JP2017189860A - ワイヤ放電加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】仕上げ加工を効率よく行うことができるワイヤ放電加工装置を提供する。【解決手段】極間に誘起電圧(極間電圧Vg)が印加されてから予め定められた極間状態判別期間Pgが経過した後に、極間電圧Vgが電圧閾値Vthを上回っているか否かを判別する。これによりワイヤ電極12とワーク14との極間間隙量を推定する。そして、極間間隙量の推定結果に応じて放電を行わない休止時間tpを変更する。【選択図】図6

Description

この発明は、ワイヤ電極を用いて被加工物を高精度に加工するワイヤ放電加工装置に関する。
ワイヤ放電加工装置を用いて行われる加工には、被加工物(ワーク)を目標寸法近くまで高速に削る荒加工と、荒加工の後に加工溝の形状寸法の精度を高める仕上げ加工とがある。
下記に示す特許文献1には、荒加工を行う際に、ワイヤの断線を防止する技術が開示されている。この技術は、ワイヤとワークとの間隙が適正な正常放電状態にあるか、短絡状態又は短絡状態に極めて近い疑似極間短絡状態にあるか、を判断し、正常放電状態以外の場合に休止時間を延ばすことにより、ワイヤの断線を防止する。
下記に示す特許文献2、3では、ワイヤ放電加工装置を用いて形彫放電加工を行う際に、加工を安定化させ、更に電極の保護を行う技術が開示されている。この技術は、短絡状態又は短絡状態に極めて近い疑似極間短絡状態の場合に、休止時間を延ばす又は加工電圧を遮断する等により、加工を安定化させ、更に電極の保護を行う。
特開平4−354621号公報 特開平2−212023号公報 特許第4833197号公報
特許文献1〜3は、荒加工又は形彫放電加工の際に、電極保護等を目的とするものであり、ワイヤ放電加工装置が行う仕上げ加工の効率については考慮されていない。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、仕上げ加工を効率よく行うことができるワイヤ放電加工装置を提供することを目的とする。
第1発明は、電極と被加工物との間である極間に誘起電圧を印加して放電を誘起させる放電誘起回路を備え、前記放電誘起回路を動作させた後に、前記放電誘起回路を動作させない休止時間を設け、前記放電誘起回路の動作と休止とを含む一連のサイクルを繰り返すことにより、被加工物を加工するワイヤ放電加工装置であって、前記放電誘起回路により前記極間に誘起電圧が印加されてから予め定められた極間状態判別期間が経過した後に、極間電圧が閾値を上回っている場合に印加検出信号を出力する電圧印加検出部と、前記電圧印加検出部により前記印加検出信号が出力されたか否かに応じて、前記休止時間を変更する制御部と、を備える。
上記構成によれば、極間に誘起電圧が印加されてから予め定められた極間状態判別期間が経過した後に、極間電圧が閾値を上回っているか否かを判別するので、ワイヤ電極とワークとの極間間隙量を推定することができる。そして、極間間隙量の推定結果に応じて放電を行わない休止時間を変更するので、極間間隙量に応じた適切な休止時間を設定することができる。したがって、仕上げ加工を効率よく行うことができるとともに、仕上げ加工の精度が向上する。
第2発明は、電極と被加工物との間である極間に誘起電圧を印加して放電を誘起させる放電誘起回路と、前記極間に加工電圧を印加させて加工電流を通電する主放電回路とを備え、前記放電誘起回路を動作させ、次いで前記主放電回路を動作させた後に、前記放電誘起回路及び前記主放電回路を動作させない休止時間を設け、前記放電誘起回路及び前記主放電回路の動作と休止とを含む一連のサイクルを繰り返すことにより、被加工物を加工するワイヤ放電加工装置であって、前記放電誘起回路により前記極間に誘起電圧が印加されてから予め定められた極間状態判別期間が経過した後に、極間電圧が閾値を上回っている場合に印加検出信号を出力する電圧印加検出部と、前記電圧印加検出部により前記印加検出信号が出力されたか否かに応じて、前記休止時間及び/又は前記主放電回路の動作時間を変更する制御部と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、極間に誘起電圧が印加されてから予め定められた極間状態判別期間が経過した後に、極間電圧が閾値を上回っているか否かを判別するので、ワイヤ電極とワークとの極間間隙量を推定することができる。そして、極間間隙量の推定結果に応じて放電を行わない休止時間及び/又は主放電回路の動作時間を変更するので、極間間隙量に応じた適切な休止時間及び/又は主放電回路の動作時間を設定することができる。したがって、仕上げ加工を効率よく行うことができるとともに、仕上げ加工の精度が向上する。
第2発明において、前記制御部は、前記極間状態判別期間が経過した後、前記電圧印加検出部により前記印加検出信号が出力されない場合は、前記極間状態判別期間が経過した時点で前記印加検出信号が出力される場合より、前記主放電回路の動作時間を大きくしてもよい。
上記構成によれば、前記極間状態判別期間が経過した後、電圧印加検出部により印加検出信号が出力されない場合は、極間間隙量が小さい(狭い)と判定して、主放電回路の動作時間を大きくして放電エネルギーを増加させるので、仕上げ加工を効率よく行うことができ、仕上げ加工の精度が向上する。
第1、第2発明において、前記制御部は、前記極間状態判別期間が経過した後、前記電圧印加検出部により前記印加検出信号が出力されない場合は、前記極間状態判別期間が終了した時点で前記印加検出信号が出力される場合より、休止時間を小さくしてもよい。
上記構成によれば、前記極間状態判別期間が経過した後、電圧印加検出部により印加検出信号が出力されない場合は、極間間隙量が小さい(狭い)と判定して、休止時間を小さくして加工頻度を増加させるので、仕上げ加工を効率よく行うことができ、仕上げ加工の精度が向上する。
第3発明は、電極と被加工物との間である極間に誘起電圧を印加して放電を誘起させる放電誘起回路を備え、前記放電誘起回路を動作させた後に、前記放電誘起回路を動作させない所定の休止時間を設け、前記放電誘起回路の動作と休止とを含む一連のサイクルを繰り返すことにより、被加工物を加工するワイヤ放電加工装置であって、前記放電誘起回路により前記極間に誘起電圧が印加されてから放電するまでの放電遅れ時間を測定する放電遅れ時間測定部と、前記放電遅れ時間に応じて、前記休止時間を変更する制御部と、を備えることを特徴とする。
