JP2017188974A - 溶接電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】三相商用電源より入力される三相の交流電圧を低周波用の三相変圧器で変圧して用い、サイリスタを用いない溶接電源装置を提供する。【解決手段】溶接電源装置A1において、三相変圧器3、電力変換回路4、制御回路8、電力変換回路4の入力電圧を検出する入力側電圧センサ6および出力電流を検出する出力側電流センサ7を備えた。電力変換回路4は、双方向スイッチ41(43,45)と双方向スイッチ42(44,46)とを直列接続した直列回路4a(4b,4c)を有し、直列回路4a〜4cはそれぞれ出力端子u,v間に並列接続され、双方向スイッチ41(43,45)と双方向スイッチ42(44,46)との接続点は、三相変圧器3の二次側巻線32の各端子にそれぞれ接続されている。制御回路8は、入力側電圧センサ6の検出信号と、出力側電流センサ7の検出信号とに基づいて生成した駆動信号を、各双方向スイッチ41〜46に入力する。【選択図】図1

Description

本発明は、アーク溶接に用いられる溶接電源装置に関する。
溶接トーチと被加工物との間にアークを発生させて、アークの熱で被加工物の溶接を行うアーク溶接が知られている。アークには、溶接電源装置から電力が供給される。造船などにおける溶接では、構造が単純で故障しにくいサイリスタ方式の溶接電源装置が用いられている。
図9は、サイリスタ方式の溶接電源装置の一例を示す図であり、溶接システムの全体構成を示している。溶接電源装置A100の一方の出力端子は、溶接トーチTの先端から突出する電極に接続される。溶接電源装置A100の他方の出力端子は、被加工物Wに接続される。溶接電源装置A100は、溶接トーチTの電極の先端と、被加工物Wとの間にアークを発生させ、アークに直流電力を供給する。溶接電源装置A100は、三相商用電源Bより入力される三相の交流電圧を低周波用の三相変圧器3で変圧し、サイリスタ401〜403の点弧位相を調整することで出力を制御する(例えば特許文献1参照)。三相商用電源Bより入力される低周波(例えば50Hz)電圧を三相変圧器3に直接入力するので、一次側に、整流回路およびインバータ回路を設ける必要がない。
特開2006−223031号公報 特開2006−281219号公報
しかしながら、近年、サイリスタの需要が減少し、サイリスタの製造が抑制されている。将来、サイリスタの製造が行われなくなった場合のことを考えて、サイリスタ方式に代わる溶接電源装置を開発する必要がある。チョッパ方式についても検討したが、静電容量の大きい電解コンデンサが必要になることや、負荷の大小によって、スイッチング素子に流れる電流が大きく変化するなどの問題点があった。
また、図9に示すサイリスタ方式の溶接電源装置の出力電力は直流電力なので、交流電力を出力するためには、インバータ回路を設ける必要がある。また、スパッタの発生を抑制して溶接品質を向上させるためには、低スパッタ回路を設ける必要がある。低スパッタ回路は、大型の抵抗器とスイッチング素子とを並列接続したものであり、スイッチング素子をオフにして電流を抵抗に流すことで減少させ、出力電流を小さくし、スパッタの発生を抑制するものである。低スパッタ回路を備える溶接電源装置については、例えば特許文献2に記載されている。交流用、低スパッタ用の各回路を設けると、種々の電源仕様に応じることができるが、溶接電源装置の製造コストが高額になるという問題がある。
本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、三相商用電源より入力される三相の交流電圧を低周波用の三相変圧器で変圧して用い、かつ、サイリスタを用いずに出力制御を行う溶接電源装置を提供することをその目的としている。
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面によって提供される溶接電源装置は、三相商用電源より入力される三相の交流電圧を変圧して出力する三相変圧器と、前記三相変圧器より出力される三相の交流電力を単相の電力に変換して出力する電力変換回路と、前記電力変換回路を制御する制御回路と、前記電力変換回路に入力される電圧を検出する入力側センサと、前記電力変換回路から出力される電流または電圧を検出する出力側センサとを備えており、前記電力変換回路は、2つの双方向スイッチを直列接続した第1ないし第3の直列回路を有しており、前記第1ないし第3の直列回路は、それぞれ、前記電力変換回路の出力端子間に並列接続され、前記第1の直列回路の、2つの双方向スイッチの接続点は、前記変圧器の二次側巻線の第1の端子に接続され、前記第2の直列回路の、2つの双方向スイッチの接続点は、前記変圧器の二次側巻線の第2の端子に接続され、前記第3の直列回路の、2つの双方向スイッチの接続点は、前記変圧器の二次側巻線の第3の端子に接続され、前記制御回路は、前記入力側センサからの検出信号と、前記出力側センサからの検出信号とに基づいて生成した駆動信号を、前記各双方向スイッチに入力することを特徴とする。この構成によると、三相変圧器が、三相商用電源より入力される三相の交流電圧を変圧して、電力変換回路に入力する。制御回路は、入力側センサからの検出信号と、出力側センサからの検出信号とに基づいて、駆動信号を生成する。そして、電力変換回路の各双方向スイッチは、制御回路より入力される駆動信号に応じてスイッチングを行う。これにより、三相変圧器より入力される三相の交流電力は、単相の電力に変換される。また、出力側センサからの検出信号に基づくフィードバック制御により、出力が制御される。したがって、三相商用電源より入力されて三相変圧器で変圧された三相交流を用い、かつ、サイリスタを用いずに出力制御を行うことができる。
