JP2017193747A - Cu合金配線膜、パターン配線及びCu合金スパッタリングターゲット - Google Patents

Cu合金配線膜、パターン配線及びCu合金スパッタリングターゲット Download PDF

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Abstract

【課題】高い導電性を持ちながら耐候性に優れ、且つITOと仕事関数の近いCu合金配線膜と、そのCu合金配線膜を形成するためのCu合金スパッタリングターゲットを提供すること。【解決手段】本発明に係るCu合金配線膜は、Cu合金配線膜/ITO膜の構成に使用されるものであって、Niを0.1at%以上4.0at%以下、Alを0.5at%以上2.0at%以下含み、残部の95at%以上がCuからなる。その比抵抗は、10×10−6Ω・cm以下であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、例えば、ITO膜をセンサーとして用いる静電容量型タッチパネルにおいて、ITOと駆動ドライバーの間を結ぶCu合金のパターン配線を形成するためのCu合金配線膜、そのCu合金配線膜より得られるパターン配線、及びCu合金配線膜をスパッタリングで形成するためのCu合金スパッタリングターゲットに関する。
最近、スマートフォンやタブレットに、静電容量型タッチパネルが広く採用されている。これはガラスやフィルム基材の上に、ITOでX−Y極のパターンを形成し、電極間に指等が近づくことで静電容量が変化し位置検出を行うものである。
このITOと駆動ドライバー間は配線で接続されている。この配線材料にはAgペーストやAl、Mo等が用いられている。近年、タッチパネルの動作も、単一からジェスチャー動作(拡大、縮小、移動)が行われるようになり、更なる高速化が求められている。またパネルの大画面化に対応するため、更なる狭額縁化も求められている。そこで従来のAgペーストから、微細化が可能なAl膜やMo膜がスパッタリングで成膜されている。
しかし、Mo膜は高価であり、スパッタ効率も悪いため、生産性にも問題がある。また、Al膜の場合は、配線に流れる電流密度が大きくなることにより金属原子・空孔が移動する現象(エレクトロマイグレーション)が生じ、また、配線にかかる引張応力を緩和させようと金属原子・空孔が移動する現象(ストレスマイグレーション)も生じる。これらエレクトロマイグレーション、ストレスマイグレーションによるボイドの発生により、抵抗値の増加、さらにはボイドの発生により断線する問題があり信頼性が問題となっている。
そのため、配線材のコスト低減や低抵抗化の観点から、Al膜やMo膜より安価で低い抵抗値を持つ配線材が求められ、Cuを配線材に用いる要求が強くなっている。しかし、Cuは酸化しやすく、耐候性に問題がある。
このような問題を解決する方法として、例えば、特許文献1には、Cu配線を保護するために、Cu配線上に、Cu合金からなる保護膜を形成することが提案されている。しかしながら、Cu配線を形成した後にCu配線保護膜を形成する必要があるため、工程数の増加等の観点から、なお改良の余地がある。
特開2014−105362号公報
上述した問題を解決するためには、保護層を必要としない配線が必要とされている。さらに、この配線はITO膜と接触するため、ITO膜とオーミック接触することが必要となる。そのため、配線材料はITOと仕事関数が同程度であることが求められる。また配線材料であることから、高い導電性が必要とされる。その他にも、配線を形成するために、エッチングできることが求められる。
本発明では、高い導電性を持ちながら耐候性に優れ、且つITOと仕事関数の近いCu合金配線膜と、そのCu合金配線膜を形成するためのCu合金スパッタリングターゲットを提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、高い導電性を得るために、Cuを基本として、Ni及びAlを所定量含有するCu合金配線膜を形成することで、高い導電性を持ちながら耐候性に優れ、且つ、ITOと仕事関数の近いCu合金配線膜が得られることを見出した。
