JP2017193087A - タイヤの補修方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】機能性樹脂層で、既使用タイヤのような、加硫済みゴム製品に対して、補修や再加工を行う。【解決手段】シート状機能性樹脂で、既使用タイヤのような加硫済みゴムを覆い、熱圧着することにより、機能性樹脂層を形成する、過加硫を防止に配慮したタイヤの加工方法。【選択図】なし

Description

本発明は、加硫されたゴム表面に耐オゾン性樹脂層を形成する、タイヤの補修方法に関する
加硫済みのタイヤを再加工する技術、方法については、従来から多くの手法が開発および実施されている。特に更生、リトレッドと呼ばれる既使用のタイヤを再生させる技術はよく知られ、実施されている。リトレッドはタイヤのトレッド部を再度形成させるものであるが、特許文献1や2に示すように、リトレッドを行う際にタイヤのサイドウォール部分も含めたタイヤ全体をゴムで被覆することもその延長上の手法といえる。また特許文献3のように液状エラストマーを用いる手法も提案されている。
リトレッドに典型的な未加硫ゴムを張り付け、加硫する手法では、ゴムが加硫するほどの高温高圧で実施する必要がある。リトレッドそのものはゴム層の厚いトレッド部に対して行われるので、高温高圧とはいえ必要十分量の熱量供給であるが、ゴム層の薄いサイドウォール部に対しては、加硫済みのゴムに対して、再度不必要に加硫が進行する、過加硫が懸念される。コールド方式など低温化は進められているが、そもそも本質的にトレッド部とその他の部位で同様の加温加熱は相いれない。
また、薄い未加硫ゴムシートをタイヤ表面に均質に張り付ける作業は煩雑であり、形状が一様でない既使用のタイヤに対してその都度外周全体に均一なゴム被覆を行うことは困難である。工程不良の発生防止には相応の労力やコストが必要となる。さらに1mm程度のシートでもタイヤ全体を被覆する場合には重量増加は無視できず、転がり抵抗やタイヤユニフォミティの悪化、といった問題があった。
各々の形状が異なる既使用タイヤ表面形状への追従性という点では、液状エラストマーを用いる手法もあるが工程、製造装置が複雑になるという問題がある。スプレーなど塗装によりタイヤ表面に被覆層を形成させることも可能であるが、塗膜ではタイヤ表面と十分な密着力を確保することが難しく、特許文献4に示されるように、表面処理を行うなど、工程、コストに加え設備面での負担も大きい。
特開2009−51027号公報 特開平7−246665号公報 特開2002−144442号公報 特開2003−535762号公報
リトレッドのような、未加硫ゴムシートによる既使用タイヤの補修は、トレッド部のような、タイヤそのものの重要部材を交換するに等しい補修であり、シビアなダメージの修復に対して行うものであって、ダメージ回復に有効かつ、相応のコストを始めとする負担を考慮しても、実施するに足る合理性がある。一方で、リトレッドほどではないが、簡便で、コストに見合う効果が得られる補修があれば、利用価値が高い。
例えば、使用している間にオゾンにより、徐々に生じるクラックに対して、クラックを補修し、耐オゾン性保護層を形成して被覆することで、以後はクラックの発生を防止できるということであれば、既使用タイヤの補修として価値が高いものと考えられる。
リトレッドよりは簡便で、タイヤゴム部材への負担を与えず、工程や実施設備の運用や設置にも負担が小さい、加硫済みのタイヤ表面の樹脂層形成の方法であって、特に既使用タイヤに耐オゾン性保護膜を形成する方法を提供する。また、加硫済みタイヤとして、既使用のタイヤに対して実施するため、リトレッドの際に合せて実施できる樹脂層形成方法であることが好ましい。また、リトレッドが複数回実施されることに合せて、同様に複数回の実施が可能である方法であることが好ましい。
各々が異なる形状を持つタイヤ表面の状態に、追従が容易な発泡性樹脂を用いる機能性樹脂層形成方法であって、該樹脂の融点またはガラス転移点が120℃以下のものを用いる、低温加熱で実施可能な、樹脂層形成方法。
すなわち、本発明は次の(1)〜(8)に存する。
(1) 加硫済みのタイヤに対して、表面にシート状に成型された、融点またはガラス転移点が、120℃以下である機能性樹脂を配置し、熱圧処理することでタイヤ表面に機能性樹脂層を形成させることを特徴とするタイヤ加工方法。
(2) 前記加硫済みタイヤが既使用のタイヤであり、熱圧処理をリトレッド工程と同時に行うことを特徴とする(1)に記載のタイヤ加工方法。
(3) 前記加工方法を、タイヤのサイドウォール部に対して行うことを特徴とする(1)または(2)に記載のタイヤ加工方法。
