JP2017193169A - 接着構造物、接着構造物の製造方法、および剥がす方法 - Google Patents

接着構造物、接着構造物の製造方法、および剥がす方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、コンクリートに対して熱可塑性ホットメルト接着剤が強固に接着した接着構造物、コンクリートと、ポリエステル系部材、塩化ビニル系部材、エポキシ系部材、木質部材、石膏ボードまたはガラス等の種々の部材とが強固に接着した接着構造物、それらを電磁誘導加熱法を用いて製造する方法、および電磁誘導加熱法を用いて簡単に剥離・解体できる剥がす方法を提供することにある。【解決手段】上記課題は、コンクリート層(E)およびプライマー層(D)を有する積層体(X)のプライマー層(D)面と、金属層(A)および熱可塑性ホットメルト接着剤層(C1)を有する積層体(Y)の熱可塑性ホットメルト接着剤層(C1)面と、を接着した接着構造物によって解決される。【選択図】図1

Description

本発明は、プライマー処理層を施したコンクリートと、金属層に熱可塑性ホットメルト接着剤層を設けた接着シートと、を接着した接着構造物、電磁誘導加熱により接着する接着構造物の製造方法、および、電磁誘導加熱により剥がす方法に関する。
高度成長時代以来建築・土木関連など多くの産業でコンクリートが使用されてきた。コンクリートと他の部材との接着は、釘,ボルトなどが用いられていた。これらの方法は、
比較的作業が簡単であるが、点で接着して要る為力が一点に集中し、力を分散させるために面での接着が望ましかった。また、接合部に突起や肉盛りが表れる為美観が損なわれる問題が発生していた。これらの問題を解決する為にコンクリートとの接着には、エポキシ系接着剤が使用されている(特許文献1、2)。しかしながら、エポキシ系接着剤は、接着剤が硬化するまでに時間用要する為にコンクリートに他の基材とを貼り合わせた後長時間固定しなくてはならなかったり、固定しなかった場合剥がれ落ちるなどの問題を抱えていた。
接着剤の硬化に時間を必要としない方法として粘着テープが開発された(参考文献3)。粘着テープは、硬化時間を短縮できるメリットはあるが接着力が弱く、水・熱などがかかると接着力が低下す為実用化は難しい。
一方、近年、電磁誘導加熱方式を用いた接着剤の溶融装置や電磁誘導加熱接着シートなどが開発されている。電磁誘導加熱とは、電磁誘導加熱装置のコイルに高周波の交流電流を流すことにより交流磁界を発生させて、磁界中の導電物質の金属内に渦電流を発生させて、この渦電流に基づくジュール熱で導電物質を発熱させる加熱方法である。コイルに流す交流の周波数を高くする程磁界の変化が速くなり、それに基づく渦電流が大きくなって、加熱時間を短くすることが出来る。電磁誘導加熱による接着方法は硬化時間が短く、水・熱による接着強度の低下を抑えることが出来る。
コンクリートとの接着においても、電磁誘導加熱を用いた接着、解体方法が提案されている(特許文献4)。しかしながら該特許文献で提案されている方法では、コンクリートへの接着強度は十分なものではなく、使用範囲も限定されるといった問題があった。
特開2001−172597 特公平6−13689 特開平8−319462 特開1015−136811
本発明が解決しようとする課題は、コンクリートに対して熱可塑性ホットメルト接着剤が強固に接着した接着構造物、コンクリートと、ポリエステル系部材、塩化ビニル系部材、エポキシ系部材、木質部材、石膏ボードまたはガラス等の種々の部材とが強固に接着した接着構造物、それらを電磁誘導加熱法を用いて製造する方法、および電磁誘導加熱法を用いて簡単に剥離・解体できる剥がす方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、コンクリート層(E)およびプライマー層(D)を有する積層体(X)のプライマー層(D)面と、金属層(A)および熱可塑性ホットメルト接着剤層(C1)を有する積層体(Y)の熱可塑性ホットメルト接着剤層(C1)面と、を接着した接着構造物に関する。
また、本発明は、積層体(Y)において、金属層(A)と、熱可塑性ホットメルト接着剤層(C1)との間に、熱硬化した接着剤層(B1)を有する上記接着構造物に関する。
また、本発明は、積層体(Y)の金属層(A)側に、さらに第2の熱可塑性ホットメルト接着剤層(C2)を有する上記接着構造物に関する。
また、本発明は、積層体(Y)において、金属層(A)と、第2の熱可塑性ホットメルト接着剤層(C2)との間に、第2の熱硬化した接着剤層(B2)を有する上記接着構造物に関する。
また、本発明は、さらに積層体(Y)の熱可塑性ホットメルト接着剤層(C1)と対向する面の外側に、絶縁層およびパターニングされた導電層を有する上記接着構造物に関する。
また、本発明は、コンクリート層(E)およびプライマー層(D)を有する積層体(X)のプライマー層(D)面と、金属層(A)および熱可塑性ホットメルト接着剤層(C1)を有する積層体(Y)の熱可塑性ホットメルト接着剤層(C1)面と、を電磁誘導加熱により接着することを特徴とする接着構造物の製造方法に関する。
また、本発明は、コンクリート層(E)およびプライマー層(D)を有する積層体(X)のプライマー層(D)面と、厚みが0.3mm以上の被着体(F)とを、金属層(A)の片側に熱可塑性ホットメルト接着剤層(C1)を有し、もう一つの片側に第2の熱可塑性ホットメルト接着剤層(C2)を有する積層体(Y)を介して、コンクリート層(E)の外側および/または厚みが0.3mm以上の被着体(F)の外側から、電磁誘導加熱により接着することを特徴とする接着構造物の製造方法に関する。
