以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。ただし、本形態において例示される構成部品の寸法、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明がそれらの例示に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本第1の実施形態における撮像装置の概略構成を示すブロック図である。
図1において、101は撮影レンズ及び絞りからなる光学系、102はメカニカルシャッタ、103は、入射光を電気信号に変換する光電変換部と電気信号を増幅させる信号増幅回路とを含む、入射光を電気信号に変換する撮像素子である。
また、106は撮像素子103から出力される画像信号に対してアナログ信号処理を行うアナログ信号処理回路である。アナログ信号処理回路106は、相関二重サンプリングを行うCDS回路107、アナログ信号を増幅させる信号増幅器108、水平OBクランプを行うクランプ回路109、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器110を含む。
111は撮像素子103及びアナログ信号処理回路106を動作させる信号を発生するタイミング信号発生回路、112は光学系101及びメカニカルシャッタ102の駆動回路である。また、128は、A/D変換器110によりデジタル信号に変換された画像信号から撮像用信号と測距用信号とを生成し、必要なデジタル信号処理を行う第2のデジタル信号処理回路であり、信号生成回路129、補正回路130、相関演算回路131を含む。信号生成回路129は、デジタル画像信号から撮像用信号と測距用信号を生成する。補正回路130は、信号生成回路129により生成された測距用信号に対し各種補正処理を行い、相関演算回路131は、測距用信号に相関演算処理を施すことにより被写体までの距離の算出に使用する測距データを生成する。
113は第2のデジタル信号処理回路128から出力された撮像用信号(画像データ)及び測距データに必要なデジタル信号処理を行うデジタル信号処理回路である。デジタル信号処理回路113は、画像データに対して必要な補正処理を行う画像補正回路114、画像補正回路114により補正処理されたデジタル信号を増幅させる信号増幅回路115、画像データに対し、必要な画像処理を行う画像処理回路116を含む。なお、画像補正回路114及び画像処理回路116で行われる処理については、後述する。
117は処理された画像データを記憶する画像メモリ、118は撮像装置から取り外し可能な記録媒体、119は信号処理された画像データを記録媒体118に記録する記録回路である。120は信号処理された画像データを表示する画像表示装置、121は画像表示装置120に画像を表示する表示回路である。
122は撮像装置全体を制御するシステム制御部である。123はシステム制御部122で実行される制御方法を記載したプログラム、プログラムを実行する際に使用されるパラメータやテーブル等の制御データ、及び、キズアドレス等の補正データを記憶しておく不揮発性メモリ(ROM)である。124は不揮発性メモリ123に記憶されたプログラム、制御データ及び補正データを転送して記憶しておき、システム制御部122が撮像装置を制御する際に使用する揮発性メモリ(RAM)である。
125は撮像素子103あるいはその周辺回路の温度を検出する温度検出回路である。また、126は撮像素子103の蓄積時間を設定する蓄積時間設定回路、127はISO感度設定などの撮影条件設定や、静止画撮影及び動画撮影を含む撮影モードの切り替えなどを行う、撮影モード設定回路である。
ここで、上記構成を有する撮像装置における撮影動作について説明する。なお、撮影動作に先立ち、撮像装置の電源投入時等のシステム制御部122の動作開始時において、不揮発性メモリ123から必要なプログラム、制御データ及び補正データを揮発性メモリ124に転送して記憶しておく。これらのプログラムやデータは、システム制御部122が撮像装置を制御する際に使用される。また、必要に応じて、追加のプログラムやデータを不揮発性メモリ123から揮発性メモリ124に転送したり、システム制御部122が直接不揮発性メモリ123内のデータを読み出して使用したりするものとする。
まず、光学系101は、システム制御部122からの制御信号により、絞りと撮影レンズを駆動して、適切な明るさになるように制御された被写体像を撮像素子103上に結像させる。次に、メカニカルシャッタ102は、静止画像撮影時においては、システム制御部122からの制御信号により、必要な露光時間となるように撮像素子103の動作に合わせて撮像素子103を遮光するように駆動される。この時、撮像素子103が電子シャッタ機能を有する場合は、メカニカルシャッタ102と併用して、必要な露光時間を確保してもよい。また、メカニカルシャッタ102は、動画像撮影時においては、システム制御部122からの制御信号により、撮影中は常に撮像素子103が露光されるように、開放状態で維持される。
撮像素子103は、システム制御部122により制御されるタイミング信号発生回路111が発生する動作パルスを基にした駆動パルスで駆動される。光電変換部において被写体像を光電変換により電気信号に変換し、信号増幅回路において入射光量に応じて設定された増幅率のゲインを電気信号にかけ、アナログ画像信号として出力する。
撮像素子103から出力されたアナログの画像信号は、システム制御部122により制御されるタイミング信号発生回路111が発生する動作パルスにより、アナログ信号処理回路106のCDS回路107でクロック同期性ノイズを除去する。更に、信号増幅器108で入射光量に応じて設定された増幅率のゲインをかけ、クランプ回路109で水平OB領域の信号出力を基準電圧としてクランプし、A/D変換器110でデジタル画像信号に変換される。
次に、アナログ信号処理回路106から出力されたデジタル画像信号に対して、システム制御部122により制御される第2のデジタル信号処理回路128において、処理を行う。まず、デジタル画像信号を基に、信号生成回路129で撮像用信号と測距用信号を生成する。信号生成回路129で生成された撮像用信号はそのまま出力する。一方、信号生成回路129で生成された測距用信号は、補正回路130において本発明に係るキズ検出及びキズ補正や平滑化処理などの各種補正処理を施した後、相関演算回路131において相関演算処理を行うことで、測距データを生成し、出力する。
