JP2017187117A - 電磁弁装置とその調圧方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加締め処理における作業性と調圧栓の位置決め精度を向上した電磁弁装置およびその調圧方法を提供する。【解決手段】ノズル21の軸方向先端側の内周にノズルねじ部である雌ねじ26が設けられる。雌ねじ26に調圧栓25が螺合される。雌ねじ26を構成する2つの斜面のうち、スプリング24の押圧方向側の斜面に設けられた第1膨出部Aと、雌ねじ26を構成する2つの斜面のうち、第1膨出部Aが設けられた斜面と軸方向反対側の斜面に設けられた第2膨出部Bを有する。第2膨出部Bの膨出量は、第1膨出部Aの膨出量より大きい。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、弁体のばねセット荷重を適切に調整することのできる電磁弁装置とその調圧方法に関する。
電気信号に応じて流体の圧力を制御する電磁弁として、スプール弁を用いたスプール弁型電磁弁が知られている。この電磁弁は、印加する電流に応じて供給する油圧が変化するものであり、例えば、車両の自動変速機の油圧回路で使用される。
この種の電磁弁の油圧特性は規格幅を持っており、電流−油圧特性が規格の範囲内にあれば問題ないが、規格の中央値を基準に車両の開発を行うため、規格の中央に近いほど良性能となる。当然ながら、規格外は正常に機能しなくなるため、最悪でも電流−油圧特性の規格内に入れなければならない。
この種の電磁弁では、油圧特性を規格幅内に調整するために調圧栓が設けられる。調圧栓は、一般にアジャスタとも呼ばれる。調圧栓は、例えば、電磁弁を構成する円筒状のノズルの内部に、弁体となるスプールと共に収容される。調圧栓の外径は雄ねじに加工されており、ノズルの内径は雌ねじに加工される。調圧栓とスプールの間にばねが設置されており、調圧栓のねじを締めたり緩めたりすることで、ばねのセット荷重を調節できる。最適なセット荷重の位置に調整した後、調圧栓の緩みを防止するために、雄ねじと雌ねじのねじ山を潰すための加締めを行っている。
電磁弁を製造する際には、調圧ポイントの圧力を計測しながら調圧栓の締め込み度合いを調整し、圧力が規格の中央値になった時点で加締めを行うことで、調圧栓の位置を固定している。しかし、加締めの際に調圧栓の位置ズレが起こると、設定した圧力も中央値からずれるため、加締めズレは小さいほど良い。また、電流−油圧特性の傾きのバラツキもあるため、加締め後の圧力ズレがあると、規格を外れる場合もある観点からも、加締めズレは小さいほど良い。
従来は、円錐状の加締めポンチによってノズルを外側から押すことで、ノズルを内径側に変形させ調圧栓を固定している。しかし、調圧栓の雄ねじとスリーブの雌ねじ間には軸方向にガタがあり、またポンチの押圧位置とねじ山の位置は一定ではないため、ポンチとねじ山の位置関係によって、調圧栓が軸方向にずれる場合と、ずれない場合がある。そのため、加締め処理によって固定された調圧栓の軸方向のずれに大小が生じ、これによりばねのセット荷重が変化し、折角中央値に設定したにもかかわらず、加締め後の油圧特性にバラツキが発生する。
特開2012−220013号公報 特開平9−166238号公報
前記のような加締め後のバラツキを解消するため、例えば、特許文献1では、四角形の第1加締めポンチで位置を仮決めした上で、第1加締めポンチより形状の小さい丸形の第2加締めポンチで軸方向位置を決めた状態で加締め処理を行っている。しかし、軸方向の位置ずれはある程度抑制できるが、位置調整と加締め作業を夫々2回行わなければならず、作業工数が増加してしまう。また、第1加締めポンチと第2加締めポンチの2工程になるため、加締めの装置が複雑化する上に、サイクルタイムが長くなり生産性が低下する。
