JP2017186759A - 防波構造物の改良方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】越波を抑制でき且つ波を受けることによって加わる負荷に耐え得るように防波構造物を改良するための改良方法を提供する。【解決手段】防波構造物の改良方法は、波を受け止める壁体8を既設護岸100の海側に波からの荷重を既設護岸100へ伝達可能な形態で施工する施工工程と、壁体8上に取り付ける防波ブロック10を用意する用意工程と、用意した防波ブロック10を施工工程で施工した壁体8上に載置して当該壁体8に固定する据え付け工程と、を備え、用意工程では、防波ブロック10として、上側へ向かうにつれて海側へ滑らかな曲面状で迫り出す防波面16を持ち、この防波面16の海側への迫り出し量が既設護岸100の上側部分103の海側への迫り出し量よりも大きい形状をなす防波ブロックを用意する。【選択図】図2

Description

本発明は、防波構造物の改良方法に関する。
従来、海沿いに護岸等の防波構造物が設置されている。海底の地盤の形状変化や港湾内の構造物の変化等に起因して海岸へ打ち寄せる波の高さが従来想定されていた高さよりも大きくなる場合があり、この場合には波浪条件や既設の防波構造物の設計潮位によっては波が既設の防波構造物を陸地側へ乗り越える虞がある。このため、従来、波が防波構造物を乗り越えるのを防止するため、もしくは、防波構造物を乗り越える波の流量(越波流量)を低減するために行う防波構造物の改良方法が提案されている。下記特許文献1には、このような改良方法の一例が示されている。
下記特許文献1に示された改良方法では、既設の防波構造物としての岸壁の上端部にL字を上下反転させたような形状を有する消波壁を取り付けることで越波を防止している。具体的には、前記の形状を有する消波壁の上部の略水平に延びる部分が岸壁の上端から海側へ突出するように当該消波壁が岸壁の上部に取り付けられる。これにより、岸壁の海側の面に当たって上昇する波が消波壁の前記略水平に延びる部分に当たって反転し、越波が防止されるようになっている。
実開昭55−140517号公報
しかしながら、前記特許文献1の改良方法では、岸壁及び/又は消波壁の強度上の問題が生じる虞がある。
具体的に、前記消波壁のうち岸壁の上端から海側へ略水平に突出する部分には下側から波が当たり、それによって消波壁の海側への突出部分の付け根付近、すなわち消波壁の逆L字の屈曲部付近に大きな負荷がかかる。このため、消波壁が破損する虞がある。また、消波壁は、ボルトとナットを用いて岸壁に結合されているが、このボルトとナットによる結合部にも消波壁に波が当たるときに大きな負荷がかかり、この結合部が破損する虞がある。また、岸壁のうち消波壁が結合される部分にも消波壁に波が当たるときに大きな負荷が加えられるため、老朽化等の要因により岸壁の強度が不足している場合には、岸壁が破損する虞もある。
本発明の目的は、越波を抑制でき且つ波を受けることによって加わる負荷に耐え得るように防波構造物を改良するための改良方法を提供することである。
前記目的を達成するために、例えば、既設護岸を嵩上げするようにその既設護岸上にコンクリートを現場で打設することによって、新設護岸を当該既設護岸上にその既設護岸と一体的に形成する方法が考えられる。この方法によれば、既設護岸が嵩上げされるため、越波を抑制できる。また、新設護岸は既設護岸を嵩上げするように形成され、前記従来の改良方法で用いる消波壁のような既設護岸の上端から海側へ略水平に大きく突出する部分を持たないため、波を受けた場合に新設護岸に大きな負荷がかかるのを防ぐことができる。また、この方法では、コンクリートを打設することで既設護岸と一体化した新設護岸を形成するので、前記従来の改良方法でボルトとナットによる結合部付近にかかるような局所的な大きな負荷も、新設護岸にかかることはなく、既設護岸に付加されることもない。しかしながら、この方法では、既設護岸上に形成した新設護岸の重量が既設護岸にかかるため、既設護岸が老朽化して脆くなっている場合には、この新設護岸の重量を既設護岸が支えることは難しく、既設護岸が破損する虞がある。また、既設護岸が老朽化している場合には、波力によって既設護岸が破損する虞もある。