なお、「双方向スイッチ」とは、交流電流が流れる状態と、流れない状態とを切り替えることができるスイッチであり、例えば、2つの単方向スイッチを直列接続または並列接続したものや、交流電流が流れる状態と流れない状態とを切り替える単体のスイッチなども含まれる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記制御回路は、前記出力側センサからの検出信号と目標信号との差分に基づいて算出された補償信号および当該補償信号を反転させた反転信号と、キャリア信号とに基づいて、第1PWM信号および第2PWM信号を生成するPWM制御部と、前記入力側センサからの検出信号に基づく判別を行う判別部と、前記判別部での判別結果に基づいて、前記第1PWM信号または前記第2PWM信号を、そのままの状態と反転させた状態とゼロの状態とを切り替えた駆動信号を生成する駆動信号生成部とを備えている。この構成によると、入力側センサからの検出信号と出力側センサからの検出信号とに基づいて、駆動信号を生成することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記入力側センサは、前記第1ないし第3の端子の各電圧を検出して、3つの検出信号を出力し、前記判別部は、前記3つの検出信号の大小を判別する。この構成によると、駆動信号生成部は、入力側センサから入力される3つの検出信号の大小に基づいて、PWM信号と反転信号とゼロである信号とを切り替えることができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記駆動信号生成部は、前記判別部が最大と判別した検出信号が検出された端子に接続されている直列回路の、前記出力端子のうちの第1の出力端子に接続されている方の双方向スイッチに前記第1PWM信号を出力し、前記出力端子のうち第2の出力端子に接続されている方の双方向スイッチに前記第2PWM信号を出力し、前記判別部が最小と判別した検出信号が検出された端子に接続されている直列回路の、前記第1の出力端子に接続されている方の双方向スイッチに前記第1PWM信号を反転させた信号を出力し、前記第2の出力端子に接続されている方の双方向スイッチに前記第2PWM信号を反転させた信号を出力する。この構成によると、入力側の検出信号の大小に応じた駆動信号を、各双方向スイッチに出力することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記入力側センサは、前記第1ないし第3の端子の各相電圧を検出する。この構成によると、判別部は、検出された相電圧の検出信号の大小を判別することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記入力側センサは、前記第1ないし第3の端子の各線間電圧を検出する。この構成によると、判別部は、検出された線間電圧の検出信号の大小を判別することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記溶接電源装置は、前記電力変換回路の一方の出力端子に直列接続される平滑用リアクトルをさらに備えている。この構成によると、出力電流を安定させることができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記双方向スイッチは、2つのIGBTを備えている。この構成によると、大きな電流を流すことができる。また、逆阻止型のIGBTを並列接続した場合、双方向スイッチの構造を簡略なものにすることができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記双方向スイッチは、2つのMOSFETを備えている。この構成によると、電力の損失を低減することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記三相変圧器は、Y−Y結線の変圧器である。
本発明によると、三相変圧器が、三相商用電源より入力される三相の交流電圧を変圧して、電力変換回路に入力する。制御回路は、入力側センサからの検出信号と、出力側センサからの検出信号とに基づいて、駆動信号を生成する。そして、電力変換回路の各双方向スイッチは、制御回路より入力される駆動信号に応じてスイッチングを行う。これにより、三相変圧器より入力される三相の交流電力は、単相の電力に変換される。また、出力側センサからの検出信号に基づくフィードバック制御により、出力が制御される。したがって、三相商用電源より入力されて三相変圧器で変圧された三相交流を用い、かつ、サイリスタを用いずに出力制御を行うことができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
第1実施形態に係る溶接電源装置を説明するための図である。 駆動信号生成部が行う駆動信号生成処理を説明するためのフローチャートである。 駆動信号生成部を論理回路として表した図である。 シミュレーションを行った時の各波形を示す図である。 第1実施形態に係る双方向スイッチの変形例を示す図である。 第2実施形態に係る溶接電源装置を説明するための図である。 第2実施形態に係る双方向スイッチの変形例を示す図である。 第3実施形態に係る溶接電源装置を説明するための図である。 従来の溶接電源装置の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、第1実施形態に係る溶接電源装置A1を説明するための図である。
溶接電源装置A1は、溶接トーチの先端から突出するワイヤ電極の先端と、被加工物との間にアークを発生させ、アークに電力を供給するものである。図1においては、アークを負荷Lとして示している。図1に示すように、溶接電源装置A1は、三相変圧器3、電力変換回路4、平滑用リアクトル5、入力側電圧センサ6、出力側電流センサ7、および、制御回路8を備えている。溶接電源装置A1は、三相商用電源Bより入力される三相の交流電圧を低周波用の三相変圧器3で変圧し、三相変圧器3より出力される三相の交流電力を電力変換回路4で所望の波形の電力に変換して出力する。
