JP2017200283A - 被覆剥取工具 - Google Patents

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博行 間島
Hiroyuki Majima
博行 間島
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Abstract

【課題】工具の使用を効率的に行い、様々な条件の鉛筆削り作業を好適に行うことができる被覆剥取工具を提供する。【解決手段】被覆剥取工具はケーブルの鉛筆削り作業に用いるものであり、上部ホルダー2と下部ホルダー3を着脱可能に組み合わせて構成される。上部ホルダー2では、カッター24が、上部ホルダー2の幅方向において、ケーブル軸心の平面位置に向けて斜め下方に傾斜するように配置される。またケーブル長手方向において、カッター24のケーブル軸心の平面位置に沿った刃先が、ケーブル先端側に向けて斜め下方に傾斜するように配置される。上部ホルダー2の窪み21と下部ホルダー3の窪み31とでケーブルを挟み、ケーブルを先端側に押し込みつつ、ケーブルと被覆剥取工具とをケーブルの周方向に相対的に回転させることで、カッター24によってケーブルの被覆の端部を切削し、テーパー状に剥取ることができる。【選択図】図2

Description

本発明は、ケーブル等の被覆を剥取る被覆剥取工具に関する。
高圧ケーブル等の端末処理部や直線接続部において、絶縁被覆(以下、単に被覆ということがある)の端部を切削してテーパー状に剥取る、俗に鉛筆削りと呼ばれる作業を行う場合がある。
手作業による鉛筆削りは技量が必要で難しく、綺麗にできないことも多い。そのため、特許文献1では鉛筆削りを行うための工具が提案されている。特許文献1の工具は、工具本体に設けた孔にケーブルを通して保持し、工具本体に取り付けたカッターでケーブルの被覆の切削を行うものであり、この工具を用いることで鉛筆削り作業を好適に行うことができるとされている。
実用新案登録第3151877号
しかしながら、特許文献1の工具は一体の工具本体にカッターを取付けて用いるものであるため、様々な条件で鉛筆削り作業を行うためには、これらの条件に対応した異なる工具本体を用意する必要がある。
例えば特許文献1の工具は、様々なサイズの外周部を有するケーブルに共通して使用できるものではなく、異なるサイズのケーブルに対して鉛筆削り作業を行うためには、それぞれのサイズに応じた多数の工具本体が必要になる。また、ケーブルの被覆厚が異なったり、被覆の剥取部分の長さが異なる場合にも同様に、これらの条件に対応して全く別の異なる工具本体が必要であり、条件によっては使用頻度の極端に少ない工具本体が生じることも予想される。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、工具の使用を効率的に行い、様々な条件の鉛筆削り作業を好適に行うことができる被覆剥取工具を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するための本発明は、線状体の被覆の端部の剥取りに用いる被覆剥取工具であって、2つの部材を組み合わせて構成され、一方の部材では、前記線状体の長手方向と平面上直交する方向である幅方向において、前記線状体の軸心の平面位置に向けて斜め下方に傾斜するようにカッターが設けられ、前記カッターの前記軸心の平面位置に沿った刃先が、当該部材に設けられた開口に露出しており、他方の部材は、前記線状体に接触して保持する保持部を有し、前記カッターの前記軸心の平面位置に沿った刃先が、前記線状体の長手方向において、前記線状体の先端側に向けて斜め下方に傾斜するように配置されることを特徴とする被覆剥取工具である。
本発明では、被覆剥取工具を2つの部材を組み合わせて構成することで、様々な条件の鉛筆削り作業を、部材の共用によって効率的に行うことができる。すなわち、2つの部材によりケーブル等を挟んで保持することで、様々なサイズの外周部を有するケーブル等の鉛筆削り作業に対応でき、外周部のサイズが異なるケーブル等の鉛筆削り作業を少ない部材点数で行うことができる。あるいは、いずれかの部材についてはケーブル等の被覆厚や剥取部分の長さに応じて設計変更したものを複数用意するが、その他の部材については共通に使用することで、ケーブル等の被覆厚や剥取部分の長さの異なる場合にも、部材を効率的に使用してこれらの条件に応じた鉛筆削り作業を行うことができ、コストダウンにつながる。
従来手作業で行うことの多かった鉛筆削り作業において、上記の被覆剥取工具を用いることで、ケーブル等の長手方向およびこれと平面上直交する方向において傾斜したカッターの刃先によって被覆の切削を行い、被覆の端部をテーパー状に容易に剥取ることができる。また被覆の剥取部分の全長に渡り、適切に設定された一定のすくい角や逃げ角で安定した切削ができ、切削抵抗も剥取部分の全長で一定となる。
前記一方の部材は、少なくとも前記軸心の平面位置の近傍で前記線状体と接触する窪みを有し、前記他方の部材の前記保持部は、当該部材に設けられた窪みであり、当該窪みは、少なくとも前記幅方向において前記軸心の平面位置を挟む位置にある2箇所で前記線状体と接触することが望ましい。例えば、前記一方の部材の前記窪みは、前記幅方向の断面が略円弧状となるように窪んだものであり、前記他方の部材の前記窪みは、前記幅方向の断面が略V字状となるように窪んだものである。
係る構成により、2つの部材でケーブルを挟んだ時に、ケーブルを好適に保持することができ、この状態で鉛筆削り作業を好適に行うことができる。
前記線状体を挟んで配置された前記一方の部材と前記他方の部材の間隔を保持するための間隔保持材を更に含むことが望ましい。
上記の間隔保持材を用い、ケーブル等を挟んだ2つの部材の間隔が拡がらないように保持することで、ケーブル等をしっかりと位置固定して鉛筆削り作業を好適に行うことができる。
前記一方の部材は、前記線状体の長手方向において、前記線状体の先端側に向けて斜め下方に傾斜する傾斜面を有し、前記開口は当該傾斜面に設けられることが望ましい。
