JP2017187169A - センサ付き電磁弁 - Google Patents
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Abstract
Description
磁気センサ101は、図14に示すように、励磁コイル104の上面に取り付けられている。ここでは、磁気センサ101は、通電後の可動鉄心103が固定鉄心105に吸着した状態(弁開状態)と、可動鉄心103が全く動かない状態(弁閉状態)と、可動鉄心103が途中で停止した状態(半開状態)を検知する。
また、実際に流体の開け閉めで問題となるのは可動鉄心103の作動である。しかし、従来のセンサ付き電磁弁100では、弁開状態、弁閉状態、半開状態を検知するのみであって、可動鉄心103自体の作動を検出していない。そのため、流体の開け閉めを確実に検出することは困難だった。
(1)固定鉄心、可動鉄心、及び励磁コイルを有するアクチュエータ部と、弁体が当接離間する弁座が形成された弁部とを備える電磁弁と、励磁コイルによって発生する磁束を検出する磁気センサとを備えるセンサ付き電磁弁において、磁気センサは、電磁弁の側面であって、固定鉄心側端面に対応する位置に設置されていることを特徴とする。
(2)(1)に記載のセンサ付き電磁弁において、磁気センサは、漏れ磁束を検出することにより、可動鉄心の動きを検出することを特徴とする。
(3)(1)または(2)に記載のセンサ付き電磁弁において、磁気センサは、漏れ磁束の変化が最大となる位置に設置されていることを特徴とする。
(5)(4)に記載のセンサ付き電磁弁において、第1磁気センサと第2磁気センサの漏れ磁束の差分を増幅することによって、可動鉄心の動きを検出すること、を特徴とする。
(1)固定鉄心、可動鉄心、及び励磁コイルを有するアクチュエータ部と、弁体が当接離間する弁座が形成された弁部とを備える電磁弁と、励磁コイルによって発生する磁束を検出する磁気センサとを備えるセンサ付き電磁弁において、磁気センサは、電磁弁の側面であって、固定鉄心側端面に対応する位置に設置されていることを特徴とするので、磁気センサが固定鉄心側端面の可動鉄心の作動に伴う漏れ磁束の方向が変化する位置に配置されているため、電気的信号で可動鉄心の動きを検出することができる。電磁弁が故障した場合、すぐに故障の確認をすることができる。また、流体の開け閉めを確実に検出することができる。
電磁弁においては、励磁コイル、固定鉄心、可動鉄心により磁気回路が構成され、励磁コイルのへの通電により、磁気回路の磁束が増大する。漏れ磁束とは、磁気回路から外部(電磁弁の側面に対して垂直方向)に漏れる磁束をいう。本発明者は、可動鉄心が移動しているときの磁束ベクトルと、可動鉄心が停止しているときの磁束ベクトルとが大きく相違していること、特に、漏れ磁束の方向が大きく変化することを確認した。
<第1実施形態>
(センサ付き電磁弁の構成)
第1実施形態に係るセンサ付き電磁弁1の構造について図1から図4を用いて説明する。図1は、センサ付き電磁弁1の斜視図を示す。図2は、センサ付き電磁弁1の正面図を示す。図3は、図2のAA断面図で、閉弁状態を示し、図4は、開弁状態を示す。
センサ付き電磁弁1は、図1に示すように、電磁弁2と、磁気の大きさや向きを検知する磁気センサ3から構成される。電磁弁2は、図3に示すように、アクチュエータ部4と弁部5を備える。アクチュエータ部4には、固定鉄心8と可動鉄心9が中空状のコイルボビン10に同軸上に設けられている。励磁コイル7がコイルボビン10の周りに巻回されている。固定鉄心8の一端面8a(固定鉄心8の可動鉄心側端面8aともいう。以下、単に固定鉄心8の下端面8aという。)は、可動鉄心9の吸着面となっており、この吸着面が可動鉄心9の他端面と対向するように同軸上に配設されている。固定鉄心8の外径は、コイルボビン10の内径とほぼ同じ径になっている。可動鉄心9の下端にはゴム製の弁シート13が嵌め込まれている。励磁コイル7の周囲は、ヨーク18、19が配設され、ヨーク18、19はモールド6に覆われている。
