JP2017199672A - ニッケルペースト及びニッケルペーストの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ニッケル粉の分散性に優れ、且つシートアタックの発生させない、ニッケルペーストを提供すること。【解決手段】本発明に係るニッケルペーストは、積層セラミックコンデンサ内部電極用に使用するニッケルペーストであって、ニッケル粉と、有機溶剤と、高分子分散剤と、バインダー樹脂とを少なくとも含有し、高分子分散剤は、親水基としてリン酸基を有し、親油基としてポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、及びポリオキシアルキレンから選ばれる1種以上を有する。【選択図】なし

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサの内部電極用として好適に用いることができるニッケルペースト、及びその製造方法に関する。
一般に、積層セラミックコンデンサ(以下、「MLCC」ともいう)の内部電極に用いられるニッケルペーストは、ビヒクル中にニッケル粉を混練して製造され、多くのニッケル粉の凝集体を含んでいる。ニッケル粉の製造プロセスにおける最終段階には、金属粉の製造方法(乾式法、湿式法)を問わず、乾燥工程を有するのが通常であり、この乾燥工程がニッケル粒子の凝集を促すため、得られるニッケル粉には乾燥時に生じた凝集体が含まれていることが一般的である。
近年の積層セラミックコンデンサは、小型で大容量化を達成させるために、内部電極層を伴ったセラミックグリーンシートの積層数を、数百から1000層程度にまで増加させることが要求されている。このため、内部電極層の厚みを従来の数μmレベルからサブミクロンレベルに薄層化する検討がなされてきており、それに伴い、内部電極用の電極材料であるニッケル粉の小粒径化が進められている。
しかしながら、ニッケル粉は小粒径になるほど表面積が大きくなり、それに伴い表面エネルギーが大きくなって、凝集体が形成されやすくなる。ニッケル超微粉等の金属超微粉は、分散性が悪く、凝集体が存在するようになると、セラミックコンデンサ製造時の焼成工程においてニッケル粉を焼結する際に、その凝集体がセラミックシート層を突き抜けてしまうため、電極が短絡した不良品となる。また、たとえセラミックシート層を突き抜けない場合であっても、電極間距離が短くなることで部分的な電流集中が発生してしまい、積層セラミックコンデンサの寿命劣化の原因となっていた。
MLCCの内部電極用に用いられるニッケル超微粉スラリーとしては、例えば特許文献1に開示されているスラリーがある。具体的に、この特許文献1には、以下のような技術が開示されている。すなわち、先ず、金属超微粉水スラリー(金属超微粉濃度:50質量%)に特定の陰イオン界面活性剤を金属超微粉100質量部に対して0.3質量部の割合で添加したものに対して、プロセスホモジナイザー等を用いた分散処理を所定時間実施して、水中における金属超微粉の凝集体を一次粒子にまで分散させる。その後、有機溶媒として、例えばターピネオールを金属超微粉100質量部に対して10質量部添加する。これにより、金属粉を含むターピネオール層が連続層となって沈殿物となり、水は上澄みとして分離されて、金属超微粉有機溶媒スラリーが得られるというものである。
特開2006−63441号公報
しかしながら、特許文献1に記載の製法では、ニッケル粉有機スラリーを作製するために、ニッケル粉水スラリーに直接、特定の陰イオン界面活性剤を添加し、次に、有機溶媒と混合してニッケル粉を置換することによってニッケル粉有機スラリーを得る、という処理を行っている。そのため、添加した界面活性剤がミセル化することで、ニッケル粉表面に吸着しにくくなり、ニッケル粉の凝集を効率的に抑えているとは言えないものであった。そして、ニッケル粉が凝集して分散性が悪くなると、表面粗さが大きくなり、また水分を効率的に除去できなくなる。
また、ニッケル粉有機スラリーを作製する際、ニッケル粉の凝集を抑制するために使用されている分散剤には、セラミックグリーンシートのバインダー樹脂に対する反応性が比較的高いものがある。このような分散剤を含有するニッケル粉有機スラリーを用いてニッケル内部電極セラミックコンデンサを作製すると、セラミックグリーンシートに含有されているバインダー樹脂が溶解して、セラミックグリーンシートに穴や皺が生じる現像、いわゆる「シートアタック」が発生する場合がある。この「シートアタック」が大きい場合、セラミックグリーンシートの積層時にニッケルペーストの印刷部分に穴が生じたり、焼成時にセラミックグリーンシートと内部電極層が層間剥離したりするという不具合を生じる。セラミックグリーンシートが薄いほど「シートアタック」による影響は顕著となる。
