JP2017199760A - インプリント方法、物品の製造方法、およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】スループットの点で有利なインプリント方法を提供する。
【解決手段】モールドを用いて複数の基板の各々にパターンを形成するインプリント方法において、前記複数の基板の各々は、第1モールドを用いてパターンを形成すべき第1ショット領域と、第2モールドを用いてパターンを形成すべき第2ショット領域とを含む複数のショット領域を有し、前記インプリント方法は、前記第1モールドによる前記第1ショット領域へのパターンの形成を前記複数の基板にわたって連続して行う第1処理が前記第1モールドに起因して中断した場合、前記第1処理に代えて、前記第2モールドによる前記第2ショット領域へのパターンの形成を前記複数の基板にわたって連続して行う第2処理を実行し、当該第2処理が終了した後に前記第1処理を再開する。
【選択図】図1

Description

本発明は、インプリント方法、物品の製造方法、およびプログラムに関する。
モールドを用いて基板上のインプリント材にパターンを形成するインプリント処理を、基板における複数のショット領域の各々に行うインプリント装置が、半導体デバイスなどの量産用リソグラフィ装置の1つとして注目されている。インプリント装置では、第1モールドを用いてパターンを形成すべき第1ショット領域と、第2モールドを用いてパターンを形成すべき第2ショット領域とをそれぞれ含む複数の基板の各々についてインプリント処理を行う場合がある。この場合、第1モールドと第2モールドとを基板ごとに交換してしまうと、スループットが低下しうる。そのため、インプリント装置では、第1モールドによる第1ショット領域へのインプリント処理を複数の基板にわたって連続して行う第1処理を先に実行する。そして、第1処理が終了した後に、第2モールドによる第2ショット領域へのインプリント処理を複数の基板にわたって連続して行う第2処理を実行することが好ましい。
特許文献1には、露光装置において、第1マスクを用いた露光を複数の基板に対して行った後、第2マスクを用いた露光を複数の基板に対して行う方法が提案されている。
特開平3−46317号公報
インプリント装置では、例えば、第1処理の途中で、第1モールドにパーティクルが付着したり、第1モールドのインプリント回数が上限に達したりすることがある。この場合、第1モールドを継続して使用することができないため、第1処理が中断し、第1処理を再開するまでに相応の時間を要しうる。インプリント装置では、第1処理が中断した場合であっても、スループットの低下が低減されるようにインプリント処理を制御することが好ましい。
そこで、本発明は、スループットの点で有利なインプリント方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としてのインプリント方法は、モールドを用いて複数の基板の各々にパターンを形成するインプリント方法であって、前記複数の基板の各々は、第1モールドを用いてパターンを形成すべき第1ショット領域と、第2モールドを用いてパターンを形成すべき第2ショット領域とを含む複数のショット領域を有し、前記インプリント方法は、前記第1モールドによる前記第1ショット領域へのパターンの形成を前記複数の基板にわたって連続して行う第1処理が前記第1モールドに起因して中断した場合、前記第1処理に代えて、前記第2モールドによる前記第2ショット領域へのパターンの形成を前記複数の基板にわたって連続して行う第2処理を実行し、当該第2処理が終了した後に前記第1処理を再開する、ことを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、スループットの点で有利なインプリント方法を提供することができる。
第1実施形態のインプリント装置を示す概略図である。 基板における複数のショット領域のレイアウトを示す図である。 第1モールドおよび第2モールドを示す図である。 基板における複数のショット領域のレイアウトを示す図である。 第1モールドおよび第2モールドを示す図である。 第1実施形態のインプリント方法を説明するための図である。 第1実施形態のインプリント方法を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材ないし要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
<第1実施形態>