また、新設護岸を既設護岸と一体的に形成した後、その新設護岸及び既設護岸の海側に消波ブロックを積み上げることによって、打ち寄せる波の高さ及び波力を消波ブロックで低減させ、越波を抑制するとともに護岸に加わる負荷を低減させることも考えられる。しかし、この場合には、消波ブロックによって砂浜やリーフ等を消失させることになり、景観面及び環境面に問題が生じる。
そこで、本願発明者は、これらの課題を解決するため、以下のような防波構造物の改良方法を発明した。
本発明による防波構造物の改良方法は、海岸沿いに設置された既設の防波構造物を改良するための方法であって、波を受け止める防波体を前記既設の防波構造物の海側に前記波からの荷重を当該既設の防波構造物へ伝達可能な形態で施工する施工工程と、前記防波体上に取り付ける防波ブロックを用意する用意工程と、用意した前記防波ブロックを前記施工工程で施工した前記防波体上に載置して当該防波体に固定する据え付け工程と、を備え、前記用意工程では、前記防波ブロックとして、上側へ向かうにつれて海側へ滑らかな曲面状で迫り出す防波面を持ち、この防波面の海側への迫り出し量が前記既設の防波構造物の上側部分の海側への迫り出し量よりも大きい形状をなす防波ブロックを用意する。
この防波構造物の改良方法では、既設の防波構造物の海側に施工した防波体上に、上側へ向かうにつれて沖側へ滑らかな曲面状で迫り出す防波面を持ち、この防波面の迫り出し量が既設の防波構造物の上側部分の沖側への迫り出し量よりも大きい形状の防波ブロックを据え付けるので、打ち寄せる波を防波体と防波ブロックで受けるとともに、防波ブロックの防波面により波を当該防波面に沿って沖側へ滑らかに返すことができ、且つ、沖側への防波面の大きな迫り出し量により越波を阻止することができる。このため、越波を有効に抑制できる。また、防波体の上に据え付ける防波ブロックの防波面が波を当該防波面に沿って沖側へ滑らかに返すので、防波ブロックに加わる波力を受け流すことができる。このため、防波ブロック自体に加わる負荷を軽減できるとともに、防波ブロックから防波体に付加される負荷も軽減できる。その結果、新設の防波ブロック及び防波体が波を受けることによって破損するのを防ぐことができる。
また、この改良方法では、波からの荷重を既設の防波構造物へ伝達可能な形態で新設の防波体を既設の防波構造物の海側に施工するため、波力に対して防波体と既設の防波構造物が一体のものとして対抗することができる。このため、新設の防波体と既設の防波構造物を含む改良後の防波構造物に、波力に対する高い耐久性を持たせることができる。
また、この改良方法では、波を受け止める新設の防波体を既設の防波構造物の海側に施工するので、老朽化して脆くなった既設の防波構造物が波を直接受けて破損するのを防ぐことができる。また、防波ブロックを新設の防波体上に据え付けるため、防波ブロックが波を受けたときに当該防波ブロックから既設の防波構造物に負荷が加えられない。また、防波ブロックの重量を新設の防波体で支えることができ、防波ブロックの重量が既設の防波構造物にかからない。従って、既設の防波構造物が老朽化して脆くなっている場合であっても、既設の防波構造物が防波ブロックから加えられる負荷及び/又は防波ブロックの重量によって破損するのを防ぐことができる。
また、この改良方法では、新設の防波体及び防波ブロックの海側に消波ブロックを積み上げなくても、上述のように防波ブロックの機能によって越波を抑制できるとともに防波体によって既設の防波構造物に加わる負荷を低減できる。このため、消波ブロックの設置に起因する砂浜やリーフの消失を防ぐことができ、景観面及び環境面での悪影響を抑制できる。
前記防波構造物の改良方法において、前記施工工程では、前記防波体の波を受ける面を形成する部分である壁体を前記既設の防波構造物が設置されている現場でコンクリートを打設することによって形成することが好ましい。
この場合において、前記施工工程では、前記既設の防波構造物の海側の面を覆うようにコンクリートを打設することにより前記壁体を形成してもよい。
この構成によれば、新設の壁体で既設の防波構造物の海側の面を覆うことができるので、老朽化した既設の防波構造物を壁体で補強できる。
また、前記壁体を現場でコンクリートを打設することによって形成する場合において、前記施工工程では、前記既設の防波構造物の海側に間隔をあけて前記壁体を形成し、その形成した壁体と前記既設の防波構造物との間の空間を前記壁体から前記既設の防波構造物へ荷重を伝達可能となるように充填物で埋めることにより、前記壁体と前記充填物からなる前記防波体を形成してもよい。