三相変圧器3は、三相商用電源Bより入力される三相の交流電圧(周波数は例えば50Hz)を変圧して出力する低周波用の変圧器である。本実施形態において、三相変圧器3は、Y−Y結線の変圧器であり、一次側に、3個の巻き線がY結線(星形結線)された一次側巻線31を備えており、二次側に、3個の巻き線がY結線された二次側巻線32を備えている。一次側巻線31の各端子は、それぞれ、三相商用電源Bの各相に接続されている。二次側巻線32の各端子は、それぞれ、電力変換回路4の、端子a,b,cに接続されている。三相変圧器3は、一次側巻線31の3つの端子に電圧を印加され、一次側巻線31と二次側巻線32の巻き数比に応じた電圧に変圧して、二次側巻線32の3つの端子から出力する。なお、三相変圧器3の回路構成は、上述したものに限定されない。例えば、一次側巻線31と二次側巻線32との結線方式を、Δ−Y結線、Y−Δ結線、または、Δ−Δ結線などの他の結線方式としてもよい。つまり、一次側巻線31を3個の巻き線がΔ結線されたものとしてもよいし、二次側巻線32を3個の巻き線がΔ結線されたものとしてもよい。
電力変換回路4は、三相変圧器3より入力される交流電力を、制御回路8より入力される駆動信号に応じて変換して、出力する。電力変換回路4は、3つの入力端子a,b,cと、2つの出力端子u,vを備えている。入力端子a,b,cは、三相変圧器3の二次側巻線32の3つの端子に、それぞれ接続されている。また、出力端子uは、平滑用リアクトル5を介して、溶接電源装置A1の一方の出力端子dに接続され、出力端子vは、溶接電源装置A1の他方の出力端子eに接続されている。
電力変換回路4は、6つの双方向スイッチ41〜46を備えている。各双方向スイッチ41〜46は、交流電流を流すことができるスイッチであり、本実施形態では、2つのIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor : 絶縁ゲート・バイポーラトランジスタ)を逆直列接続したものを用いている。2つのIGBTはエミッタ端子同士が接続されており、各IGBTのコレクタ端子とエミッタ端子との間には、それぞれダイオードが逆並列に接続されている。2つのIGBTのゲート端子には、制御回路8より駆動信号が入力される。駆動信号がオン信号の場合、2つのIGBTのゲート端子がオンになる。この場合、一方の方向に流れる電流は、一方のIGBTと、他方のIGBTに接続されたダイオードとを流れ、他方の方向に流れる電流は、他方のIGBTと、一方のIGBTに接続されたダイオードとを流れる。つまり、双方向に電流を流すことができるので、交流電流を流すことができる。また、駆動信号がオフ信号の場合、2つのIGBTのゲート端子がオフになる。この場合、どちらの方向の電流も流れなくなる。つまり、双方向スイッチ41〜46は、入力される駆動信号に応じて、交流電流が流れる状態と、流れない状態とを切り替えることができる。なお、双方向スイッチ41〜46の構成は限定されず、交流電流が流れる状態と、流れない状態とを切り替えることができるものであればよい。例えば、2つのIGBTのコレクタ端子同士を接続するようにしてもよい。
双方向スイッチ41と双方向スイッチ42とは直列接続され、直列回路4aを構成し、双方向スイッチ43と双方向スイッチ44とは直列接続され、直列回路4bを構成し、双方向スイッチ45と双方向スイッチ46とは直列接続され、直列回路4cを構成している。直列回路4a、直列回路4bおよび直列回路4cは、それぞれ、出力端子u,v間に並列接続されている。また、双方向スイッチ41と双方向スイッチ42との接続点は、入力端子aに接続され、双方向スイッチ43と双方向スイッチ44との接続点は、入力端子bに接続され、双方向スイッチ45と双方向スイッチ46との接続点は、入力端子cに接続されている。
平滑用リアクトル5は、電力変換回路4の出力端子uと溶接電源装置A1の出力端子dとの間に直列接続されており、出力電流を安定させる。なお、平滑用リアクトル5は、電力変換回路4の出力端子vと溶接電源装置A1の出力端子eとの間に直列接続されていてもよい。出力端子d,eより出力される電流が、溶接電流として、負荷L(アーク)に流れる。
入力側電圧センサ6は、電力変換回路4の入力電圧(各相の相電圧)の瞬時値を検出する。具体的には、中性点の電位を基準として、入力端子aの電位、入力端子bの電位、および、入力端子cの電位を検出し、それぞれ、電圧信号Va,Vb,Vcとして、制御回路8に入力する。制御回路8は、電圧信号Va,Vb,Vcをデジタル信号に変換して、入力電圧判別部86に入力する。なお、本実施形態では、入力側電圧センサ6が各相の相電圧を検出する場合について説明したが、入力側電圧センサ6が各線間電圧を検出するようにしてもよい。
出力側電流センサ7は、電力変換回路4の出力端子vと、溶接電源装置A1の出力端子eとの間の接続線に配置されており、電力変換回路4の出力電流の瞬時値を検出する。出力側電流センサ7は、検出した電流信号Ioを、制御回路8に入力する。制御回路8は、電流信号Ioをデジタル信号に変換して、減算部82に入力する。本実施形態では、電流の方向を、出力端子eから出力端子vに流れる場合を正の方向とし、逆に流れる場合を負の方向としている。したがって、デジタル化された電流信号Ioは、出力端子eから出力端子vの方向に流れている場合は正の値となり、出力端子vから出力端子eの方向に流れている場合は負の値となる。電力変換回路4の出力電流が交流電流の場合、デジタル化された電流信号Ioは、正の値と負の値の両方の値を取り得る。一方、電力変換回路4の出力電流が直流電流の場合、デジタル化された電流信号Ioは、正の値または負の値のいずれか一方の値となる。なお、出力側電流センサ7は、平滑用リアクトル5と溶接電源装置A1の出力端子dとの間(または、平滑用リアクトル5と電力変換回路4の出力端子uとの間)の接続線に配置してもよく、電力変換回路4の出力電流の瞬時値を検出できればよい。
制御回路8は、溶接電源装置A1を制御するものであり、例えばマイクロコンピュータなどによって実現されている。制御回路8は、フィードバック制御を行っており、本実施形態においては、出力電流を制御している。制御回路8は、電力変換回路4を制御するための駆動信号を生成して、電力変換回路4に出力する。実際には、制御回路8が生成した駆動信号は、ドライブ回路によって増幅されて、電力変換回路4に出力されるが、図1においては、ドライブ回路の記載を省略している。制御回路8は、出力電流設定部81、減算部82、補償信号生成部83、キャリア信号生成部84、PWM信号生成部85、入力電圧判別部86、および、駆動信号生成部87を備えている。