本発明に係る第1実施形態のインプリント装置100について説明する。インプリント装置100は、基板上に供給されたインプリント材と型とを接触させ、インプリント材に硬化用のエネルギを与えることにより、型の凹凸パターンが転写された硬化物のパターンを形成する装置である。つまり、インプリント装置100は、パターンが形成されたパターン領域11を有するモールド1を用いて、基板2のショット領域上に供給されたインプリント材3に当該パターンを転写するインプリント処理を行う。例えば、インプリント装置100は、パターンが形成されたモールド1を基板上のインプリント材3に接触させた状態で当該インプリント材3を硬化する。そして、インプリント装置100は、モールド1と基板2との間隔を広げ、硬化したインプリント材3からモールド1を剥離(離型)することによって、インプリント材3にパターンを形成することができる。
インプリント材3を硬化する方法には、熱を用いる熱サイクル法と光を用いる光硬化法とがあり、本実施形態では、光硬化法を採用した例について説明する。光硬化法とは、インプリント材3として未硬化の紫外線硬化樹脂を基板上に供給し、モールド1とインプリント材3とを接触させた状態でインプリント材3に光(紫外線)を照射することにより当該インプリント材3を硬化させる方法である。
インプリント材3には、硬化用のエネルギが与えられることにより硬化する硬化性組成物(未硬化状態の樹脂と呼ぶこともある)が用いられる。硬化用のエネルギとしては、電磁波、熱等が用いられる。電磁波としては、例えば、その波長が10nm以上1mm以下の範囲から選択される、赤外線、可視光線、紫外線などの光である。
硬化性組成物は、光の照射により、あるいは、加熱により硬化する組成物である。このうち、光により硬化する光硬化性組成物は、重合成化合物と光重合開始材とを少なくとも含有し、必要に応じて非重合成化合物または溶剤を含有してもよい。非重合成化合物は、増感剤、水素供与体、内添型離型剤、界面活性剤、酸化防止剤、ポリマ成分などの群から選択される少なくとも一種である。
インプリント材3は、スピンコータやスリットコータにより基板上に膜状に付与される。あるいは、液体噴射ヘッドにより、液滴状、あるいは複数の液滴が繋がってできた島状または膜状となって基板上に付与されてもよい。インプリント材3の粘度(25℃における粘度)は、例えば、1mPa・s以上100mPa・s以下である。
[装置構成]
次に、第1実施形態のインプリント装置100の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態のインプリント装置100を示す概略図である。インプリント装置100は、モールド1を保持するモールド保持部4と、基板2を保持する基板ステージ5と、基板上のインプリント材3に光を照射して当該インプリント材を硬化させる硬化部6とを含みうる。また、インプリント装置100は、インプリント材3を基板2に供給する供給部7と、基板上のインプリント材3をモールド1を介して撮像する撮像部8と、制御部9とを含みうる。制御部9は、例えばCPUやメモリなどを有するコンピュータによって構成され、インプリント処理の各工程を制御する(インプリント装置100の各部を制御する)。
モールド1は、通常、石英など紫外線を透過させることが可能な材料で作製されており、基板側の面における一部の領域(パターン領域11)には、基板上のインプリント材3を成形するための凹凸のパターンが形成されている。また、基板2としては、ガラス、セラミックス、金属、半導体、樹脂等が用いられ、必要に応じて、その表面に基板とは別の材料からなる部材が形成されていてもよい。基板としては、具体的に、シリコンウェハ、化合物半導体ウェハ、石英ガラスなどである。また、インプリント材の付与前に、必要に応じて、インプリント材と基板との密着性を向上させるための密着層を設けてもよい。
モールド保持部4は、例えば真空吸着力や静電力などによりモールド1を保持し、モールド1のパターン領域11と基板上のインプリント材3とを接触させたり剥離させたりするようにモールド1をZ方向に駆動する。モールド保持部4は、Z方向にモールド1を駆動する機能だけでなく、XY方向やθ方向(Z軸周りの回転方向)におけるモールド1の位置を調整する調整機能や、モールド1の傾きを補正するためのチルト機能などを有していてもよい。
基板ステージ5は、例えば真球吸着力や静電力などにより基板2を保持し、基板2のXY方向における位置決めを行う。基板ステージ5は、XY方向に基板2を移動させる機能だけでなく、Z方向に基板2を移動させる機能やθ方向における基板2の位置を調整する調整機能などを有していてもよい。ここで、第1実施形態のインプリント装置100では、モールド1と基板上のインプリント材3とを接触させたり、基板上の硬化したインプリント材3からモールド1を剥離させたりする動作がモールド保持部4によって行われるが、それに限られるものではない。例えば、基板ステージ5によって行われてもよいし、双方で相対的に行われてもよい。