(4) 前記シート状機能性樹脂の25℃での弾性率が、50MPa以下であることを特徴とする(1)〜(3)の何れか1つに記載のタイヤ加工方法。
(5) 前記シート状機能性樹脂が、発泡性樹脂であることを特徴とする(1)〜(4)の何れか1つに記載のタイヤ加工方法。
(6) 前記シート状機能性樹脂が、ポリウレタンフォームであることを特徴とする(1)〜(5)の何れか1項に記載のタイヤ加工方法。
(7) 前記機能性樹脂層の厚みが、10〜500μmであることを特徴とする(1)〜(6)の何れか1つに記載のタイヤ加工方法。
(8) 前記機能性樹脂層が、多層構造を有することを特徴とする(1)〜(7)の何れか1つに記載のタイヤ加工方法。
(1)により、加硫済みのタイヤに、機能性が付与された樹脂層をタイヤ上に形成できる。
(2)により、該樹脂層形成を、リトレッドと同時に行うことで効率化が図られる。
(3)により、該加工方法が、特にサイドウォール部に適していることが示される。
(4)〜(6)により、本発明の、タイヤのゴムにダメージを与えない方法による、樹脂層形成に適した樹脂が規定される。
(7)、(8)により、本発明の方法による樹脂層の好ましい実施態様が示される。
タイヤの部位を示す図である。
本発明のタイヤ加工方法は、加硫済みのタイヤに対して、表面にシート状機能性樹脂を配置し、熱圧処理することでタイヤ表面に機能性樹脂層を形成させることを特徴とする。
機能性樹脂層による保護膜は、ゴムの表面を、外傷を始め、オゾン酸化のような特定の劣化要因から保護することを目的とする。タイヤ製造時に機能性樹脂層を形成する場合は、製造工程の一環として組み込めばよいが、一方で、こういった機能性樹脂層を、既に使用されたタイヤに対して改めて、追加したい場合もある。このような場合、タイヤは既に一旦、加硫されたものであるため、タイヤのゴムに対する加工の自由度は制限される。すなわち、機能性樹脂層に対する接合において、ゴムへの加硫を積極的に利用できない。機能性樹脂層側からのアプローチが必要である。その際、あまり高温高圧といった、厳しい条件で行うと、既に加硫されているタイヤのゴム層に過加硫が起こる懸念があり、過加硫を回避しながら加工を行う必要がある。
既使用のタイヤに対する加工の一つであるから、本発明の加工に関わらず、リトレッドが実施されることは前提とする場合が多い。単に、工程上の都合であれば、いずれにせよ、リトレッドで加熱、加圧が行われるので、その際のエネルギーで実施できることになるが、肉厚で、十分な熱量を必要とするトレッド部に対して、肉薄のサイドウォール部には、上記述べたように過剰な熱量は過加硫を招くため好ましくない。よって、本願発明の機能性樹脂層の形成には、より穏和な条件での加熱で済むような加工方法が望ましい。
機能性樹脂層の形成方法としては、既使用のタイヤを対象とするが、この場合、各々のタイヤは異なった使用履歴を経ているので、表面に生じている傷を始めとする変形要因により、形状はそれぞれ異なっている。しかしながら、全体的な形状としては、寸法が大きく変化するほどの変化が生じているとは言えない。一方で局所的というべき、表層の傷レベルの形状の違いが、各々のタイヤに生じている。
各々の既使用タイヤに生じた形状の違いに、ゴムシートのような補修材料で対応させることは、全体的な形状に対しては容易である。局所的な違いがあっても、全体的には保持している寸法に対し、その形状を覆うような樹脂シートが作成できる。一方で局所的な形状に対応させるのは容易ではなく、特にタイヤ表面に凹部が生じていても、凹みに沿ってゴムシートが追従するわけではないので、凹み部分は気泡となる。熱圧着といった方法で接合しても、凹み部分には結局気泡として残るため、傷は補修されたことにならない。また、例えば熱可塑性樹脂で行っても、気泡からのエアの逃げ場がなければ、凹み部分に熱可塑性樹脂が流れ込むことはできず、やはり凹み部分は残ることとなる。結果として外観上の補修がされたことにしかならない。
一方、ポリウレタンフォームのような発泡性樹脂層を用いれば、適度な可撓性を有しており、既使用タイヤであっても、保持している全体的な寸法に対し、その形状を覆うような樹脂シートが作成できる。外部から押し付けられるように、加圧された場合、フォームであれば、凹みのない部分に対しては、圧力を受けて圧縮されるが、凹みに対しては、圧縮されず形状に合せて、凹みを埋めるように嵌入し追従できる。すなわち、シート状のゴムや熱可塑性エラストマーは、力が加わり圧縮されても、大きな寸法変化は難しい。概してゴムや熱可塑性エラストマーの寸法変化は拡張方向には自由度が大きいが、縮小方向には小さい。発泡性樹脂のシートなら圧縮に対する縮小方向への寸法変化が容易であることにより、凹み部分への追従性に優れる。さらに発泡性樹脂であるから、該樹脂シートには、多数の連通気泡がある。樹脂シートが加熱され可塑性を生じた際に、表層の傷の形状に適合しながら嵌入していくことが可能となる、エアの逃げ道となる。結果として、傷による凹み部分に適合しながら、凹みを埋めていくような補修が可能なため、追従性のある機能性樹脂層が形成できる。