出力電流設定部81は、溶接電源装置A1の出力電流の目標信号I*を設定するものであり、設定された目標信号I*を減算部82に出力する。目標信号I*は、図示しない操作装置を操作者が操作することで設定される。なお、あらかじめ複数の目標信号I*を登録しておいて、操作装置の操作によって、選択するようにしてもよい。出力電流を直流電流とする場合は、目標信号I*を所望の直流信号とすればよく、出力電流を交流電流とする場合は、目標信号I*を所望の周波数の交流信号とすればよい。また、出力電流を急減させる場合は、目標信号I*を急減すればよい。
減算部82は、出力側電流センサ7より入力される電流信号Ioと、出力電流設定部81より入力される目標信号I*との偏差ΔI(=I*−Io)を算出して、補償信号生成部83に出力する。補償信号生成部83は、減算部82より入力される偏差ΔIに基づいて、例えばPI制御(比例積分制御)による補償信号を算出し、PWM信号生成部85に出力する。なお、補償信号生成部83は、例えばPID制御(比例積分微分制御)などの他の制御を行うようにしてもよい。キャリア信号生成部84は、例えば三角波などのキャリア信号を生成し、PWM信号生成部85に出力する。本実施形態においては、キャリア信号を、「0」を中心として正の値と負の値とで変化する信号としている。
PWM信号生成部85は、2つのPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)信号を生成するものである。PWM信号生成部85は、補償信号生成部83より入力される補償信号に「−1」を乗算することで、補償信号を反転させた反転信号を生成する。そして、補償信号と、キャリア信号生成部84より入力されるキャリア信号とを比較することでu相用のPWM信号を生成する。例えば、補償信号がキャリア信号より大きい場合にハイレベルとなり、補償信号がキャリア信号以下の場合にローレベルとなるパルス信号が、u相用のPWM信号として生成される。また、PWM信号生成部85は、反転信号とキャリア信号とを比較することで、v相用のPWM信号を生成する。u相用のPWM信号およびv相用のPWM信号が、本発明の「第1PWM信号」および「第2PWM信号」に相当する。各PWM信号には、デッドタイムが設けられる。PWM信号生成部85は、生成した各PWM信号を、駆動信号生成部87に出力する。出力電流設定部81、減算部82、補償信号生成部83、キャリア信号生成部84およびPWM信号生成部85が、本発明の「PWM制御部」に相当する。
入力電圧判別部86は、入力側の各相の電圧の大小関係を判別する。入力電圧判別部86は、入力側電圧センサ6によって検出され、デジタル化された電圧信号Va,Vb,Vcを入力され、電圧信号Va,Vb,Vcの大小関係を判別する。入力電圧判別部86は、判別結果を判別信号として、駆動信号生成部87に出力する。判別信号には、いずれの電圧信号が最大であるかという情報と、いずれの電圧信号が最小であるかという情報とが含まれている。なお、入力側電圧センサ6が各線間電圧を検出する場合でも、いずれかの相を基準にすることで、各相の電圧の大小関係を判別することができる。
駆動信号生成部87は、PWM信号生成部85より入力されるu相用のPWM信号およびv相用のPWM信号と、入力電圧判別部86より入力される判別信号とに基づいて、駆動信号を生成する。駆動信号生成部87は、電圧信号Vaが最大であることを示す判別信号を入力されている間はu相用のPWM信号となり、電圧信号Vaが最小であることを示す判別信号を入力されている間はu相用のPWM信号を反転させた信号となり、電圧信号Vaが最大でも最小でもないことを示す判別信号を入力されている間は「0」であるゼロ信号となる駆動信号Sauを生成する。そして、当該駆動信号Sauを、双方向スイッチ41に出力する。同様に、駆動信号生成部87は、電圧信号Vbが最大であることを示す判別信号を入力されている間はu相用のPWM信号となり、電圧信号Vbが最小であることを示す判別信号を入力されている間はu相用のPWM信号を反転させた信号となり、電圧信号Vbが最大でも最小でもないことを示す判別信号を入力されている間はゼロ信号となる駆動信号Sbuを生成する。そして、当該駆動信号Sbuを、双方向スイッチ43に出力する。また、駆動信号生成部87は、電圧信号Vcが最大であることを示す判別信号を入力されている間はu相用のPWM信号となり、電圧信号Vcが最小であることを示す判別信号を入力されている間はu相用のPWM信号を反転させた信号となり、電圧信号Vcが最大でも最小でもないことを示す判別信号を入力されている間はゼロ信号となる駆動信号Scuを生成する。そして、当該駆動信号Scuを、双方向スイッチ45に出力する。
また、駆動信号生成部87は、電圧信号Vaが最大であることを示す判別信号を入力されている間はv相用のPWM信号となり、電圧信号Vaが最小であることを示す判別信号を入力されている間はv相用のPWM信号を反転させた信号となり、電圧信号Vaが最大でも最小でもないことを示す判別信号を入力されている間はゼロ信号となる駆動信号Savを生成する。そして、当該駆動信号Savを、双方向スイッチ42に出力する。また、駆動信号生成部87は、電圧信号Vbが最大であることを示す判別信号を入力されている間はv相用のPWM信号となり、電圧信号Vbが最小であることを示す判別信号を入力されている間はv相用のPWM信号を反転させた信号となり、電圧信号Vbが最大でも最小でもないことを示す判別信号を入力されている間はゼロ信号となる駆動信号Sbvを生成する。そして、当該駆動信号Sbvを、双方向スイッチ44に出力する。また、駆動信号生成部87は、電圧信号Vcが最大であることを示す判別信号を入力されている間はv相用のPWM信号となり、電圧信号Vcが最小であることを示す判別信号を入力されている間はv相用のPWM信号を反転させた信号となり、電圧信号Vcが最大でも最小でもないことを示す判別信号を入力されている間はゼロ信号となる駆動信号Scvを生成する。そして、当該駆動信号Scvを、双方向スイッチ46に出力する。
図2は、駆動信号生成部87が行う駆動信号生成処理を説明するためのフローチャートである。当該駆動信号生成処理は、所定のタイミング毎に実施される。
