JP2017191179A - 光送信器 - Google Patents

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Abstract

【課題】LN変調器のバイアス電圧を制御するための回路基板の収容スペースを小型化する。【解決手段】光送信器1Aは、LN変調器10、変換基板20、及び制御基板30を備える。LN変調器10は、基準電位を規定する導電性筐体と、マッハツェンダ型変調器から出力される出力光の強度を検出する受光素子11とを有する。変換基板20は、受光素子11によって生成された電流信号IS1を一端に受けるコンデンサ22と、コンデンサ22の他端と基準電位線27との間に接続された抵抗素子23とを有する。制御基板30は、変換基板20から出力された電圧信号VS1に基づいてマッハツェンダ型変調器へのバイアス電圧VB1の大きさを制御する制御回路35を有する。変換基板20は、基準電位線27の一部を構成する導電膜を第1基板面に有し、導電膜が導電性筐体に直接若しくは導電性部材を介して接触した状態で導電性筐体に固定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、光送信器に関する。
特許文献1には、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)またはDQPSK(Differential QPSK)を利用した光通信に用いられる光送信器が開示されている。この光送信器では、変調器の内部に受光器が設けられており、受光器により生成されるモニタ信号のパワーを最小化するように、変調器内部の増幅器の利得が調整される。
特開2007−208472号公報
Pak S. Cho et al., "Closed-Loop Bias Control of Optical QuadratureModulator", IEEE Photonics Technology Letters, Vol. 18, No. 21, November 1,2006 Norikazu Miyazaki et al., "LiNbO3 Optical IntensityModulator Packaged with Monitor Photodiode", IEEE Photonics Technology Letters,Vol. 13, No. 5, pp.442-444, May, 2001
近年の光通信方式として、光の偏波、位相及び振幅を相互に組み合わせた変調方式(いわゆるコヒーレント方式)が知られている。コヒーレント方式では、光の位相情報が伝送に利用される。また、信号光と局発光との位相差における0°成分と90°成分の信号強度に対して、それぞれ1又は0の状態を作成及び検知し、この作成及び検知を二つの偏光成分について行うことによって、従来の”0”と”1”の2値による強度変調(On-Off Keying)の4倍の伝送容量を確保することができる。この方式は、DP−QPSK(Dual Polarization Quadrature Phase Shift Keying)と呼ばれる。
コヒーレント方式においては、レーザ光(CW光)を変調するための変調器として例えばMZ(Mach-Zender)変調器が用いられる。MZ変調器は一対のアーム導波路(光導波路)を有しており、それぞれのアーム導波路の光学特性の均一化が容易となっている。そして、MZ変調器の母材として光透過材料であるニオブ酸リチウム(Lithium Niobate、LN)を用いた場合には、光学ロスを小さくして低損失にMZ変調器を構成できる。また、InP等の半導体変調器と比較して、より高速な動作を可能にできる。
LN変調器には、一度設定した動作点を示すバイアス電圧が温度変化、経時変化等によりドリフト(変化)するという性質がある。このため、長時間に亘って安定した信号伝送を行う為には、変調後の光をモニタしながらバイアス電圧を制御することが必要となる。従って、光送信器等において、バイアス電圧を制御するための回路を搭載した回路基板がLN変調器の周辺に配置される。
一方、近年において、CFP(100G Form-factor Pluggable)と称される光トランシーバ(光送受信器)が、業界標準(CFPMSA規格)によって規格化されている。CFP MSA規格に準拠する光トランシーバでは、ハウジング(筐体)の大きさがMSA規格によって定められており、決められた大きさのハウジングの中に多数の部品を収容・配置する必要がある。また、上述したLN変調器は、適切な変調度とすべく長い光路を内部に形成する必要があるので、その外形は細長い形状となっている。このようなLN変調器も上記のハウジングの内部に搭載しなければならない。故に、LN変調器の周辺に配置される回路基板には、収容スペースの小型化のための工夫が求められる。CFPよりも小型のCFP2(横幅がCFPの1/2)、CFP4(横幅がCFPの1/4)といったMSA規格においては尚更である。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、LN変調器のバイアス電圧を制御するための回路基板の収容スペースを小型化することが可能な光送信器を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明の一実施形態に係る光送信器は、マッハツェンダ型変調器を収容し基準電位を規定する導電性筐体と、導電性筐体に収容されてマッハツェンダ型変調器から出力される出力光の強度を検出する受光素子と、受光素子によって生成された電流信号を出力する第1出力端子と、を有するLN変調器と、第1出力端子と電気的に接続されて電流信号を受ける第1入力端子と、第1入力端子に一端が接続されたコンデンサと、コンデンサの他端と基準電位線との間に接続された抵抗素子と、コンデンサの他端に接続された第2出力端子と、を有する変換基板と、第2出力端子と電気的に接続されて変換基板から出力された電圧信号を受ける第2入力端子、及び第2入力端子に接続されて電圧信号に基づいてマッハツェンダ型変調器へのバイアス電圧の大きさを制御する回路を有する制御基板と、を備え、変換基板は、基準電位線の一部を構成する導電膜を第1基板面に有し、導電膜が導電性筐体に直接若しくは導電性部材を介して接触した状態で導電性筐体に固定されている。