特許文献2では、ノズルに予め貫通孔を設けておき、この貫通孔から挿入した加締めピンによって調圧栓のねじ山を潰している。しかし、この技術は、ノズルに予め貫通孔を設けなければならず、加工工数がかかる欠点がある。また、加締めピンの先端がねじ山の斜面に当たった場合に、加締めピンによって調圧栓が軸方向に押されてその位置が変化し、調整したばね圧が微妙にずれる現象が発生する。
このような加締め処理による位置決めのバラツキは、スプール弁型電磁弁に限らず他の電磁弁や、ばね荷重を加えながら調圧栓の位置決めを行う電磁弁装置全般に生じる。
本発明は、加締め処理における作業性と調圧栓の位置決め精度を向上した電磁弁装置およびその調圧方法を提供することを目的とする。
本発明の電磁弁装置の一形態は、次のような構成を有することを特徴とする。
(1)コイルを励磁することにより軸方向に移動するピンを有するソレノイド。
(2)前記ピンに隣接して前記ソレノイドの軸方向一端側に配置された円筒状ノズル。
(3)前記ノズルに収容され、前記ピンの移動により軸方向に移動されるスプール弁。
(4)前記スプール弁軸方向一端側に当接し、スプール弁を軸方向ソレノイド側に押圧するスプリング。
(5)前記ノズルの軸方向先端側の内周に設けられたノズルねじ部。
(6)前記スプリングの軸方向一端側に当接し、前記ノズルねじ部の径方向内側に螺合する調圧ねじ部を外周面に有し、回転することによりスプール弁へのスプリング押圧力を可変する調圧栓。
前記ノズルねじ部は、次の構成を有する。
(7)前記ノズルねじ部に設けられたねじ山を構成する2つの斜面のうち、前記スプリングの押圧方向側の斜面に設けられた第1膨出部。
(8)前記ノズルねじ部に設けられたねじ山を構成する2つの斜面のうち、前記第1膨出部が設けられた斜面と軸方向反対側の斜面に設けられた第2膨出部。
(9)前記第2膨出部の膨出量は、前記第1膨出部の膨出量より大きい。
本発明の電磁弁装置の他の形態は、次のような構成を有することを特徴とする。
(1)コイルを励磁することにより軸方向に移動するピンを有するソレノイド。
(2)前記ピンに隣接して前記ソレノイドの軸方向一端側に配置された円筒状ノズル。
(3)ノズルに収容され、前記ピンの移動により軸方向に移動されるスプール弁。
(4)スプール弁の軸方向一端側に当接し、スプール弁を軸方向ソレノイド側に押圧するスプリング。
(5)ノズルの軸方向先端側の外周に設けられたノズルねじ部。
(6)前記スプリングの軸方向一端側に当接し、前記ノズルねじ部の径方向外側に螺合する調圧ねじ部を内周面に有し、回転することにより前記スプール弁への前記スプリングの押圧力を可変する調圧栓。
前記調圧ねじ部は、次の構成を有する。
(7)前記調圧ねじ部に設けられたねじ山を構成する2つの斜面のうち、前記スプリングの押圧方向側の斜面に設けられた第1膨出部。
(8)前記調圧ねじ部に設けられたねじ山を構成する2つの斜面のうち、前記第1膨出部が設けられた斜面と軸方向反対側の斜面に設けられた第2膨出部。
(9)前記第1膨出部の膨出量は、前記第2膨出部の膨出量より大きい。
本発明の調圧方法は、次の工程を有することを特徴とする。
(1)調圧栓を回転させ、前記調圧栓と前記スプール弁の間隔を調整して、前記スプリングのセット荷重を決定する第1工程。
(2)前記第1工程により前記セット荷重が決定された状態で、前記調圧栓の軸方向の移動を仮固定する第2工程。
(3)前記第2工程による前記調圧栓の仮固定がされている状態において、前記調圧栓の径方向外側から、前記ノズルねじ部または前記調圧栓の外周面の一部を塑性変形させ、前記ノズルねじ部と前記調圧栓のねじ部との螺合部分を塑性変形させ、前記調圧栓の移動を固定する第3工程。