次に、第2のデジタル信号処理回路128から出力された撮像用信号に対して、システム制御部122により制御されるデジタル信号処理回路113において、処理を行う。まず、撮像用信号に対し、画像補正回路114で本発明に係るキズ検出及びキズ補正、更に、ダークシェーディング補正などの各種画像補正処理を施し、信号増幅回路115で入射光量に応じて設定された増幅率のゲインをかける。更に、画像処理回路116で色変換、ホワイトバランス、ガンマ補正等の画像処理、解像度変換処理、画像圧縮処理等の各種画像処理を行う。この時、画像メモリ117は、信号処理中のデジタル画像信号を一時的に記憶したり、信号処理されたデジタル画像信号である画像データを記憶したりするために用いられる。
デジタル信号処理回路113で信号処理された画像データや画像メモリ117に記憶されている画像データは、記録回路119において記録媒体118に適したデータ(例えば、階層構造を持つファイルシステムデータ)に変換される。そして記録媒体118に記録される。あるいは、デジタル信号処理回路113で解像度変換処理された画像データは、表示回路121において画像表示装置120に適した信号(例えばNTSC方式のアナログ信号等)に変換されて画像表示装置120に表示されたりする。
ここで、デジタル信号処理回路113においては、システム制御部122からの制御信号により信号処理をせずにデジタル画像信号をそのまま画像データとして、画像メモリ117や記録回路119に出力してもよい。また、デジタル信号処理回路113は、システム制御部122から要求があった場合に、信号処理の過程で生じたデジタル画像信号や画像データの情報をシステム制御部122に出力する。画像データの情報としては、例えば、画像の空間周波数、指定領域の平均値、圧縮画像のデータ量等の情報、あるいは、それらから抽出された情報を含む。さらに、記録回路119は、システム制御部122から要求があった場合に、記録媒体118の種類や空き容量等の情報をシステム制御部122に出力する。
次に、記録媒体118に画像データが記録されている場合の再生動作について説明する。システム制御部122からの制御信号により、記録回路119は記録媒体118から画像データを読み出す。そして、同じくシステム制御部122からの制御信号によりデジタル信号処理回路113は、読み出した画像データが圧縮画像であった場合には画像伸長処理を行い、画像メモリ117に記憶する。更に、画像メモリ117に記憶された画像データは、デジタル信号処理回路113で解像度変換処理を実施された後、表示回路121において画像表示装置120に適した信号に変換されて画像表示装置120に表示される。
なお、第2のデジタル信号処理回路128から出力された測距データは、デジタル信号処理回路113を介してシステム制御部122に送られる。システム制御部122はこの測距データを基に、被写体までの距離を算出し、その結果を基に、駆動回路112を制御して光学系101を駆動させる。
図2は本第1の実施形態における撮像素子103の画素配列を説明する配置図である。
図2において、図中(0,0)、(1,0)、(0,1)等で示される各領域は、撮像素子103における1画素を示し、画素毎に1つのマイクロレンズが配置されている。また、各画素において、a、bで示される各領域は、それぞれ光電変換部であり、画素毎に配置された1つのマイクロレンズを共有する。以下、本第1の実施形態においては、各画素を構成する光電変換部a、bの出力信号を撮像素子103内で加算した出力を、画素出力と呼ぶ。また、本第1の実施形態においては、光電変換部a、bそれぞれの出力を分割出力と呼ぶ。そして、分割出力を焦点検出用信号や立体画像生成用信号等として使用する場合には、光電変換部aの分割出力と光電変換部bの分割出力の2つの信号を利用する。
また、図2を参照して説明する第1の実施形態においては、各画素は、2×1に配列された2つの光電変換部で構成されており、同一記号の光電変換部a、bは、マイクロレンズとの位置関係において、それぞれ対応する位置にあることを示している。また、画素毎に記された「R」、「G」、「B」の文字は、各画素上に形成されるカラーフィルタの色相を表す。
図3は本発明の第1の実施形態における1画素分の概略断面及び回路構成を示す図である。図3において、411はP型ウェル、412はSiO2膜で構成されたゲート絶縁膜である。414a及び414bは、P型ウェル411の表面に形成されたP+層であり、n層413a及び413bと共に光電変換領域415a及び415bを構成する。403a及び403bは、光電変換領域415a及び415bで発生した信号電荷をフローティングディフュージョン(FD)部407へ転送するための転送スイッチである。441はカラーフィルタ、442はマイクロレンズ(オンチップレンズ)であり、マイクロレンズ442は、光学系101に含まれる撮影レンズの瞳と撮像素子103のフォトダイオード402a及び402bとが略共役になるような形状及び位置に形成される。
図4は第1の実施形態における撮像素子103の画素部の一例として、CMOS撮像素子を説明する回路図である。図4に示すように、各画素は、画素毎に配置される2つの光電変換部401a、401bと、1つの画素共通部408により構成されている。
光電変換部401aは、光電変換素子であるフォトダイオード402aと、フォトダイオード402aの光電変換によって生成された電荷をパルスPTXaによって転送する転送スイッチ403aで構成されている。なお、光電変換部401bも光電変換部401aと同様の構成を有する。
画素共通部408は、光電変換部401a、401bそれぞれの各転送スイッチ403a、403bによって転送された電荷を蓄積するFD部407を含む。即ち、2つの光電変換部401a、401bに対し、1つのFD部407が接続された構成を有する。画素共通部408は、また、MOSトランジスタ406のゲートと接続されたFD部407をリセットパルスPRESによって電位SVDDのレベルにリセットするリセットスイッチ404を含む。更に、画素共通部408は、FD部407に蓄積された電荷をソースフォロワとして増幅するMOSトランジスタ406と、不図示の垂直走査回路により読み出す行を選択させるための選択パルスPSELにより制御される行選択スイッチ405とを含む。
