JP2017193613A - ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

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【課題】剛性、降伏応力、伸びの全てが高水準に達成されたポリプロピレン系樹脂を提供する。【解決手段】ポリプロピレン系樹脂の原料であるポリプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン重合体と、下記の式(1)で表されるモノマー単位を含有するプロピレン共重合体と、シリカ粒子とを含有する。【化1】(式中、Rは単結合または炭素数1〜20のアルキレン基を表し、Xは極性基を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、剛性、降伏応力、伸び、および衝撃耐性のバランスが取れたポリプロピレン系樹脂組成物に関するものである。
ポリプロピレン系樹脂は、成形加工性や耐有機溶剤性等に優れる上、安価である。このため、ポリプロピレン系樹脂は、家電製品の外板、および自動車の外装や内装部品等の様々な用途で使用されている。しかしながら、ポリプロピレン系樹脂は、材料としての機械的強度に限界があるため、その適用範囲が限られてしまう。そこで、ポリオレフィン系樹脂の機械的強度を向上する目的で、無機材料やガラス繊維等のフィラーをポリプロピレン樹脂組成物に配合する試みが行われてきた(特許文献1)。
一方、層状無機化合物の層間に有機化剤をインターカレーションした有機化層状無機化合物をポリオレフィン系樹脂のフィラーとして用いると、ポリオレフィン系樹脂中で層状無機化合物が層剥離して、無機化合物のフィラーがポリオレフィン系樹脂中に良好に分散したナノコンポジットが得られる(特許文献2および特許文献3)。また、高剛性および高強度を有するシリカナノ粒子とポリプロピレンのナノコンポジットが提案されている。このナノコンポジットでは、シリカナノ粒子を樹脂中に良好に分散させるため、無水マレイン酸変性ポリプロピレンを分散剤として樹脂に添加したり、フィラーであるシリカナノ粒子の表面を修飾したりする試みがなされている(非特許文献1および非特許文献2)。
非特許文献1および非特許文献2に記載の樹脂は、シリカナノ粒子の分散性を向上させるため、無水マレイン酸変性ポリプロピレンや末端水酸基ポリプロピレンのような分子鎖末端のみに極性基を有するポリプロピレンを配合したり、フィラーのシリカ表面にポリマーをグラフト化したりしている。非特許文献1および非特許文献2に記載の樹脂は、強度や剛性が向上するものの、十分な引張り伸びを得ることができない。
また、特許文献3に記載のポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレンの母材と、ポリプロピレン分子鎖中に水酸基を含有する水酸基含有ポリプロピレンの分散剤と、有機化層状無機化合物のフィラーを含有している。層状無機化合物の層間で、層状無機化合物と分散剤の分子鎖が多点吸着しているので、このポリプロピレン系樹脂とフィラーの界面は強固に密着している。そして、このフィラーと母材が強固に密着した界面を有するため、このポリプロピレン系樹脂は引張り伸びに優れている。しかしながら、このポリプロピレン系樹脂の強度、剛性、および引張り伸びは、フィラー有機化剤の影響により、母材のポリプロピレンと比べて低下している。伸びや耐衝撃性の低下を抑えつつ、強度や剛性を向上させたポリプロピレン系樹脂の開発が望まれている。
特開昭63−142049号公報 特開平10−182892号公報 特開2013−28707号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、剛性、降伏応力、伸び、および衝撃耐性のバランスが取れたポリプロピレン系樹脂を提供することを目的とする。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン重合体と、下記の式(1)で表されるモノマー単位を含有するプロピレン共重合体と、シリカ粒子とを含有する。
Figure 2017193613
(式中、Rは単結合または炭素数1〜20のアルキレン基を表し、Xは極性基を表す。)
本発明によれば、剛性、降伏応力、伸び、および衝撃耐性のバランスが取れたポリプロピレン系樹脂が得られる。
実施例1で得られたポリプロピレン系樹脂組成物を成形した樹脂の断面SEM画像。
以下、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物について、実施形態と実施例に基づいて説明する。重複説明は適宜省略する。なお、2つの数値の間に「〜」を記載して数値範囲を表す場合には、この2つの数値も数値範囲に含まれるものとする。