さらに、本発明は、コンクリート層(E)およびプライマー層(D)を有する積層体(X)のプライマー層(D)面と、厚みが0.3mm以上の被着体(F)とが、金属層(A)の片側に熱可塑性ホットメルト接着剤層(C1)を有し、もう一つの片側に第2の熱可塑性ホットメルト接着剤層(C2)を有する積層体(Y)を介して接着した接着構造物を、コンクリート層(E)の外側および/または厚みが0.3mm以上の被着体(F)の外側から、電磁誘導加熱により加熱し、固体状態にある熱可塑性ホットメルト接着剤層(C1)および/または第2の熱可塑性ホットメルト接着剤層(C2)を、軟化ないし溶融させ、コンクリート層(E)と厚みが0.3mm以上の被着体(F)とを剥がす方法に関する。
本発明によれば、コンクリート層にプライマー層を設けることで、コンクリートと熱可塑性ホットメルト接着剤とを強固に接着した接着構造物を提供することができる。さらに、コンクリートと、ポリエステル系部材、塩化ビニル系部材、エポキシ系部材、木質部材、石膏ボード、ガラス等の種々の基材とが強固に接着した接着構造物を提供することができる。また、電磁誘導加熱法を用いることで、これらの接着構造物をエージングすることなく短時間で製造可能な製造方法、およびコンクリートを傷付けることなく剥がす方法を提供することができる。
本発明の代表的な実施形態を表す。 本発明の代表的な実施形態を表す。 本発明の代表的な実施形態を表す。
<接着構造物>
本発明の接着構造物は、コンクリート層(E)およびプライマー層(D)を有する積層体(X)と、少なくとも金属層(A)および熱可塑性ホットメルト接着剤層(C1)を有する積層体(Y)と、を接着したものである。以下、積層体(X)および(Y)、それらを構成する成分について説明する。
<積層体(X)>
[コンクリート層(E)]
本発明のコンクリート層とは、セメントに水を加えて塗り混ぜたペーストを、時間をかけて固めた塊で、骨材として砂などの細骨材、砂利などの粗骨材を含有してもよい。コンクリートは、セメントの溶解析出反応で硬化する。セメントは、カルシウム、珪素、アルミニウム、鉄などの元素から構成されている。水と接すると、カルシウムイオンが溶けだして、水溶液中のカルシウムイオンが増加する。主成分である珪酸(SiO2)、アルミナ(AL3)は、それぞれのイオンがお互いに重合しあった安定な物質(ポリマー)とし
て存在し、カルシウムイオンと反応しない。しかし、セメントの中では、珪酸イオンとアルミのイオン(アルミナ−イオン)は比較的反応し易く単量体で存在し、回りのカルシウムイオンが溶脱したことにより、溶液中に溶け出して、カルシウムイオンや水分子と反応して、水に溶けにくいセメント水和物(C−S−H:エトリンガイト)を生成し、余ったカルシウムイオンは、水酸化カルシウムとして析出する。水和物粒子は互いに結合して硬化が始まる。
粒子間の結合は、分子間引力や水素結合で保持されていると考えられ、C−S−Hは、水酸化カルシウムと異なり、0.1μm以下の微細な結合であり、単位体積当たりの粒子同士の結合面積が著しく大きい為、高い結合力を発揮し、硬化体の強度を発揮する。
本発明のコンクリート層としては、セメントと水を混ぜて固めたセメント、セメントと水と細骨材(砂)を混ぜて固めたモルタルと、セメントと水と骨材(細骨材(砂)と粗骨材(砂利))を混ぜて固めたコンクリート等を用いることが出来る。
[プライマー層(D)]
本発明のプライマー層は、コンクリート層と熱可塑性ホットメルト接着層との間に存在し、(1)コンクリート上にクラックなどがあった場合クラック内にプライマーが入ることで基材強度を増すだけでなく、(2)プライマー層が存在することで、コンクリート層と熱可塑性ホットメルト接着層との接着性を大きく向上させる。
プライマー層を形成する樹脂としては、例えばポリウレタン、エポキシ、アクリル酸エステル共重合体、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリエステル等のエマルジョン、またはラテックスがあげられるが、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、又はアクリル樹脂が好ましく、エポキシ樹脂又はアクリル樹脂がより好ましく、アクリル樹脂が特に好ましい。これらのプライマー層形成用樹脂は、単独または2種以上組合せて使用される。プライマー層の厚さは、0.1mm〜4mm程度であることが好ましい。
コンクリートのプライマー層に用いられるプライマーは、2液混合型が好ましい。塗工後数時間、さらに好ましくは数十分で硬化する。硬化時間を短くする為に熱硬化樹脂であれば加熱したり、嫌気効果であれば塗工面にフィルムを接着し効果がフィルムを剥がして使用してもよい。
積層体(X)は、コンクリート層にプライマー樹脂を、刷毛又はロールで塗工し、十分に乾燥硬化することで得ることができるが、この方法に限定されない。プライマー樹脂の塗工量は、コンクリートや熱可塑性ホットメルト接着剤の種類によるが、10g/m以上1,000g/m以下、好ましくは50g/m以上500g/m以下であることが好ましい。
<積層体(Y)>
[金属層A]
本発明の金属層は、電磁誘導加熱装置による高周波磁束によって渦電流が誘導され、金属層のジュール加熱により、熱可塑性ホットメルト接着層を溶融させ、コンクリート層と接着させるためのものである。この金属層は、鉄、アルミニウム、ニッケル、ステンレス、亜鉛、鉛、マグネシウム及びそれら合金などから選ばれる導電性金属であることが好ましく、アルミニウム、鉄、ステンレスがより好ましく、アルミニウムが特に好ましい。
これら金属は、フィルム状にしたものを好適に用いることができる。金属層の厚みは、1μm以上1000μm以下が好ましく、より好ましくは10μm以上500μm以下で
