JP2017199543A - 導電性組成物、導体の製造方法及び電子部品の配線の形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本実施形態の導電性組成物は、銅粉末と、酸化第一銅と、無鉛ガラスフリットとを含む。導電性組成物は、鉛ガラスフリットを使用しないことにより、実質的に鉛を含まず、環境特性に優れる。なお、無鉛ガラスフリットとは、鉛を含まないか、または、鉛を含む場合でも、その含有量が極めて少ないガラスフリット(例えば、ガラスフリット全体に対して、鉛の含有率が0.1質量%以下)をいう。また、導電性組成物が実質的に鉛を含まない、ということは、例えば、導電性組成物全体に対して、鉛の含有量が0.01質量%以下である状態をいう。
以下、導電性組成物を構成する各成分について説明する。
本実施形態の導電性組成物は、導電性成分として銅粉末を含む。銅粉末は、導電性や耐マイグレーション性に優れ、かつ、安価である。銅粉末は、酸化されやすいため、導電性組成物を熱処理する際は、通常、窒素雰囲気中で加熱処理される。
本実施形態の導電性組成物は、無鉛ガラスフリットとして、ホウ珪酸亜鉛系ガラスフリットと、バナジウム亜鉛系ガラスフリットとを含有する。導電性組成物は、上記2種類を組み合わせたガラスフリットを含むことにより、無鉛ガラスフリットを用いた場合においても、銅粉末及び基板への濡れ性にバランスよく優れる。また、この導電性組成物は、750℃以下で焼成した場合でも、導電性及び密着性に非常に優れた導体を得ることができる。
本実施形態の導電性組成物は無機結合剤として酸化第一銅(酸化銅(I):Cu2O)を含むことにより、低温焼成用銅導電ペーストの銅粉同士の焼結を促進させることができる。
本実施形態の導電性組成物は、有機ビヒクルを含有させてもよい。有機ビヒクルは、導電性組成物の粘度を調整し、適切な印刷性を有するペースト状の組成物とすることができる。
本実施形態の導電性組成物は、焼成後の導体の導電性及び基板との接着性に非常に優れるため、導体の形成に好適に用いることができる。また、本実施形態の導電性組成物は、750℃以下の熱処理で焼成することが可能であり、さらに600℃以下の熱処理でも焼成することが可能であり、形成された導体は優れた導電性及び基板との接着性を有することができる。よって、本実施形態の導電性組成物は、低温焼成用の導電性ペーストとして好適に用いることができる。
以下、本実施形態の導体の形成方法について、説明する。
まず、銅粉末と、酸化第一銅と、無鉛ガラスフリットと、有機ビヒクルとを混合した導電性組成物を製造する。無鉛ガラスフリットは、ホウ珪酸亜鉛系ガラスフリットと、バナジウム亜鉛系ガラスフリットとを含有する。導電性組成物は、有機ビヒクル中の溶剤により、適度に粘度が調整されたペースト(導電性ペースト)を形成する。導電性ペースト中の各成分の組成、配合割合等は、上述した通りである。
1.原料
(1)銅粉末(球状):アトマイズ法により製造した平均粒径0.3μm、1.0μm、2.5μmの球状の銅粉末を用いた。
(2)銅粉末(フレーク状):上記方法で製造した球状の銅粉末を原料に用いて、湿式ボールミル法によりフレーク化し、平均粒径10μmとしたフレーク状の銅粉末を用いた。
・ホウ珪酸亜鉛系ガラスフリット:軟化点が520〜570℃のZnO−SiO2−B2O3系ガラスフリットとして、ZnOを36質量%、SiO2を10質量%、B2O3を45質量%含有し、平均粒径が1.5μmのものを用いた。
・バナジウム亜鉛系ガラスフリット:軟化点が380〜430℃のZnO−V2O5系ガラスフリットとして、ZnOを41質量%、V2O5を39.5質量%含有し、平均粒径が3.5μmのものを用いた。
・ホウ珪酸ビスマス系ガラスフリット:軟化点が565〜595℃のBi2O3−SiO2−B2O3系ガラスフリットとして、Bi2O3を34.1質量%、B2O3を24.4質量%、SiO2を17質量%含有し、平均粒径が1.5μmのものを用いた。
用いたそれぞれ無鉛ガラスフリットの組成を表1に示す。
(有機ビヒクルの作製)
ターピネオール80質量部に対して、エチルセルロース18質量部、アクリル樹脂2質量部を添加し、軽く分散させ、分散液を得た。その後、この分散液をエアーモーターで撹拌しながら60℃まで加熱し、透明で粘稠な有機ビヒクルを作製した。
銅粉末、ガラスフリット、酸化第一銅および上述のように調整した有機ビヒクルをミキサーで混合し、混合物を得た。各成分の配合比率を表2に示す。この混合物を、三本ロールミルによって混練して、導電性ペーストを作製した。
(1)面積抵抗値評価用試料
金ペーストをアルミナ基板に印刷、焼成し、電極間距離50mmの金(Au)電極が形成されたアルミナ基板を準備した。前記基板の表面上に、幅0.5mm、電極間距離50mmとなるパターンを用いて、焼成後の厚みが10μm〜13μmとなるように、得られた導電性ペーストをAu電極間に印刷した。この印刷後のアルミナ基板を、120℃で熱処理し、導電性ペーストを乾燥させた。乾燥処理後のアルミナ基板を、窒素雰囲気ベルト炉で、ピーク温度600℃、ピーク温度持続時間10分、炉入り口から出口まで60分のプロファイルで熱処理し、導電性ペーストを焼成した。炉内の焼成ゾーンの酸素濃度は5ppmとし、炉の前半部(炉入り口から600℃のゾーンまで)に設けられたバーンアウトゾーンには乾燥空気を導入し、酸素濃度を200ppm、400ppmおよび600ppmの各濃度に設定した。なお、酸素濃度は、ジルコニア酸素濃度計(東レ製:型式LC−750)を用いて測定し、各濃度に調整した。