本発明の実施形態に係るポリプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン重合体と、プロピレン共重合体と、シリカ粒子とを含有する。プロピレン重合体は母材として、プロピレン共重合体は分散剤として、シリカ粒子はフィラーとして機能している。プロピレン重合体は、プロピレンをモノマーとする重合体で、ポリプロピレンということもある。なお、本実施形態では、ポリプロピレン系樹脂組成物の性能に影響を及ぼさない範囲で、プロピレン重合体に機能性物質や不純物等が含まれていてもよい。プロピレン共重合体およびシリカ粒子についても同様である。
プロピレン共重合体は、プロピレンと置換基を有するプロピレンの共重合体で、プロピレンのモノマー単位と、下記の化学式(1)で表されるモノマー単位を含有する。
Figure 2017193613
(式中、Rは単結合または炭素数1〜20のアルキレン基を表し、Xは極性基を表す。)
本実施形態のポリプロピレン系樹脂組成物では、分散剤である極性基含有プロピレン共重合体が、フィラーであるシリカ粒子の表面に強固に密着する。そして、この極性基含有プロピレン共重合体は、母材であるプロピレン共重合体と親和性が高いので、ポリプロピレン系樹脂組成物中にシリカ粒子が微分散する。このため、フィラー中に有機化剤が含まれていなくてもよい。極性基Xとしては、アミノ基(−NH2)、カルボキシル基(−COOH)、水酸基(−OH)、チオール基(−SH)などが挙げられる。これらの中でも水酸基が好ましい。フィラー表面のシラノール基と、プロピレン共重合体中に存在する水酸基の水素結合性の相互作用により、強固な界面が形成できるからである。
本実施形態に係るポリプロピレン系樹脂組成物では、プロピレン重合体の含有量が60〜99質量部であり、プロピレン共重合体の含有量が1〜40質量部であることが好ましい。さらに、プロピレン重合体の含有量が74〜98質量部であり、プロピレン共重合体の含有量が2〜26質量部であることがより好ましい。プロピレン共重合体の含有量が多過ぎると、ポリプロピレン系樹脂組成物の強度と剛性が低下するからである。また、プロピレン共重合体の含有量が少な過ぎると、ポリプロピレン系樹脂組成物の伸びが低下するからである。
シリカ粒子の含有量は1〜30質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。シリカ粒子添加量が少な過ぎると、ポリプロピレン系樹脂組成物の強度と剛性の向上が不十分であり、シリカ粒子添加量が多過ぎると、ポリプロピレン系樹脂組成物の伸びが低下するからである。プロピレン共重合体を構成する全モノマー単位の量に対する化学式(1)で表されるモノマー単位の量が2.0〜10.0mol%であることが好ましい。プロピレン共重合体を構成する全モノマー単位の量に対する化学式(1)で表されるモノマー単位の量が少な過ぎると、ポリプロピレン系樹脂組成物の伸びが低下するからであり、多過ぎると、ポリプロピレン系樹脂組成物の強度と剛性が低下するからである。
シリカ粒子は、シリカ(SiO2)の粒状物質である。シリカ粒子の平均粒径は100nm以下であることが好ましい。ポリプロピレン系樹脂組成物に含まれるシリカ粒子の単位質量あたりの強度と剛性の向上効果が高いからである。なお、シリカ粒子の平均粒径は、ポリプロピレン系樹脂組成物の樹脂シートの凍結破断面の走査型電子顕微鏡像から無作為に100個の粒子を選び、それらの粒径を測定して算出した算術平均値(相加平均値)である。
また、本実施形態のポリプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン重合体、プロピレン共重合体、およびシリカ粒子以外にも、その他のオレフィン重合体、変性オレフィン重合体、エラストマー、金属酸化物粒子、層状珪酸塩、ゼオライトなどを含んでいてもよい。
製造例1:5−ヘキセニルオキシビスイソブチルアルミニウム(i−Bu2Al(OC48CH=CH2)の合成
十分に窒素置換した500mLのガラス製反応容器内に、乾燥ヘキサン200mLおよびトリイソブチルアルミニウム100mL(297mmol)を入れた。この反応容器内を−50℃に冷却しながら、5−ヘキセン−1−オール46mL(340mmol)をゆっくりと滴下した。そして、反応容器内を撹拌しながら室温(25℃)まで自然昇温させた後、溶媒のヘキサンを減圧留去して目的のi−Bu2Al(OC48CH=CH2)を透明な液体として90g得た。
製造例2:水酸基を含有するプロピレン共重合体の合成
以下の方法で、水酸基を含有するプロピレン共重合体を合成した(特許文献3参照)。十分に窒素置換した1000mLのガラス製反応容器内に、トルエン260mLと、メチルアルモキサンの2.1mol/Lトルエン溶液7.5mLと、i−Bu2Al(OC48CH=CH2)5.9mL(21.2mmol)を入れた。この反応容器内を−20℃に冷却しながらプロピレン1.2gを加えた後、ジメチルシリレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリドの0.010mol/Lトルエン溶液4mLを導入して重合を開始した。