(1)本発明の第1の発明は、Cu合金配線膜/ITO膜の構成に使用されるCu合金配線膜であって、Niを0.1at%以上4.0at%以下、Alを0.5at%以上2.0at%以下含み、残部の95at%以上がCuからなるCu合金配線膜である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、比抵抗が10×10−6Ω・cm以下であるCu合金配線膜である。
(3)本発明の第3の発明は、Cu合金配線膜/ITO膜の構成を備えるパターン配線であって、前記Cu合金配線膜が第1又は第2の発明に係るCu合金配線膜を含むパターン配線である。
(4)本発明の第4の発明は、Cu合金配線膜/ITO膜を構成するためのCu合金スパッタリングターゲットであって、Niを0.1at%以上4.0at%以下、Alを0.5at%以上2.0at%以下含み、残部の95at%以上がCuからなるCu合金スパッタリングターゲットである。
高い導電性を持ちながら耐候性に優れ、且つITOと仕事関数の近いCu合金配線膜と、そのCu合金配線膜を形成するためのCu合金スパッタリングターゲットを提供できる。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について説明するが、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において、適宜変更を加えて実施することができる。
≪1.Cu合金配線膜≫
本実施の形態のCu合金配線膜は、Cu合金配線膜/ITO膜の構成に使用されるCu合金配線膜である。このCu合金配線膜/ITO膜の構成においては、Cu合金配線膜の仕事関数が、ITO膜の仕事関数に対して0eVから−0.2eVの範囲の値となる関係を有している。
このCu合金配線膜は、Cu、Ni及びAlを必須元素とするものであり、その組成は、Niを0.1at%以上4.0at%以下、Alを0.5at%以上2.0at%以下含み、残部の95at%以上がCuからなる。Cu合金配線膜が、このような組成を有することで、Cu合金配線膜と、ITO膜との仕事関数の差が減少する。その結果、ITO膜との接続がオーミック接触になることで、高い導電性を有するようになる。また、Cu合金配線膜の耐候性を高めることもできる。
Cu合金配線膜は、Alを含有する。Alは、Cu合金配線膜に含有させることによる導電性への影響が小さく、且つ、Cu合金配線膜の耐候性を高めることができる。
Cu合金配線膜におけるAlの含有量は、0.5at%以上2.0at%以下である。Alの含有量が0.5at%以上であることにより、Cu合金配線膜の耐候性を向上させることができる。一方、Alの含有量が2.0at%以下であることにより、Cu合金配線膜が高い導電性を維持できる。
また、Alの含有量としては、0.7at%以上であることが好ましく、1.0at%以上であることがより好ましい。一方で、Alの含有量の上限値としては、1.7at%以下であることが好ましく、1.5at%以下であることがより好ましい。
Cu合金配線膜は、Niを含有する。上述のAlは、仕事関数が約4.1eVであり、Cuの仕事関数(4.65〜4.70eV)よりも小さい仕事関数を有する。そのため、Cu合金配線膜にAlを含有させると、Cu合金配線膜の仕事関数がITO膜の仕事関数(4.6〜4.8eV)よりもかなり低くなるおそれがある。そこで、Cuの仕事関数よりも大きい仕事関数を有し、且つ、Cuと溶融して耐候性を向上させることができるNi(仕事関数:約5.1eV)を含有させることにより、仕事関数を高めることができ、Cu合金配線膜全体として仕事関数をITOと同等に調整することができる。
Cu合金配線膜におけるNiの含有量は、0.1at%以上4.0at%以下である。Niの含有量が0.1at%以上であることにより、Cu合金配線膜における仕事関数を高めることができる。一方、Niの含有量が4.0at%以下であることにより、Cu合金配線膜の仕事関数がITO膜よりも過大になることを防止でき、また、導電性が低下することも防止できる。
また、Niの含有量としては、0.5at%以上であることが好ましく、1.0at%以上であることがより好ましい。一方で、Niの含有量の上限値としては、3.5at%以下であることが好ましく、3.0at%以下であることがより好ましい。