このように、一方の部材のケーブル長手方向の傾斜面に沿って開口を設け、カッターの刃先をこの開口に露出させることで、ケーブル等の被覆をカッターの刃先で好適に切削することができる。また、ケーブル等の被覆厚や剥取部分の長さに応じて傾斜面の形状を設計変更したものを複数用意しておけば、ケーブル等の被覆厚や剥取部分の長さの異なる場合にも、他方の部材を共通に使用しながら、これらの条件に応じた鉛筆削り作業を行える。
また、前記一方の部材は、カッター取付部を取付けた上部ホルダーであり、前記他方の部材は、前記線状体を前記上部ホルダーとの間で挟む下部ホルダーであり、前記カッター取付部は、前記幅方向において、前記軸心の平面位置に向けて斜め下方に傾斜する傾斜面を有し、当該傾斜面に前記カッターが取付けられ、前記上部ホルダーは、前記線状体の長手方向において、前記線状体の先端側に向けて斜め下方に傾斜する傾斜面を有し、前記開口は当該傾斜面に設けられ、前記カッターの刃先に対応する位置にあることが望ましい。
係る構成により、上部ホルダーと下部ホルダーでケーブル等を挟んで保持することで様々なサイズの外周部を有するケーブル等の鉛筆削り作業を行うことができ、且つ、ケーブル等の被覆厚や剥取部分の長さが異なる場合にも、これらの条件に応じて上部ホルダーの傾斜面の形状を設計変更したものを複数用意しておくことで、下部ホルダーとカッター取付部を共通に使用しながら様々な条件の鉛筆削り作業を行える。
また、前記一方の部材は、カッター取付部であり、前記他方の部材は、前記線状体を挿入するための孔を前記保持部として有するホルダーであり、前記カッター取付部は、前記幅方向において、前記軸心の平面位置に向けて斜め下方に傾斜する傾斜面を有し、当該傾斜面に前記カッターが取付けられ、前記ホルダーは、前記線状体の長手方向において、前記線状体の先端側に向けて斜め下方に傾斜する傾斜面を有し、前記カッターの刃先に対応する位置に開口を有することが望ましい。
係る構成においても、ケーブル等の被覆厚や剥取部分の長さが異なる場合に、これらの条件に応じてホルダーの傾斜面の形状を設計変更したものを複数用意しておけば、カッター取付部を共通に使用ながら様々な条件の鉛筆削り作業を行える。さらに、ケーブル等はホルダーの孔に挿入して保持でき、作業が簡単になる。
本発明により、工具の使用を効率的に行い、様々な条件の鉛筆削り作業を好適に行うことができる被覆剥取工具を提供することができる。
本発明の被覆剥取工具1の概略を示す図 上部ホルダー2と下部ホルダー3の概略を示す図 上部ホルダー2を示す図 カッター24の配置を示す図 下部ホルダー3を示す図 上部ホルダー2と下部ホルダー3によるケーブル10の保持について示す図 本発明の被覆剥取工具1によるケーブル10の被覆の剥取りについて示す図 本発明の被覆剥取工具1’、1”を示す図 本発明の被覆剥取工具1aの概略を示す図 上部ホルダー5とカッター取付部6の概略を示す図 上部ホルダー5を示す図 カッター取付部6を示す図 カッター取付部6を上部ホルダー5に取付けた状態を示す図 本発明の被覆剥取工具1aによるケーブル10の被覆の剥取りについて示す図 本発明の被覆剥取工具1a’、1a”を示す図 本発明の被覆剥取工具1bの概略を示す図 ホルダー7の概略を示す図 ホルダー7を示す図 本発明の被覆剥取工具1bによるケーブル10の被覆の剥取りを示す図
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
(1.被覆剥取工具1)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る被覆剥取工具1の概略を示す図である。被覆剥取工具1は、ケーブル10(線状体)の絶縁被覆の端部を切削してテーパー状に剥取る鉛筆削り作業に用いるものである。ケーブル10は導体の周囲に樹脂等による絶縁被覆を設けたものであり、その外周部は略円周状である。
図1に示すように、被覆剥取工具1は、上部ホルダー2(一方の部材)、下部ホルダー3(他方の部材)、間隔保持材4等を含み、上部ホルダー2と下部ホルダー3の2つの部材を着脱可能に組み合わせて構成される。
被覆剥取工具1は、ケーブル10を挟んで上部ホルダー2と下部ホルダー3を配置し、上部ホルダー2と下部ホルダー3の間隔を、間隔保持材4により拡がらないように保持して用いられる。上部ホルダー2と下部ホルダー3は、例えばアルミニウムやステンレス鋼などの金属を加工して製作される。ただし、これに限ることはない。例えば上部ホルダー2において後述するカッター押さえ部25などを除く部位は、ジュラコン(登録商標)やMCナイロン(登録商標)などの樹脂により製作することも可能である。下部ホルダー3についても同様に、樹脂により製作することが可能である。
(2.上部ホルダー2)
図2(a)は上部ホルダー2の概略を示す図である。図2(a)に示すように、上部ホルダー2は全体として略直方体状の形状を有し、窪み21、凹部22、開口23、カッター24、カッター押さえ部25、ネジ孔26、持ち手27等を有する。
図3(a)は上部ホルダー2の上面を見た図であり、図3(b)、(c)はそれぞれ図3(a)の線A−A、線B−Bによる断面を示す図である。また図3(d)は窪み21による空洞部分を示した図である。
図3(a)の左右方向は、上部ホルダー2と下部ホルダー3でケーブル10を挟んだ時のケーブル10の長手方向(以下、ケーブル長手方向という)に対応し、右側がケーブル10の先端側(以下、ケーブル先端側という)となる。ケーブル10の先端側とは、ケーブル10において、切削する被覆の端部が位置する方をいう。これに対し、左側はケーブル根元側というものとする。また、上部ホルダー2において、ケーブル長手方向と平面上直交する方向を幅方向というものとし、図3(a)の上下方向に対応する。図3(a)の点線aは、上記のケーブル10の軸心(以下、ケーブル軸心という)の平面位置を示し、線A−Aはケーブル軸心の平面位置に沿った線である。また図3(b)ではカッター24の刃先の位置を点線で示している。
窪み21は、後述するようにケーブル10に接触してこれを保持する保持部であり、上部ホルダー2の下面に設けられる。窪み21は、図3(b)に示すようにケーブル軸心の平面位置に沿ったケーブル長手方向の断面を見た場合、ケーブル根元側の部分211、ケーブル先端側の部分213およびその中間部分212に分けることができる。
