JP2017197705A - 凹部を有するフィルム - Google Patents
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Abstract
Description
(1) 少なくとも一方の面に、ベースラインからの深さが50μm以上500μm未満である凹部(凹部1)、及びベースラインからの深さが500μm以上2,500μm以下である凹部(凹部2)を有し、凹部2を100cm2あたり200個以上有し、凹部1の個数と凹部2の個数の比率(凹部1の個数/凹部2の個数)が2以上100以下であり、KES法に従い測定されるせん断かたさ(G)が、0.1gf/(cm・deg)以上2.5gf/(cm・deg)以下であり、かつ、KES法に従い測定される圧縮仕事量が0.05gf・cm/cm2以上0.5gf・cm/cm2以下であることを特徴とする、フィルム。
(2) KES法に従い測定される表面粗さの変動(SMD)が0.8μm以上16μm以下であり、かつ摩擦係数の変動(MMD)が0.003以上0.07以下である面(X面)を少なくとも一つ有することを特徴とする、(1)に記載のフィルム。
(3) 少なくとも一つのX面における摩擦係数が0.50以下であることを特徴とする、(2)に記載のフィルム。
(4) KES法に従い測定される接触冷温感(Qmax)が、0.02W/cm2以上0.30W/cm2以下であることを特徴とする、(1)〜(3)に記載のフィルム。
(5) 結晶性を有する熱可塑性エラストマーと充填剤を含むことを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載のフィルム。
(6) 結晶性を有する熱可塑性エラストマーを含む2つの層(A層、B層)を有し、A層における充填剤の含有量がB層における充填剤の含有量よりも大きいことを特徴とする、(5)に記載のフィルム。
(7) 透湿度が1,000g/m2・day以上であることを特徴とする、(1)〜(6)のいずれかに記載のフィルム。
(8) 120℃の雰囲気下にて1分間、フィルムを長手方向に1.5倍の長さに伸長させた後のフィルム長手方向の伸度保持率が75%以上であり、23℃、相対湿度65%の雰囲気下における、フィルム長手方向のヤング率が100MPa以下であるフィルムに賦形することを特徴とする、(1)〜(7)のいずれかに記載のフィルムの製造方法。
本発明のフィルムは、布のようなせん断変形性を付与する観点から、KES法に従い測定されるせん断かたさ(G)が0.1gf/(cm・deg)以上2.5gf/(cm・deg)以下であることが重要である。
式G1:G(+)=(HG2.5−HG0.5)/(2.5°−0.5°)
式G2:G(−)=(HG−2.5−HG−0.5)/(−2.5°−(−0.5°))
フィルムのせん断変形性をより向上させる観点から、せん断かたさ(G)は、0.1gf/(cm・deg)以上2.2gf/(cm・deg)以下であることがより好ましく、0.1gf/(cm・deg)以上1.7gf/(cm・deg)以下であることがより好ましい。
本発明のフィルムは、布のようなクッション性があり、心地良い触感を有する。ここでいうクッション性とは、嵩高性と柔軟性を表す指標であり、フィルムを圧縮したときの仕事量(圧縮仕事量)を尺度として表現することができる。
本発明のフィルムは、フィルムに心地良い触感を付与する観点から、KES法に従い測定される表面粗さの変動(SMD)が、0.8μm以上16.0μm以下であり、かつ摩擦係数の変動(MMD)が0.003以上0.07以下である面(X面)を少なくとも一つ有することが好ましい。
本発明フィルムは、前記X面に触れた際の心地良い触感をさらに向上させる観点から、X面の摩擦係数が、0.50以下であることが好ましい。ここで摩擦係数とは、KES法に従い測定される摩擦係数をいい、具体的には、23℃、相対湿度65%の雰囲気下で、滑り子として標準摩擦子(指紋タイプ)を取り付け、荷重25gf、1mm/secの速度で滑り子をサンプルの表面で移動させて、KES法により測定される摩擦係数をいう。
本発明のフィルムは、フィルムに心地良い触感を付与する観点から、KES法に従い測定される接触冷温感(Qmax)が、0.02W/cm2以上0.30W/cm2以下であることが好ましい。