本発明によれば、スプリングの押圧方向側の斜面に設けられた第1膨出部の膨出量が、第1膨出部が設けられた斜面と軸方向反対側の斜面に設けられた第2膨出部の膨出量よりも大きいため、調圧栓がスプリングの押圧方向とは反対側に押し付けられる。その結果、調圧栓とノズルねじ部との位置ずれがなくなり、調圧栓によって押圧されるスプリングがスプール弁に与える圧力を正確に設定することが可能になる。
図1は、第1実施形態の縦断面図である。 図2は、第1実施形態のノズルねじ部の拡大断面図である。 図3は、第1実施形態のノズルねじ部の製造方法を示す拡大断面図である。 図4は、図3の製造方法に使用する治具の一例を示す断面図である。 図5は、図4の治具の斜視図である。 図6は、第1実施形態の効果を示すグラフである。 図7は、第2実施形態の縦断面図である。 図8は、第2実施形態のノズルねじ部の拡大断面図である。 図9は、従来技術の問題点を示すノズルねじ部の拡大断面図である。
[1.第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態において軸とは、スプール弁を内蔵したノズルの長手方向に沿った中心軸をいい、単に周方向あるいは軸方向と言った場合は、中心軸の周方向あるいは中心軸の軸方向を示す。軸方向一端とは、各部材における軸方向の一方の端部であり、本実施形態では図中右側の端部を示し、軸方向他端とは各部材における軸方向の反対側の端部であり、本実施形態では図中左側の端部を示す。
[1.1 全体構成]
図1は本実施形態の電磁弁の縦断面図を示す。本実施形態の電磁弁は、駆動部10と、駆動部10の軸方向一端に設けられたノズル部20とから構成される。
駆動部10は、筒形のハウジング11の内部に固定されたコイル12と、このコイル12を被覆する樹脂層13と、コイル12の内周に設けられた筒状のステータコア14を有する。ステータコア14の中心部には、コイル12に吸引されてステータコア14内を移動するプランジャ15が挿入され、プランジャ15のノズル20側にはプランジャ15と共に移動するピン16が挿入される。ハウジング11におけるピン16の外周には、ピンガイドコア14aが設けられる。
ノズル部20は、円筒状のノズル21と、その内部に軸方向にスライド可能に挿入されたスプール弁22を有する。ノズル21には、その壁面を貫通するように、複数のポート21a,21b,21cが設けられる。スプール弁22には、ポート21a,21b,21cを開閉する弁部22a,22b,22cが設けられる。スプール弁22の駆動部10側の端部には、ピン16のプランジャ15とは反対側の端部が突き当たっている。スプール弁22の駆動部10とは反対側の端部には凹部23が設けられ、凹部23内にスプリング24の一端が挿入される。
ノズル21の駆動部10と反対側の端部には調圧栓25がねじ込まれる。すなわち、ノズル21の端部の内周に雌ねじ26が形成され、調圧栓25の外周に雄ねじ27が形成され、雄ねじ27を雌ねじ26の内周にねじ込むことで、ノズル21の端部に調圧栓25が取り付けられる。ノズル21に設けられた雌ねじ26が、請求項1の発明におけるノズルねじ部に相当する。
調圧栓25の駆動部10側の端面には、凹部28が設けられ、この凹部28内にスプリング24の他端が挿入される。調圧栓25の外方の端面、すなわち、スプリング24と反対側の端面には、溝29が設けられ、この溝29内に治具の先端を差し込んで回転することにより、調圧栓25の締め付け量を調整する。
[1.2 調圧部の構成]
ノズル21の外周における調圧栓25に対応する位置には、ノズル21の外周からその中心軸に向かって加圧される2箇所の加締め部30a,30bが設けられる。加締め部30a,30bは、調圧栓25の外周から加締めポンチPを打ち込むことで形成される。