まず、駆動信号生成部87は、入力電圧判別部86より判別信号を受信し、PWM信号生成部85よりu相用のPWM信号およびv相用のPWM信号を受信する(S1)。次に、判別信号に基づいて、電圧信号Vaが最大であるか否かを判別する(S2)。電圧信号Vaが最大である場合(S2:YES)、電圧信号Vbが最小であるか否かを判別する(S3)。電圧信号Vbが最小である場合(S3:YES)、すなわち、電圧信号Vaが最大で、電圧信号Vbが最小である場合、駆動信号生成部87は、双方向スイッチ41にu相用のPWM信号を出力し、双方向スイッチ42にv相用のPWM信号を出力し(S4)、双方向スイッチ43にu相用のPWM信号を反転させた信号を出力し、双方向スイッチ44にv相用のPWM信号を反転させた信号を出力し(S5)、双方向スイッチ45,46にゼロ信号を出力する(S6)。
ステップS3において、電圧信号Vbが最小でない場合(S3:NO)、すなわち、電圧信号Vaが最大で、電圧信号Vcが最小である場合、駆動信号生成部87は、双方向スイッチ41にu相用のPWM信号を出力し、双方向スイッチ42にv相用のPWM信号を出力し(S7)、双方向スイッチ45にu相用のPWM信号を反転させた信号を出力し、双方向スイッチ46にv相用のPWM信号を反転させた信号を出力し(S8)、双方向スイッチ43,44にゼロ信号を出力する(S9)。
ステップS2において、電圧信号Vaが最大でない場合(S2:NO)、電圧信号Vbが最大であるか否かを判別する(S10)。電圧信号Vbが最大である場合(S10:YES)、電圧信号Vcが最小であるか否かを判別する(S11)。電圧信号Vcが最小である場合(S11:YES)、すなわち、電圧信号Vbが最大で、電圧信号Vcが最小である場合、駆動信号生成部87は、双方向スイッチ43にu相用のPWM信号を出力し、双方向スイッチ44にv相用のPWM信号を出力し(S12)、双方向スイッチ45にu相用のPWM信号を反転させた信号を出力し、双方向スイッチ46にv相用のPWM信号を反転させた信号を出力し(S13)、双方向スイッチ41,42にゼロ信号を出力する(S14)。
ステップS11において、電圧信号Vcが最小でない場合(S11:NO)、すなわち、電圧信号Vbが最大で、電圧信号Vaが最小である場合、駆動信号生成部87は、双方向スイッチ43にu相用のPWM信号を出力し、双方向スイッチ44にv相用のPWM信号を出力し(S15)、双方向スイッチ41にu相用のPWM信号を反転させた信号を出力し、双方向スイッチ42にv相用のPWM信号を反転させた信号を出力し(S16)、双方向スイッチ45,46にゼロ信号を出力する(S17)。
ステップS10において、電圧信号Vbが最大でない場合(S10:NO)、電圧信号Vaが最小であるか否かを判別する(S18)。電圧信号Vaが最小である場合(S18:YES)、すなわち、電圧信号Vcが最大で、電圧信号Vaが最小である場合、駆動信号生成部87は、双方向スイッチ45にu相用のPWM信号を出力し、双方向スイッチ46にv相用のPWM信号を出力し(S19)、双方向スイッチ41にu相用のPWM信号を反転させた信号を出力し、双方向スイッチ42にv相用のPWM信号を反転させた信号を出力し(S20)、双方向スイッチ43,44にゼロ信号を出力する(S21)。
ステップS18において、電圧信号Vaが最小でない場合(S18:NO)、すなわち、電圧信号Vcが最大で、電圧信号Vbが最小である場合、駆動信号生成部87は、双方向スイッチ45にu相用のPWM信号を出力し、双方向スイッチ46にv相用のPWM信号を出力し(S22)、双方向スイッチ43にu相用のPWM信号を反転させた信号を出力し、双方向スイッチ44にv相用のPWM信号を反転させた信号を出力し(S23)、双方向スイッチ41,42にゼロ信号を出力する(S24)。
所定のタイミング毎に、駆動信号生成処理が実施されることにより、双方向スイッチ41〜46には、それぞれ、駆動信号Sau,Sav,Sbu,Sbv,Scu,Scvが入力される。
なお、駆動信号生成部87は、PWM信号生成部85より入力されるu相用のPWM信号およびv相用のPWM信号と、入力電圧判別部86より入力される判別信号とから、論理式に基づいて、駆動信号Sau,Sav,Sbu,Sbv,Scu,Scvを決定するようにしてもよい。
電圧信号Vaが最大の場合を「Amax(=True)」、電圧信号Vbが最大の場合を「Bmax(=True)」、電圧信号Vcが最大の場合を「Cmax(=True)」とし、電圧信号Vaが最小の場合を「Amin(=True)」、電圧信号Vbが最小の場合を「Bmin(=True)」、電圧信号Vcが最小の場合を「Cmin(=True)」とする。そして、PWM信号がオンの場合を「Pu(=True)」とし、反転信号がオンの場合を「Pv(=True)」とする。
駆動信号Sauの論理式は、
au=(Pu&Amax)|(!Pu&Amin
で表される。なお、「&」は論理積、「|」は論理和、「!」は後続する信号の否定を表している。同様に、駆動信号Sav,Sbu,Sbv,Scu,Scvの論理式は、それぞれ、
av=(Pv&Amax)|(!Pv&Amin
bu=(Pu&Bmax)|(!Pu&Bmin
bv=(Pv&Bmax)|(!Pv&Bmin
cu=(Pu&Cmax)|(!Pu&Cmin
cv=(Pv&Cmax)|(!Pv&Cmin
で表される。図3は、駆動信号生成部87を論理回路として表したものである。
また、駆動信号生成部87が、あらかじめ設定されている真理値表に基づいて、駆動信号Sau,Sav,Sbu,Sbv,Scu,Scvを決定するようにしてもよい。下記表は、駆動信号Sauの真理値表を示している。なお、「True」を「1」で表している。また、電圧信号Vaが最大でかつ最小ということはありえないので、Amax=1かつAmin=1の場合は省いている。
Figure 2017188974