本発明のフィルムを、衛生材などの透湿性が要求される用途に使用する場合、その透湿度が1,000g/(m2・day)以上であることが好ましく、1,500g/(m2・day)以上であることがより好ましく、2,000g/(m2・day)以上であることがさらに好ましい。フィルムの透湿度は大きいほど好ましく上限は特にないが、衛生材に適用するとの観点からすると、8,000g/(m2・day)あれば十分である。
本発明のフィルムは、フィルムに柔軟性、伸縮性、せん断変形性に加えてエンボス等の後加工性を付与する観点から、結晶性を有する熱可塑性エラストマーを含むことが好ましい。熱可塑性を有する有機高分子量体の中でも柔軟性に優れる熱可塑性エラストマーを用いることで、エンボス等の後加工が容易となる。さらに、熱可塑性エラストマーが結晶性を有することにより、該熱可塑性エラストマー中の結晶性ユニットが軟化・変形性を有する程度の加熱条件下で引張やエンボス加工等の変形させた際に、変形後の構造の固定化が容易となる。
本発明のフィルムは、上記の結晶性を有する熱可塑性エラストマーとともに柔軟性、伸縮性、せん断変形性をさらに改良する観点から、非晶性の熱可塑性エラストマーを組み合わせてもよい。
本発明のフィルムは、製膜安定性、ハンドリング性、巻き取り性、および表面粗さの変動(SMD)、摩擦係数の変動(MMD)を調整する観点から、充填剤を含むことが好ましい。なお、充填剤とは、諸性質を改善するために加えられる物質、あるいは増量、増容、又は製品のコスト低減などを目的として添加する不活性物質をいう。
本発明のフィルムは、本発明の効果を損なわない限り、単層構成でも積層構成でもよいが、柔軟性、伸縮性、せん断変形性、透湿性を維持しつつ、エンボス加工性、及び布のような心地良い触感を改良する観点から、結晶性を有する熱可塑性エラストマーを含む2つの層(A層、B層)を有し、A層における充填剤の含有量がB層における充填剤の含有量よりも大きいことが好ましい。
本発明のフィルムがA層とB層を有する場合、せん断変形性を損なわずに摩擦係数を低下させる観点から、A層のヤング率とB層のヤング率の比(A層のヤング率/B層のヤング率)が2.0以上であることが好ましい。このような態様のフィルムは、相対的にヤングが高く硬いA層により摩擦係数が低下し、相対的にヤングが低く柔らかいB層によりせん断変形性の低下が抑えられる。そのため、このような態様とすることにより、せん断変形性と布のような心地よい触感が両立しやすくなる。ここでA層のヤング率とはA層の長手方向のヤング率をいい、B層のヤング率についても同様に解釈する。
使用圧子:ダイヤモンド製三角錐圧子
測定周波数、振幅:45Hz、2nm
測定雰囲気:室温・大気中
測定n数:10
上記条件により得られた押し込み深さ線図における押し込み深さ40−60nmの領域を用いて、ヤング率を算出することができる。
本発明のフィルムの目付けは、本発明の効果を損なわない限り特に制限はないが、ハンドリング性、生産性の観点から、10g/m2以上45g/m2以下であることが好ましい。フィルムの目付けを5g/m2以上とすることで、フィルムのコシが強くなるため取り扱い性が向上し、また、ロール巻姿や巻出し性も良好となる。フィルムの目付けを45g/m2以下とすることで、特にインフレーション製膜法において、自重によりバブルが安定化する。
本発明のフィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で前述した成分以外の成分を含有してもよい。例えば、酸化防止剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、抗菌剤、消臭剤、耐候剤、抗酸化剤、イオン交換剤、粘着性付与剤、着色顔料、染料などを含有してもよい。
本発明のフィルムは、フィルムの触感と外観を布に近づける観点から、少なくとも一方の面に、ベースラインからの深さが50μm以上500μm未満である凹部(凹部1)、及びベースラインからの深さが500μm以上2,500μm以下である凹部(凹部2)を有することが重要である。
本発明のフィルムの製造方法は、120℃の雰囲気下にて1分間、フィルムを長手方向に1.5倍の長さに伸長させた後のフィルム長手方向の伸度保持率が75%以上であり、23℃、相対湿度65%の雰囲気下における、フィルム長手方向のヤング率が100MPa以下であるフィルムに賦形することが重要である。
