JP2017197677A - 樹脂組成物と成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】柔軟で、高硬度及び高引張強度、かつ高透明性を有する成形体が得られる樹脂組成物と成形体の提供を目的とする。【解決手段】25%トルエン溶液粘度が1000〜10000mPa・sのスチレン系エラストマー100質量部に、メタロセン触媒により重合されたポリオレフィン樹脂を10〜40質量部、パラフィン系オイルなどの鉱物油を40〜90質量部配合して樹脂組成物とし、前記樹脂組成物から射出成形や押出成形などで成形された成形体を、ショアA硬度(JIS K 6253−3)が30〜80、ヘイズ(JIS K 7136)が20%以下のものとした。【選択図】なし

Description

本発明は、柔軟で、高硬度、高引張強度、高透明性を有する成形体が得られる樹脂組成物と成形体に関する。
従来、サンダル、ミュール、パンプス等用として、低硬度で透明性を有するスチレン系エラストマー樹脂組成物が提案されている(特許文献1)。
従来、スチレン系エラストマー単体、あるいはスチレン系エラストマーに鉱物系軟化剤を添加した樹脂は透明性を有する。しかし、スチレン系エラストマーは、ポリスチレン部分(ハードセグメント)と柔らかい性質を与える共役ジエン重合体部分(ソフトセグメント)を有するものであるため、スチレン系エラストマー単体、あるいはスチレン系エラストマーに鉱物系軟化剤を添加した樹脂は引張強度に低いものであった。
引張強度を上げるために、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン樹脂をスチレン系エラストマーに配合すると、従来のポリオレフィン樹脂は分子量分布が広いため、低分子のポリオレフィン同士が随所で凝集して大きな結晶化構造を取り、得られる成形体が不透明性の高いものになる。透明性を維持するには、ポリオレフィン樹脂の配合量を、スチレン系エラストマー100質量部に対して5質量部以下の低配合量に制限する必要があり、その結果、引張強度及び硬度の低い成形体しか得られず、ペングリップ等に求められる柔軟で、高硬度、高引張強度、かつ高透明性を有する成形体を得ることができなかった。
特開2008−63365号公報
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、柔軟で、高硬度、高引張強度、かつ高透明性を有する成形体が得られる樹脂組成物と成形体の提供を目的とする。
請求項1の発明は、25%トルエン溶液粘度が1000〜10000mPa・sのスチレン系エラストマー100質量部に、メタロセン触媒により重合されたポリオレフィン樹脂10〜40質量部、及び鉱物油を配合したことを特徴とする樹脂組成物に係る。
請求項2の発明は、請求項1において、前記スチレン系エラストマーは、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)またはスチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体エラストマー(SEEPS)であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記鉱物油はパラフィン系オイルであり、前記スチレン系エラストマー100質量部に対し40〜90質量部であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1から3の何れか一項に記載の樹脂組成物の成形体であって、ショアA硬度(JIS K 6253−3)が30〜80、ヘイズ(JIS K 7136)が20%以下であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4において、前記成形体の引張強度(JIS K 6251)が5〜20MPaであることを特徴とする。
本発明において使用するメタロセン触媒により重合されたポリオレフィン樹脂(以下メタロセンポリレオフィン樹脂と記す)は、通常のポリオレフィン樹脂(メタロセン触媒により重合されたものとは異なるポリオレフィン樹脂)よりも分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が狭いものである。本発明では、25%トルエン溶液粘度が1000〜10000mPa・sのスチレン系エラストマーに、メタロセンポリオレフィン樹脂を鉱物油と共に配合するため、メタロセンポリオレフィン樹脂の配合量を通常のポリオレフィン樹脂の配合量よりも多く配合することができる。すなわち、25%トルエン溶液粘度が1000〜10000mPa・sのスチレン系エラストマー100質量部に、メタロセンポリオレフィン樹脂10〜40質量部と鉱物油を配合しても、メタロセンポリオレフィン樹脂が凝集を起こすこと無く分散し、柔軟で、高硬度及び高引張強度、かつ高透明性を有する成形体を得ることができる。
