本発明の実施の形態にかかるヘアドライヤは、吸入口および吐出口を有する送風流路が形成されたドライヤ本体と、前記送風流路に配置される送風部と、前記送風流路内の前記送風部よりも吐出口側に配置される加熱部と、を備えている。
また、ヘアドライヤは、毛髪の温度を測定する毛髪温度測定部と、毛髪の状態を報知する報知部と、を備えている。
そして、前記報知部が前記吐出口の周囲に設けられた発光体を有している。
こうすることで、毛髪の加熱部位を見ている使用者の視野の範囲に報知部が入るようにすることができるため、使用者は、視線を移動させることなく毛髪の状態を確認することができるようになる。その結果、より容易に毛髪の状態を確認することができるようになる。
このとき、前記発光体の発光領域と前記毛髪温度測定部の測定領域とを略一致させるようにしてもよい。
こうすることで、使用者が、どの部分の毛髪温度を測定しているのかを、より正しく認識することができるため、ヘアドライヤをより直感的に使用することができるようになる。その結果、ヘアドライヤの使い勝手をより向上させることができるようになる。
また、ヘアドライヤは、吸入口および吐出口を有する送風流路が形成されたドライヤ本体と、前記送風流路に配置される送風部と、前記送風流路内の前記送風部よりも吐出口側に配置される加熱部と、を備えている。さらに、毛髪の温度を測定する毛髪温度測定部と、毛髪の状態を報知する報知部と、を備えている。
そして、前記報知部が前記吸入口の周囲に設けられた発光体を有している。
こうすることで、後頭部を乾燥させているときに、報知部を鏡に写すことができるため、より容易に毛髪の状態を確認することができるようになる。
また、ヘアドライヤは、吸入口および吐出口を有する送風流路が形成されたドライヤ本体と、前記ドライヤ本体に連設された把持部と、前記送風流路に配置される送風部と、前記送風流路内の前記送風部よりも吐出口側に配置される加熱部と、を備えている。
さらに、ヘアドライヤは、毛髪の温度を測定する毛髪温度測定部と、毛髪の状態を報知する報知部と、を備えている。
そして、前記報知部が前記把持部の先端に設けられた発光体を有している。
こうすることで、後頭部を乾燥させているときに、報知部を鏡に写すことができるため、より容易に毛髪の状態を確認することができるようになる。
また、前記報知部が3色以上の発光体を有するようにすることが可能である。
こうすれば、乾燥時に、毛髪の状態の途中経過を認識することが可能となるため、ヘアドライヤの使い勝手をより向上させることができる。
また、ヘアドライヤは、吸入口および吐出口を有する送風流路が形成されたドライヤ本体と、前記送風流路に配置される送風部と、前記送風流路内の前記送風部よりも吐出口側に配置される加熱部と、を備えている。さらに、毛髪の温度を測定する毛髪温度測定部と、毛髪の状態を報知する報知部と、を備えている。
そして、前記報知部が前記ドライヤ本体とは別体に設けられている。
こうすれば、使用者自身が見やすい場所に報知部を設置することができるため、ヘアドライヤの使い勝手をより向上させることができるようになる。
また、前記報知部が情報処理端末に設けられている。
こうすれば、毛髪の状態が変化する様子を画面で表示することが可能となって、ヘアドライヤの使い勝手をより向上させることができるようになる。
また、ヘアドライヤは、使用環境の温度を測定する使用環境温度測定部をさらに備えており、前記報知部が、毛髪の温度が目標温度に達したか否かを報知するようにしている。
そして、前記目標温度が、前記使用環境温度測定部により測定された使用環境の温度に基づいて制御されている。
こうすれば、使用するヘアドライヤの周囲環境の温度に基づいて、より適切な目標温度を演算部によって演算することができるようになるため、毛髪の状態をより適切に使用者に報知することができる。その結果、整髪効果をより向上させることができるようになる。
また、前記使用環境温度測定部により測定された使用環境の温度よりも高い温度となるように第1の温度を設定し、前記毛髪温度測定部により測定された毛髪の温度が前記第1の温度よりも低い場合には、前記報知部による報知を停止するようにしている。
こうすれば、使用環境の温度を毛髪の温度と認識してしまうことを抑制することができ、ヘアドライヤの使い勝手をより向上させることができるようになる。また、毛髪が乾燥しているのに、使用環境の温度を毛髪の温度と使用者が勘違いして、乾いた毛髪をさらに乾燥させてしまうことを抑制することができ、毛髪にダメージを与えてしまうのを抑制することが可能となる。また、温風を毛髪にあてていないときに、報知部が作動してしまうのを抑制することができ、省エネ化を図ることが可能となる。
また、前記毛髪温度測定部により測定された毛髪の温度が第2の温度よりも高い場合には、前記報知部による報知を停止するようにしている。
こうすれば、白熱電球等の高温物体の温度を毛髪の温度と認識してしまうことを抑制することができ、ヘアドライヤの使い勝手をより向上させることができるようになる。また、毛髪が乾いていない状態のときに、白熱電球等の高温物体の温度を毛髪の温度と使用者が勘違いして、毛髪の乾燥を止めてしまうことを抑制することができる。また、温風を毛髪にあてていないときに、報知部が作動してしまうのを抑制することができ、省エネ化を図ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
また、以下の複数の実施の形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
本実施の形態にかかるヘアドライヤ10は、図1に示すように、送風流路22が形成されたドライヤ本体20と、使用者Uが手で握る部分である細長の把持部30と、を備えている。なお、図示省略したが、把持部30の先端部からは、外部電源等に接続される電源コードが引き出されている。
本実施の形態では、把持部30は、ドライヤ本体20に一体に形成されており、ドライヤ本体20と把持部30とで略T字状の外観を呈するように構成されている。このとき、送風流路22の延在方向(空気流の流向)が把持部30の長手方向に対して交差する方向となるように、把持部30をドライヤ本体20に連設している。
なお、ドライヤ本体20と把持部30とで略L字状の外観を呈するように、把持部30をドライヤ本体20に連設させるようにしてもよい。
また、把持部30をドライヤ本体20に回動可能に連設し、使用時に、ドライヤ本体20と把持部30とで略T字状あるいは略L字状の外観を呈するようにしてもよい。
ドライヤ本体20は、内部が空洞状となるように形成された本体ハウジング21を備えており、この本体ハウジング21がドライヤ本体20の外郭を構成している。
一方、把持部30は、内部が空洞状となるように形成された把持部側ハウジング31を備えており、この把持部側ハウジング31が把持部30の外郭を構成している。