このようにして得られた本発明のフィルムは、フィルムとして用いるために必要な機械特性、布のような柔らかい風合い、心地良い触感、自然な外観を有するフィルムであり、例えば、衛生材用フィルムとして好適に用いることができる。さらに、本発明のフィルムは、不織布との積層体としてもよい。また、本発明のフィルムを含む衛生材は、柔らかい風合いと心地良い触感、及び自然な外観を兼ね備えたものとなる。
実施例中に示す測定や評価は次に示すような条件で行った。
フィルムの幅方向のセンター部からサンプル片を切り出し、ウルトラミクロトームを用いて該サンプル片の長手方向−厚み方向断面(以下、フィルム断面ということがある。)を観察面とするように−100℃で超薄切片を採取した。走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ社製 S−3400N)を用いて倍率500倍〜1,500倍でフィルム断面の写真を撮影し、顕微鏡の測長機能を用いて積層フィルムの各層の厚みを測定した。測定は、観察箇所を変えて10回行い、得られた値の平均値を積層フィルムの各層の厚み(μm)とし、これらの値より積層フィルムの各層の厚み比を算出した。なお、フィルムの厚みは、小数第1位を四捨五入して得られた値とした。
エンボス加工を施していないフィルム(以下、賦形前フィルムということがある。)について、恒温槽を備えたオリエンテック社製“TENSILON”(登録商標) UCT−100を用いて、JIS K−7127(1999)に規定された方法により応力−歪み測定を行った。測定により得られた応力−歪み曲線の最初の直線部分を用いて、直線上の2点間の応力の差を同じ2点間の歪みの差で除し、ヤング率(MPa)を算出した。測定サンプルは150mm(長手方向)×10mm(幅方向)の短冊状の賦形前フィルムとし、測定条件は温度23℃、相対湿度65%、初期引張チャック間距離50mm、引張速度200mm/分とした。なお、測定は10回行い、その平均値を賦形前フィルム長手方向のヤング率(MPa)とした。なお、A層のヤング率とB層のヤング率の比(A層のヤング率/B層のヤング率)は、A層部分のみ製膜した単層フィルムおよびB層部分のみ製膜した単層フィルムそれぞれについて、同様の方法で賦形前フィルム長手方向のヤング率を10回測定し、得られた値の平均値を用いて求めた。
先ず、120℃に調整した恒温槽の中で、150mm(長手方向)×10mm(幅方向)の短冊状の賦形前フィルムサンプルを、チャック間のフィルムサンプルの長手方向の長さが50mmとなるように、チャック間距離が50mmである2つのチャックに固定した。次いで、2つのチャックで固定されたフィルムサンプルの中心点(2つのチャックからの距離が共に25mmであり、長手方向と平行な2つの辺からの距離が共に5mmである点)が中点となるように、賦形前フィルムサンプルに長手方向と平行な30mmの直線を引き、引張速度200mm/分でフィルムを長手方向に1.5倍の長さ(チャック間距離75mm)に伸長させて1分間保持した。その後、伸長を開放して賦形前フィルムサンプル上の直線の長さを測定し、以下の式より賦形前フィルム長手方向の伸度保持率(%)を算出した。なお、測定は10回行い、その平均値を賦形前フィルムの長手方向の伸度保持率(%)とした。
賦形前フィルムの長手方向の伸度保持率(%)=100×(伸長開放後の直線の長さ−30)/(45−30)
(4)目付け(単位面積当りの質量)
JIS L 1913 (2010)に準拠し、幅方向に10cm、長手方向に10cm角の試験片を、フィルムの幅方向のセンター部から長手方向と平行に10枚採取し、それぞれの重量を測定してこれらの平均値を算出した後、1m2当たりの重量に換算して目付(g/m2)とした。なお目付けは賦形前後でのフィルム、すなわち前記賦形前フィルムおよび、凹部を有するフィルム両方について測定した。