以下に本発明の実施形態について説明する。
本発明の樹脂組成物は、スチレン系エラストマー100質量部に、メタロセンポリレオフィン樹脂10〜40質量部、及び鉱物油を配合したものからなる。
スチレン系エラストマーは、ポリスチレン部分(ハードセグメント)と柔らかい性質を与える共役ジエン重合体部分(ソフトセグメント)を有する。スチレン系エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体エラストマー(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体エラストマー(SIS)、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体エラストマー(SEBS)、スチレン−エチレン・ブチレン共重合体エラストマー(SEB)、スチレン−エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(SEP)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体エラストマー(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体エラストマー(SEEPS)等を挙げることができる。それらの中でも、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体エラストマー(SEBS)とスチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体エラストマー(SEEPS)、は、透明性を高くすることができ、より好ましい。
また、スチレン系エラストマーは、25%トルエン溶液粘度が1000〜10000mPa・sのものが好ましい。25%トルエン溶液粘度とは、溶媒にトルエンを使用し、所定の試料を溶液の25質量%溶かしたものを、25℃にてブルックフィールド形回転型粘度計により測定する値である。25%トルエン溶液粘度が1000mPa・s未満の場合には成形時の計量不能または形状安定困難で不適となる傾向があり、それに対して10000mPa・sを超える場合には成形時の流動性が悪く不透明となり不適となる傾向がある。スチレン系エラストマーは、25%トルエン溶液粘度の値が1000〜10000mPa・sのものを複数種類混合して用いてもよい。
メタロセンポリオレフィン樹脂としては、メタロセン触媒により重合されたポリエチレン(以下メタロセンPE)、メタロセン触媒により重合されたポリプロピレン(以下メタロセンPP)などが挙げられる。メタロセンポリオレフィン樹脂は、従来のチーグラー型触媒系とは異なるメタロセン系の触媒を用いて重合したものであれば良く、アイソタクチックな構造であっても、また、単独重合後に引き続いてエチレンとプロピレンを共重合させ、いわゆるブロック共重合体を製造したものであっても良い。メタロセンポリオレフィン樹脂は分子量分布が狭く、透明性が高く、融点も低く、溶剤抽出物が少ないといった特徴がある。
メタロセンポリオレフィン樹脂の配合量は、スチレン系エラストマー100質量部に、メタロセンポリオレフィン樹脂10〜40質量部が好ましい。メタロセンポリオレフィン樹脂の配合量が10質量部未満の場合には十分な硬度(A硬度30以上)が得られず不適となる一方、40質量部を超えると過剰硬度(A硬度80以上)で不適となる。
鉱物油は、軟化剤の作用を有するものであり、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル等を挙げることができる。パラフィン系オイルはスチレン系エラストマーとの相溶性が良好なために好ましいものである。鉱物油の動粘度(JIS K 2283)は、80〜400(単位mm/sec)であれば、スチレン系エラストマーとの相溶性をより良好にすることができ、が好ましい。鉱物油の配合量は、スチレン系エラストマー100質量部に、40〜90質量部が好ましい。鉱物油の配合量が40質量部未満の場合には流動性不足にて射出成形時不透明となり不適となる傾向がある一方、90質量部を超えるとパラフィン系オイルのブリードによりべたついて不適となる傾向がある。