硬化部6は、インプリント処理の際に、基板上に供給されたインプリント材3に光(紫外線)を照射し、当該インプリント材3を硬化させる。硬化部6は、例えば、インプリント材を硬化させる光(紫外線)を射出する光源を有し、ビームスプリッタ10およびモールド1を介して基板上のインプリント3に光を照射する。また、硬化部6は、光源から射出された光をインプリント処理において適切な光に調整するための光学素子を含んでいてもよい。第1実施形態では光硬化法が採用されているため、紫外線を射出する光源が用いられているが、例えば熱サイクル法を採用する場合には、インプリント材3としての熱硬化性樹脂を硬化させるための熱源が光源の代わりに用いられうる。
供給部7は、基板上にインプリント材3を供給(塗布)する。本実施形態の供給部7は、インプリント材3を収容するタンク7aと、タンク7aに収容されたインプリント材3を吐出するディスペンサ7bとを含みうる。また、撮像部8は、モールド1と基板上のインプリント材3との接触状態を観察するために設けられ、ビームスプリッタ10およびモールド1を介して基板上のインプリント3を撮像する。撮像部8は、後述するように、モールド1(パターン領域11)に異物(パーティクル)が付着しているか否かを確認するため、インプリント材3に接触していない状態のモールド1のパターン領域11を撮像するように構成されてもよい。
[ショット領域のレイアウト]
インプリント装置100では、基板2における複数のショット領域12の各々に対してインプリント処理が行われうる。ショット領域12とは、1回のインプリント処理によってパターンが形成されるべき領域のことである。そして、基板2における複数のショット領域12には、別々のモールド1を用いてパターンを形成すべき第1ショット領域12aおよび第2ショット領域12bが含まれる場合がある。つまり、基板2における複数のショット領域12には、第1モールド1aを用いてパターンを形成すべき第1ショット領域12aと、第1モールド1aとは異なる第2モールド1bを用いてパターンを形成すべき第2ショット領域12bとが含まれる場合がある。
図2は、基板における複数のショット領域12のレイアウトを示す図である。図2に示すように配置された複数のショット領域12には、モールド1のパターンの全体が転写されるフルショット領域12fと、モールド1のパターンの一部のみが転写されるパーシャルショット領域12pとが含まれる。ここで、パーシャルショット領域12pでは、インプリント処理の際にモールド1が基板2の外縁に接触しうるため、インプリント処理の際にモールド1に蓄積されるダメージがフルショット領域12fに比べて大きくなりうる。つまり、パーシャルショット領域12pのインプリント処理では、フルショット領域12fのインプリント処理に比べてモールド1が破損する可能性が高い。そのため、基板2の中央部に配置されたフルショット領域12fにおいて良品の収率を向上させるためには、フルショット領域12fとパーシャルショット領域12pとで別々のモールド1を用いてインプリント処理を行うことが好ましい。
本実施形態では、フルショット領域12fを、第1モールド1aを用いてパターンを形成すべき第1ショット領域12aとし、パーシャルショット領域12pを、第2モールド1bを用いてパターンを形成すべき第2ショット領域12bとしている。しかしながら、それに限られるものではなく、例えば、複数のショット領域12のうち、+Y方向側のショット領域12を第1ショット領域12a、−Y方向側のショット領域12を第2ショット領域12bとするなど、別の分け方であってもよい。また、複数のショット領域12は、第1モールド1aおよび第2モールド1bとは異なるモールド1を用いてパターンを形成すべきショット領域12(第3ショット領域)が含まれてもよい。
次に、第1モールド1aおよび第2モールド1bについて説明する。例えば、図3に示すように、第1モールド1aおよび第2モールド1bは、パターン領域11の寸法が同じであり、第1モールド1aのパターン領域11および第2モールド1bのパターン領域11には同一のパターンが形成されている。図3(a)は、第1モールド1aを示す図であり、図3(b)は、第2モールド1bを示す図である。また、例えば、図4に示すように、フルショット領域12fにおいて所謂マルチエリアインプリントが行われるように第1モールド1aを構成してもよい。即ち、図5に示すように、第1モールド1aは、パターン領域11の寸法が第2モールド1bより大きくなるように構成されてもよい。図5(a)は、第1モールド1aを示す図であり、図5(b)は、第2モールド1bを示す図である。この場合、第1モールド1aは、例えば、第1モールド1aのパターン領域11に、第2モールド1bのパターン領域11に形成されたパターンと同一のパターンが複数(図5では4つ)含まれるように構成されうる。これにより、フルショット領域12fのインプリント処理に要する時間を低減し、スループットを向上させることができる。