フィルムを12cm(長手方向)×12cm(幅方向)の大きさに切取り試料とし、試験台に取り付けた。次いで、カトーテック社製のせん断試験機KES−FB1−Aを用いて、23℃、相対湿度65%の雰囲気下、強制荷重10gf、せん断ずり速度0.417mm/secの条件で、試料に−8°〜8°のせん断変形を与え、せん断変形が−2.5°、−0.5°、0.5°、及び2.5°である点におけるせん断応力を測定した(以下、各点におけるせん断応力をそれぞれHG−2.5、HG−0.5、HG0.5、HG2.5ということがある。)。HG0.5及びHG2.5より下記式G1を用いて正方向のせん断かたさ(G(+))を、HG−2.5及びHG−0.5より下記式G2を用いて負方向のせん断かたさ(G(−))をそれぞれ算出した。せん断応力の測定およびG(+)、G(−)の算出は、長手方向、幅方向ともに3回(合計6回)行い、そのすべてのG(+)、G(−)の値の平均値の小数第3位を四捨五入した値をそのフィルムのせん断かたさ(G)(gf/(cm・deg))とした。
式G1:G(+)=(HG2.5−HG0.5)/(2.5°−0.5°)
式G2:G(−)=(HG−2.5−HG−0.5)/(−2.5°−(−0.5°))
なお、長手方向のせん断かたさ(G)を測定する場合は、フィルムの長手方向がせん断変形方向と直交するように試料を取り付け、幅方向のせん断かたさ(G)を測定する場合は、フィルムの幅方向がせん断変形方向と直交するように試料を取り付けた。
フィルムを12cm(長手方向)×12cm(幅方向)の大きさに切取り試料とし、巻外面が測定面となるように試験台に取り付けた。次いで、カトーテック社製の表面特性試験機KES−SE−SR−Uを用いて、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気下にて、荷重5gf、速度1mm/secとして、測定面上で滑り子をフィルム長手方向と平行に移動させ、フィルム長手方向の表面粗さの変動を測定した。その後、同様に滑り子をフィルム幅方向と平行に移動させ、フィルム幅方向の表面粗さの変動を測定した。フィルム長手方向及び幅方向の表面粗さの変動をそれぞれ3回測定し、そのすべての値の絶対値を平均した値を、そのフィルムの表面粗さの変動(SMD)(μm)とした。なお、滑り子としては、長さ5mm、直径0.5mmのピアノ線を使用した。
フィルムを12cm(長手方向)×12cm(幅方向)の大きさに切取り試料とし、巻外面が測定面となるように試験台に取り付けた。次いで、カトーテック社製の表面特性試験機KES−SE−SR−Uを用いて、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気下にて、荷重25gf、速度1mm/secとして、測定面上で滑り子をフィルム長手方向と平行に移動させ、フィルム長手方向の摩擦係数の変動を測定した。その後、同様に滑り子をフィルム幅方向と平行に移動させ、フィルム幅方向の摩擦係数の変動を測定した。フィルム長手方向及び幅方向の摩擦係数の変動をそれぞれ3回測定し、そのすべての値の絶対値を平均した値を、そのフィルムの摩擦係数の変動(MMD)とした。なお、滑り子としては、長さ5mm、直径0.5mmのピアノ線20本を隙間なく平行に並べたものを使用した。
カトーテック社製サーモラボKES−F7IIを用いて、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気の条件にて、フィルムの接触冷温感(Qmax)を測定した。カトーテック社製サーモラボKES−F7IIは、フィルムを設置するための試料台と、検出器とを備えており、検出器の一面には銅薄板が貼られており、銅薄板の裏面には温度センサーが取り付けられている。試料台及び検出器にはヒーターが取り付けられており、それぞれ独立して制御装置によって温度を設定することが可能となっている。試料台にフィルムの巻外面が測定面となるように設置し、制御装置によって試料台の温度を20℃に設定し、検出器の銅薄板の温度を30℃に設定した。次いで、フィルムを設置した試料台と検出器を荷重6gf/cm2、接触面積50mm×50mmの条件で接触させると同時に、温度センサーからのセンサー出力を記録した。測定は10回行い、得られた値の平均値をフィルムの接触冷温感(Qmax)とした。
フィルムを12cm(長手方向)×12cm(幅方向)の大きさに切取り試料とし、試験台に取り付けた。次いで、カトーテック社製の自動化圧縮試験装置KES−FB3−Aを用いて、取り付けた試料を面積2cm2の円形平面を持つ鋼板間で圧縮速度20μm/sec、圧縮最大荷重10gf/cm2、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気の条件で圧縮し、フィルムの圧縮仕事量(gf・cm/cm2)を測定した。フィルムの巻内面、巻外面の両面ともに測定をそれぞれ3回(合計6回)行い、そのすべてのデータの平均値の小数第4位を四捨五入した値をそのフィルムの圧縮仕事量とした。