図3(c)、(d)に示すように、窪み21は、上部ホルダー2の幅方向の断面が略円弧状となるように上部ホルダー2の下面が窪んだ箇所であり、その上端はケーブル軸心の平面位置にある。
図3(d)に示すように、ケーブル根元側の部分211の断面の円弧211aとケーブル先端側の部分213の断面の円弧213aを比較した場合、ケーブル先端側の部分213の円弧213aは、ケーブル根元側の部分211の円弧211aを縮小した、曲率半径の小さな円弧となっている。中間部分212は、ケーブル根元側からケーブル先端側に向かうにつれ断面の形状が円弧211aから円弧213aに近づくように、テーパー状に窄まっている。
これを図3(b)に示す断面で見た場合、上部ホルダー2の下面から窪み21の上端までの高さhは、ケーブル根元側の部分211でより大きく、ケーブル先端側の部分213でより小さくなっている。その間の中間部分212では、窪み21の上端がケーブル先端側にゆくほど低くなるようにテーパー状に傾斜している。後述する開口23は、この中間部分212における窪み21の上端に当たる位置に設けられる。
凹部22は、図3(a)に示すように、上部ホルダー2の上面において、上部ホルダー2のケーブル長手方向に沿った一方の側面から、ケーブル軸心の平面位置近傍にかけて設けられる。
図3(b)、(c)に示すように、凹部22の底面221はケーブル長手方向および上部ホルダー2の幅方向に傾斜した平坦な傾斜面となっている。すなわち、図3(b)に示すように、底面221は、ケーブル長手方向において、ケーブル先端側に向けて斜め下方に傾斜する。また図3(c)に示すように、上部ホルダー2の幅方向において、ケーブル軸心の平面位置に向けて斜め下方に傾斜する。
凹部22のケーブル軸心の平面位置側の側面222、ケーブル根元側の側面223、ケーブル先端側の側面224は、底面221に対し直交する面となっており、エンドミルでの金属等の切削による凹部22の加工がしやすくなっている。
開口23は、底面221のケーブル軸心の平面位置に沿った端部に、ケーブル軸心の平面位置に沿ったスリット状に設けられる。開口23は、ケーブル長手方向において底面221の途中から底面221のケーブル先端側の端部まで設けられる。
カッター24は底面221に載置され、カッター押さえ部25によって底面221に取付けられる。被覆剥取工具1では、カッター24の刃先がケーブル軸心の平面位置に沿って配置されており、上記の開口23に露出している。また、カッター24は底面221に載置されることにより、図3(c)に示すように、上部ホルダー2の幅方向において、ケーブル軸心の平面位置に向けて斜め下方に傾斜するように配置される。一方、ケーブル長手方向においては、図3(b)に示すように、カッター24のケーブル軸心の平面位置に沿った刃先が、ケーブル先端側に向けて斜め下方に傾斜するように配置される。
カッター押さえ部25は全体として板状に形成される。図3(c)に示すように、上部ホルダー2の幅方向において、カッター押さえ部25の上面のケーブル軸心の平面位置側の端部251は、ケーブル軸心の平面位置に向かって斜め下方に傾斜している。
ネジ孔26は、間隔保持材4の取付に用いるものであり、上部ホルダー2を上下に貫通するように設けられる。ネジ孔26は、凹部22を除く箇所で、上部ホルダー2の上面の四隅に設けられる。
持ち手27は、上部ホルダー2の凹部22を設けた側とは反対側の側面に取付けられる。持ち手27には、例えば先端に雄ネジを設けたボルト等を用いることができ、当該雄ネジを、上部ホルダー2の側面に設けたネジ穴(不図示)に螺合することで、持ち手27を上部ホルダー2の側面に着脱可能に取付けることができる。
図4(a)、(b)はカッター24の配置を説明する図であり、図4(a)は図3(b)の線C−Cに沿った断面を示す図である。この断面は、底面221のケーブル長手方向の傾斜に直交する方向の断面である。また図4(b)は図3(b)の一点鎖線で示す範囲dを拡大したものである。
図4(a)に示す断面において、カッター24の刃先は開口23に露出し、窪み21の上端に当たる位置か、もしくは窪み21の上端から窪み21の内部に向かって若干の距離tだけ離れた位置にある。距離tは、被覆の切削中にケーブル10の導体を傷付けることが無いように例えば7mm程度以下、好ましくは2mm程度以下の値とすることができる。導体を傷付けるのを確実に防ぐためには0.5mm程度とするのがより好ましい。
本実施形態では、図4(b)に示すように、カッター24の刃先を、開口23のケーブル先端側の端部から若干の距離ΔLだけケーブル根元側にずらすことにより、上記の距離tを確保したうえで、カッター24の刃先が、窪み21のケーブル先端側の部分213(図3(b)参照)の上端213aより下方に突出しないようにしている。これにより、後述する図7(b)に示すようにケーブル10の被覆の切削を行う際に、ケーブル10の導体(図7(b)の102参照)のサイズ(直径)が大きく、導体の上端が上記した上端213aの高さに位置するようなケースでも、カッター24の刃先が当該導体に接触せず、導体を傷付けるのを防ぐことができる。
また、図4(a)に示す断面において、上部ホルダー2の凹部22の底面221の幅方向の傾斜が水平方向に対して成す角度は20°程度であり、カッター24は上記の底面221に載せて20°程度の傾斜角αで傾斜して配置される。
図4(c)はカッター24の刃先の近傍を拡大して示した図である。図に示すように、一般に市販されているカッター24の刃先は、上面および下面が同じ傾斜角でテーパー状に傾斜した先細の形状であり、その先端角ωは15°程度である。従って、刃先の逃げ角βは10°程度(α−ω/2=12.5°)と正の値となり、鉛直方向に対する刃先のすくい角γは60°程度(90−(α+ω/2)=62.5°)と大きくすることができる。このようにすくい角や逃げ角を設定することで、カッター24の刃先を好適にケーブル10の被覆に噛み込ませ、これを削りとることができる。
(3.下部ホルダー3)
図2(b)は下部ホルダー3の概略を示す図である。下部ホルダー3は、図2(b)に示すように全体として略直方体状の形状を有する。下部ホルダー3は、窪み31、孔32、持ち手33等を有する。