放電遅れ時間は極間間隙量と相関が強い。上記構成によれば、放電遅れ時間を測定しており、これによりワイヤ電極とワークとの極間間隙量を推定することができる。そして、極間間隙量の推定結果に応じて放電を行わない休止時間を変更するので、極間間隙量に応じた適切な休止時間を設定することができる。したがって、仕上げ加工を効率よく行うことができるとともに、仕上げ加工の精度が向上する。
第4発明は、電極と被加工物との間である極間に誘起電圧を印加して放電を誘起させる放電誘起回路と、前記極間に加工電圧を印加させて加工電流を通電する主放電回路とを備え、前記放電誘起回路を動作させ、次いで前記主放電回路を動作させた後に、前記放電誘起回路及び前記主放電回路を動作させない休止時間を設け、前記放電誘起回路及び前記主放電回路の動作と休止とを含む一連のサイクルを繰り返すことにより、被加工物を加工するワイヤ放電加工装置であって、前記放電誘起回路により前記極間に誘起電圧が印加されてから放電するまでの放電遅れ時間を測定する放電遅れ時間測定部と、前記放電遅れ時間に応じて、前記休止時間及び/又は前記主放電回路の動作時間を変更する制御部と、を備えることを特徴とする。
放電遅れ時間は極間間隙量と相関が強い。上記構成によれば、放電遅れ時間を測定しており、これによりワイヤ電極とワークとの極間間隙量を推定することができる。そして、極間間隙量の推定結果に応じて放電を行わない休止時間及び/又は主放電回路の動作時間を変更するので、極間間隙量に応じた適切な休止時間及び/又は主放電回路の動作時間を設定することができる。したがって、仕上げ加工を効率よく行うことができるとともに、仕上げ加工の精度が向上する。
第4発明において、前記制御部は、前記放電遅れ時間が所定値未満である場合は、前記放電遅れ時間が前記所定値以上の場合より、前記主放電回路の動作時間を大きくしてもよい。
上記構成によれば、放電遅れ時間が所定値未満の場合に、極間間隙量が小さい(狭い)と判定して、主放電回路の動作時間を大きくして放電エネルギーを増加させるので、仕上げ加工を効率よく行うことができ、仕上げ加工の精度が向上する。
第4発明において、前記制御部は、前記放電遅れ時間が短くなる程前記主放電回路の動作時間を長くしてもよい。
上記構成によれば、放電遅れ時間が短い程、極間間隙量が小さく(狭く)なるので、主放電回路の動作時間を長くして放電エネルギーを増加させる。このため、仕上げ加工を効率よく行うことができ、仕上げ加工の精度が向上する。
第3、第4発明において、前記制御部は、前記放電遅れ時間が所定値未満の場合は、前記放電遅れ時間が前記所定値以上の場合より、前記休止時間を小さくしてもよい。
上記構成によれば、放電遅れ時間が所定値未満である場合に、極間間隙量が小さい(狭い)と判定して、休止時間を小さくして加工頻度を増加させるので、仕上げ加工を効率よく行うことができ、仕上げ加工の精度が向上する。
第3、第4発明において、前記制御部は、前記放電遅れ時間が短くなる程前記休止時間を短くしてもよい。
上記構成によれば、放電遅れ時間が短い程、極間間隙量が小さく(狭く)なるので、休止時間を短くして加工頻度を増加させる。このため、仕上げ加工を効率よく行うことができ、仕上げ加工の精度が向上する。
第1〜第4発明において、前記制御部は、仕上げ加工時に、前記休止時間及び/又は前記主放電回路の動作時間を変更する。
本発明によれば、仕上げ加工を効率よく行うことができるとともに、仕上げ加工の精度が向上する。
図1は本実施形態に係るワイヤ放電加工装置のブロック図である。 図2Aは放電遅れ時間が短いときの時間−極間電圧特性図であり、図2Bは放電遅れ時間が長いときの時間−極間電圧特性図である。 図3は主放電回路及び放電誘起回路の概略構成図である。 図4A、図4Bは本発明の概念の説明に供する説明図である。 図5は第1実施形態における処理パターン1のフローチャートである。 図6Aは極間間隙量が大きい場合の極間電圧、主放電回路の動作指令、加工電流のタイムチャートであり、図6Bは極間間隙量が小さい場合の極間電圧、主放電回路の動作指令、加工電流のタイムチャートである。 図7は第1実施形態における処理パターン2のフローチャートである。 図8Aは極間間隙量が大きい場合の極間電圧、主放電回路の動作指令、加工電流のタイムチャートであり、図8Bは極間間隙量が小さい場合の極間電圧、主放電回路の動作指令、加工電流のタイムチャートである。 図9は第2実施形態における処理パターン1のフローチャートである。 図10Aは極間間隙量が大きい場合の極間電圧、主放電回路の動作指令、加工電流のタイムチャートであり、図10Bは極間間隙量が小さい場合の極間電圧、主放電回路の動作指令、加工電流のタイムチャートである。 図11は第2実施形態における処理パターン2のフローチャートである。 図12Aは極間間隙量が大きい場合の極間電圧、主放電回路の動作指令、加工電流のタイムチャートであり、図12Bは極間間隙量が小さい場合の極間電圧、主放電回路の動作指令、加工電流のタイムチャートである。
以下、本発明に係るワイヤ放電加工装置について、好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、以下で説明するワイヤ放電加工装置10は荒加工後の仕上げ加工を行うものである。
[1 ワイヤ放電加工装置10の構成]
図1で示すように、ワイヤ放電加工装置10は、主としてワイヤ電極12と、放電誘起回路16と、主放電回路18と、電圧検出装置20と、放電制御装置30と、数値制御装置40と、サーボ制御装置42とを備える。
ワイヤ電極12は、ワイヤ放電加工装置10に設けられたモータ(図示せず)が駆動することによりボビン(図示せず)からワーク14を通って、回収箱(図示せず)で回収される。ワーク14は、ワイヤ放電加工装置10の本体に設けられたテーブル(図示せず)に取り付けられており、既に荒加工されている。ワイヤ電極12とワーク14には、放電誘起回路16と主放電回路18とが電気的に接続される。
放電誘起回路16は、補助放電回路ともいい、ワイヤ電極12とワーク14との間(以下、極間ともいう。)に誘起電圧(電圧)を印加して放電を誘起させるための回路である。主放電回路18は、放電誘起回路16により極間に放電が誘起された後に、極間に加工電圧を印加して、極間に加工電流(放電電流)を通電する回路である。放電誘起回路16と主放電回路18の回路構成については後述する。
電圧検出装置20、放電制御装置30、数値制御装置40、及び、サーボ制御装置42は、それぞれ入出力部、記憶媒体、CPUを含んだ計算機を備え、このCPUが記憶媒体(例えば、ROM)に記憶されているプログラムを読み出し実行することで、本実施形態の電圧検出装置20、放電制御装置30、数値制御装置40、及び、サーボ制御装置42として機能する。
電圧検出装置20は、電圧印加検出部22と放電遅れ時間測定部24とを備える。電圧印加検出部22及び放電遅れ時間測定部24に関して、図2A及び図2Bを用いて説明する。電圧印加検出部22は、極間電圧を検出する電圧計を備える。