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、ニッケル粉の分散性に優れ、且つシートアタックを発生させない、ニッケルペーストを提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、特定の高分子分散剤を含有させてなるニッケルペーストによれば、ニッケル粉の分散性に優れ、且つ積層セラミックコンデンサの内部電極として使用するときにシートアタックの発生を抑えることができるニッケルペーストとなるという知見を得て、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1)本発明の第1の発明は、積層セラミックコンデンサ内部電極用に使用するニッケルペーストであって、ニッケル粉と、有機溶剤と、高分子分散剤と、バインダー樹脂とを少なくとも含み、前記高分子分散剤は、親水基としてリン酸基を有し、親油基としてポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、及びポリオキシアルキレンから選ばれる1種以上を有する、ニッケルペーストである。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記高分子分散剤は、ニッケル粉100質量部に対して2質量部以上10質量部以下の割合で含有されている、ニッケルペーストである。
(3)本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記ニッケル粉の画像法による平均粒径は、0.05μm以上0.5μm以下である、ニッケルペーストである。
(4)本発明の第4の発明は、ニッケル粉の水スラリーに、有機溶剤と、高分子分散剤とを添加してニッケル有機スラリーを形成するニッケル有機スラリー形成工程と、水層と有機層とに分離した前記ニッケル有機スラリーから前記水層を分離して、有機層ニッケル有機スラリーを得る水分離工程と、前記有機層ニッケル有機スラリーにバインダー樹脂を添加して混錬する混練工程とを有し、前記高分子分散剤として、親水基にリン酸基を有し、親油基にポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、及びポリオキシアルキレンから選ばれる1種以上を有する、ニッケルペーストの製造方法である。
本発明によれば、ニッケル粉の分散性に優れ、且つシートアタックの発生を抑えることができるニッケルペーストを提供することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更することができる。また、本明細書にて、「x〜y」(x、yは任意の数値)との表記は、特に断らない限り「x以上y以下」の意味である。
≪1.ニッケルペースト≫
本実施の形態に係るニッケルペーストは、少なくとも、ニッケル粉と、高分子分散剤と、有機溶剤と、バインダー樹脂とを含有するニッケルペーストである。そして、高分子分散剤は、親水基としてリン酸基を有し、親油基としてポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、及びポリオキシアルキレンから選ばれる1種以上を有する。
このようなニッケルペーストによれば、構成成分であるニッケル粉の分散性に優れ、且つ積層セラミックコンデンサの内部電極としたときにシートアタックの発生を防ぐことができ、その高積層セラミックコンデンサの内部電極用として好適に用いることができる。
このようなニッケル粉の分散性に優れるニッケルペーストは、その粘度が8Pa・s〜150Pa・sであり、カールフィッシャー法により測定される水分率が1質量%未満である。また、そのニッケルペーストを塗布して得られる乾燥膜の表面粗さは0.05μm以下である。
[ニッケル粉]
ニッケル粉は、当該ニッケルペーストの構成成分であり、湿式法や乾式法等の製法を問わずに種々のニッケル粉を使用することができる。例えば、CVD法、蒸発急冷法、ニッケル塩やニッケル水酸化物等を用いた水素還元法等のいわゆる乾式法によるニッケル粉であってもよく、またニッケル塩溶液に対してヒドラジン等の還元剤を用いた湿式還元法等のいわゆる湿式法によるニッケル粉であってもよい。その中でも、湿式還元法等のいわゆる湿式法によるニッケル粉を使用することが好ましい。
また、ニッケル粉としては、画像法により測定される平均粒径が0.05μm〜0.5μmの超微粒のものであることが好ましい。超微粒のニッケル粉は、例えば、積層セラミックコンデンサの内部電極の用途として好適に用いることができる。MLCCの内部電極として近年要求される薄層化に対応する観点からすると、好ましくは平均粒径が0.05μm〜0.3μm程度のニッケル粉を用いることが必要であり、特に1000層レベルの内部電極とするためには、平均粒径がサブミクロンのニッケル粉が必要とされ、0.05μm〜0.1μmのニッケル粉を用いることがより好ましい。