図5(a)は下部ホルダー3の上面を見た図であり、図5(b)、(c)はそれぞれ図5(a)の線D−D、線E−Eによる断面を示す図である。図5(a)の左右方向はケーブル長手方向に対応し、左側がケーブル根元側、右側がケーブル先端側となる。下部ホルダー3において、ケーブル長手方向と平面において直交する方向を幅方向というものとし、図5(a)の上下方向に対応する。図5(a)の点線aはケーブル軸心の平面位置を示し、線D−Dはケーブル軸心の平面位置に沿った線である。
窪み31は、後述するようにケーブル10に接触してこれを保持する保持部であり、図5(b)に示すようにケーブル軸心の平面位置に沿ったケーブル長手方向の断面を見た場合、ケーブル根元側の部分311、ケーブル先端側の部分312に分けることができる。なお、ケーブル根元側の部分311の位置は、上部ホルダー2の窪み21のケーブル根元側の部分211と中間部分212に対応し、ケーブル先端側の部分312の位置は、上部ホルダー2の窪み21のケーブル先端側の部分213に対応している。
図5(c)に示すように、窪み31は、下部ホルダー3の幅方向に沿った断面が略V字状となるように下部ホルダー3の上面が窪んだものであり、その下端はケーブル軸心の平面位置にある。また、ケーブル根元側の部分311の断面とケーブル先端側の部分312の断面を比較した場合、ケーブル根元側の部分311の方が幅、深さともに大きく、その下端は若干の丸みを帯びている。
孔32は、間隔保持材4の取付に用いるものであり、下部ホルダー3を上下に貫通する。孔32は、窪み31を除く箇所で、上部ホルダー2のネジ孔26に対応する平面位置に配置される。
持ち手33は、下部ホルダー3のケーブル長手方向に沿った側面に設けられる。この側面は、先程の持ち手27とは反対側の側面である。持ち手33は、前記した持ち手27と略同様の構成により、下部ホルダー3の上記側面に着脱可能に取付けることができる。
(4.ケーブル10の被覆の剥取)
本実施形態では、図6(a)に示すように上部ホルダー2と下部ホルダー3を組み合わせ、上部ホルダー2の窪み21と下部ホルダー3の窪み31とでケーブル10を挟み、間隔保持材4を用いて上部ホルダー2と下部ホルダー3の間隔が拡がらないように保持する。
この時、ケーブル10の外周部は、上部ホルダー2の窪み21(ケーブル根元側の部分211)の上端、すなわちケーブル軸心の平面位置近傍に当たる箇所b1で窪み21と接触する。また、下部ホルダー3の幅方向においてケーブル軸心の平面位置を挟む2箇所b2、b3で窪み31(ケーブル根元側の部分311)と接触する。このように、ケーブル10の外周部は計3箇所で窪み21、31に当接し、これによりケーブル10がしっかりと保持される。
なお、本実施形態において、間隔保持材4はボルト41とナット42a(蝶ナット)、42bを含む。ボルト41を下部ホルダー3の孔32と上部ホルダー2のネジ孔26に通し、下部ホルダー3の下面側、および上部ホルダー2の上面側からそれぞれナット42a、42bを締め込むことにより、ケーブル10を挟んで配置した上部ホルダー2と下部ホルダー3の間隔が拡がらないように保持される。
図7(a)は、ケーブル10を上部ホルダー2と下部ホルダー3で挟んで保持した状態の被覆剥取工具1について、ケーブル軸心の平面位置に沿ったケーブル長手方向の断面を示したものである。
図7(a)に示す状態から、ケーブル10を先端側に押し込みつつ、ケーブル10と被覆剥取工具1とをケーブル10の周方向に相対的に回転させることで、カッター24によって図7(b)に示すようにケーブル10の被覆101の端部を切削し、テーパー状に剥取ることができる。被覆101の剥取部分のテーパー面を延長した線分は、ケーブル軸心上の1点(図7(b)のp参照)で交わるようになっている。
本実施形態では、ケーブル10の外周部のサイズ(直径)が異なる場合でも、図6(b)に示すように前記と同様にしてケーブル10を上部ホルダー2と下部ホルダー3の窪み21、31で挟み、ケーブル10を前記と同様に3箇所で当接させ、ケーブル10をしっかりと保持して上記と同様に被覆の端部を剥取ることができる。このように、本実施形態では、様々なサイズのケーブル10の鉛筆削り作業に被覆剥取工具1を適用することができる。図6(a)、(b)を比較してわかるように、ケーブル10の外周部のサイズが大きいほど、これを挟む上部ホルダー2と下部ホルダー3の間隔は大きくなる。
以上説明したように、本実施形態によれば、被覆剥取工具1を上部ホルダー2と下部ホルダー3を組み合わせて構成することで、様々な条件の鉛筆削り作業を、部材の共用によって効率的に行うことができる。すなわち、上部ホルダー2と下部ホルダー3によりケーブル10を挟んで保持することで、様々なサイズの外周部を有するケーブル10の鉛筆削り作業に対応でき、外周部のサイズが異なるケーブル10の鉛筆削り作業を少ない部材点数で行うことができる。
従来手作業で行うことの多かった鉛筆削り作業において、上記の被覆剥取工具1を用いることで、ケーブル長手方向およびこれと平面上直交する幅方向において傾斜したカッター24の刃先によって被覆の切削を行い、被覆の端部をテーパー状に容易に剥取ることができる。また被覆の剥取部分の全長に渡り、適切に設定された一定のすくい角や逃げ角で安定した切削ができ、切削抵抗も剥取部分の全長で一定となる。
また本実施形態では、上部ホルダー2が略円弧状の窪み21を有し、下部ホルダー3が略V字状の窪み31を有するので、これらの窪み21、31によって前記のようにケーブル10を好適に保持することができ、この状態で鉛筆削り作業を好適に行うことができる。
また、本実施形態では、間隔保持材4を用い、ケーブル10を挟んだ上部ホルダー2と下部ホルダー3の間隔が拡がらないように保持することで、ケーブル10をしっかりと位置固定して鉛筆削り作業を好適に行うことができる。
また、本実施形態ではケーブル長手方向の傾斜を有する上部ホルダー2の凹部22の底面221に沿って開口23を設け、カッター24の刃先をこの開口23に露出させることで、ケーブル10の被覆をカッター24の刃先で好適に切削することができる。
