPは、この補正値c(1012.0hPa)を基準としてマルチコプター11の飛行高度を変更する。
本実施形態の補正値取得プログラムCPは、補正値cを算出するにあたり、実機値mに対して単純に増減値dを加減算しているが、補正値cの算出方法はこれには限られない。本発明の「実機値に対して増減値を加味する」とは、補正値cを算出するにあたり、気圧変化による実機値mの乱れを、増減値dを使った数学的手法により除去または軽減することをいう。また、本実施形態においては、各値(初期値i、現在値p、増減値d、実機値m、補正値c、および維持高度ka)を気圧値の形式で取得・演算しているが、これらの各値を気圧高度の形式に変換して取り扱うことも可能である。
このように、本実施形態における飛行高度補正システムS1は、マルチコプター11とは別に、大気圧の変化を検知するための基準器60を設けることにより、マルチコプター11の離陸時からの大気圧の変化を検知することが可能とされている。そして、マルチコプター11が認識する気圧値をこの大気圧の変化に基づいて調整することにより、同一高度における気圧値の増減を相殺し、マルチコプター11の飛行高度を一定に保つことが可能とされている。
<第2実施形態>
[全体構成]
以下に、本発明の第2実施形態について図面を用いて説明する。図5は、本発明の第2実施形態にかかる飛行高度補正システムS2の全体構成を示す模式図である。図6は、飛行高度補正システムS2の機能構成を示すブロック図である。なお、以下の説明では、先の実施形態と同一または同様の機能を有する構成については、先の実施形態と同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
[全体構成]
以下に、本発明の第2実施形態について図面を用いて説明する。図5は、本発明の第2実施形態にかかる飛行高度補正システムS2の全体構成を示す模式図である。図6は、飛行高度補正システムS2の機能構成を示すブロック図である。なお、以下の説明では、先の実施形態と同一または同様の機能を有する構成については、先の実施形態と同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
飛行高度補正システムS2は、無人航空機であるマルチコプター11、互いに距離を空けて地面に設置された2基の基準器60(A,B)、並びに、マルチコプター11およびこれら基準器60と通信可能なサーバ装置70により構成されている。
[マルチコプターの構成]
マルチコプター11の機体には、フライトコントローラ20、複数の回転翼であるローターR、サーバ装置70と無線通信を行う無線送受信器33、および、電力供給源であるバッテリー51が搭載されている。本実施形態における飛行制御プログラムFCPは、オートパイロット処理またはサーバ装置70の指示に従い、センサ等から取得した現在位置を基に各ローターRの回転数を調節し、機体の姿勢や位置の乱れを補正しながらマルチコプター11を飛行させる。また、マルチコプター11は、自機の緯度および経度である飛行座標を取得可能な飛行座標検出手段であるGPS受信器32を備えている。
マルチコプター11の機体には、フライトコントローラ20、複数の回転翼であるローターR、サーバ装置70と無線通信を行う無線送受信器33、および、電力供給源であるバッテリー51が搭載されている。本実施形態における飛行制御プログラムFCPは、オートパイロット処理またはサーバ装置70の指示に従い、センサ等から取得した現在位置を基に各ローターRの回転数を調節し、機体の姿勢や位置の乱れを補正しながらマルチコプター11を飛行させる。また、マルチコプター11は、自機の緯度および経度である飛行座標を取得可能な飛行座標検出手段であるGPS受信器32を備えている。
[基準器の構成]
複数の基準器60は、それぞれ気圧センサ61と無線送受信器62とを備えており、その配置された場所における気圧値を検知してこれを発信するビーコンである。基準器60は、取得した気圧値を3G/HSPA(High Speed Packet Access)、LTE(Long Term Evolution)、またはWimax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)などの移動体通信網によりインターネットを介してサーバ装置70に送信する。サーバ装置と基準器60との通信方式は特に限定されず、上記移動体通信網のほか、利用可能であるなら、Wi−Fiや第1実施形態のBLEなどの近距離無線通信、光通信網を使ったFTTH(Fiber To The Home)、または公衆交換電話網を使ったADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)などで気圧値を送信してもよい。
複数の基準器60は、それぞれ気圧センサ61と無線送受信器62とを備えており、その配置された場所における気圧値を検知してこれを発信するビーコンである。基準器60は、取得した気圧値を3G/HSPA(High Speed Packet Access)、LTE(Long Term Evolution)、またはWimax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)などの移動体通信網によりインターネットを介してサーバ装置70に送信する。サーバ装置と基準器60との通信方式は特に限定されず、上記移動体通信網のほか、利用可能であるなら、Wi−Fiや第1実施形態のBLEなどの近距離無線通信、光通信網を使ったFTTH(Fiber To The Home)、または公衆交換電話網を使ったADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)などで気圧値を送信してもよい。
本実施形態における基準器60は、検知した気圧値を例えば数秒〜数十秒に一回のサイクルでサーバ装置70へ送信する構成とされている。その他、例えば、サーバ装置70に前回送信した気圧値を基準器60が記憶可能であり、その値に対して所定の閾値以上の変化が生じた場合にのみ新たな気圧値を送信する構成としてもよい。または、サーバ装置70から送信指示があったときにだけ気圧値を送信する構成としてもよい。さらに、検知した気圧値を国際標準大気などに基づいて気圧高度に変換したうえでサーバ装置70に送信してもよい。
[サーバ装置の構成]
サーバ装置70は、中央処理装置であるCPU71と、主記憶装置であるRAM、補助記憶装置であるHDDなどからなるメモリ22と、を備えた汎用コンピュータである。
サーバ装置70は、中央処理装置であるCPU71と、主記憶装置であるRAM、補助記憶装置であるHDDなどからなるメモリ22と、を備えた汎用コンピュータである。
[飛行高度補正機能および方法]
図6に示すように、サーバ装置70は、そのメモリ72に、各基準器60の設置位置の緯度および経度が予め記憶された設置座標記憶領域LS(設置座標記憶手段)を有している。サーバ装置70は、マルチコプター11のGPS受信器32が検知した飛行座標を取得し、マルチコプター11と各基準器60との距離を特定することができる。また、サーバ装置70は、各基準器60の気圧センサ61が検知した気圧値である基準値vを記憶する基準値記憶領域VS(基準値記憶手段)を有している。本実施形態の基準値記憶領域VSには、基準値vとともに、その基準値vの取得時刻、および、その基準値vを検知した基準器60の個体識別情報が蓄積される。