なお、平均粒径の測定に用いる画像法とは、測定対象のニッケル粉を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、SEM観察像の所定範囲内に存在する100個の一次粒子の粒径を測定し、その平均値を平均粒径とする方法である。ここで、一次粒子とは、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察される単位粒子を指し、単位粒子が凝集し、結合してできた粒子、いわゆる二次粒子を意味するものではない。
ニッケルペースト中のニッケル含有量は、特に限定されないが、50質量%〜70質量%であることが好ましい。ニッケル含有量が50質量%未満であると、積層セラミックコンデンサの内部電極としての導電性を得にくくなる。一方、ニッケル含有量が70質量%を超えると、焼成工程においてセラミックシートから剥離しやすくなる。
[高分子分散剤]
高分子分散剤は、ニッケル粉の表面に吸着してコートされ、ニッケルペースト中での分散性を向上させるように作用する。この高分子分散剤は、親水基としてリン酸基を有し、親油基としてポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン及びポリオキシアルキレンから選ばれる1種以上を有する。
ここで、ニッケル粉の表面は、塩基性の性質を有している。そのため、高分子分散剤として、上記の構造を有する(親水基としてリン酸基を有し、親油基としてポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン及びポリオキシアルキレンから選ばれる1種以上を有する)高分子分散剤を含有させることによって、ニッケル粉の表面に効率的に吸着させることができ、分散性を向上させることができる。また、上記の構造を有する高分子分散剤であるため、セラミックグリーンシートのバインダー樹脂に対する反応性が低く、シートアタックの発生を防止することができる。
高分子分散剤の分子量としては、特に限定されないが、例えば500以上であることが好ましく、1000以上であることがより好ましい。また、高分子分散剤の分子量としては、100000以下であることが好ましく、80000以下であることがより好ましい。なお、「分子量」とは、重量平均分子量をいう。
また、高分子分散剤の構造としては、特に限定されないが、櫛形のポリマーであることが好ましい。櫛形の構造を有する高分子分散剤としては、櫛の背にあたるアンカー部にリン酸基を有し、櫛の歯にあたるグラフト部に、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、又はポリオキシアルキレンを有することが好ましい。このように櫛形のポリマーの構造をした高分子分散剤であることにより、アンカー部のリン酸基がニッケル粉に効率的に吸着し、櫛の歯に当たるグラフト部が立体障害効果を発揮して、ニッケル粉の凝集をより効果的に抑制する。
具体的に、このような高分子分散剤として、親水基としてリン酸基を有し、親油基としてポリアミドをする高分子分散剤(商品名:SOLSPERSE36000、日本ルーブリゾール社製)や、親水基としてリン酸基を有し、親油基としてポリエステルを有する高分子分散剤(商品名:DISPER BYK−110、BYK−111、BYK−118、BYK−181、ビックケミージャパン社製)等が挙げられ、好適に用いることができる。
高分子分散剤の含有量としては、特に限定されないが、ニッケル粉100質量部に対して2質量部〜10質量部の割合であることが好ましく、2質量部〜8質量部の割合であることがより好ましく、2質量部〜5質量部の割合であることがさらに好ましい。高分子分散剤の含有量がニッケル粉100質量部に対して2質量部未満であると、ニッケルペーストを作製する混練時において水の分離が効率的に行われなくなる可能性があり、ニッケルペースト中の残留水分量が多くなる。一方で、ニッケル粉100質量部に対して10質量部を超えると、ニッケル粉表面を被覆する際に高分子分散剤に水が抱き込まれ、ニッケルペースト中の水分が残留することがあり、また、高分子分散剤の量が多すぎるためにニッケルペーストの粘度に影響が生じる可能性がある。
[有機溶剤]
有機溶剤は、通常一般的に、導電ペースト用溶剤として用いられる溶剤であり、上述した高分子分散剤を溶解することが可能な溶剤あれば、特に限定されない。その中でも、テルペンアルコール系、脂肪族炭化水素系等の有機溶剤を用いることが好ましい。
具体的に、テルペンアルコール系の有機溶剤としては、例えば、ターピネオール(テルピネオール)、ジハイドロターピネオール、ターピネオールアセテート、ボルネオール、ゲラニオール、リナロール等が挙げられる。また、脂肪族炭化水素系の有機溶剤としては、例えば、n−デカン、n−ドデカン、ミネラルスピリット等が挙げられる。これらの有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[バインダー樹脂]