Cu合金配線膜においては、Ni、Al以外の残部の95at%以上がCuである。Ni、Al以外の残部のCuの含有量としては、97at%以上であることが好ましく、99at%以上であることがより好ましく、99.9at%以上であることがさらに好ましく、残部全てがCuであることが特に好ましい。
また、その残部には、Cu以外に、Ti等、他の元素を含むことができる。Cu、Ni及びAl以外の他の元素の含有量としては、具体的には、NiやAlの含有量より少ないことが好ましい。また、例えば、残部全てがCuであったとしても、金属源や製造装置等に由来する不可避的不純物を含むことができる。
Cu合金を製造するためのCu源としては、例えば、硫酸銅溶液等の電解液中で電気分解によって陰極に析出した海綿状又は樹枝状のCuを使用できる。また、Cu源としては、このような方法以外で製造されたものを使用することもできる。
Cu合金配線膜の導電性としては、特に限定されないが、耐候性等の他の特性の影響のない限り低いほど好ましい。比抵抗としては、10×10−6Ω・cm以下であることが好ましく、7×10−6Ω・cm以下であることがより好ましい。比抵抗は、添加元素により純Cuと比較して上昇するが、添加元素の種類や量により、その上昇の程度は異なる。
このようなCu合金配線膜は、Cu合金配線膜/ITO膜の構成に使用されるものである。そして、このようなCu合金配線膜を用いることで、Cu合金配線膜/ITO膜の構成において、Cu合金配線膜の仕事関数をITO膜の仕事関数に対して0eVから−0.2eVの範囲の値に調整することができる。このような仕事関数の関係を有するCu合金配線膜/ITO膜の構成とすることにより、Cu合金配線膜/ITO膜の界面を、オーミック接触とすることができる。
また、Cu合金配線膜/ITO膜の構成におけるCu合金配線膜の仕事関数としては、ITO膜の仕事関数に対し、例えば、0eVから−0.15eVの範囲の値であることが好ましく、0eVから−0.1eVの範囲の値であることがより好ましい。
ここで、Cu合金配線膜の仕事関数が、ITO膜の仕事関数よりも大きいと、Cu合金配線膜/ITO膜を構成する前のITO膜のフェルミ準位が、Cu合金配線膜のフェルミ準位よりも高いため、Cu合金配線膜とITO膜との接触によって、ITO膜の電子がCu合金配線膜に流れ込んでフェルミ準位が一致する。これにより、ITO膜の内部エネルギー準位は、Cu合金配線膜とITO膜との仕事関数の差だけ低下する。このようにして、ITO膜中に存在していた電子がCu合金配線膜に流れ込むことにより、Cu合金配線膜に接するITO膜界面では、正にイオン化したドナーが残って空間電荷を形成し、電位障壁を生じるため、Cu合金配線膜/ITO膜の界面がオーミック接触とならない。したがって、Cu合金配線膜とITO膜の仕事関数を可能な限り一致させることが好ましい。
上述のようなCu合金薄膜の仕事関数は、4.4〜4.8eVの範囲にある。一方で、一般的なITO膜の仕事関数は、4.6〜4.8eVの範囲にある。したがって、上述のようなCu合金薄膜をITO膜と接触させることによって、Cu合金配線膜の仕事関数がITO膜の仕事関数に対して0eVから−0.2eVの範囲の値となる関係を有するCu合金配線膜/ITO膜の構成を得ることができる。なお、Cu合金配線膜の仕事関数とは、光電子分光装置(理研計器社製、型番 AC−2)で測定した値をいう。
このようなCu合金配線膜は、耐候性に優れる。Cu合金配線膜の耐候性は、塩水に浸漬する耐食性試験(塩水浸漬試験)及び加熱による耐酸化性試験により評価することができる。塩水浸漬試験は、Cu合金配線膜を5%の食塩水に1時間浸漬し、試験前後の波長650nmにおける表面反射率の変化を分光光度計で測定し、その変化率から判断することができる。一方で、耐酸化性試験は、Cu合金配線膜を150℃のオーブンに30分入れ、試験前後の波長650nmにおける表面反射率の変化を同じく分光光度計で測定することができる。ここで、反射変化率とは、反射率の試験前後の差を、試験前の値で除した値であり、これを百分率(%)として表記する。