また、発泡性樹脂は、上記の様にあらかじめタイヤ形状に合わせたシート状のものを用意し、被せるだけでなく、例えばポリウレタンフォームの場合には、モノマーを混合した発泡直前の液を塗布して、タイヤ表面で発泡させ、フォームのシートを形成することも可能である。この場合塗布のプロセスと同様の、設備や工程上の負担は生じるが、表面形状への追従性はさらに向上する。塗布による樹脂層形成の問題点は、接着性が十分に得られないことであるが、前記、タイヤ表面上に形成したフォームシートをさらに加圧加熱することで、接着性を向上させることができる。
以上述べてきたように、本発明の加工方法は、ある程度の加熱や加圧を伴う方法であるので、リトレッドよりは穏和な条件で実施されるものの、同時に実施すると効率的である。また、トレッド部はリトレッドにより、更生されているので、むしろ、リトレッドの対象とはならない、サイドウォール部を重点的に、補修対象とすることが合理的である。もちろんトレッド部を除外しなくてもよい。加工の仕方によっては、サイドウォール部からトレッド部まで包括的に行った方が簡便な場合も考えられる。
タイヤ表面に生じている、傷や変形による凹みに嵌入することで接合性を得るため、機能性樹脂層に用いる樹脂は、嵌入が可能な流動挙動を有する必要がある。よって、樹脂に流動挙動が生じる、融点またはガラス転移点に基づいて選択される温度での加熱で、工程を完結させることができる。加硫済みのゴムに過加硫を生じさせないという観点から、融点またはガラス転移点は120℃以下とすることができ、110℃以下が好ましい。一方で、タイヤを使用していれば、相応に熱が発生することも考えると、70℃以上であることが好ましい。
また、加工において、最初にシート状機能性樹脂を装着した際の、傷や変形によるタイヤ表面の凹みへの追従性、熱圧時における融点やガラス転移点での流動性、加工後の使用においてタイヤの変形への追従性を考慮すると、該機能性樹脂の25℃での弾性率は、50MPa以下のものを選択することができ、15MPa以下が好ましい。
以上のような、融点またはガラス転移点、弾性率を考慮すると、シート状機能性樹脂に用いる樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、熱可塑性樹脂、さらにポリウレタン樹脂といった樹脂が挙げられ、特に付与したい機能性という点では、耐オゾン性が、重要な課題として挙げられることから、ポリウレタン樹脂が好ましく、さらに、ポリウレタン樹脂を発泡させた、ポリウレタンフォームとして用いるのが好ましい。
また、加工において、タイヤ表面の凹みに追従させるため、シート状機能性樹脂膜への加圧条件は、上記機能性樹脂の弾性率と、フォームである場合には、その発泡倍率との関係から決められる。0.2〜1.0MPaの範囲とすることができ、0.3〜0.8MPaが好ましい。
本発明における、加硫済みタイヤの加工方法に、機能性樹脂層、特に耐オゾン性樹脂層として用いることができるポリウレタンは、ポリオール成分とポリイソシアネート成分、整泡剤、水を反応させたポリウレタンフォームとして製造したものを用いることができる。
ポリオール成分としては、低分子ポリオールとして、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、エリスリトール、ソルビトールといった化合物群を挙げることができ、高分子ポリオールとして、ポリエーテル系ポリオールとしてポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレントリメチロールプロパンエーテル、ポリオキエチレンソルビトールエーテル、ポリオキシプロピレンビスフェノールAエーテル、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレントリメチロールプロパンエーテル、ポリオキシプロピレンソルビトールエーテル、ポリオキシプロピレンビスフェノールAエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレントリメチロールプロパンエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンソルビトールエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンビスフェノールAエーテルといった化合物群からなる、ポリオキシアルキレン−ポリオールを挙げることができる。