図2の拡大断面図に示すように、この加締め部30a,30bに対応して、ノズル21の雌ねじ26のねじ山を構成する2つの斜面のうち、スプリング24の押圧方向側の斜面に第1膨出部Aが設けられる。また、雌ねじ26のねじ山を構成する2つの斜面のうち、第1膨出部Aが設けられた斜面と軸方向反対側の斜面に第2膨出部Bが設けられる。第2膨出部Bの斜面表面からの膨出量は、第1膨出部Aの膨出量より大きい。
[1.3 治具]
上記のような構成を有する第1実施形態の電磁弁装置において、第2膨出部Bの斜面表面からの膨出量を第1膨出部Aの膨出量より大きいものとするには、例えば、図3〜図5に示すような治具を使用する。
この治具は、電磁弁装置の保持部50と、2つの加締めポンチPの保持部51a,51bを備えている。保持部50,51a,51bは共にブロック状をしており、電磁弁装置の保持部50の両側にポンチPの保持部51a,51bが固定される。一方のポンチ保持部51aは、油圧供給部52およびパッキン53を挟んで電磁弁装置の保持部50に固定される。
電磁弁装置の保持部50には、各保持部50,51a,51bの積層方向と直行するように、断面円形の装着穴54が保持部50を貫通して設けられる。装着穴54の一方の開口部は、電磁弁装置のノズル部20をはめ込むもので、ノズル部20の雌ねじ26が保持部50の中央近くにまで達する。保持部50の内部には油路50aが穿孔され、その一端が装着穴54における電磁弁装置の嵌め込み部分に開口している。保持部50の油路50aの他端は、油圧供給部52に設けられた油路52aに連通しており、これにより、油圧供給部52からの油圧が、油圧供給部52の油路52a、保持部50の油路50aおよび装着穴54内にはめ込まれたポート21a,21b,21cを経由して、スプール弁22に対して電磁弁装置の使用時と同様な油圧が供給される。
保持部50におけるノズル部20の雌ねじ26に対向する位置には、一対のポンチ挿入穴56a,56bが設けられる。ポンチ挿入穴56a,56bは、保持部50の外面から装着穴54の内面にまで貫通している。ポンチ挿入穴56a,56bには、保持部51a,51bに保持されたポンチPの先端が挿入され、ノズル部20の外周面に接離可能になっている。油圧供給部52には、保持部50のポンチ挿入孔56aに対応して、ポンチ挿入孔56cが設けられ、保持部51aに保持されたポンチPがこのポンチ挿入孔56cを貫通して、保持部50に達している。
油圧供給部52と電磁弁装置の保持部50とは密着して固定され、その間に設けられたパッキン53により、両者の油路52aと50aが油密に接続される。保持部50の両側に配置されたポンチの保持部51a,51bは、保持部50に対して接離可能に設けられる。保持部50の両面には、2本のピン状のガイド57が設けられ、ポンチ保持部51a,51bはこのガイド57に沿って移動する。
装着穴54の電磁弁装置とは反対側の開口部には、調圧栓25の回転治具60が挿入される。回転治具60は、全体として円柱状の部材であり、その先端側の部分が装着穴54内に挿入され、基端側が保持部50から突出する。装着穴54における回転治具60側の開口部には軸受部58が固定される。軸受部58は保持部50に対してねじ止め等の手段で固定される。回転治具60の保持部50からの突出部分は、軸受部58に対して回転且つスライド自在に嵌め込まれる。
軸受部58には、回転治具60の移動を阻止するストッパ59が設けられる。図4は、ストッパ59の一例である。図4のストッパ59は、軸受部58に回転治具60の軸方向と直角にねじ穴を穿孔し、そのねじ穴内に螺合した止めねじ59aの先端を回転治具60の周面に圧接させるものである。止めねじ59aの軸受部58から露出した部分に、止めねじ58aを締めつけ或いは緩めるためのハンドル59bが固定される。
回転治具60の先端には、調圧栓25に設けた溝29に係合する突条61が設けられる。回転治具60の先端と軸受部56との間には、スプリング62が配置される。スプリング62は電磁弁装置に設けたスプリング24に比較してその弾性力が大きい。回転治具60の基端部には、回転治具60を回転させるためのハンドル63が設けられる。