なお、図4を参照して説明した撮像素子103の画素部の構成においては、フォトダイオード402a、402bで光電変換された電荷は、転送スイッチ403a、403bを制御することによって、いずれもFD部407に転送されるような構成としている。
行選択スイッチ405によって選択された行の画素の電荷は、行選択スイッチ405と負荷電流源421で構成されたソースフォロワ回路により垂直出力線422に出力される。信号出力パルスPTS1aは転送ゲート425をONとして、垂直出力線422に出力された信号を転送容量CTS1a427に蓄積させる。また、信号出力パルスPTS1abは転送ゲート433をONとして、垂直出力線422に出力された信号を転送容量CTS1ab434に蓄積させる。そして、ノイズ出力パルスPTN1は転送ゲート424をONとして、転送容量CTN1 426に蓄積させる。
信号転送パルスPTS2aは転送ゲート436をONとして、転送容量CTS1a427に蓄積された信号を転送容量CTS2 439に蓄積させる。また、信号転送パルスPTS2abは転送ゲート437をONとして、転送容量CTS1ab434に蓄積された信号を同じく転送容量CTS2 439に蓄積させる。そして、ノイズ転送パルスPTN2は転送ゲート435をONとして、転送容量CTN2 438に蓄積させる。
続けて不図示の水平走査回路からの制御信号PHS、PHNにより、転送ゲート428、429を介してノイズ成分は容量CHN430に、信号成分は容量CHS431に蓄えられ、両者の差分を差動アンプ432によって画素信号として出力する。
なお、図4において、垂直出力線422より後段にある転送ゲート424、425、433、435、436、437は、各列毎に設けられている。また、転送ゲート428、429より後段の構成は、複数列毎にまとめられ、撮像素子103の出力端子の数と同数を有している。
図5は第1の実施形態における駆動タイミング(読み出し方法)を示すタイミングチャートである。図5を参照して説明する駆動タイミングは、図2において説明した光電変換部aの分割出力信号aと、光電変換部aからの分割出力信号aと光電変換部bからの分割出力信号bとを加算した画素出力信号abを、連続で読み出すための駆動タイミングである。以下、図4及び図5を参照して、駆動タイミングについて説明する。
まず、HBLK1a、HBLK2a及びHSRaの期間に、光電変換部401aの分割出力信号の読み出しを行う。1水平走査期間の開始を示す信号HDの立下りに伴い、不図示の回路により垂直出力線422は定電位にリセットされる。その後、PRES信号をロー(L)レベルにしてリセットスイッチ404がONされることにより、期間T1aの間にMOSトランジスタ406のゲートに設けられたFD部407の容量に蓄積された電荷が定電位SVDDになるようにリセットされる。
続いてPRES信号をハイ(H)レベルとしMOSトランジスタ406をOFFとした後、PSEL信号をHレベルにすることで、行選択スイッチ405と負荷電流源421で構成されたソースフォロワ回路が動作状態になる。これにより、垂直出力線422上にリセットされたFD部407の電位に応じたノイズがMOSトランジスタ406を介して出力される。このPSEL信号がハイレベルの期間にPTN信号をハイレベルにすることで、ノイズ成分を蓄積する転送容量CTN1 426が垂直出力線422と接続され、この転送容量CTN1 426はノイズ成分の信号を保持するようになる。
続いて、光電変換素子で発生した光電荷とノイズ成分の混合信号の蓄積が行われる。まず垂直出力線422は、不図示の回路により、定電位にリセットされる。その後PTXa信号がHレベルにされ、フォトダイオード402aに蓄積された光電荷が期間T3aの間に転送スイッチ403aのONにより、FD部407に転送される。その際、PSEL信号はHレベルのままであるためソースフォロワ回路が動作状態となり、垂直出力線422上にFD部407の電位に応じた「光信号+ノイズ信号」がMOSトランジスタ406を介して出力される。この期間T3aを内包する期間T4aの間に、PTS1a信号をHレベルにすることで、「光電荷成分+ノイズ成分」を蓄積する転送容量CTS1a427が垂直出力線422と接続される。これにより、転送容量CTS1a427は光電荷成分+ノイズ成分の信号を保持するようになる。
上述のように、1行分のノイズ成分と、フォトダイオード402aで発生した光信号+ノイズ成分が、それぞれ転送容量CTN1 426、CTS1a427に蓄積される。
次に、期間HBLK2aの間に、転送容量CTN1 426、CTS1a427に蓄積された2つの信号を、不図示の水平シフトレジスタにより制御される制御パルスPTN2、PTS2aによってそれぞれ容量CTN2 438、CTS2 439に転送する。
次に、期間HSRaの間に、転送容量CTN2 438、CTS2 439に蓄積された2つの信号を、不図示の水平シフトレジスタにより制御される制御パルスPHN、PHSによってそれぞれ容量CHN430、CHS431に転送する。そして容量CHN430、CHS431に蓄積されたノイズ成分と光信号+ノイズ成分は、差動アンプ432によって、(光信号+ノイズ成分)−ノイズ成分の処理が行われ、光信号となって、分割出力信号aとして出力される。
また、期間HBLK2a及び期間HSRaと時を同じくして、HBLK1abの期間に、制御信号PTXa、PTXb、PRES、PSELを制御し、光電変換部401aと光電変換部401bの信号を加算した画素出力信号abの読み出しを行う。