図2A及び図2Bは、放電誘起回路16により極間に誘起電圧が印加されてから放電が誘起されるまでの電圧変化を示す。極間間隙量が狭い場合は、図2Aで示すように、極間に誘起電圧が印加されてから放電するまでの時間、すなわち放電遅れ時間Tdが短くなる。なお、極間に誘起電圧が印加されてから放電が発生し極間電圧Vgがアーク電圧以下になるまでを放電遅れ時間Tdと称する場合もある。一方、極間間隙量が広い場合は、図2Bで示すように、極間に誘起電圧が印加されてから放電するまでの放電遅れ時間Tdが長くなる。この放電遅れ時間Tdは、極間間隙量と単調増加の関係にある。つまり、放電遅れ時間Tdは、極間間隙量が大きく(広く)なる程長くなり、極間電圧Vgのピーク値は、極間間隙量が大きく(広く)なる程高くなる。
電圧印加検出部22は、放電誘起回路16により極間に誘起電圧が印加されてから、つまり、極間電圧Vgの値が0Vから上昇してから、予め定められた極間状態判別期間Pgが経過した後に、極間電圧Vgが所定の電圧閾値Vthを上回っているか否かを判断する。そして、電圧印加検出部22は、極間電圧Vgが所定の電圧閾値Vthを上回っていると判断すると、印加検出信号を放電制御装置30に出力する。つまり、電圧印加検出部22は、図2Aで示すように、極間状態判別期間Pgが経過した時点で極間電圧Vgが電圧閾値Vthを上回っていない場合(電圧閾値Vth未満)は、極間間隙量が小さい短絡放電状態と判定して、印加検出信号を放電制御装置30に出力しない。逆に、電圧印加検出部22は、図2Bで示すように、極間状態判別期間Pgが経過した時点で極間電圧Vgが電圧閾値Vthを上回っている場合(電圧閾値Vth以上)は、極間間隙量が大きい開放状態(正常放電状態)と判定して、印加検出信号を放電制御装置30に出力する。
放電遅れ時間測定部24は、放電誘起回路16により極間に誘起電圧が印加されてから放電するまでの放電遅れ時間Tdを測定する。具体的には、放電遅れ時間測定部24は、極間電圧Vgの値が0Vから上昇してから、極間電圧Vgが再びアーク電圧(=約20V)以下になるまでの時間を計測する。又は、極間電圧Vgの値が所定の閾値を超えてから、極間電圧Vgが閾値を下回るまでの時間を計測するようにしてもよい。又は、極間電圧Vgの値が所定の閾値Aを超えてから、極間電圧Vgが閾値Bを下回るまでの時間を計測するようにしてもよい。
放電制御装置30は、動作制御部32、休止時間設定部34、動作時間設定部36、及び、タイマ38を備える。動作制御部32は、休止時間設定部34及び動作時間設定部36による設定に基づいて、放電誘起回路16及び主放電回路18を制御する。休止時間設定部34は、放電誘起回路16及び主放電回路18を動作させない休止時間tpを設定する。休止時間設定部34は、電圧印加検出部22から送られる印加検出信号の有無、又は、放電遅れ時間測定部24で計測される放電遅れ時間Tdに応じて、休止時間tpを変更する。動作時間設定部36は、主放電回路18を動作させる動作時間tmを設定する。動作時間設定部36は、電圧印加検出部22から送られる印加検出信号の有無、又は、放電遅れ時間測定部24で計測される放電遅れ時間Tdに応じて、主放電回路18を動作させる動作時間tmを変更する。
数値制御装置40は、放電遅れ時間Tdに基づいて、ワイヤ放電加工装置10に設けられるサーボモータ(図示せず)の移動指令をサーボ制御装置42に出力するように構成される。サーボ制御装置42は、数値制御装置40から出力されるサーボモータの移動指令に基づいて、サーボモータを駆動してサーボ送り制御を行うように構成される。このサーボ送り制御によって、ワイヤ電極12とワーク14とが相対移動する。具体的には、ワーク14が載置されたテーブルを移動させる。
[2 放電誘起回路16と主放電回路18の回路構成]
図3で示すように、放電誘起回路16は、放電誘起電源50と、スイッチ素子52a〜52dと、電流制限抵抗58とを有する。放電制御装置30の動作制御部32は、スイッチ素子52aとスイッチ素子52bからなるスイッチ群と、スイッチ素子52cとスイッチ素子52dからなるスイッチ群とを順に動作させることにより、ワイヤ電極12とワーク14との間に交流電圧を印加する。
図3で示すように、主放電回路18は、主放電電源60と、スイッチ素子62とを有する。放電制御装置30の動作制御部32は、スイッチ素子62を動作させることにより、ワイヤ電極12とワーク14との間に電圧を印加して加工電流を通電する。
[3 本発明の概念]
本発明は、荒加工後の取り残し量が多い箇所、すなわち極間間隙量が小さい箇所では積極的に放電頻度を上げる又は加工電流Imを通電する時間を長くすることにより除去量を増加させる。図4Aは極間間隙量が小さい箇所を加工する場合の放電パターンを示し、図4Bは極間間隙量が大きい箇所を加工する場合の放電パターンを示す。図4A、図4Bで示すように、極間間隙量が小さい箇所を加工する場合に、極間間隙量が大きい箇所を加工する場合よりも、休止時間tpを小さくして加工頻度を上げることで、除去量を大きくする。なお、主放電回路18の動作時間tmを大きくして加工電流を通電する時間を長くすることで(放電エネルギーを大きくすることで)、除去量を増加させる放電パターンについては図示を省略している。
[4 第1実施形態で実行される処理]
[4.1 処理パターン1]
図5は、予め設定された極間状態判別期間Pgが経過した時点の極間電圧Vgを用いて休止時間tpを決定して仕上げ加工を行う場合の放電制御装置30の動作(処理パターン1)を示すフローチャートである。また、図6A、図6Bは、極間間隙量が狭いときと広いときとにおける極間電圧Vg、主放電回路18の動作指令、及び、加工電流Imを示すタイムチャートである。
ステップS1にて、放電制御装置30の動作制御部32は、極間に放電を誘起させるために、放電誘起回路16に設けられる一方(又は他方)のスイッチ素子群をオフ状態からオン状態にし、極間に誘起電圧を印加する。すると、図6A、図6Bで示すように、極間電圧Vgが上昇する。
ステップS2にて、動作制御部32は、タイマ38による経過時間Tの計時を開始する。ステップS3にて、動作制御部32は、経過時間Tと予め設定された極間状態判別期間Pgとを比較する。Pg≦Tである場合は、極間状態判別期間Pgが終了したものと判定され(ステップS3:YES)、処理はステップS4に移行する。一方、Pg>Tである場合は、極間状態判別期間Pgが終了していないものと判定され(ステップS3:NO)、ステップS3の処理が繰り返される。