[1.4 調圧方法]
本実施形態の電磁弁装置の調圧方法は、前記の治具を使用して次のように行う。
[1.4.1 第1工程]
図3に示すように、治具の装着穴58内に電磁弁装置のノズル部20を挿入して、その先端の調圧栓25を回転治具60の先端に突き合わせ、調圧栓25に設けた溝29内に回転治具60の突条61を嵌め込む。この際、調圧栓25は、ノズル21内に配置されたスプリング24で回転治具60側に押圧されるが、回転治具60とその軸受部58の間に設けられたスプリング62の弾性の方が大きいため、調圧栓25は軸方向他端側に付勢される。
ノズル部20を装着穴58の図3の位置にまで挿入すると、ノズル21に設けたポート21a,21b,21cと装着穴58に開口している油路50aが接続される。その状態で、油圧供給部52の油路52aから作動油を供給することにより、電磁弁装置のスプール弁22に対して油圧を加える。
スプール弁22に油圧を加えた状態で、回転治具60のハンドル63を回し、調圧栓25を回転させると、溝29内に突条61がはめ込まれていることから、調圧栓25は回転治具60と共に回転する。この場合、回転治具60のスプリング62の弾力性が強いため、図2の拡大図に示すように、雄ねじ27のスプール弁22側の斜面と、雌ねじ26の回転治具60側の斜面とが密着しながら調圧栓25はノズル21内を回転しながら、軸方向他端側に移動する。
回転治具60によって調圧栓25をノズル21の軸方向に移動させることにより、調圧栓25とノズル21の間隔を調整し、両者間に圧縮配置したスプリング24の反発力を増減し、ノズル21に加わるスプリングのセット荷重を決定する。すなわち、油圧供給部52の油路からノズル21のポート21a,21b,21cに油圧を加え、出力が所定値となるとようにハンドル63を回しながら回転治具60を回し、スプール弁22のスプリング24のセット荷重を決定する。
[1.4.2 第2工程]
第2工程では、第1工程によりセット荷重が決定された状態で、調圧栓25の軸方向の移動を仮固定する。すなわち、セット荷重が決定された状態で、軸受部58に設けられたストッパ59のハンドル59bを用いて止めねじ59aを回転させることにより、止めねじ59aの先端で回転治具60を押圧する。すると、回転治具60は、軸受部58に対して回転方向および軸方向に移動することができなくなり、回転治具60によって押圧されていた調圧栓25も、雄ねじ27のスプール弁22側の斜面と雌ねじ26の回転治具60側の斜面とが密着したままの状態で、軸方向に移動することがないように仮固定される。
[1.4.3 第3工程]
第3工程は、調圧栓25の仮固定がされている状態において、調圧栓25の径方向外側から、ノズル21の外周面の一部を塑性変形させ、雌ねじ26と雄ねじ27の螺合部分を塑性変形させ、調圧栓25の移動を固定する。すなわち、保持部50と油圧供給部52の両側に配置されたポンチ保持部51a,51bをガイド57に沿って移動させ、ノズル21の外側の径方向180度反対方向から、2つのポンチPによって、ノズル21先端の雌ねじ26部分を径方向内側に向かって同時に加締めることで、雌ねじ26のねじ山を塑性変形させる。
通常、このような塑性変形処理を行うと、図9(a)に示すように、雌ねじ26と雄ねじ27との間に隙間があると、調圧栓25は、図9(b)に示すように、隙間の有る軸方向一端側に移動する。しかし、本実施形態では、調圧栓25を治具によって仮固定していることから、軸方向一端側への移動が規制され、ほぼそのままの位置で加締められる。
