JP2017193151A - 三次元造形装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】枠体の開口部の一部を塞ぎ、所定の方向に移動する移動体を備える三次元造形装置で、開口部の縁部と被覆部材との間に隙間が生じることを抑制することが出来る三次元造形装置を提供する。【解決手段】造形ヘッド10と、開口部90を有する天井枠体31と、造形ヘッド10を保持しつつ、所定の方向であるX軸方向に移動するX軸方向移動体70と、開口部90の縁であるX軸方向縁形成部31aとX軸方向移動体70との間の部分開口部を被覆するX軸移動断熱シート51と、を備え、X軸移動断熱シート51は、移動可能なシート状の部材であり、X軸方向移動体70の移動に応じて、X軸移動断熱シート51における部分開口部を被覆する範囲が変化する。【選択図】図1

Description

本発明は、三次元造形装置に関するものである。
従来、所望の三次元形状をもった立体物(三次元造形物)を、加熱された処理空間内で造形する三次元造形装置が知られている。
例えば、特許文献1には、ヒータによって加熱された製作チャンバー内の空間(処理空間)で、熱溶解積層法(FDM)により三次元造形物を造形する三次元造形装置が開示されている。この三次元造形装置は、製作チャンバー内の押出しヘッド(造形部材)が熱可塑性材料(造形材料)を押し出しながら水平面に沿って二次元方向へ移動する。これにより、プラットホーム(載置台)上に層状の造形構造物を順次積層して、最終的に三次元造形物を造形する。
この三次元造形装置の製作チャンバーの上面部には開口部が形成され、押出しヘッドを保持して移動する移動体(橋部)が開口部の一部を覆い、且つ、所定の方向に移動可能となっている。また、移動体の移動方向における開口部の両側の縁と移動体との間の部分開口部それぞれを被覆するように、変形可能な被覆部材(断熱材)が設けられている。この三次元造形装置では、変形可能な被覆部材が蛇腹構造となっており、移動体の移動に応じて蛇腹構造の被覆部材が伸縮する。これにより、移動体が移動したときに、移動後の移動体が被覆する部分と開口部の縁との間の部分開口部を被覆部材が変形して被覆する。
しかしながら、蛇腹構造は山折りと谷折りとを繰り返す構造であるため、被覆部材の伸縮方向に直交する幅方向の開口部の縁に被覆部材の表面を沿わすことが出来ず、幅方向の端部では、開口部の縁と被覆部材との間に隙間が生じてしまう。このような隙間が生じると、製作チャンバー内で温度が上昇した空気が製作チャンバーの外部に漏れ出てしまう。よって、隙間が生じることを抑制することが求められる。
チャンバーの外部の異物が開口部から内部に侵入することを抑制する被覆部材等、開口部を被覆する被覆部材によって空間的に仕切られた二つの空間の一方から他方への気体の移動を抑制することが求められる被覆部材を備える構成であれば同様に、隙間が生じることを抑制することが求められる。
上述した課題を解決するために、本発明は、三次元造形物を造形する造形手段と、開口部を有する枠体と、前記造形手段を保持しつつ、所定の方向に移動する移動体と、前記開口部の縁と前記移動体との間の部分開口部を被覆する被覆部材と、を備え、前記被覆部材は、移動可能なシート状の部材であり、前記移動体の移動に応じて、前記被覆部材における前記部分開口部を被覆する範囲が変化することを特徴とするものである。
本発明によれば、枠体の開口部の一部を塞ぎ、所定の方向に移動する移動体を備える三次元造形装置で、開口部の縁部と被覆部材との間に隙間が生じることを抑制することが出来るという優れた効果がある。
本実施形態における三次元造形装置の構成を模式的に示す説明図。 本実施形態における三次元造形装置の内部に設けられるチャンバーの外観を示す斜視図。 本実施形態における三次元造形装置の内部に設けられるチャンバーを図2とは異なる方向から見た外観を示す斜視図。 本実施形態における三次元造形装置の図3中の手前部分を切断して除外した状態の斜視図。 本実施形態の三次元造形装置の制御ブロック図。 本実施形態の三次元造形装置が備えるチャンバーの斜視模式図。 X軸移動シート巻き取り部近傍のチャンバーの拡大正面図。 実施例1の三次元造形装置が備えるチャンバーの斜視模式図。 実施例1のチャンバーのX軸移動シート巻き取り部近傍の拡大正面図。 実施例2の三次元造形装置のチャンバーに配置するX軸移動断熱シートを斜め上方から見た斜視説明図。 実施例3の三次元造形装置のチャンバーに配置するX軸移動断熱シートの斜視説明図、(a)は、X軸移動断熱シートの上面に磁性体を設けた構成の説明図、(b)は、X軸移動断熱シートの下面に磁性体を設けた構成の説明図。 実施例4の三次元造形装置のチャンバーに配置するX軸移動断熱シートを斜め上方から見た斜視説明図。 変形例1の三次元造形装置のチャンバーに配置するX軸移動断熱シートを斜め上方から見た斜視説明図。 変形例2の三次元造形装置のチャンバー3の説明図、(a)は、チャンバーの斜視模式図、(b)は、チャンバーの概略側面図。 変形例3の三次元造形装置のチャンバーの斜視模式図。 変形例4の三次元造形装置の造形ヘッド支持構造の斜視模式図。 参考例のチャンバーの説明図、(a)は、上面図、(b)は、A−A断面の断面図、(c)は、B−B断面の断面図。
以下、本発明を、熱溶解積層法(FDM)により三次元造形物を造形する三次元造形装置に適用した一実施形態について説明する。
本発明を適用する三次元造形装置は、熱溶解積層法(FDM)に限定されるものではない。例えば、加熱されたチャンバー内で三次元造形物を造形するものであって、粉末焼結造形法(SLS)などの他の付加製造技術による造形方法で三次元造形物を造形する三次元造形装置にも適用可能である。さらに、除去的な製造方法によって三次元造形物を造形する三次元造形装置にも適用可能である。
図1は、本実施形態における三次元造形装置1の構成を模式的に示す説明図である。
図2は、本実施形態における三次元造形装置1の内部に設けられるチャンバー3の外観を示す斜視図である。
図3は、本実施形態における三次元造形装置1の内部に設けられるチャンバー3を図2とは異なる方向から見た外観を示す斜視図である。
図4は、本実施形態における三次元造形装置1の図3中の手前部分を切断して除外した状態の斜視図である。
三次元造形装置1は、本体フレーム2の内部にチャンバー3を備えている。チャンバー3の内部は、三次元造形物を造形するための処理空間となっており、その処理空間内すなわちチャンバー3の内部には、載置台としてのステージ4が設けられている。このステージ4上に三次元造形物が造形される。
チャンバー3内の処理空間を囲っている壁部は、その大部分又はその全部が断熱機能を有する断熱壁で構成されている。具体的には、チャンバー3の天井壁部は、天井枠体31と、後述する複数の断熱シート(51、61)によって構成されている。また、チャンバー3の側壁部32、すなわち、装置左右方向(図1及び図2中の左右方向=X軸方向)の両壁部は、ガラスウール等を内包した断熱材を内側板と外側板の間に挟み込んだ構造をもつ断熱壁である。また、チャンバー3の底壁部37も、ガラスウール等を内包した断熱材を内側板と外側板の間に挟み込んだ構造をもつ断熱壁である。また、チャンバー3の後壁部34及び前壁部33も、ガラスウール等を内包した断熱材を内側板と外側板の間に挟み込んだ構造をもつ断熱壁である。
チャンバー3の前壁部33には、図2〜図4に示すように、開閉扉35が設けられている。この開閉扉35は、前壁部33と同様に断熱壁を構成するものであり、十分な断熱機能を発揮する構成となっている。さらに、この開閉扉35には、図2〜図4に示すように、窓36が設けられている。この窓36は、空気層を挟み込んだ二重ガラス構造であり、前壁部33と同様に断熱壁を構成するものである。