ステップS4にて、動作制御部32は、極間状態判別期間Pgが終了した時点で、電圧印加検出部22から印加検出信号が送られてきたか否かを判定する。図6Bに示すように、極間間隙量が狭い場合は、極間電圧Vgは、極間状態判別期間Pgが終了した時点で電圧閾値Vth未満となる。したがって、この場合は、電圧印加検出部22は、極間状態判別期間Pgが経過しても印加検出信号を出力しない。このように、印加検出信号が送られてこない場合(ステップS4:YES)、処理はステップS5に移行する。一方、図6Aで示すように、極間間隙量が広い場合は、極間電圧Vgは、極間状態判別期間Pgが終了した時点で電圧閾値Vth以上となる。したがって、この場合は、電圧印加検出部22は、極間状態判別期間Pgが経過すると印加検出信号を出力する。このように、印加検出信号が送られてきた場合(ステップS4:NO)、処理はステップS7に移行する。
ステップS4からステップS5に進んだ場合は、休止時間設定部34は、休止時間tpに第1所定値tp1よりも小さい値tp2(<tp1)を設定する。ここで、第1所定値tp1というのは、例えば予め設定された初期値である。
ステップS6にて、動作制御部32は、図6Bで示すように、極間状態判別期間Pg後に、動作時間tm1の間だけ主放電回路18に動作指令を出力し、極間に加工電圧を印加させて加工電流Imを通電させる。動作時間tm1経過後、図6Bで示すように、休止時間tp2の間だけ、放電誘起回路16及び主放電回路18を休止させる。なお、動作制御部32は、極間状態判別期間Pgが経過すると、放電誘起回路16に設けられる一方(又は他方)のスイッチ素子群をオフ状態にして誘起電圧の印加を停止する。また、この動作時間tm1は、予め決められた時間である。
一方、ステップS4からステップS7に進んだ場合は、休止時間設定部34は、休止時間tpに第1所定値tp1を設定する。ステップS8にて、動作制御部32は、放電の発生を待つ。すなわち、動作制御部32は、誘起電圧の印加を開始してから放電が発生して極間電圧Vgがアーク電圧(=約20V)以下になるまで待つ。放電が発生して極間電圧Vgがアーク電圧(=約20V)以下になった場合(ステップS8:YES)、処理はステップS9に移行する。一方、放電が発生せずに極間電圧Vgがアーク電圧(=約20V)以下になっていない場合(ステップS8:NO)、ステップS8の処理が繰り返される。
ステップS9にて、動作制御部32は、図6Aで示すように、放電後に(つまり、誘起電圧の印加を開始してから放電が発生して極間電圧Vgがアーク電圧(=約20V)以下になると)、動作時間tm1の間だけ主放電回路18に動作指令を出力し、極間に加工電圧を印加させて加工電流Imを通電させる。動作時間tm1経過後、図6Aで示すように、休止時間tp1の間だけ、放電誘起回路16及び主放電回路18を休止させる。なお、動作制御部32は、放電が開始されて極間電圧Vgがアーク電圧(=約20V)以下になると、放電誘起回路16に設けられる一方(又は他方)のスイッチ素子群をオフ状態にして誘起電圧の印加を停止する。上述したように、この動作時間tm1は、予め決められた時間である。
休止時間tp1又はtp2が経過したら、改めてステップS1の処理が行われる。以上のように、放電誘起回路16及び主放電回路18の動作と放電の休止とを1サイクルとする処理が繰り返し行われる。放電制御装置30の動作制御部32は、1サイクル毎に極間の極性が切り換わるように、放電誘起回路16に設けられる一方のスイッチ素子群と、他方のスイッチ素子群とを交互に動作させる。
なお、上記処理のうち、ステップS5〜S6の処理では、放電誘起による放電発生後に、極間状態判別期間Pgが経過するまで主放電を待つようにしている(ステップS3)。しかし、極間状態判別期間Pgが経過する前に極間電圧Vgがアーク電圧(=約20V)以下になった時点で、主放電回路18に動作指令を出力するようにしてもよい。この場合、例えば、休止時間設定部34は、電圧検出装置20により検出される電圧値に基づいて極間状態判別期間Pgが経過する前に放電誘起による放電が発生したことを検知し、休止時間tpに第1所定値tp1よりも小さい値tp2(<tp1)を設定するようにしてもよい。
[4.2 処理パターン2]
図5で示す処理は、印加検出信号の有無に応じて休止時間tpを変えているが、図7で示ように、休止時間tpの代わりに主放電回路18の動作時間tmを変えることも可能である。図7で示すステップS11〜ステップS14の処理は、図5で示すステップS1〜ステップS4の処理と同じであるため、その説明を省略する。
ステップS14からステップS15に進んだ場合は、動作時間設定部36は、主放電回路18の動作時間tmに第2所定値tm1よりも大きい値tm2(>tm1)を設定する。ここで、第2所定値tm1というのは、例えば予め設定された初期値である。
ステップS16にて、動作制御部32は、図8Bで示すように、極間状態判別期間Pg後に、動作時間tm2の間だけ主放電回路18に動作指令を出力し、極間に加工電圧を印加させて加工電流Imを通電させる。動作時間tm2経過後、図8Bで示すように、休止時間tp1の間だけ、放電誘起回路16及び主放電回路18を休止させる。なお、動作制御部32は、極間状態判別期間Pgが経過すると、放電誘起回路16に設けられる一方(又は他方)のスイッチ素子群をオフ状態にして誘起電圧の印加を停止する。また、この休止時間tp1は、予め決められた時間である。
一方、ステップS14からステップS17に進んだ場合は、動作時間設定部36は、主放電回路18の動作時間tmに第2所定値tm1を設定する。ステップS18にて、動作制御部32は、放電の発生を待つ。すなわち、動作制御部32は、誘起電圧の印加によって放電が開始されてから極間電圧Vgがアーク電圧(=約20V)以下になるまで待つ。放電が発生して極間電圧Vgがアーク電圧(=約20V)以下になった場合(ステップS18:YES)、処理はステップS19に移行する。一方、放電が発生せずに極間電圧Vgがアーク電圧(=約20V)以下になっていない場合(ステップS18:NO)、ステップS18の処理が繰り返される。
ステップS19にて、動作制御部32は、図8Aで示すように、放電後に(つまり、誘起電圧の印加によって放電が発生して極間電圧Vgがアーク電圧(=約20V)以下になると)、動作時間tm1の間だけ主放電回路18に動作指令を出力し、極間に加工電圧を印加させて加工電流Imを通電させる。動作時間tm1経過後、図8Aで示すように、休止時間tp1の間だけ、放電誘起回路16及び主放電回路18を休止させる。なお、動作制御部32は、放電が発生して極間電圧Vgがアーク電圧(=約20V)以下になると、放電誘起回路16に設けられる一方(又は他方)のスイッチ素子群をオフ状態にして誘起電圧の印加を停止する。上述したように、この休止時間tp1は、予め決められた時間である。