本発明による光送信器によれば、LN変調器のバイアス電圧を制御するための回路基板の収容スペースを小型化することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る光送信器の構成を概略的に示す図である。 図2は、LN変調器の内部構成を示す図である。 図3は、LN変調器と、LN変調器の出力ポートに接続される光ファイバと、LN変調器の入力ポートに接続される光ファイバとを示す斜視図である。 図4は、LN変調器にFPCが取り付けられた様子を示す斜視図である。 図5は、LN変調器、変換基板、及び制御基板の具体的な配置例を示す斜視図である。 図6は、図5に示されたVI−VI線に沿った断面図である。 図7は、第1変形例に係る光送信器を示す斜視図である。 図8は、第2変形例に係る光送信器の構成を示す図である。 図9は、第2変形例に係る別の光送信器の構成を示す図である。 図10は、フェライトビーズインダクタの特性例を示すグラフである。 図11は、実施例において用いられた計測回路を示す図である。 図12(a)及び図12(b)は、スペクトラムアナライザの出力波形を示すグラフである。 図13(a)及び図13(b)は、スペクトラムアナライザの出力波形を示すグラフである。 図14は、スペクトラムアナライザの出力波形を示すグラフである。 図15は、電流信号の振幅と、高周波増幅器から出力される電圧信号との比較の結果を示すグラフである。 図16は、比較例に係る光送信器の構成を示す図である。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の一実施形態に係る光送信器は、マッハツェンダ型変調器を収容し基準電位を規定する導電性筐体と、導電性筐体に収容されてマッハツェンダ型変調器から出力される出力光の強度を検出する受光素子と、受光素子によって生成された電流信号を出力する第1出力端子と、を有するLN変調器と、第1出力端子と電気的に接続されて電流信号を受ける第1入力端子と、第1入力端子に一端が接続されたコンデンサと、コンデンサの他端と基準電位線との間に接続された抵抗素子と、コンデンサの他端に接続された第2出力端子と、を有する変換基板と、第2出力端子と電気的に接続されて変換基板から出力された電圧信号を受ける第2入力端子、及び第2入力端子に接続されて電圧信号に基づいてマッハツェンダ型変調器へのバイアス電圧の大きさを制御する回路を有する制御基板と、を備え、変換基板は、基準電位線の一部を構成する導電膜を第1基板面に有し、導電膜が導電性筐体に直接若しくは導電性部材を介して接触した状態で導電性筐体に固定されている。
この光送信器では、LN変調器を構成するマッハツェンダ型変調器及び受光素子が導電性筐体に収容されており、受光素子は、マッハツェンダ型変調器から出力される出力光の強度を検出する。受光素子から出力された電流信号はコンデンサに達し、その高周波成分のみがコンデンサを通過する。そして、高周波成分は抵抗素子によって電圧信号に変換される。電圧信号はバイアス電圧の大きさを制御する回路に入力され、該回路は、この電圧信号に基づいてバイアス電圧の大きさを制御する。
例えば、上記の動作を実現するために、コンデンサ及び抵抗素子と、バイアス電圧の大きさを制御する回路とを、共通の回路基板に設けることも考えられる。そして、この回路基板の基準電位(GND)とLN変調器の基準電位とを厳密に合致させるために、基準電位線の一部を構成する導電膜をこの回路基板に形成し、導電膜がLN変調器の導電性筐体に直接若しくは導電性部材を介して接触した状態で、回路基板を導電性筐体に固定させることが考えられる。しかしながらそのような構成では、回路基板の平面形状がLN変調器の導電性筐体の平面形状よりも大きくなり過ぎ、光送信器におけるLN変調器用の搭載スペースから大きくはみ出してしまう。従って、CFP規格等の小さなハウジングに収容することが困難となるおそれがある。
これに対し、上記の光送信器では、バイアス電圧の大きさを制御する回路を有する制御基板とは別に、変換基板が設けられている。変換基板は、電流信号を電圧信号に変換するためのコンデンサ及び抵抗素子を有する。そして、この変換基板が、基準電位線の一部を構成する導電膜を第1基板面に有し、この導電膜が導電性筐体に直接若しくは導電性部材を介して接触した状態で導電性筐体に固定されている。
電流信号を電圧信号に変換する回路の基準電位がLN変調器の基準電位に対して変動すると、信号レベルの変動としてその影響が大きく現れる。しかし、電圧信号に変換した後の回路においては、LN変調器の基準電位に対してその基準電位が変動しても信号レベルに大きな影響はない。従って、上記の光送信器のようにコンデンサ及び抵抗素子を変換基板に配置し、変換基板の基準電位をLN変調器の基準電位と厳密に合致させておくことにより、信号レベルの変動を効果的に抑えることが可能となる。また、LN変調器のバイアス電圧を制御するための回路基板を変換基板及び制御基板といった2つの基板に分割することによって、回路基板の配置の自由度が高まり、回路基板の収容スペースを小型化することができる。
上記の光送信器では、コンデンサ及び抵抗素子は、変換基板の第1基板面とは反対の第2基板面上に配置されており、導電膜は、第1基板面の法線方向から見た平面形状がコンデンサ及び抵抗素子を包含するように形成されてもよい。これにより、コンデンサ及び抵抗素子に接続される基準電位線の電位を、LN変調器の基準電位と更に厳密に合致させることができる。