このように、本実施の形態では、本体ハウジング21および把持部側ハウジング31がヘアドライヤ10の外郭をなすハウジング40の少なくとも一部を構成している。
このハウジング40は、例えば、複数の分割体を継ぎ合わせて構成することができる。そして、ハウジング40の内部には空洞が形成されており、この空洞内に、各種電気部品が収容されている。
本実施の形態では、ドライヤ本体20の本体ハウジング21の内部に、長手方向(図1の左右方向)の一方側(右側)の吸入口22aから吐出口22bに至る送風流路22が形成されている。すなわち、ドライヤ本体20の本体ハウジング21の内部に、両側部に吸入口22aと吐出口22bとを備えた送風流路22が設けられている。
そして、この送風流路22内の上流側(吸入口22aに近い側)には、送風部23が配置されており、吸入口22aから導入された空気を吐出口22bから吐出させるようにしている。この送風部23は、例えば、送風流路22内の上流側に配置されるファンと、ファンの下流側に配置されてファンを駆動するモータと、を備えた構成とすることができる。かかる構成とすれば、モータに通電してファンを駆動し、ファンを回転させた際に、外部から吸入口22aを介して送風流路22内に流入し、当該送風流路22内を通って吐出口22bから外部に排出される空気流(送風)が形成されるようになる。
また、送風部23の下流側(送風部23よりも吐出口22bに近い側)には、送風(空気)を加熱する加熱部24が配置されている。この加熱部24を作動させた際には、送風部23によって形成された空気流(送風)が加熱されて吐出口22bから温風が吹き出されることとなる。この加熱部24としては、例えば、帯状かつ波板状の電気抵抗体をドライヤ本体20の本体ハウジング21の内周に沿って巻回して配置することで形成したヒータを用いることができる。
一方、把持部30の把持部側ハウジング31内の空洞には、電源のONとOFFとの切り換え等を行うスイッチ部32が収容されている。
スイッチ部32は、把持部側ハウジング31の表面に露出した操作子33を操作することで、内部接点の開閉状態を切り換えることができるように構成されている。
さらに、本実施の形態では、送風流路22内に、ミストや金属微粒子等の荷電微粒子を生成する荷電微粒子生成部25が収容されている。なお、送風流路22内に荷電微粒子生成部25を設けないようにすることも可能である。
このような構成をしたヘアドライヤ10を用い、使用者Uが、吐出口22bから吐出する温風を毛髪(使用者自身の毛髪または使用者以外の他者の毛髪)Hにあてるようにすれば、洗髪等により濡れた対象者の毛髪Hを乾燥させることができる。
このとき、使用者Uがヘアドライヤ10の姿勢を色々と変えながら対象者の毛髪Hの複数の部位に温風をあてて加熱することで、対象者の毛髪Hの全体を乾燥させるようにするのが一般的である。
さらに、本実施の形態では、ヘアドライヤ10は、毛髪Hの温度を測定する毛髪温度測定部52と、毛髪Hの状態を報知する報知部51と、を備えている。また、ヘアドライヤ10は、毛髪Hの乾燥時間をカウントするタイマ54と、毛髪温度測定部52から出力された出力結果に基づき、報知部51への出力を演算する演算部53と、を備えている。
そして、毛髪温度測定部52で測定された出力結果(毛髪の温度の測定値)が演算部53に入力されるとともに、タイマ54でカウントされたカウント値(時間計測値)が演算部53に入力されるようにしている(図2参照)。
また、演算部53が、入力された毛髪の温度の測定値および時間計測値に基づいて、報知部51の制御を行うようにしている(図2参照)。
毛髪温度測定部52は、本実施の形態では、吐出口22bの外側に設けられている。具体的には、毛髪温度測定部52は、吐出口22bの外側における下側(把持部30側)に設けられている。この毛髪温度測定部52としては、例えば、赤外線センサを用いることができる。
さらに、本実施の形態では、毛髪温度測定部52は、図1に示すように、検出軸Aの向きが吐出口22bから吐出される温風の送風方向Wに沿った方向となるように設けられている。
すなわち、本実施の形態では、毛髪温度測定部52は、送風流路22の領域外の部位(温風が直接当たらない部位)に、検出軸Aの向きが吐出口22bから吐出される温風の送風方向Wに沿った方向となるように設けられている。
ところで、ヘアドライヤ10を用いて毛髪Hを乾燥させる際には、上述したように、ヘアドライヤ10の姿勢を色々と変えながら毛髪Hの複数の部位に温風をあてて加熱するのが一般的である。
このとき、温風エリアの中心を使って、すなわち、吐出口22bの中央部から吐出される温風を主にあてることで、毛髪Hを乾燥させる場合がある。また、温風エリアの端を使って、すなわち、吐出口22bの周縁部から吐出される温風を主にあてることで、毛髪Hを乾燥させる場合もある。
ここで、例えば、毛髪温度測定部52を、温風軸上、すなわち、送風流路22内(温風が直接当たる部位)に配置していると、温風エリアの中心を使って毛髪Hを乾燥させる場合には、毛髪温度測定部52によって毛髪温度を感度よく検知することができる。しかしながら、温風エリアの端を使って毛髪Hを乾燥させる場合には、毛髪温度測定部52の検知可能範囲(視野:測定領域)52aに存在する毛髪Hが少なくなってしまい、毛髪温度の検知感度が低下してしまうことがある(図3参照)。なお、図3において実線で示す領域は、温風の吐出範囲である。
これに対して、本実施の形態では、毛髪温度測定部52を、送風流路22の領域外の部位(温風が直接当たらない部位)に、検出軸Aの向きが吐出口22bから吐出される温風の送風方向Wに沿った方向となるように設けている。
こうすれば、温風エリアの中心を使って毛髪Hを乾燥させる場合であっても、温風エリアの端を使って毛髪Hを乾燥させる場合であっても、毛髪温度測定部を毛髪Hに対向させることが可能となる(図4参照)。なお、図4において実線で示す領域も温風の吐出範囲である。
このように、送風流路22の領域外に、検出軸Aの向きが吐出口22bから吐出される温風の送風方向Wに沿った方向となるように毛髪温度測定部52を設けるようにすれば、ヘアドライヤ10の使用時における毛髪温度の検知感度をより均一にすることが可能となる。
その結果、毛髪Hを、様々な乾燥方法で乾燥させたとしても、ほぼ一定の感度で毛髪温度を測定することができるようになって、毛髪Hに仕上がりムラができてしまうのを抑制することができる。
また、毛髪温度測定部52を、送風流路22の領域外(温風が直接当たらない部位)に設けているため、毛髪温度の測定時に、温風の影響によるノイズが発生してしまうのを抑制することができる。
さらに、本実施の形態では、毛髪温度測定部52を吐出口22bの外側における把持部30側に設けている。