ここで、パーシャルショット領域12pについては、第2モールド1bのパターン領域11の寸法を大きくすると、それに伴い、第2モールド1bのパターン領域11のうち基板上のインプリント材に接触しない部分が大きくなる。その結果、第2モールド1bと基板2との相対位置や相対傾きを、第2モールド1bと基板2もしくは基板ステージ5とが接触しないように制御することが困難となりうる。そのため、パーシャルショット領域12pについては、マルチエリアインプリントを行わないことが好ましい。
[インプリント方法について]
次に、本実施形態におけるインプリント方法について説明する。インプリント処理を行う対象の基板2には、上述したように、第1モールド1aを用いてパターンを形成すべき第1ショット領域12aと、第2モールド1bを用いてパターンを形成すべき第2ショット領域12bとが含まれうる。そして、インプリント装置100は、第1ショット領域12aおよび第2ショット領域12bのインプリント処理を、複数の基板2を含むロット単位で制御する際、第1モールド1aと第2モールド1bとを基板ごとに交換してしまうとスループットが低下しうる。そのため、インプリント装置100では、第1モールド1aによる第1ショット領域12aへのインプリント処理を複数の基板2にわたって連続して行う処理(以下、第1処理)を実行する。そして、第1処理が終了した後、第2モールド1bによる第2ショット領域12bへのインプリント処理を複数の基板2にわたって連続して行う処理(以下、第2処理)を開始することが好ましい。
しかしながら、インプリント装置100では、例えば、第1モールド1aに起因して第1処理が中断することがある。第1モールド1aに起因する第1処理の中断とは、例えば、第1モールド1aに異物が付着したときや、第1モールド1aのインプリント回数が上限に達したときなど、第1モールド1aの継続使用ができなくなることによる第1処理の中断を含みうる。この場合、第1モールド1aの洗浄や、第1モールド1aの代わりとなるモールドの準備を行う必要があるため、第1処理を再開するまでに相応の時間を要しうる。インプリント装置100では、第1処理が中断した場合であっても、スループットの低下が低減されるようにインプリント処理を制御することが好ましい。
そこで、本実施形態のインプリント装置100は、第1処理が第1モールド1aに起因して中断した場合、第1処理に代えて第2処理を実行する。これにより、第1処理が中断している間においても複数の基板2に対するインプリント処理を行うことができる。また、本実施形態のインプリント装置100は、第2処理の途中で第1モールド1aの洗浄や代わりのモールドの準備が完了した場合であっても、第2処理が終了した後に第1処理を再開させる。これにより、第2処理の途中で第1処理を再開させる場合と比べて、モールド1を交換する回数を低減することができる。即ち、第1処理が中断した場合であっても、スループットの低下が低減されるようにインプリント処理を制御することができる。
以下に、本実施形態のインプリント方法について、図6を参照しながら説明する。図6は、本実施形態のインプリント方法を説明するための図である。以下の説明では、1つのロットがn枚の基板2を含み、n枚の基板2の各々における複数の第1ショット領域12aおよび複数の第2ショット領域12bにそれぞれインプリント処理を行うものとする。
制御部9は、第1モールド1aによる第1ショット領域12aへのインプリント処理をn枚の基板2にわたって連続して行う第1処理を開始する。そして、図6(a)に示すように、第1基板から第n基板の順序で第1処理を実行している途中で(図6(a)では、第2基板の第1ショット領域12a’へのインプリント処理が終了したときに)、第1モールド1aの継続使用ができなくなったとする。この場合、制御部9は、第1モールド1aの洗浄や、第1モールド1aの代わりとなるモールドの準備を行うため、第1処理を中断する。そして、モールド保持部4によって保持された第1モールド1aを第2モールド1bに交換し、図6(b)に示すように、第2モールド1bによる第2ショット領域12bへのインプリント処理をn枚の基板2にわたって連続して行う第2処理を開始する。このとき、制御部9は、n枚の基板2のうち第1処理が中断したときの基板2(第2基板)から第2処理を開始することが好ましい。即ち、制御部9は、第2基板、第3基板・・・第n基板、第1基板の順番で第2処理を実行することが好ましい。基板2を交換する工程を削減することができるからである。