また、ポリエステル系ポリオールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパンといった多価アルコールと、フタル酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸といった多価カルボン酸との縮合物であって、末端に水酸基を有するものや、多価アルコールとγ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンといった、環状ラクトンとの開環重合生成物であって、やはり末端に水酸基を有するものが挙げられる。具体的にはポリエチレンアジペートポリオール、ポリブチレンアジペートポリオール、ポリエチレン・ブチレンアジペートポリオール、ポリエチレンテレフタレートポリオールといったものが挙げられる。低分子および/または高分子ポリオール化合物群から少なくとも1種を選んで、用いることができる。
ポリイソシアネートとしては、1分子中に2個以上のイソシアネート基を持つ有機イソシアネートであればよく、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアンート、リジンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、から選ばれる少なくとも1種を用いることができ、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアンート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートのような、芳香族イソシアネートが好ましい。また、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート:MDI及び/又はトリレンジイソシアネート:TDIを用いることが特に好ましい。
整泡剤は適宜、ポリオールやポリイソシアネートに合せて選択することができる。また、発泡剤としては、液化炭酸ガス反応によってガスを発生するものとして、種々の発泡剤があるが、環境負荷が小さく、安価であるという点で、水が好ましい。発泡剤として水を用いる場合、ポリオール成分100質量部に対し、1〜10質量部用いることができ、2〜8質量部が好ましく、2〜5質量部が特に好ましい。水の配合量に合わせて、イソシアネートの配合量を適宜調節する。
ポリウレタンフォームそのものは、圧縮し潰して用いるので、発泡の度合いは圧縮前の状態でもって示すこととなるが、たとえば、発泡前の密度/発泡後の密度で定義される発泡倍率において、10以上、50以下が好ましく、10以上、20以下が特に好ましい。
以上のようにして、形成される耐オゾン性樹脂層を始めとする、機能性樹脂層は付与したい目的にもよるが、機能性樹脂層形成による重量増加や、本発明の加工方法の適用可能条件とも合わせて考慮すると、10〜500μmの厚さに形成することができ、10〜300μmの範囲とするのが好ましい。また、必要に応じて多層構造としてもよい。
また、加硫済みタイヤに対して適用可能な、加工方法であるため、繰返し実施することができる。特にリトレッドと合わせて実施することを考えると、リトレッド自体が複数回実施されることを前提にしているので、当然ながら、本発明の加工方法も、複数回の実施可能であることが好ましい。目的の異なる機能性樹脂層を新たに施工してもよい。2回目以降の加工においては、前回の実施で形成された樹脂層を適宜、溶剤で除去することもできる。また、物理的に研磨や切削により除去してもよい。差支えなければ、そのまま重ねてもよい。
タイヤおよび、その構成となるゴム部材のゴム組成物は、加硫架橋を行う通常のゴム組成物の範囲内であれば、どのようなものに対してであっても適用できる。天然ゴム:NRや、各種処理を施した変性天然ゴム、ジエン系をはじめとする合成ゴムとして、ポリイソプレン:IR、ポリブタジエン:BR、クロロプレン:CR、スチレン−ブタジエンゴム:SBR、ブチルゴム:IIR、アクリロニトリル−ブタジエンゴム:NBR、エチレン−プロピレン−ジエンゴム:EPDM、から選ばれる少なくとも1種以上のゴムの既使用タイヤに適用することができ、天然ゴムやジエン系合成ゴムの既使用タイヤに適用することが好ましい。
ゴム部材には、その他、酸化亜鉛、ステアリン酸、アロマティックオイル、熱可塑性樹脂、硫黄、加硫促進剤、老化防止剤などのゴム薬品が配合され、製造されていたものであってもよい。
次に、実施例、比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに制約されるものではない。
[補修タイヤの製造]