しかしながら、本発明はこれに限ることはない。例えば本実施形態の被覆剥取工具1は、上記したケーブル10に限らず各種の線状体の被覆の剥取りに適用可能である。また本実施形態では間隔保持材4を用いて上部ホルダー2と下部ホルダー3の間隔を保持したが、上部ホルダー2と下部ホルダー3を手で掴んで把持しながら鉛筆削り作業を行うことにより、間隔保持材4を省略することも可能である。この際、上部ホルダー2や下部ホルダー3に設けた孔にピンを通して両部材の位置決めを行うこともできる。
さらに、図8(a)の被覆剥取工具1’に示すように、ピン43とバネ(弾性体)44によって間隔保持材4’を構成することも可能である。ピン43は上部ホルダー2のネジ孔26の代わりに設けられ、上部ホルダー2の下面から突出して下部ホルダー3の孔32に通される。バネ44は、孔32から突出したピン43の端部に設けられ、下部ホルダー3を下面から付勢する。
また、上部ホルダー2や下部ホルダー3の窪み21、31の形状も上記したものに限らず、上部ホルダー2の窪み21については、少なくとも、ケーブル軸心の平面位置近傍の1箇所でケーブル10と接触するものであればよい。また、下部ホルダー3の窪み31については、少なくとも、下部ホルダー3の幅方向においてケーブル軸心の平面位置を挟む2箇所でケーブル10と接触するものであればよい。
また、ケーブル10と接触して保持できる構成であれば、窪み以外の構成とすることも可能である。例えば図8(b)の被覆剥取工具1”では、下部ホルダー3において、窪み31の代わりにケーブル長手方向を回転軸として回転する一対のローラー34を設けており、これらのローラー34が、下部ホルダー3の幅方向においてケーブル軸心の平面位置を挟む2箇所b2、b3でケーブル10と接触している。
また、被覆剥取工具において組み合わせる部材についても、上記した上部ホルダー2、下部ホルダー3に限ることはない。以下、その他の部材を組み合わせて被覆剥取工具を構成する例について、第2、第3の実施形態として説明する。各実施形態はそれまでに説明した実施形態と異なる点について主に説明し、同様の点については説明を省略する。
[第2の実施形態]
(1.被覆剥取工具1a)
図9は、本発明の第2の実施形態に係る被覆剥取工具1aの概略を示す図である。図9に示すように、本実施形態の被覆剥取工具1aは、前記の上部ホルダー2に代えて、カッター取付部6をネジ8によって取付けた上部ホルダー5(一方の部材)を用いる点で第1の実施形態と異なる。
被覆剥取工具1aは、上部ホルダー5と下部ホルダー3の2つの部材を着脱可能に組み合わせて構成される。被覆剥取工具1aは、ケーブル10を挟んで上部ホルダー5と下部ホルダー3を配置し、上部ホルダー5と下部ホルダー3の間隔を、間隔保持材4により拡がらないように保持して用いられる。
(2.上部ホルダー5)
図10(a)は上部ホルダー5の概略を示す図である。図10(a)に示すように、上部ホルダー5は全体として略直方体状の形状を有し、窪み51、凹部52、開口53、ネジ孔54、持ち手55、ネジ穴56等を有する。
図11(a)は上部ホルダー5の上面を見た図であり、図11(b)、(c)はそれぞれ図11(a)の線F−F、線G−Gによる断面を示す図である。また図11(d)は窪み51による空洞部分を示した図である。
図11(a)の左右方向は、上部ホルダー5と下部ホルダー3でケーブル10を挟んだ時のケーブル10の長手方向(以下、ケーブル長手方向という)に対応し、左側がケーブル根元側、右側がケーブル先端側となる。また、上部ホルダー5において、ケーブル長手方向と平面において直交する方向を幅方向というものとし、図11(a)の上下方向に対応する。図11(a)の点線aは、上記のケーブル10の軸心(以下、ケーブル軸心という)の平面位置を示したものであり、線F−Fはケーブル軸心の平面位置に沿った線である。
窪み51は、前記の窪み21と同様、ケーブル10に接触してこれを保持する保持部であり、上部ホルダー5の下面に設けられる。窪み51は、図11(b)に示すようにケーブル軸心の平面位置に沿ったケーブル長手方向の断面を見た場合、ケーブル根元側の部分511、ケーブル先端側の部分512に分けることができる。
図11(c)、(d)に示すように、窪み51は、上部ホルダー5の幅方向の断面が略円弧状となるように上部ホルダー5の下面が窪んだ箇所であり、その上端はケーブル軸心の平面位置にある。ケーブル根元側の部分511、ケーブル先端側の部分512の断面の円弧511a、512aは、第1の実施形態の上部ホルダー2の窪み21のケーブル根元側の部分211、ケーブル先端側の部分213の円弧211a、213aと略同様である。
これを図11(b)に示す断面で見た場合、上部ホルダー5の下面から窪み51の上端までの高さhはケーブル根元側の部分511でより大きく、ケーブル先端側の部分512でより小さくなっている。
ただし本実施形態では、図11(b)、(d)に示すように、窪み51のケーブル根元側の部分511のケーブル先端側において、窪み51の上端が、凹部52の底面521のケーブル長手方向の傾斜に沿った開口53によって切り取られた形となっている。この傾斜はケーブル先端側に向かって斜め下方となるものであるが、凹部52および開口53については後述する。
凹部52は、図11(a)、(b)に示すように、上部ホルダー5の上面において、ケーブル長手方向のケーブル根元側の所定位置からケーブル先端側の所定位置にかけて、上部ホルダー5の幅方向の全幅に渡って設けられる。
凹部52の底面521は、ケーブル長手方向に傾斜した平坦な傾斜面となっている。底面521は、ケーブル長手方向において、ケーブル先端側に向けて斜め下方に傾斜する。
凹部52のケーブル先端側の側面522は、底面521に対し直交する面となっており、エンドミルでの切削による凹部52の加工がしやすくなっている。
開口53は、図11(a)に示すように、凹部52の底面521のケーブル軸心の平面位置の近傍に、ケーブル先端側の端部からケーブル根元側に向かって略放物線状の形状をなすように設けられる。
ネジ孔54は、間隔保持材4のボルト41を通すためのものであり、上部ホルダー5を上下に貫通するように設けられる。ネジ孔54は、凹部52を除く箇所で、下部ホルダー3の孔32に対応する位置に設けられる。
持ち手55は、上部ホルダー5のケーブル長手方向に沿った側面に設けられる。この側面は、下部ホルダー3の持ち手33とは反対側の側面である。持ち手55は、前記した持ち手27と略同様の構成により、上部ホルダー5の上記側面に着脱可能に取付けることができる。