この加締め処理により、図2に示すように、ノズル25に設けられた雌ねじ26の2つの斜面のうち、スプリング24の押圧方向側の斜面に第1膨出部Aが形成され、第1膨出部Aが設けられた斜面と軸方向反対側の斜面に第2膨出部Bが形成される。この場合、2つの斜面のうち、ねじ山が密着している斜面はほとんど変形することがなく、隙間のある側の斜面が大きく変形するため、第2膨出部Bの膨出量は、第1膨出部の膨出量Aより大きくなる。
このようにして、ノズル21の雌ねじ26部分に調圧栓25を固定した後は、電磁弁装置に供給している油圧を解除し、電磁弁装置を治具から外し、調圧作業を完了する。
[1.5 効果]
本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1)本実施形態では、雄ねじ27を雌ねじ26に押し付けながら調圧栓25をノズル21内にねじ込んでいき、セット荷重の調整を行い、調整が完了したままの状態で調圧栓25を治具により仮固定する。そのため、ポンチPによって加締め処理を行った場合に、ポンチPの加圧力で調圧栓25が軸方向に移動することがなく、セット荷重を決定した位置に調圧栓25を止めた状態で、ノズル21に対して確実に固定できる。
(2)ノズル21に設けられた雌ねじ26を構成する2つの斜面のうち、調圧栓25の雄ねじ27と離れている側の斜面に設けられた第2膨出部Bが、雄ねじ27と密着する側の斜面に設けられた第1膨出部Aの膨出量より大きいため、調圧栓25の締め込み時に密着している雌ねじ26と雄ねじ27の位置関係をそのまま保持した状態で、調圧栓25をノズル21に固定することができる。その結果、セット荷重の調整後に加締め作業を行っても、調圧栓25の位置ずれがなく、一旦調整したセット荷重のバラツキが解消される。
この点を、本実施形態と治具による仮固定を行わなかった従来技術とで、加締め処理前後の油圧値がどの程度変化したかを実測したデータを、図6に示す。本実施形態によれば、従来技術に比較して、加締め前後の油圧値の変化量およびバラツキが少なくなっていることが分かる。
(3)本実施形態では、ポンチPを径方向両側から同時に行うため、調圧栓25をより確実に固定することができ、しかも、調圧栓25の位置ずれもないので、セット荷重の精度がより向上する。
(4)スプリング24のセット荷重を調整するために調圧栓25の軸方向の位置を特定する工程と、調圧栓25の加締め処理を行う工程を、1つの治具にて行うことができるので、作業性が向上する。
[2.第2実施形態]
第2実施形態を図7および図8に従って説明する。第2実施形態は、ノズル21の軸方向一端側の端部に、カップ状の調圧栓25を被せるように固定したものである。
第2実施形態では、ノズル21の駆動部10とは反対側の端部の外周に雄ねじ27が設けられている。調圧栓25は、有底円筒状をなし、その内周に雌ねじ26が設けられている。この雌ねじ26が、請求項2の発明において調圧栓25に設けられた調圧ねじ部に相当する。調圧栓25はノズル21の端部に被さるように嵌め込まれ、その雌ねじ26とノズル21の雄ねじ27が螺合している。
調圧栓25の内面には、スプリング24の軸方向一端が当接し、スプリング24の軸方向他端はスプール弁22の端部に設けられた凸部28aに嵌め込まれている。調圧栓25をノズルに対して締め付けていることで、スプリング24に対する押圧力が変化し、スプリングの荷重調整が行われる。複数の加締め部30a,30bは、調圧栓25の外周から複数の押圧部を有する加締めパンチPを打ち込むことで形成される。加締め部30a,30bの間隔や、その他の構成については、第1実施形態と同様である。
図8の拡大断面図に示すように、この加締め部30a,30bに対応して、調圧栓25の雌ねじ26のねじ山を構成する2つの斜面のうち、スプリング24の押圧方向側の斜面に第1膨出部Aが設けられる。また、雌ねじ26のねじ山を構成する2つの斜面のうち、第1膨出部Aが設けられた斜面と軸方向反対側の斜面に第2膨出部Bが設けられる。第1膨出部Aの斜面表面からの膨出量は、第2膨出部Bの膨出量より大きい。