図6に示すように、サーバ装置70は、そのメモリ72に、各基準器60の設置位置の緯度および経度が予め記憶された設置座標記憶領域LS(設置座標記憶手段)を有している。サーバ装置70は、マルチコプター11のGPS受信器32が検知した飛行座標を取得し、マルチコプター11と各基準器60との距離を特定することができる。また、サーバ装置70は、各基準器60の気圧センサ61が検知した気圧値である基準値vを記憶する基準値記憶領域VS(基準値記憶手段)を有している。本実施形態の基準値記憶領域VSには、基準値vとともに、その基準値vの取得時刻、および、その基準値vを検知した基準器60の個体識別情報が蓄積される。
同メモリ72にはさらに、増減値取得プログラムDP(増減値取得手段)が記憶されている。増減値取得プログラムDPは、マルチコプター11の離陸時刻における各基準器60の基準値vである初期値iを基準値記憶領域VSから取得し、これら初期値iと、各基準器60の現在の基準値vである現在値pとを比較して、これらの値の差である増減値dを基準器60ごとに算出する。本実施形態における増減値取得プログラムDPはさらに、各基準器60とマルチコプター11との距離に応じてこれら増減値dを加重平均した値である調整増減値adを算出する。
マルチコプター11の飛行制御プログラムFCPは、マルチコプター11の飛行高度を管理するサブプログラムとして、飛行高度調節プログラムFAP(飛行高度調節手段)を有している。さらに飛行高度調節プログラムFAPは、そのサブプログラムとして、補正値取得プログラムCP(補正値取得手段)を有している。補正値取得プログラムCPは、マルチコプター11の気圧センサ311が検知した気圧値である実機値mに対して、調整増減値adを加減算した値である補正値cを算出する。つまり、補正値cは、マルチコプター11の離陸以降に生じた大気圧の変化を相殺した実機値mである。すなわち、マルチコプター11の離陸時点における大気圧を基準としたマルチコプター11の現在の気圧高度である。
飛行高度調節プログラムFAPは、補正値取得プログラムCPが算出した補正値cに基づいてマルチコプター11の飛行高度を調節する。ここで、マルチコプター11のメモリ22は、マルチコプター11が到達および維持すべき気圧値である維持高度khが記憶された維持高度記憶領域KSを有している。この維持高度記憶領域KSには、維持高度khとして、オートパイロットの飛行経路上のその地点における指定高度を気圧値に変換した値、または、サーバ装置70からインタラクティブに指示された高度を気圧値に変換した値が記憶されている。飛行高度調節プログラムFAPは、飛行制御プログラムFCPと協働し、マルチコプター11の補正値cが維持高度khと一致するようにマルチコプター11の飛行高度を制御する。
以下に、図7を参照し、飛行高度補正システムS2を用いたマルチコプター11の飛行高度補正方法について説明する。図7はマルチコプター11の飛行高度補正方法の手順を示すフローチャートである。本実施形態における飛行高度補正方法は、大きく、離陸処理S0、基準値取得処理S1、調整増減値取得処理S2、補正値算出処理S3、および飛行高度調節処理S4からなる。
離陸処理S0では、オートパイロット処理またはサーバ装置70からの指示によりマルチコプター11が発着ポートから離陸する。基準値取得処理S1では、サーバ装置70が各基準器60から基準値vを取得し、それら基準値vとともに、その取得時刻、その基準値vを検知した基準器60の個体識別情報を基準値記憶領域VSに蓄積する。増減値取得処理S2では、サーバ装置70の増減値取得プログラムDPが、マルチコプター11の離陸時刻における各基準器60の基準値vである初期値iと、各基準器60の現在の気圧値である現在値pとを取得し、これら初期値iと現在値pとの差である増減値dを基準器60ごとに算出する。さらに、増減値取得プログラムDPは、マルチコプター11から現在の飛行座標を取得し、各基準器60とマルチコプター11との距離に応じてこれら増減値dを加重平均した値である調整増減値adを算出する。補正値算出処理S3では、マルチコプター11の補正値取得プログラムCPが、サーバ装置70から調整増減値adを取得し、実機値mに対して調整増減値adを加減算した値である補正値cを算出する。飛行高度調節処理S4では、マルチコプター11の飛行高度調節プログラムFAPが、補正値cに基づいてマルチコプター11の飛行高度を調節する。このとき、飛行高度調節プログラムFAPは、飛行制御プログラムFCPと協働し、補正値取得プログラムCPが算出した補正値cが維持高度khと一致するようにマルチコプター11の飛行高度を制御する。マルチコプター11は、離陸後、着陸するまでこれら基準値取得処理S1〜飛行高度調節処理S4を繰り返す。
以下に、図8〜図10を参照してマルチコプター11の飛行高度補正方法について説明する。図8および図9は調整増減値の算出方法を説明する図であり、図8は、基準器が2基設置されている場合の例、図9は、基準器が3基設置されている場合の例である。
図8の例では、2基の基準器A,Bがマルチコプターの飛行座標近傍に設置されている。これら2基の基準器A,Bを結ぶ直線に対してマルチコプターの飛行座標からおろした垂線の交点Dは、基準器Aからの距離laと基準器Bからの距離lbの比が1:2となる位置にある。これら基準器A,Bの増減値A,Bは、増減値Aが−0.6hPa、増減値Bが0.6hPaである。このとき、これら増減値A,Bの加重平均である調整増減値DABは、次式を用いて算出される。
以下は、上記数式1に本例の具体値を代入した例である。
DAB=−0.2=−0.6(2/3)+0.6(1/3)
本例では、上記数式1により、調整増減値DABとして−0.2hPaが導出される。
DAB=−0.2=−0.6(2/3)+0.6(1/3)
本例では、上記数式1により、調整増減値DABとして−0.2hPaが導出される。
図9の例では、3基の基準器A,B,Cがマルチコプターの飛行座標近傍に設置されている。なお、これら3つの基準器A,B,Cは、マルチコプターを囲むように配置されている必要がある。これら3基の基準器A,B,Cを互いに結ぶ各直線に対して、マルチコプターの飛行座標からおろした各垂線の交点であるDAB,DBc,DAcの調整増減値DAB,DBc,DAcは、調整増減値DABが0.6hPa、調整増減値DBcが0.3hPa、調整増減値DAcが−0.3hPaである。尚、これら各調整増減値DAB,DBc,DAcは、上記数式1により算出されたものである。また、各交点DAB,DBc,DAcからマルチコプターまでの距離l1,l2,l3の比は、3:1:1.5である。このとき、これら調整増減値DAB,DBc,DAcの加重平均である調整増減値DABcは、次式を用いて算出される。
以下は、上記数式2に本例の具体値を代入した例である。
DABc=0.15=(0.6+0.9−0.6)/(1+3+2)
本例では、上記数式2により、調整増減値DABcとして0.15hPaが導出される。このように、基準器が3基となる場合には、それら各基準器の組み合わせごとの調整増減値を求め、それら各調整増減値を増減値とみなしてさらに調整増減値を求めることで、本例の調整増減値が導出される。
DABc=0.15=(0.6+0.9−0.6)/(1+3+2)