この構成では、既設の防波構造物から海側へ間隔をあけて壁体を形成するため、既設の防波構造物の海側の面が壁体を一体化させることが困難なほど老朽化して脆くなっている場合であっても壁体を施工することができ、さらにその壁体上に防波ブロックを設置することができる。しかも、この構成では、新設の壁体と既設の防波構造物との間の空間をその壁体から既設の防波構造物へ荷重を伝達可能となるように充填物で埋めるため、壁体が波を受けたときに新設の壁体と充填物と既設の防波構造物とが一体となって波力に対抗できる。このため、改良後の防波構造物に、波力に対するより高い耐久性を持たせることができる。
前記防波構造物の改良方法において、前記施工工程では、前記防波体のうち前記据え付け工程で前記防波ブロックを載置する部分の高さを前記既設の防波構造物よりも低い高さに形成することが好ましい。
この構成によれば、例えば既設の防波構造物を嵩上げするようにその既設の防波構造物上に新設護岸を施工する場合に比べて、工事を簡素化できるとともにその工事にかかるコストを削減できる。具体的に、既設の防波構造物を嵩上げするように新設護岸を施工する場合には、高さの大きい型枠とその型枠を支えるための大規模な支保工を海側に設置する必要がある。このため、大掛かりな工事が必要になる。これに対し、本構成では、防波体のうち防波ブロックを載置する部分の高さを既設の防波構造物よりも低い高さに形成するため、当該部分を施工するために海側に設置する型枠及びそれを支える支保工を比較的小規模なものにすることができる。よって、本構成によれば、防波体の施工のための工事を簡素化できるとともにその工事にかかるコストを削減できる。また、防波体のうち防波ブロックを載置する部分を既設の防波構造物よりも低い高さにすることにより、その防波ブロックを陸側から既設の防波構造物により支えることができる。このため、防波ブロックに波力に対してより強固な耐久性を持たせることができる。さらに、本構成によれば、既設の防波構造物を嵩上げしたり、既設の防波構造物上に防波ブロックを設置したりすることによって改良した防波構造物と比べて、改良後の防波構造物の上端の高さ位置、すなわち防波ブロックの上端の高さ位置を低くすることができる。その結果、改良後の防波構造物越しの眺望が悪化するのを防ぐことができる。
前記防波構造物の改良方法において、前記用意工程では、前記防波ブロックとして、前記防波面に沿う湾曲形状の曲板部を有する鋼製のフレームと、前記曲板部を覆って前記防波面を形成するコンクリート製の防波壁とを有する防波ブロックを用意することが好ましい。
この構成によれば、防波ブロックのうち海水に触れる防波面まわりの部分がコンクリート製の防波壁であるため腐食を防止できる。また、防波ブロックがコンクリート製の防波壁と鋼製のフレームとの複合体であるので、外力に対する当該防波ブロックの粘り強さを高めることができる。このため、防波ブロックが津波の波力のような大きな外力を受ける場合であっても、当該防波ブロックの脆性破壊を防ぐことができる。すなわち、本構成では、防波ブロックの腐食を防止しつつ当該防波ブロックの脆性破壊を防止できる。
前記防波構造物の改良方法において、前記用意工程は、前記防波ブロックを工場で製造する製造工程と、製造した前記防波ブロックを前記既設の防波構造物が設置されている現場へ搬送する搬送工程と、を含むことが好ましい。
この構成によれば、防波ブロックの作製にかかる作業負担を軽減できる。具体的には、仮に、前記防波ブロックと同等の波返し機能及び越波抑制機能を有する防波用の構造体を現場でコンクリートを打設して形成するような場合には、型枠及びそれを支える支保工を現場で施工する必要があり、その作業負担が大きくなる。これに対し、本構成によれば、設備の整った工場で防波ブロックを製造できるので、前記の現場で形成する場合に比べて作業負担を軽減できる。
前記防波構造物の改良方法において、前記据え付け工程の後、前記防波ブロックを海側と反対側から覆い、その防波ブロックと前記防波体とを繋ぐ背後構造体を形成する背後構造体形成工程をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、防波ブロックと背後構造体によってより強固な構造を形成することができる。また、背後構造体で防波ブロックと防波体とを繋ぐことにより、防波ブロックと防波体との連結強度を高めることができる。従って、本構成によれば、改良後の防波構造物をより強固にすることができる。