新品タイヤをオゾン層度50ppmの槽内に5日間放置して、サイドウォール部の表面を荒らした、疑似的に既使用状態に模したタイヤに、表1に示す処方にて、ポリウレタンフォームシート、PETフィルムまたはゴムシートを配置し、加熱缶の中にて110℃、0.5MPaで90分間、熱圧着し、表面を補修した実施例1〜3および、比較例1〜4のタイヤを作成した。
[軟化点]
樹脂層に用いた樹脂を、JIS K7206:1999に基づき、荷重9.8Nにてビカット軟化温度試験で測定した。
[耐オゾン性の評価]
上記で作成したタイヤをオゾン濃度50ppmの雰囲気下に72h放置し、表面性状の変化を確認し、以下の基準にて、官能的評価を行った。
0.亀裂なし
1.肉眼では見えないが、10倍の拡大鏡で観察できる亀裂が見られる
2.肉眼で観察できる亀裂が見られる
3.比較的深くて大きい1mm未満の亀裂が見られる
4.深くて大きい1mm〜3mmの亀裂が見られる
5.3mm以上の亀裂または切断を起こしそうなもの
[密着性の評価]
60℃恒温槽中に48h放置したタイヤについて、JIS K5600−5−6に基づき、碁盤目密着試験にて、密着性を評価した。
[伸縮性・追従性の評価]
樹脂層を形成させたゴムサンプルの追従性を、30%屈曲疲労を2Hzで与え50万回後の樹脂層の剥がれ、割れの程度について以下の基準で評価した。
1. 割れ、剥がれ無し
2. 1mm未満の微小な割れ、剥がれが一部に見られる
3. 1mm未満の微小な割れ、剥がれが全体に見られる
4. 1〜3mmの割れ、剥がれが一部に見られる
5. 1〜3mmの割れ、剥がれが全体に見られる
6. 3mm以上の割れ、剥がれが見られる。
Figure 2017193087
*1:エステル型ポリウレタンフォームシート、試作品A
*2:エステル型ポリウレタンフォームシート、試作品B
*3:エステル型ポリウレタンフォームシート、試作品C
*4:エステル型ポリウレタンフォームシート、試作品D
*5:PETフィルム 帝人デュポン G2 75μm
*6:ゴムシート 試験タイヤのサイド部ゴムシートを0.5mm厚にスライスしたもの
樹脂層を形成させた実施例1〜3、比較例1および2ではいずれも耐オゾン性は良好である。ゴム以外の樹脂層がない比較例3と4は当然ながら耐オゾン性は改善されない。さらに条件を満たす樹脂層を用いた実施例1〜3では、形成された樹脂層のタイヤへの密着性および伸縮性・追従性でも良好な結果が得られた。一方で、軟化温度の高いエステル型ポリウレタンフォームシート*4や、PETフィルムやゴムシートは、熱圧処理で十分な接着力が得られないため、密着性や伸縮性・追従性が低い。
本発明を利用すれば、加硫済みタイヤ、特に、既使用のタイヤに対して、比較的容易な工程および穏和な条件で、機能性樹脂層による補修や再加工を行うことができる。
1 トレッド部
2 サイドウォール部

Claims (8)

  1. 加硫済みのタイヤに対して、
    表面にシート状に成型された、融点またはガラス転移点が、120℃以下である機能性樹脂を配置し、
    熱圧処理することで
    タイヤ表面に機能性樹脂層を形成させることを特徴とするタイヤ加工方法。
  2. 前記加硫済みタイヤが既使用のタイヤであり、熱圧処理をリトレッド工程と同時に行うことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ加工方法。
  3. 前記加工方法を、タイヤのサイドウォール部に対して行うことを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ加工方法。
  4. 前記シート状機能性樹脂の25℃での弾性率が、50MPa以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のタイヤ加工方法。
  5. 前記シート状機能性樹脂が、発泡性樹脂であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のタイヤ加工方法。
  6. 前記シート状機能性樹脂が、ポリウレタンフォームであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のタイヤ加工方法。
  7. 前記機能性樹脂層の厚みが、10〜500μmであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のタイヤ加工方法。
  8. 前記機能性樹脂層が、多層構造を有することを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のタイヤ加工方法。
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