可動鉄心9の下端は外周に鍔部9aが形成されている。鍔部9aには、弁シート13を弁座21方向に付勢するバネ15の一端が当接されている。バネ15の他端は、連結部材14の内側に当接されている。
図3では、励磁コイル7に通電されていないので、可動鉄心9は、固定鉄心8と離間し、弁シート13は、バネ15の付勢力により弁座21に当接し、流路22と弁孔16は遮断されている。一方、励磁コイル7に通電すると、可動鉄心9が固定鉄心8に吸引されるため、図4に示すように、弁シート13は弁座21から離間し、流路22と弁孔16は連通される。
すなわち、磁気センサ3は、固定鉄心8と可動鉄心9が図3の位置にあるとき、固定鉄心8と可動鉄心9の間の空間を含む位置に対応して設置されている。可動鉄心9が吸引され固定鉄心8に近づき図4の位置にあるとき、固定鉄心8と可動鉄心9が当接しているため、固定鉄心8と可動鉄心9の間にあった空間において、漏れ磁束Mの方向が最も変化する。
磁気センサ3は、磁気回路Iからの漏れ磁束Mを検出することにより、可動鉄心9の動きを検出する。磁気センサ3は、図2に示すように、磁気センサ3は、水平線Hから角度θ1時計回りの方向に回転して設置されている。本実施形態では、θ1は約22.5°に設定している。磁束の方向に対して傾けることにより、磁束の変化が捉えやすくなる。
次に、センサ付き電磁弁1の作用効果について図5から図8を用いて説明をする。図5は、電磁弁が正常であるときの漏れ磁束Mの変化と出力電圧Eを示したグラフであり、図6は、図5のX部の横軸拡大図である。図7は、電磁弁が故障状態にあるとき(可動鉄心9が上がった状態のままのとき)の漏れ磁束Mの変化と出力電圧Eを示したグラフである。図8は、電磁弁が故障状態にあるとき(可動鉄心9が上がっていない状態のとき)の漏れ磁束Mの変化と出力電圧Eを示したグラフである。図5から図8のグラフのうち、下段は、漏れ磁束Mの変化を示し、上段は、磁気センサ3による漏れ磁束Mの出力電圧Eを示す。横軸は時間Tを示す。
さらに、可動鉄心9が正常に作動しないとき、すなわち、可動鉄心9が着座位置付近で移動しないときを説明する。励磁コイル7に通電しても、可動鉄心9が着座位置付近で移動しないとき(可動鉄心9が上がっていない状態のとき)、図8に示すように、漏れ磁束Mの方向は1度しか変化せず(M8−M9)、閾値磁束も1度しか超えない。可動鉄心9が吸着位置付近で移動しないときと比較すると、最初の立ち上り後、緩やかに上昇することなく最終的な漏れ磁束になり、最終的な漏れ磁束M9は、M7より低い。出力電圧Eも、1度しか変化しない(E7−E8)。
一方、漏れ磁束Mが閾値を1度しか超えない場合、出力電圧Eの変化を確認することができず、故障であると判断することができる。
(1)固定鉄心8、可動鉄心9、及び励磁コイル7を有するアクチュエータ部4と、弁シート13が当接離間する弁座21が形成された弁部5とを備える電磁弁2と、励磁コイル7によって発生する磁束を検出する磁気センサ3とを備えるセンサ付き電磁弁1において、磁気センサ3は、電磁弁2の側面であって、固定鉄心8の下端面8aに対応する位置に設置されていることを特徴とするので、磁気センサ3が固定鉄心8の下端面8aの可動鉄心9の作動に伴う漏れ磁束Mの方向が変化する位置に配置しているため、電気的信号で可動鉄心9の動きを検出することができる。電磁弁2が故障した場合、すぐに故障の確認をすることができる。また、流体の開け閉めを確実に検出することができる。
次に、第2実施形態のセンサ付き電磁弁1の構成について、図9及び図10を用いて説明する。図9は、第2実施形態に係るセンサ付き電磁弁の正面図を示す。図10は、図9のBB断面図で、閉弁状態を示す。
第2実施形態に係るセンサ付き電磁弁1は、磁気センサが2つある点で第1実施形態と異なる。なお、以下の説明において、第1実施形態に係るセンサ付き電磁弁1と同じ構造には、同じ引用番号を付すことにより、その説明を省略する。