あり、さらに好ましくは20μm以上100μm以下である。上記の範囲だと特に、素早い発熱と最適な発熱温度が達成される。
[熱可塑性ホットメルト接着剤層(C1)(C2)]
本発明の熱可塑性ホットメルト接着剤層は、ABS、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリイソブチレン、ポリメチルペンテン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、エチレン/オクテン共重合体などのポリオレフィン、シクロペンタジエンとエチレン及び/又はプロピレンとの共重合体などの環状ポリオレフィン、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/アクリル酸エチル共重合体(EEA)、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体などの極性基が導入されたポリオレフィン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、アクリル酸変性ポリプロピレン、スチレン系エラストマー、ゴムなどの酸変性ポリプロピレンなどがあげられる。好ましくは、ポリアミドである。
本発明の熱可塑性ホットメルト接着剤には、接着性を向上させる為に粘着付与剤などを添加しても良い。主な粘着付与剤は、特に限定されないがフェノール樹脂、変性フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、キシレンフェノール樹脂、シクロペンタジエン−フェノール樹脂、キシレン樹脂、脂肪族系、脂環族系、芳香族系等の石油樹脂、水素添加された脂肪族系、脂環族系、芳香族系等の石油樹脂、フェノール−変性石油樹脂、ロジンエステル樹脂、水素添加されたロジンエステル樹脂、低分子量ポリスチレン系樹脂、テルペン樹脂、水素添加されたテルペン樹脂などの粘着付与樹脂が含まれていることが好ましい。粘着付与樹脂は、単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
本発明の熱可塑性ホットメルト接着剤は、低粘度化するなどの目的でワックスなどを添加しても良い。主なワックスは、特に限定されないが、カルナバワックス、キャンデリアワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、これらのワックスの酸化物、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体等が挙げられる。ワックスは、単独もしくは2種類以上を組み合わせて使用できる。
本発明の熱可塑性ホットメルト接着剤層は、表面にコロナ処理を行うことが好ましく、特に極性が低いポリエチレン、ポリプロピレン等は、コロナ処理面に熱硬化性接着剤を塗布して熱硬化させることで、より強固に接着する。コロナ処理は、熱硬化性接着剤塗工する直前に行ってもコロナ処理を前もって行っておいても差し支えない。
本発明の熱可塑性ホットメルト接着剤層は、フィルム状にしたものを好適に用いることができる。本発明の熱可塑性ホットメルト接着剤層の厚さは、10μm以上500μm以下であることが好ましい。さらに好ましくは20μm以上300μm以下である。熱可塑性ホットメルト接着剤層の厚さが10μm未満又は500μmより厚い場合は、接着不良が発生する場合がある。
熱可塑性ホットメルト接着剤層の添加剤として、必要により各種のものが使用可能である。例えば、着色剤、ブロッキング防止剤、無機フィラー、酸化防止剤、充填剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤や重金属不活性化剤などである。
着色剤としては、赤、青、緑、黄などの慣用公知の着色剤を使用することができ、顔料、染料、色素のいずれでもよく、例えば、モノアゾ系、ジズアゾ系、アゾレーキ系、ベンズイミダゾロン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、縮合アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系、フタロシアニン系、アントラキノン系があり、顔料系はピグメント、ペリレン系、モノアゾ系、縮合アゾ系、イソインドリノン系、酸化チタン、カーボンなどが挙げられる。
ブロッキング防止剤としてはシリコーン、エルカ酸アミドやオレイン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド、ステアリン酸アミドやベヘニン酸アミドなどの飽和脂肪酸アミドなどが挙げられる。
無機フィラーとしては、金属、金属酸化物及び金属水酸化物など粒子、繊維状などが挙げられる。具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、珪酸カルシウム、チタン酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム繊維、フレーク状ガラス、タルク、カオリン、マイカ、ハイドロタルサイト、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、リン酸一水素カルシウム、ワラストナイト、シリカ、ゼオライト、アルミナ、ベーマイト、水酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、アルミナ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、カーボンナノチーブ、グラファイト、銅、銀、アルミニウム、ニッケル、鉄、フッ化カルシウム、雲母、モンモリナイト、アパタイトなどが挙げられる。