ネジ穴56は、ネジ8によってカッター取付部6を取付るための穴であり、凹部52の底面521において、ケーブル軸心の平面位置の両側に設けられる。
(3.カッター取付部6)
図10(b)はカッター取付部6の概略を示す図である。カッター取付部6は、図10(b)に示すように全体として板状の形状を有し、凹部61、開口62、カッター63、カッター押さえ部64、孔65、窪み66等を有する。
図12(a)はカッター取付部6の上面を見た図であり、図12(b)は図12(a)の線H−Hによる断面を示す図である。図12(a)の左右方向は、前記したケーブル長手方向に対応し、左側がケーブル根元側、右側がケーブル先端側となる。ケーブル長手方向と平面において直交する方向をカッター取付部6の幅方向というものとし、図12(a)の上下方向に対応する。図12(a)の点線aは、前記したケーブル軸心の平面位置に対応する。
凹部61は、図12(a)、(b)に示すように、カッター取付部6の上面において、カッター取付部6の幅方向の所定位置からケーブル軸心の平面位置にかけて設けられる。
図12(b)に示すように、凹部61の底面611は、カッター取付部6の幅方向に傾斜した平坦な傾斜面となっている。底面611は、カッター取付部6の幅方向において、ケーブル軸心の平面位置に向けて斜め下方に傾斜する。なお、凹部61のケーブル軸心の平面位置側の側面612、およびカッター取付部6の幅方向の側面613は鉛直面となっている。
開口62は、底面611のケーブル軸心の平面位置側の端部に、ケーブル軸心の平面位置に沿ったスリット状に設けられる。
カッター63は、前記のカッター24と略同様であり、底面611に載置され、カッター押さえ部64によって底面611に取付けられる。カッター63の刃先は、ケーブル軸心の平面位置に沿って配置されており、上記の開口62に露出している。
カッター押さえ部64は全体として板状に形成される。図12(b)に示すように、カッター取付部6の幅方向において、カッター押さえ部64の上面のケーブル軸心の平面位置側の端部641は、ケーブル軸心の平面位置に向かって斜め下方に傾斜している。この端部641の下方では、カッター押さえ部64の下面が段状に窪んだカッター収容部642も形成されており、カッター収容部642の位置にカッター63が配置される。
孔65は、ネジ8によってカッター取付部6を上部ホルダー5に取付けるためのものであり、カッター取付部6を上下に貫通するように設けられる。孔65は、凹部61を除く箇所で、上部ホルダー5のネジ穴56に対応する位置に設けられる。
窪み66は、カッター取付部6の下面が0.5mm程度窪んだ箇所であり、図12(b)に示すように、カッター取付部6の下面において、ケーブル軸心の平面位置近傍を含むカッター取付部6の幅方向の範囲に設けられる。この範囲には、開口62およびカッター63の刃先が位置している。
本実施形態では、図9に示すように、カッター取付部6を上部ホルダー5に取付けて用いる。カッター取付部6の取付時は、カッター取付部6の孔65および上部ホルダー5のネジ穴56にネジ8を通し、このネジ8によりカッター取付部6を上部ホルダー5の凹部52の底面521に取付ける。
この状態の図11(b)に対応する断面を示したものが図13(a)であり、図13(a)ではカッター63の刃先の位置を点線で示している。図13(b)は図13(a)の線J−Jに沿った断面を示す図である。この断面は、底面521のケーブル長手方向の傾斜に直交する方向の断面である。
図13(a)に示すように、カッター取付部6を上部ホルダー5に取付けると、ケーブル軸心の平面位置に沿ったカッター63の刃先および開口62の位置が、上部ホルダー5の開口53の位置に対応する。このカッター63の刃先は、ケーブル長手方向において、ケーブル先端側に向けて斜め下方に傾斜するように配置される。
図13(b)に示す断面において、カッター63の刃先は、カッター取付部6の開口62および上部ホルダー5の開口53に露出し、刃先は窪み66内に突出して窪み66の上面の高さから0.5mm程度の距離tだけ離れたカッター取付部6の下面レベルの位置にある。従って、カッター63の刃先は、窪み51の内部にはほとんど突出しておらず、そのためケーブル10の被覆を薄く削り取ることができ、導体表面に接触せずに傷を付けることなく、導体表面ぎりぎりまで切削可能となる。
また、図13(b)に示す断面において、カッター取付部6の凹部61の底面611の幅方向の傾斜が水平方向に対して成す角度は20°程度であり、カッター63は上記の底面611に載せることにより、カッター取付部6の幅方向において、20°程度の傾斜角αでケーブル軸心の平面位置に向けて斜め下方に傾斜するように配置される。従って、鉛直方向に対するカッター63の刃先のすくい角は前記と同様60°程度となり、カッター63の刃先を好適にケーブル10の被覆に噛み込ませ、これを削りとることができる。刃先の逃げ角についても前記と同様の値となっている。
(4.ケーブル10の被覆の剥取)
本実施形態では、カッター取付部6を上記のように取付けた状態の上部ホルダー5と下部ホルダー3を、図6(a)の例と同様に組み合わせ、上部ホルダー5の窪み51と下部ホルダー3の窪み31とでケーブル10を挟み、間隔保持材4を用いて上部ホルダー5と下部ホルダー3の間隔が拡がらないように保持する。
この時、ケーブル10の外周部は、図6(a)の例と同様、上部ホルダー5の窪み51(ケーブル根元側の部分511)の上端、すなわちケーブル軸心の平面位置の近傍に当たる箇所で窪み51と接触する。また、下部ホルダー3の幅方向においてケーブル軸心の平面位置を挟む2箇所で窪み31(ケーブル根元側の部分311)と接触する。これによりケーブル10がしっかりと保持される。
図14(a)は、ケーブル10を上部ホルダー5と下部ホルダー3で挟んで保持した状態の被覆剥取工具1aについて、ケーブル軸心の平面位置に沿ったケーブル長手方向の断面を示したものである。前記と同様、図14(a)に示す状態から、ケーブル10を先端側に押し込みつつ、ケーブル10と被覆剥取工具1aとをケーブル10の周方向に相対的に回転させることで、カッター63によって図14(b)に示すようにケーブル10の被覆101の端部を切削し、テーパー状に剥取ることができる。