前記スチレン系エラストマーには、その他の成分として、成形体の用途等に応じて難燃剤,抗菌剤,ヒンダードアミン系光安定剤,紫外線吸収剤,酸化防止剤,着色剤,シリコーンオイル,シリコーンポリマー、脂肪酸アマイド等を配合してもよい。
前記の各成分を溶融混練することにより樹脂組成物が得られる。溶融混練は、バンバリーミキサー、ロールミキサー、ニーダー、一軸押出機,二軸押出機など公知の溶融混練装置で行われる。溶融混練時の条件例としては、二軸押出機にて180℃、回転数400rpm、吐出量20kg/hを挙げる。
前記樹脂組成物は、メルトフローレート(MFR)が5〜120g/10minであり、樹脂成形時の流動性が良好となり、成形品質の良好な成形体が得られる。メルトフローレート(MFR)の測定は、JIS K 7210(230℃×2.16kgf)に準拠して行われる。
また、前記樹脂組成物を用いる成形体の成形は、樹脂組成物を押出成形機などでペレット化し、作成したペレットを用いて周知のプラスチック成形方法、例えば押出成形、射出成形、ブロー成形、ホットプレスなどによって行なう。
前記樹脂組成物から成形された成形体は、引張強度(JIS K 6251、試験片の板厚2mm、3号ダンベル形状、引張速度500mm/min)が5〜20MPa、伸び率(JIS K 6251、試験片の板厚2mm、3号ダンベル形状、引張速度500mm/min)が500〜1500%であり、柔軟性が良好である。
また、前記樹脂組成物から成形された成形体は、ショアA硬度(JIS K 6253−3)が30〜80の硬さを有する。
さらに、前記樹脂組成物から成形された成形体は、ヘイズ(JIS K 7136)が20%以下である。成形体は、ヘイズ値が20%以下であるため、透明性の高いものである。
前記のように本発明の樹脂組成物から成形された成形体は、引張強度が5〜20MPa、伸び率が500〜1500%、ショアA硬度30〜80、ヘイズ値が20%以下のため、柔軟で、高硬度、高引張強度、及び高透明性を有し、透明なペングリップ、ソフトケース、保護ケース、水切りハンドワイパー等に好適である。なお、前記樹脂組成物からペングリップ等を成形するには、射出成形法により成形が行われる。
以下の成分を表1及び表2の配合とし、二軸押出機により溶融混練して径3mmのストランド状に押し出し、カッターで長さ3mmに切断して樹脂ペレットを製造した。スチレン系エラストマーの25%トルエン溶液粘度は、重量比にて25%濃度になるようトルエン中に各スチレン系エラストマーを溶解させ、溶液温度25℃に調整して測定した。得られた樹脂ペレットを用いて、射出成形により、寸法100×100×2mmの成形体を成形した。樹脂ペレット形成時の溶融混練条件はシリンダー温度180℃ 回転数400rpm 吐出量20kg/hであり、また射出成形時の条件はシリンダー温度230℃、金型温度50℃である。
・スチレン系エラストマー1:SEBS、25%トルエン溶液粘度200mPa・s、グレード;G1643、クレイトン社製
・スチレン系エラストマー2:SEBS、25%トルエン溶液粘度1300mPa・s、グレード;G1642、クレイトン社製
・スチレン系エラストマー3:SEBS、25%トルエン溶液粘度1330mPa・s、グレード;G1641、クレイトン社製
・スチレン系エラストマー4:SEBS、25%トルエン溶液粘度1800mPa・s、グレード;G1652、クレイトン社製
・スチレン系エラストマー5:SEBS、25%トルエン溶液粘度8000mPa・s、グレード;G1650、クレイトン社製
・スチレン系エラストマー6:SEEPS、25%トルエン溶液粘度8500mPa・s、グレード;S−4033、クラレ社製
・スチレン系エラストマー7:SEBS、25%トルエン溶液粘度>50,000mPa・s、グレード;G1654、クレイトン社製
・ポリオレフィン1:メタロセンPP、グレード;WINTEC WMG03UX、JPP社製
・ポリオレフィン2:メタロセンPP、グレード;WINTEC WMX03、JPP社製
・ポリオレフィン3:ランダムPP(透明)、グレード;PM731M、サンアロマー社製
・ポリオレフィン4:ホモPP、グレード;PM600A、サンアロマー社製