本例では、上記数式2により、調整増減値DABcとして0.15hPaが導出される。このように、基準器が3基となる場合には、それら各基準器の組み合わせごとの調整増減値を求め、それら各調整増減値を増減値とみなしてさらに調整増減値を求めることで、本例の調整増減値が導出される。
本実施形態においては、基地局60は2基であるため、増減値取得プログラムDPは上記数式1を用いて調整増減値adを算出する。尚、調整増減値adを算出する方法は上記数式1および数式2には限定されない。本発明の「増減値を均す」とは、調整増減値adの増減と実際の大気圧の変化との誤差ができるだけ小さくなるように、複数の基地局60の増減値dから一の増減値(調整増減値ad)を求めることをいい、例えば単純平均や、より複雑な回帰計算、その他の数学的手法を用いることができる。
以下に、具体値を用いてマルチコプター11の飛行高度補正方法について説明する。図10は、飛行高度補正システムS2によりマルチコプター11の飛行高度が維持される様子を示す説明図である。図10(a)では、マルチコプター11は、オートパイロット処理またはサーバ装置70により維持高度ka(1012hPa(10m))が設定され、発着ポートから離陸する(離陸処理S0)。このとき、各基準器60の気圧センサ61が検知した気圧値である基準値vは、どちらも1013.0hPaであった。サーバ装置70はマルチコプター11の離陸時における基準値vを、その取得時刻、および各基準器60の個体識別情報とともに基準値記憶領域VSに蓄積する(基準値取得処理S1)。
マルチコプター11はそのまま10m上昇し、その位置でホバリングを開始する。このとき、マルチコプター11の実機値mは1012.0hPaであった。また、マルチコプター11が離陸してからホバリングを開始するまでの間に大気圧の変化は生じておらず、このときの各基準器60の現在値pは、どちらもマルチコプター11の離陸時刻における基準値v(初期値i)と同じ1013.0hPaのままであった。
サーバ装置70の増減値取得プログラムDPは、マルチコプター11の離陸後、各基準器60について、初期値i(1013.0hPa,1013.0hPa)と、そのときの現在値p(1013.0hPa,1013.0hPa)との差(現在値p−初期値i)である増減値d(0hPa,0hPa)を算出し、さらに、マルチコプター11から現在の飛行座標を取得し、上記数式1によりこれら増減値dの調整増減値ad(0hPa)を算出する(増減値取得処理S2)。
マルチコプター11の補正値取得プログラムCPは、この調整増減値ad(0hPa)をサーバ装置70から取得し、実機値m(1012.0hPa)に調整増減値ad(0hPa)を加算した値である補正値c(1012.0hPa)を算出する(補正値算出処理S3)。そして、飛行高度調節プログラムFAPは、補正値c(1012.0hPa)が維持高度kaと一致するようにマルチコプター11の飛行高度を調節する(飛行高度調節処理S4)。飛行高度補正システムS2は、これら基準値取得処理S1〜飛行高度調節処理S4を繰り返しながらマルチコプター11を飛行させる。しかし、マルチコプター11が離陸してからこれまでに大気圧の変化はなく、調整増減値adは0hPaのままである。よって、この時点では実機値mと補正値cはどちらも同じ値(1012.0hPa)である。
その後、図10(b)に示すように、大気圧が変化し、各基準器60の基準値vがそれぞれ1012.4hPaと1013.6hPaに、実機値mが1011.8hPaに変化した(マルチコプター11の実際の飛行高度は、実機値mが1012.0hPaであったときと同じ10m)。
サーバ装置70は、増減値取得プログラムDPにより、各基準器60の初期値i(1013.0hPa,1013.0hPa)と、気圧変化後の現在値p(1012.4hPa,1013.6hPa)との増減値d(−0.6hPa,0.6hPa)を算出(現在値p−初期値i)し、さらに上記数式1によりこれら増減値dの調整増減値ad(−0.2hPa)を算出する(増減値取得処理S2)。
マルチコプター11の補正値取得プログラムCPは、この調整増減値ad(−0.2hPa)をサーバ装置70から取得し、実機値m(1011.8hPa)に対してこの調整増減値ad(−0.2hPa)を加減算(調整増減値adの符号を反転させた値を実機値mに加算)した値である補正値c(1012.0hPa)を算出する(補正値算出処理S3)。そして、飛行高度調節プログラムFAPは、この補正値c(1012.0hPa)を基準としてマルチコプター11の飛行高度を調節する(飛行高度調節処理S4)。しかしこのとき、補正値c(1012.0hPa)は維持高度ka(1012.0hPa)と一致しているため、飛行高度調節プログラムFAPは、マルチコプター11の実際の飛行高度は変更せず、それまでの飛行高度を維持する。ここで、サーバ装置70やオートパイロット処理から飛行高度変更指示が別途与えられている場合(維持高度kaが更新されたとき)には、飛行高度調節プログラムFAPは、補正値c(1012.0hPa)を基準としてマルチコプター11の飛行高度を変更する。
尚、本実施形態においては、各値(初期値i、現在値p、増減値d、調整増減値ad、実機値m、補正値c、および維持高度ka)を気圧値の形式で取得・演算しているが、これらの各値を気圧高度の形式に変換して取り扱うことも可能である。
このように、本実施形態における飛行高度補正システムS2は、各基準器60とマルチコプター11との間に、これらと通信可能なサーバ装置70を設け、サーバ装置70が各基準器60の増減値dを収集して調整増減値adを算出し、マルチコプター11はサーバ装置70から取得した調整増減値adに基づいてその飛行高度を制御する構成とされていることにより、サーバ装置70を中心として飛行高度補正システムS2を一元的に管理することが可能とされている。またこれにより、各基準器60とマルチコプター11が備える機能が最小限に抑えられており、システムの規模や数の拡張が容易となっている。さらに、増減値取得プログラムDPが調整増減値adを算出するときに、各基準器60とマルチコプター11との距離に応じて各増減値dに重みづけを行うことにより、実際の大気圧の変化と調整増減値adとをより正確に一致させることが可能とされている。
また、マルチコプター11の発着ポートと、そこから遠く離れた場所とでは、互いに大気圧の変化条件が異なっている。そのため、マルチコプター11が基準器60から遠ざかるにつれて、実際にマルチコプター11が飛行しているエリアの増減値dと、基準器60が設置されたエリアの増減値dとに違いが生じ、マルチコプター11の飛行高度に乱れが生じるおそれがある。飛行高度補正システムS2では、基準器60が適当な間隔で複数設置されており、これら各基準器60の増減値dを加重平均した調整増減値adに基づいてマルチコプター11の実機値mを調整することにより、マルチコプター11の飛行高度の乱れを広範なエリアにわたって抑えることが可能とされている。
尚、本実施形態では、基準器60は2基だけであり、サーバ装置70は常にこれら2基の増減値dから調整増減値adを算出する。しかし、例えば、広大なエリアに多数の基準器60が分散配置されているときや、一部の基準器60がマルチコプター11から著しく離れた場所に設置されているようなときには、必ずしも設置した基準器60のすべてを参酌しなくてもよい。この場合、例えばサーバ装置70がマルチコプター11の飛行座標を取得してその直近の2〜3基の基準器60を特定し、これら直近の基準器60の増減値dのみから調整増減値adを算出する構成としてもよい。