ここで、第1モールド1aへの異物(パーティクル)の付着によって第1モールド1aの継続使用ができなくなった場合では、第2処理の間に、第1モールド1aの回復処理(例えば洗浄)が行われうる。また、第1モールド1aのインプリント回数が上限に達したり、第1モールド1aの破損が生じたりした場合では、第2処理の間に、第1モールド1aと同じパターンを有する第3モールドが、第1モールド1aの代わりとして装置内に搬入されうる。
第2処理が終了した後、制御部9は、モールド保持部4に保持された第2モールド1bを、回復処理(例えば洗浄)が行われた第1モールド1a、または、第1モールド1aの代わりの第3モールドに交換し、図6(c)に示すように、第1処理を再開する。即ち、インプリント処理が未だ行われていない第1ショット領域12aに対して、第1モールド1aを用いたインプリント処理を複数の基板2にわたって連続して行う。このとき、制御部9は、n枚の基板のうち第1処理を中断したときの基板2(第2基板)から第1処理を再開するとよい。即ち、制御部9は、第2基板、第3基板・・・第n基板の順番で第1処理を実行することが好ましい。このようにインプリント処理を制御することにより、第1モールド1aの継続使用ができなくなった場合であっても、スループットの低下を低減することができる。
[インプリント方法のフロー]
次に、本実施形態のインプリント方法のフローについて、図7を参照しながら説明する。図7は、本実施形態のインプリント方法を示すフローチャートである。図7に示すフローチャートの各工程は、制御部9によって制御されうる。以下の説明では、図2に示すように第1ショット領域12aおよび第2ショット領域12bをそれぞれ含む複数の基板2(1ロット)に対してインプリント処理を行う例について説明する。
S10では、制御部9は、ロットに含まれる複数の基板2の各々における全てのショット領域12に対して、ショット領域12の個別識別子であるショットIDを割り当てる。ショットIDは、そのIDが付されたショット領域12に関する情報とともに制御部9に記憶されうる。ショット領域12に関する情報は、当該ショット領域12が設けられた基板2および当該基板上の位置を示す情報、当該ショット領域12が第1ショット領域12aおよび第2ショット領域12bのどちらなのかを示す情報などを含みうる。また、ショット領域12に関する情報は、当該ショット領域12のインプリント処理の状況(インプリント処理が行われたか否か)を示す情報も含みうる。
S11では、制御部9は、ショット領域12に関する情報に基づいて、インプリント処理が未だ行われていない(未処理の)第1ショット領域12aについてのインプリント処理の順序を決定する。S12では、制御部9は、第1モールド1aを用いて第1ショット領域12aのインプリント処理を行う。そして、制御部9は、インプリント処理を行った第1ショット領域12aについてのショット領域12に関する情報のうち、インプリント処理の状況を「未処理」から「処理済み」に更新する。
S13では、制御部9は、第1モールド1aの継続使用が可能か否かを判断する。そして、制御部9は、その判断結果に応じて第1処理を中断させる。このS13の工程は、第1ショット領域12aのインプリント処理ごと(インプリント処理が終了する度)に行われうる。例えば、制御部9は、第1モールド1aのインプリント回数(使用回数)を示す情報に基づいて、第1モールド1aのインプリント回数が上限に達したか否かを判定する。そして、第1モールド1aのインプリント回数が上限に達していると判定した場合に、第1モールド1aの継続使用が不可能であると判断しうる。また、制御部9は、例えば、撮像部8で得られた画像の解析結果から、第1モールド1aへの異物の付着や第1モールド1aの破損が生じたか否かを判定する。そして、第1モールド1aへの異物の付着や第1モールド1aの破損が生じたと判定した場合に、第1モールド1aの継続使用が不可能であると判断しうる。ここで、本実施形態では、第1モールド1aへの異物の付着や第1モールド1aの破損が生じたか否かを、撮像部8で得られた画像の解析結果から制御部9が判定したが、それに限られるものではない。例えば、撮像部8で得られた画像に基づいてオペレータが目視で判定してもよい。
S13において第1モールド1aの継続使用が可能であると判断した場合はS14に進み、第1モールドの継続使用が不可能であると判断した場合は、第1処理を中断してS16に進む。
S14では、制御部9は、基板ステージ5によって保持されている基板2に、次にインプリント処理を行うべき第1ショット領域12a(次の第1ショット領域12a)があるか否かを判断する。次の第1ショット領域12aがある場合はS12に戻り、次の第1ショット領域12aがない場合はS15に進む。S15では、制御部9は、未処理の第1ショット領域12aを有する基板2(次の基板2)があるか否かを判断する。次の基板2がある場合は基板2を交換してからS12に戻り、次の基板2がない場合はS16に進む。