チャンバー3の各壁部の断熱構成は、必要な断熱機能を発揮できる構成であれば、上述した構成に限られず、あらゆる断熱構成を利用することができる。本実施形態の三次元造形装置1においては、チャンバー3内の処理空間が造形処理時には200[℃]以上の高温になる。このような高温時でもチャンバー3の外部気温がおよそ40[℃]以下に収まるような断熱機能を発揮できる断熱壁であることが好ましい。
チャンバー3の内部におけるステージ4の上方には、造形部材としての造形ヘッド10が設けられている。造形ヘッド10は、その下方に造形材料であるフィラメントを射出する射出ノズル11を有する。本実施形態では、造形ヘッド10に四つの射出ノズル11が設けられているが、射出ノズル11の数は任意である。また、造形ヘッド10には、それぞれの射出ノズル11に供給されるフィラメントを加熱するヘッド加熱部12が設けられている。
フィラメントは、細長いワイヤー形状の固体であり、巻き回された状態で三次元造形装置1にセットされており、フィラメント供給部6により造形ヘッド10の四つの射出ノズル11へそれぞれ供給される。フィラメントは、個々の射出ノズル11ごとに異なるものであってもよいし、同じものであってもよい。本実施形態では、フィラメント供給部6により供給されるフィラメントをヘッド加熱部12で加熱によって軟化し、流動性のある状態のフィラメントを所定の射出ノズル11から押し出すようにして射出する。これにより、ステージ4上に層状の造形構造物を順次積層して、三次元造形物を造形する。
造形ヘッド10が備える射出ノズル11から射出する造形材料としては、三次元造形物を構成するフィラメントのみではなく、三次元造形物を構成しないサポート材も含まれる。このサポート材は、通常、三次元造形物を構成するフィラメントとは異なる材料であり、最終的にはフィラメントで形成された三次元造形物から除去される。このサポート材も、ヘッド加熱部12で加熱によって軟化され、流動性のある状態のサポート材が所定の射出ノズル11から押し出されるように射出されて、層状に順次積層される。
造形ヘッド10は、Y軸移動体連結部材81に保持され、造形ヘッド10及びY軸移動体連結部材81等によりY軸方向移動体80を構成する。
三次元造形装置1は、天井枠体31の上面に装置手前奥方向(図1及び図2中の手前奥方向=Y軸方向)に延びるY軸駆動機構22を備える。Y軸方向移動体80を構成する造形ヘッド10は、Y軸駆動機構22に対して、Y軸移動体連結部材81を介して、Y軸駆動機構22の長手方向(Y軸方向)に沿って移動可能に保持されている。
造形ヘッド10は、Y軸駆動機構22の駆動力により、装置手前奥方向(Y軸方向)へ移動することができる。造形ヘッド10は、ヘッド加熱部12によって加熱されて高温になるため、その熱がY軸駆動機構22に伝わりにくいように、Y軸移動体連結部材81を低伝熱性のものとするのが好ましい。
Y軸方向移動体80は、Y軸駆動機構22を介してX軸移動体連結部材42に保持され、Y軸方向移動体80、Y軸駆動機構22及びX軸移動体連結部材42等によりX軸方向移動体70を構成する。
三次元造形装置1は、天井枠体31の上面に装置左右方向(図1及び図2中の左右方向=X軸方向)に延びるX軸駆動機構21及びX軸方向ガイドレール41を備える。X軸移動体連結部材42のY軸方向の両端部は、X軸駆動機構21及びX軸方向ガイドレール41にそれぞれ保持されている。このような構成により、X軸方向移動体70は、X軸駆動機構21及びX軸方向ガイドレール41に対して、X軸駆動機構21及びX軸方向ガイドレール41の長手方向(X軸方向)に沿って移動可能に保持される。X軸方向移動体70がX軸駆動機構21の駆動力によってX軸方向に沿って移動することにより、Y軸移動体連結部材81及びY軸駆動機構22を介してX軸移動体連結部材42に保持された造形ヘッド10がX軸方向に沿って移動することができる。
X軸方向移動体70は、詳細は後述するY軸移動断熱シート61を保持する移動枠体71を備え、移動枠体71は、移動枠体側壁部71aがX軸移動体連結部材42に固定されている。このような構成により、X軸駆動機構21の駆動力が作用すると、移動枠体71はY軸方向移動体80とともにX軸方向に移動し、Y軸駆動機構22の駆動力が作用すると、移動枠体71は移動せず、Y軸方向移動体80がY軸方向に移動する。
一方、ステージ4は、本体フレーム2に固定され、装置上下方向(図2〜図4中の上下方向=Z軸方向)に延びるZ軸駆動機構23に対し、Z軸駆動機構23の長手方向(Z軸方向)に沿って移動可能に保持されている。ステージ4は、Z軸駆動機構23の駆動力により、装置上下方向(Z軸方向)へ移動することができる。
チャンバー3の内部(処理空間)には、チャンバー3内を加熱する処理空間加熱手段としてのチャンバー用ヒータ7が設けられている。本実施形態の三次元造形装置1では、熱溶解積層法(FDM)で三次元造形物を造形するため、チャンバー3内の温度を目標温度に維持した状態で、造形処理を行うことが望ましい。そのため、本実施形態では、造形処理を開始する前に、予めチャンバー3内の温度を目標温度(例えば200[℃]程度)まで昇温させる予熱処理を行う。チャンバー用ヒータ7は、この予熱処理中には、チャンバー3内を目標温度まで昇温させるためにチャンバー3内を加熱するとともに、造形処理中には、チャンバー3内の温度を目標温度に維持するためにチャンバー3内を加熱する。チャンバー用ヒータ7の動作は、加熱制御手段としての制御部100によって制御される。
上述したように、チャンバー3は、断熱材料によって構成されており、あるいは、断熱材が設けられた部材によって構成されており、チャンバー3内の熱が外部へ逃げることが抑制された構成となっている。
本実施形態の三次元造形装置1では、X軸駆動機構21、Y軸駆動機構22及びZ軸駆動機構23が、チャンバー3の外部に配置されている。よって、X軸駆動機構21、Y軸駆動機構22及びZ軸駆動機構23は、チャンバー3内の高温に曝されず、安定した駆動制御を実現できる。駆動機構の配置としては、X軸駆動機構21、Y軸駆動機構22及びZ軸駆動機構23の全体がチャンバー3の外部に配置される構成に限らず、その一部又はその全体がチャンバー3の内部に配置される構成であってもよい。
本実施形態の三次元造形装置1では、X軸駆動機構21及びY軸駆動機構22の移動対象物は造形ヘッド10である。そして、造形ヘッド10の一部(射出ノズル11及びヘッド加熱部12を含む造形ヘッド10の先端部分)がチャンバー3内に配置されている。本実施形態では、造形ヘッド10をX軸方向へ移動させてもチャンバー3の内部が外部から遮蔽される構成となっている。
具体的には、次のような構成となっている。
すなわち、図1に示すように、造形ヘッド10が貫通するチャンバー3の上面を構成する天井枠体31は、開口部90を有する。また、造形ヘッド10を保持するX軸方向移動体70は、開口部90の一部を覆い、造形ヘッド10が開口部90の内側に位置する範囲でX軸方向に移動する構成である。さらに、X軸方向における開口部90の縁を形成する天井枠体31のX軸方向縁形成部31aとX軸方向移動体70との間の部分開口部を覆うように配置されたX軸移動断熱シート51を備える。そして、X軸方向移動体70の移動により部分開口部の広さが変化すると、X軸方向移動体70の移動に応じて、X軸移動断熱シート51における部分開口部を被覆する範囲が変化する。このため、造形ヘッド10をX軸方向へ移動させるように、造形ヘッド10を保持するX軸方向移動体70をX軸方向に移動させても、チャンバー3の内部が外部から遮蔽される構成を実現できる。