<第3実施形態>
[全体構成]
図11は、第3実施形態にかかる飛行高度補正システムS3の全体構成を示す模式図である。図12は、飛行高度補正システムS3の機能構成を示すブロック図である。尚、以下の説明では、先の実施形態と同一または同様の機能を有する構成については、先の実施形態と同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。また、飛行高度補正システムS3のマルチコプター11、基準器60、および操縦端末91の基本的な構成は第1実施形態の飛行高度補正システムS1と同様である。
[全体構成]
図11は、第3実施形態にかかる飛行高度補正システムS3の全体構成を示す模式図である。図12は、飛行高度補正システムS3の機能構成を示すブロック図である。尚、以下の説明では、先の実施形態と同一または同様の機能を有する構成については、先の実施形態と同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。また、飛行高度補正システムS3のマルチコプター11、基準器60、および操縦端末91の基本的な構成は第1実施形態の飛行高度補正システムS1と同様である。
[飛行高度補正機能および方法]
図12に示すように、マルチコプター11は、基準器60の設置位置における標高である標高値aを記憶する標高値記憶領域ES(標高値記憶手段)を有している。
図12に示すように、マルチコプター11は、基準器60の設置位置における標高である標高値aを記憶する標高値記憶領域ES(標高値記憶手段)を有している。
マルチコプター11の飛行制御プログラムFCPは、マルチコプター11の飛行高度を管理するサブプログラムとして、飛行高度調節プログラムFAP(飛行高度調節手段)を有している。さらに飛行高度調節プログラムFAPは、そのサブプログラムとして、高度誤差取得プログラムEP(高度誤差取得手段)、および、補正値取得プログラムCP(補正値取得手段)を有している。高度誤差取得プログラムEPは、基準器60の標高値aと、基準器60の気圧センサ61が検知した気圧値を気圧高度に変換した値である現在値pとを比較して、これらの値の差である高度誤差eを算出する。補正値取得プログラムCPは、マルチコプター11の気圧センサ311が検知した気圧値を気圧高度に変換した値である実機値mに対して、高度誤差eを加減算した値である補正値cを算出する。つまり、補正値cは、実際の高度(以下、このような高度を「真高度」ともいう。)と気圧高度との誤差を相殺した実機値mである。すなわち、真高度を基準としたマルチコプター11の現在の飛行高度である。
飛行高度調節プログラムFAPは、補正値取得プログラムCPが算出した補正値cに基づいてマルチコプター11の飛行高度を調節する。ここで、飛行高度調節プログラムFAPは、マルチコプター11が到達および維持すべき飛行高度である維持高度khが記憶される維持高度記憶領域KSを有している。この維持高度記憶領域KSには、維持高度khとして、オペレータの操縦端末91からの飛行高度変更指示が停止したときの補正値cが記憶される。または、マルチコプター11をオートパイロットで飛行させる場合には、その地点における予め指定された飛行高度が記憶される。飛行高度調節プログラムFAPは、飛行制御プログラムFCPと協働し、マルチコプター11の補正値cが維持高度khと一致するようにマルチコプター11の飛行高度を制御する。
以下に、図13を参照し、飛行高度補正システムS3を用いたマルチコプター11の飛行高度補正方法について説明する。図13はマルチコプター11の飛行高度補正方法の手順を示すフローチャートである。飛行高度補正システムS3を用いたマルチコプター11の飛行高度補正方法は、大きく、離陸処理S1、高度誤差取得処理S2、補正値算出処理S3、および飛行高度調節処理S4からなる。
離陸処理S1では、マルチコプター11がオペレータの操縦端末91からの指示、またはオートパイロット処理により発着ポートから離陸する。高度誤差取得処理S2では、高度誤差取得プログラムEPが、基準器60から現在値pを取得し、標高値aと現在値pとの差である高度誤差eを算出する。補正値算出処理S3では、補正値取得プログラムCPが、実機値mに対して高度誤差eを加減算した値である補正値cを算出する。飛行高度調節処理S4では、飛行高度調節プログラムFAPが、補正値cに基づいてマルチコプター11の飛行高度を調節する。このとき、オペレータの操縦端末91やオートパイロット処理から、マルチコプター11の飛行高度変更指示が与えられている場合には、飛行高度調節プログラムFAPは、その指示に従い、補正値cを現在の飛行高度としてマルチコプター11の飛行高度を変更する。飛行高度調節プログラムFAPはさらに、操縦端末91からの飛行高度変更指示が停止したときには、そのときの補正値cを維持高度kaとして維持高度記憶領域KSを更新する。尚、オートパイロット処理からの飛行高度変更指示とは、飛行高度調節プログラムFAPが、その地点における予め指定された飛行高度を、維持高度記憶領域KSに維持高度kaとして設定し、その維持高度kaに到達およびこれを維持するようにマルチコプター11の飛行高度を調節することをいう。マルチコプター11は、離陸後、着陸するまでこれら高度誤差取得処理S2〜飛行高度調節処理S4を繰り返す。
以下に、図14を参照し、具体値を用いてマルチコプター11の飛行高度補正方法について説明する。図14は、飛行高度補正システムS3によりマルチコプター11の飛行高度が維持される様子を示す説明図である。図14(a)に示すように、基準器60の気圧センサ61が検知した気圧値を気圧高度に変換した値である基準値vは、マルチコプター11の離陸時において0mであった(離陸処理S1)。
そしてこの例では、オペレータはマルチコプター11をそのまま手動で10m上昇させ、その位置で自律的にホバリングするようマルチコプター11に指示をした(オペレータの操縦端末91からの指示を停止した)。このとき、マルチコプター11の気圧センサ311が検知した実機値mは10mであった。また、マルチコプター11が離陸してからホバリングを開始するまでの間に大気圧の変化は生じておらず、このときの基準器60の基準値vである現在値pは、標高値aと同じ0mのままであった。
マルチコプター11は、離陸後、高度誤差取得プログラムEPにより、標高値a(0m)と、そのときの現在値p(0m)との差(現在値p−標高値a)である高度誤差e(0m)を算出し(高度誤差取得処理S2)、補正値取得プログラムCPにより、実機値m(10m)に対して高度誤差e(0m)を加算した値である補正値c(10m)を算出する(補正値算出処理S3)。そして、飛行高度調節プログラムFAPにより、補正値c(10m)を基準としてマルチコプター11の飛行高度を調節する(飛行高度調節処理S4)。マルチコプター11は、これら高度誤差取得処理S2〜飛行高度調節処理S4を繰り返しながら飛行する。しかし、マルチコプター11が離陸してからこれまでに大気圧の変化はなく、高度誤差eは0mのままである。よって、この時点では実機値mと補正値cはどちらも同じ値(10m)を示している。
飛行高度調節プログラムFAPは、オペレータの操縦端末91からの飛行高度変更指示が停止したときに(ホバリングを開始したときに)、そのときの補正値c(10m)を維持高度kaとして維持高度記憶領域KSに記憶する。以降、飛行高度調節処理S4では、飛行高度調節プログラムFAPは、オペレータの操縦端末91やオートパイロット処理から飛行高度変更指示が与えられるまで、この維持高度kaを維持するように動作する。