上記の光送信器は、LN変調器に固定された一端部と、変換基板に固定された他端部とを有し、第1出力端子と第1入力端子とを電気的に接続する第1のフレキシブルプリント基板を更に備え、導電性筐体は、法線方向が互いに交差する第1面及び第2面を有し、第1出力端子が第1面に設けられ、変換基板の第1基板面と第2面とが互いに対向してもよい。例えばこのような構成によって、変換基板を導電性筐体に固定しつつ、変換基板の第1入力端子とLN変調器の第1出力端子とを接続することができる。
上記の光送信器は、変換基板に固定された一端部と、制御基板に固定された他端部とを有し、第2出力端子と第2入力端子とを電気的に接続する第2のフレキシブルプリント基板を更に備えてもよい。例えばこのような構成によって、制御基板と変換基板との相対的な配置の自由度を高めることができる。
上記の光送信器は、LN変調器に固定された一端部と、変換基板に固定された他端部とを有し、第1出力端子と第1入力端子とを電気的に接続する第1のフレキシブルプリント基板と、変換基板に固定された一端部と、制御基板に固定された他端部とを有し、第2出力端子と第2入力端子とを電気的に接続する第2のフレキシブルプリント基板と、を更に備え、第1のフレキシブルプリント基板の長さは第2のフレキシブルプリント基板の長さよりも短くてもよい。これにより、電流信号のレベルの変動を小さく抑えることができる。
上記の光送信器では、変換基板が、第1入力端子と抵抗素子との間に接続されたフェライトビーズインダクタを更に有してもよい。これにより、電流信号に含まれるノイズを効果的に除去することができる。
上記の光送信器では、制御基板が、バイアス電圧の大きさを制御する回路と第2入力端子との間に接続された、第1のカットオフ周波数よりも低い周波数成分を通過させるローパスフィルタ回路を更に有してもよい。これにより、電圧信号に含まれるノイズを効果的に除去することができる。
上記の光送信器では、第1のカットオフ周波数が、コンデンサの容量値と抵抗素子の抵抗値とによって決まる第2のカットオフ周波数よりも高くてもよい。
[本願発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る光送信器の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る光送信器1Aの構成を概略的に示す図である。図1に示されるように、この光送信器1Aは、LN変調器10、変換基板20、制御基板30、第1のフレキシブルプリント基板(FPC)40、第2のFPC50、及び第3のFPC60を備えている。なお、光送信器1Aは、光トランシーバ(光送受信器)において、電気信号を光信号に変換する送信部として構成されても良い。
LN変調器10は、マッハツェンダ型変調器(以下、MZ変調器とする)と、MZ変調器から出力される出力光の強度を検出する受光素子11と、受光素子11によって生成された電流信号IS1を出力する出力端子12(第1出力端子)とを有する。なお、LN変調器10の詳細な構成については後述する。
変換基板20は、電気部品を搭載するプリント回路基板であって、入力端子21(第1入力端子)、コンデンサ22、抵抗素子23、出力端子24(第2出力端子)、及び出力端子25を有する。プリント回路基板には、端子間や部品間を電気的に接続するための複数のプリント配線が形成されている。入力端子21は、FPC40を介して出力端子12と電気的に接続されており、電流信号IS1を受ける。コンデンサ22の一端(一方の電極)は、プリント配線を介して入力端子21に接続されている。コンデンサ22は、電流信号IS1に含まれる高周波成分を通過させ、低周波成分を遮断する。抵抗素子23は、プリント配線を介して、コンデンサ22の他端(他方の電極)と基準電位線27との間に接続されている。抵抗素子23は、コンデンサ22を通過した高周波成分の大きさ(振幅)に応じた両端間電圧を発生する。これにより、電流信号IS1の高周波成分の大きさ(振幅)に相当する電圧信号VS1が生成される。すなわち、電流信号IS1は、コンデンサ22を介して抵抗素子23によって電圧信号VS1に変換される。
出力端子24は、プリント配線を介してコンデンサ22の他端(より詳しくは、コンデンサ22の他端と抵抗素子23との間のノード)に接続されており、電圧信号VS1を出力する。出力端子25は、プリント配線を介して、入力端子21とコンデンサ22との間のノードに接続されており、電流信号IS1の低周波成分(電流IS2)を出力する。なお、変換基板20は、基準電位線27に接続された端子26を更に有しており、端子26は、FPC40を介してLN変調器10の出力端子12とは別の端子13に接続されている。端子13は、LN変調器10の基準電位を出力する。
制御基板30は、電気部品を搭載するプリント回路基板であって、その面積は変換基板20の面積よりも大きい。制御基板30は、入力端子31(第2入力端子)、入力端子32、抵抗素子33及び34、制御回路35、並びに出力端子36を有する。入力端子31は、FPC50を介して変換基板20の出力端子24と電気的に接続され、変換基板20から出力された電圧信号VS1を受ける。入力端子32は、FPC50を介して変換基板20の出力端子25と電気的に接続され、変換基板20から電流IS2を受ける。抵抗素子33及び34は、入力端子32と基準電位線37との間に直列に接続されており、それぞれの抵抗値の比に応じて電流IS2を電圧信号VS2に変換する。
制御回路35は、プリント配線を介して入力端子31に接続され、また、抵抗素子33と抵抗素子34との間のノードに接続されている。制御回路35は、電圧信号VS1及びVS2に基づいて、LN変調器10のMZ変調器に印加されるバイアス電圧VB1の大きさを制御する。具体的には、制御回路35は、高周波増幅器35a、高周波電力計35b、A/D変換器35c及び35d、演算部35e、D/A変換器35f、及び増幅器35gを有する。