酸化防止剤としては、高分子量ヒンダード多価フェノール、トリアジン誘導体、高分子量ヒンダード・フェノール、ジアルキル・フェノール・スルフィド、2,2−メチレン−ビス−(4−メチル−6−第三−ブチルフェノール)、4,4−メチレン−ビス−(2,6−ジ−第三−ブチルフェノール)、2,6−ジ−第三−ブチルフェノール−p−クレゾール、2,5−ジ−第三−ブチルヒドロキノン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノン、ジブチル・ジチオカルバミン酸ニッケル、1−オキシ−3−メチル−4−イソプロピルベンゼン、4,4−ブチリデンビス−(3−メチル−6−第三−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどが挙げられる。
充填剤としては、湿式シリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、モンモリロナイト、マイカ、スメクタイト、有機化モンモリロナイト、有機化マイカ、有機化スメクタイト等が挙げられる。
難燃剤としては、燐含有化合物系難燃剤、ハロゲン含有化合物系難燃剤、スルホン酸金属塩系難燃剤、珪素含有化合物系難燃剤等が挙げられる。
可塑剤としては、フタル酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、脂肪族一塩基酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、テトラヒドロフタル酸エステル系可塑剤、グリコール系可塑剤、及びビスフェノールAアルキレンオキサイド誘導体などが挙げられる。
帯電防止剤としては、プラスチックの帯電防止剤として汎用されているものでよく、具体的には、非イオン界面活性剤(例えば、多価アルコールの脂肪酸エステル、アルキルアミンのエチレンオキサイド付加物、及びアルキルアミンのエチレンオキサイド付加物の脂肪酸エステルなど)、陰イオン界面活性剤(例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩など)、陽イオン界面活性剤(例えば、脂肪族アミン塩、4級アンモニウム塩など)、両性界面活性剤(例えばイミダゾリン型、ベタイン型など)が挙げられる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系化合物及びベンゾエイト系化合物などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤などが挙げられる。
重金属不活性化剤としては、サリチル酸誘導体、ヒドラジド誘導体又はシュウ酸アミド誘導体などが挙げられる。
上記添加剤は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
[熱硬化した接着層(B1)、(B2)]
本発明の接着構造物は、金属層(A)と熱可塑性ホットメルト接着剤層(C1)との間、または金属層(A)と熱可塑性ホットメルト接着剤層(C2)との間に、膜厚や組成等について各々独立に、熱硬化した接着剤層を有していてもよい。熱硬化した接着剤層を有することで、金属層(A)に皺が発生することなく積層体(Y)を製造でき、また、金属層(A)に直接接着することが出来なかったオレフィンなどを熱可塑性ホットメルト接着剤層(C1)または(C2)として利用できるため好ましい。本発明の熱硬化した接着剤層は、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂等の官能基を有する主剤と、硬化剤とをベース樹脂とした熱硬化性接着剤により形成されることが好ましい。
(主剤)
ポリエステル樹脂として、モノマー組成の酸成分としては、例えばジメチルテレフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸などの芳香族二塩基性酸や、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、β−メチルアジピン酸、ピメリン酸、1,6−ヘキサンジカルボン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸などの脂肪族二塩基性酸と、グルコール成分としては、エチレングリール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタジオール、1,5−ペンタジオール、3−メチルペンタジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、水添ビスフェノールA、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのグリコールもしくはその残基形成誘導体もしくはカプロラクトンなどのα,ω−オキシ酸もしくはその残基形成誘導体よりなる飽和二官能性モノマーとを適宜選択して常法により共重合して得ることが可能である。
ポリウレタン樹脂としては、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリマーポリオール等のポリオールとポリイソシアネートからなるイソシアネート化合物を上記ポリオール過剰で反応させて得られるが、上記エーテル系ポリオールとしては、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類、グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類、エチレンジアミン、ブチレンジアミン等のアミン類等からなる活性水素2個以上を有する低分子量活性水素化合物の1種又は2種以上の存在下に、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドの1種又は2種以上を開環重合させて得られる重合体が挙げられる。