図3は、装置右側(図3中の手前側)のX軸移動断熱シート51を取り外して、開口部90におけるX軸移動断熱シート51が被覆する部分開口部が露出した状態を示しており、この部分開口部を介してチャンバー3の内部のステージ4が露出している。
また、本実施形態では、造形ヘッド10をY軸方向へ移動させてもチャンバー3の内部が外部から遮蔽される構成となっている。
具体的には、次のような構成である。
すなわち、図4に示すように、造形ヘッド10が貫通するチャンバー3の上面部分においては、X軸方向移動体70は、開口部90よりも小さい第二開口部91を有する第二枠体である移動枠体71を備える。また、造形ヘッド10を保持するY軸方向移動体80は、第二開口部91の一部を塞ぎ、造形ヘッド10が第二開口部91の内側に位置する範囲でY軸方向に移動する構成である。さらに、Y軸方向における第二開口部91の縁を形成する移動枠体71の第二移動方向縁形成部であるY軸方向縁形成部71bとY軸方向移動体80との間の部分開口部を覆うように配置されたY軸移動断熱シート61を備える。そして、Y軸方向移動体80の移動により部分開口部の広さが変化すると、Y軸方向移動体80の移動に応じて、Y軸移動断熱シート61における部分開口部を被覆する範囲が変化する。このため、造形ヘッド10をY軸方向へ移動させるように、造形ヘッド10を保持するY軸方向移動体80をY軸方向に移動させても、チャンバー3の内部が外部から遮蔽される構成を実現できる。
チャンバー3の上面は、天井枠体31、X軸移動断熱シート51及びY軸移動断熱シート61により、チャンバー3の内部と外部とを空間的に仕切る仕切り構造45を構成する。
X軸移動断熱シート51及びY軸移動断熱シート61は、耐熱ゴムからなる可撓性のシート部材である。本実施形態では、300[℃]に耐えられる耐熱ゴムを用いているが、耐熱性のシート部材は、チャンバー3内の温度に応じて適宜選択することができる。造形ヘッド10の移動に応じて、開口部90のX軸移動断熱シート51に覆われる範囲及び第二開口部91のY軸移動断熱シート61に覆われる範囲が変化する。このため、造形ヘッド10を水平方向に移動させてもチャンバー3の内部が外部から遮蔽される構成を実現できる。
Z軸駆動機構23の移動対象物はステージ4であり、その移動対象物がチャンバー3内に配置されている。本実施形態では、ステージ4をZ軸方向へ移動させてもチャンバー3の内部が外部から遮蔽される構成となっている。具体的には、チャンバー3の側壁部32には、図2〜図4に示すように、Z軸駆動機構23とステージ4との連結部を貫通させるスライド孔32aがZ軸方向に延びるように形成されている。このスライド孔32aは、断熱材料からなる可撓性のシール部材32bによってシールされている。
Z軸駆動機構23によりステージ4をZ軸方向へ移動させる際、Z軸駆動機構23とステージ4との連結部は、可撓性のシール部材32bを弾性変形させながらスライド孔32aに沿ってZ軸方向へ移動する。よって、チャンバー3の側面に形成されたスライド孔32aは、常にシール部材32bによって覆われる。
そのほか、本実施形態においては、チャンバー3の外部であって三次元造形装置1の内部の空間を冷却させるための装置内冷却装置8、造形ヘッド10の射出ノズル11を清掃するためのノズル清掃部9が設けられている。さらに、造形ヘッド10を冷却するためのヘッド冷却装置30などが設けられている。
図5は、本実施形態の三次元造形装置1の制御ブロック図である。
三次元造形装置1は、Y軸駆動機構22のX軸方向位置(造形ヘッド10のX軸方向位置)を検出するX軸ポジション検出機構24が設けられている。X軸ポジション検出機構24の検出結果は、制御部100に送られる。制御部100は、その検出結果に基づいてX軸駆動機構21を制御することにより、Y軸駆動機構22に保持された造形ヘッド10を目標のX軸方向位置へ移動させる。
また、三次元造形装置1は、造形ヘッド10のY軸方向位置を検出するY軸ポジション検出機構25が設けられている。Y軸ポジション検出機構25の検出結果は、制御部100に送られる。制御部100は、その検出結果に基づいてY軸駆動機構22を制御することにより、造形ヘッド10を目標のY軸方向位置へ移動させる。
また、三次元造形装置1は、ステージ4のZ軸方向位置を検出するZ軸ポジション検出機構26が設けられている。Z軸ポジション検出機構26の検出結果は、制御部100に送られる。制御部100は、その検出結果に基づいてZ軸駆動機構23を制御して、ステージ4を目標のZ軸方向位置へ移動させる。
制御部100は、このようにして造形ヘッド10及びステージ4の移動制御を行うことにより、チャンバー3内における造形ヘッド10とステージ4との相対的な三次元位置を、目標の三次元位置に位置させることができる。
図6は、本実施形態の三次元造形装置1が備えるチャンバー3の斜視模式図である。
図1、図2及び図6に示すように、三次元造形装置1は、チャンバー3の開口部90のX軸方向の両端の外側の天井枠体31には、X軸移動シート巻き取り部50をそれぞれ備える。
X軸方向移動体70のX軸方向の外側にそれぞれ配置された二つのX軸移動断熱シート51は、X軸方向の内側の端部がそれぞれX軸方向移動体70に固定されている。二つのX軸移動断熱シート51は、ロール型シートであり、X軸方向の外側の端部が二つのX軸移動シート巻き取り部50の巻き取り軸にそれぞれ固定されている。
X軸移動シート巻き取り部50は、図6中の矢印Rで示す方向、すなわち、X軸移動断熱シート51を巻き取る方向に巻き取り軸が回転するように付勢力を作用させる付勢手段を備える。付勢手段としては、ぜんまいばねを用いることができるが、これに限るものではない。
このような構成により、二つのX軸移動断熱シート51をX軸方向の外側に向けて引っ張る付勢力を作用させることができ、X軸方向移動体70とX軸移動シート巻き取り部50との間でX軸移動断熱シート51に撓みが生じることを防止できる。
本実施形態では、X軸駆動機構21が駆動してX軸方向移動体70が、例えば、図6中の右側に移動すると、次のような動作が行われる。
すなわち、X軸方向移動体70を挟んで図6中の左側のX軸移動断熱シート51が図6中の左側のX軸移動シート巻き取り部50から天井枠体31の表面に沿って引き出され、引き出し量が増加する。一方、X軸方向移動体70を挟んで図6中の右側のX軸移動断熱シート51は、図6中の右側のX軸移動シート巻き取り部50によって天井枠体31の表面に沿って巻き取られ、引き出し量が減少する。
このように、X軸方向移動体70の移動に応じて、二つのX軸移動断熱シート51の引き出し量がそれぞれ変化し、それぞれのX軸移動断熱シート51が被覆する開口部90の範囲をX軸方向移動体70の移動に応じて変化させることができる。
チャンバーに設けた開口部内を造形ヘッドが移動し、造形ヘッドと開口部の縁との間の部分開口部を断熱材で覆う構成としては、特許文献1に蛇腹構造で変形可能な断熱材を備える構成が記載されている。
図17は、チャンバー3の開口部90における部分開口部を蛇腹構造の断熱材である蛇腹状断熱部材67で覆う参考例のチャンバー3の説明図である。図17(a)は、参考例のチャンバー3の上面図、図17(b)は、図17(a)中のA−A断面における参考例のチャンバー3の断面図、図17(c)は、図17(a)中のB−B断面における参考例のチャンバー3の断面図である。
図17(b)に示すように、蛇腹状断熱部材67は、山折りと谷折りとを繰り返す構造であるため、開口部90を形成する天井枠体31の表面に蛇腹状断熱部材67の表面を沿わすことが出来ない。このため、蛇腹状断熱部材67の伸縮方向(図17(a)及び図17(b)中の左右方向)に直交する幅方向(図17(a)及び図17(c)の上下方向)の端部では天井枠体31と蛇腹状断熱部材67との間に隙間「D」が生じてしまう。