その後、図4(b)に示すように、大気圧が1hPa下がり、基準器60の現在値pが10mに、実機値mが20mに上がった(マルチコプター11の実際の飛行高度は実機値mが10mであったときと同じ10m)。
このとき、マルチコプター11は、高度誤差取得プログラムEPにより標高値a(0m)と、そのときの現在値p(10m)との高度誤差e(10m)を算出する(現在値p−標高値a)(高度誤差取得処理S2)。そして、補正値取得プログラムCPにより、実機値m(20m)に対して高度誤差e(10m)を加減算(高度誤差eの符号を反転させた値を実機値mに加算)して補正値c(10m)を算出する(補正値算出処理S3)。そして、補正値c(10m)に基づいて飛行高度調節プログラムFAPによりマルチコプター11の飛行高度を調節する(飛行高度調節処理S4)。しかしこのとき、補正値c(10m)は維持高度ka(10m)と一致しているため、飛行高度調節プログラムFAPは、マルチコプター11の実際の飛行高度は変更せず、それまでの飛行高度を維持する。ここで、オペレータの操縦端末91やオートパイロット処理から飛行高度変更指示が別途与えられている場合には、飛行高度調節プログラムFAPは、この補正値c(10m)を基準としてマルチコプター11の飛行高度を変更する。
本実施形態の補正値取得プログラムCPは、補正値cを算出するにあたり、実機値mに対して単純に高度誤差eを加減算しているが、補正値cの算出方法はこれには限られない。本発明の「実機値に対して高度誤差を加味する」とは、補正値cを算出するにあたり、気圧変化による実機値mの乱れを、高度誤差eを使った数学的手法により除去または軽減することをいう。また、本実施形態においては、各値(標高値a、基準値v、現在値p、高度誤差e、実機値m、補正値c、および維持高度ka)を気圧高度の形式で取得・演算しているが、これらの各値を気圧値の形式で取り扱うことも可能である。
このように、本実施形態における飛行高度補正システムS3は、マルチコプター11とは別に、真高度と気圧高度との誤差である高度誤差eを検知するための基準器60を設け、マルチコプター11の実機値mをこの高度誤差eに基づいて調整することにより、マルチコプター11の真高度と実機値mとの誤差を解消させることができる。そして、これにより、マルチコプター11の飛行高度を真高度に基づいて一定に保つことが可能となる。先の実施形態における増減値dを使用した飛行高度の補正は、あくまで離陸時の大気圧に対する相対的かつ経時的な気圧変化を相殺することを目的としたものであり、真高度を基準としてマルチコプター11を一定の飛行高度に維持するためには、真高度を認識するための仕組みを別途備える必要がある。本実施形態では、基準器60の設置位置における標高(真高度)を予め標高値記憶領域ESに登録しておくことにより、先の実施形態の構成と同様の仕組みで、かつ、真高度を基準としてマルチコプター11を一定の飛行高度に保つことが可能とされている。
<第4実施形態>
[全体構成]
以下に、本発明の第4実施形態について図面を用いて説明する。図15は、本発明の第4実施形態にかかる飛行高度補正システムS4の全体構成を示す模式図である。図16は、飛行高度補正システムS4の機能構成を示すブロック図である。なお、以下の説明では、先の実施形態と同一または同様の機能を有する構成については、先の実施形態と同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。また、飛行高度補正システムS4のマルチコプター11、基準器60、およびサーバ装置70の基本的な構成は第2実施形態の飛行高度補正システムS2と同様である。
[全体構成]
以下に、本発明の第4実施形態について図面を用いて説明する。図15は、本発明の第4実施形態にかかる飛行高度補正システムS4の全体構成を示す模式図である。図16は、飛行高度補正システムS4の機能構成を示すブロック図である。なお、以下の説明では、先の実施形態と同一または同様の機能を有する構成については、先の実施形態と同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。また、飛行高度補正システムS4のマルチコプター11、基準器60、およびサーバ装置70の基本的な構成は第2実施形態の飛行高度補正システムS2と同様である。
本実施形態の基準器60は、その気圧センサ61で検知した気圧値を国際標準大気などに基づいて気圧高度に変換し、変換後の気圧高度を基準値vとしてサーバ装置70に送信する。
[飛行高度補正機能および方法]
図16に示すように、サーバ装置70は、そのメモリ72に、各基準器60の設置位置の緯度および経度が予め記憶された設置座標記憶領域LS(設置座標記憶手段)を有している。サーバ装置70は、マルチコプター11のGPS受信器32が検知した飛行座標を取得し、マルチコプター11と各基準器60との距離を特定することができる。また、同メモリ72は、各基準器60の設置位置における標高である標高値aが予め記憶された標高値記憶領域ES(標高値記憶手段)を有している。
図16に示すように、サーバ装置70は、そのメモリ72に、各基準器60の設置位置の緯度および経度が予め記憶された設置座標記憶領域LS(設置座標記憶手段)を有している。サーバ装置70は、マルチコプター11のGPS受信器32が検知した飛行座標を取得し、マルチコプター11と各基準器60との距離を特定することができる。また、同メモリ72は、各基準器60の設置位置における標高である標高値aが予め記憶された標高値記憶領域ES(標高値記憶手段)を有している。
同メモリ72にはさらに、高度誤差取得プログラムEP(高度誤差取得手段)が記憶されている。高度誤差取得プログラムEPは、各基準器60の標高値aと、基準器60の現在の基準値vである現在値pとを比較して、これらの値の差である高度誤差eを算出する。本実施形態における高度誤差取得プログラムEPはさらに、各基準器60とマルチコプター11との距離に応じてこれら高度誤差eを加重平均した値である調整高度誤差aeを算出する。尚、調整高度誤差aeの算出方法は第2実施形態における調整増減値adの算出方法と同様である。本実施形態においては、基地局60は2基であるため、高度誤差取得プログラムEPは上記数式1を用いて調整高度誤差aeを算出する。尚、調整高度誤差aeを算出する方法は上記数式1および数式2には限定されない。本発明の「高度誤差を均す」とは、調整高度誤差aeの増減と実際の大気圧の変化との誤差ができるだけ小さくなるように、複数の基地局60の高度誤差eから一の高度誤差(調整高度誤差ae)を求めることをいい、例えば単純平均や、より複雑な回帰計算、その他の数学的手法を用いることができる。
マルチコプター11の飛行制御プログラムFCPは、マルチコプター11の飛行高度を管理するサブプログラムとして、飛行高度調節プログラムFAP(飛行高度調節手段)を有している。さらに飛行高度調節プログラムFAPは、そのサブプログラムとして、補正値取得プログラムCP(補正値取得手段)を有している。補正値取得プログラムCPは、マルチコプター11の気圧センサ311が検知した気圧値を気圧高度に変換した値である実機値mに対して、調整高度誤差aeを加減算し、補正値cを算出する。つまり、補正値cは、実際の高度(以下、このような高度を「真高度」ともいう。)と気圧高度との誤差を相殺した実機値mである。すなわち、真高度を基準としたマルチコプター11の現在の飛行高度である。