図9及び図10に示すように、第2実施形態に係るセンサ付き電磁弁1では、磁気センサ3(以下、第1磁気センサ3という)と第2磁気センサ24を有する。第1磁気センサ3は、電磁弁2の側面であって、固定鉄心8の下端面8aに対応する位置に設置されている。固定鉄心8の下端面8aに対応する位置とは、図10の点線矢印で示す漏れ磁束Nの変化が最大となる位置である。第1磁気センサ3の図9及び図10の上方には、第2磁気センサ24が設置されている。第2磁気センサ24は、固定鉄心8に対応する位置に設置されている。固定鉄心8に対応する位置とは、漏れ磁束Nの変化が及ばない位置であり、故障時も通常時も同様の漏れ磁束Nの変化を捉える。第1磁気センサ3と第2磁気センサ24は、内部の磁気抵抗パターンの配置方向が異なっており、これにより磁界の方向変化の差をより顕著化させている。
一方、漏れ磁束Nが閾値を1度しか超えない場合、出力電圧Eの変化を確認することができず、故障であると判断することができる。
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載のセンサ付き電磁弁1において、磁気センサは、第1磁気センサ3と第2磁気センサ24から成り、第1磁気センサ3は、電磁弁2の側面であって、固定鉄心8の下端面8aに対応する位置に設置されていること、第2磁気センサ24は、電磁弁2の側面であって、固定鉄心8に対応する位置に設置されていること、を特徴とするので、第1磁気センサ3は固定鉄心8の下端面8aの漏れ磁束Nの変化が最大となる位置に配置され、第2磁気センサ24は、漏れ磁束Nの変化が及ばない位置に配置されるため、電気的信号で可動鉄心9の動きを検出することができる。電磁弁2が故障した場合、すぐに故障の確認をすることができる。また、流体の開け閉めを確実に検出することができる。
例えば、本実施形態では、磁気センサ3は固定鉄心8の下端面8aに対応する位置に設置されているが、端面8aに対応する位置でなくても、磁気センサ3を設置する方向等により漏れ磁束Mを検出することもできる。
2 電磁弁
3 磁気センサ
4 アクチュエータ部
5 弁部
7 励磁コイル
8 固定鉄心
9 可動鉄心
13 弁シート
21 弁座
24 第2磁気センサ
Claims (5)
- 固定鉄心、可動鉄心、及び励磁コイルを有するアクチュエータ部と、弁体が当接離間する弁座が形成された弁部とを備える電磁弁と、前記励磁コイルによって発生する磁束を検出する磁気センサとを備えるセンサ付き電磁弁において、
前記磁気センサは、前記電磁弁の側面であって、前記固定鉄心の下端面に対応する位置に設置されていること、
を特徴とするセンサ付き電磁弁。 - 請求項1に記載のセンサ付き電磁弁において、
前記磁気センサは、漏れ磁束を検出することにより、前記可動鉄心の動きを検出すること、
を特徴とするセンサ付き電磁弁。 - 請求項1または請求項2に記載のセンサ付き電磁弁において、
前記磁気センサは、漏れ磁束の変化が最大となる位置に設置されていること、
を特徴とするセンサ付き電磁弁。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のセンサ付き電磁弁において、
前記磁気センサは、第1磁気センサであって、前記第1磁気センサとは別の第2磁気センサを有し、
前記第2磁気センサは、前記電磁弁の側面であって、前記固定鉄心に対応する位置に設置されていること、
を特徴とするセンサ付き電磁弁。 - 請求項4に記載のセンサ付き電磁弁において、
前記第1磁気センサと前記第2磁気センサの漏れ磁束の差分を増幅することによって、前記可動鉄心の動きを検出すること、
を特徴とするセンサ付き電磁弁。
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- 2017-02-07 JP JP2017020342A patent/JP6525483B2/ja active Active
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