こうすれば、使用者Uが使用者自身の毛髪Hを温風エリアの端を使って乾燥させる場合に、毛髪H側に位置することが多い把持部30側に毛髪温度測定部52が設けられることとなる。その結果、毛髪温度測定部52の検知可能範囲(視野)52aに、より多くの毛髪Hを存在させることができるようになるため、毛髪温度測定部52によって毛髪Hの温度をより確実に検知することができるようになる。
また、本実施の形態では、報知部51は、本体ハウジング21の外面に発光体としてのLEDを設けることで形成されている。
このとき、例えば、報知部51をドライヤ本体20の中央に設けた場合、毛髪Hの状態を認識するためには、使用者Uは、毛髪Hの加熱部位とドライヤ本体20の中央に設けられた報知部51の両方を見る必要がある。そのため、報知部51をドライヤ本体20の中央に設けた場合、毛髪Hの状態を容易に認識することができないことがあった。
しかしながら、本実施の形態では、本体ハウジング21の外面における吐出口22bの周囲のほぼ全周にわたって報知部51を設けている。このように、本体ハウジング21の外面における吐出口22bの周囲に報知部51を設けるようにすれば、毛髪Hの加熱部位を見ている使用者Uの視野の範囲に報知部51が入るようにすることができる。そのため、使用者Uは、視線を移動させることなく毛髪Hの状態を確認することができるようになる。
このように、本実施の形態では、報知部51を本体ハウジング21の外面における吐出口22bの周囲に設けることで、使用者Uが、報知部51の状態(温風を当てている毛髪Hの状態)をより容易に認識できるようにしている。
さらに、本実施の形態では、報知部51が青色および赤色のいずれかの色で発光するようにLED(発光体)を設けている。かかる構成は、例えば、本体ハウジング21の表側面および裏側面のそれぞれにおける吐出口22bの近辺の1箇所以上に青色LEDおよび赤色LEDを配置し、さらに、把持部30とは反対側の吐出口22bの周囲(吐出口22bの周囲の上部)の1箇所以上にも青色LEDおよび赤色LEDを配置することで得ることができる。
このとき、複数の青色LEDおよび複数の赤色LEDを吐出口22bの周囲に沿って交互に設け、いずれかの色のLEDを点灯させるようにするのが好ましい。こうすれば、青色LEDのみを点灯させた場合には、報知部51が青色のリング状に発光し、赤色LEDのみを点灯させた場合には、報知部51が赤色のリング状に発光することとなる。
そして、報知部51は、毛髪Hの状態に基づいて、青色または赤色に発光するように制御されている。本実施の形態では、毛髪Hの温度に基づいて、報知部51が青色または赤色に発光するようにしている。具体的には、毛髪Hの温度が所定の温度(後述する目標温度)よりも低い場合には、報知部51を青色に発光させ、毛髪Hの温度が所定の温度(後述する目標温度)以上の場合には、報知部51を赤色に発光させるようにしている。
このように、本実施の形態では、報知部51を吐出口22bの周囲に設けるとともに、当該報知部51を毛髪Hの状態(毛髪温度測定部52によって測定された毛髪温度)に基づいて青色または赤色に発光させるようにしている。こうすれば、ヘアドライヤ10の使用時に、発光体からの放射光が毛髪Hに反射して、毛髪Hの加熱されている部位が、報知部51の発光色に色づいたように見えるため、使用者Uは、より直感的に毛髪Hの状態を認識することができるようになる。
なお、発光体はLEDに限られるものではなく、発光するものであればどのようなものでもよい。また、発光させる色は、青色および赤色に限られるものではなく、発光させる色を適宜選択することができる。
また、報知部51による報知方法は、発光体を発光させることに限られるものではなく、例えば、発光体および音によって報知させるようにすることも可能である。
タイマ54は、上述したように、毛髪Hの乾燥時間をカウントするものである。
また、演算部53は、上述したように、毛髪温度測定部52で測定された出力結果(毛髪の温度の測定値)およびタイマ54でカウントされたカウント値(時間計測値)が入力されて、報知部51への出力を演算するものである。このような演算部53としては、例えば、制御基板上に設けられたマイコン等を用いることができる。
ところで、使用者Uがヘアドライヤ10を用いて毛髪Hを乾燥させる際には、単に毛髪Hを乾燥させるだけでなく、毛髪Hを乾燥させつつ、毛髪Hのクセを矯正したり、毛髪Hをまとめたりする等の整髪も行うようにするのが一般的である。
そして、整髪効果をより向上させるためには、毛髪Hの温度をガラス転移点G以上とした状態で整髪を行う必要がある。なお、ガラス転移点Gは、水分量の異なる複数の毛髪サンプルを用いて想定した結果(図5の黒塗りの点)に基づき算出しており、基本的には、水分量が少なくなるほど、ガラス転移点Gは高くなる。
さらに、毛髪Hの整髪効果をより向上させるためには、洗髪等により濡れている毛髪(水分量が多く、ガラス転移点Gよりも低い温度となっている毛髪)Hを、より迅速に、理想領域Rの範囲内となるようにするのが好ましい。濡れている毛髪Hを理想領域Rの範囲内に納めるまでにかかる時間が長くなってしまうと、毛髪Hのクセが矯正されずに整髪効果が低下してしまうことがあるためである。なお、理想領域とは、図5に示すように、毛髪Hの水分量が11%以上13%以下で、毛髪温度が55℃以上75℃以下となる範囲のことである。
また、使用者Uがヘアドライヤ10を用いて、毛髪Hを乾燥させる際には、ある部位の毛髪Hを加熱したら別の部位に移動して移動した部位を加熱するという作業を繰り返し、頭髪全体を少しずつ乾かしていくのが一般的である。
したがって、頭髪全体のうちのある部位における毛髪Hに着目すると、この部分では、加熱→放熱→加熱…が繰り返されて、毛髪温度が上下に変化することとなる(図6および図7参照)。そして、特定の部位の毛髪Hは、加熱→放熱→加熱…を繰り返すことで、毛髪温度を上下に変化させるとともに、水分量を減少させて、理想領域Rに到達することとなる。
このとき、洗髪等により濡れている毛髪Hをより迅速に理想領域Rに到達させるためには、毛髪Hに与えられる熱量の総和を、より短期間で所定の熱量となるようにする必要がある。
ただし、80℃の風(熱風)を同一の部位に1秒以上あてたり、75℃の風(熱風)を同一の部位に3秒以上あてたりする等、毛髪Hにダメージを与えてしまう熱量(ダメージ限界温度を超える熱量)を短時間に与えてしまうと、毛髪のダメージにより整髪効果が低下してしまう。
したがって、毛髪Hにダメージを与えてしまうのを抑制しつつ、より短期間で所定の熱量を毛髪Hに与える必要がある。
以下では、毛髪Hにダメージを与えてしまうのを抑制しつつ、より短期間で所定の熱量を毛髪Hに与えることが可能な報知部51の制御方法を例示する。なお、報知部51の制御方法は、以下で説明する方法に限られるものではなく、様々な方法で報知部51の制御を行うことができる。