高周波増幅器35aは、入力端子31から電圧信号VS1を受け、増幅して出力する。高周波電力計35bは、増幅後の電圧信号VS1の大きさ(振幅)を計測して、その大きさ(振幅)に応じたアナログ信号S1を出力する。A/D変換器35cは、アナログ信号S1をディジタル信号D1に変換する。A/D変換器35dは、電圧信号VS2をディジタル信号D2に変換する。
演算部35eは、ディジタル信号D1及びD2に基づいて、適切なバイアス電圧VB1の大きさを算出する。演算部35eは、適切なバイアス電圧VB1の大きさを示すディジタル信号D3を出力する。D/A変換器35fは、ディジタル信号D3をアナログ信号S2に変換する。増幅器35gは、アナログ信号S2を増幅することによってバイアス電圧VB1を生成する。このバイアス電圧VB1は、出力端子36からFPC60を介してLN変調器10の入力端子14に入力される。なお、増幅器35gは、信号増幅をしない電圧フォロワやエミッタフォロワ等の回路であっても良い。
なお、制御基板30は、出力端子38を更に有する。出力端子38は、FPC60を介してLN変調器10の入力端子15と電気的に接続されている。入力端子15は受光素子11のカソードに接続されており、出力端子38は、受光素子11の動作に必要なバイアス電圧VB2を提供する。
FPC40は、LN変調器10に固定された一端部と、変換基板20に固定された他端部とを有する。FPC40は、LN変調器10の出力端子12と、変換基板20の入力端子21とを接続するための配線41を有する。更に、FPC40は、LN変調器10の端子13と、変換基板20の端子26とを電気的に接続するための配線42を有する。FPC50は、変換基板20に固定された一端部と、制御基板30に固定された他端部とを有する。FPC50は、変換基板20の出力端子24と、制御基板30の入力端子31とを電気的に接続するための配線51を有する。更に、FPC50は、変換基板20の出力端子25と、制御基板30の入力端子32とを電気的に接続するための配線52を有する。FPC60は、制御基板30に固定された一端部と、LN変調器10に固定された他端部とを有する。FPC60は、制御基板30の出力端子36と、LN変調器10の入力端子14とを電気的に接続するための配線61を有する。更に、FPC60は、制御基板30の出力端子38と、LN変調器10の入力端子15とを電気的に接続するための配線62を有する。
ここで、図2は、LN変調器10の内部構成を示す図である。LN変調器10は、X偏波の変調信号(以下、「X側変調信号」という。)およびY偏波の変調信号(以下、「Y側変調信号」という。)を生成するDP−QPSK変調器(偏波多重多値位相変調器)である。図2に示されるように、LN変調器10は、前述した受光素子11に加えて、MZ変調器16,17と、光分岐素子18と、偏波合成素子19とを更に有する。このLN変調器10は、X側変調信号とY側変調信号とを偏波多重した偏波多重光信号を光導波路wg6を介して外部へ送信する。
LN変調器10では、図示しないレーザダイオード等の光源から、所定の周波数の光が、光導波路wg1を介して光分岐素子18に向けて出射される。この光は、例えば単一偏波を有する光である。光分岐素子18は、光導波路wg1とMZ変調器16,17との間に設けられ、光源から出射された光を互いにパワーの等しい2つの光(X光およびY光)に分配する。そして、光分岐素子18は、光導波路wg2を介してMZ変調器16にX光を出力し、光導波路wg3を介してMZ変調器17にY光を出力する。X光とY光は、光分岐素子18によって分岐される前の光と同じ偏波面を保持している。すなわち、X光とY光とは同じ偏波面を有する。
MZ変調器16は、入力されたX光に対してQPSK変調を行ってX側変調信号を生成する。そして、MZ変調器16は、X側変調信号を光導波路wg4を介して偏波合成素子19に出力する。MZ変調器17は、入力されたY光に対してQPSK変調を行ってY側変調信号を生成する。そして、MZ変調器17は、Y側変調信号を光導波路wg5を介して偏波合成素子19に出力する。
偏波合成素子19は、光導波路wg4上に設けられた図示しない偏波回転素子によって90°偏波回転されたX側変調信号と、MZ変調器17において生成されたY側変調信号とを合波して、偏波多重光信号として光導波路wg6を介して外部に出力する。なお、90°偏波回転の操作は、光導波路wg4の代わりに光導波路wg5にて、X側変調信号の代わりにY側変調信号に対して行っても良い。
MZ変調器16は、それぞれが一対の光導波路を含む子変調器16a,16bと、それらの子変調器16a,16bを一対の光導波路に含む親変調器とが入れ子となって構成されている。これらの子変調器16a,16bを構成する光導波路上には図示しない電極が設けられる。そして、子変調器16aを通過するX光の位相と、子変調器16bを通過するX光の位相とを90°異ならせるためのバイアス電圧が該電極を通じて印加され、更に、データ信号に基づいて生成された変調器駆動用の差動電圧信号が印加される。子変調器16a,16bをそれぞれ通過したX光は合波され、X側変調信号として光導波路wg4を介して偏波合成素子19に出力される。
MZ変調器17は、それぞれが一対の光導波路を含む子変調器17a,17bと、それらの子変調器17a,17bを一対の光導波路に含む親変調器とが入れ子となって構成されている。これらの子変調器17a,17bを構成する光導波路上には図示しない電極が設けられる。そして、子変調器17aを通過するY光の位相と、子変調器17bを通過するY光の位相とを90°異ならせるためのバイアス電圧が該電極を通じて印加され、更に、データ信号に基づいて生成された変調器駆動用の差動電圧信号が印加される。子変調器17a,17bをそれぞれ通過したY光は合波され、Y側変調信号として光導波路wg5を介して偏波合成素子19に出力される。
また、MZ変調器16,17の親変調器を構成する光導波路上にも、図示しない電極が設けられる。そして、MZ変調器16を通過するX光の位相と、MZ変調器17を通過するY光の位相とを調整するためのバイアス電圧が該電極を通じて印加される。