この隙間「D」によってチャンバー3の内部と外部とが連通することを防止するために、図17に示す参考例のように、蛇腹状断熱部材67の幅方向の端部を覆うように蛇腹縁部ガイド68を設けることが考えられる。
しかし、蛇腹状断熱部材67は伸びた状態と縮んだ状態とでは厚み(図17(b)中の上下方向の長さ、図17(b)中の左右方向の長さ)が変化する。このため、蛇腹縁部ガイド68を設ける構成では、蛇腹状断熱部材67の厚みが大きくなる、最も縮んだ状態の蛇腹状断熱部材67を覆うことができる形状とする必要がある。このような形状の場合、図17(b)に示すように、蛇腹状断熱部材67の上下の蛇腹縁部ガイド68との間にそれぞれ隙間「E」及び隙間「D」が形成されてしまう。
仮に、蛇腹状断熱部材67の幅方向の端面を、蛇腹縁部ガイド68の幅方向の内側の側面に接触させることが出来れば、隙間「E」と隙間「D」とが連通せず、チャンバー3の内部と外部とが連通することを防止できる。しかし、蛇腹状断熱部材67を滑らかに伸縮させるためには幅方向の端面と蛇腹縁部ガイド68との間に隙間を設ける必要があり、この隙間を介して隙間「E」と隙間「D」とが連通してしまう。
このため、参考例の構成では、チャンバー3内で高温となった空気が、図17(c)中の矢印Cで示すように、隙間「D」と、蛇腹状断熱部材67の幅方向の端面の隙間と、隙間「E」とを介して、チャンバー3の外部に漏れだしてしまう。これにより、三次元造形物の造形時にチャンバー3内から熱が漏れることで、チャンバー3内の温度が安定せず、造形条件が変化して、高品質の造形を行うことができなくなるおそれがある。
また、X軸駆動機構21、Y軸駆動機構22またはZ軸駆動機構23が、チャンバー3内から漏れ出した空気の高温に曝されて、駆動系の動作が不安定になるおそれがある。
さらに、蛇腹構造では、伸縮動作の際に山折りと谷折りとの折り目の角度が変化するため、伸縮動作を繰り返すと、折り目が磨耗したり、粉塵が生じたりする不具合が生じる。
一方、図1〜図4及び図6に示す本実施形態の三次元造形装置1では、シート状のX軸移動断熱シート51が天井枠体31の表面に沿って引き出される。これにより、X軸移動断熱シート51が天井枠体31に接触した状態でX軸方向にスライドして、天井枠体31における開口部90の幅方向の縁部を形成する幅方向縁形成部31bからX軸移動断熱シート51が離間することを抑制することが可能となる。このため、X軸移動断熱シート51の幅方向端部と天井枠体31との間にチャンバー3の内部と外部とを連通する隙間が形成されることを抑制できる。そして、チャンバー3内で高温となった空気が、チャンバー3の外部に漏れだしてしまうことを抑制でき、チャンバー3内の温度が安定する。よって、造形条件が安定して、高品質の造形を行うことが可能となる。さらに、X軸駆動機構21、Y軸駆動機構22またはZ軸駆動機構23が、チャンバー3内から漏れ出した空気の高温に曝されることを抑制でき、駆動系の動作を安定させることが可能となる。
図4等に示すように、X軸移動断熱シート51の幅方向の端部近傍の下面は、天井枠体31における開口部90の幅方向の縁を形成する幅方向縁形成部31bの表面と対向する。面同士が対向し接触することで、天井枠体31とX軸移動断熱シート51との間に隙間が生じることを抑制することが出来る。
図7は、図6中の右側のX軸移動シート巻き取り部50近傍のチャンバー3の拡大正面図である。図2及び図7に示すように、X軸移動シート巻き取り部50に対してX軸方向の内側にはシート押えローラ52が配置されている。シート押えローラ52によって、X軸移動シート巻き取り部50から引き出されるX軸移動断熱シート51が天井枠体31の上面に接触するように、X軸移動断熱シート51を抑える。これにより、X軸移動断熱シート51の幅方向端部と天井枠体31との間にチャンバー3の内部と外部とを連通する隙間が形成されることをさらに抑制できる。
Y軸移動断熱シート61の幅(X軸方向の長さ)は、X軸移動シート巻き取り部50の幅(Y軸方向の長さ)よりも狭いが、第二開口部91における被覆範囲が変化する構成としてはX軸移動シート巻き取り部50と同様の構成を備えている。このため、Y軸移動断熱シート61の幅方向端部と移動枠体71との間にチャンバー3の内部と外部とを連通する隙間が形成されることを抑制できる。
本実施形態の三次元造形装置1では、造形ヘッド10の移動に応じて開口部90の部分開口部を被覆する範囲が変化する断熱シートとして、X軸移動断熱シート51とY軸移動断熱シート61とを備える。このような構成により、開口部90の内側を二次元的に移動する造形ヘッド10を備える構成で開口部90に隙間が生じることを抑制でき、三次元造形装置1のチャンバー3の密閉性を確保することが可能となる。
造形ヘッド10がX軸方向またはY軸方向の一方向のみに移動する構成の場合は、X軸移動断熱シート51またはY軸移動断熱シート61のみを備える構成とすることができる。
また、造形ヘッド10が二次元的に移動する構成であっても、X軸移動断熱シート51またはY軸移動断熱シート61のうちの一方のみを備える構成としてもよい。この場合、例えば、X軸移動断熱シート51のみを備える構成の場合、本実施形態の三次元造形装置1でY軸移動断熱シート61によって覆われている範囲を蛇腹構造の断熱材等、覆う範囲を変更することができる他の断熱材で覆う構成としてもよい。
本実施形態の三次元造形装置1では、X軸方向移動体70の移動方向における開口部90の両側の縁とX軸方向移動体70との間の部分開口部の両方にそれぞれX軸移動断熱シート51を配置している。X軸移動断熱シート51を備える構成としては、開口部90の両側の縁とX軸方向移動体70との間の二つの部分開口部のうちの一方のみにX軸移動断熱シート51を配置する構成としてもよい。この構成の場合、X軸方向移動体70を挟んで反対側の他方の部分開口部は蛇腹構造の断熱材等、覆う範囲を変更することができる他の断熱材で覆う構成を用いる。このような構成では、天井枠体31の上方の構造物等によってX軸方向の一方の端部にX軸移動シート巻き取り部50を配置することが出来ない場合であっても、他方にのみX軸移動シート巻き取り部50を設け、X軸移動断熱シート51を配置する。これにより、X軸移動断熱シート51で覆われている範囲については、従来の構成よりも、三次元造形装置1のチャンバー3の密閉性を確保することが可能となる。
本実施形態の三次元造形装置1では、X軸移動断熱シート51の移動方向の一端をX軸方向移動体70に固定し、他端が固定されたX軸移動シート巻き取り部50を天井枠体31に固定した構成である。X軸移動断熱シート51の配置としては、移動方向の一端を天井枠体31に固定し、他端が固定されたX軸移動シート巻き取り部50をX軸方向移動体70に固定する構成としてもよい。このような構成であっても本実施形態の三次元造形装置1と同様に、X軸移動断熱シート51の幅方向端部と天井枠体31との間にチャンバー3の内部と外部とを連通する隙間が形成されることを抑制できる。
しかし、本実施形態の三次元造形装置1のように、X軸移動断熱シート51における部分開口部を覆っていない部分を保持するX軸移動シート巻き取り部50を天井枠体31に固定する。この構成では、X軸方向移動体70はX軸移動断熱シート51の一方の端部を保持するのみで、X軸移動断熱シート51の他の部分を保持する構成を備えていないため、X軸方向移動体70の小型化を図ることができる。X軸方向移動体70の小型化により、X軸方向移動体70の駆動負荷が低減し、駆動制御の精度が向上し、造形する三次元造形物の精度の向上を図ることができる。