具体的に、このCu合金配線膜では、その反射変化率が、塩水浸漬試験後の反射変化率及び耐酸化性試験後の反射変化率がいずれも20%以下であり、好ましくは10%以下であり、より好ましくは5%以下である。このように、上述した構成のCu合金配線膜では、反射変化率が20%以下であり、高い耐候性を有する。
また、このようなCu合金配線膜は、エッチング性にも優れる。エッチングには市販のエッチング液を用いることが可能であり、例えば、42°ボーメの塩化第二鉄水溶液を用いることができる。
≪2.Cu合金配線膜≫
Cu合金配線膜は、例えば、スパッタリング法により製造することができる。スパッタリングに用いるターゲットとしては、上述のCu合金配線膜と同様の組成を有するCu合金スパッタリングターゲットを用いることができる。具体的には、Niを0.1at%以上4.0at%以下、Alを0.5at%以上2.0at%以下含み、残部の95at%以上がCuからなるCu合金スパッタリングターゲットを用いる。
<2−1.Cu合金スパッタリングターゲットの製造方法>
Cu合金スパッタリングターゲットは、例えば以下のようにして製造することができる。すなわち、残部の全てがCuであるCu合金スパッタリングターゲットを一例とすると、先ず、構成元素であるCu、Ni及びAlを、Niの含有量が0.1at%以上4.0at%以下、Alの含有量が0.5at%以上2.0at%、残部が全てCuとなるように混合し、混合した原料を、溶解・鋳造法で合金化させる。
合金化する際の温度は、特に限定されないが、例えば、1300〜1600℃程度とすることが好ましい。また、使用する坩堝は、黒鉛坩堝以外のものであれば特に限定されない。黒鉛坩堝を用いると、1300℃程度の温度で添加元素であるNiに浸炭するため、得られる鋳塊の品位が低下するおそれがある。
また、溶解・鋳造法により合金化させることにより、得られる鋳塊品が均一な組成分布を有するものであり、また塑性加工が容易となる。
次に、得られた鋳塊を用いてCu合金スパッタリングターゲットを製造する。Cu合金スパッタリングターゲットの加工方法としては、特に限定されず、例えば、熱間鍛造、冷間鍛造を用いることができる。
また、得られた鋳塊を、ワイヤーカットでの切り出しにより板材に形成した後、スパッタリングの冶具であるバッキングプレートにロウ材を用いて貼付けることで、Cu合金スパッタリングターゲットとして用いることもできる。
なお、Cu合金スパッタリングターゲットとは、平面研削やボンディング等のスパッタリングターゲット仕上げ工程前のスパッタリングターゲット材の状態も含む概念をいう。
<2−2.Cu合金配線膜の製造方法>
上述のようにして得られたCu合金スパッタリングターゲットを用いて、Cu合金配線膜を製造することができる。Cu合金配線膜は、例えば、ITO基板上に、上述のようにして得られたCu合金スパッタリングターゲットを用いて、スパッタリングによりCu合金の膜を成膜することにより製造できる。
Cu合金配線膜の膜厚としては、特に限定されないが、例えば、50〜500nmとすることができる。
<2−3.Cu合金パターン配線の製造方法>
上述のようにして得られたCu合金配線膜を用いて、Cu合金パターン配線を製造することができる。Cu合金パターン配線は、例えば、Cu合金配線膜の上に、ITO膜をスパッタリングで形成した後、配線パターンに沿ってエッチングすることにより製造することができる。
Cu合金配線膜は、Cuと同等のエッチング性を有するので、エッチング液として、例えば、塩化第二鉄等を用いることができる。
このようにして得られたCu合金パターン配線は、Cu合金配線/ITO膜の構成に使用することができる。
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
Niを1.7at%、Alを1.2at%、残部がCuとなるように原料を秤量し、溶解炉として高周波誘導真空溶解炉(富士電波工業株式会社製)用いて、アルミナ坩堝に原料を投入してAr雰囲気で1450℃まで加熱し、鉄製の鋳型に鋳造した。
次に、得られた鋳塊について、その表面の異物を、グラインダー等を用いて除去した後、熱間圧延にて900℃まで加熱し、鋳塊を80%まで圧下させて板状に加工した。そして、得られた板材をワイヤーカットにて直径φ6インチに切り出し、切り出した板材を平面研削にて厚さ5mmに加工した。その後、ロウ材にInを用いてバッキングプレートに貼付け、スパッタリングターゲットを作製した。