駆動信号生成部87は、最大電圧となる入力端子(a,b,c)に接続されている直列回路(4a,4b,4c)の出力端子u側の双方向スイッチ(41,43,45)をu相用のPWM信号に応じてスイッチングさせ、出力端子v側の双方向スイッチ(42,44,46)をv相用のPWM信号に応じてスイッチングさせ、最小電圧となる入力端子(a,b,c)に接続されている直列回路(4a,4b,4c)の出力端子u側の双方向スイッチ(41,43,45)をu相用のPWM信号を反転させた信号に応じてスイッチングさせ、出力端子v側の双方向スイッチ(42,44,46)をv相用のPWM信号を反転させた信号に応じてスイッチングさせるように、各駆動信号を生成して出力するものであればよい。
図4は、溶接電源装置A1の構成でシミュレーションを行った時の入力電圧、出力電圧および出力電流の各波形を示している。各図(a),(b),(c),(d)とも、最上段は出力電流設定部81で設定された目標信号I*の波形を示しており、2段目は溶接電源装置A1(電力変換回路4)の出力電流を示す電流信号Ioの波形を示している。また、3段目は電力変換回路4への入力電圧を示す電圧信号Va,Vb,Vcの波形を示しており、最下段は電力変換回路4からの出力電圧の波形を示している。いずれの場合も、電圧信号Va,Vb,Vcは周波数が50Hzの三相平衡状態の正弦波(各図3段目参照)であり、キャリア信号の周波数を20kHzとしている。
図4(a)は、目標信号I*として周波数が400Hzの正弦波を設定して、シミュレーションを行ったものである。この場合、出力電圧の波形(最下段参照)は、入力電圧の(1/8)の周期で、周波数が20kHzの正のパルスと負のパルスとが繰り返されるものとなっている。また、出力電流の波形(2段目参照)は、周波数が400Hzの正弦波になっていることが確認できる。
図4(b)は、目標信号I*として周波数が120Hzの正弦波を設定して、シミュレーションを行ったものである。この場合、出力電圧の波形(最下段参照)は、入力電圧の(5/12)の周期で、周波数が20kHzの正のパルスと負のパルスとが繰り返されるものとなっている。また、出力電流の波形(2段目参照)は、周波数が120Hzの正弦波になっていることが確認できる。
図4(c)は、目標信号I*として周波数が100Hzの鋸歯状波を設定して、シミュレーションを行ったものである。この場合、出力電圧の波形(最下段参照)は、周波数が20kHzの正のパルスが続き、入力電圧の(1/2)の周期で、短い時間だけ負のパルスが現れる波形となっている。また、出力電流の波形(2段目参照)は、周波数が100Hzの鋸歯状波になっていることが確認できる。さらに、出力電流を急減させることができることも確認できた。
図4(d)は、目標信号I*として周波数が100Hzの矩形波(交流であって、中心を正の側にずらしている)を設定して、シミュレーションを行ったものである。この場合、出力電圧の波形(最下段参照)は、入力電圧の(1/2)の周期で、周波数が20kHzの正のパルスと負のパルスとが繰り返されるものとなっている。また、出力電流の波形(2段目参照)は、目標信号I*と同様の波形であり、周波数が100Hzの矩形波で、500Aから−100Aまで変化するものになっていることが確認できる。
いずれの場合も、目標信号I*として設定した波形と同様の電流波形を出力することができた。
本実施形態によると、低周波用の三相変圧器3が、三相商用電源Bより入力される三相の交流電圧を変圧して、電力変換回路4に入力する。そして、サイリスタによる制御の代わりに、電力変換回路4が、出力を制御する。したがって、三相商用電源Bより入力されて三相変圧器3で変圧された三相交流を用い、かつ、サイリスタを用いずに出力制御を行うことができる。変圧器の一次側に整流回路およびインバータ回路を備えていないので、これらを備えている溶接電源装置と比べて、構造が単純で故障しにくく、製造コストを抑制することができる。また、チョッパ方式のような静電容量の大きい電解コンデンサを必要としない。したがって、電解コンデンサの定期的な交換の必要がないので保守性が高い。また、チョッパ方式のように、負荷の大小によって、スイッチング素子に流れる電流が大きく変化することもない。
また、本実施形態によると、PWM信号生成部85は、出力側電流センサ7より入力される電流信号Ioと、出力電流設定部81に設定された目標信号I*との偏差ΔIに基づいて、u相用のPWM信号およびv相用のPWM信号を生成する。そして、駆動信号生成部87は、PWM信号生成部85より入力されるu相用のPWM信号およびv相用のPWM信号と、入力電圧判別部86より入力される判別信号(入力電圧の大小関係を示す)とに基づいて、各駆動信号を生成する。各駆動信号は、電力変換回路4の入力電圧の大小関係に応じて、(u相用またはv相用の)PWM信号、当該PWM信号を反転させた信号およびゼロ信号が切り替えられる信号になる。電力変換回路4の各双方向スイッチ41〜46は、駆動信号生成部87より入力される各駆動信号に基づいてスイッチングを行う。これにより、溶接電源装置A1の出力電流は、目標信号I*に応じて、フィードバック制御される。したがって、溶接電源装置A1は、目標信号I*として、直流電流を示す信号を設定すれば、直流電力を出力し、目標信号I*として、所望の周波数の交流信号を設定すれば、当該周波数の交流電力を出力する。つまり、溶接電源装置A1は、目標信号I*を変更するだけで、直流電力も交流電力も出力することができる。また、溶接電源装置A1は、目標信号I*を急減させることで、出力電流を急減させることができる。つまり、目標信号I*の変化だけで、低スパッタ回路と同じ機能を果たすことができる。以上のように、溶接電源装置A1は、目標信号I*の変更だけで、様々な電源仕様に対応することができる。
また、交流電力を出力する一般的な溶接電源装置は、変圧器の二次側に整流回路とインバータ回路とを備える必要があるが、溶接電源装置A1は、整流回路を備える必要がない。したがって、その分、小型化を図ることができるし、製造コストを抑制することができる。また、低スパッタ回路を備えていなくても、同じ機能を果たすことができるので、その分、小型化を図ることができるし、製造コストを抑制することができる。また、直流用、交流用、低スパッタ用のそれぞれの回路をすべて設ける場合と比べて、大型化および高額化を抑制することができる。