図6(b)の例と同様、ケーブル10の外周部のサイズが異なる場合でも、ケーブル10を上部ホルダー5と下部ホルダー3の窪み51、31で挟み、ケーブル10を前記と同様に3箇所で当接させ、ケーブル10をしっかりと保持して上記と同様に被覆の端部を剥取ることができる。
このように、本実施形態でも上部ホルダー5と下部ホルダー3によって様々なサイズのケーブル10の鉛筆削り作業を行うことができ、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また上部ホルダー5の凹部52の底面521およびカッター取付部6の凹部61の底面611は一方向のみの傾斜を有し、この点で底面221が2方向の傾斜を有する第1の実施形態の上部ホルダー2の凹部22より加工が簡単であるという利点もある。
さらに本実施形態では、図15(a)、(b)の被覆剥取工具1a’、1a”の上部ホルダー5’、5”に示すように、凹部52の底面521のケーブル長手方向の傾斜角θや、上部ホルダーの上面から凹部52の底面521のケーブル先端側の下端部までの深さeを異ならせることで、ケーブル10の被覆101の剥取部分の長さcや被覆厚fが異なる様々なケースの鉛筆削り作業に対応できる。
このように、ケーブル10の被覆厚や剥取部分の長さに応じて底面521(傾斜面)の形状を設計変更した複数の上部ホルダー5を用意しておくことで、これらの条件に応じた様々なケーブル10の鉛筆削り作業を、カッター取付部6と下部ホルダー3を共通に使用することで効率的に行うことができ、コストダウンにつながる。
これは第1の実施形態でも同様であり、ケーブル10の被覆厚や剥取部分の長さに応じて凹部22の底面221の形状を設計変更し、底面221のケーブル長手方向の傾斜角や、上部ホルダー2の上面から底面221のケーブル先端側の下端部までの深さが異なる複数の上部ホルダー2を用意しておけば、これらの条件に応じた様々なケーブル10の鉛筆削り作業を、下部ホルダー3を共用して行える。
[第3の実施形態]
(1.被覆剥取工具1a)
図16は、本発明の第3の実施形態に係る被覆剥取工具1bの概略を示す図である。図16に示すように、本実施形態の被覆剥取工具1bは、前記の上部ホルダー5と下部ホルダー3に代えて、ホルダー7(他方の部材)を用いる点で第2の実施形態と異なる。
被覆剥取工具1bは、第2の実施形態と同様のカッター取付部6(一方の部材)とホルダー7を着脱可能に組み合わせて構成される。被覆剥取工具1bは、カッター取付部6を前記と同様ネジ8によってホルダー7に取付け、ケーブル10をホルダー7の孔(後述する孔71)に挿入し保持して用いる。
(2.ホルダー7)
図17はホルダー7の概略を示す図である。図17に示すように、ホルダー7は全体として略直方体状の形状を有し、孔71、凹部72、開口73、ネジ穴74、持ち手75等を有する。
図18(a)はホルダー7の上面を見た図であり、図18(b)、(c)はそれぞれ図18(a)の線K−K、線L−Lによる断面を示す図である。また図18(d)は孔71による空洞部分を示した図である。
図18(a)の左右方向はホルダー7の孔71にケーブル10を挿入した時のケーブル10の長手方向(以下、ケーブル長手方向という)に対応し、左側がケーブル根元側、右側がケーブル先端側となる。また、ホルダー7において、ケーブル長手方向と平面において直交する方向を幅方向というものとし、図18(a)の上下方向に対応する。図18(a)の点線aは、上記のケーブル10の軸心(以下、ケーブル軸心という)の平面位置を示し、線K−Kはケーブル軸心の平面位置に沿った線である。
孔71は、ケーブル10を挿入して保持するための保持部であり、ホルダー7をケーブル長手方向に貫通するように設けられる。孔71は、図18(b)に示すようにケーブル軸心の平面位置に沿ったケーブル長手方向の断面を見た場合、ケーブル根元側の部分711、ケーブル先端側の部分712に分けることができる。
図18(c)、(d)に示すように、ホルダー7の幅方向の孔71の断面は略円周状であり、その上端はケーブル軸心の平面位置にある。
図18(d)に示すように、ケーブル根元側の部分711の断面の円周711aとケーブル先端側の部分712の断面の円周712aを比較した場合、ケーブル先端側の部分712の円周712aは、ケーブル根元側の部分711の円周711aを縮小した、直径の小さな円周となっている。
また本実施形態では、孔71のケーブル根元側の部分711のケーブル先端側において、孔71の上端が、凹部72の底面721のケーブル長手方向の傾斜に沿った開口73によって切り取られた形となっている。この傾斜はケーブル先端側に向かって斜め下方となるものであるが、凹部72および開口73については後述する。
凹部72は、図18(a)に示すように底面721とケーブル先端側の側面722を有する。凹部72の底面721と側面722は前記した上部ホルダー5の凹部52の底面521、側面522と略同様の構成を有し、例えば凹部72の底面721は、図18(b)に示すようにケーブル長手方向に沿って見たときに、ケーブル先端側に向けて斜め下方となるように傾斜した平坦な傾斜面となっている。
開口73およびネジ穴74も、前記した上部ホルダー5の開口53およびネジ穴56と略同様の構成を有する。例えば開口73は、図18(a)に示すように、凹部72の底面721のケーブル軸心の平面位置の近傍に、ケーブル先端側の端部からケーブル根元側に向かって略放物線状の形状をなすように設けられる。
持ち手75は、ホルダー7のケーブル長手方向に沿った両側面のそれぞれに設けられる。持ち手75は、前記した持ち手27と略同様の構成により、ホルダー7の側面に着脱可能に取付けることができる。なお、本実施形態では、図17に示すように、両持ち手75の取付位置の高さを変えている。
(3.ケーブル10の被覆の剥取)
本実施形態では、第2の実施形態と同様にしてネジ8によりカッター取付部6をホルダー7に取付けることでカッター取付部6とホルダー7を組み合わせ、ホルダー7の孔71にケーブル10を挿入する。この時、ケーブル10の外周部の全体が孔71の内周部と接触し、ケーブル10をしっかりと保持することができる。