バインダー樹脂としては、特に限定されないが、例えば、セルロース構造、セルロースエステル構造、及びセルロースエーテル構造から選ばれる構造を有し、カルボキシル基等の官能基(酸基)が導入されているものの、少なくとも1種を含有させることができる。
[その他]
なお、本実施の形態に係るニッケルペーストには、その作用を損なわせない範囲で、必要に応じて種々の添加剤を含有させることができる。
具体的には、ペースト中におけるニッケル粉の分散性をより向上させるための分散剤や、粘度を調整するための粘度調整剤、チクソ性を高めるためのレオロジーコントロール剤等を添加することができる。
≪2.ニッケルペーストの製造方法≫
次に、ニッケルペーストの製造方法の一例について説明する。本実施の形態に係るニッケルペーストの製造方法は、少なくとも、下記[A]〜[C]の3工程を有している。
すなわち、このニッケルペーストの製造方法は、
[A]ニッケル粉の水スラリーに、有機溶剤と、高分子分散剤とを添加してニッケル有機スラリーを形成するニッケル有機スラリー工程と、
[B]水層と有機層とに分離したニッケル有機スラリーから水層を分離して、有機層ニッケル有機スラリーを得る水分離工程と、
[C]有機層ニッケル有機スラリーにバインダー樹脂を添加して混錬する混練工程と、
を有している。以下に、各工程について詳細に説明する。
<[A]ニッケル有機スラリー形成工程>
工程[A]においては、ニッケル粉の水スラリー(ニッケル粉水スラリー)に、有機溶剤と、高分子分散剤とを添加して攪拌・混合を行い、ニッケル有機スラリーを得る。
(ニッケル粉水スラリー)
ニッケル粉としては、上述したように、湿式法や乾式法等の製法を問わずに種々のものを使用することができ、例えば、ヒドラジン等の還元剤を用いた湿式還元法等のいわゆる湿式法によるニッケル粉を使用することが好ましい。
また、ニッケル粉としては、湿式法により作製された、平均粒径が0.05μm〜0.5μmの超微粒ニッケル粉を用いることが好ましい。平均粒径が0.05μm〜0.5μmの超微粒ニッケル粉は、積層セラミックコンデンサ内部電極用途として好適に用いられ、このようなニッケル粉を用いることによって、効果がより顕著に表れるようになる。
工程[A]においては、このような超微粒ニッケル粉を従来公知の方法により水中に分散させることによって、ニッケル粉水スラリーを得ることができる。
ニッケル粉水スラリー中のニッケル含有量としては、特に限定されないが、20質量%〜75質量%であることが好ましい。含有量が20質量%未満であると、水分量が多くなりすぎ、ニッケル有機スラリーを得るために使用する有機溶剤も大量に使用することになる。また、ニッケル濃度が低くなるため、良好なニッケルペーストが生成されにくくなる。一方で、含有量が75質量%を越えると、水分量が少なくなり、有機溶剤との分離が不十分となって、水分が残留しやすくなってしまう。
(ニッケル有機スラリー)
工程[A]では、先ず、有機溶剤と高分子分散剤とを混合して有機溶液を得る。次に、この有機溶液とニッケル粉水スラリーとを混合することによって、ニッケル有機スラリーを得る。
ここで、本実施の形態に係る製造方法においては、特定の構造を有する高分子分散剤と、その高分子分散剤の添加量が重要となる。上述した特定の構造を有する高分子分散剤を、その添加量がニッケル粉100質量部に対して2質量部〜10質量%の割合となるようにすることによって、ニッケル粉の表面に高分子分散剤を均一にコートすることができる。
ニッケル粉に対して高分子分散剤をコートするにあたり、高分子分散剤を溶解させた有機溶液とニッケル粉水スラリーとの混合攪拌方法としては、特に限定されるものではなく、例えば公知の分散処理装置であるボールミル、ホモジナイザー、乳鉢、自動乳鉢、ニーダー、プラネタリーミキサー等を使用した方法を用いることができる。また、必要に応じて、真空ポンプ又はアスピレーターで減圧して、脱泡や脱水処理を施すようにしてもよい。また、加熱、冷却処理を行うようにしてもよい。
<[B]水分離工程>
工程[B]では、水層と有機層とに分離したニッケル有機スラリーから、その水層を分離して、有機層ニッケル有機スラリーを得る。
上述した工程[A]において混合攪拌によってニッケル有機スラリーを得ると、そのニッケル有機スラリー中のニッケル粉は有機層に分散移行する。そのため、上澄みの水を従来公知の方法で分離除去することで、有機層ニッケル有機スラリーを得ることができる。
この工程で分離した有機層ニッケル有機スラリーには、15質量%〜50質量%程度の水分が残存しているが、本実施の形態に係る製造方法においては、この残存水分も次工程の混練工程[C]において効果的に除去して低減させることができる。