さらに、MZ変調器17は、光導波路wg5の入力端にY側変調信号を出力するとともに、光導波路wg5外にY側変調信号の反転光(Y側変調信号と位相が180°異なる光)を出力する。より詳細には、子変調器17aから出力された光と子変調器17bから出力された光とが同じ位相を持つ場合(位相差が0°の場合)は、それぞれの光が合波された光は全てY側変調信号として光導波路wg5に出力され、反転光は出力されない。反対に、子変調器17aから出力された光と子変調器17bから出力された光とが互いに180°異なる位相を持つ場合は、光導波路wg5にはY側変調信号は出力されず、それぞれの光が合波された光は反転光として出力される。また、子変調器17aから出力された光と子変調器17bから出力された光とが0°と180°の間の位相差を持つ場合は、その位相差に応じてそれぞれの光が合成された光がY側変調信号と反転光とに配分されて出力される。従って、反転光の強度は、Y側変調信号の強度と比例関係を持つ。受光素子11により、そのような反転光を受けて、それに応じた電流信号IS1を出力することによってY側変調信号の光パワーがモニタ可能とされる。なお、受光素子11は、光分岐素子等によってY側変調信号の一部を分岐した光をモニタしても良い。
なお、図1に示されたバイアス電圧VB1は、子変調器16a,16b及び子変調器17a,17bそれぞれに一対ずつ形成されている電極(図示せず)8個と、子変調器16a,16bを含む親変調器と子変調器17a,17bを含む親変調器それぞれに一対ずつ形成されている電極(図示せず)4個との合計12個の電極に印加されるバイアス電圧を代表して示したものであり、例えば、偏波多重を行わずにX側変調信号のみ生成する場合には少なくとも6つのバイアス電圧が制御基板30からLN変調器10に提供される。
図3は、LN変調器10と、LN変調器10の出力ポート10aに接続される光ファイバF1と、LN変調器10の入力ポート10bに接続される光ファイバF3とを示す斜視図である。図3に示されるように、LN変調器10は、長手方向A1に沿って延びる直方体状(断面矩形状)の導電性筐体9を有する。導電性筐体9は、図2に示された受光素子11、MZ変調器16及び17、光分岐素子18、並びに偏波合成素子19を収容するとともに、LN変調器10の基準電位を規定する。言い換えれば、導電性筐体9にはLN変調器10内部の電気回路の基準電位線が接続されている。長手方向A1における導電性筐体9の一端面(後端面)には入力ポート10bが設けられており、長手方向A1における導電性筐体9の他端面(前端面)には出力ポート10aが設けられている。また、導電性筐体9は、該矩形の一辺に相当し上記一端面及び上記他端面と接続する側面(第1面)9aと、該矩形の別の一辺に相当し側面9aと交差する方向に延びる上面(第2面)9bとを有する。上面9bは上記一端面及び上記他端面と接続する面であり、その法線方向は側面9aの法線方向と交差(例えば直交)する。
側面9aの後部側には4つのAC端子9cからなるAC端子群が配置され、側面9aの前部側にはDC端子群9dが配置されている。4つのAC端子9cそれぞれにはケーブルが接続される。DC端子群9dは、1組あたり6個のDC端子を3組(計18個)有する。これらのDC端子には、図1に示された出力端子12,13及び入力端子14,15が含まれる。
図4は、LN変調器10にFPC40が取り付けられた様子を示す斜視図である。FPC40は、一端部40aと、他端部40bと、一端部40a及び他端部40bを相互につなぐ可撓性部分(曲げ部分)40cとを有する。FPC40の複数の配線(図1に示された配線41,42を含む)は、一端部40aから他端部40bにわたって延びている。そして、LN変調器10のDC端子群9dにFPC40の一端部40aが導電接着されている。導電接着とは、例えば、ハンダによる電気的接続である。
図5は、LN変調器10、変換基板20、及び制御基板30の具体的な配置例を示す斜視図である。図6は、図5に示されたVI−VI線に沿った断面図である。図5及び図6に示されるように、変換基板20は、表面20a(第1基板面)と、表面20aとは反対の裏面20b(第2基板面)とを有する。LN変調器10のDC端子群9dと接続される回路(コンデンサ22及び抵抗素子23を含む)は、裏面20b上に配置されている。変換基板20の表面20a上には電子部品は搭載されておらず、基準電位線27(図1参照)の一部を構成する導電膜28と、FPC40の他端部40bが導電接続される端子パターンとが表面20a上に設けられている。ここで、表面20aに形成される導電膜28を含む基準電位線のパターンと、裏面20bに形成される基準電位線のパターンとは、貫通ビア等を介して互いに接続されていても良い。そのように貫通ビア等を介して表面20aの基準電位線と裏面20bの基準電位線とを電気的により強固に結合することによってそれぞれの間の瞬間的な電位差の発生を抑え、電流信号IS1および電圧信号VS1へのノイズの影響を抑制することができる。
変換基板20は、その表面20aがLN変調器10の導電性筐体9の上面9bと対向するように配置されている。変換基板20と導電性筐体9の上面9bとの間には、板状の導電性スペーサ(導電性部材)71が配置されている。導電性スペーサ71の一方の板面は変換基板20の導電膜28に接しており、導電性スペーサ71の他方の板面は導電性筐体9の上面9bに接している。これにより、変換基板20は、導電膜28が導電性スペーサ71を介して導電性筐体9に接触した状態で、導電性筐体9に固定される。なお、変換基板20の導電膜28は、導電性スペーサ71を介することなく直接に、導電性筐体9に接触してもよい。このように、導電膜28と導電性筐体9とが広い面を介して直接または間接に接触することにより、変換基板20の基準電位とLN変調器10の基準電位とを互いに厳密に合致させることができる。