上記ポリエステル系ポリオールとしては、例えばアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸等の多塩基性酸と、例えばビスフェノールA、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の多価アルコールとを脱水縮合して得られる重合体、又、例えば、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン等のラクトンの重合体、又、例えば、ひまし油、ひまし油とエチレングリコールの反応生成物等のヒドロキシカルボン酸と上記多価アルコールなどの縮合物が挙げられる。
上記ポリマーポリオールとしては、例えば前記ポリエーテル系ポリオールないしはポリエステル系ポリオールにアクリロニトリル、スチレン、メチル(メタ)アクリレートなどのエチレン性不飽和化合物をグラフト重合させたものや、1,2−もしくは1,4−ポリブタジエンポリオール、又はこれらの水素添加物が挙げられる。
上記ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート類、又、上記ジイソシアネート類の3量体、トリフェニルメタントリイソシアネート等のトリイソシアネート類、又、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等の混合物であるクルードMDIなどが挙げられる。これらのポリイソシアネートは1種類で使用されてもよいが、2種類以上を併用してもよい。
上記水酸基末端ポリウレタンポリマーの水酸基1に対し、イソシアネート化合物のイソシアネート基2〜8となるように配合されて上記接着剤として使用される。
エポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基を2個以上有するものであればよく、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレートエポキシ樹脂、アクリル酸変性エポキシ樹脂(エポキシアクリレート)、リン含有エポキシ樹脂及びこれらハロゲン樹脂(臭素化エポキシ樹脂など)や水素添加物などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。臭素化エポキシ樹脂などは、接着剤に難燃性が要求される場合に、特に有効である。アクリル酸変性エポキシ(エポキシアクリレート)は、感光性を有するため、エポキシ系樹脂組成物に光硬化性を付与するのに有効である。
(硬化剤)
硬化剤としては、主剤の硬化に用い得るものであれば、特に制限なく使用することが可能であるが、例えば、イソシアネート系硬化剤、脂肪族アミン系硬化剤、脂環式アミン系硬化剤、芳香族アミン系硬化剤、酸無水物硬化剤、ジシアンジアミド、三フッ化ホウ素アミン錯塩、イミダゾール化合物などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。硬化剤の配合量は主剤に応じて定めることができる。
熱硬化接着剤層の添加剤としてはシランカップリング剤、酸化防止剤等などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセチルシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトエチルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシランなどが挙げられる。
酸化防止剤としては、上記記載の熱可塑性ホットメルト接着剤層に用いられる酸化防止剤が用いられる。
本発明の熱硬化性接着剤は、各種の溶剤を含有しても良い。例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトンなどのケトン系化合物、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキソランなどの環状エーテル系化合物、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系化合物、トルエン、キシレンなどの芳香族系化合物、カルビトール、セロソルブ、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレンコールモノメチルエーテルなどのアルコール系化合物などが挙げられる。これらは、単独でも使用しても、2種類以上を併用しても良い。
熱硬化した接着剤層の形成方法としては、熱硬化性接着剤を、フィルム状の金属層(A)又はフィルム状の熱可塑性ホットメルト接着剤層に塗工し、乾燥、熱硬化させることが好ましい。また、金属層(A)に皺が発生することを防ぐ観点から、熱硬化性接着剤は熱可塑性ホットメルト接着剤フィルムに塗工して形成することが好ましい。
熱硬化性接着剤を塗工するための装置としては、コンマコーター、ロールナイフコーター、ダイコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター等が挙げられる。熱硬化性接着剤の塗布量は、乾燥膜厚で1〜50μm程度であることが好ましく、2〜25μmがより好ましく、さらに好ましくは2〜10μmである。