この場合において、前記背後構造体形成工程では、前記防波ブロックに対して海側と反対側に枠板を設置し、その枠板と前記防波ブロックとの間の空間にコンクリートを打設することによって前記背後構造体を形成することが好ましい。
この構成によれば、防波ブロックを、コンクリートで背後構造体を形成するための型枠の一部として利用できる。このため、背後構造体を形成するためのコストを削減できる。
以上のように、本発明に係る防波構造物の改良方法によれば、有効に越波を抑制でき、波を受けることによって加わる負荷による防波構造物の破損を抑制でき、既設の防波構造物が老朽化して脆くなっている場合であってもその既設の防波構造物が崩れるのを防止でき、また、景観面及び環境面での悪影響を抑制できる。
本発明の第1実施形態に係る改良方法で改良した後の防波構造物の全体を示す斜視図である。 海岸と直交する方向における第1実施形態の改良後の防波構造物とその周囲の縦断面図である。 防波構造物を構成する防波ブロックの斜視図である。 第1実施形態に係る改良方法を示す説明図である。 第1実施形態に係る改良方法を示す説明図である。 第1実施形態に係る改良方法を示す説明図である。 第1実施形態に係る改良方法を示す説明図である。 第1実施形態に係る改良方法を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係る改良方法で改良した後の防波構造物とその周囲の縦断面図である。 第2実施形態に係る改良方法を示す説明図である。 第2実施形態に係る改良方法を示す説明図である。 第2実施形態に係る改良方法を示す説明図である。 第2実施形態に係る改良方法を示す説明図である。
本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る改良方法で改良した後の防波構造物1の全体を示す斜視図である。この第1実施形態に係る改良方法は、海岸沿いに元々設置されている既設の防波構造物である既設護岸100を改良するものであり、その既設護岸100を利用して改良後の防波構造物1を形成する。
既設護岸100は、図4に示すように、土台部分101と、中間部分102と、上側部分103とを有する。
土台部分101は、既設護岸100の下端部である。海側の地面は、陸111側の地面に対し、ある段差をもって低くなっており、土台部分101は、この低くなった海側の地面上に設置されている。中間部分102は、土台部分101から上方へ延びる部分であり、上側へ向かうにつれて陸111側へ向かうように傾斜した海側の側面を有する。上側部分103は、中間部分102からさらに上方へ延びる部分であり、垂直面である海側の側面を有する。上側部分103の上端の高さ位置、すなわち既設護岸100の天面104の高さ位置は、陸111の地面の高さ位置と略一致している。土台部分101、中間部分102及び上側部分103はコンクリートで一体成形されている。ただし、既設護岸100の構造は、以上のような構造に必ずしも限定されるものではない。すなわち、土台部分101、中間部分102及び上側部分103は、図4で示した形状以外の形状をなしていてもよい。
当該第1実施形態に係る改良方法では、既設護岸100全体を利用し、この既設護岸100の海側に当該既設護岸100と一体となるように新設部2(図1参照)を設けることにより、既設護岸100と新設部2からなる改良後の防波構造物1を形成する。
図2には、海岸と直交する方向における防波構造物1とその周囲の縦断面が示されている。新設部2は、当該第1実施形態の改良方法により新設される部分であり、壁体8と、複数の防波ブロック10と、背後構造体12と、を有する。
壁体8は、波を受け止める防波体であり、既設護岸100の海側に波からの荷重を既設護岸100へ伝達可能な形態で施工される。この壁体8は、既設護岸100の土台部分101及び中間部分102の海側の側面を覆うようにコンクリートで形成される。壁体8は、既設護岸100の海側の側面から海側へ所定の厚みを持つ。壁体8は、既設護岸100の土台部分101が据え付けられた地面の海側に隣接した地面上に設置される。壁体8は、海側を向き、波を受ける面である海側面13を有する。
壁体8の高さは、既設護岸100の高さよりも低く設定される。換言すれば、地面からの壁体8の上端の高さ位置は、地面からの既設護岸100の上端の高さ位置よりも低い位置に設定される。すなわち、壁体8の天面14は、既設護岸100の天面104よりも一段低い位置、具体的には既設護岸100の中間部分102の上端の高さ位置に相当する高さ位置に設定される。