まず、光電変換素子で発生した光電荷とノイズ成分の混合信号の蓄積が行われる。まず垂直出力線422は、不図示の回路により、定電位にリセットされる。その後PTXa信号及びPTXb信号がHレベルにされ、フォトダイオード402a、402bに蓄積された光電荷が期間T3abの間に転送スイッチ403a及び403bのONにより、FD部407に転送される。その際、PSEL信号はHレベルのままであるためソースフォロワ回路が動作状態となり、垂直出力線422上にFD部407の電位に応じた「光信号+ノイズ信号」がMOSトランジスタ406を介して出力される。この期間T3abを内包する期間T4abの間に、PTS1ab信号をHレベルにすることで、「光電荷成分+ノイズ成分」を蓄積する転送容量CTS1ab434が垂直出力線422と接続される。これにより、転送容量CTS1ab434は光電荷成分+ノイズ成分の信号を保持するようになる。
上述のように、フォトダイオード402a及びフォトダイオード402bで発生した光信号+ノイズ成分が、転送容量CTS1ab434に蓄積される。
次に、期間HBLK2abの間に転送容量CTN1 426、CTS1ab434に蓄積された2つの信号を、不図示の水平シフトレジスタにより制御される制御パルスPTN2、PTS2abによりそれぞれ容量CTN2 438、CTS2 439に転送する。
次に、期間HSRaの間に、転送容量CTN2 438、CTS2 439に蓄積された2つの信号を、不図示の水平シフトレジスタにより制御される制御パルスPHN、PHSによってそれぞれ容量CHN430、CHS431に転送する。そして容量CHN430、CHS431に蓄積されたノイズ成分と光信号+ノイズ成分は、差動アンプ432によって、(光信号+ノイズ成分)−ノイズ成分の処理が行われ、光信号となって、画素出力信号abとして出力される。
以上により、2×1に並ぶ2つの光電変換部の、光電変換部401aからの分割出力信号及び、光電変換部401aからの分割出力信号と光電変換部401bからの分割出力信号を加算した画素出力信号の読み出しを完了する。
図6は第1の実施形態における第1の欠陥画素検出方法を説明する図である。この第1の欠陥画素検出方法は、複数の同色画素において、互いに対応する位置にある光電変換部からの分割出力値を比較することで欠陥画素を検出する方法である。
ここでは、図2に示す画素(2,3)の光電変換部aを欠陥検出の処理対象であるものとして説明する。この場合、画素(2,3)の光電変換部aの分割出力値を、周辺の同色画素における同じ側にある光電変換部である、画素(0,1)、(2,1)、(4,1)、(0,3)、(4,3)のそれぞれの光電変換部aの分割出力値と比較する。ここでは、例えば上述した周辺5画素の光電変換部aの分割出力値の平均値等と比較するが、比較の方法はこれに限るものではなく、様々な方法が考えられる。例えば、画素(2,3)の光電変換部aの分割出力値を5倍して、周辺5画素の光電変換部aの分割出力値の合計と比較してもよい。また、画素(2,3)の光電変換部aの分割出力値と、周辺5画素の光電変換部aの分割出力値それぞれとの差分を求めて加算及び/または平均するなど、他の方法であっても構わない。
そして、その差が予め定められた第1のキズ検出閾値α(第1の閾値)以下の場合には、検出対象の画素(2,3)の光電変換部aは欠陥画素ではないと判定する。また、第1のキズ検出閾値αよりも大きい場合には、欠陥画素であると判定し、キズ画素として検出する。
そして、上述した検出処理を、撮像素子103に含まれる複数の光電変換部を順次検出対象として、全ての光電変換部について繰り返し行う。ただし、予め欠陥があると分かっている光電変換部に関しては、検出処理を行わなくても構わない。
第1の欠陥画素検出方法は、マイクロレンズに対して同じ位置にある光電変換部同士の比較による検出方法であるため、検出対象画素近傍の被写体に対するデフォーカス量に左右されにくい検出が可能である。
図7は第1の実施形態における第2の欠陥画素検出方法を説明する図である。この第2の欠陥画素検出方法は、周辺の画素の画素出力値を比較することで欠陥画素を検出する方法である。
図7においては、図2に示す画素(2,3)を欠陥検出の処理対象であるものとして説明する。即ち、第2の欠陥画素検出方法は、各画素の光電変換部a、bの分割信号を画素内で加算し、画素出力として一括して読み出した場合の検出方法である。例えば、画素(2,3)の光電変換部aが欠陥画素であった場合、その欠陥画素である光電変換部aを含む画素(2,3)を欠陥画素として検出することができる。第2の欠陥画素検出方法では、画素(2,3)の画素出力値を、周辺の同色画素である、画素(0,1)、(2,1)、(4,1)、(0,3)、(4,3)それぞれの画素出力値と比較する。ここでは、例えば上述した5つの画素出力値の平均値等と比較するが、比較の方法はこれに限るものではなく、上述した第1の欠陥画素検出方法と同様に様々な方法が考えられる。
そして、その差が予め定められた第2のキズ検出閾値β(第2の閾値)以下の場合には、検出対象の画素(2,3)は欠陥画素ではないと判定し、第2のキズ検出閾値βよりも大きい場合には、欠陥画素であると判定し、キズ画素として検出する。
そして、上述した検出処理を、撮像素子103に含まれる複数の画素を順次検出対象として、全ての画素について繰り返し行う。ただし、予め欠陥があると分かっている画素に関しては、検出処理を行わなくても構わない。
図8は第1の実施形態における欠陥画素補正手順の一例を説明するフローチャートである。
図8において、まず、静止画撮影、動画撮影、立体画像撮影等のモード設定が撮影モード設定回路127等によってなされ(S801)、そのモードに応じて、感度、絞り値、露光時間などの撮影条件が初期設定される(S802)。続けて、シャッタ102を制御し、撮像素子103の露光を行う(S803)。
次に、撮像装置の生産工程において予め抽出しておいた固定欠陥画素の情報を不揮発性メモリ123より読み出す(S804)。
次に、第2のデジタル信号処理回路128において、測距用信号における欠陥画素検出が行われる。先ず、信号生成回路129において測距用信号が生成される(S805)。具体的には、光電変換部401aからの出力信号と光電変換部401bからの出力信号が加算された画素出力信号abと、光電変換部401aからの分割出力信号aとの差分信号を、光電変換部401bからの分割出力信号bとして生成する。このようにして生成した分割出力信号bを、分割出力信号aと合わせて測距用信号として生成する。