<[C]混練工程>
工程[C]では、有機層ニッケル有機スラリーにバインダー樹脂を添加して混錬する。この工程[C]において、有機層ニッケル有機スラリーと、バインダー樹脂とを混練する、いわゆるフラッシングプロセスにより、スラリー中に残留した水分を効果的に分離除去することができる。これにより、具体的には、カールフィッシャー法により測定される水分率が1質量%未満であるニッケルペーストを得ることができる。
バインダー樹脂としては、特に限定されないが、有機溶剤に樹脂を溶解させて得られるビヒクルとして添加することが好ましい。ここで、ビヒクルは、樹脂を有機溶剤に溶解させることで得られるものであり、有機溶剤としては導電ペーストの用途に通常使用されているものでよい。
例えば、樹脂としては、セルロース構造、セルロースエステル構造、及びセルロースエーテル構造を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有するものを用いることができる。また、有機溶剤としては、上述した樹脂を溶解することができるものであれば特に限定されず、例えば、テルペンアルコール系、脂肪族炭化水素系等の溶剤であることが好ましく、上述した工程[A]のニッケル有機スラリー形成工程にて用いられる有機溶剤と同様のものが好適に用いられる。
使用するビヒクルの濃度としては、特に限定されないが、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。濃度が5質量%未満であると、粘度が低くなり、混練時にトルクがかかりにくくなり、また水の分離が不十分となってニッケルペーストの残留水分量が多くなる可能性がある。なお、ビヒクルの濃度の上限値としては、特に限定されないが、例えば30質量%以下とすることができる。
また、混練方法としては、公知の方法を使用することができ、具体的にはロールミル、ボールミル、ホモジナイザー、ライカイ機、ニーダー、プラネタリーミキサー等の混練装置を用いた方法により行うことができ、特に限定されない。また、必要に応じて、真空ポンプ又はアスピレーターで減圧し、脱泡や脱水処理を施してもよい。また、加熱、冷却処理を行うことも可能である。
このように、ニッケル水スラリーに、有機溶剤及び樹脂を強制的に吸着させて、水を有機溶剤と置換し分離する「フラッシングプロセス」を適用することにより、得られるニッケルペーストの水分率をより効果的に低減させることができる。
ここで、本実施の形態に係る製造方法における条件でニッケルペーストを製造する場合には、配合した高分子分散剤はニッケルペースト中にその全量が含有される。
なお、以上のようにして得られるニッケルペーストは、残留した水分を分離除去した後に、積層セラミックコンデンサの構成成分である誘電体として、例えばチタン酸バリウム等を混合してもよい。さらに、分散性を向上させるために、界面活性剤等の分散剤を添加することもでき、また粘度調整のために有機溶剤を添加することもできる。また、チクソ性を出すために、レオロジーコントロール剤等を添加して混練することもできる。
以上のように、本実施の形態に係る製造方法では、ニッケル粉に対して、親水基としてリン酸基を有し、親油基としてポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、及びポリオキシアルキレンから選ばれる1種以上を有する高分子分散剤による表面被覆を施すようにしている。これによれば、ニッケル粉を凝集の少ない状態で分散させたニッケルペーストが得られ、且つ積層セラミックコンデンサの内部電極として使用するときのシートアタックの発生を効果的に防ぐことができる。
そして、このようにして得られたニッケルペーストによれば、小型化の要求が増している、高積層セラミックコンデンサの内部電極用の材料として好適に用いることができる。
以下に、本発明の実施例を示してさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
≪評価方法≫
下記の試験例1〜3に示す作製条件にて得られたニッケルペーストについて、以下の評価方法により評価を行った。
(シートアタックの評価)
ニッケルペーストのシートアタックについては以下のように評価した。
先ず、本試験例の内部電極用ニッケルペーストをセラミックグリーンシートにスクリーン印刷した。印刷には、325メッシュ、1.8×1.8cmのパターンのスクリーンを使用した。印刷後、シートを85℃で10分間乾燥させ、その後、シートに溶解及び膨潤により穴や皺ができていないかの確認を目視にて行った。
なお、下記表1中では、シートに穴や皺が確認できなかったものを『◎』と表記し、シートに穴や皺が若干確認されたものを『△』と表記する。
(残留水分率の測定)