そのため、第2実施形態においても、調圧栓25の締め込み時に密着している雌ねじ26と雄ねじ27の位置関係をそのまま保持した状態で、調圧栓25をノズル21に固定することができる。その結果、セット荷重の調整後に加締め作業を行っても、調圧栓25の位置ずれがなく、一旦調整したセット荷重のバラツキが解消される。その他、第2実施形態においても、第1実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
[3.他の実施形態]
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではない。以上の実施形態は例として提示したものであって、その他の様々な形態で実施されることが可能である。発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲、要旨、その均等の範囲に含まれる。以下、その一例を示す。
(1)図示の実施形態は、本発明を電磁スプール弁の電磁弁装置として適用したものであるが、本発明はこの種の電磁弁に限定されないもので、他のタイプの電磁弁にも使用可能である。また、電磁弁に限らず、ばね荷重の調整を行った後、その調整量がずれることのないように固定する必要のある装置全般に適用可能である。
(2)セット荷重の決定後、調圧栓25を仮固定する治具は図示のものに限定されない。軸方向から回転治具60の移動を阻止する構成としてもよい。
(3)加締め部は1箇所あるいは3箇所以上でも良いが、複数箇所の方が調圧栓25を確実に固定できる。複数方向から塑性変形させると、調圧栓25が中心軸に対して傾かず、全周囲でノズル21と調圧栓25の正確な位置決めができる。複数の加締め部は、加締めポンチなどの治具により同時に形成することが好ましいが、1つずつ加締め部を形成しても良い。
(4)スプリング24としては、図示のコイルスプリング以外にU字ばね、ねじりスプリング、竹の子ばねを使用できる。また、金属製以外に、樹脂製のばねやブロック状の弾性体からなるばねも使用できる。
A…第1膨出部、B…第2膨出部、P…加締めポンチ、10…駆動部、11…ハウジング、12…コイル、13…樹脂層,14…コア、14a…ピンガイドコア、15…プランジャ、16…ピン、20…ノズル部、21…ノズル、21a,21b,21c…ポート、22…スプール弁、22a,22b,22c…弁部、23…凹部、24…スプリング、25…調圧栓、26…雌ねじ、27…雄ねじ、28…凹部、29…溝、30a,30b…加締め部、50…電磁弁装置の保持部、51a,51b…ポンチ保持部、52…油圧供給部、53…パッキン、54…装着穴、56a,56b…ポンチ挿入穴、57…ガイド、58…軸受部、59…ストッパ、60…回転治具、61…突条、62…スプリング、63…ハンドル。

Claims (5)

  1. コイルを励磁することにより軸方向に移動するピンを有するソレノイドと、
    前記ピンに隣接して前記ソレノイドの軸方向一端側に配置された円筒状ノズルと、
    前記ノズルに収容され、前記ピンの移動により軸方向に移動されるスプール弁と、
    前記スプール弁軸方向一端側に当接し、スプール弁を軸方向ソレノイド側に押圧するスプリングと、
    前記ノズルの軸方向先端側の内周に設けられたノズルねじ部と、
    前記スプリングの軸方向一端側に当接し、前記ノズルねじ部の径方向内側に螺合する調圧ねじ部を外周面に有し、回転することによりスプール弁へのスプリング押圧力を可変する調圧栓と、
    を有し、
    前記ノズルねじ部は、
    ノズルねじ部に設けられたねじ山を構成する2つの斜面のうち、前記スプリングの押圧方向側の斜面に設けられた第1膨出部と、