上述したように、本実施形態の三次元造形装置1は、シート状のX軸移動断熱シート51が天井枠体31の上面に接触しながらX軸方向にスライドするため、X軸移動断熱シート51の幅方向端部と天井枠体31との間に隙間が形成されることを抑制できる。
しかし、X軸移動断熱シート51は自重によって天井枠体31の上面に接触している。このため、稼動時の熱に起因する変形や製造時の誤差によってX軸移動断熱シート51に反りが生じると、X軸移動断熱シート51の幅方向端部が浮き上がり、天井枠体31との間に隙間が形成されるおそれがある。
以下、X軸移動断熱シート51の幅方向端部が浮き上がることを抑制する吸着手段を備えた各実施例について説明する。
〔実施例1〕
図8及び図9は、天井枠体31に吸着手段としての磁石75を配置した実施例1の三次元造形装置1のチャンバー3の説明図である。図8は、実施例1の三次元造形装置1が備えるチャンバー3の斜視模式図であり、図9は、図8中の右側のX軸移動シート巻き取り部50近傍のチャンバー3の拡大小面図である。
実施例1では、開口部90のY軸方向の縁部となる幅方向縁形成部31b(図3及び図4参照)に、X軸方向に延在する板状の磁石75を配置している。一方、X軸移動断熱シート51には。吸着手段として少なくとも幅方向の端部の磁石75と対向する部分に磁性体等の磁石75に吸着する材料を含有させている。
磁石75の磁力によってX軸移動断熱シート51の幅方向の端部が幅方向縁形成部31bに吸着することで密着性が高まり、X軸移動断熱シート51の幅方向端部が浮き上がることを抑制できる。これにより、天井枠体31の幅方向縁形成部31bとX軸移動断熱シート51の幅方向端部との間に隙間が形成されることを抑制できる。
磁石75の吸着力により天井枠体31とX軸移動断熱シート51との間に隙間が発生しないので、開口部90を密封することができ、チャンバー3の内部が外部から断熱される。これにより、チャンバー3の内部の温度を安定化することが出来る。
また、断熱材であるX軸移動断熱シート51は、X軸方向移動体70の移動に応じて部分開口部を被覆する範囲が変化し、隙間を形成しない構成となっている。このため、チャンバー3内の熱が、X軸駆動機構21、Y軸駆動機構22及びZ軸駆動機構23の動作に影響を及ぼすことを抑制することが出来る。
磁石75の磁力としては、X軸移動断熱シート51の素材や自重等により適切な値に設定する。
〔実施例2〕
図10は、実施例2の三次元造形装置1のチャンバー3に配置するX軸移動断熱シート51を斜め上方から見た斜視説明図である。
実施例2の三次元造形装置1のチャンバー3は、実施例1と同様に天井枠体31の開口部90の縁部(幅方向縁形成部31b)に吸着手段としての磁力を有した部材(磁石75)を配置する。そして、X軸移動断熱シート51における幅方向の端部の磁石75と対向し得る部分に、磁性体76を配置した構成である。
実施例2のチャンバー3が備えるX軸移動断熱シート51も実施例1と同様に、X軸移動断熱シート51としてロール型シートを用いている。そして、X軸移動断熱シート51の幅方向(Y軸方向)の両端の縁部に沿って連続的に線状に磁性体76が配置されている。これにより、X軸移動断熱シート51の幅方向の両端の縁部が、チャンバー3の開口部90のY軸方向の縁部となる幅方向縁形成部31bに設けた磁石75に吸着して、X軸移動断熱シート51の幅方向端部が浮き上がることを抑制できる。このため、天井枠体31との間に隙間が形成されることを抑制でき、開口部90を密封し、チャンバー3の内部を外部から断熱することができる。
磁性体76としては、X軸移動断熱シート51の材料に含有させても良いし、X軸移動断熱シート51の表面にテープ状の磁性体を貼り付けてもよい。
チャンバー3に設けた磁石75と対向し得る箇所のみに磁性体76を配置または含有させることで、磁性体76等の吸着手段を備えていないX軸移動断熱シート51に容易に吸着手段を設けることが出来る。
〔実施例3〕
図11は、実施例3の三次元造形装置1のチャンバー3に配置するX軸移動断熱シート51の斜視説明図である。図11(a)は、X軸移動断熱シート51の上面に磁性体76を設けた構成の斜視説明図であり、図11(b)は、X軸移動断熱シート51の下面(天井枠体31と対向する面)に磁性体76を設けた構成の斜視説明図である。
実施例3の三次元造形装置1のチャンバー3は、実施例2と同様に天井枠体31の開口部90の縁部(幅方向縁形成部31b)に吸着手段としての磁力を有した部材(磁石75)を配置する。そして、X軸移動断熱シート51における幅方向の端部の磁石75と対向する部分に対して、X軸移動断熱シート51の移動方向に断続的に磁性体76を配置した構成である。
断続的に配置する吸着手段としては、X軸移動断熱シート51側の磁性体76に限らず、天井枠体31の開口部90の幅方向縁形成部31b側の吸着手段である磁石75をX軸移動断熱シート51の移動方向(X軸方向)に断続的に配置してもよい。
実施例3では、X軸移動断熱シート51または幅方向縁形成部31bに断続的に磁性体76を配置する。実施例2のように、磁性体76を連続的に配置しなくても、実施例3のように配置することで、X軸移動断熱シート51の幅方向幅方向の両端の縁部が、チャンバー3の開口部90のY軸方向の縁部となる幅方向縁形成部31bに吸着する。これにより、X軸移動断熱シート51の幅方向端部が浮き上がることを抑制でき、天井枠体31との間に隙間が形成されることを抑制でき、開口部90を密封し、チャンバー3の内部を外部から断熱することができる。
実施例3のように、断続的に吸着手段を配置することによって低コストで断熱効果を向上することが出来る。
〔実施例4〕
図12は、実施例4の三次元造形装置1のチャンバー3に配置するX軸移動断熱シート51の斜視説明図である。
実施例4の三次元造形装置1のチャンバー3は、実施例2と同様に天井枠体31の開口部90の縁部(幅方向縁形成部31b)に吸着手段としての磁力を有した部材(磁石75)を配置する。
実施例4では、X軸方向移動体70に固定されたX軸移動断熱シート51の端部であるシート先端部51eからのX軸移動断熱シート51における移動方向の距離によって磁石75等の吸着手段が他方を吸着する吸着力が異なる構成である。
具体的には、X軸移動断熱シート51側の吸着手段である磁性体76の幅をシート先端部51eから離れるほど広くなる構成としている。磁性体76の幅が広いほど磁石75との間に作用する吸着力は大きくなるため、X軸移動断熱シート51と幅方向縁形成部31bとの間の吸着力がシート先端部51eから離れるほど大きくなる構成を実現することが出来る。
X軸移動断熱シート51と幅方向縁形成部31bとの間の吸着力が大きいと、X軸方向移動体70とともにX軸移動断熱シート51がX軸方向に移動したときのX軸移動断熱シート51と幅方向縁形成部31bとの間の摺動負荷は大きくなる。
X軸移動断熱シート51におけるX軸方向移動体70に固定されたシート先端部51e近傍は、X軸方向移動体70に押さえられているため、作用する磁力が小さくてもX軸移動断熱シート51の浮き上がりは生じ難い。
実施例4のように、シート先端部51eからの距離が離れるほど、磁性体76の幅を広くすることにより、浮き上がりが生じ難いシート先端部51e近傍の吸着力を小さくし、摺動負荷を抑制できる。また、浮き上がりが生じ易くなるシート先端部51eから離れた部分の吸着力を大きくし、浮き上がりの発生を抑制することができる。
このように実施例4では、X軸方向移動体70の移動時の摺動負荷を抑制しつつ、浮き上がりの発生を抑制することが出来る。