熱硬化した接着剤層としては、金属層(A)や熱可塑性ホットメルト接着剤層への密着性、耐熱性、耐水性の面より、主剤としてポリエステル樹脂およびウレタン樹脂を用いることが好ましく、特にポリエステル樹脂が好ましい。また、硬化剤として芳香族系ポリイソシアネート硬化剤を用いることがより好ましい。
<絶縁層>
絶縁層は、PETフィルム,塩化ビニルフィルム,PENフィルムなどを接着剤などで金属層と接着する方法によって、金属層と導電層との間に形成できる。また、絶縁塗料を塗布することによっても、形成することができ、絶縁塗料としては、樹脂を溶剤に溶かしたものが一般的である。
また、絶縁層としてPETフィルムなどを、熱可塑性ホットメルト接着剤層(C2)上に形成する場合には、熱ラミによって形成する事も出来る。
絶縁層の乾燥膜厚は、1〜1,000μm程度であることが好ましく、10〜500μmがより好ましく、さらに好ましくは10〜200μmである。
<パターニングされた導電層>
パターニングされた導電層の形成方法としては、導電性塗料をフォトリソグラフィーする方法、各種印刷によるパターニング方法、導電材料を貼り付ける方法などが挙げられる。
導電性塗料としては、導電性フィラーを樹脂などに分散させた組成物が用いられ、導電性フィラーとしては、銀系,銀・銅複合系,ニッケル系,カーボン系,銅系などが挙げられる。
印刷によるパターニング方法としては、スクリーン印刷、スロットコート、インクジェットなどの方法が採用可能である。
導電層の乾燥膜厚は、1〜1,000μm程度であることが好ましく、5〜500μmがより好ましく、さらに好ましくは50〜200μmである。
また、導電層の外側には、保護層を有することが好ましい。
<被着体(F)>
本発明の被着体は、厚みが0.3mm以上であれば特に限定されず、コンクリート、プラスチック、紙、紙とプラスチックの複合体、金属板、タイル、舗装材、木材、布、皮革、ゴム、ガラス等を適宜用いることができる。
被着体(F)のプラスチックとは、ポリエチレンテレフタレート,ポリエステル、塩化
ビニル、ポリエチレン、ABS、ポリアミド、ポリウレタン、アクリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。
被着体のタイルの材質には、陶磁器、コンクリート、プラスチック、大理石などがある。被着体のタイルが、陶磁器、プラスチック、大理石の場合はプライマー処理は必要ないが、コンクリートの場合プライマー処理が必要になる。コンクリートは前述のコンクリート層の記載と同義である。陶磁器のタイルは、建物の外装や、浴室、洗面所などの内装に、コンクリートのタイルは、歩道の舗装用などに、プラスチックのタイルはPタイルと呼ばれ、オフィスなどの床にそれぞれ用いられる。
本発明の被着体の厚みは、0.3mm以上であるが、さらに望ましくは1mm以上である。また、金属層を効果的に発熱させ、熱可塑性ホットメルト接着剤層を十分に溶融させるためには、電磁誘導加熱により加熱する側の被着体の厚みは500mmよりも薄いことが好ましく、150mm以下であることがより好ましい。被着体の厚みが0.3mm未満の場合は、加熱した時に金属層からの熱が伝わり被着体が溶融する場合がある。被着体厚みが500mmよりも厚い場合電磁誘導加熱装置で金属層を加熱しても加熱しない場合がある。
積層体(Y)は、(1)金属層と可塑性ホットメルト接着剤層とを、熱ラミネーションや電磁誘導加熱により接着して製造する方法、(2)熱可塑性ホットメルト接着剤を加熱した後、ダイ方式、スプレー方式、ロールコーター方式などによって、金属層に直接塗工する方法、(3)熱可塑性ホットメルト接着剤を、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキソフランなどの環状エーテル系化合物、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチルなどのエステル系化合物、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物、カルビトール、セロソルブ、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレンなどのアルコール系化合物等の有機溶剤に溶解した後、金属層に塗工する方法、等によって得ることができる。
金属層と可塑性ホットメルト接着剤層との間に、熱硬化した接着剤層を有している場合は、熱硬化性ホットメルト接着剤層または金属層に、前述の熱硬化性接着剤を塗工し、熱硬化性接着剤が溶剤を含む場合は十分に溶剤を乾燥させ、金属層又は熱可塑性ホットメルト樹脂層を貼り合せた後、熱硬化させることにより、積層体(Y)を得ることができる。
<接着構造物の製造方法、剥離方法>
本発明の接着構造物は、前述の積層体(X)と積層体(Y)、または、積層体(X)と積層体(Y)と被着体(F)とを、熱ラミネーション、電磁誘導加熱法等、公知の接着方法で接着して得ることができる。接着方法は、被着体の有無や被着体の厚みにより適宜選択することができ、本発明の接着構造物は、金属層を有しているため、特に電磁誘導加熱法による接着に適している。
また、接着時と同様にして、コンクリート層または被着体の外側から電磁誘導加熱法を用いることにより、コンクリート層と被着体とを剥がすことができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」および「%」は、「質量部」および「質量%」をそれぞれ表す。
<コンクリートの作製>
(コンクリート1の作製:セメントペースト)
セメント70wt%および水道水30wt%を良く混合した後、木枠に入れ、30日以上静置してコンクリート1を作製した。
(コンクリート2の作製:モルタル)
セメント30wt%および細骨材(砂)50wt%を良く混合した後、水道水20wt%を混ぜて撹拌した後、木枠に入れ30日以上静置してコンクリート2を作製した。