    ノズルねじ部に設けられたねじ山を構成する2つの斜面のうち、前記第1膨出部が設けられた斜面と軸方向反対側の斜面に設けられた第2膨出部を備え、
    前記第2膨出部の膨出量は、前記第1膨出部の膨出量より大きい電磁弁装置。
  2. コイルを励磁することにより軸方向に移動するピンを有するソレノイドと、
    前記ピンに隣接して前記ソレノイドの軸方向一端側に配置された円筒状ノズルと、
    前記ノズルに収容され、前記ピンの移動により軸方向に移動されるスプール弁と、
    前記スプール弁の軸方向一端側に当接し、スプール弁を軸方向ソレノイド側に押圧するスプリングと、
    前記ノズルの軸方向先端側の外周に設けられたノズルねじ部と、
    前記スプリングの軸方向一端側に当接し、前記ノズルねじ部の径方向外側に螺合する調圧ねじ部を内周面に有し、回転することにより前記スプール弁への前記スプリングの押圧力を可変する調圧栓と、
    を有し、
    前記調圧ねじ部は、
    前記調圧ねじ部に設けられたねじ山を構成する2つの斜面のうち、前記スプリングの押圧方向側の斜面に設けられた第1膨出部と、
    前記調圧ねじ部に設けられたねじ山を構成する2つの斜面のうち、前記第1膨出部が設けられた斜面と軸方向反対側の斜面に設けられた第2膨出部を有し、
    前記第1膨出部の膨出量は、前記第2膨出部の膨出量より大きい電磁弁装置。
  3. コイルを励磁することにより軸方向に移動するピンを有するソレノイドと、
    ノズルに収容され、前記ピンの移動により軸方向に移動されるスプール弁と、
    前記スプール弁の軸方向一端側に当接し、スプール弁を軸方向ソレノイド側に押圧するスプリングと、
    前記ノズルの軸方向先端側に設けられたノズルねじ部と、
    前記ノズルねじ部に螺合するねじ部を備え、前記スプリングの軸方向一端側端部に当接し、回転することにより前記スプール弁へのスプリング押圧力を可変する調圧栓と、
    を備えた電磁弁における前記スプリングのセット荷重を調圧する方法であって、
    調圧栓を回転させ、前記調圧栓と前記スプール弁の間隔を調整して、前記スプリングのセット荷重を決定する第1工程と、
    前記第1工程により前記セット荷重が決定された状態で、前記調圧栓の軸方向の移動を仮固定する第2工程と、
    前記第2工程による前記調圧栓の仮固定がされている状態において、前記調圧栓の径方向外側から、前記ノズルねじ部または前記調圧栓の外周面の一部を塑性変形させ、前記ノズルねじ部と前記調圧栓のねじ部との螺合部分を塑性変形させ、前記調圧栓の移動を固定する第3工程と、
    を有する電磁弁装置の調圧方法。
  4. 前記第2工程において、前記ノズルねじ部に設けられたねじ山を構成する2つの斜面のうち前記調圧栓側の斜面と、前記調圧栓に設けられたねじ山を構成する2つの斜面のうち前記ノズルねじ部側の斜面とを接触させ、前記ノズルねじ部に設けられたねじ山を構成する2つの斜面のうち前記ノズルねじ部側の斜面と、前記調圧栓に設けられたねじ山を構成する2つの斜面のうち前記調圧栓側の斜面との間に間隙を設け、
    前記第3工程において、前記ノズルねじ部または前記調圧栓の外周面の一部の塑性変形により、前記間隙が存在する側の斜面に形成される第1の膨出部を、前記接触している側の斜面に形成される第2の膨出部よりも大きくした請求項3の電磁弁装置の調圧方法。
  5. 前記第3工程において、前記ノズルねじ部または前記調圧栓の周面における径方向反対側の一部を、前記調圧栓の径方向外側から径方向内側に向かって塑性変形させる請求項3または請求項4に記載の電磁弁装置の調圧方法。
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