得られたニッケルペーストについて、その水分率を、電量滴定式カールフィッシャー水分計(京都電子工業株式会社製)を用いて、180℃における残留水分率(質量%)を測定した。
(乾燥膜密度の測定)
得られたニッケルペーストを、PETフィルム上にアプリケーターを用いて200μmの厚さに塗布し、120℃で40分間乾燥させ、得られた乾燥膜について、φ40mmになるように切り抜き、面積、膜厚、及び重量を測定し、これらのデータから乾燥膜密度を算出した。
(粘度の評価)
得られたニッケルペーストを、レオメーター(MCR−501,アントンパール社製)を用い、せん断速度4.0s−1、25℃におけるニッケルペーストの粘度(Pa・s)を測定した。
(表面粗さの評価)
得られたニッケルペーストを、PETフィルム上にアプリケーターを用いて200μmの厚さに塗布し、120℃で40分間乾燥させ、得られた乾燥膜について、表面粗さ測定機(SURFCOM、東京精密社製)を用いて平均表面粗さRa(μm)を測定した。
≪実施例1〜8及び比較例1〜3におけるニッケルペーストの作製≫
[実施例1]
(1)ニッケルペーストの作製
先ず、住友金属鉱山株式会社製のニッケル超微粉90g(製品名:NR707、湿式還元法によるNi超微粉、平均粒径0.07μm、比表面積9.6m/g)を水に混合し30質量%のスラリー濃度としたニッケル粉水スラリー(水分量70%)を300g作製した。なお、ニッケル超微粉の平均粒径は、画像法により測定したものである。
次に、有機溶剤としてジヒドロターピネオール(日本香料株式会社製)10.5gを用意し、その有機溶剤に、親水基としてリン酸基を有し、親油基としてポリアミドを有する高分子分散剤(日本ルーブリゾール社製、商品名:SOLSPERSE36000、重量平均分子量:36000)2.1gを溶解させて、高分子分散剤有機溶液12.6gを調製した。
その後、ニッケル粉水スラリー300gに対して、調製した高分子分散剤有機溶液12.6gを加え、エクセルオートホモジナイザー(日本精機株式会社製)で周速10m/sの回転速度で2分間混合攪拌して、高分子分散剤をニッケル粉にコートしたニッケル粉有機スラリーを得た。
次に、有機溶剤のジヒドロターピネオールに、バインダー樹脂としてエチルセルロース(ダウケミカル社製,規格名:STD300)を投入し、攪拌しながら80℃に加熱してビヒクル(10.5質量%エチルセルロース)を調製した。そして、そのビヒクル21.5gと、上述のように作製した、高分子分散剤をニッケル粉にコートしたニッケル粉有機スラリーとを、3本ロールを用いて十分に混錬し、その後ジヒドロターピネオールやミネラルスピリッツ等で希釈して、ニッケル濃度が60質量%であり、ニッケル粉100質量部に対して高分子分散剤を2.3質量部の割合で含有するニッケルペーストを得た。
(2)ニッケルペーストの評価
得られたニッケルペーストについて、上述した評価方法により、「シートアタックの評価」、「残留水分率」、「乾燥膜密度」、「粘度」、及び「表面粗さ」を測定して評価した。
その結果、シートに溶解及び膨潤により穴や皺ができていないことを目視にて確認でき、シートアタックの発生は確認されなかった。また、ニッケルペーストの残留水分率は、1質量%と極めて少なく、乾燥膜密度は、5.4g/cmと高かった。また、粘度は、94.0Pa・sであり、乾燥膜の表面粗さRaは0.04μmであった。
[実施例2]
実施例1と同様に住友金属鉱山株式会社製のニッケル超微粉90g(平均粒径0.07μm)から得られたニッケル粉水スラリー300gと、有機溶剤としてジヒドロターピネオール(日本香料株式会社製)10.5gとを用意した。そして、その有機溶剤に、親水基としてリン酸基を有し、親油基としてポリアミドを有する高分子分散剤(日本ルーブリゾール社製、商品名:SOLSPERSE36000、重量平均分子量:36000)3.2gを溶解させて、高分子分散剤有機溶液13.7gを調製した。
その後、実施例1と同様にニッケルペーストを得た。得られたニッケルペーストについて、実施例1と同様に評価した。
その結果、シートに溶解及び膨潤により穴や皺ができていないことを目視にて確認でき、シートアタックの発生は確認されなかった。また、ニッケルペーストの残留水分率は、1質量%と極めて少なく、乾燥膜密度は、5.1g/cmと高かった。また、粘度は、85.0Pa・sであり、乾燥膜の表面粗さRaは0.05μmであった。
[実施例3]
実施例1と同様に住友金属鉱山株式会社製のニッケル超微粉90g(平均粒径0.07μm)から得られたニッケル粉水スラリー300gと、有機溶剤としてジヒドロターピネオール(日本香料株式会社製)10.5gとを用意した。そして、その有機溶剤に、親水基としてリン酸基を有し、親油基としてポリエステルを有する高分子分散剤(ビックケミージャパン社製、商品名:DISPER BYK−110、重量平均分子量:1000)2.7gを溶解させて、高分子分散剤有機溶液13.2gを調製した。