なお、上記処理のうち、ステップS25〜S26の処理では、放電誘起による放電発生後に、極間状態判別期間Pgが経過するまで主放電を待つようにしている(ステップS23)。しかし、極間状態判別期間Pgが経過する前に極間電圧Vgがアーク電圧(=約20V)以下になった時点で、主放電回路18に動作指令を出力するようにしてもよい。この場合、例えば、休止時間設定部34は、電圧検出装置20により検出される電圧値に基づいて極間状態判別期間Pgが経過する前に放電誘起による放電が発生したことを検知し、動作時間tmに第2所定値tm1よりも大きい値tm2(>tm1)を設定するようにしてもよい。
[4.3 処理パターン3]
図5で示す処理と図7で示す処理を組み合わせることも可能である。この場合、図5で示すステップS5の処理の前又は後に、図7で示すステップS15の処理を行い、図5で示すステップS7の処理の前又は後に、図7で示すステップS17の処理を行えばよい。
[4.4 処理パターン4]
処理パターン1、3では、極間状態判別期間Pgの終了時点で、電圧印加検出部22から印加検出信号が送られてきた場合に、休止時間tpを第1所定値tp1よりも小さいtp2とし、印加検出信号が送られてこない場合に、休止時間tpを第1所定値tp1としている。これに代わり、電圧印加検出部22から印加検出信号が送られてこない場合に、休止時間tpを第1所定値tp1とし、印加検出信号が送られてきた場合に、休止時間tpを第1所定値tp1よりも大きいtp3としてもよい。
[4.5 処理パターン5]
処理パターン2、3では、極間状態判別期間Pgの終了時点で、電圧印加検出部22から印加検出信号が送られてこない場合に、主放電回路18の動作時間tmを第2所定値tm1よりも大きいtm2とし、印加検出信号が出力された場合に、動作時間tmを第2所定値tm1としている。これに代わり、電圧印加検出部22から印加検出信号が送られてこない場合に、動作時間tmを第2所定値tm1とし、印加検出信号が送られてきた場合に、動作時間tmを第2所定値tm1よりも小さいtm3としてもよい。
なお、上述した処理パターン1〜5では、電圧印加検出部22から放電制御装置30に印加検出信号が送られてこない場合、すなわち極間間隙量が狭い場合(図6B、図8B)、極間状態判別期間Pg経過後に、主放電回路18を動作させている。それに代わり、放電が発生して極間電圧Vgがアーク電圧(=約20V)以下になった時点で主放電回路18を動作させてもよい。
処理パターン1〜5によれば、電圧印加検出部22から印加検出信号が送られる短絡放電状態の場合、放電終了後にスラッジの除去やワイヤ電極12の冷却のために設けた休止時間tpを変更する。一方、電圧印加検出部22から放電制御装置30に印加検出信号が送られない場合には、誘起電圧の印加を継続し、所定の期間の間、放電の発生を待つ。極間状態判別期間Pg後に検出された放電は正常放電とみなし、正常放電の休止時間tpを、予め加工条件等により定められた第1所定値とする。このように、短絡放電状態の場合の休止時間tpを、正常放電の場合の休止時間tpに対して柔軟に変更できる。
[5 第1実施形態のまとめ]
ワイヤ放電加工装置10は、ワイヤ電極12とワーク14(被加工物)との間である極間に誘起電圧を印加して放電を誘起させる放電誘起回路16と、極間に加工電圧を印加させて加工電流を通電する主放電回路18と、を備える。ワイヤ放電加工装置10は、放電誘起回路16を動作させ、次いで主放電回路18を動作させた後に、放電誘起回路16及び主放電回路18を動作させない休止時間tpを設け、放電誘起回路16及び主放電回路18の動作と休止とを含む一連のサイクルを繰り返すことにより、ワーク14を加工する。ワイヤ放電加工装置10は、更に、放電誘起回路16により極間に誘起電圧が印加されてから予め定められた極間状態判別期間Pgが経過した後に、極間電圧Vgが電圧閾値Vthを上回っている場合に印加検出信号を出力する電圧印加検出部22と、電圧印加検出部22により印加検出信号が出力されたか否かに応じて、休止時間tp及び/又は主放電回路18の動作時間tmを変更する放電制御装置30(制御部)と、を備える。
上記構成によれば、極間に誘起電圧が印加されてから予め定められた極間状態判別期間Pgが経過した後に、極間電圧Vgが電圧閾値Vthを上回っているか否かを判別するので、ワイヤ電極12とワーク14との極間間隙量を推定することができる。そして、極間間隙量の推定結果に応じて放電を行わない休止時間tp及び/又は主放電回路18の動作時間tmを変更するので、極間間隙量に応じた適切な休止時間tp及び/又は主放電回路18の動作時間tmを設定することができる。したがって、仕上げ加工を効率よく行うことができるとともに、仕上げ加工の精度が向上する。
放電制御装置30は、極間状態判別期間Pgが経過した後、電圧印加検出部22により印加検出信号が出力されない場合は、前記極間状態判別期間Pgが経過した時点で印加検出信号が出力される場合より、主放電回路18の動作時間tmを大きくする。
上記構成によれば、極間状態判別期間Pgが経過した後、電圧印加検出部22により印加検出信号が出力されない場合は、極間間隙量が小さい(狭い)と判定して、主放電回路18の動作時間tmを大きくして放電エネルギーを増加させるので、仕上げ加工を効率よく行うことができ、仕上げ加工の精度が向上する。
放電制御装置30は、極間状態判別期間Pgが経過した後、電圧印加検出部22により印加検出信号が出力されない場合は、前記極間状態判別期間Pgが終了した時点で印加検出信号が出力される場合と比較して、休止時間tpを小さくする。
上記構成によれば、極間状態判別期間Pgが経過した後、電圧印加検出部22により印加検出信号が出力されない場合は、極間間隙量が小さい(狭い)と判定して、休止時間tpを小さくして加工頻度を増加させるので、仕上げ加工を効率よく行うことができ、仕上げ加工の精度が向上する。
ワイヤ放電加工の場合、極間で放電が始まると、暫くの間、放電は最初の放電点の近傍で起こる。ここではこの期間を群放電期間と称する。この現象は、ワイヤ電極12自体が加工液の振動、静電吸引力、放電反発力等により振動し、その振動周期に依存すると推定される。この振動は、ワーク14の板厚方向に対するワイヤ電極12の位置に関わらず一定であると考えられる。ワーク14の取り残し量が多い箇所で放電が発生すると、暫くの間はこの近傍で放電が集中的に発生するので、休止時間tpを短くして群放電期間の放電数が多くなるように制御することで、効率よく加工精度を向上させることができる。