導電性スペーサ71は、その平面形状がいわゆるU字状(コの字状)である板状の部材であり、各辺に囲まれた中央部に空間を有し、該空間によってFPC40の他端部40bとの接触を回避する。そして、図6に示されるように、この空間にFPC40の他端部40bが収まるようにFPC40の可撓性部分40cが折り曲げられている。導電性スペーサ71としては、例えば2〜3mmといった厚みを有する銅合金に金メッキを施したものが用いられる。ただし、金メッキに代えてNiメッキでもよく、あるいは、ベース金属として銅合金に代えてSUSが用いられてもよい。
図6に示されるように、導電膜28は、変換基板20の表面20aの法線方向から見た平面形状が、コンデンサ22及び抵抗素子23を包含するように形成されてもよい。これにより、コンデンサ22及び抵抗素子23に接続される基準電位線27の電位を、LN変調器10の基準電位と更に厳密に合致させることができる。
図5に示されるように、FPC50の一端部50aは、方向A1における変換基板20の一端に固定されている。また、FPC50の他端部50bは、方向A1における制御基板30の一端に固定されている。例えばこのような構成により、制御基板30を変換基板20の裏面20b上に折り重ねて配置することが可能となる(図中の矢印A2)。なお、一例では、FPC40の長さ、すなわち一端部40aの端子群から他端部40bの端子群までの距離は、FPC50の長さ、すなわち一端部50aの端子群から他端部50bの端子群までの距離よりも短い。
以上に説明した本実施形態の光送信器1Aによって得られる効果について、比較例とともに説明する。図16は、比較例に係る光送信器100の構成を示す図である。この光送信器100では、コンデンサ22、抵抗素子23、抵抗素子33及び34、並びに制御回路35が、単一の共通回路基板102に搭載されている。そして、一つのFPC104を介して、共通回路基板102とLN変調器10とが接続されている。
この比較例において、共通回路基板102の基準電位とLN変調器10の基準電位とを厳密に合致させるために、基準電位線106の一部を構成する導電膜を共通回路基板102の表面に形成し、その導電膜がLN変調器10の導電性筐体9に直接若しくは間接に接触した状態で、共通回路基板102を導電性筐体9に固定することが考えられる。LN変調器10の端子13(GND端子)と共通回路基板102の基準電位線106とを接続するだけでは、その配線が細いためインピーダンスが介在することとなり、その状態で共通回路基板102からLN変調器10に駆動信号を印加すると、インピーダンスの影響で互いの基準電位間に揺らぎが生じ、これがノイズとして高周波増幅器35aで増幅されてしまうからである。しかしながらそのような構成では、共通回路基板102の平面形状が導電性筐体9の平面形状よりも大きくなり過ぎ、共通回路基板102が光送信器1AにおけるLN変調器10用の搭載スペースから大きくはみ出してしまう。従って、共通回路基板102をCFP規格等の小さなハウジングに収容することが困難となるおそれがある。
これに対し、本実施形態の光送信器1Aでは、バイアス電圧VB1の大きさを制御する回路(制御回路35)を有する制御基板30とは別に、変換基板20が設けられている。変換基板20は、電流信号IS1を電圧信号VS1に変換するためのコンデンサ22及び抵抗素子23を有する。そして、変換基板20が、基準電位線27の一部を構成する導電膜28を表面20aに有し、この導電膜28が導電性筐体9に直接若しくは導電性スペーサ71を介して接触した状態で導電性筐体9に固定されている。
電流信号IS1を電圧信号VS1に変換する回路の基準電位がLN変調器10の基準電位に対して変動すると、信号レベルの変動としてその影響が大きく現れる。しかし、電圧信号VS1に変換した後の回路においては、LN変調器10の基準電位に対してその基準電位が変動しても信号レベルに大きな影響はない。従って、本実施形態のようにコンデンサ22及び抵抗素子23を変換基板20に配置し、変換基板20の基準電位をLN変調器10の基準電位と厳密に合致させておくことにより、信号レベルの変動を効果的に抑えることが可能となる。また、LN変調器10のバイアス電圧VB1を制御するための回路基板を変換基板20及び制御基板30といった2つの基板に分割することによって、回路基板の配置の自由度が高まり、回路基板の収容スペースを小型化することができる。
また、本実施形態のように、LN変調器10に固定される一端部40aと、変換基板20に固定される他端部40bとを有するFPC40によって、出力端子12と入力端子21とを電気的に接続するとともに、導電性筐体9は、法線方向が互いに交差する側面9a及び上面9bを有し、出力端子12が側面9aに設けられ、変換基板20の表面20aと上面9bとが互いに対向してもよい。例えばこのような構成によって、変換基板20を導電性筐体9に固定しつつ、変換基板20の入力端子21とLN変調器10の出力端子12とを接続することができる。
また、本実施形態のように、変換基板20に固定される一端部50aと、制御基板30に固定される他端部50bとを有するFPC50によって、出力端子24と入力端子31とを電気的に接続してもよい。例えばこのような構成によって、制御基板30と変換基板20との相対的な配置の自由度を高めることができる。
また、本実施形態のように、FPC40の長さはFPC50の長さよりも短くてもよい。これにより、電流信号IS1のレベルの変動を小さく抑えることができる。
(第1変形例)