そして、そのままプロピレンの圧力を一定に保ちながら、反応容器内にプロピレンを導入しつづけ、−20℃で半回分式にて8時間共重合を行った。少量のイソプロピルアルコールを反応容器内に添加して重合を停止させた後、大量の希塩酸とメタノールの混合溶液に共重合生成物を注ぎ、脱アルミニウムを行うとともに、共重合体を沈殿させた。この沈殿物を濾過、乾燥して、下記の化学式(2)で表される水酸基を含有するプロピレン共重合体6.5gを得た。
Figure 2017193613
得られたプロピレン共重合体は、プロピレン共重合体を構成する全モノマー単位の量(化学式(2)のy+z)に対する化学式(1)で表されるモノマー単位の量(化学式(2)のy)の割合(y/(y+z)×100)が6.4mol%であった。また、このプロピレン共重合体のアイソタクティックトライアッドは98.7%であった。
製造例3:シリカナノ粒子の合成
以下の方法で、シリカ粒子を合成した(R. Watanabe et al., J. Colloid Interface Sci., vol. 360, 2011年, p.1-7参照)。250mLのポリプロピレン製反応容器内に、0.1質量%L−アルギニン水溶液174mLと、テトラエチルオルトシリケート(TEOS:Si(OC25)4)10.4g(50mmol)を導入し、70℃で10時間撹拌した。
得られた溶液2.02gを、水47.0g、エタノール125g、およびL−アルギニン0.174gを含む溶液が入ったポリプロピレン製反応容器内に添加し、均一に撹拌した。得られた溶液にTEOS 5.09gを添加し、70℃で10時間加熱して、透明なシリカナノ粒子の分散液を得た。100℃に昇温してこの分散液から溶媒を除去した後、600℃で5時間焼成して有機物を除去し、シリカ粒子の白色粉末を得た。得られたシリカ粒子の平均粒径は49nmであった。
実施例1
小型混練機(東洋精機製作所社製、ラボプラストミル・マイクロ)を用いて、混練温度180℃、混練時間30分、スクリュー回転速度100rpmの条件(以下、「条件A」ということがある)で、製造例2で得られたプロピレン共重合体70質量部と、製造例3で得られたシリカ粒子30質量部を混練してマスターバッチ樹脂を作製した。つぎに、このマスターバッチ樹脂1gとプロピレン重合体(日本ポリプロ社製、NOVATEC MA3)2gを条件Aで混練して、ポリプロピレン系樹脂組成物を作製した。このポリプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン重合体74質量部と、プロピレン共重合体26質量部と、シリカ粒子10質量部を含有していた。
実施例2
実施例1で得られたマスターバッチ樹脂0.5gとプロピレン重合体(日本ポリプロ社製、NOVATEC MA3)2.5gを条件Aで混練して、プロピレン重合体88質量部と、プロピレン共重合体12質量部と、シリカ粒子5質量部を含有するポリプロピレン系樹脂組成物を作製した。
実施例3
製造例2で得られたプロピレン共重合体55質量部と、製造例3で得られたシリカ粒子45質量部を混練してマスターバッチ樹脂を作製した。得られたマスターバッチ樹脂0.09gとプロピレン重合体(日本ポリプロ社製、NOVATEC MA3)2.91gを条件Aで混練して、ポリプロピレン系樹脂組成物を作製した。このポリプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン重合体98質量部と、プロピレン共重合体2質量部と、シリカ粒子1質量部を含有していた。
比較例1
プロピレン重合体(日本ポリプロ社製、NOVATEC MA3)を条件Aで処理したものをポリプロピレン系樹脂組成物とした。
比較例2
プロピレン重合体(日本ポリプロ社製、NOVATEC MA3)90質量部と、製造例2で得られたシリカ粒子10質量部を条件Aで混練し、ポリプロピレン系樹脂組成物を作製した。
比較例3
製造例1で得られたプロピレン共重合体90質量部と、製造例2で得られたシリカ粒子10質量部を条件Aで混練し、ポリプロピレン系樹脂組成物を作製した。
比較例4
製造例1で得られたプロピレン共重合体70質量部と、膨潤性層状珪酸塩(ホージュン社製、エスベンW)30質量部を条件Aで混練してマスターバッチ樹脂を作製した。つぎに、このマスターバッチ樹脂1gとプロピレン重合体(日本ポリプロ社製、NOVATEC MA3)2gを条件Aで混練して、ポリプロピレン系樹脂組成物を作製した。このポリプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン重合体74質量部と、プロピレン共重合体26質量部と、膨潤性層状珪酸塩10質量部を含有していた。
比較例5
実施例1から実施例3、比較例1、比較例2、および比較例4と異なるプロピレン重合体(住友化学社製、ノーブレン H501N)をポリプロピレン系樹脂組成物とした。
比較例6