まず、図6に示すように、理想領域Rの温度の上限である75℃に近い温度を目標温度とし、毛髪温度が加熱により目標温度以上となったら別の部位に移動させるようにすることで、毛髪Hを少しずつ乾燥させるようにする方法を用いることができる。この図6に示す方法を用いれば、洗髪等により濡れている毛髪Hを比較的迅速に理想領域Rに到達させることができるようになるため、整髪効果の向上を図ることが可能となる。
しかしながら、毛髪Hは、水分量が多い状態では、気化熱の影響で温まりにくく冷め易いものである。そのため、毛髪Hの乾燥の序盤においては、理想領域Rの温度の範囲内で乾かしているときに毛髪Hに与えられる熱量(毛髪温度が55℃以上となる部分と、55℃の横線とで囲まれる領域の面積)は、比較的小さくなっている。そのため、図6に示す方法(目標温度を一定の温度に設定する方法)では、毛髪Hが理想領域Rに収まるまでの時間が長くなってしまうことがある。そして、毛髪Hが理想領域Rに収まるまでの時間が長くかかってしまうと、毛髪Hのクセを伸ばすことができず、毛髪Hをまとめることができない場合がある。
そのため、報知部51の制御方法として、図6に示す方法よりも迅速に毛髪Hを理想領域Rに到達させることのできる方法を用いるのが好ましい。
例えば、図7に示すように、毛髪Hを加熱して上昇させるべき温度を目標温度とし、目標温度を毛髪Hの乾燥開始時からの乾燥時間に基づいて演算部53に演算させるようにするのが好ましい。
具体的には、図7では、毛髪Hが濡れているとき(水分量が多いとき)は、毛髪Hを加熱したとしても、放熱時にはすぐに毛髪温度が下がる点に着目し、乾燥の初期段階では、目標温度を理想領域Rの温度の上限(75℃)よりも高い温度となるように設定している。そして、乾燥開始時からの時間が経過した乾燥終了時における目標温度が乾燥の初期段階における目標温度よりも低温となるようにしている。
すなわち、演算部53が、乾燥開始時よりも乾燥終了時のほうが低温となるように目標温度を演算するようにしている。
さらに、この図7には、乾燥開始時からの時間が経過するにつれて目標温度を徐々に下げていくようにしたものを例示している。
すなわち、図7には、乾燥開始時点における目標温度が最も温度が高い最高温度となるようにし、乾燥終了時点における目標温度が最も低い最低温度となるようにしたものを例示している。なお、目標温度は、乾燥開始時点における最高温度から最低温度となるまでは時間が経過するにつれて徐々に低下しているが、最低温度となった後は、時間が経過しても、一定の値(最低温度)となるようにしている。
なお、目標温度は、乾燥終了時(乾燥開始時から毛髪Hの乾燥に要する平均的な時間が過ぎたとき)において、最低温度となっていればよく、乾燥の途中で目標温度が最低温度となるようにしてもよい。
ここで、目標温度の最高温度は、例えば、約80℃とすることができる。また、目標温度の最低温度は、例えば、約75℃(理想領域Rの温度の上限である75℃に近い値)とすることができる。
また、乾燥開始時から最低温度となるまでに要する時間は、例えば、150〜300秒の範囲で設定することができる。
このとき、乾燥開始時から最低温度となるまでに要する時間を、例えば、200秒等の一定の時間に設定してもよい。また、毛髪の長さを使用者に選択させた結果を元に、乾燥開始時から最低温度となるまでに要する時間を変化させるようにしてもよい。例えば、使用者が選択した毛髪の長さが長い場合には、比較的長い時間が設定されるようにし、使用者が選択した毛髪の長さが短い場合には、比較的短い時間が設定されるようにしてもよい。
このように、演算部53が演算した目標温度となるまで毛髪Hを加熱するようにすれば、毛髪Hにダメージ限界温度を超える熱量を与えることなく、毛髪Hをより素早く理想領域Rの範囲内に納めることができるようになる。
なお、図6に示す方法(目標温度を時間の経過によらずほぼ一定の値とする方法)や、図7に示す目標温度の推移は、報知部51の制御方法の一例に過ぎず、他の方法で報知部51の制御することも可能である。例えば、図9に示すように、目標温度を、上下に振動させながら徐々に低下させる(波打つように低下させる)ことも可能である。このとき、乾燥開始時点における目標温度を最高温度とする必要はない。
また、目標温度を段階的に変化させ、所定時間は一定の温度となるように推移させることも可能である。
次に、演算部53による報知部51の制御方法の一例を図8に基づき説明する。
まず、ヘアドライヤ10の操作子33を操作し、スイッチ部32の内部接点の開閉状態を切り換えることで、電源をONにする。
その後、所定の部位の毛髪Hに温風をあてて毛髪Hの乾燥を開始する(図8のS11)。
毛髪Hの乾燥が開始されると、タイマ54が作動して乾燥時間をカウントする(図8のS12)。なお、タイマ54を作動させるタイミングは適宜設定することができる。例えば、電源ONと同時にカウントが開始されるようにしてもよいし、電源をONにしてから所定時間経過した際に、乾燥が開始されたと判断してカウントを開始するようにしてもよい。
そして、乾燥時間がカウントされると、タイマ54でカウントされたカウント値(時間計測値)が演算部53に入力され、演算部53が、乾燥時間(入力されたカウント値:時間計測値)に基づいて、目標温度を演算する(図8のS13)。
一方、毛髪温度測定部52は、毛髪Hの温度を測定する(図8のS14)。そして、毛髪温度測定部52で測定された出力結果(毛髪の温度の測定値)が演算部53に入力される。
そして、演算部53が、毛髪温度測定部52から出力された出力結果(毛髪の温度の測定値)に基づいて、毛髪温度測定部52により測定された毛髪Hの温度が演算した目標温度に達したか否かを判定する(図8のS15)。すなわち、毛髪温度測定部52により測定された毛髪Hの温度と演算した目標温度とを比較する。
そして、S15の判定に基づき、演算部53が報知部51を制御する(図8のS16)。具体的には、毛髪Hの温度<目標温度となっていれば、演算部53は、報知部51を青色に発光させる。その後、毛髪Hの温度≧目標温度となるまで、上記S13〜S15の動作を繰り返す。そして、毛髪Hの温度≧目標温度となった場合には、演算部53は、報知部51を赤色に発光させる。そして、使用者Uは、報知部51が赤色に発光したことを確認し、別の場所の毛髪Hに温風をあてて乾燥させる。このとき、上記S13〜S16の動作が繰り返される。
そして、かかる動作を繰り返すことで、頭髪の全体が乾燥される。
以上説明したように、本実施の形態にかかるヘアドライヤ10は、吸入口22aおよび吐出口22bを有する送風流路22が形成されたドライヤ本体20と、送風流路22に配置される送風部23と、送風流路22内の送風部23よりも吐出口22b側に配置される加熱部24と、を備えている。
また、ヘアドライヤ10は、毛髪Hの温度を測定する毛髪温度測定部52と、毛髪Hの状態(毛髪温度)を報知する報知部51と、を備えている。