飛行高度調節プログラムFAPは、補正値取得プログラムCPが算出した補正値cに基づいてマルチコプター11の飛行高度を調節する。ここで、マルチコプター11のメモリ22は、マルチコプター11が到達および維持すべき気圧高度である維持高度khが記憶された維持高度記憶領域KSを有している。この維持高度記憶領域KSには、維持高度khとして、オートパイロットの飛行経路上のその地点における指定高度、または、サーバ装置70からインタラクティブに指示された高度が記憶されている。飛行高度調節プログラムFAPは、飛行制御プログラムFCPと協働し、マルチコプター11の補正値cが維持高度khと一致するようにマルチコプター11の飛行高度を制御する。
以下に、図17を参照し、飛行高度補正システムS4を用いたマルチコプター11の飛行高度補正方法について説明する。図17はマルチコプター11の飛行高度補正方法の手順を示すフローチャートである。本実施形態における飛行高度補正方法は、大きく、離陸処理S1、調整高度誤差取得処理S2、補正値算出処理S3、および飛行高度調節処理S4からなる。
離陸処理S1では、オートパイロット処理またはサーバ装置70からの指示によりマルチコプター11が発着ポートから離陸する。増減値取得処理S2では、サーバ装置70の高度誤差取得プログラムEPが、各基準器60の現在値pを取得し、これら現在値pと標高値aとの差である高度誤差eを算出する。さらに、高度誤差取得プログラムEPは、マルチコプター11から現在の飛行座標を取得し、各基準器60とマルチコプター11との距離に応じてこれら高度誤差eを加重平均した値である調整高度誤差aeを算出する。補正値算出処理S3では、マルチコプター11の補正値取得プログラムCPが、サーバ装置70から調整高度誤差aeを取得し、実機値mに対して調整高度誤差aeを加減算した値である補正値cを算出する。飛行高度調節処理S4では、マルチコプター11の飛行高度調節プログラムFAPが、補正値cに基づいてマルチコプター11の飛行高度を調節する。このとき、飛行高度調節プログラムFAPは、飛行制御プログラムFCPと協働し、補正値取得プログラムCPが算出した補正値cが維持高度khと一致するようにマルチコプター11の飛行高度を制御する。マルチコプター11は、離陸後、着陸するまでこれら増減値取得処理S2〜飛行高度調節処理S4を繰り返す。
以下に、具体値を用いてマルチコプター11の飛行高度補正方法について説明する。図18は、飛行高度補正システムS4によりマルチコプター11の飛行高度が維持される様子を示す説明図である。図18(a)では、マルチコプター11は、オートパイロット処理またはサーバ装置70により維持高度kaが10mに設定され、発着ポートから離陸する(離陸処理S1)。
マルチコプター11はそのまま10m上昇し、その位置でホバリングを開始する。マルチコプター11が離陸してからホバリングを開始するまでの間に大気圧の変化は生じておらず、このときの各基準器60の現在値pは、どちらも標高値aと同じ0mであった。
サーバ装置70の高度誤差取得プログラムEPは、マルチコプター11の離陸後、各基準器60について、標高値a(0m,0m)と、そのときの現在値p(0m,0m)との差(現在値p−標高値a)である高度誤差e(0m,0m)を算出し、さらに、マルチコプター11から現在の飛行座標を取得し、上記数式1によりこれら高度誤差eの調整高度誤差ae(0m)を算出する(高度誤差取得処理S2)。
マルチコプター11の補正値取得プログラムCPは、この調整高度誤差ae(0m)をサーバ装置70から取得し、実機値m(10m)に調整増減値ad(0m)を加算した値である補正値c(10m)を算出する(補正値算出処理S3)。そして、飛行高度調節プログラムFAPは、補正値c(10m)が維持高度kaと一致するようにマルチコプター11の飛行高度を調節する(飛行高度調節処理S4)。飛行高度補正システムS4は、これら高度誤差取得処理S2〜飛行高度調節処理S4を繰り返しながらマルチコプター11を飛行させる。しかし、マルチコプター11が離陸してからこれまでに大気圧の変化はなく、調整高度誤差aeは0mのままである。よって、この時点では実機値mと補正値cはどちらも同じ値(10m)である。
その後、図18(b)に示すように、大気圧が変化し、各基準器60の基準値vがそれぞれ0.6mと−0.6mに、実機値mが10.2mに変化した(マルチコプター11の実際の飛行高度は10mのまま)。
サーバ装置70は、高度誤差取得プログラムEPにより、各基準器60の標高値a(0m,0m)と、気圧変化後の現在値p(0.6m,−0.6m)との高度誤差e(0.6m,−0.6m)を算出(現在値p−初期値i)し、さらに上記数式1によりこれら増減値dの調整高度誤差ae(0.2m)を算出する(高度誤差取得処理S2)。
マルチコプター11の補正値取得プログラムCPは、この調整高度誤差ae(0.2m)をサーバ装置70から取得し、実機値m(10.2m)に対してこの調整高度誤差ae(0.2m)を加減算(調整高度誤差aeの符号を反転させた値を実機値mに加算)した値である補正値c(10m)を算出する(補正値算出処理S3)。そして、飛行高度調節プログラムFAPは、この補正値c(10m)を基準としてマルチコプター11の飛行高度を調節する(飛行高度調節処理S4)。しかしこのとき、補正値c(10m)は維持高度ka(10m)と一致しているため、飛行高度調節プログラムFAPは、マルチコプター11の実際の飛行高度は変更せず、それまでの飛行高度を維持する。ここで、サーバ装置70やオートパイロット処理から飛行高度変更指示が別途与えられている場合(維持高度kaが更新されたとき)には、飛行高度調節プログラムFAPは、補正値c(10m)を基準としてマルチコプター11の飛行高度を変更する。
尚、本実施形態においては、各値(標高値a、基準値v、現在値p、高度誤差e、調整高度誤差ae、実機値m、補正値c、および維持高度ka)を気圧高度の形式で取得・演算しているが、これらの各値を気圧値の形式で取り扱うことも可能である。
本実施形態において、整高度誤差aeの算出に標高値aを用いる効果は第3実施形態と同様である。サーバ装置70を介在させる効果、複数の基準器60を用いる効果、調整高度誤差aeを算出する際に、各基準器60とマルチコプター11との距離に応じて各高度誤差eに重みづけを行う効果は第2実施形態と同様である。
尚、本実施形態では、基準器60は2基だけであり、サーバ装置70は常にこれら2基の高度誤差eから調整高度誤差aeを算出する。しかし、例えば、広大なエリアに多数の基準器60が分散配置されているときや、一部の基準器60がマルチコプター11から著しく離れた場所に設置されているようなときには、必ずしも設置した基準器60のすべてを参酌しなくてもよい。この場合、例えばサーバ装置70がマルチコプター11の飛行座標を取得してその直近の2〜3基の基準器60を特定し、これら直近の基準器60の高度誤差eのみから調整高度誤差aeを算出する構成としてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
S1〜4 飛行高度補正システム
11 マルチコプター(無人航空機)
FC フライトコントローラ
R ローター(回転翼)
33 無線送受信器
311 気圧センサ