従来のワイヤ放電加工の場合は、ワーク14の取り残しが多い箇所では、ワイヤ電極12とワーク14との相対速度を低下させることによりワーク14の取り残しを除去する。一方、本実施形態に係るワイヤ放電加工装置10のように、ワーク14の取り残しが多い箇所では、休止時間tpを短くすることにより、時間当たりの放電回数を増やすことができる。又は、ワーク14の取り残しが多い箇所では、主放電回路18の動作時間tmを長くすることにより、1回の主放電での除去量を多くすることができる。したがって、従来のワイヤ放電加工よりも加工速度の低下を抑制することができる。
本発明者らは、本実施形態を用いて加工実験を行い、加工精度の向上と加工速度の向上が両立できたことを確認した。板厚が60mmの工具鋼の仕上げ加工にて、形状精度が12μmから8μmに向上した。また、形状精度を同じにした場合、加工速度を15%向上させることができた。このように、本実施形態によれば、加工精度や加工速度の向上が可能であることが確認された。
[6 第2実施形態で実行される処理]
[6.1 処理パターン1]
図9は、放電遅れ時間Tdを用いて休止時間tpを決定して仕上げ加工を行う場合の放電制御装置30の動作(処理パターン1)を示すフローチャートである。また、図10A、図10Bは、極間間隙量が狭いときと広いときとにおける極間電圧Vg、主放電回路18の動作指令、及び、加工電流Imを示すタイムチャートである。
ステップS21にて、放電制御装置30の動作制御部32は、極間に放電を誘起させるために、放電誘起回路16に設けられる一方(又は他方)のスイッチ素子群をオフ状態からオン状態にし、極間に誘起電圧を印加する。すると、図10A、図10Bで示すように、極間電圧Vgが上昇する。
ステップS22にて、放電遅れ時間測定部24は、放電遅れ時間Tdの測定を開始する。ステップS23にて、放電遅れ時間測定部24は、極間電圧Vgがピーク値からアーク電圧(=約20V)以下になることを検出することにより放電誘起が終了したか否かを判定するとともに、放電遅れ時間Tdを特定する。放電誘起が終了した場合(ステップS23:YES)、処理はステップS24に移行する。一方、誘起放電が終了していない場合(ステップS23:NO)、ステップS23の処理が繰り返される。
ステップS24にて、動作制御部32は、放電遅れ時間Tdが所定時間Tth未満か否かを判定する。図10Bで示す放電遅れ時間Tdのように、所定時間Tth未満である場合(ステップS24:YES)、処理はステップS25に移行する。一方、図10Aで示す放電遅れ時間Tdのように、所定時間Tth以上である場合(ステップS24:NO)、処理はステップS27に移行する。
ステップS24からステップS25に進んだ場合は、休止時間設定部34は、休止時間tpに第1所定値tp1よりも小さい値tp2(<tp1)を設定する。ここで、第1所定値tp1というのは、例えば予め設定された初期値である。
ステップS26にて、動作制御部32は、図10Bで示すように、極間電圧Vgがアーク電圧(=約20V)以下になった後(放電遅れ時間Td後)に、動作時間tm1の間だけ主放電回路18に動作指令を出力し、極間に加工電圧を印加させて加工電流Imを通電させる。動作時間tm1経過後、図10Bで示すように、休止時間tp2の間だけ、放電誘起回路16及び主放電回路18を休止させる。なお、動作制御部32は、放電遅れ時間Tdが経過すると、放電誘起回路16に設けられる一方(又は他方)のスイッチ素子群をオフ状態にして誘起電圧の印加を停止する。また、この動作時間tm1は、予め決められた時間である。
一方、ステップS24からステップS27に進んだ場合は、休止時間設定部34は、休止時間tpに第1所定値tp1を設定する。
ステップS28にて、動作制御部32は、図10Aで示すように、極間電圧Vgがアーク電圧(=約20V)以下になった後(放電遅れ時間Td後)に、動作時間tm1の間だけ主放電回路18に動作指令を出力し、極間に加工電圧を印加させて加工電流Imを通電させる。動作時間tm1経過後、図10Aで示すように、休止時間tp1の間だけ、放電誘起回路16及び主放電回路18を休止させる。なお、動作制御部32は、放電遅れ時間Tdが経過すると、放電誘起回路16に設けられる一方(又は他方)のスイッチ素子群をオフ状態にして誘起電圧の印加を停止する。上述したように、この動作時間tm1は、予め決められた時間である。
休止時間tp1又はtp2が経過したら、改めてステップS21の処理が行われる。以上のように、放電誘起回路16及び主放電回路18の動作と放電の休止とを1サイクルとする処理が繰り返し行われる。放電制御装置30の動作制御部32は、1サイクル毎に極間の極性が切り換わるように、放電誘起回路16に設けられる一方のスイッチ素子群と、他方のスイッチ素子群とを交互に動作させる。
[6.2 処理パターン2]
図9で示す処理は、放電遅れ時間Tdが所定時間Tth内か否かに応じて休止時間tpを変えているが、図11で示すように、休止時間tpの代わりに主放電回路18の動作時間tmを変えることも可能である。図11で示すステップS31〜ステップS34の処理は、図9で示すステップS21〜ステップS24の処理と同じであるため、その説明を省略する。
ステップS34からステップS35に進んだ場合は、動作時間設定部36は、主放電回路18の動作時間tmに第2所定値tm1よりも大きい値tm2(>tm1)を設定する。ここで、第2所定値tm1というのは、例えば予め設定された初期値である。
ステップS36にて、動作制御部32は、図12Bで示すように、極間電圧Vgがアーク電圧(=約20V)以下になった後(放電遅れ時間Td後)に、動作時間tm2の間だけ主放電回路18に動作指令を出力し、極間に加工電圧を印加させて加工電流Imを通電させる。動作時間tm2経過後、図12Bで示すように、休止時間tp1の間だけ、放電誘起回路16及び主放電回路18を休止させる。なお、動作制御部32は、放電遅れ時間Tdが経過すると、放電誘起回路16に設けられる一方(又は他方)のスイッチ素子群をオフ状態にして誘起電圧の印加を停止する。また、この休止時間tp1は、予め決められた時間である。
一方、ステップS34からステップS37に進んだ場合は、動作時間設定部36は、主放電回路18の動作時間tmに第2所定値tm1を設定する。
ステップS38にて、動作制御部32は、図12Aで示すように、極間電圧Vgがアーク電圧(=約20V)以下になった後(放電遅れ時間Td後)に、動作時間tm1の間だけ主放電回路18に動作指令を出力し、極間に加工電圧を印加させて加工電流Imを通電させる。動作時間tm1経過後、図12Aで示すように、休止時間tp1の間だけ、放電誘起回路16及び主放電回路18を休止させる。なお、動作制御部32は、放電遅れ時間Tdが経過すると、放電誘起回路16に設けられる一方(又は他方)のスイッチ素子群をオフ状態にして誘起電圧の印加を停止する。上述したように、この休止時間tp1は、予め決められた時間である。