さらに、溶接電源装置A1は、同じハードウエアを用いて、目標信号I*を変更するだけで、直流用の溶接電源装置とすることができ、交流用の溶接電源装置とすることができ、また、低スパッタ回路を備えた溶接電源装置とすることもできる。したがって、それぞれ異なるハードウエアとして溶接電源装置を製造する場合と比べて、製造コストや評価コストを低減することができる。
なお、本実施形態においては、双方向スイッチ41〜46として、2つのIGBTを逆直列接続したものを用いた場合について説明したが、これに限られない。例えば、図5に示す各双方向スイッチを用いるようにしてもよい。
図5(a)は、2つのIGBTを逆並列接続したものである。各IGBTのエミッタ端子にはそれぞれダイオードが直列接続されている。これらのダイオードは、IGBTに逆バイアスがかからないようにしている。2つのIGBTのゲート端子がオンの場合、一方の方向に流れる電流は、一方のIGBTとこれに直列接続されたダイオードとを流れ、他方の方向に流れる電流は、他方のIGBTとこれに直列接続されたダイオードとを流れる。つまり、双方向に電流を流すことができるので、交流電流を流すことができる。また、2つのIGBTのゲート端子がオフの場合、どちらの方向の電流も流れなくなる。つまり、ゲート端子に入力される駆動信号に応じて、交流電流が流れる状態と、流れない状態とを切り替えることができる。
用いるIGBTが、逆バイアスに対して十分な耐性を有する逆阻止型のIGBTの場合、図5(b)のように、ダイオードを省略した構成とすることができる。この場合、ダイオードによる電圧降下が抑制されるので、電力変換効率を向上させることができる。また、図5(c)のように、1つのIGBTと4つのダイオードを用いた双方向スイッチを用いるようにしてもよい。この場合、1つのIGBTだけで双方向スイッチを構成できるので、IGBTとその駆動回路の使用個数を削減することができる。
また、双方向スイッチ41〜46を、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)やバイポーラトランジスタなど、他のスイッチング素子を用いたものとしてもよい。また、1つのスイッチング素子で交流電流のオンオフを制御できるものを用いてもよい。双方向スイッチ41〜46を、MOSFETを用いたものとした場合を第2実施形態として、以下に説明する。
図6は、第2実施形態に係る溶接電源装置A2を説明するための図である。図6において、第1実施形態に係る溶接電源装置A1(図1参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
図6に示す溶接電源装置A2は、双方向スイッチ41〜46に代えて、MOSFETを用いた双方向スイッチ41’〜46’を備えている点で、第1実施形態に係る溶接電源装置A1と異なる。
各双方向スイッチ41’〜46’は、2つのMOSFETを逆直列接続したものを用いている。2つのMOSFETはソース端子同士が接続されており、各MOSFETのドレイン端子とソース端子との間には、それぞれダイオードが逆並列に接続されている。2つのMOSFETのゲート端子には、制御回路8より駆動信号が入力される。駆動信号がオン信号の場合、2つのMOSFETのゲート端子がオンになる。この場合、2つのMOSFETが電流経路となって、双方向に電流を流すことができるので、交流電流を流すことができる。また、駆動信号がオフ信号の場合、2つのMOSFETのゲート端子がオフになる。この場合、どちらの方向の電流も流れなくなる。つまり、双方向スイッチ41’〜46’は、入力される駆動信号に応じて、交流電流が流れる状態と、流れない状態とを切り替えることができる。なお、2つのMOSFETのドレイン端子同士を接続するようにしてもよい。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、各双方向スイッチ41’〜46’は、2つのMOSFETのゲート端子がオンの場合、2つのMOSFETが電流経路となるので、ダイオードを流れる場合より、電力の損失を低減することができる。特に、溶接に用いられる電力は、低電圧、大電流となるので、オン抵抗が低いMOSFETを用いることにより、電力損失をより低減することができる。
なお、第2実施形態においては、双方向スイッチ41’〜46’として、2つのMOSFETを逆直列接続したものを用いた場合について説明したが、これに限られない。例えば、図7に示す各双方向スイッチを用いるようにしてもよい。
上記第1および第2実施形態においては、出力電流制御を行う場合について説明したが、これに限られない。出力電圧制御や出力電力制御を行うようにしてもよい。出力電圧制御を行う場合を第3実施形態として、以下に説明する。
図8は、第3実施形態に係る溶接電源装置A3を説明するための図である。図8において、第1実施形態に係る溶接電源装置A1(図1参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
図8に示す溶接電源装置A3は、出力側電流センサ7に代えて、出力側電圧センサ7’を備えている点と、制御回路8が、検出した電圧信号に基づいて駆動信号を生成する点とで、第1実施形態に係る溶接電源装置A1と異なる。
出力側電圧センサ7’は、溶接電源装置A3の出力端子d,e間に配置されており、電力変換回路4の出力電圧(線間電圧)の瞬時値を検出する。出力側電圧センサ7’は、検出した電圧信号Voを、制御回路8に入力する。制御回路8は、電圧信号Voをデジタル信号に変換して、減算部82に入力する。本実施形態では、入力端子eの電位を基準としている。したがって、デジタル化された電圧信号Voは、入力端子dの電位が入力端子eの電位より高い場合に正の値になり、入力端子dの電位が入力端子eの電位より低い場合に負の値になる。電力変換回路4の出力電圧が交流電圧の場合、デジタル化された電圧信号Voは、正の値と負の値の両方の値を取り得る。一方、電力変換回路4の出力電圧が直流電圧の場合、デジタル化された電圧信号Voは、正の値または負の値のいずれか一方の値となる。