32 GPS受信器(飛行座標検出手段)
22 メモリ
FCP 飛行制御プログラム
FAP 飛行高度調節プログラム(飛行高度調節手段)
DP 増減値取得プログラム(増減値取得手段)
CP 補正値取得プログラム(補正値取得手段)
VS 基準値記憶領域(基準値記憶手段)
LS 設置在表記憶領域(設置座標記憶手段)
ES 標高値記憶領域(標高値記憶手段)
EP 高度誤差取得プログラム(高度誤差取得手段)
60 基準器
61 気圧センサ
62 無線送受信器
70 サーバ装置
73 無線送受信器
v 基準値
i 初期値
p 現在値
d 増減値
ad 調整増減値
m 実機値
c 補正値
a 標高値
e 高度誤差
ae 調整高度誤差
11 マルチコプター(無人航空機)
FC フライトコントローラ
R ローター(回転翼)
33 無線送受信器
311 気圧センサ
32 GPS受信器(飛行座標検出手段)
22 メモリ
FCP 飛行制御プログラム
FAP 飛行高度調節プログラム(飛行高度調節手段)
DP 増減値取得プログラム(増減値取得手段)
CP 補正値取得プログラム(補正値取得手段)
VS 基準値記憶領域(基準値記憶手段)
LS 設置在表記憶領域(設置座標記憶手段)
ES 標高値記憶領域(標高値記憶手段)
EP 高度誤差取得プログラム(高度誤差取得手段)
60 基準器
61 気圧センサ
62 無線送受信器
70 サーバ装置
73 無線送受信器
v 基準値
i 初期値
p 現在値
d 増減値
ad 調整増減値
m 実機値
c 補正値
a 標高値
e 高度誤差
ae 調整高度誤差
Claims (8)
- 回転翼および気圧センサを備える無人航空機と、
気圧センサを備え固定位置に設置された基準器と、
前記基準器の気圧センサの気圧値または該気圧値から算出した気圧高度を基準値として記憶する基準値記憶手段と、
前記無人航空機の離陸時における前記基準値である初期値を前記基準値記憶手段から取得し、該初期値と現在の前記基準値である現在値とを比較してこれらの差である増減値を算出する増減値取得手段と、
前記無人航空機の気圧センサの気圧値または該気圧値から算出した気圧高度を実機値としたときに、該実機値に対して、前記増減値取得手段が算出した前記増減値を加味した値である補正値を算出する補正値取得手段と、
前記補正値に基づいて前記無人航空機の飛行高度を制御する飛行高度調節手段と、
を備えることを特徴とする無人航空機の飛行高度補正システム。 - 前記基準器は、互いに距離を空けて複数設置されており、
前記基準値記憶手段には、前記基準値とともに、該基準値の取得時刻、および、該基準値を取得した前記基準器の個体識別情報が記憶され、
前記増減値取得手段はさらに、前記各基準器の前記増減値を均した値である調整増減値を算出し、
前記補正値取得手段は、前記実機値に対して、前記増減値取得手段が算出した前記調整増減値を加味して前記補正値を算出することを特徴とする請求項1に記載の無人航空機の飛行高度補正システム。 - 前記無人航空機および前記各基準器と通信可能なサーバ装置をさらに備え、
前記サーバ装置は、前記各基準器の設置位置の緯度および経度が記憶された設置座標記憶手段、前記基準値記憶手段、および、前記増減値取得手段を有しており、
前記無人航空機は、自機の緯度および経度である飛行座標を取得可能な飛行座標取得手段、前記補正値取得手段、および、前記飛行高度調節手段を有しており、
前記サーバ装置は、前記無人航空機から前記飛行座標を取得して、前記無人航空機と前記各基準器との距離を算出可能であり、前記増減値取得手段は、前記調整増減値を算出するときに、前記無人航空機と前記各基準器との距離に応じて前記各増減値に重み付けをすることを特徴とする請求項2に記載の無人航空機の飛行高度補正システム。 - 回転翼および気圧センサを備える無人航空機と、
気圧センサを備え固定位置に設置された基準器と、
前記基準器の設置位置の標高または該標高を気圧値に変換した値を標高値として記憶する標高値記憶手段と、
前記基準器の気圧センサの気圧値または該気圧値から算出した気圧高度を基準値としたときに、前記基準器の前記標高値を前記標高値記憶手段から取得し、該標高値と、該基準器の前記基準値との差である高度誤差を算出する高度誤差取得手段と、
前記無人航空機の気圧センサの気圧値または該気圧値から算出した気圧高度を実機値としたときに、該実機値に対して、前記高度誤差取得手段が算出した前記高度誤差を加味した値である補正値を算出する補正値取得手段と、
前記補正値に基づいて該無人航空機の飛行高度を制御する飛行高度調節手段と、
を備えることを特徴とする無人航空機の飛行高度補正システム。 - 前記基準器は、互いに距離を空けて複数設置されており、
前記標高値記憶手段には、前記標高値とともに該標高値を取得した前記基準器の個体識別情報が記憶され、
前記高度誤差取得手段はさらに、前記各基準器の前記高度誤差を均した値である調整高度誤差を算出し、
前記飛行高度調節手段は、前記実機値に対して、前記高度誤差取得手段が算出した前記調整高度誤差を加味して前記補正値を算出することを特徴とする請求項4に記載の無人航空機の飛行高度補正システム。 - 前記無人航空機および前記各基準器と通信可能なサーバ装置をさらに備え、
前記サーバ装置は、前記各基準器の設置位置の緯度および経度が記憶された設置座標記憶手段、および前記高度誤差取得手段を有しており、
前記無人航空機は、自機の緯度および経度である飛行座標を取得可能な飛行座標検出手段、前記補正値取得手段、および、前記飛行高度調節手段を有しており、
前記サーバ装置は、前記無人航空機から前記飛行座標を取得して、前記無人航空機と前記各基準器との距離を算出可能であり、前記増減値取得手段は、前記調整高度誤差を算出するときに、前記無人航空機と前記各基準器との距離に応じて前記各高度誤差に重み付けをすることを特徴とする請求項5に記載の無人航空機の飛行高度補正システム。 - 回転翼および気圧センサを備える無人航空機と、
気圧センサを備え固定位置に設置された基準器と、
を用いた無人航空機の飛行高度補正方法であって、
前記基準器の気圧センサの気圧値または該気圧値から算出した気圧高度を基準値としたときに、前記無人航空機の離陸時における該基準値である初期値と、該初期値と現在の前記基準値との差である増減値を算出する増減値取得処理と、
前記無人航空機の気圧センサの気圧値または該気圧値から算出した気圧高度に対して前記増減値を加味した値に基づいて該無人航空機の飛行高度を制御する飛行高度調節処理と、
を含むことを特徴とする無人航空機の飛行高度補正方法。 - 回転翼および気圧センサを備える無人航空機と、
気圧センサを備え固定位置に設置された基準器と、
を用いた無人航空機の飛行高度補正方法であって、
前記基準器の設置位置の標高または該標高を気圧値に変換した値と、該基準器の気圧センサの気圧値または該気圧値から算出した気圧高度との差である高度誤差を算出する高度誤差取得処理と、
前記無人航空機の気圧センサの気圧値または該気圧値から算出した気圧高度に対して前記高度誤差を加味した値に基づいて該無人航空機の飛行高度を制御する飛行高度調節処理と、
を含むことを特徴とする無人航空機の飛行高度補正方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016093244A JP2017200803A (ja) | 2016-05-06 | 2016-05-06 | 無人航空機の飛行高度補正システムおよび方法 |