このようにして得られたスパッタリングターゲットを用いて、マグネトロンスパッタリングによりCu合金配線膜を成膜した。スパッタリング装置としては、ULVAC製スパッタ装置(型番 SH−450)を用いた。スパッタリングターゲットを、スパッタリング装置に取り付けた。一方で、25mm×50mmのITOが成膜されたガラス基板を、スパッタリングターゲットと対向させた位置に取り付けた。
次いで、装置内の真空度が6×10−4Paになるまで真空引きした後、Arガスをガス圧が0.5Paになるまで導入し、ITOが成膜されたガラス基板を30rpmで回転させながら、投入電力を700W、成膜時間を150秒として、厚さ120nmのCu−Ni−Al合金からなるCu合金配線膜を得た。
得られたCu合金配線膜の組成は、Cu合金配線膜を酸で溶解してICP発光分光分析装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製 型番 SPS3500)で分析したところ、スパッタリングターゲットと同様の組成であった。
(比抵抗測定)
得られたCu合金配線膜の比抵抗をロレスタ(三菱化学アナリテック製、型番 MCP−610)を用い四探針法で測定した。Cu合金配線膜の比抵抗は5.51×10−6Ω・cmであった。
(仕事関数の測定)
このCu合金配線膜の仕事関数を、光電子分光装置(理研計器社製、型番 AC−2)で測定した。成膜したCu合金配線膜の仕事関数は4.78eVとなり、ITO膜の4.8eVとほぼ同様の値になった。
(耐候性の評価)
得られたCu合金配線膜の耐食性試験及び耐酸化性試験として、それぞれ塩水浸漬試験と耐熱試験を行った。塩水浸漬試験は、保護膜を5%の食塩水に1時間浸漬し、試験前後の波長650nmにおける表面反射率の変化を分光光度計(日立製作所製、型番 U−4000)で測定した。耐酸化性試験は、Cu合金配線膜を150℃のオーブンに30分入れ、試験前後の波長650nmにおける表面反射率の変化を同じく分光光度計で測定した。反射率の試験前後の差を、試験前の値で除して百分率(%)にて表した値を反射変化率として、20%以下の場合を○とし、20%超を×として評価した。
(オーミック接触の評価)
ITO膜(ジオマテックス社製:シート抵抗150Ω/□)の上に、上述のような条件でCu合金配線膜を作製し、V−I特性を調べた。その結果、ITO膜とCu合金配線膜の間は、オームの法則に則った電圧−電流特性を示し、オーミック接触であることが判明した(表1中○で標記。オーミック接触でない場合は×と標記)。これらの結果を表1に示す。
〔実施例2、実施例3、比較例1及び比較例2〕
Cu合金配線膜中のNi、Al及びCuの割合を変更した以外は、実施例1と同様にして、Cu合金配線膜を製造し、特性評価を行った。
下記表1に、実施例1〜3、比較例1及び比較例2におけるCu合金配線膜の金属組成(at%)、耐食性の有無、耐酸化性の有無、仕事関数(eV)、比抵抗(Ω・cm)、オーミック接続の形成の有無の評価結果を示す。
Figure 2017193747

Claims (4)

  1. Cu合金配線膜/ITO膜の構成に使用されるCu合金配線膜であって、
    Niを0.1at%以上4.0at%以下、Alを0.5at%以上2.0at%以下含み、残部の95at%以上がCuからなる
    Cu合金配線膜。
  2. 比抵抗が10×10−6Ω・cm以下である
    請求項1に記載のCu合金配線膜。
  3. Cu合金配線膜/ITO膜の構成を備えるパターン配線であって、
    前記Cu合金配線膜が請求項1又は2に記載のCu合金配線膜を含む
    パターン配線。
  4. Cu合金配線膜/ITO膜を構成するためのCu合金スパッタリングターゲットであって、
    Niを0.1at%以上4.0at%以下、Alを0.5at%以上2.0at%以下含み、残部の95at%以上がCuからなる
    Cu合金スパッタリングターゲット。
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