そして、報知部51が吐出口22bの周囲に設けられたLED(発光体)を有している。
こうすることで、毛髪Hの加熱部位を見ている使用者Uの視野の範囲に報知部51が入るようにすることができるため、使用者Uは、視線を移動させることなく毛髪Hの状態を確認することができるようになる。その結果、より容易に毛髪Hの状態を確認することができるようになる。
なお、上記では、毛髪Hの状態(毛髪温度)に基づいて、青色または赤色に発光するように報知部51を制御するものを例示したが、2色の発光体を用いて毛髪Hの状態を使用者Uに認識させるようにする場合、毛髪Hがいつ所定の温度に達するかが分からない(青色が表示されているだけでは、毛髪Hが水分を多く含んでおり、温度が上昇するまでに時間がかかる状態にあるのか、もうすぐ赤色表示になるくらい温度が上昇しているのかがわからない)ため、使用者Uが途中で乾燥を止めてしまう可能性がある。
そのため、図10に示すように、報知部51の発光体を青色、緑色、赤色の3色に発光させるようにするのが好ましい。
図10では、毛髪温度が35℃〜45℃の範囲で設定した所定の温度よりも低い場合には、報知部51を青色に発光させ、毛髪温度が55℃〜75℃の範囲で設定した所定の温度よりも高い場合には、報知部51を赤色に発光させるようにしている。そして、毛髪温度が、上記2つの所定の温度の間の温度となっている場合には、報知部51を緑色に発光させるようにしている。
このように、報知部51の発光体を青色、緑色、赤色の3色に発光させるようにすれば、毛髪Hを乾燥させる際に、毛髪Hの状態の途中経過を認識することが可能となるため、より理想的な乾燥方法で毛髪Hを乾燥させることが可能となって、ヘアドライヤ10の使い勝手をより向上させることができる。
例えば、以下のようにして毛髪Hを乾燥させることができる。まず、乾燥を開始した際には、頭髪の全体を少しずつ乾かし、報知部51が青色で発光される部分がなくなるようにする。その後、報知部51が赤色に発光しはじめたら、整髪(スタイリング)を行う。そして、頭髪の全体で報知部51が赤色に発光したら乾燥を終了させる。
また、8割乾燥させた段階で整髪を行うなど乾燥度に応じた乾かし方もできるようになる。
(実施の形態2)
本実施の形態にかかるヘアドライヤ10Aは、基本的に上記実施の形態1とほぼ同様の構成をしている。すなわち、ヘアドライヤ10Aは、図11に示すように、吸入口22aおよび吐出口22bを有する送風流路22が形成されたドライヤ本体20を備えている。
また、ヘアドライヤ10Aは、送風流路22に配置される送風部23と、送風流路22内の送風部23よりも吐出口22b側に配置される加熱部24と、を備えている。
さらに、ヘアドライヤ10Aは、毛髪Hの温度を測定する毛髪温度測定部52と、毛髪Hの状態を報知する報知部51と、を備えている。
本実施の形態においても、報知部51は、吐出口22bの周囲に設けられた発光体を有しており、上記実施の形態1と同様に、本体ハウジング21の外面に発光体としてのLEDを設けることで報知部51を形成することができる。
ここで、本実施の形態では、報知部51の発光体を、本体ハウジング21の吐出口22b側の側面(周面)ではなく、本体ハウジング21の下流側の端面21aに設けている(図11参照)。なお、図11には、報知部51の発光体を、前方に露出した状態で本体ハウジング21の下流側の端面21aに埋め込み固定したものを例示しているが、発光体を本体ハウジング21の下流側の端面21aに、前方に突出するように取り付けてもよい。
このように、本体ハウジング21の下流側の端面21aに報知部51の発光体を設けるようにすれば、発光体からの光を使用者Uの毛髪Hに直接的に照らすことができるようになる。すなわち、発光体により光が放射される領域(発光領域51a)の全体を毛髪Hに直接的に照らすことができるようになる。
また、本実施の形態においても、発光体として青色LEDおよび赤色LEDを用いることができる。そして、毛髪Hの温度に基づいて、報知部51を青色または赤色に発光させるように制御することができる。なお、本実施の形態では、毛髪Hの温度に基づいて、報知部51を青色または赤色に発光させた場合には、毛髪Hが青色または赤色に発光することとなる。
このとき、発光領域51aのサイズ、すなわち、毛髪Hにおける報知部51によって発光される領域を、適宜調整するのが好ましい。例えば、レンズ等をさらに搭載することで、発光体から所定距離だけ離れた部位における発光領域51aが所定の範囲となるように調整することができる。
また、発光体は、本体ハウジング21の下流側の端面21aに、主光軸方向A1を温風の送風方向Wと略平行にした状態で設けることができる。しかしながら、発光体は、図11(a)に示すように、主光軸方向A1を温風の送風方向Wと交差させた状態で本体ハウジング21の下流側の端面21aに設けるようにするのが好ましい。こうすれば、ヘアドライヤ10Aの吐出口22aから所定距離だけ下流側に離れた位置における発光領域51aを、毛髪Hの加熱領域と略一致させることができる。
また、上述の所定距離は、ヘアドライヤ10Aの通常の使用時に、一般的に想定される吐出口22aから毛髪Hまでの距離に基づいて設定するのが好ましい。例えば、ヘアドライヤ10Aの通常の使用時に、一般的に想定される吐出口22aから毛髪Hまでの距離が10cm〜20cmであると仮定すると、吐出口22aからの距離が10cm〜20cmまでの間の任意の距離を所定距離とするのが好ましい。こうすれば、吐出口22aから所定距離だけ離れた位置における発光領域51aを毛髪Hの加熱領域と略一致させるようにすることができる。
さらに、ヘアドライヤ10Aの使用時に一般的に想定される距離だけ吐出口22aから離した状態で毛髪Hに温風をあてた時に、熱によるダメージを極力抑制しつつ、より効率的に毛髪Hを乾燥させることができるようにするのが好ましい。こうすれば、ヘアドライヤ10Aの通常の使用方法が、ヘアドライヤ10Aのより適切な使用方法となるため、ヘアドライヤ10Aのより適切な使用状態において、発光領域51aを毛髪Hの加熱領域と略一致させるようにすることができる。その結果、通常の使用時(より適切な使用時)における毛髪Hの加熱部位を、より明確に使用者Uに報知することができるようになるため、ヘアドライヤ10Aの風をより効率よく毛髪Hにあてることができるようになって、ヘアドライヤ10Aの使い勝手をより向上させることができるようになる。
また、毛髪温度測定部52は、本実施の形態においても、送風流路22の領域外(温風が直接当たらない部位)に設けられており、毛髪温度の測定時に温風の影響によるノイズが発生してしまうのを抑制できるようにしている。