(コンクリート3の作製:コンクリート)
セメント15%、細骨材(砂)30%および粗骨材(砂利)45wt%を良く混合した後、水道水10wt%を混ぜて撹拌した後、木枠に入れ30日以上静置してコンクリート3を作製した。
<プライマーの調整>
(プライマー1の調整:アクリル系)
A剤ハードロックIIDK550−003RA(メタクリル系エステル、デンカ株式会社製)と、B剤ハードロックIIDK550−003RB(メタクリル酸エステル、デンカ株式会社製)と、を質量比で1/1の割合で配合・混合して、プライマー1を調整した。
(プライマー2の調整:エポキシ系)
ShieM−CS プライマー(S)主剤(エポキシ系樹脂 固形分100% 株式会
社ケイ・エフ・シー社製)と、ShieM−CS プライマー(S)硬化剤(エポキシ系樹脂 固形分100% 株式会社ケイ・エフ・シー社製)と、を重量比1/1の割合で配合して、作製した。
<積層体(X)の製造>
(積層体X1〜X7の製造)
表1に示すコンクリートおよびプライマーを用いて、コンクリートの表面をサンダーで十分に研磨を行い、表面のゴミ、コンクリートカスなどを掃除機で取り除いた後、コンクリート上にプライマーを刷毛で塗工し、積層体X1〜X4を得た。プライマー1(アクリル系)は、塗工した後、離型処理したPETフィルムを貼り、空気を遮断することにより嫌気反応を促進し、1週間以上静置して十分に硬化させ、積層体を作製した。プライマー2(エポキシ系)は、塗工した後常温で静置して硬化させた。積層体X5〜X7は、コンクリートの表面をサンダーで十分に研磨を行ったが、プライマーは塗工しなかった。
<熱可塑性ホットメルトフィルムの作製>
押出しラミネーターを用いて、表2に示す熱可塑性ホットメルト接着剤樹脂を、離型処理したPETフィルム(厚み:25μm)に、膜厚を変えて積層し、巻取部で巻取り、HMフィルム1〜6を作製した。以下に加工条件を示した。
押出しラミネーター:ムサシノキカイ製400M/MテストEXTラミネーター
ダイ直下樹脂温度:140〜240℃(樹脂のMFR等により適宜調整した)
加工速度:30m/分
Tダイ幅:400mm
冷却ロール表面温度:20℃
<熱硬化性接着剤の調整>
(熱硬化性接着剤1の調整)
主剤TM−76と硬化剤CAT−RT85とを質量比100/7の割合で配合し、固形分が30%になるように酢酸エチルで希釈した。
・主剤TM−K76(ポリエステル系樹脂 不揮発分51% 東洋モートン(株)社製)・硬化剤:CAT−RT85(ポリイソシアネート 不揮発分70% 東洋モートン(株)社製)
(熱硬化性接着剤2の調整)
主剤LIS−073−50Uと硬化剤CR−001とを質量比17/3の割合で配合し、固形分が30%になるように酢酸エチルで希釈した。
・主剤LIS−073−50U(ウレタン系樹脂 不揮発分30% 東洋モートン(株)社製)
・硬化剤:CR−001(脂肪族系ポリイソシアネート 不揮発分70% 東洋モートン(株)社製)
(導電塗料の調整)
導電塗料(1):トーヨーケム(株)社製REXALPHA RAFS045(トーヨーケム(株)社製 銀ペースト)
(絶縁層の調整)
絶縁層(1):厚さ188μmのPETフィルム
<積層体(Y)の製造>
(積層体Y1の製造)
HMフィルム1と、厚さ20μmアルミ箔とを、表面温度を120℃に加熱した圧着ロールを用いて貼り合せて、片面ホットメルトシート(積層体1)を得た。
(積層体Y2の製造)
HMフィルム1と、厚さ20μmアルミ箔と、HMフィルム1とを、120℃に加熱した圧着ロールを用いて貼り合せて、両面ホットメルトシート(積層体2)を得た。
(積層体Y3の製造)
HMフィルム4に、熱硬化性接着剤1を塗工量が3〜10g/m(Dry)になるようにグラビアコーターで塗工、乾燥し、積層体3aを得た。この時、接着剤の温度は30〜45℃程度に加熱し、乾燥時間は80℃1分とした。
また、HMフィルム1と、厚さ20μmアルミ箔とを、表面温度120℃の圧着ロールを用いて貼り合せ積層体3bを得た。
積層体3aの接着剤層と積層体3bのアルミ箔とを表面温度70℃の圧着ロールで圧着
した。その後、40℃4日間の環境下でエージングを行い、接着剤1を硬化し、両面ホットメルトシート(積層体3)を得た。
(積層体Y4の製造)
HMフィルム1に、熱硬化性接着剤1を塗工量が3〜10g/m(Dry)になるよ
うにグラビアコーターで塗工、乾燥し、積層体4aを得た。この時、接着剤の温度は30〜45℃程度に加熱し、乾燥時間は80℃1分とした。積層体4aの接着剤層と、厚さ20
μmアルミ箔とを、表面温度70℃の圧着ロールで圧着して積層体4bを得た。
同様にして、HMフィルム1のコロナ処理面に、熱硬化性接着剤2を塗工、乾燥し、積層体4cを得た。
積層体4aのアルミ箔面と積層体4cの接着剤層とを表面温度70℃の圧着ロールで圧
着した。その後、40℃4日間の環境下でエージングを行い、接着剤1および2を硬化し、両面ホットメルトシート(積層体4)を得た。
(積層体Y5〜Y11の製造)
表2に記載した構成、材料に変更した以外は、積層体4と同様にして、積層体Y5〜11を製造した。
(積層体Y12の製造)
表3に記載した積層体Y4の熱可塑性ホットメルト接着剤層(C2)の上に、絶縁層(1)の188μm厚のPETフィルムを120℃に加熱した熱ラミで接着し、その上に導電塗料をスクリーン印刷で印刷した。更に保護層として188μmあるのPETフィルムを熱硬化性熱着剤1で接着して積層体Y12を製造した。
<被着体>
被着体F1:プライマー1(アクリル系)を、厚さ2mmのモルタルに塗工した後、離型処理したPETフィルムを貼り、空気を遮断することにより嫌気反応を促進し、1週間以上静置して十分に硬化させ、被着体F1を作製した。