図7は、上記実施形態の第1変形例に係る光送信器1Bを示す斜視図である。この光送信器1Bは、上記実施形態の変換基板20に替えて変換基板80を備え、さらに上記実施形態の導電性スペーサ71に替えて、導電性スペーサ72を備える。変換基板80は、変換基板20よりも小型に構成されており、方向A1において変換基板20の一部分(例えば半分)に相当する大きさを有する。導電性スペーサ72は、導電性スペーサ71よりも小型に構成されており、方向A1における変換基板20の一部分(例えば半分)に相当する大きさを有する。従って、変換基板80と導電性スペーサ72とは、方向A1において同じ大きさか、あるいは導電性スペーサ72の大きさは変換基板80の大きさよりも小さい。これにより、コンデンサ22及び抵抗素子23に接続される基準電位線27の電位をLN変調器10の基準電位と厳密に合致させながら、上記実施形態においてコンデンサ22、抵抗素子23以外に変換基板20に配置されている電気部品を制御基板30に配置することができ、変換基板を更に小型化することができる。それによって変換基板の大きさを制御基板30の大きさよりも小さくすることができ、そのようなそれぞれの基板サイズと相互の配置位置とについて選択の自由度が増すことによって、変換基板および制御基板30を収容するスペースを最小化することができる。
(第2変形例)
図8及び図9は、上記実施形態の第2変形例に係る光送信器1C,1Dの構成をそれぞれ示す図である。図8に示される光送信器1Cでは、上記実施形態の構成に加えて、変換基板20が、フェライトビーズインダクタ29を更に有する。フェライトビーズインダクタ29は、入力端子21と抵抗素子23との間(図では、入力端子21とコンデンサ22との間)に接続されている。これにより、クロストーク等によって電流信号IS1に重畳するノイズ成分を効果的に除去し、バイアス電圧VB1の制御精度を向上させることができる。また、図9に示される光送信器1Dでは、上記実施形態の構成に加えて、制御基板30が、ローパスフィルタ回路39を更に有する。ローパスフィルタ回路39は、制御回路35と入力端子31との間に接続されており、所定のカットオフ周波数(第1のカットオフ周波数)よりも低い周波数成分を通過させる。これにより、電圧信号VS1に含まれるノイズ(特にモニタ対象である高周波成分よりも高い周波数成分)を効果的に除去し、バイアス電圧VB1の制御精度を向上させることができる。第1のカットオフ周波数は、コンデンサ22の容量値と抵抗素子23の抵抗値とによって決まるカットオフ周波数(第2のカットオフ周波数)よりも高いことが好ましい。
図10は、フェライトビーズインダクタ29の特性例を示すグラフである。縦軸はフェライトビーズインダクタ29のインピーダンス(単位:Ω)を示し、横軸は周波数(単位:MHz)を示す。このグラフでは、モニタ対象である高周波成分に相当する帯域のインピーダンスが低く、1GHz以上の回り込みノイズに対するインピーダンスが高くなっている。回り込みノイズは2GHz以上の帯域においても発生する一方、高周波電力計35bの測定範囲の上限は1GHz程度であるので、例えば図10に示されたような特性のフェライトビーズインダクタ29を用いることによって、電流信号IS1に重畳するノイズ成分を効果的に除去できる。また、同様の理由から、ローパスフィルタ回路39の透過帯域は、1GHz以下であることが好適である。
(第1実施例)
ここで、上記実施形態および第2変形例に関する第1実施例について説明する。本実施例では、高周波増幅器35aの出力の周波数毎の強度分布をスペクトラムアナライザを用いて計測することにより、電圧信号VS1に含まれるノイズを評価した。図11は、本実施例において用いられた計測回路を示す図である。この回路において、フェライトビーズインダクタ29は位置P1に挿入され、ローパスフィルタ回路39は位置P2に挿入された。図12〜図14はその結果を示すグラフである。
図12(a)は、LN変調器10のMZ変調器を駆動しない状態でのスペクトラムアナライザの出力波形を示すグラフである。また、図12(b)は、LN変調器10のMZ変調器を駆動し、且つ変換基板20(または変換基板80)の導電膜28を導電性筐体9に直接的或いは間接的にも接触させない状態でのスペクトラムアナライザの出力波形を示すグラフである。これらのグラフを比較すると、導電膜28を導電性筐体9に接触させない状態では、複数の周波数において、顕著なノイズN1〜N3が発生していることがわかる。
図13(a)は、LN変調器10のMZ変調器を駆動し、且つ変換基板20(または変換基板80)の導電膜28を導電性筐体9に直接的或いは間接的に接触させた状態でのスペクトラムアナライザの出力波形を示すグラフである。このグラフと図12(b)とを比較すると、導電膜28を導電性筐体9に接触させることによって変換基板20(または変換基板80)の基準電位が安定し、比較的低周波のノイズN1が除去されていることがわかる。
図13(b)は、図13(a)の状態に加えてフェライトビーズインダクタ29を挿入した場合のスペクトラムアナライザの出力波形を示すグラフである。また、図14は、図13(a)の状態に加えてローパスフィルタ回路39を挿入した場合のスペクトラムアナライザの出力波形を示すグラフである。図13(b)及び図14に示されるように、フェライトビーズインダクタ29若しくはローパスフィルタ回路39を挿入すると、図12(b)のノイズN2,N3が効果的に除去されることがわかる。
(第2実施例)
上記実施形態および第2変形例に関する第2実施例について説明する。本実施例では、導電膜28を導電性筐体9に接触させない場合、導電膜28を導電性筐体9に接触させた場合、及び、導電膜28を導電性筐体9に接触させた上でノイズ対策(フェライトビーズインダクタ29若しくはローパスフィルタ回路39の挿入)を行った場合のそれぞれについて、電流信号IS1と、高周波電力計35bから出力されるアナログ信号S1との比較を行った。図15は、その結果を示すグラフである。図15において、横軸は電流信号ISの振幅を表し、縦軸はアナログ信号S1の大きさを表す。なお、アナログ信号S1の大きさは、電圧信号VS1の振幅をLogスケールで変換したものとなっている。グラフG1は導電膜28を導電性筐体9に接触させない場合を示し、グラフG2は導電膜28を導電性筐体9に接触させた場合を示し、グラフG3は更にノイズ対策を行った場合を示す。なお、グラフG4として示す直線は、理想的な応答すなわち電流信号IS1と電圧信号VS1との比例関係を表す。また、グラフG5として示す直線は、高周波増幅器35aの出力下限値を表す。