そして、報知部51の発光体および毛髪温度測定部52を、把持部30の軸および温風軸を含む平面に垂直な方向(把持部30の延在方向および温風の送風方向Wと直交する方向)に並べて配置している。図11には、報知部51の発光体および毛髪温度測定部52を、本体ハウジング21の下流側の端面21aの上部に左右方向(ヘアドライヤ10Aの幅方向)に並ぶように配置したものを例示している。
さらに、本実施の形態では、図11(a)および図11(b)に示すように、毛髪温度測定部52の検出軸Aの向きを発光体の主光軸方向A1と略一致させている。すなわち、毛髪温度測定部52の検出軸Aの向きと発光体の主光軸方向A1とが略平行となるように、発光体および毛髪温度測定部52を配置している。このとき、検出軸Aの向きも温風の送風方向Wと交差することとなる。
また、本実施の形態では、毛髪温度測定部52の測定領域52aを毛髪Hの加熱部位とも略一致させている。したがって、本実施の形態では、ヘアドライヤ10Aの通常の使用時におけるヘアドライヤ10Aと毛髪Hとの距離(所定距離)において、毛髪Hの加熱部位、発光領域51aおよび測定領域52aを略一致させている。
こうすれば、ヘアドライヤ10Aの通常の使用時における毛髪Hの発光部位を、毛髪温度測定部52の測定領域52aと略一致させることができるため、毛髪温度をより正しく測定できるようになる。
さらに、ヘアドライヤ10Aの通常の使用時における毛髪Hの発光部位を、毛髪温度測定部52の測定領域52aおよび毛髪Hの加熱部位と略一致させることができる。こうすれば、使用者Uが、どの部分の毛髪温度を測定しているのか、および、どの部分の毛髪Hを加熱しているのかを、より正しく認識することができるため、ヘアドライヤ10Aをより直感的に使用することができるようになる。その結果、ヘアドライヤ10Aの使い勝手をより向上させることができるようになる。
ところで、報知部51の発光体および毛髪温度測定部52を左右方向(ヘアドライヤ10Aの幅方向)に並設すると、図11(b)に示すように、報知部51の発光領域51aと毛髪温度測定部52の測定領域52aとが左右方向に若干ずれてしまう。
しかしながら、ヘアドライヤ10Aを用いて毛髪Hを乾燥させる際には、ヘアドライヤ10Aを左右に振りながら毛髪Hを乾燥させることが多い。そして、ヘアドライヤ10Aを左右に振ったときには、報知部51の発光領域51aと毛髪温度測定部52の測定領域52aとの左右方向へのズレが相殺されることとなる。すなわち、一般的に頻度の高い使用状態(ヘアドライヤ10Aを左右に振りながら毛髪Hを乾燥させる状態)においては、発光領域51aと測定領域52aとのズレを相殺することができる。
このように、報知部51の発光体および毛髪温度測定部52を左右方向(ヘアドライヤ10Aの幅方向)に並設すれば、ヘアドライヤ10Aの使用時の大半において、発光領域51aと測定領域52aとの左右方向へのズレによる影響を緩和することができるようになる。すなわち、ヘアドライヤ10Aの使用時に、毛髪温度測定部52により測定された毛髪温度と実際の毛髪温度との間に差が生じてしまうのを緩和させることができる。その結果、より効率よく毛髪Hを乾燥させることができるようになる。
また、ヘアドライヤ10Aは、毛髪Hの乾燥時間をカウントするタイマ54と、毛髪温度測定部52から出力された出力結果に基づき、報知部51への出力を演算する演算部53と、を備えている。
そして、毛髪温度測定部52で測定された出力結果(毛髪の温度の測定値)が演算部53に入力されるとともに、タイマ54でカウントされたカウント値(時間計測値)が演算部53に入力されるようにしている。
また、演算部53が、入力された毛髪の温度の測定値および時間計測値に基づいて、報知部51の制御を行うようにしている。
したがって、本実施の形態においても、上記実施の形態1で例示した報知部51の制御方法を用いて、報知部51を制御することができる。
以上の本実施の形態によっても、上記実施の形態1で示したヘアドライヤ10と同様の作用、効果を奏することができる。
また、本実施の形態では、発光体の発光領域51aと毛髪温度測定部52の測定領域52aとを略一致させている。
こうすることで、使用者Uが、どの部分の毛髪温度を測定しているのかを、より正しく認識することができるため、ヘアドライヤ10Aをより直感的に使用することができるようになる。その結果、ヘアドライヤ10Aの使い勝手をより向上させることができるようになる。
なお、発光体はLEDに限られるものではなく、発光するものであればどのようなものでもよい。また、発光させる色は、青色および赤色に限られるものではなく、発光させる色を適宜選択することができる。
また、報知部51による報知方法は、発光体を発光させることに限られるものではなく、例えば、発光体および音によって報知させるようにすることも可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態にかかるヘアドライヤ10Bは、基本的に上記実施の形態1とほぼ同様の構成をしている。すなわち、ヘアドライヤ10Bは、図12に示すように、吸入口22aおよび吐出口22bを有する送風流路22が形成されたドライヤ本体20を備えている。
また、ヘアドライヤ10Bは、送風流路22に配置される送風部23と、送風流路22内の送風部23よりも吐出口22b側に配置される加熱部24と、を備えている。
さらに、ヘアドライヤ10Bは、毛髪Hの温度を測定する毛髪温度測定部52と、毛髪Hの状態を報知する報知部51と、を備えている。また、ヘアドライヤ10Bは、毛髪Hの乾燥時間をカウントするタイマ54と、毛髪温度測定部52から出力された出力結果に基づき、報知部51への出力を演算する演算部53と、を備えている。
そして、毛髪温度測定部52で測定された出力結果(毛髪の温度の測定値)が演算部53に入力されるとともに、タイマ54でカウントされたカウント値(時間計測値)が演算部53に入力されるようにしている。
また、演算部53が、入力された毛髪の温度の測定値および時間計測値に基づいて、報知部51の制御を行うようにしている。
したがって、本実施の形態においても、上記実施の形態1で例示した報知部51の制御方法を用いて、報知部51を制御することができる。
ここで、本実施の形態では、報知部51が吸入口22aの周囲に設けられた発光体を有している。この報知部51も、上記実施の形態1と同様に、本体ハウジング21の外面に発光体としてのLEDを設けることで形成することができる。
具体的には、複数の青色LEDおよび複数の赤色LEDを吸入口22aの周囲に沿って交互に設け、いずれかの色のLEDを点灯させるようにすることで、報知部51を青色および赤色のいずれかの色で発光させる構成とすることができる。
そして、報知部51は、毛髪Hの状態に基づいて、青色または赤色に発光するように制御されている。本実施の形態では、毛髪Hの温度に基づいて、報知部51が青色または赤色に発光するようにしている。
以上の本実施の形態によっても、上記実施の形態1で示したヘアドライヤ10と同様の作用、効果を奏することができる。