25℃、相対湿度90%に設定した恒温恒湿装置にて、JIS Z0208(1976)に規定された方法に従って測定した。測定は3回行い、得られた値の平均値をフィルムの透湿度(g/(m2・day))とした。なお、フィルムの透湿度はフィルムの巻外面から測定した。
由利ロール社製電気加熱式エンボス機HTEM−300型にセットした下記エンボスロール(I)〜(III)のいずれかとゴムロールの間にフィルムを通してエンボス加工を行った。なお、エンボスロールおよびゴムロールの温度は120℃、ニップ圧力(線圧)は50kg/cm、回転速度は3.0m/minとした。
<エンボスロール(I)>
模様:格子凸柄
エンボスロール表面の凹凸差:700μm
エンボスロール表面の凹凸部のピッチ:2,540μm
圧着面積:3.39mm2
<エンボスロール(II)>
模様:格子凸柄
エンボスロール表面の凹凸差:180μm
エンボスロール表面の凹凸部のピッチ:847μm
圧着面積:0.44mm2
<エンボスロール(III)>
模様:格子凸柄
エンボスロール表面の凹凸差:140μm
エンボスロール表面の凹凸部のピッチ:635μm
圧着面積:0.25mm2
<エンボスロール(IV)>
模様:格子凸柄
エンボスロール表面の凹凸差:1,200μm
エンボスロール表面の凹凸部のピッチ:5,080μm
圧着面積:15.05mm2
<エンボスロール(V)>
模様:格子凸柄
エンボスロール表面の凹凸差:400μm
エンボスロール表面の凹凸部のピッチ:1,588μm
圧着面積:1.41mm2
<エンボスロール(VI)>
模様:格子凸柄
エンボスロール表面の凹凸差:300μm
エンボスロール表面の凹凸部のピッチ:1,270μm
圧着面積:0.94mm2
エンボスロール表面の凹凸差とは、エンボスロール表面にある凸部の高さをいい(図2のdに相当)、エンボスロール表面の凹凸部のピッチとは、周期的に付与されるフィルムの凹凸部の一周期分の長さをいう。(図2のeに相当)また圧着面積とは、エンボスロールの模様一つあたりの、エンボスロール表面の高さが最も高い部分の面積をいう(図3のf×gに相当)。
フィルムのセンター部からサンプル片を切り出し、ウルトラミクロトームにより−100℃でフィルム幅方向と平行(図4におけるJ−J’)かつフィルム面に対して垂直に切削し、断面出しを行った。先ず、このサンプル片を水平な台の上に置いた。このとき、水平な台とフィルム表面の接触面積が小さくなるほうの面を下側(水平な台の側)となるように設置した。マイクロスコープを用いて水平方向から、凹部の深さが確認できる倍率(例えば5倍)で観察し、その画像を撮影した。続いて観察位置を水平方向にずらしながら画像撮影を繰り返して、2cm長に渡る連続した領域についての断面画像を採取した。得られた断面画像において凹部の深さを測定し、ベースラインからの深さが50μm以上500μm未満の凹部(凹部1)および、500μm以上2,500μm以下の凹部(凹部2)を抽出した。続いてフィルムの幅方向から面内で時計回りに15°回転させた方向(図4におけるK−K’)に沿ってフィルム面に対して垂直に切削し断面出しを行い、同様に凹部の抽出を行った。以後、図4に記載のように15°ずつフィルム面内の切削角度をずらしていき(図4におけるL−L’→P−P’)、面内切削角度異なる断面を得るとともに、その都度凹部の抽出を行った。なお、断面出しは合計で7回行った。このようにして得られた各断面について最も多くの凹部2が観測された角度での断面における、凹部1、凹部2それぞれの数を2乗した値を用いて、フィルム面全体における凹部1の個数と凹部2の個数の割合を算出した。また同じく、最も多くの凹部2が観測された角度での断面観察により得られた凹部1、凹部2のそれぞれの深さについて平均値を求め、凹部1の深さおよび凹部2の深さとした。
凹部を有するフィルムを面方向から見た際の外観について、24人にアンケートをとり、以下の基準で評価した。
A:布のような自然な外観であると回答した人数が20〜24人。
B:布のような自然な外観であると回答した人数が15〜19人。
C:布のような自然な外観であると回答した人数が10〜14人。