被着体F2:厚さ10mmの木材
被着体F3:厚さ3mmのアクリル板
被着体F4:厚さ5mmのタイル(陶磁器)
被着体F5:プライマー1(アクリル系)を、厚さ5mmのタイル(コンクリート)に塗工した後、離型処理したPETフィルムを貼り、空気を遮断することにより嫌気反応を促進し、1週間以上静置して十分に硬化させ、被着体F5を作製した。
被着体F6:厚さ0.5mmのPEフィルム
被着体F7:厚さ0.5mmの不織布(ポリエステル)
<接着構造物の製造>
[実施例1]
(構造物1の製造)
積層体X1のプライマー層と積層体Y1のHMフィルム層(C1)とが接するようにして、積層体Y1を、積層体X1と厚さ5mmの木板との間に挟み、電磁誘導加熱装置(アキレス社製、オールオーバー接着装置)を木板に押し当てて、37kHzで3秒間加熱し
た。加熱終了後、室温に戻るまで、24時間放置した。
[実施例2]
(構造物2の製造)
積層体X1のプライマー層と積層体Y2のHMフィルム層(C1)とが接し、積層体Y2のHMフィルム層(C2)と被着体F1とが接するようにして、積層体Y2を、積層体X1と被着体F1との間に挟み、電磁誘導加熱装置(アキレス社製、オールオーバー接着装置)を被着体Fに押し当てて、37kHzで3秒間加熱した。加熱終了後、室温に戻る
まで、24時間放置した。
[実施例3〜18、21、比較例1〜3]
(構造物3〜18、21〜23の製造)
表5に示す材料に変更した以外は、構造物2と同様にして、構造物3〜18、21〜24を得た。
[実施例19、20]
(構造物19、20の製造)
表5に示す材料に変更し、電磁誘導加熱時間を3秒間から1秒間に変更した以外は、構造物2と同様にして、構造物19、20を得た。
<接着構造物の評価>
得られた構造物について、コンクリート層と被着体との接着強度を下記方法で評価した。被着体Fのない構造物については、コンクリート層と金属層との接着強度を評価した。結果を表5に示す。
[接着力(通常試験)(JIS K6859準拠)]
接着強度は、引張り試験機(株式会社エー・アンド・エー社製、商品名RTA−100)を用いて、剥離速度300mm/分でせん断強度を測定し(測定温度:23℃、湿度5
0%)、以下の基準で評価した。評価「D」以外であれば、実際の使用時に特に問題はない。
「A」:15N/cm2以上(基材破壊含む)
「B」:10N/cm2以上〜15/cm2未満
「C」: 5N/cm2以上〜10N/cm2未満
「D」: 5N/cm2未満
[剥離試験]
実施例で得られた構造物1〜21について、それぞれ、接着工程と同様の電磁誘導加熱条件で加熱したところ、いずれも容易に被着体より剥離できた。
表5に示すように、本発明の接着構造物は、優れた接着力を示した。特に、プライマー層にアクリル系プライマーを用いた積層体X1、3、4を用い、さらにHM接着剤層にポリアミド(ナイロンベース及びダイマー酸ベース)を用いた場合に、特に優れた接着性を示した(実施例2〜9、11、13〜21)。

Claims (8)

  1. コンクリート層(E)およびプライマー層(D)を有する積層体(X)のプライマー層(D)面と、金属層(A)および熱可塑性ホットメルト接着剤層(C1)を有する積層体(Y)の熱可塑性ホットメルト接着剤層(C1)面と、を接着した接着構造物。
  2. 積層体(Y)において、金属層(A)と、熱可塑性ホットメルト接着剤層(C1)との間に、熱硬化した接着剤層(B1)を有する請求項1に記載の接着構造物。
  3. 積層体(Y)の金属層(A)側に、さらに第2の熱可塑性ホットメルト接着剤層(C2)を有する請求項1または2に記載の接着構造物。
  4. 積層体(Y)において、金属層(A)と、第2の熱可塑性ホットメルト接着剤層(C2)との間に、第2の熱硬化した接着剤層(B2)を有する請求項3に記載の接着構造物。
  5. さらに積層体(Y)の熱可塑性ホットメルト接着剤層(C1)と対向する面の外側に、絶縁層およびパターニングされた導電層を有する請求項1〜4のいずれかに記載の接着構造物。
  6. コンクリート層(E)およびプライマー層(D)を有する積層体(X)のプライマー層(D)面と、金属層(A)および熱可塑性ホットメルト接着剤層(C1)を有する積層体(Y)の熱可塑性ホットメルト接着剤層(C1)面と、を電磁誘導加熱により接着することを特徴とする接着構造物の製造方法。
  7. コンクリート層(E)およびプライマー層(D)を有する積層体(X)のプライマー層(D)面と、厚みが0.3mm以上の被着体(F)とを、
    金属層(A)の片側に熱可塑性ホットメルト接着剤層(C1)を有し、もう一つの片側に第2の熱可塑性ホットメルト接着剤層(C2)を有する積層体(Y)を介して、
    コンクリート層(E)の外側および/または厚みが0.3mm以上の被着体(F)の外側から、電磁誘導加熱により接着することを特徴とする接着構造物の製造方法。
  8. コンクリート層(E)およびプライマー層(D)を有する積層体(X)のプライマー層(D)面と、厚みが0.3mm以上の被着体(F)とが、金属層(A)の片側に熱可塑性ホットメルト接着剤層(C1)を有し、もう一つの片側に第2の熱可塑性ホットメルト接着剤層(C2)を有する積層体(Y)を介して接着した接着構造物を、コンクリート層(E)の外側および/または厚みが0.3mm以上の被着体(F)の外側から、電磁誘導加熱により加熱し、固体状態にある熱可塑性ホットメルト接着剤層(C1)および/または第2の熱可塑性ホットメルト接着剤層(C2)を、軟化ないし溶融させ、コンクリート層(E)と厚みが0.3mm以上の被着体(F)とを剥がす方法。
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