また、本実施の形態では、報知部51が吸入口22aの周囲に設けられた発光体を有している。
こうすれば、図13に示すように、使用者Uが後頭部を乾燥させているときに、報知部51を鏡に写すことができるため、より容易に毛髪Hの状態を確認することができるようになる。
なお、本実施の形態においても、報知部51の発光体を青色、緑色、赤色の3色に発光させるようにすることが可能である(図10参照)。
(実施の形態4)
本実施の形態にかかるヘアドライヤ10Cは、基本的に上記実施の形態1とほぼ同様の構成をしている。すなわち、ヘアドライヤ10Cは、図14に示すように、吸入口22aおよび吐出口22bを有する送風流路22が形成されたドライヤ本体20を備えている。
また、ヘアドライヤ10Cは、送風流路22に配置される送風部23と、送風流路22内の送風部23よりも吐出口22b側に配置される加熱部24と、を備えている。
さらに、ヘアドライヤ10Cは、毛髪Hの温度を測定する毛髪温度測定部52と、毛髪Hの状態を報知する報知部51と、を備えている。また、ヘアドライヤ10Cは、毛髪Hの乾燥時間をカウントするタイマ54と、毛髪温度測定部52から出力された出力結果に基づき、報知部51への出力を演算する演算部53と、を備えている。
そして、毛髪温度測定部52で測定された出力結果(毛髪の温度の測定値)が演算部53に入力されるとともに、タイマ54でカウントされたカウント値(時間計測値)が演算部53に入力されるようにしている。
また、演算部53が、入力された毛髪の温度の測定値および時間計測値に基づいて、報知部51の制御を行うようにしている。
したがって、本実施の形態においても、上記実施の形態1で例示した報知部51の制御方法を用いて、報知部51を制御することができる。
ここで、本実施の形態では、報知部51が把持部30の先端に設けられた発光体を有している。この報知部51も、上記実施の形態1と同様に、本体ハウジング21の外面に発光体としてのLEDを設けることで形成することができる。
具体的には、複数の青色LEDおよび複数の赤色LEDを把持部30の先端の周囲に沿って交互に設け、いずれかの色のLEDを点灯させるようにすることで、報知部51を青色および赤色のいずれかの色で発光させる構成とすることができる。
そして、報知部51は、毛髪Hの状態に基づいて、青色または赤色に発光するように制御されている。本実施の形態では、毛髪Hの温度に基づいて、報知部51が青色または赤色に発光するようにしている。
以上の本実施の形態によっても、上記実施の形態1で示したヘアドライヤ10と同様の作用、効果を奏することができる。
また、本実施の形態では、報知部51が吸入口22aの周囲に設けられた発光体を有している。
こうすれば、図15に示すように、使用者Uが後頭部を乾燥させているときに、報知部51を鏡に写すことができるため、より容易に毛髪Hの状態を確認することができるようになる。
なお、本実施の形態においても、報知部51の発光体を青色、緑色、赤色の3色に発光させるようにすることが可能である(図10参照)。
(実施の形態5)
本実施の形態にかかるヘアドライヤ10Dは、基本的に上記実施の形態1とほぼ同様の構成をしている。すなわち、ヘアドライヤ10Dは、図16に示すように、吸入口22aおよび吐出口22bを有する送風流路22が形成されたドライヤ本体20を備えている。
また、ヘアドライヤ10Dは、送風流路22に配置される送風部23と、送風流路22内の送風部23よりも吐出口22b側に配置される加熱部24と、を備えている。
さらに、ヘアドライヤ10Dは、毛髪Hの温度を測定する毛髪温度測定部52と、毛髪Hの状態を報知する報知部51と、を備えている。また、ヘアドライヤ10Dは、毛髪Hの乾燥時間をカウントするタイマ54と、毛髪温度測定部52から出力された出力結果に基づき、報知部51への出力を演算する演算部53と、を備えている。
そして、毛髪温度測定部52で測定された出力結果(毛髪の温度の測定値)が演算部53に入力されるとともに、タイマ54でカウントされたカウント値(時間計測値)が演算部53に入力されるようにしている。
また、演算部53が、入力された毛髪の温度の測定値および時間計測値に基づいて、報知部51の制御を行うようにしている。
したがって、本実施の形態においても、上記実施の形態1で例示した報知部51の制御方法を用いて、報知部51を制御することができる。
ところで、上記実施の形態1〜4で例示したヘアドライヤ10,10A,10B,10Cでは、報知部51をドライヤ本体20に設け、報知部51を直接もしくは鏡を介して視認することで、毛髪Hの状態を認識できるようにしている。
しかしながら、使用者Uによっては、鏡を見ずに毛髪Hを乾かしたり、下を向いた状態で毛髪Hを乾かしたりすることがある。そして、このような使用者Uにとっては、上記実施の形態1〜4で例示したヘアドライヤ10,10A,10B,10Cは、使い勝手があまりよくないものとなってしまう。
そこで、本実施の形態では、報知部51をドライヤ本体20とは別体に設け、鏡を見ずに毛髪を乾かしたり、下を向いた状態で毛髪を乾かしたりする使用者Uにとっても、毛髪Hの状態を認識しやすい構成となるようにしている。
具体的には、報知部51を、スマートフォンやパソコン等の情報処理端末に設けている。
なお、報知部51は情報処理端末に設けられる必要はなく、本体ハウジング20とは別体に設けられ、毛髪Hの状態を報知することが可能なものであれば、いかなるものを用いてもよい。
また、図16には、報知部51が設けられた情報処理端末を本体ハウジング内の電気部品(演算部53等)に有線接続させたものを例示しているが、報知部51が設けられた情報処理端末を本体ハウジング内の電気部品(演算部53等)に無線接続させるようにすることも可能である。
以上の本実施の形態によっても、上記実施の形態1で示したヘアドライヤ10と同様の作用、効果を奏することができる。
また、本実施の形態では、報知部51をドライヤ本体20とは別体に設けている。
こうすれば、使用者自身が見やすい場所に報知部51を設置することができるため、ヘアドライヤ10Dの使い勝手をより向上させることができるようになる。
また、報知部51が情報処理端末に設けられている。
こうすれば、毛髪Hの状態が変化する様子を画面で表示することが可能となって、ヘアドライヤ10Dの使い勝手をより向上させることができるようになる。
なお、報知部51による報知方法としては、様々な方法を用いることができる。例えば、発光体を発光させることで報知させるようにしてもよいし、音により報知させるようにしてもよい。また、発光体および音によって報知させるようにすることも可能である。
なお、発光体を発光させることで報知させるようにする場合、発光体を青色、赤色の2色に発光させることも可能であるし、発光体を青色、緑色、赤色の3色に発光させることも可能である(図10参照)。