実施例4では、吸着手段である磁性体76の吸着力を、シート先端部51eからの距離によって異ならせたので、X軸移動断熱シート51の変位量によらず適切な吸着力が得られ、浮き上がりの発生を抑制し、断熱効果を改善できる。
上述した各実施例では、吸着手段として磁力を作用させる磁石75及び磁性体76を備える構成について説明したが、同等な効果を有するものであれば、吸着手段としては磁力を用いるものに限るものではない。
〔変形例1〕
図13は、変形例1の三次元造形装置1のチャンバー3に配置するX軸移動断熱シート51を斜め上方から見た斜視説明図である。
上述した実施形態の三次元造形装置1では、一つのX軸移動シート巻き取り部50に一端が固定された一枚のX軸移動断熱シート51は、一枚のシート材からなる構成である。
一方、図13に示す変形例1のX軸移動断熱シート51は、複数枚の短冊状の板状部材51aをX軸移動断熱シート51の移動方向に繋げた構造である。
隣り合う板状部材51aは繋ぎ目を中心に互いに回動可能に組み付けられている。そして、天井枠体31の表面に沿った平板状のX軸移動断熱シート51が板状部材51a同士の繋ぎ目で折れ曲がることにより、X軸移動シート巻き取り部50に巻き取らせることが可能となる。
板状部材51a同士の繋ぎ目で折れ曲がることで巻き取りができる。このため、一つ一つの板状部材51aとしては剛性の高い部材を用いることが可能となる。これにより、天井枠体31の表面に沿って平板状となった部分では、板状部材51aの剛性と相まって幅方向の端部が捲れ上がることを抑制し、天井枠体31とX軸移動断熱シート51との間に隙間が生じることを抑制できる。
また、変形例1のように複数枚の短冊状の板状部材51aを移動方向に繋げた構造のX軸移動断熱シート51を備える構成に対しても上述した各実施例に記載の吸着手段を設けることが可能である。
板状部材51aと幅方向縁形成部31bとの少なくとも一方に他方を吸着する磁石75等の吸着手段を配置することで、板状部材51aの剛性と相まって吸着を確実に行うことが可能となる。
〔変形例2〕
図14は、変形例2の三次元造形装置1のチャンバー3の説明図である。図14(a)は、チャンバー3の斜視模式図であり、図14(b)は、チャンバー3の概略側面図である。図14(a)は、X軸移動断熱シート51を取り外して、開口部90の部分開口部が露出した状態を示しており、開口部90の縁部を形成するX軸方向縁形成部31a及び幅方向縁形成部31bが露出している。
図14に示すように、変形例2のチャンバー3は、X軸移動断熱シート51の移動方向の端部は造形ヘッド10を含むX軸方向移動体70に固定されている。また、天井枠体31は、幅方向(Y軸方向)におけるX軸移動断熱シート51の端部と対向して接触し、X軸移動断熱シート51の移動方向に移動可能な枠体側移動対向部材である枠体側移動シート39を備える。枠体側移動シート39は、幅の狭いロール型シートである。
枠体側移動シート39のX軸方向の両端部は枠体側移動シート巻き取り部38に固定されており、枠体側移動シート39のX軸方向の移動に応じて、二つの枠体側移動シート巻き取り部38の枠体側移動シート39の巻き取り量が変化する。
変形例2では、X軸移動断熱シート51がX軸方向に移動するときに、天井枠体31側の枠体側移動シート39が連れまわる。これにより、X軸移動断熱シート51と天井枠体31との密閉性を維持しつつ、X軸方向移動体70の移動時のX軸移動断熱シート51と天井枠体31との間の摺動負荷を抑制することができる。
また、変形例2のように枠体側移動シート39を備える構成に対しても上述した各実施例に記載の磁石75や磁性体76等の吸着手段を設けることが可能である。この場合、天井枠体31側の吸着手段は、枠体側移動シート39に配置する。これにより、X軸移動断熱シート51と吸着して一緒に連れまわることが可能となるので、吸着手段によって天井枠体31に対してX軸移動断熱シート51が浮き上がることを抑制しつつ、摺擦による吸着手段の磨耗を低減でき、耐久性を向上させることができる。
〔変形例3〕
図15は、変形例3の三次元造形装置1のチャンバー3の斜視模式図である。
図15に示すように、変形例3の三次元造形装置1では、二つのX軸移動断熱シート51をX軸方向の外側に向けて引っ張る付勢力を作用させる構成として、引っ張りスプリング54を備える。変形例3の三次元造形装置1では、X軸移動断熱シート51は、部分開口部を覆う範囲のX軸方向の外側でシート押えローラ52に沿って上方に折り返し、折り返しローラ53に沿って下方に折り返す。そして、下方に折り返した側の端部が引っ張りスプリング54によって図15中の矢印「S」で示す方向に引っ張られ、X軸移動断熱シート51の部分開口部を覆う範囲は、X軸方向の外側に向けて引っ張られる構成となっている。
変形例3では、X軸方向移動体70の移動に応じてシート押えローラ52からX軸方向内側に向けてX軸移動断熱シート51が繰り出される繰り出し量が変化する。また、引っ張りスプリング54によって付勢することで、上述した実施形態と同様に、X軸方向移動体70とX軸移動シート巻き取り部50との間でX軸移動断熱シート51に撓みが生じることを防止できる。
〔変形例4〕
図16は、上述した実施形態のチャンバー3の代わりに、造形ヘッド支持構造43を備える変形例4の三次元造形装置1の造形ヘッド支持構造43の斜視模式図である。
造形ヘッド支持構造43では、天井枠体31と底壁部37とは四本の柱部材44によって接続されており、上述したチャンバー3と異なり、側壁部32、前壁部33及び後壁部34を備えず、側方からステージ4が視認できる構成である。
一方、天井枠体31の開口部90をX軸移動断熱シート51とY軸移動断熱シート61とによって覆い、天井枠体31を挟んで上方の空間と下方の空間とを仕切る仕切り構造45を上述した実施形態のチャンバー3と同様の構成を備える。
変形例4の造形ヘッド支持構造43では、ヘッド加熱部12で生じる熱によって温度が上昇した空気は、ステージ4の側方から外部に漏れ出ることが可能である。しかし、ヘッド加熱部12の上方の開口部90はX軸移動断熱シート51とY軸移動断熱シート61とによって覆われており、これらの断熱シートと天井枠体31との間に隙間が生じることを抑制できる構成である。
このような構成により、ヘッド加熱部12で生じる熱によって温度が上昇した空気が天井枠体31の上方に位置するX軸駆動機構21及びY軸駆動機構22の周囲に到達することを抑制できる。よって、X軸駆動機構21及びY軸駆動機構22が高温に曝されることを抑制でき、安定した駆動制御を実現できる。
X軸移動断熱シート51等の断熱シートとして、可撓性を有するシート状の部材を用いる構成の場合、断熱シートが覆う範囲が狭まる方向にX軸方向移動体70が移動すると断熱シートに撓みが生じるおそれがある。上述した実施形態、各実施例及び各変形例では、ぜんまいばねや引っ張りスプリング54等の付勢手段によって断熱シートを引っ張る方向に付勢することで撓みの発生を防止している。
開口部における部分開口部を被覆するシート状の被覆部材としては、可撓性を有するものに限らず、平板状で変形が生じ難い剛性の高い部材を用いてもよい。このような構成でも、X軸方向移動体70等の移動体の移動方向の一端を移動体に固定することで、移動体の移動に応じて被服部材が部分開口部を被覆する範囲が変化する。また、剛性が高いため、被覆部材が覆う範囲が狭まる方向に移動体が移動しても撓みは生じないため、付勢手段を設けなくても被覆部材の撓みに起因する隙間が生じることを防止できる。
しかし、剛性の高い被覆部材を用いると、被覆部材が開口部に対して移動体の移動方向の外側に大きく突き出してしまい、設置スペースの増大に繋がる。一方、上述した実施形態等では、X軸移動シート巻き取り部50等の巻き取り手段によって可撓性の被覆部材を巻き取る構成とすることにより、被覆部材が開口部に対して移動体の移動方向の外側に大きく突き出すことを抑制し、設置スペースの増大を抑制できる。