D:布のような自然な外観であると回答した人数が5〜9人。
E:布のような自然な外観であると回答した人数が0〜4人。
外観はAが最も優れ、D以上の評価があれば実用性に耐えうると判断した。
カトーテック社製の表面特性試験機KES−SEを用いて、フィルムを12cm(長手方向)×12cm(幅方向)の大きさに切取り試料とし、試験台に取り付けて、滑り子として標準摩擦子(指紋タイプ)を取り付け、荷重25gf、1mm/secの速度で滑り子をフィルムのA層表面で移動させ、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気の条件にてフィルムの巻外面の摩擦係数を測定した。長手方向、幅方向ともに測定をそれぞれ3回(合計6回)行い、そのすべてのデータの平均値をそのフィルムの摩擦係数とした。
(A1)
ポリエステル系エラストマー(商品名:“ハイトレル”(登録商標) G3548 、東レ・デュポン(株)製)使用前には回転式真空乾燥機にて90℃で5時間乾燥した。
(A2)
ポリエステル系エラストマー(商品名:“ハイトレル”(登録商標) HTR8206 、東レ・デュポン(株)製)使用前には回転式真空乾燥機にて90℃で5時間乾燥した。
(A3)
ポリオレフィン系エラストマー(商品名:“アクリフト”(登録商標) WH303、住友化学工業(株)製)
(A4)
ポリアミド系エラストマー(商品名:“PEBAX”(登録商標)MV1073,アルケマ(株)製)使用前には回転式真空乾燥機にて90℃で5時間乾燥した。
(B1)
ウレタン系エラストマー(商品名:OP85A10 、BASFジャパン(株)製)。使用前には回転式真空乾燥機にて90℃で5時間乾燥した。
(C1)
炭酸カルシウム(商品名:SCP E♯810、アスペクト比2、平均粒径3.0μm、三共精粉(株)製)
[熱可塑性エラストマー以外の樹脂]
(D1)
ポリエチレン樹脂(商品名:NUC8506、日本ユニカー(株)製)
(D2)
ポリブチレンサクシネート樹脂(三菱化学社製、商品名“GSPla”(登録商標)FZ91PN)
[フィルムの作製]
(実施例1)
各原料について表1に記載の配合比となるようにシリンダー温度190℃のスクリュー径44mmの真空ベント付二軸押出機に供給して溶融混練し、均質化した後にペレット化して組成物を得た。この組成物のペレットを、回転式ドラム型真空乾燥機を用いて、温度90℃で5時間真空乾燥した。真空乾燥した組成物のペレットをインフレーション法により、シリンダー温度200℃で、スクリュー径60mmの単軸押出機に供給し、直径250mm、リップクリアランス1.0mm、温度を190℃に設定した環状ダイスにより、ブロー比2.0にてバブル状に上向きに押出し、冷却リングにより空冷し、ダイス上方のニップロールで折りたたみながら、引き取りしてロール状に巻き取った。次いで、上記フィルムを、由利ロール社製電気加熱式エンボス機“HTEM−300型”にセットしたエンボスロール(I)とゴムロールの間を、ロール温度120℃(上段、下段両方)、ニップ圧力(線圧)50kg/cm、ロール回転速度5.0m/minの条件で通すことで、エンボス加工した。続いて、該エンボス加工済みフィルムを用い、同エンボス機にてエンボスロール(II)とゴムロールの間を、同様のエンボス条件で通して、2度目のエンボス加工を行った。製膜後のエンボス加工前の賦形前フィルムの物性およびエンボス加工により得られたフィルムの物性及び評価結果を表1に示す。
表1または2に記載の組成とした以外は、実施例1と同様の方法により賦形前フィルムを得た。続いて表1または2に記載のエンボスロールを用いて、実施例1と同様の方法によりエンボス加工を行った。賦形前フィルムの物性およびエンボス加工により得られたフィルムの物性及び評価結果を表1、表2または表4に示す。
表2に記載の組成とした以外は、実施例1と同様の方法により賦形前フィルムを得た。続いて表2に記載のエンボスロールを用いて、エンボス加工を1度だけ行った。賦形前フィルムの物性およびエンボス加工により得られたフィルムの物性及び評価結果を表2に示す。
表2に記載の組成とした以外は、実施例1と同様の方法により賦形前フィルムを得た。この賦形前フィルムについては、エンボス加工等の凹部を賦形する処理は行わず、実施例1のエンボス加工後のフィルムと同様の評価を行った。フィルムの物性及び評価結果を表2に示す。