(実施の形態6)
本実施の形態にかかるヘアドライヤ10Eは、基本的に上記実施の形態1とほぼ同様の構成をしている。すなわち、ヘアドライヤ10Eは、図17に示すように、吸入口22aおよび吐出口22bを有する送風流路22が形成されたドライヤ本体20を備えている。
また、ヘアドライヤ10Eは、送風流路22に配置される送風部23と、送風流路22内の送風部23よりも吐出口22b側に配置される加熱部24と、を備えている。
さらに、ヘアドライヤ10Eは、毛髪Hの温度を測定する毛髪温度測定部52と、毛髪Hの状態(毛髪温度)を報知する報知部51と、を備えている。また、ヘアドライヤ10は、毛髪Hの乾燥時間をカウントするタイマ54と、毛髪温度測定部52から出力された出力結果に基づき、報知部51への出力を演算する演算部53と、を備えている。
さらに、ヘアドライヤ10Eは、使用環境の温度を測定する使用環境温度測定部56を備えている。使用環境温度測定部56としては、室温(使用環境温度)を測定する室温センサ等を用いることができる。
そして、毛髪温度測定部52で測定された出力結果(毛髪の温度の測定値)が演算部53に入力されるとともに、タイマ54でカウントされたカウント値(時間計測値)が演算部53に入力されるようにしている(図18参照)。
また、室温測定部(使用環境温度測定部)56で測定された出力結果(室温(使用環境温度)の測定値)が演算部53に入力されるようにしている(図18参照)。
さらに、演算部53が、入力された毛髪の温度の測定値、時間計測値、および室温(使用環境温度)の測定値に基づいて、報知部51の制御を行うようにしている(図18参照)。
ここで、本実施の形態では、演算部53は、室温測定部(使用環境温度測定部)56により測定された室温(使用環境温度)に基づいて、目標温度を調節している。
具体的には、図19に示すように、室温(使用環境温度)が高い場合には、目標温度が高くなるようにしている。
また、本実施の形態では、演算部53は、上記実施の形態1と同様に、タイマ54によりカウントされた乾燥時間に基づいて、加熱すべき目標温度を演算している。
また、演算部53は、上記実施の形態1と同様に、毛髪温度測定部52から出力された出力結果に基づいて、毛髪温度測定部52により測定された温度が目標温度に達したか否かを判定している。
さらに、演算部53は、上記実施の形態1と同様に、加熱された毛髪Hの温度が目標温度に達したか否かに基づき、報知部51への出力を制御している。
したがって、本実施の形態では、乾燥開始時からの経過時間が同じ場合であっても、目標温度は、室温(使用環境温度)によって変化するようになっている。
また、本実施の形態では、室温測定部(使用環境温度測定部)56により測定された室温(使用環境温度)よりも高い温度となるように第1の温度を設定し、毛髪温度測定部52により測定された毛髪Hの温度が第1の温度よりも低い場合には、報知部51による報知を停止するようにしている(図20参照)。
第1の温度は、例えば、室温(使用環境温度)よりも3℃〜10℃くらい高い温度に設定することができる。
さらに、本実施の形態では、毛髪温度測定部52により測定された毛髪Hの温度が第2の温度よりも高い場合にも、報知部51による報知を停止するようにしている(図21参照)。
第2の温度は、毛髪Hを乾かす際に最も温度が高くなる温度以上に設定するのが好ましく、例えば、85℃〜95℃の範囲で設定することができる。
以上の本実施の形態によっても、上記実施の形態1で示したヘアドライヤ10と同様の作用、効果を奏することができる。
また、本実施の形態では、ヘアドライヤ10Eは、使用環境の温度を測定する使用環境温度測定部56をさらに備えている。
そして、演算部53は、室温測定部(使用環境温度測定部)56により測定された室温(使用環境温度)に基づいて、目標温度を調節している。
こうすれば、使用するヘアドライヤ10Eの周囲環境の温度(室温)に基づいて、より適切な目標温度を演算部53によって演算することができるようになる。
例えば、周囲環境の温度(室温)が著しく低い場合には、毛髪Hがなかなか温まらず、目標温度に達する前に毛髪Hが乾いてしまうことがあった。しかしながら、本実施の形態では、周囲環境の温度(室温)が低い場合には、目標温度が低くなるようにしている。
そのため、目標温度に達する前に毛髪Hが乾いてしまうことを抑制することができ、毛髪Hの状態をより適切に使用者Uに報知することができる。その結果、整髪効果をより向上させることができるようになる。
また、室温測定部(使用環境温度測定部)56により測定された室温(使用環境温度)よりも高い温度となるように第1の温度を設定し、毛髪温度測定部52により測定された毛髪Hの温度が第1の温度よりも低い場合には、報知部51による報知を停止するようにしている。
こうすれば、室温(使用環境温度)を毛髪Hの温度と認識してしまうことを抑制することができ、ヘアドライヤ10Eの使い勝手をより向上させることができるようになる。また、毛髪Hが乾燥しているのに、室温(使用環境温度)を毛髪Hの温度と使用者Uが勘違いして、乾いた毛髪Hをさらに乾燥させてしまうことを抑制することができ、毛髪Hにダメージを与えてしまうのを抑制することが可能となる。また、温風を毛髪Hにあてていないときに、報知部51が作動してしまうのを抑制することができ、省エネ化を図ることが可能となる。
また、毛髪温度測定部52により測定された毛髪Hの温度が第2の温度よりも高い場合には、報知部51による報知を停止するようにしている。
こうすれば、白熱電球等の高温物体の温度を毛髪Hの温度と認識してしまうことを抑制することができ、ヘアドライヤ10Eの使い勝手をより向上させることができるようになる。また、毛髪Hが乾いていない状態のときに、白熱電球等の高温物体の温度を毛髪Hの温度と使用者Uが勘違いして、毛髪Hの乾燥を止めてしまうことを抑制することができる。また、温風を毛髪Hにあてていないときに、報知部51が作動してしまうのを抑制することができ、省エネ化を図ることが可能となる。
なお、本実施の形態では、第1の温度および第2の温度の両方を設定したものを例示したが、第1の温度および第2の温度のうちいずれか一方のみ設定するようにしてもよいし、第1の温度および第2の温度のいずれも設定しないようにしてもよい。
また、上記実施の形態1〜5で示したヘアドライヤ10,10A,10B,10C,10Dに、第1の温度および第2の温度のうち少なくともいずれか一方の温度を設定するようにしてもよい。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態1〜6で示した特徴を適宜組み合わせることが可能である。
また、ドライヤ本体や把持部、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜変更することが可能である。