上述した実施形態、各実施例及び各変形例では、造形手段である造形ヘッド10が、加熱された造形材料を射出し、ステージ4上に三次元造形物を造形する構成である。造形手段としては、造形材料を射出するものに限るものではない。
上述した仕切り構造は、造形物保持手段に保持された造形材料を切削することによって三次元造形物を造形する構成にも適用可能である。この構成の場合、上述した仕切り構造を備えることにより、造形ヘッド10によって切削された造形材料の粉等が外部に飛散することを抑制することができる。
また、上述した枠体の開口部の部分開口部を断熱シートのような繰り出し量が変化する被覆部材によって覆い、枠体を挟んだ二つの空間を仕切る構成を適用可能な装置は、三次元造形装置に限るものではない。上述したチャンバー3の外部と内部とのような二つの空間を空間的に仕切る仕切り構造を備える装置であれば適用可能である。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
三次元造形物を造形する造形ヘッド10等の造形手段と、開口部90等の開口部を有する天井枠体31等の枠体と、造形手段を保持しつつ、X軸方向等の所定の方向に移動するX軸方向移動体70等の移動体と、開口部の縁(X軸方向縁形成部31a等)と移動体との間の部分開口部を被覆するX軸移動断熱シート51等の被覆部材と、を備え、被覆部材は、移動可能なシート状の部材であり、移動体の移動に応じて、被覆部材における部分開口部を被覆する範囲が変化する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、開口部の縁部と被覆部材との間に隙間が生じることを抑制することが出来る。これは、以下の理由による。
すなわち、態様Aでは、所定の方向における開口部の縁と移動体との間の部分開口部が広がるように移動体が移動する場合には、移動前には部分開口部を被覆しない位置にあった被覆部材の少なくとも一部が部分開口部を被覆する位置に移動する。また、所定の方向における開口部の縁と移動体との間の部分開口部が狭まるように移動体が移動する場合には、移動前には部分開口部を被覆する位置にあった被覆部材の少なくとも一部が部分開口部を被覆しない位置に移動する。このため、移動体の移動に応じて、開口部における被覆範囲を変化させる構成として、被覆部材における部分開口部を被覆する部分を伸縮させるように変形をさせる構成が不要となる。これにより、被覆部材の構造として、山折りと谷折りとを繰り返す蛇腹構造のような開口部の縁に沿うことが出来ない伸縮変形可能な構造が不要となる。よって、シート状の被覆部材の部分開口部を被覆する部分の表面を、開口部の縁に沿わせた形状に維持することができ、開口部の幅方向の縁と被覆部材との間に隙間が生じることを抑制できる。
(態様B)
態様Aにおいて、X軸方向等の所定の方向に直交する幅方向(Y軸方向等)における開口部90等の開口部の縁(幅方向縁形成部31b等)とX軸移動断熱シート51等の被覆部材との少なくとも一方に他方を吸着する磁石75または磁性体76等の吸着手段を備える。
これによれば、上記実施例1について説明したように、開口部の幅方向の縁に対して被覆部材が浮き上がることを抑制し、開口部の幅方向の縁と被覆部材との間に隙間が生じることを抑制できる。実施例1の構成では、チャンバー3の温度の断熱が確実に行われ、チャンバー3内の温度を安定化することが出来ると同時に、チャンバー3内の熱がX軸駆動機構21及びY軸駆動機構22等の駆動機構系の動作に影響を及ぼすことを抑制できる。
(態様C)
態様Bにおいて、X軸方向等の所定の方向に直交する幅方向(Y軸方向等)におけるX軸移動断熱シート51等の被覆部材の端部近傍の表面は、開口部90等の開口部の幅方向の縁(幅方向縁形成部31b等)の表面と対向し、天井枠体31等の枠体に吸着手段である磁石75等の枠体側吸着手段を備え、被覆部材における枠体側吸着手段と対向し得る箇所のみに吸着手段である磁性体76等の被覆部材側吸着手段を備える。
これによれば、上記実施例2について説明したように、吸着手段を備えていないX軸移動断熱シート51に容易に吸着手段を設けることが出来る。
(態様D)
態様BまたはCにおいて、X軸移動断熱シート51等の被覆部材のX軸方向等の所定の方向の一方の端部は、所定の方向における開口部90等の開口部の縁(X軸方向縁形成部31a等)と移動体(X軸方向移動体70等)との一方(X軸方向移動体70等)に固定されており、一方の端部からの被覆部材における所定の方向の距離によって、磁性体76等の吸着手段が他方(X軸方向縁形成部31a等)を吸着する吸着力が異なる。
これによれば、上記実施例4について説明したように、被覆部材の変位量によらず適切な吸着力が得られ、浮き上がりの発生を抑制し、断熱効果を改善できる。
(態様E)
態様Aにおいて、X軸移動断熱シート51等の被覆部材がX軸方向等の所定の方向の一方の端部は、X軸方向移動体70等の移動体に固定され、天井枠体31等の枠体は、被覆部材の幅方向(Y軸方向等)の端部と対向し、所定の方向に移動可能な枠体側移動シート39等の枠体側移動対向部材を備え、枠体側移動対向部材と被覆部材との少なくとも一方に他方を吸着する磁石75や磁性体76等の吸着手段を備える。
これによれば、上記変形例2について説明したように、被覆部材と枠体との密閉性を維持しつつ、移動体の移動時の被覆部材と枠体との間の摺動負荷を抑制することができる。また、吸着手段によって枠体に対して被覆部材が浮き上がることを抑制しつつ、摺擦による吸着手段の磨耗を低減でき、耐久性を向上させることができる。
(態様F)
態様A乃至Eの何れかの態様において、X軸移動断熱シート51等の被覆部材は、X軸方向等の所定の方向における開口部90等の開口部の縁と移動体との少なくとも一方(X軸方向縁形成部31a等)から他方(X軸方向移動体70等)に向けて繰り出される構成であり、被覆部材は、繰り出される量が変化することで、部分開口部を被覆する範囲が変化する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、被覆部材の繰り出し量が移動体の移動に応じて変化し、移動体の移動に応じて、被覆部材における開口部を被覆する範囲が変化する構成を実現できる。
(態様G)
態様Fにおいて、X軸移動断熱シート51等の被覆部材が繰り出される根元側(開口部90のX軸方向の両端の外側の天井枠体31等)に向けて、X軸移動断熱シート51等の被覆部材を引っ張るように付勢するぜんまいばね等の付勢手段を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、被覆部材に撓みが生じることを防止でき、撓みに起因して開口部90等の開口部の幅方向の縁(幅方向縁形成部31b等)と被覆部材との間に隙間が生じることを防止できる。
(態様H)
態様FまたはGの態様において、X軸移動断熱シート51等の被覆部材が繰り出される根元側(開口部90のX軸方向の両端の外側の天井枠体31等)に、被覆部材を巻き取るX軸移動シート巻き取り部50等の巻き取り手段を備え、被覆部材の繰り出し量の変化に応じて、巻き取り手段の巻き取り量が変化する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、被覆部材が開口部90等の開口部に対してX軸方向移動体70等の移動体の移動方向等の所定の方向の外側に大きく突き出すことを抑制し、設置スペースの増大を抑制できる。
(態様I)