S16では、制御部9は、モールド保持部4によって保持された第1モールド1aを第2モールド1bに交換する。S17では、制御部9は、ショット領域12に関する情報に基づいて、未処理の第2ショット領域12bについてのインプリント処理の順序を決定する。S18では、制御部9は、第2モールド1bを用いて第2ショット領域12bのインプリント処理を行う。そして、制御部9は、インプリント処理を行った第2ショット領域12bについてのショット領域12に関する情報を「未処理」から「処理済み」に更新する。
S19では、制御部9は、第2モールド1bの継続使用が可能か否かを判断する。例えば、制御部9は、S13の工程と同様に、第2モールド1bのインプリント回数が上限に達したか否かや、第2モールド1bに異物が付着したか否かに基づいて、第2モールド1bの継続使用が可能か否かを判断しうる。S19において第2モールド1bの継続使用が可能であると判断した場合はS20に進み、第2モールド1bの継続使用が不可能であると判断した場合はS23に進む。
S20では、制御部9は、ショット領域12に関する情報に基づいて、基板ステージ5によって保持されている基板2に、未処理の第2ショット領域12b(次の第2ショット領域12b)があるか否かを判断する。次の第2ショット領域12bがある場合はS18に戻り、次の第2ショット領域12bがない場合はS21に進む。S21では、制御部9は、未処理の第2ショット領域12bを有する基板2(次の基板2)があるか否かを判断する。次の基板2がある場合はS18に戻り、次の基板2がない場合はS22に進む。
S22では、制御部9は、ショット領域12に関する情報に基づいて、ロット内の複数の基板2において、未処理の第1ショット領域12aがあるか否かを判断する。未処理の第1ショット領域12aがある場合はS23に進み、S23において、モールド保持部4によって保持された第2モールド1bを第1モールド1aに交換した後、S11に戻る。一方、未処理の第1ショット領域12aがない場合は終了する。
ここで、図7のフローチャートでは、第1ショット領域12a(フルショット領域12f)のインプリント処理から開始したが、それに限られるものではなく、第2ショット領域12b(パーシャルショット領域12p)のインプリント処理から開始してもよい。例えば、第1ショット領域12aからインプリント処理を開始するようにレシピが設定されていても、装置内における第1モールド1aの状態に応じて、第2ショット領域12bからインプリント処理を開始してもよい。装置内における第1モールド1aの状態とは、例えば、第1モールド1aが装置内に存在しない状態や、インプリント回数が第1処理の途中で上限に達しうる第1モールド1aしか装置内に存在しない状態のことを含みうる。また、制御部9は、第1ショット領域12aからインプリント処理を開始するようにレシピが設定されていても、モールド保持部4によって第2モールド1bが既に保持されている場合には、第2ショット領域12bからインプリント処理を開始してもよい。このように第2ショット領域12bからインプリント処理を開始する場合、制御部9は、そのことを装置内に設けられた表示部(ディスプレイ)や、半導体製造装置を統括制御するホストコンピュータを介してオペレータに通知しうる。これにより、オペレータは、インプリント回数が第1処理の途中で上限に達しない第1モールドを装置内に供給することができる。
また、インプリント装置内に複数の第1モールド1aが保管されている場合、制御部9は、複数の第1モールド1aのうちインプリント回数が少ない第1モールド1aを優先的に使用するとよい。これにより、第1処理の途中で第1モールド1aのインプリント回数が上限に達することを回避することができる。
上述したように、本実施形態のインプリント方法では、第1モールド1aに起因して第1処理が中断した場合、第1処理に代えて第2処理を実行し、第2処理が終了した後に第1処理を再開する。これにより、スループットの低下が低減されるようにインプリント処理を制御することができる。
<物品の製造方法の実施形態>
本発明の実施形態にかかる物品の製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。インプリント装置を用いて成形した硬化物のパターンは、各種物品の少なくとも一部に恒久的に、或いは各種物品を製造する際に一時的に、用いられる。