実施例1と異なる小型混練機(DSM社製、Xplore)を用いて、混練温度210℃、混練時間10分、スクリュー回転速度100rpmの条件(以下、「条件B」ということがある)で、製造例1で得られたプロピレン共重合体7.5質量部と、比較例4と異なる膨潤性層状珪酸塩(コープケミカル社製、ソマシフMAE)2.5質量部を混練してマスターバッチ樹脂を作製した。つぎに、このマスターバッチ樹脂2質量部とプロピレン重合体(住友化学社製、ノーブレン H501N)8質量部を条件Bで混練して、ポリプロピレン系樹脂組成物を作製した。このポリプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン重合体84質量部と、プロピレン共重合体16質量部と、膨潤性層状珪酸塩5質量部を含有していた。
評価1:引張り試験
実施例1から実施例3および比較例1から比較例4で得られたポリプロピレン系樹脂組成物を、温度180℃、圧力15MPaでそれぞれ10分間熱プレス成形して、厚さ0.5mmの樹脂シートを作製した。これらの樹脂シートから試験片を打ち抜いて、小型卓上試験機(島津製作所社製、EZ−L)を用いて、10mm/minの引張り速度で引張物性測定を行った。この引張物性測定結果に基づいた弾性率、降伏応力、および破断伸びを表1に示す。
また、比較例5および比較例6で得られたポリプロピレン系樹脂組成物を、温度230℃、圧力3.5MPaでそれぞれ3分間熱プレス成形して、厚さ1mmの樹脂シートを作製した。この樹脂シートから試験片を打ち抜いて、シングルコラム型引張り圧縮試験機(エー・アンド・デイ社製、STA−1225)を用いて、50mm/minの引張り速度により引張物性測定を行った。この引張物性測定結果に基づいた降伏応力および破断伸びを表1に示す。
Figure 2017193613
実施例1から実施例3に由来する樹脂シートは、比較例1に由来する樹脂シートと比べて、弾性率と降伏応力が同程度で、破断伸びが大幅に向上した。比較例2に由来する樹脂シートは、比較例1に由来する樹脂シート(比較例2に由来する樹脂シートの母材に相当する)と比べて、破断伸びが大幅に低下した。比較例3に由来する樹脂シートは、実施例1および実施例2に由来する樹脂シートと比べて、剛性(弾性率)および強度(降伏応力)が半分程度に低下した。
比較例4に由来する樹脂シートは、実施例1に由来する樹脂シートと比べて、破断伸びが著しく低下した。比較例5に由来する樹脂シートは、比較例1に由来する樹脂シートと異なり、高い伸張性(破断伸び)を示していた。また、比較例6に由来する樹脂シートは、母材であるプロピレン重合体自体の伸張性が高いため(表1の比較例5参照)、比較的高い伸張性を示した。
しかし、比較例6に由来する樹脂シートの降伏応力と破断伸びが母材の降伏応力と破断伸びと比べて大幅に低下したことは、比較例4に由来する樹脂シートと比較例1に由来する樹脂シートの関係と同様の傾向であった。すなわち、母材のプロピレン重合体、分散剤のプロピレン共重合体、およびフィラーの膨潤性層状珪酸塩から構成されるポリプロピレン系樹脂組成物を成形した樹脂では、目的とした機械特性が得られなかった。
評価2:破断面観察
液体窒素を用いて、評価1で得られた樹脂シートを凍結破断して試料を作製した。走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、S−4800)を用いて、加速電圧1kVでこの試料の破断面の観察を行った。図1は、実施例1に由来する樹脂シートから作製した試料の断面SEM画像である。図1に示すように、ポリプロピレン系樹脂中にシリカ粒子が微分散していた。

Claims (6)

  1. プロピレン重合体と、下記の式(1)で表されるモノマー単位を含有するプロピレン共重合体と、シリカ粒子とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物。
    Figure 2017193613
    (式中、Rは単結合または炭素数1〜20のアルキレン基を表し、Xは極性基を表す。)
  2. 前記プロピレン重合体の含有量が74〜98質量部であり、前記プロピレン共重合体の含有量が5〜40質量部である請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  3. 前記シリカ粒子の含有量が1〜10質量部である請求項1または2に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  4. 前記プロピレン共重合体を構成する全モノマー単位の量に対する前記式(1)で表されるモノマー単位の量が2.0〜10.0mol%である請求項1から3のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  5. 前記Xが水酸基である請求項1から4のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  6. 前記シリカ粒子の平均粒径が100nm以下である請求項1から5のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
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