[6.3 処理パターン3]
図9で示す処理と図11で示す処理を組み合わせることも可能である。この場合、図9で示すステップS25の処理の前又は後に、図11で示すステップS35の処理を行い、図9で示すステップS27の処理の前又は後に、図11で示すステップS37の処理を行えばよい。
[6.4 処理パターン4]
処理パターン1、3では、放電遅れ時間Tdが所定時間Tth未満である場合に、休止時間tpを第1所定値tp1よりも小さいtp2とし、放電遅れ時間Tdが所定時間Tth以上である場合に、休止時間tpを第1所定値tp1としている。これに代わり、放電遅れ時間Tdが所定時間Tth未満である場合に、休止時間tpを第1所定値tp1とし、放電遅れ時間Tdが所定時間Tth以上である場合に、休止時間tpを第1所定値tp1よりも大きいtp3としてもよい。
[6.5 処理パターン5]
処理パターン2、3では、放電遅れ時間Tdが所定時間Tth未満である場合に、主放電回路18の動作時間tmを第2所定値tm1よりも大きいtm2とし、放電遅れ時間Tdが所定時間Tth以上である場合に、動作時間tmを第2所定値tm1としている。これに代わり、放電遅れ時間Tdが所定時間Tth未満である場合に、動作時間tmを第2所定値tm1とし、放電遅れ時間Tdが所定時間Tth以上である場合に、動作時間tmを第2所定値tm1よりも小さいtm3としてもよい。
[7 第2実施形態の変形例]
第2実施形態では、放電遅れ時間Tdと所定時間Tthとを比較して、休止時間tp及び/又は主放電回路18の動作時間tmを設定している。しかし、放電遅れ時間Tdと所定時間Tthとを比較せずに、放電遅れ時間Tdの長さに応じて休止時間tp及び/又は主放電回路18の動作時間tmを設定してもよい。この場合、放電遅れ時間Tdが短くなる程休止時間tpが短くなるような関係をマップ等で記憶しておき、そのマップを利用する。また、放電遅れ時間Tdが短くなる程主放電回路18の動作時間tmが長くなるような関係をマップ等で記憶しておき、そのマップを利用する。
[8 第2実施形態のまとめ]
第1実施形態では極間状態判別期間Pgの後の極間電圧Vgの大きさにより休止時間tp及び/又は主放電回路18の動作時間tmを設定するものであるが、第2実施形態は放電遅れ時間Tdの大きさにより休止時間tp及び/又は主放電回路18の動作時間tmを設定するものである。以下の理由により、第2実施形態は、第1実施形態よりも正確に極間間隙量を推定できる。
例えば、極間状態判別期間Pgの間に、一旦放電が発生した後で、極間の絶縁が回復した場合、再び電圧が上昇する。このため、極間状態判別期間Pgが終了した後に極間電圧Vgが電圧閾値Vth以上になっていると、正常放電と判断されて短縮しない所定の休止時間tpが適用される。一方、放電遅れ時間Tdを用いることで、極間間隙量を正確に推定することができる。
ワイヤ放電加工装置10は、ワイヤ電極12とワーク14(被加工物)との間である極間に誘起電圧を印加して放電を誘起させる放電誘起回路16と、極間に加工電圧を印加させて加工電流を通電する主放電回路18と、を備える。ワイヤ放電加工装置10は、放電誘起回路16を動作させ、次いで主放電回路18を動作させた後に、放電誘起回路16及び主放電回路18を動作させない休止時間tpを設け、放電誘起回路16及び主放電回路18の動作と休止とを含む一連のサイクルを繰り返すことにより、ワーク14を加工する。ワイヤ放電加工装置10は、放電誘起回路16により極間に誘起電圧が印加されてから放電するまでの放電遅れ時間Tdを測定する放電遅れ時間測定部24と、放電遅れ時間Tdに応じて、休止時間tp及び/又は主放電回路18の動作時間tmを変更する放電制御装置30(制御部)と、を備える。
放電遅れ時間Tdは極間間隙量と相関が強い。上記構成によれば、放電遅れ時間Tdを測定しており、これによりワイヤ電極12とワーク14との極間間隙量を推定することができる。そして、極間間隙量の推定結果に応じて放電を行わない休止時間tp及び/又は主放電回路18の動作時間tmを変更するので、極間間隙量に応じた適切な休止時間tp及び/又は主放電回路18の動作時間tmを設定することができる。したがって、仕上げ加工を効率よく行うことができるとともに、仕上げ加工の精度が向上する。
放電制御装置30は、放電遅れ時間Tdが所定時間Tth未満である場合は、放電遅れ時間Tdが所定時間Tth以上の場合より、主放電回路18の動作時間tmを大きくする。
上記構成によれば、放電遅れ時間Tdが所定時間Tth未満の場合に、極間間隙量が小さい(狭い)と判定して、主放電回路18の動作時間tmを大きくして放電エネルギーを増加させるので、仕上げ加工を効率よく行うことができ、仕上げ加工の精度が向上する。
放電制御装置30は、放電遅れ時間Tdが短くなる程主放電回路18の動作時間tmを長くする。
上記構成によれば、放電遅れ時間Tdが短い程、極間間隙量が小さく(狭く)なるので、主放電回路18の動作時間tmを長くして放電エネルギーを増加させる。このため、仕上げ加工を効率よく行うことができ、仕上げ加工の精度が向上する。
本来は、放電遅れ時間Tdの長さに応じて主放電回路18の動作時間tmを設定可能である。しかし、主放電回路18の動作時間tmを長くしすぎると、面粗さが悪化したり、主放電回路18のパワー素子が過熱する等の事象が発生する可能性がある。上記構成によれば、主放電回路18の動作時間tmが頭打ちになるので、面粗さが悪化したり、パワー素子が過熱する等の事象が発生しない。
放電制御装置30は、放電遅れ時間Tdが所定時間Tth未満の場合に、放電遅れ時間Tdが所定時間Tth以上の場合より、休止時間tpを小さくする。
上記構成によれば、放電遅れ時間Tdが所定時間Tth未満である場合に、極間間隙量が小さい(狭い)と判定して、休止時間tpを小さくして加工頻度を増加させるので、仕上げ加工を効率よく行うことができ、仕上げ加工の精度が向上する。
放電制御装置30は、放電遅れ時間Tdが短くなる程休止時間tpを短くする。
上記構成によれば、放電遅れ時間Tdが短い程、極間間隙量が小さく(狭く)なるので、休止時間tpを短くして加工頻度を増加させる。このため、仕上げ加工を効率よく行うことができ、仕上げ加工の精度が向上する。
本来は、放電遅れ時間Tdの長さに応じて休止時間tpを設定可能である。しかし、休止時間tpを長くしすぎると、放電頻度が少なくなり、加工速度が遅くなる。上記構成によれば、休止時間tpが頭打ちになるので、放電頻度が少なくなりすぎることがなくなり、加工速度が遅くなることもなくなる。