物品とは、電気回路素子、光学素子、MEMS、記録素子、センサ、或いは、型等である。電気回路素子としては、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、MRAMのような、揮発性或いは不揮発性の半導体メモリや、LSI、CCD、イメージセンサ、FPGAのような半導体素子等が挙げられる。型としては、インプリント用のモールド等が挙げられる。硬化物のパターンは、上記物品の少なくとも一部の構成部材として、そのまま用いられるか、或いは、レジストマスクとして一時的に用いられる。基板の加工工程においてエッチング又はイオン注入等が行われた後、レジストマスクは除去される。
本実施形態の物品の製造方法は、基板に塗布された樹脂に上記のインプリント装置を用いてパターンを形成する工程(基板にインプリント処理を行う工程)と、かかる工程でパターンを形成された基板を加工する工程とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
1:モールド、2:基板、3:インプリント材、4:モールド保持部、5:基板ステージ、6:硬化部、7:供給部、8:撮像部、9:制御部、100:インプリント装置。

Claims (10)

  1. モールドを用いて複数の基板の各々にパターンを形成するインプリント方法であって、
    前記複数の基板の各々は、第1モールドを用いてパターンを形成すべき第1ショット領域と、第2モールドを用いてパターンを形成すべき第2ショット領域とを含む複数のショット領域を有し、
    前記インプリント方法は、
    前記第1モールドによる前記第1ショット領域へのパターンの形成を前記複数の基板にわたって連続して行う第1処理が前記第1モールドに起因して中断した場合、前記第1処理に代えて、前記第2モールドによる前記第2ショット領域へのパターンの形成を前記複数の基板にわたって連続して行う第2処理を実行し、当該第2処理が終了した後に前記第1処理を再開する、ことを特徴とするインプリント方法。
  2. 前記第1処理が中断した場合、前記複数の基板のうち前記第1処理が中断したときの基板から前記第2処理を開始する、ことを特徴とする請求項1に記載のインプリント方法。
  3. 前記第1処理の間、前記第1モールドの継続使用が可能か否かをショット領域ごとに判断し、判断結果に応じて前記第1処理を中断する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のインプリント方法。
  4. 前記第1モールドに起因する前記第1処理の中断は、前記第1モールドのインプリント回数が上限に達したことによる前記第1処理の中断、前記第1モールドへの異物の付着による前記第1処理の中断、および前記第1モールドの破損による前記第1処理の中断のうち少なくとも1つを含む、ことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のインプリント方法。
  5. 前記第2処理が終了した後、回復処理が行われた前記第1モールド、または第1モールドと同じパターンを有する第3モールドを用いて前記第1処理を再開する、ことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載のインプリント方法。
  6. 前記第1ショット領域は、モールドのパターンの全体が転写されるフルショット領域を含み、
    前記第2ショット領域は、モールドのパターンの一部が転写されるパーシャルショット領域を含む、ことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載のインプリント方法。
  7. 前記第1モールドと前記第2モールドとでは、パターンが形成されたパターン領域の寸法が同じである、ことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載のインプリント方法。
  8. 前記第1モールドは、パターンが形成されたパターン領域の寸法が前記第2モールドより大きい、ことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載のインプリント方法。
  9. 請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載のインプリント方法を用いて複数の基板の各々にパターンを形成する工程と、
    前記工程でパターンを形成された前記複数の基板の各々を加工する工程と、
    を含む、ことを特徴とする物品の製造方法。
  10. 請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載のインプリント方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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