(2)密着性評価用の試料
アルミナ基板上に前述の低温焼成用銅導電性ペーストを2mm×2mmのパターンで印刷し、上述の面積抵抗値評価用試料作製条件と同条件で焼成して、密着性評価用の試料(焼成後の厚み10μm)を作製した。
3−1)面積抵抗値
上記で得られた面積抵抗値評価用試料のAu電極間にデジタルマルチメータ(株式会社アドバンテスト製)の抵抗値測定用プローブを接触させて、導体の抵抗値R[t]を測定した。続いて、この抵抗値R[t]を面積抵抗値Rs[t](=R(t)×W/L)に換算した。この値を用いて、導体の厚さが10μmである場合の面積抵抗値Rs0(=Rs[t]×t/10)(Ω/□)を算出した。なお、tは導体の厚さ、Wは導体の幅、Lは導体の長さを示す。これらの結果を表2に示す。
得られた密着性評価用の試料の銅導体に直径0.6mmのSnめっきCuワイヤーを、96.5質量%Sn−3質量%Ag−0.5質量%Cu組成のはんだを用いてはんだ付けし、荷重測定器(アイコーエンジニアリング(株)製、MODEL 2152HTP)を用いて垂直方向に80mm/minの速度で引っ張り、導体を基板から剥離させた際の剥離強度を20点測定し、その平均値で評価した。
表2に示されるように、実施例の導電性組成物によれば、基板に対する十分な密着性を有し、十分な導電性を有する導体を得ることができる。また、実施例1〜12の導電性組成物は、それぞれ、バナジウム亜鉛系ガラスフリットの含有量が、ガラスフリット全体(100質量%)に対して10質量%〜90質量%の範囲であり、導電性及び密着性がともに優れる。中でも、バナジウム亜鉛系ガラスフリットの含有量が40質量%〜60質量%である実施例3〜実施例7、実施例10〜実施例12では、密着性に非常に優れる。また、球状の銅粉末(平均粒径1.0μm又は2.5μm)とフレーク状の銅粉末を用いた実施例13〜23も同様に良好な結果であり、導電性に優れる傾向があった。
Claims (12)
- 銅粉末と、酸化第一銅と、無鉛ガラスフリットとを含有する導電性組成物であって、
前記酸化第一銅を、銅粉末100質量部に対し、5.5質量部以上25質量部以下含有し、
前記無鉛ガラスフリットが、
酸化ホウ素、酸化珪素、酸化亜鉛、及び任意に他の成分を含有し、かつ、含有量の多い酸化物成分の上位3種類が酸化ホウ素、酸化珪素及び酸化亜鉛であるホウ珪酸亜鉛系ガラスフリットと、
酸化バナジウム、酸化亜鉛、及び任意に他の成分を含有し、かつ、含有量の多い酸化物成分の上位2種類が酸化バナジウム及び酸化亜鉛であるバナジウム亜鉛系ガラスフリットと、を含有する
ことを特徴とする導電性組成物。 - 前記バナジウム亜鉛系ガラスフリットを、前記無鉛ガラスフリット100質量%に対して、20質量%以上80質量%以下含有することを特徴とする、請求項1に記載の導電性組成物。
- 前記バナジウム亜鉛系ガラスフリットが、酸化バナジウムを30質量%以上50質量%以下含有し、酸化亜鉛を30質量%以上50質量%以下含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の導電性組成物。
- 前記ホウ珪酸亜鉛系ガラスフリットを、前記無鉛ガラスフリット100質量%に対して、20質量%以上80質量%以下含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電性組成物。
- 前記ホウ珪酸亜鉛系ガラスフリットが、酸化亜鉛を25質量%以上45質量%以下含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性組成物。
- 前記無鉛ガラスフリットを、前記銅粉末100質量部に対して、0.2質量部以上9質量部以下含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の導電性組成物。
- 前記酸化第一銅を、前記銅粉末100質量部に対して、5.5質量部以上15質量部以下含有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の導電性組成物。
- 前記銅粉末が、球状粉末及びフレーク状粉末の少なくとも一方を含有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の導電性組成物。
- 前記銅粉末の平均粒径が0.2μm以上5μm以下であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の導電性組成物。
- 有機ビヒクルを、導電性組成物100質量%に対して、10質量%以上50質量%以下含有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の導電性組成物。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の導電性組成物を750℃以下の熱処理により焼成する工程を備えることを特徴とする導体の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の導電性組成物を基板上に塗布する工程、及び塗布後の前記基板を750℃以下の熱処理により焼成する工程、を備えることを特徴とする電子部品の配線の形成方法。
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