続けて、補正回路130において、分割出力信号aと、生成した分割出力信号bとを用いて、図6を用いて説明した第1の欠陥画素検出方法による欠陥画素検出を行う(S806)。そして、固定欠陥画素と合わせて、各測距用信号に対して補正処理を施す(S807)。そして、各種補正を施した測距用信号に対して、相関演算回路131において相関演算処理を行い、被写体までの距離データを算出する(S808)。
次にデジタル信号処理回路113において、撮像画像における欠陥画素検出が行われる。画像補正回路114において、図7を用いて説明した、第2の欠陥画素検出方法による欠陥画素検出を行い(S809)、固定欠陥画素と合わせて、各欠陥画素に対して、補正処理が施される(S810)。
最後に、画像信号を画像メモリ117、記録回路119、もしくは表示回路121に出力し(S811)、本撮影を終了する。
上記の通り本第1の実施形態によれば、光電変換部を有する撮像素子を用いた撮像装置において、欠陥画素の検出精度を上げることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図9は、本第2の実施形態における撮像装置の概略構成を示すブロック図である。図9に示す構成と図1に示す構成との違いは、図9の構成では第2のデジタル信号処理回路128が無いことであるが、それ以外は図1と同様であるので、同じ参照番号を付し、説明を省略する。
また、上記構成を有する第2の実施形態における撮像装置における撮影動作は、アナログ信号処理回路106からデジタル画像信号が出力されるところまでは、上述した第1の実施形態と同様であるため、これより後段における処理について説明する。
アナログ信号処理回路106から出力されたデジタル画像信号に対して、システム制御部122により制御されるデジタル信号処理回路113において、処理を行う。まず、デジタル信号に変換された画像信号に対し、画像補正回路114で本発明に係るキズ検出及びキズ補正、更に、ダークシェーディング補正などの各種画像補正処理を施し、信号増幅回路115で入射光量に応じて設定された増幅率のゲインをかける。更に、画像処理回路116で色変換、ホワイトバランス、ガンマ補正等の画像処理、解像度変換処理、画像圧縮処理等の各種画像処理を行う。この時、画像メモリ117は、信号処理中のデジタル画像信号を一時的に記憶したり、信号処理されたデジタル画像信号である画像データを記憶したりするために用いられる。
デジタル信号処理回路113で信号処理された画像データや画像メモリ117に記憶されている画像データは、記録回路119において記録媒体118に適したデータ(例えば、階層構造を持つファイルシステムデータ)に変換される。そして記録媒体118に記録される。あるいは、デジタル信号処理回路113で解像度変換処理された画像データは、表示回路121において画像表示装置120に適した信号(例えばNTSC方式のアナログ信号等)に変換されて画像表示装置120に表示されたりする。
ここで、デジタル信号処理回路113においては、システム制御部122からの制御信号により信号処理をせずにデジタル画像信号をそのまま画像データとして、画像メモリ117や記録回路119に出力してもよい。また、デジタル信号処理回路113は、システム制御部122から要求があった場合に、信号処理の過程で生じたデジタル画像信号や画像データの情報をシステム制御部122に出力する。画像データの情報としては、例えば、画像の空間周波数、指定領域の平均値、圧縮画像のデータ量等の情報、あるいは、それらから抽出された情報を含む。さらに、記録回路119は、システム制御部122から要求があった場合に、記録媒体118の種類や空き容量等の情報をシステム制御部122に出力する。
次に、記録媒体118に画像データが記録されている場合の再生動作について説明する。システム制御部122からの制御信号により、記録回路119は記録媒体118から画像データを読み出す。そして、同じくシステム制御部122からの制御信号によりデジタル信号処理回路113は、読み出した画像データが圧縮画像であった場合には画像伸長処理を行い、画像メモリ117に記憶する。更に、画像メモリ117に記憶された画像データは、デジタル信号処理回路113で解像度変換処理を実施された後、表示回路121において画像表示装置120に適した信号に変換されて画像表示装置120に表示される。
図10は第2の実施形態における撮像素子103の画素配列を説明する配置図である。
図10において、図中(0,0)、(1,0)、(0,1)等で示される各領域は、撮像素子103における1画素を示し、画素毎に1つのマイクロレンズが配置されている。また、各画素において、a、b、c、dで示される各領域は、それぞれ光電変換部であり、画素毎に配置された1つのマイクロレンズを共有する。以下、本第2の実施形態においては、各画素を構成する光電変換部a〜dの出力信号を撮像素子103内で加算した出力を、画素出力と呼ぶ。また、本第2の実施形態においては、撮像素子103内で加算されずに出力された、光電変換部a〜dそれぞれの出力を、分割出力と呼ぶ。そして、分割出力を焦点検出用信号や立体画像生成用信号等として使用する場合には、例えば「光電変換部aと光電変換部cからの分割出力の和」と「光電変換部bと光電変換部dからの分割出力の和」の2つの信号を生成するなどして、利用する。
また、図10を参照して説明する第2の実施形態においては、各画素は、2×2に配列された4つの光電変換部で構成されており、同一記号の光電変換部a、b、c、dは、マイクロレンズとの位置関係において、それぞれ対応する位置にあることを示している。また、画素毎に記された「R」、「G」、「B」の文字は、各画素上に形成されるカラーフィルタの色相を表す。
また、第2の実施形態における1画素分の概略断面及び回路構成は、図3で上述したものと同様である。ただし、図3では2つの光電変換領域を示しているが、本第2の実施形態では、同様の構成を有する更に2つの光電変換領域が、図10に示すように構成されている。
図11は第2の実施形態における撮像素子103の画素部の一例として、CMOS撮像素子を説明する回路図である。図11に示すように、各画素は、画素毎に配置される4つの光電変換部401a〜401dと、1つの画素共通部408により構成されている。