PCT/JP2017/016895 WO2017191810A1 (ja) | 2016-05-06 | 2017-04-28 | 無人航空機の飛行高度補正システムおよび方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016093244A JP2017200803A (ja) | 2016-05-06 | 2016-05-06 | 無人航空機の飛行高度補正システムおよび方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017200803A true JP2017200803A (ja) | 2017-11-09 |
Family
ID=60203734
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016093244A Pending JP2017200803A (ja) | 2016-05-06 | 2016-05-06 | 無人航空機の飛行高度補正システムおよび方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017200803A (ja) |
WO (1) | WO2017191810A1 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108955634A (zh) * | 2018-07-20 | 2018-12-07 | 中国人民解放军总参谋部第六十研究所 | 一种无人机高度传感器融合方法 |
CN110017813A (zh) * | 2019-03-18 | 2019-07-16 | 中国商用飞机有限责任公司 | 一种气压高度生成装置及其操作方法 |
JP2019219290A (ja) * | 2018-06-20 | 2019-12-26 | 三菱電機株式会社 | 高度計測装置および高度計測プログラム |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114252051B (zh) * | 2021-11-01 | 2024-07-09 | 杭州迅蚁网络科技有限公司 | 一种用于无人机的航路高度估计方法及系统 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013052723A (ja) * | 2011-09-01 | 2013-03-21 | Seiko Epson Corp | 高度計測システム、高度計測方法、高度計測プログラム及び記録媒体 |
-
2016
- 2016-05-06 JP JP2016093244A patent/JP2017200803A/ja active Pending
-
2017
- 2017-04-28 WO PCT/JP2017/016895 patent/WO2017191810A1/ja active Application Filing
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019219290A (ja) * | 2018-06-20 | 2019-12-26 | 三菱電機株式会社 | 高度計測装置および高度計測プログラム |
JP7145655B2 (ja) | 2018-06-20 | 2022-10-03 | 三菱電機株式会社 | 高度計測装置および高度計測プログラム |
CN108955634A (zh) * | 2018-07-20 | 2018-12-07 | 中国人民解放军总参谋部第六十研究所 | 一种无人机高度传感器融合方法 |
CN110017813A (zh) * | 2019-03-18 | 2019-07-16 | 中国商用飞机有限责任公司 | 一种气压高度生成装置及其操作方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2017191810A1 (ja) | 2017-11-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6555786B2 (ja) | 無人航空機の飛行高度設定方法および無人航空機システム | |
US11771076B2 (en) | Flight control method, information processing device, program and recording medium | |
WO2017191810A1 (ja) | 無人航空機の飛行高度補正システムおよび方法 | |
US10095242B1 (en) | Invertible drone for selective power capture | |
EP3521158B1 (en) | Flight control device, unmanned aerial vehicle, flight control method, and computer program | |
AU2016339451B2 (en) | Method for controlling small-size unmanned aerial vehicle | |
CN107664491B (zh) | 基站天线下倾角测量方法、装置和系统 | |
CN106774409B (zh) | 一种无人机的半自主仿地飞行系统及其控制方法 | |
US11591088B2 (en) | Method and system for controlling an unmanned aerial vehicle | |
US11447235B2 (en) | Unmanned aerial vehicle | |
US10852364B2 (en) | Interference mitigation in magnetometers | |
US20180281949A1 (en) | Systems and methods for stabilisation of aerial vehicles | |
US20190009916A1 (en) | Invertible Drone for Selective Power Capture | |
WO2018058288A1 (zh) | 用于检测飞行高度的方法、装置及无人机 | |
KR101976199B1 (ko) | 지향성 스피커를 구비한 재난 관리 드론의 제어 시스템 및 방법 | |
US20190039728A1 (en) | Spin-Landing Drone | |
CN103730864A (zh) | 无人机电力线路巡检的协同控制方法 | |
JP2019214294A (ja) | 無人航空機 | |
CN106155071A (zh) | 一种用于巡线检修的无人机 | |
JP6592679B1 (ja) | 無人航空機 | |
JP6878543B2 (ja) | 制御装置、制御方法、及びプログラム | |
CN203289564U (zh) | 一种电力巡线系统 | |
WO2020029134A1 (zh) | 可移动平台的监管控制方法、设备及系统 | |
JP4369261B2 (ja) | 無人ヘリコプタ用制御装置 | |
JP6561270B2 (ja) | 無人移動体およびこれを用いた無人移動体システム |