出力電圧設定部81’は、溶接電源装置A3の出力電圧の目標信号V*を設定するものであり、設定された目標信号V*を減算部82に出力する。目標信号V*は、図示しない操作装置を操作者が操作することで設定される。なお、あらかじめ複数の目標信号V*を登録しておいて、操作装置の操作によって、選択するようにしてもよい。出力電圧を直流電圧とする場合は、目標信号V*を所望の直流信号とすればよく、出力電圧を交流電圧とする場合は、目標信号V*を所望の周波数の交流信号とすればよい。また、出力電圧を急減させる場合は、目標信号V*を急減すればよい。
減算部82は、出力側電圧センサ7’より入力される電圧信号Voと、出力電圧設定部81’より入力される目標信号V*との偏差ΔV(=V*−Vo)を算出して、補償信号生成部83に出力する。補償信号生成部83は、減算部82より入力される偏差ΔVに基づいて、例えばPI制御(比例積分制御)による補償信号を算出し、PWM信号生成部85に出力する。なお、補償信号生成部83は、例えばPID制御(比例積分微分制御)などの他の制御を行うようにしてもよい。
第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、第3実施形態においては、出力電圧制御を行うことができる。
本発明に係る溶接電源装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る溶接電源装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
A1,A2,A3 溶接電源装置
3 三相変圧器
31 一次側巻線
32 二次側巻線
4 電力変換回路
4a,4b,4c 直列回路(第1の直列回路、第2の直列回路、第3の直列回路)
41,42,43,44,45,46 双方向スイッチ(IGBT使用)
41’,42’,43’,44’,45’,46’ 双方向スイッチ(MOSFET使用)
5 平滑用リアクトル
6 入力側電圧センサ(入力側センサ)
7 出力側電流センサ(出力側センサ)
7’ 出力側電圧センサ(出力側センサ)
8 制御回路
81 出力電流設定部(PWM制御部)
81’ 出力電圧設定部(PWM制御部)
82 減算部(PWM制御部)
83 補償信号生成部(PWM制御部)
84 キャリア信号生成部(PWM制御部)
85 PWM信号生成部(PWM制御部)
86 入力電圧判別部(判別部)
87 駆動信号生成部
L 負荷
B 三相商用電源

Claims (10)

  1. 三相商用電源より入力される三相の交流電圧を変圧して出力する三相変圧器と、
    前記三相変圧器より出力される三相の交流電力を単相の電力に変換して出力する電力変換回路と、
    前記電力変換回路を制御する制御回路と、
    前記電力変換回路に入力される電圧を検出する入力側センサと、
    前記電力変換回路から出力される電流または電圧を検出する出力側センサと、
    を備えており、
    前記電力変換回路は、2つの双方向スイッチを直列接続した第1ないし第3の直列回路を有しており、
    前記第1ないし第3の直列回路は、それぞれ、前記電力変換回路の出力端子間に並列接続され、
    前記第1の直列回路の、2つの双方向スイッチの接続点は、前記変圧器の二次側巻線の第1の端子に接続され、
    前記第2の直列回路の、2つの双方向スイッチの接続点は、前記変圧器の二次側巻線の第2の端子に接続され、
    前記第3の直列回路の、2つの双方向スイッチの接続点は、前記変圧器の二次側巻線の第3の端子に接続され、
    前記制御回路は、前記入力側センサからの検出信号と、前記出力側センサからの検出信号とに基づいて生成した駆動信号を、前記各双方向スイッチに入力する、
    ことを特徴とする溶接電源装置。
  2. 前記制御回路は、
    前記出力側センサからの検出信号と目標信号との差分に基づいて算出された補償信号および当該補償信号を反転させた反転信号と、キャリア信号とに基づいて、第1PWM信号および第2PWM信号を生成するPWM制御部と、
    前記入力側センサからの検出信号に基づく判別を行う判別部と、
    前記判別部での判別結果に基づいて、
    前記第1PWM信号または前記第2PWM信号を、そのままの状態と反転させた状態とゼロの状態とを切り替えた駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    を備えている、
    請求項1に記載の溶接電源装置。
  3. 前記入力側センサは、前記第1ないし第3の端子の各電圧を検出して、3つの検出信号を出力し、
    前記判別部は、前記3つの検出信号の大小を判別する、
    請求項2に記載の溶接電源装置。
  4. 前記駆動信号生成部は、
    前記判別部が最大と判別した検出信号が検出された端子に接続されている直列回路の、前記出力端子のうちの第1の出力端子に接続されている方の双方向スイッチに前記第1PWM信号を出力し、前記出力端子のうち第2の出力端子に接続されている方の双方向スイッチに前記第2PWM信号を出力し、
    前記判別部が最小と判別した検出信号が検出された端子に接続されている直列回路の、前記第1の出力端子に接続されている方の双方向スイッチに前記第1PWM信号を反転させた信号を出力し、前記第2の出力端子に接続されている方の双方向スイッチに前記第2PWM信号を反転させた信号を出力する、
    請求項3に記載の溶接電源装置。
  5. 前記入力側センサは、前記第1ないし第3の端子の各相電圧を検出する、
    請求項3または4に記載の溶接電源装置。
  6. 前記入力側センサは、前記第1ないし第3の端子の各線間電圧を検出する、
    請求項3または4に記載の溶接電源装置。
  7. 前記電力変換回路の一方の出力端子に直列接続される平滑用リアクトルをさらに備えている、
    請求項1ないし6のいずれかに記載の溶接電源装置。
  8. 前記双方向スイッチは、2つのIGBTを備えている、
    請求項1ないし7のいずれかに記載の溶接電源装置。
  9. 前記双方向スイッチは、2つのMOSFETを備えている、
    請求項1ないし7のいずれかに記載の溶接電源装置。
  10. 前記三相変圧器は、Y−Y結線の変圧器である、
    請求項1ないし9のいずれかに記載の溶接電源装置。
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