A層用およびB層用の各原料について、表3に記載の配合比となるようにシリンダー温度190℃のスクリュー径44mmの真空ベント付二軸押出機に供給して溶融混練し、均質化した後にペレット化して組成物を得た。この組成物のペレットを、回転式ドラム型真空乾燥機を用いて、温度90℃で5時間真空乾燥し、A層用およびB層用の組成物を得た。続いてこれらの組成物をシリンダー温度200℃、スクリュー径60mmの、それぞれ独立したA層用単軸押出機およびB層用単軸押出機に供給し、直径250mm、リップクリアランス1.0mm、温度190℃のスパイラル型環状ダイスより、A層/B層/A層の2種3層構成となるように、ブロー比:2.0にてバブル状に上向きに押出し、冷却リングにより空冷し、冷却リングにより空冷し、ダイス上方のニップロールで折りたたみながら、引き取りしてロール状に巻き取った。得られた積層フィルムを実施例1と同様の方法で、表3に記載のエンボスロールを用いて実施例1と同様の方法によりエンボス加工を行った。賦形前フィルムの物性およびエンボス加工により得られたフィルムの物性及び評価結果を表3に示す。
表における「充填剤」の項目の「質量部」は、各層の樹脂全体を100質量部として算出した。
c2:凹部1
c3:凹部2
c4:ベースライン
c5:凹部1の深さ
c6:凹部2の深さ
I−I’:切削面
d:エンボスロール表面の凹凸差
e:エンボスロール表面の凹凸部のピッチ
f×g:圧着面積
h:フィルム
J−J’:長手方向と平行な切削面
K−K’:JJ’に対して時計回りに15°ずれた切削面
L−L’:KK’に対して時計回りに15°ずれた切削面
M−M’:LL’に対して時計回りに15°ずれた切削面
N−N’:MM’に対して時計回りに15°ずれた切削面
O−O’:NN’に対して時計回りに15°ずれた切削面
P−P’:OO’に対して時計回りに15°ずれた切削面
Claims (8)
- 少なくとも一方の面に、ベースラインからの深さが50μm以上500μm未満である凹部(凹部1)、及びベースラインからの深さが500μm以上2,500μm以下である凹部(凹部2)を有し、凹部2を100cm2あたり200個以上有し、
凹部1の個数と凹部2の個数の比率(凹部1の個数/凹部2の個数)が2以上100以下であり、
KES法に従い測定されるせん断かたさ(G)が、0.1gf/(cm・deg)以上2.5gf/(cm・deg)以下であり、
かつ、KES法に従い測定される圧縮仕事量が0.05gf・cm/cm2以上0.5gf・cm/cm2以下であることを特徴とする、フィルム。 - KES法に従い測定される表面粗さの変動(SMD)が0.8μm以上16μm以下であり、かつ摩擦係数の変動(MMD)が0.003以上0.07以下である面(X面)を少なくとも一つ有することを特徴とする、請求項1に記載のフィルム。
- 少なくとも一つのX面における摩擦係数が0.50以下であることを特徴とする、請求項2に記載のフィルム。
- KES法に従い測定される接触冷温感(Qmax)が、0.02W/cm2以上0.30W/cm2以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム。
- 結晶性を有する熱可塑性エラストマーと充填剤を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム。
- 結晶性を有する熱可塑性エラストマーを含む2つの層(A層、B層)を有し、A層における充填剤の含有量がB層における充填剤の含有量よりも大きいことを特徴とする、請求項5に記載のフィルム。
- 透湿度が1,000g/m2・day以上であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のフィルム。
- 120℃の雰囲気下にて1分間、フィルムを長手方向に1.5倍の長さに伸長させた後のフィルム長手方向の伸度保持率が75%以上であり、23℃、相対湿度65%の雰囲気下における、フィルム長手方向のヤング率が100MPa以下であるフィルムに賦形することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のフィルムの製造方法。
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