その後、実施例1と同様にニッケルペーストを得た。得られたニッケルペーストについて、実施例1と同様に評価した。
その結果、シートに溶解及び膨潤により穴や皺ができていないことを目視にて確認でき、シートアタックの発生は確認されなかった。また、ニッケルペーストの残留水分率は、1質量%と極めて少なく、乾燥膜密度は、5.2g/cmと高かった。また、粘度は、86.3Pa・sであり、乾燥膜の表面粗さRaは0.04μmであった。
[実施例4]
実施例1と同様に住友金属鉱山株式会社製のニッケル超微粉90g(平均粒径0.07μm)から得られたニッケル粉水スラリー300gと、有機溶剤としてジヒドロターピネオール(日本香料株式会社製)10.5gとを用意した。そして、その有機溶剤に、親水基としてリン酸基を有し、親油基としてポリエステルを有する高分子分散剤(ビックケミージャパン社製、商品名:DISPER BYK−111、重量平均分子量:1000)2.4gを溶解させて、高分子分散剤有機溶液12.9gを調製した。
その後、実施例1と同様にニッケルペーストを得た。得られたニッケルペーストについて、実施例1と同様に評価した。
その結果、シートに溶解及び膨潤により穴や皺ができていないことを目視にて確認でき、シートアタックの発生は確認されなかった。また、ニッケルペーストの残留水分率は、1質量%と極めて少なく、乾燥膜密度は、5.2g/cmと高かった。また、粘度は、84.9Pa・sであり、乾燥膜の表面粗さRaは0.05μmであった。
[実施例5]
実施例1と同様に住友金属鉱山株式会社製のニッケル超微粉90g(平均粒径0.07μm)から得られたニッケル粉水スラリー300gと、有機溶剤としてジヒドロターピネオール(日本香料株式会社製)10.5gとを用意した。そして、その有機溶剤に、親水基としてリン酸基を有し、親油基としてポリエステルを有する高分子分散剤(ビックケミージャパン社製、商品名:DISPER BYK−181、重量平均分子量:2000)2.2gを溶解させて、高分子分散剤有機溶液12.7gを調製した。
その後、実施例1と同様にニッケルペーストを得た。得られたニッケルペーストについて、実施例1と同様に評価した。
その結果、シートに溶解及び膨潤により穴や皺ができていないことを目視にて確認でき、シートアタックの発生は確認されなかった。また、ニッケルペーストの残留水分率は、1質量%と極めて少なく、乾燥膜密度は、5.0g/cmと高かった。また、粘度は、86.4Pa・sであり、乾燥膜の表面粗さRaは0.05μmであった。
[実施例6]
実施例1と同様に住友金属鉱山株式会社製のニッケル超微粉90g(平均粒径0.07μm)から得られたニッケル粉水スラリー300gと、有機溶剤としてジヒドロターピネオール(日本香料株式会社製)10.5gとを用意した。そして、その有機溶剤に、親水基としてリン酸基を有し、親油基としてポリオキシアルキレンを有する高分子分散剤(第一工業製薬社製、商品名:プライサーフ A212C)3.0gを溶解させて、高分子分散剤有機溶液13.0gを調製した。
その後、実施例1と同様にニッケルペーストを得た。得られたニッケルペーストについて、実施例1と同様に評価した。
その結果、シートに溶解及び膨潤により穴や皺ができていないことを目視にて確認でき、シートアタックの発生は確認されなかった。また、ニッケルペーストの残留水分率は、1.0質量%と極めて少なく、乾燥膜密度は、5.2g/cmと高かった。また、粘度は、87.0Pa・sであり、乾燥膜の表面粗さRaは0.05μmであった。
[実施例7]
実施例1と同様に住友金属鉱山株式会社製のニッケル超微粉90g(平均粒径0.07μm)から得られたニッケル粉水スラリー300gと、有機溶剤としてジヒドロターピネオール(日本香料株式会社製)10.5gとを用意した。そして、その有機溶剤に、親水基としてリン酸基を有し、親油基としてポリオキシアルキレンを有する高分子分散剤(第一工業製薬社製、商品名:プライサーフ A208F)3.0gを溶解させて、高分子分散剤有機溶液13.0gを調製した。
その後、実施例1と同様にニッケルペーストを得た。得られたニッケルペーストについて、実施例1と同様に評価した。
その結果、シートに溶解及び膨潤により穴や皺ができていないことを目視にて確認でき、シートアタックの発生は確認されなかった。また、ニッケルペーストの残留水分率は、1.0質量%と極めて少なく、乾燥膜密度は、5.2g/cmと高かった。また、粘度は、84.3Pa・sであり、乾燥膜の表面粗さRaは0.04μmであった。
[実施例8]
実施例1と同様に住友金属鉱山株式会社製のニッケル超微粉90g(平均粒径0.07μm)から得られたニッケル粉水スラリー300gと、有機溶剤としてジヒドロターピネオール(日本香料株式会社製)10.5gとを用意した。そして、その有機溶剤に、親水基としてリン酸基を有し、親油基としてポリオキシアルキレンを有する高分子分散剤(第一工業製薬社製、商品名:プライサーフ AL)2.5gを溶解させて、高分子分散剤有機溶液12.5gを調製した。