・鉱物油1:パラフィンオイル(プロセスオイル)、動粘度(40℃)95.94mm/sec、グレード;PW−90、出光興産社製
・鉱物油2:パラフィンオイル(プロセスオイル)、動粘度(40℃)381.6mm/sec、グレード;PW−380、出光興産社製
各実施例及び各比較例に対して、メルトフローレート(MFR、単位:g/10min)、引張強度(単位:MPa)、伸び率(単位:%)、ショアA硬度、ヘイズ(単位:%)を測定した。メルトフローレート(MFR)は、JIS K 7210に準拠し、230℃×2.16kgfで測定した。引張強度は、試験片の板厚2mm、3号ダンベル形状、引張速度500mmで測定した。ショアA硬度はJIS K 6253−3に準拠して測定した。ヘイズは、JIS K 7136に準拠し、試験片の板厚2mm、D65光で測定した。
測定結果は表1及び表2に示す。
Figure 2017197677
Figure 2017197677
実施例1〜3は、スチレン系エラストマー5(SEBS、25%トルエン溶液粘度8000mPa・s)の100質量部に対して、メタロセンPPのグレードまたは配合量を変化させた例である。
実施例1〜3では、引張強度が8〜10.4MPa、伸び率が670〜760%、ショアA硬度が58〜60、ヘイズが5〜12であり、柔軟で、高硬度、高引張強度、かつ高透明性を有する。
実施例4は、実施例3におけるスチレン系エラストマー5(SEBS、25%トルエン溶液粘度8000mPa・s)100質量部を、スチレン系エラストマー4(SEBS、25%トルエン溶液粘度1800mPa・s)50質量部とスチレン系エラストマー5(SEBS、25%トルエン溶液粘度8000mPa・s)50質量部に変更した例である。
実施例4では、引張強度が7.8MPa、伸び率が590%、ショアA硬度が55、ヘイズが14であり、実施例3と比べると引張強度、伸び率、及びショアA硬度が低下しているが、柔軟で、高硬度、高引張強度、かつ高透明性を有する。
実施例5は、実施例3におけるメタロセンPPを27質量部から40質量部に増加させた例である。
実施例5では、引張強度が14MPa、伸び率が600%、ショアA硬度が75、ヘイズが12であり、実施例3と比べると引張強度が増大し、伸び率が低下し、ショアA硬度が増大しているが、柔軟で、高硬度、高引張強度、かつ高透明性を有する。
実施例6は実施例1におけるパラフィンオイルを50質量部から80質量部に増加させた例である。
実施例6では、引張強度が7.6MPa、伸び率が1050%、ショアA硬度が45、ヘイズが11であり、実施例1と比べると、引張強度が低下し、伸び率が大幅に向上し、ショアA硬度が低下し、ヘイズ値が増大しているが、柔軟で、高硬度、高引張強度、かつ高透明性を有する。
実施例7は、実施例3におけるパラフィンオイルを動粘度が比較的高い高動粘度グレードのパラフィンオイルに変更した例である。
実施例7では、引張強度が10.2MPa、伸び率が770%、ショアA硬度が59、ヘイズが8であり、実施例1とほぼ同様の結果を示し、柔軟で、高硬度、高引張強度、かつ高透明性を有する。
実施例8は実施例1におけるスチレン系エラストマー5(SEBS、25%トルエン溶液粘度8000mPa・s)をスチレン系エラストマー3(SEBS、25%トルエン溶液粘度1330mPa・s)に変更した例である。
実施例8では、引張強度が7.8MPa、伸び率が1100%、ショアA硬度が50、ヘイズが8であり、実施例1と比べて引張強度が低下し、伸び率が大幅に向上し、ヘイズ値が増大しているが、柔軟で、高硬度、高引張強度、かつ高透明性を有する。
実施例9は実施例1におけるスチレン系エラストマー5(SEBS、25%トルエン溶液粘度8000mPa・s)をスチレン系エラストマー2(SEBS、25%トルエン溶液粘度1300mPa・s)に変更した例である。
実施例9では、引張強度が5.5MPa、伸び率が1300%、ショアA硬度が35、ヘイズが7であり、実施例1と比べて引張強度及びショアA硬度の値が低下した一方、伸び率が大幅に向上しており、柔軟で、高硬度、高引張強度、かつ高透明性を有する。
実施例10は、実施例1におけるメタロセンPPの量を17質量部から10質量部に減らした例である。
実施例10では、引張強度が7.5MPa、伸び率が680%、ショアA硬度が43、ヘイズが10であり、実施例1と比べて引張強度及びショアA硬度の値が低下し、ヘイズ値が増大したものの、柔軟で、高硬度及び高引張強度、かつ高透明性を有する。