図19(a)は、この状態の被覆剥取工具1bについて、ケーブル軸心の平面位置に沿ったケーブル長手方向の断面を示したものである。図19(a)ではカッター63の刃先の位置を点線で示している。
第2の実施形態と同様、カッター取付部6をホルダー7に取付けると、ケーブル軸心の平面位置に沿ったカッター63の刃先および開口62の位置が、ホルダー7の開口73の位置に対応する。このカッター63の刃先は、カッター取付部6の開口62およびホルダー7の開口73に露出し、ケーブル長手方向において、ケーブル先端側に向けて斜め下方に傾斜するように配置される。その他のカッター63の配置状態についても、第2の実施形態において図13(b)等で説明したものと略同様である。
図19(a)に示す状態から、ケーブル10を先端側に押し込みつつ、ケーブル10と被覆剥取工具1bとをケーブル10の周方向に相対的に回転させることで、カッター63によって図19(b)に示すようにケーブル10の被覆101の端部を切削し、テーパー状に剥取ることができる。
この場合も、第2の実施形態と同様、ケーブル10の被覆厚や剥取部分の長さなどの条件に応じて凹部72の底面721(傾斜面)の形状を設計変更し、底面721のケーブル長手方向の傾斜角θやホルダー7の上面から底面721のケーブル先端側の下端部までの深さeが異なる複数のホルダー7を用意しておくことで、上記の条件に応じた様々なケーブル10の鉛筆削り作業を、カッター取付部6を共通に使用しながら行える。またホルダー7の凹部72の底面721およびカッター取付部6の凹部61の底面611は一方向のみの傾斜を有するので、加工も簡単である。
さらに、本実施形態ではケーブル10をホルダー7の孔71に挿入して保持できるので、鉛筆削り作業が簡単になる。なお、ホルダー7の形状、構成にもよるが、ホルダー7の凹部72の底面721の傾斜角θを変える代わりに、カッター取付部6を、ケーブル先端側の回転軸を中心として回転させることでケーブル長手方向の傾斜角が可変となるようにホルダー7に組み合わせることで、ホルダー7の更なる共用化を行うことも可能である。これは第2の実施形態でも同様である。
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1’、1”、1a、1a’、1a”、1b;被覆剥取工具
2、5、5’、5”;上部ホルダー
3;下部ホルダー
4、4’;間隔保持材
6;カッター取付部
7;ホルダー
8;ネジ
10;ケーブル
101;被覆
102;導体
21、31、51、66;窪み
22、52、61、72;凹部
23、53、62、73;開口
24、63;カッター
25、64;カッター押さえ部
26、54;ネジ孔
32、65、71;孔
27、33、55、75;持ち手
56、74;ネジ穴
221、521、611、721;底面

Claims (7)

  1. 線状体の被覆の端部の剥取りに用いる被覆剥取工具であって、
    2つの部材を組み合わせて構成され、
    一方の部材では、前記線状体の長手方向と平面上直交する方向である幅方向において、前記線状体の軸心の平面位置に向けて斜め下方に傾斜するようにカッターが設けられ、前記カッターの前記軸心の平面位置に沿った刃先が、当該部材に設けられた開口に露出しており、
    他方の部材は、前記線状体に接触して保持する保持部を有し、
    前記カッターの前記軸心の平面位置に沿った刃先が、前記線状体の長手方向において、前記線状体の先端側に向けて斜め下方に傾斜するように配置されることを特徴とする被覆剥取工具。
  2. 前記一方の部材は、少なくとも前記軸心の平面位置の近傍で前記線状体と接触する窪みを有し、
    前記他方の部材の前記保持部は、当該部材に設けられた窪みであり、当該窪みは、少なくとも前記幅方向において前記軸心の平面位置を挟む位置にある2箇所で前記線状体と接触することを特徴とする請求項1記載の被覆剥取工具。
  3. 前記一方の部材の前記窪みは、前記幅方向の断面が略円弧状となるように窪んだものであり、
    前記他方の部材の前記窪みは、前記幅方向の断面が略V字状となるように窪んだものであることを特徴とする請求項2記載の被覆剥取工具。
  4. 前記線状体を挟んで配置された前記一方の部材と前記他方の部材の間隔を保持するための間隔保持材を更に含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の被覆剥取工具。
  5. 前記一方の部材は、前記線状体の長手方向において、前記線状体の先端側に向けて斜め下方に傾斜する傾斜面を有し、前記開口は当該傾斜面に設けられることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の被覆剥取工具。
  6. 前記一方の部材は、カッター取付部を取付けた上部ホルダーであり、
    前記他方の部材は、前記線状体を前記上部ホルダーとの間で挟む下部ホルダーであり、
    前記カッター取付部は、前記幅方向において、前記軸心の平面位置に向けて斜め下方に傾斜する傾斜面を有し、当該傾斜面に前記カッターが取付けられ、
    前記上部ホルダーは、前記線状体の長手方向において、前記線状体の先端側に向けて斜め下方に傾斜する傾斜面を有し、前記開口は当該傾斜面に設けられ、前記カッターの刃先に対応する位置にあることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の被覆剥取工具。
  7. 前記一方の部材は、カッター取付部であり、
    前記他方の部材は、前記線状体を挿入するための孔を前記保持部として有するホルダーであり、
    前記カッター取付部は、前記幅方向において、前記軸心の平面位置に向けて斜め下方に傾斜する傾斜面を有し、当該傾斜面に前記カッターが取付けられ、
    前記ホルダーは、前記線状体の長手方向において、前記線状体の先端側に向けて斜め下方に傾斜する傾斜面を有し、前記カッターの刃先に対応する位置に開口を有することを特徴する請求項1に記載の被覆剥取工具。
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