光電変換部401aは、光電変換素子であるフォトダイオード402aと、フォトダイオード402aの光電変換によって生成された電荷をパルスPTXaによって転送する転送スイッチ403aで構成されている。なお、他の光電変換部401b〜401dも光電変換部401aと同様の構成を有する。
画素共通部408は、光電変換部401a〜401dそれぞれの各転送スイッチ403a〜403dによって転送された電荷を蓄積するFD部407を含む。即ち、4つの光電変換部401a〜401dに対し、1つのFD部407が接続された構成を有する。画素共通部408は、また、MOSトランジスタ406のゲートと接続されたFD部407をリセットパルスPRESによって電位SVDDのレベルにリセットするリセットスイッチ404を含む。更に、画素共通部408は、FD部407に蓄積された電荷をソースフォロワとして増幅するMOSトランジスタ406と、不図示の垂直走査回路により読み出す行を選択させるための選択パルスPSELにより制御される行選択スイッチ405とを含む。
なお、図11を参照して説明した撮像素子103の画素部の構成においては、フォトダイオード402a〜402dで光電変換された電荷は、転送スイッチ403a〜403dを制御することによって、いずれもFD部407に転送されるような構成としている。
行選択スイッチ405によって選択された行の画素の電荷は、行選択スイッチ405と負荷電流源421で構成されたソースフォロワ回路により垂直出力線422に出力される。信号出力パルスPTSは転送ゲート425をONとして、垂直出力線422に出力された信号を転送容量CTS427に蓄積させるか、ノイズ出力パルスPTNは転送ゲート424をONとして、転送容量CTN426に蓄積させることができる。続けて不図示の水平走査回路からの制御信号PHS、PHNにより、転送ゲート428、429を介してノイズ成分は容量CHN430に、信号成分は容量CHS431に蓄えられ、両者の差分を差動アンプ432によって画素信号として出力する。
なお、図11において、垂直出力線422より後段にある転送ゲート424、425は、各列毎に設けられており、転送ゲート428、429より後段の構成は、複数列毎にまとめられ、撮像素子103の出力端子の数と同数を有している。
図12は本発明の第2の実施形態における第1の駆動タイミング(第1の読み出し方法)を示すタイミングチャートである。図12を参照して説明する第1の駆動タイミングは、図10において説明した光電変換部a〜dそれぞれの分割出力信号を独立に読み出すための駆動タイミングである。この第1の駆動タイミングによる信号読み出しを行う場合には、分割出力信号をデジタル信号処理回路113において焦点検出用信号もしくは立体画像生成用信号と加工して利用することが可能となる。なお、図12のタイミングチャートにおいて説明される駆動においては、光電変換部a、b、c、d(即ち、図11においては光電変換部401a、401b、401c、401d)の順に読み出すような構成としている。以下、図11及び図12を参照して、第1の駆動タイミングについて説明する。
まず、HBLKa及びHSRaの期間に、光電変換部401aの信号の読み出しを行う。1水平走査期間の開始を示す信号HDの立下りに伴い、不図示の回路により垂直出力線422は定電位にリセットされる。その後、PRES信号をロー(L)レベルにしてリセットスイッチ404がONされることにより、期間T1aの間にMOSトランジスタ406のゲートに設けられたFD部407の容量に蓄積された電荷が定電位SVDDになるようにリセットされる。
続いてPRES信号をハイ(H)レベルとしMOSトランジスタ406をOFFとした後、PSEL信号をHレベルにすることで、行選択スイッチ405と負荷電流源421で構成されたソースフォロワ回路が動作状態になる。これにより、垂直出力線422上にリセットされたFD部407の電位に応じたノイズがMOSトランジスタ406を介して出力される。このPSEL信号がハイレベルの期間にPTN信号をハイレベルにすることで、ノイズ成分を蓄積する転送容量CTN426が垂直出力線422と接続され、この転送容量CTN426はノイズ成分の信号を保持するようになる。
続いて、光電変換素子で発生した光電荷とノイズ成分の混合信号の蓄積が行われる。まず垂直出力線422は、不図示の回路により、定電位にリセットされる。その後PTXa信号がHレベルにされ、フォトダイオード402aに蓄積された光電荷が期間T3aの間に転送スイッチ403aのONにより、FD部407に転送される。その際、PSEL信号はHレベルのままであるためソースフォロワ回路が動作状態となり、垂直出力線422上にFD部407の電位に応じた「光信号+ノイズ信号」がMOSトランジスタ406を介して出力される。この期間T3aを内包する期間T4aの間に、PTS信号をHレベルにすることで、「光電荷成分+ノイズ成分」を蓄積する転送容量CTS427が垂直出力線422と接続され、転送容量CTS427は光電荷成分+ノイズ成分の信号を保持するようになる。
上述のように、1行分のノイズ成分と、フォトダイオード402aで発生した光信号+ノイズ成分が、それぞれ転送容量CTN426、CTS427に蓄積される。
次に、期間HSRaの間に、転送容量CTN426、CTS427に蓄積された2つの信号を、不図示の水平シフトレジスタにより制御される制御パルスPHN、PHSによってそれぞれ容量CHN430、CHS431に転送する。そして容量CHN430、CHS431に蓄積されたノイズ成分と光信号+ノイズ成分は、差動アンプ432によって、(光信号+ノイズ成分)−ノイズ成分の処理が行われ、光信号となって、分割出力信号として出力される。
続けて、HBLKb及びHSRbの期間に、制御信号PTXb、PRES、PSELを制御し、光電変換部401bの信号の読み出しを行う。光電変換部401bの信号読み出しタイミングは、先に説明した光電変換部401aの信号読み出しタイミングと同様のため、説明は割愛する。
同様に、HBLKc及びHSRcの期間に制御信号PTXc、PRES、PSELを同様に制御し、光電変換部401cの信号の読み出しを行う。更に、HBLKd及びHSRdの期間に制御信号PTXd、PRES、PSELを同様に制御し、光電変換部401dの信号の読み出しを行う。これにより、2×2に並ぶ4つの光電変換部401a、401b、401c、401dからの分割出力信号の読み出しを完了する。