実施例11は、実施例1におけるスチレン系エラストマー5(SEBS、25%トルエン溶液粘度8000mPa・s)をスチレン系エラストマー6(SEEPS、25%トルエン溶液粘度8500mPa・s)に変更した例である。
実施例11では、引張強度が10.3MPa、伸び率が740%、ショアA硬度が62、ヘイズが7であり、実施例1とほぼ同様の結果を示し、柔軟で、高硬度及び高引張強度、かつ高透明性を有する。
比較例1は、実施例1におけるメタロセンPPをランダムPPに変更し、他の構成は実施例1と同一にした例である。
比較例1では、引張強度が18MPa、伸び率が570%、ショアA硬度が75、ヘイズが45であり、実施例1と比べて引張強度の値及びショアA硬度の値は増大し、伸び率については低下し、またヘイズ値が9倍の値になっており、透明性が低かった。
比較例2は、実施例1におけるスチレン系エラストマー5(SEBS、25%トルエン溶液粘度8000mPa・s)をスチレン系エラストマー7(SEBS、25%トルエン溶液粘度>50,000mPa・s)に変更し、他の構成は実施例1と同一にした例である。
比較例2では、引張強度が11MPa、伸び率が730%、ショアA硬度が59、ヘイズが62であり、実施例1と比べてヘイズ値が12倍超の値になっており、透明性が低かった。
比較例3は実施例1におけるスチレン系エラストマー5(SEBS、25%トルエン溶液粘度8000mPa・s)をスチレン系エラストマー1(SEBS、25%トルエン溶液粘度200mPa・s)に変更し、他の構成は実施例1と同一にした例であり、MFRの値が大き過ぎて良好に成形できず、物性値を測定できなかった。
比較例4は実施例1におけるメタロセンPPをホモPPに変更し、他の構成は実施例1と同一にした例である。
比較例4では、引張強度が23MPa、伸び率が380%、ショアA硬度が79、ヘイズが60であり、実施例1と比べて引張強度の値及びショアA硬度の値は増大し、伸び率については大幅に低下し、またヘイズ値が12倍の値になっており、柔軟性及び透明性が低かった。
比較例5は実施例1におけるメタロセンPPを17質量部から5質量部に減らし、他の構成は実施例1と同一にした例である。
比較例5では、引張強度が5.9MPa、伸び率が660%、ショアA硬度が20、ヘイズが8であり、実施例1と比べて引張強度、伸び率及びショアA硬度の値が低下しており、硬度及び引張強度が低かった。
比較例6は、実施例1におけるメタロセンPPを17質量部から0質量部にし、他のポリオレフィン樹脂も含まない例である。
比較例6では、引張強度が4.7MPa、伸び率が610%、ショアA硬度が13、ヘイズが7であり、実施例1と比べて引張強度の値及びショアA硬度の値が大幅に低下しており、硬度及び引張強度が低かった。
前記のように、実施例品は比較例品と比べて柔軟で、高硬度及び高引張強度、かつ高透明性を有するものであり、本発明の樹脂組成物及び成形体は、柔軟性、高硬度及び高引張強度、かつ高透明性が求められる用途に好適である。

Claims (5)

  1. 25%トルエン溶液粘度が1000〜10000mPa・sのスチレン系エラストマー100質量部に、メタロセン触媒により重合されたポリオレフィン樹脂10〜40質量部、及び鉱物油を配合したことを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記スチレン系エラストマーは、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)またはスチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体エラストマー(SEEPS)であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記鉱物油はパラフィン系オイルであり、前記スチレン系エラストマー100質量部に対し40〜90質量部であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載の樹脂組成物の成形体であって、ショアA硬度(JIS K 6253−3)が30〜80、ヘイズ(JIS K 7136)が20%以下であることを特徴とする成形体。
  5. 前記成形体の引張強度(JIS K 6251)が5〜20MPaであることを特徴とする請求項4に記載の成形体。
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