上記実施形態ではワイヤ放電加工装置10を仕上げ加工で用いるものとして説明したが、ワイヤの断線の可能性がない加工パワーで加工する場合においては、ワイヤ放電加工装置10を荒加工で用いてもよい。
なお、本発明に係るワイヤ放電加工装置10は、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…ワイヤ放電加工装置 12…ワイヤ電極(電極)
14…ワーク(被加工物) 16…放電誘起回路
18…主放電回路 22…電圧印加検出部
24…放電遅れ時間測定部 30…放電制御装置(制御部)
34…休止時間設定部 36…動作時間設定部

Claims (11)

  1. 電極と被加工物との間である極間に誘起電圧を印加して放電を誘起させる放電誘起回路を備え、前記放電誘起回路を動作させた後に、前記放電誘起回路を動作させない休止時間を設け、前記放電誘起回路の動作と休止とを含む一連のサイクルを繰り返すことにより、被加工物を加工するワイヤ放電加工装置であって、
    前記放電誘起回路により前記極間に誘起電圧が印加されてから予め定められた極間状態判別期間が経過した後に、極間電圧が閾値を上回っている場合に印加検出信号を出力する電圧印加検出部と、
    前記電圧印加検出部により前記印加検出信号が出力されたか否かに応じて、前記休止時間を変更する制御部と、
    を備えることを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  2. 電極と被加工物との間である極間に誘起電圧を印加して放電を誘起させる放電誘起回路と、前記極間に加工電圧を印加させて加工電流を通電する主放電回路とを備え、前記放電誘起回路を動作させ、次いで前記主放電回路を動作させた後に、前記放電誘起回路及び前記主放電回路を動作させない休止時間を設け、前記放電誘起回路及び前記主放電回路の動作と休止とを含む一連のサイクルを繰り返すことにより、被加工物を加工するワイヤ放電加工装置であって、
    前記放電誘起回路により前記極間に誘起電圧が印加されてから予め定められた極間状態判別期間が経過した後に、極間電圧が閾値を上回っている場合に印加検出信号を出力する電圧印加検出部と、
    前記電圧印加検出部により前記印加検出信号が出力されたか否かに応じて、前記休止時間及び/又は前記主放電回路の動作時間を変更する制御部と、
    を備えることを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  3. 請求項2に記載のワイヤ放電加工装置において、
    前記制御部は、前記極間状態判別期間が経過した後、前記電圧印加検出部により前記印加検出信号が出力されない場合は、前記極間状態判別期間が経過した時点で前記印加検出信号が出力される場合より、前記主放電回路の動作時間を大きくする
    ことを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のワイヤ放電加工装置において、
    前記制御部は、前記極間状態判別期間が経過した後、前記電圧印加検出部により前記印加検出信号が出力されない場合は、前記極間状態判別期間が終了した時点で前記印加検出信号が出力される場合より、前記休止時間を小さくする
    ことを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  5. 電極と被加工物との間である極間に誘起電圧を印加して放電を誘起させる放電誘起回路を備え、前記放電誘起回路を動作させた後に、前記放電誘起回路を動作させない所定の休止時間を設け、前記放電誘起回路の動作と休止とを含む一連のサイクルを繰り返すことにより、被加工物を加工するワイヤ放電加工装置であって、
    前記放電誘起回路により前記極間に誘起電圧が印加されてから放電するまでの放電遅れ時間を測定する放電遅れ時間測定部と、
    前記放電遅れ時間に応じて、前記休止時間を変更する制御部と、
    を備えることを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  6. 電極と被加工物との間である極間に誘起電圧を印加して放電を誘起させる放電誘起回路と、前記極間に加工電圧を印加させて加工電流を通電する主放電回路とを備え、前記放電誘起回路を動作させ、次いで前記主放電回路を動作させた後に、前記放電誘起回路及び前記主放電回路を動作させない休止時間を設け、前記放電誘起回路及び前記主放電回路の動作と休止とを含む一連のサイクルを繰り返すことにより、被加工物を加工するワイヤ放電加工装置であって、
    前記放電誘起回路により前記極間に誘起電圧が印加されてから放電するまでの放電遅れ時間を測定する放電遅れ時間測定部と、
    前記放電遅れ時間に応じて、前記休止時間及び/又は前記主放電回路の動作時間を変更する制御部と、を備える
    ことを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  7. 請求項6に記載のワイヤ放電加工装置において、
    前記制御部は、前記放電遅れ時間が所定値未満の場合は、前記放電遅れ時間が前記所定値以上の場合より、前記主放電回路の動作時間を大きくする
    ことを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  8. 請求項6に記載のワイヤ放電加工装置において、
    前記制御部は、前記放電遅れ時間が短くなる程前記主放電回路の動作時間を長くする
    ことを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  9. 請求項5〜8のいずれか1項に記載のワイヤ放電加工装置において、
    前記制御部は、前記放電遅れ時間が所定値未満の場合は、前記放電遅れ時間が前記所定値以上の場合より、前記休止時間を小さくする
    ことを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  10. 請求項5〜8のいずれか1項に記載のワイヤ放電加工装置において、
    前記制御部は、前記放電遅れ時間が短くなる程前記休止時間を短くする
    ことを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のワイヤ放電加工装置において、
    前記制御部は、仕上げ加工時に、前記休止時間及び/又は前記主放電回路の動作時間を変更する
    ことを特徴とするワイヤ放電加工装置。
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