その後、実施例1と同様にニッケルペーストを得た。得られたニッケルペーストについて、実施例1と同様に評価した。
その結果、シートに溶解及び膨潤により穴や皺ができていないことを目視にて確認でき、シートアタックの発生は確認されなかった。また、ニッケルペーストの残留水分率は、0.8質量%と極めて少なく、乾燥膜密度は、5.0g/cmと高かった。また、粘度は、81.6Pa・sであり、乾燥膜の表面粗さRaは0.05μmであった。
[比較例1]
実施例1の条件で、高分子分散剤(日本ルーブリゾール社製、商品名:SOLSPERSE36000)2.1gを、N−オレイル−N−メチルグリシン(日油株式会社製、商品名:オレオイルザルコシン221P)2.1gに変更したこと以外は、実施例1と同様にしてニッケルペーストを得て、得られたニッケルペーストについて同様にして評価した。
その結果、ニッケルペーストの残留水分率は0.7質量%と極めて少なく、乾燥膜密度は、5.4g/cmと高かった。また、粘度は、90.0Pa・sであり、乾燥膜の表面粗さRaは0.03μmであり、これら結果は実施例1〜8と同等のものであった。一方で、比較例1では、シートに溶解及び膨潤により皺等があるのが目視で若干確認された。
[比較例2]
実施例1の条件で、高分子分散剤(日本ルーブリゾール社製、商品名:SOLSPERSE36000)2.1gを使用せずに、代わりにヘキサメタりん酸ナトリウム2.1gを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてニッケルペーストを得て、得られたニッケルペーストについて同様にして評価した。
その結果、ニッケルペーストの残留水分率は10.5質量%と高く、乾燥膜密度は、4.3g/cmと低かった。また、粘度は、105.4Pa・s、乾燥膜の表面粗さRaは0.40μmであり、目的とする特性を有するペーストは得られなかった。
[比較例3]
実施例1の条件で、高分子分散剤(日本ルーブリゾール社製、商品名:SOLSPERSE36000)2.1gを使用せずに、代わりにピロりん酸ナトリウム2.1gを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてニッケルペーストを得て、得られたニッケルペーストについて同様にして評価した。
その結果、ニッケルペーストの残留水分率は15.1質量%と高く、乾燥膜密度は、4.5g/cmと低かった。また、粘度は、111.3Pa・s、乾燥膜の表面粗さRaは0.55μmであり、目的とする特性を有するペーストは得られなかった。
表1に、実施例および比較例の評価結果をまとめて示す。
Figure 2017199672
表1の結果からわかるように、実施例1〜8で得られたニッケルペーストは、比較例1に比べてシートアタックの発生を確実に防止でき、高積層セラミックコンデンサの内部電極用ニッケルペーストとして好適に用いることができることがわかった。

Claims (4)

  1. 積層セラミックコンデンサ内部電極用に使用するニッケルペーストであって、
    ニッケル粉と、有機溶剤と、高分子分散剤と、バインダー樹脂とを少なくとも含有し、
    前記高分子分散剤は、親水基としてリン酸基を有し、親油基としてポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、及びポリオキシアルキレンから選ばれる1種以上を有する
    ニッケルペースト。
  2. 前記高分子分散剤は、ニッケル粉100質量部に対して2質量部以上10質量部以下の割合で含有されている
    請求項1に記載のニッケルペースト。
  3. 前記ニッケル粉の画像法による平均粒径は、0.05μm以上0.5μm以下である
    請求項1又は2に記載のニッケルペースト。
  4. ニッケル粉の水スラリーに、有機溶剤と、高分子分散剤とを添加してニッケル有機スラリーを形成するニッケル有機スラリー形成工程と、
    水層と有機層とに分離した前記ニッケル有機スラリーから前記水層を分離して、有機層ニッケル有機スラリーを得る水分離工程と、
    前記有機層ニッケル有機スラリーにバインダー樹脂を添加して混錬する混練工程と
    を有し、
    前記高分子分散剤として、親水基にリン酸基を有し、親油基にポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、及びポリオキシアルキレンから選ばれる1種以上を有するものを用いる
    ニッケルペーストの製造方法。
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