図13は第2の実施形態における第2の駆動タイミング(第2の読み出し方法)を示すタイミングチャートである。図13を参照して説明する第2の駆動タイミングは、図10において説明した各画素に含まれる光電変換部a〜dの信号を、画素毎の画素出力信号として、加算して一括で読み出すための駆動タイミングである。この第2の駆動タイミングによる信号読み出しを行う場合には、静止画撮影や動画撮影などの通常撮像時など、個々の分割出力信号が不要な場合に、高速に読み出すことが可能となる。以下、図11及び図13を参照して、第2の駆動タイミングについて説明する。
図13における駆動タイミングにおいて、PSEL信号がHレベルの期間にPTN信号をHレベルにすることで、転送容量CTN426にノイズ成分の信号を保持するようにするところまでは、上述した第1の駆動タイミングと同じである。
続いて、光電変換素子で発生した光電荷とノイズ成分の混合信号の蓄積が行われる。まず垂直出力線422は、不図示の回路により、定電位にリセットされる。その後PTXa、PTXb、PTXc、PTXd信号が同時にHレベルにされる。これにより、転送スイッチ403a〜403dがONとなり、フォトダイオード402a、402b、402c、402dに蓄積された光電荷が期間T3の間に、FD部407に転送される。その際、PSEL信号はHレベルのままであるためソースフォロワ回路が動作状態となり、垂直出力線422上にFD部407の電位に応じた「光信号+ノイズ信号」がMOSトランジスタ406を介して出力される。この期間T3を内包する期間T4の間に、PTS信号をHレベルにすることで、「光電荷成分+ノイズ成分」を蓄積する転送容量CTS427が垂直出力線422と接続され、この転送容量CTS427は光電荷成分+ノイズ成分の信号を保持するようになる。
上述のように、1行分のノイズ成分と、フォトダイオード402a〜402dで発生した光信号+ノイズ成分が、それぞれCTN426、CTS427に蓄積される。
次に、期間HSRの間に、転送容量CTN426、CTS427に蓄積された2つの信号を、不図示の水平シフトレジスタにより制御される制御パルスPHN、PHXによってそれぞれ容量CHN430、CHS431に転送する。そして容量CHN430、CHS431に蓄積されたノイズ成分と光信号+ノイズ成分は、差動アンプ432によって、(光信号+ノイズ成分)−ノイズ成分の処理が行われ、光信号となって、画素出力信号として出力される。
図14は第2の実施形態における第1の欠陥画素検出方法を説明する図である。この第1の欠陥画素検出方法は、複数の同色画素において、互いに対応する位置にある光電変換部からの分割出力値を比較することで欠陥画素を検出する方法である。
ここでは、図10に示す画素(2,3)の光電変換部cを欠陥検出の処理対象であるものとして説明する。この場合、画素(2,3)の光電変換部cの分割出力値を、周辺の同色画素における同一象限の光電変換部である、画素(0,1)、(2,1)、(4,1)、(0,3)、(4,3)のそれぞれの光電変換部cの分割出力値と比較する。ここでは、例えば上述した周辺5画素の光電変換部cの分割出力値の平均値等と比較するが、比較の方法はこれに限るものではなく、様々な方法が考えられる。例えば、画素(2,3)の光電変換部cの分割出力値を5倍して、周辺5画素の光電変換部cの分割出力値の合計と比較してもよい。また、画素(2,3)の光電変換部cの分割出力値と、周辺5画素の光電変換部cの分割出力値それぞれとの差分を求めて加算及び/または平均するなど、他の方法であっても構わない。
そして、その差が予め定められた第1のキズ検出閾値α(第1の閾値)以下の場合には、検出対象の画素(2,3)の光電変換部cは欠陥画素ではないと判定する。また、第1のキズ検出閾値αよりも大きい場合には、欠陥画素であると判定し、キズ画素として検出する。
そして、上述した検出処理を、撮像素子103に含まれる複数の光電変換部を順次検出対象として、全ての光電変換部について繰り返し行う。ただし、予め欠陥があると分かっている光電変換部に関しては、検出処理を行わなくても構わない。
第1の欠陥画素検出方法は、マイクロレンズに対して同じ位置にある光電変換部同士の比較による検出方法であるため、検出対象画素近傍の被写体に対するデフォーカス量に左右されにくい検出が可能である。
図16は第2の実施形態における第3の欠陥画素検出方法を説明する図である。この第3の欠陥画素検出方法は、各画素内に含まれる複数の光電変換部の分割出力値を比較することで欠陥画素を検出する方法である。
なお、図16においても、図10に示す画素(2,3)の光電変換部cを欠陥検出の処理対象であるものとして説明する。この場合、画素(2,3)の光電変換部cの分割出力値を、同じ画素(2,3)の他の光電変換部a、b、dの分割出力値と比較する。ここでは、例えば上述した3つの光電変換部a、b、dの分割出力値の平均値等と比較するが、比較の方法はこれに限るものではなく、上述した第1の欠陥画素検出方法と同様に様々な方法が考えられる。
そして、その差が予め定められた第3のキズ検出閾値γ(第3の閾値)以下の場合には、検出対象の画素(2,3)の光電変換部cは欠陥画素ではないと判定する。また、第3のキズ検出閾値γよりも大きい場合には、欠陥画素であると判定し、キズ画素として検出する。
そして、上述した検出処理を、撮像素子103に含まれる複数の光電変換部を順次検出対象として、全ての光電変換部について繰り返し行う。ただし、予め欠陥があると分かっている光電変換部に関しては、検出処理を行わなくても構わない。