図15に示されるように、導電膜28を導電性筐体9に接触させない場合、ノイズの影響によって、グラフG1は電流信号IS1の比較的大きな振幅(図では1μA)で下げ止まる(裾を引き始める)。従って、この振幅以下の振幅変化を検出することができず、バイアス電圧VB1の制御精度が不足してしまう。これに対し、導電膜28を導電性筐体9に接触させた場合、グラフG1よりも小さな振幅(図では0.6μA)まで電流信号IS1と電圧信号VS1との比例関係が維持される。従って、バイアス電圧VB1の制御精度を向上させることができる。また、更にノイズ対策を行った場合、グラフG2よりも更に小さな振幅(図では0.3μA)まで電流信号IS1とアナログ信号S1とのグラフ上での直線性が維持される。従って、バイアス電圧VB1の制御精度を更に向上させることができる。
本発明による光送信器は、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上述した実施形態及び各変形例を、必要な目的及び効果に応じて互いに組み合わせてもよい。また、上記実施形態では変換基板20がLN変調器10の導電性筐体9の上面9bに間接的に接触しているが、他の面(例えば側面9a)に接触しても良い。
1A〜1D…光送信器、9…導電性筐体、9a…側面、9b…上面、10…LN変調器、11…受光素子、12,13…出力端子、14,15…入力端子、16,17…MZ変調器、16a,16b,17a,17b…子変調器、18…光分岐素子、19…偏波合成素子、20,80…変換基板、21…入力端子、22…コンデンサ、23…抵抗素子、24,25…出力端子、26…端子、27…基準電位線、28…導電膜、29…フェライトビーズインダクタ、30…制御基板、31,32…入力端子、33,34…抵抗素子、35…制御回路、35a…高周波増幅器、35b…高周波電力計、36…出力端子、37…基準電位線、38…出力端子、39…ローパスフィルタ回路、40,50,60…FPC、71,72…導電性スペーサ、F1…光ファイバ、F3…光ファイバ、IS1…電流信号、VB1…バイアス電圧、VS1…電圧信号、S1…アナログ信号。

Claims (8)

  1. マッハツェンダ型変調器を収容し基準電位を規定する導電性筐体と、前記導電性筐体に収容されて前記マッハツェンダ型変調器から出力される出力光の強度を検出する受光素子と、前記受光素子によって生成された電流信号を出力する第1出力端子と、を有するLN変調器と、
    前記第1出力端子と電気的に接続されて前記電流信号を受ける第1入力端子と、前記第1入力端子に一端が接続されたコンデンサと、前記コンデンサの他端と基準電位線との間に接続された抵抗素子と、前記コンデンサの他端に接続された第2出力端子と、を有する変換基板と、
    前記第2出力端子と電気的に接続されて前記変換基板から出力された電圧信号を受ける第2入力端子、及び前記第2入力端子に接続されて前記電圧信号に基づいて前記マッハツェンダ型変調器へのバイアス電圧の大きさを制御する回路を有する制御基板と、を備え、
    前記変換基板は、前記基準電位線の一部を構成する導電膜を第1基板面に有し、前記導電膜が前記導電性筐体に直接若しくは導電性部材を介して接触した状態で前記導電性筐体に固定されている、光送信器。
  2. 前記コンデンサ及び前記抵抗素子は、前記変換基板の前記第1基板面とは反対の第2基板面上に配置されており、
    前記導電膜は、前記第1基板面の法線方向から見た平面形状が前記コンデンサ及び前記抵抗素子を包含するように形成されている、請求項1に記載の光送信器。
  3. 前記LN変調器に固定された一端部と、前記変換基板に固定された他端部とを有し、前記第1出力端子と前記第1入力端子とを電気的に接続する第1のフレキシブルプリント基板を更に備え、
    前記導電性筐体は、法線方向が互いに交差する第1面及び第2面を有し、
    前記第1出力端子が前記第1面に設けられ、前記変換基板の前記第1基板面と前記第2面とが互いに対向している、請求項1または2に記載の光送信器。
  4. 前記変換基板に固定された一端部と、前記制御基板に固定された他端部とを有し、前記第2出力端子と前記第2入力端子とを電気的に接続する第2のフレキシブルプリント基板を更に備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光送信器。
  5. 前記LN変調器に固定された一端部と、前記変換基板に固定された他端部とを有し、前記第1出力端子と前記第1入力端子とを電気的に接続する第1のフレキシブルプリント基板と、
    前記変換基板に固定された一端部と、前記制御基板に固定された他端部とを有し、前記第2出力端子と前記第2入力端子とを電気的に接続する第2のフレキシブルプリント基板と、を更に備え、
    前記第1のフレキシブルプリント基板の長さは前記第2のフレキシブルプリント基板の長さよりも短い、請求項1または2に記載の光送信器。
  6. 前記変換基板は、前記第1入力端子と前記抵抗素子との間に接続されたフェライトビーズインダクタを更に有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光送信器。
  7. 前記制御基板は、前記バイアス電圧の大きさを制御する回路と前記第2入力端子との間に接続された、第1のカットオフ周波数よりも低い周波数成分を通過させるローパスフィルタ回路を更に有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光送信器。
  8. 前記第1のカットオフ周波数は、前記コンデンサの容量値と前記抵抗素子の抵抗値とによって決まる第2のカットオフ周波数よりも高い、請求項7に記載の光送信器。
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