態様A乃至Hの何れかに態様において、X軸移動断熱シート51等の被覆部材は複数枚の短冊状の板状部材51a等の板状部材をX軸方向等の所定の方向に繋げた構造である。
これによれば、上記変形例1について説明したように、被覆部材が板状部材同士の繋ぎ目で折れ曲がることで、被覆部材の表面を開口部90等の開口部の縁(天井枠体31等)に沿わせる構成を実現できる。さらに、X軸移動シート巻き取り部50等の巻き取り手段によって被覆部材を巻き取り、移動体の移動に応じて被覆部材の繰り出し量が変化する構成を実現することができる。また、板状部材として剛性が高いものを用いることが可能となり、板状部材によって構成される被覆部材の幅方向の端部等の一部が捲れ上がることを抑制できる。これにより、開口部90等の開口部の幅方向の縁(幅方向縁形成部31b等)と被覆部材との間に隙間が生じることを防止できる。
(態様J)
態様A乃至Iの何れかの態様において、天井壁部、側壁部32、前壁部33、後壁部34及び底壁部37等の壁部材によって内部と外部とを空間的に仕切られたチャンバー3等の筐体と、筐体の内部空間に配置され、三次元造形物を載置する載置面を有するステージ4等の載置台とを備え、造形ヘッド10等の造形手段は加熱によって軟化したフィラメント等の造形材料を射出ノズル11等の射出部より射出することによって層状の造形構造物を載置面の上に順次積層することにより三次元造形物を造形するものであり、造形手段の射出部は筐体の内部空間に位置し、X軸方向移動体70等の移動体を移動させるX軸駆動機構21等の移動体駆動機構は筐体の外部に位置する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、移動体駆動機構が、筐体内から漏れ出した空気等の気体の高温に曝されることを抑制でき、駆動系の動作を安定させることが可能となる。
1 三次元造形装置
2 本体フレーム
3 チャンバー
4 ステージ
6 フィラメント供給部
7 チャンバー用ヒータ
8 装置内冷却装置
9 ノズル清掃部
10 造形ヘッド
11 射出ノズル
12 ヘッド加熱部
21 X軸駆動機構
22 Y軸駆動機構
23 Z軸駆動機構
24 X軸ポジション検出機構
25 Y軸ポジション検出機構
26 Z軸ポジション検出機構
30 ヘッド冷却装置
31 天井枠体
31a X軸方向縁形成部
31b 幅方向縁形成部
32 側壁部
32a スライド孔
32b シール部材
33 前壁部
34 後壁部
35 開閉扉
36 窓
37 底壁部
38 枠体側移動シート巻き取り部
39 枠体側移動シート
41 X軸方向ガイドレール
42 X軸移動体連結部材
43 造形ヘッド支持構造
44 柱部材
45 仕切り構造
50 X軸移動シート巻き取り部
51 X軸移動断熱シート
51a 板状部材
51e シート先端部
52 シート押えローラ
53 折り返しローラ
54 引っ張りスプリング
61 Y軸移動断熱シート
67 蛇腹状断熱部材
68 蛇腹縁部ガイド
70 X軸方向移動体
71 移動枠体
71a 移動枠体側壁部
71b Y軸方向縁形成部
75 磁石
76 磁性体
80 Y軸方向移動体
81 Y軸移動体連結部材
90 開口部
91 第二開口部
100 制御部
特許3995933号

Claims (10)

  1. 三次元造形物を造形する造形手段と、
    開口部を有する枠体と、
    前記造形手段を保持しつつ、所定の方向に移動する移動体と、
    前記開口部の縁と前記移動体との間の部分開口部を被覆する被覆部材と、を備え、
    前記被覆部材は、移動可能なシート状の部材であり、
    前記移動体の移動に応じて、前記被覆部材における前記部分開口部を被覆する範囲が変化することを特徴とする三次元造形装置。
  2. 請求項1の三次元造形装置において、
    前記所定の方向に直交する幅方向における前記開口部の縁と前記被覆部材との少なくとも一方に他方を吸着する吸着手段を備えることを特徴とする三次元造形装置。
  3. 請求項2の三次元造形装置において、
    前記所定の方向に直交する幅方向における前記被覆部材の端部近傍の表面は、前記開口部の前記幅方向の縁の表面と対向し、
    前記枠体に前記吸着手段である枠体側吸着手段を備え、前記被覆部材における前記枠体側吸着手段と対向し得る箇所のみに前記吸着手段である被覆部材側吸着手段を備えることを特徴とする三次元造形装置。
  4. 請求項2または3の三次元造形装置において、
    前記被覆部材の前記所定の方向の一方の端部は、前記所定の方向における前記開口部の縁と前記移動体との一方に固定されており、
    前記一方の端部からの前記被覆部材における前記所定の方向の距離によって、前記吸着手段が前記他方を吸着する吸着力が異なることを特徴とする三次元造形装置。
  5. 請求項1の三次元造形装置において、
    前記被覆部材の前記所定の方向の一方の端部は、前記移動体に固定され、
    前記枠体は、前記被覆部材の前記幅方向の端部と対向し、前記所定の方向に移動可能な枠体側移動対向部材を備え、
    前記枠体側移動対向部材と前記被覆部材との少なくとも一方に他方を吸着する吸着手段を備えることを特徴とする三次元造形装置。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の三次元造形装置において、
    前記被覆部材は、前記所定の方向における前記開口部の縁と前記移動体との少なくとも一方から他方に向けて繰り出される構成であり、
    前記被覆部材は、繰り出される量が変化することで、前記部分開口部を被覆する範囲が変化することを特徴とする三次元造形装置。
  7. 請求項6の三次元造形装置において、
    前記被覆部材が繰り出される根元側に向けて、前記被覆部材を引っ張るように付勢する付勢手段を備えることを特徴とする三次元造形装置。
  8. 請求項6または7の三次元造形装置において、
    前記被覆部材が繰り出される根元側に、前記被覆部材を巻き取る巻き取り手段を備え、
    前記被覆部材の前記繰り出し量の変化に応じて、前記巻き取り手段の巻き取り量が変化することを特徴とする三次元造形装置。
  9. 請求項1乃至8の何れかに記載の三次元造形装置において、
    前記被覆部材は複数枚の短冊状の板状部材を前記所定の方向に繋げた構造であることを特徴とする三次元造形装置。
  10. 請求項1乃至9の何れかに記載の三次元造形装置において、
    壁部材によって内部と外部とを空間的に仕切られた筐体と、
    前記筐体の内部空間に配置され、前記三次元造形物を載置する載置面を有する載置台とを備え、
    前記造形手段は加熱によって軟化した造形材料を射出部より射出することによって層状の造形構造物を前記載置面の上に順次積層することにより前記三次元造形物を造形するものであり、
    前記造形手段の前記射出部は筐体の内部空間に位置し、
    前記移動体を移動させる移動体駆動機構は前記筐体の外部に位置することを特徴とする三次元造形装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108162382A (zh) * 2018-02-27 2018-06-15 厦门光服科技有限公司 一种3d打印机
US11511489B2 (en) 2019-04-22 2022-11-29 Seiko Epson Corporation Three-dimensional shaping device and manufacturing method for three-dimensional shaped article

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