第3の欠陥画素検出方法は、各画素内の光電変換部同士の比較による検出方法であるため、検出対象の光電変換部を含む画素周辺の被写体が高周波成分を持つ被写体である場合でも、精度の高い検出を行うことが可能である。但し、第3の欠陥画素検出方法には、以下の問題がある。即ち、撮影レンズの焦点距離が検出対象の光電変換部を含む画素周辺の被写体に合っている場合には、その画素内、即ち、同一のマイクロレンズ下の光電変換部それぞれの分割出力値は互いに近い値になる。しかしながら、デフォーカス量が大きくなるにつれて、同一マイクロレンズ下の光電変換部それぞれの分割出力値は、被写体の輝度分布に応じて異なってくる。よって、第3のキズ検出閾値γは、検出対象画素近傍のデフォーカス量を検出した上で、デフォーカス量が予め設定された所定値より大きいときには第1のキズ検出閾値αよりも大きい予め決められた値を設定する。また、デフォーカス量が上記所定値以下のときには第1のキズ検出閾値αよりも小さな予め決められた値を設定する。また、デフォーカス量が小さいほど、第3のキズ検出閾値γが小さくなるようにしても構わない。
図15は第2の実施形態における第2の欠陥画素検出方法を説明する図である。この第2の欠陥画素検出方法は、周辺の画素の画素出力値を比較することで欠陥画素を検出する方法である。
図15においては、図10に示す画素(2,3)を欠陥検出の処理対象であるものとして説明する。即ち、第2の欠陥画素検出方法は、各画素の光電変換部a、b、c、dの分割信号を画素内で加算し、画素出力として一括して読み出した場合の検出方法である。例えば、画素(2,3)の光電変換部cが欠陥画素であった場合、その欠陥画素である光電変換部cを含む画素(2,3)を欠陥画素として検出することができる。第2の欠陥画素検出方法では、画素(2,3)の画素出力値を、周辺の同色画素である、画素(0,1)、(2,1)、(4,1)、(0,3)、(4,3)それぞれの画素出力値と比較する。ここでは、例えば上述した5つの画素出力値の平均値等と比較するが、比較の方法はこれに限るものではなく、上述した第1の欠陥画素検出方法と同様に様々な方法が考えられる。
そして、その差が予め定められた第2のキズ検出閾値β(第2の閾値)以下の場合には、検出対象の画素(2,3)は欠陥画素ではないと判定し、第2のキズ検出閾値βよりも大きい場合には、欠陥画素であると判定し、キズ画素として検出する。
そして、上述した検出処理を、撮像素子103に含まれる複数の画素を順次検出対象として、全ての画素について繰り返し行う。ただし、予め欠陥があると分かっている画素に関しては、検出処理を行わなくても構わない。
第2の欠陥画素検出方法は、動画撮影などの画素信号を高速で読み出したい場合や、静止画撮影時の欠陥画素検出方法である。この第2の欠陥画素検出方法では、各画素の光電変換部を加算した状態で読み出すために、光電変換部毎の欠陥検出はできないため、各分割出力値を使用する焦点検出時や立体画像生成時には不適切な検出方法である。
図17は第2の実施形態における欠陥画素補正手順の一例を説明するフローチャートである。
図17において、まず、静止画撮影、動画撮影、立体画像撮影、焦点検出用撮影等のモード設定が撮影モード設定回路127等によってなされ(S1001)、そのモードに応じて、感度、絞り値、露光時間などの撮影条件が初期設定される(S1002)。続けて、シャッタ102を制御し、撮像素子103の露光を行う(S1003)。
次に、撮像装置の生産工程において予め抽出しておいた固定欠陥画素の情報を不揮発性メモリ123より読み出す(S1004)。そして、デジタル信号処理回路113において、撮影画像における欠陥画素検出が行われる。先ず、S1001において設定された撮影モードを判定する。そして、判定したモードが図12を参照して説明した第1の駆動タイミングにより分割出力信号を個別に読み出すモードか、または、図13を参照して説明した第2の駆動タイミングにより画素信号を読み出すモードであるかを判定する(S1005)。
設定されている撮影モードが通常の静止画もしくは動画撮影などの、画素信号を読み出すモードであった場合は、続けて、図15を用いて説明した、第2の欠陥画素検出方法による欠陥画素検出を行う(S1006)。
一方、設定されている撮影モードが立体画像撮影や焦点検出用などの、光電変換部を個別に読み出すモードであった場合には、図14を用いて説明した、第1の欠陥画素検出方法による欠陥画素検出を行う(S1007)。続けて、図16を用いて説明した、第3の欠陥画素検出方法による欠陥画素検出を行う。まず読み出した画像信号から画面内の予め決められた各領域ごとにデフォーカス量を算出し(S1008)、その結果を基に、各画素毎の第3のキズ検出閾値γを設定する(S1009)。そして、その閾値γを用いて、第3の欠陥画素検出方法による欠陥画素検出を行う(S1010)。
なお、第2の実施形態においては、第1の欠陥画素検出方法と第3の欠陥画素検出方法とのいずれか一方でも欠陥画素と判定された画素は、次のステップでの補正対象となる欠陥画素とする。しかしながら、撮影条件やモードによっては、第1及び第3の欠陥画素検出方法の両方で欠陥画素の判定された画素のみを、補正対象となる欠陥画素とするような構成としてもよい。
S1006〜S1010の第1及び第3の欠陥画素検出方法、もしくは第2の欠陥画素検出方法による欠陥画素検出処理の後、デジタル信号処理回路113において、各欠陥画素に対して、補正処理が施される(S1011)。
最後に、画像信号を画像メモリ117、記録回路119、もしくは表示回路121に出力し(S1012)、本撮影を終了する。
上記の通り本第2の実施形態によれば、光電変換部を有する撮像素子を用いた撮像装置において、欠陥画素の検出精度を上げることができる。
以上、図9〜図17を用いて第2の実施形態にかかる撮像装置の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、様々な形態をとることが可能である。
例えば、図10や図14〜図16を用いて説明した第2の実施形態の画素構成においては、欠陥画素検出方法をわかりやすく説明するため、画素を2×2の4光電変換部による構成とした。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、シンプルに左右又は上下の2分割としてもよいし、3×3の9分割でもよい。
また、図17を用いて説明した、第2の実施形態のフローチャートにおいては、欠陥画素の検出を、固定欠陥画素と、3種類のリアルタイム欠陥画素検出方法による検出結果の組み合わせにより行うような構成とした。しかしながら本発明はこれに限定されず、少なくとも第1の欠陥画素検出方法を用いて欠陥画素の検出を行う構成であればよい。