壁体8は、後述するように既設護岸100の海側の側面上にコンクリートを打設することによって形成されるため、当該壁体8と既設護岸100の海側の側面との接触界面で既設護岸100と一体化する。また、既設護岸100には、当該既設護岸100の海側の側面から突出するように複数のアンカー105が打ち込まれ、これらのアンカー105の突出部分が壁体8の形成工程で壁体8に埋め込まれる。これにより、既設護岸100に対する壁体8の一体性が高められている。
複数の防波ブロック10は、海岸沿いに並んで隣り合うように壁体8の天面14上に設置される。各防波ブロック10は、海側(沖側)を向く防波面16を有する。この防波面16は、高い波が海岸へ打ち寄せてきたときにその波を受ける面である。防波面16は、上側へ向かうにつれて沖側へ滑らかに迫り出す曲面状、例えば縦断面で円弧状又は放物線状等をなす曲面状となっている。この防波面16の沖側への迫り出し量は、既設護岸100の上側部分103の沖側への迫り出し量よりも大きい。各防波ブロック10が壁体8上に設置された状態で各防波ブロック10の防波面16と壁体8の海側面13とが連続し、この防波面16と海側面13によって改良後の防波構造物1の防波面18が形成されるようになっている。
各防波ブロック10は、図3に示すように、フレーム22と、防波壁24とを有する。
フレーム22は、鋼製であり、防波ブロック10のベースとなるものである。フレーム22は、曲板部28と、底板部29と、一対の側板部30と、を有する。
曲板部28は、鋼板からなり、防波面16に沿う湾曲形状をなす。曲板部28は、防波面16が海側を向くように防波ブロック10が配置された状態で陸111側(海側と反対側)を向く曲面である陸側面28aを有する。
底板部29は、フレーム22の下端に位置し、水平に配置される鋼板からなる。底板部29は、防波面16が海側を向くように防波ブロック10が配置された状態で、海側に位置する端縁を有する。この底板部29の端縁は、曲板部28の下端縁に沿って配置されて、曲板部28の陸側面28aに溶接されている。また、底板部29には、アンカー32(図2参照)を挿通するための複数の挿通孔29aが形成されている。アンカー32は、壁体8に対する防波ブロック10の据え付けに際して壁体8に埋め込まれ、防波ブロック10を位置固定するものである。
一対の側板部30は、底板部29の海側の端縁に沿う方向において互いに間隔をあけて配置されている。一方の側板部30は、底板部29の海側の端縁に沿う方向における当該底板部29の一方の端部付近に配置されている。他方の側板部30は、底板部29の前記一方の端部と反対側の端部付近に配置されている。各側板部30は、鋼板からなり、それらの下端縁が底板部29の上面に溶接されることにより底板部29上に立設されている。また、各側板部30は、曲板部28側の端縁を有し、この端縁は曲板部28の陸側面28aに沿った曲線状をなす。この各側板部30の曲板部28側の端縁が曲板部28の陸側面28aに溶接されている。
なお、フレーム22の形状やアンカー32による底板部29の固定形態等を含む以上のようなフレーム22についての構成はあくまで一例である。本発明におけるフレームの構成は以上のようなものに必ずしも限定されず、当該フレームは以上のような構成とは異なる構成を有していてもよい。
防波壁24は、防波ブロック10の防波面16を形成する部分である。防波壁24はコンクリート製であり、曲板部28の海側の面と当該曲板部28の周縁部とを覆っている。防波壁24の下端部は、底板部29よりも僅かに下側に突出している。
背後構造体12は、防波ブロック10の防波壁24の背後、具体的には防波壁24に対して陸111側に配置される。背後構造体12は、壁体8と防波ブロック10と既設護岸100とを相互に繋ぐ。背後構造体12は、各防波ブロック10のフレーム22の各側板部30、曲板部28の陸側面28a、底板部29、及び、壁体8の天面14を覆うとともに、各防波ブロック10の防波壁24及び曲板部28と既設護岸100の上側部分103との間のスペースを埋めている。
背後構造体12は、防波ブロック10の防波壁24の天面24aと略面一になる天面12aを有する。防波壁24の天面24aと背後構造体12の天面12aにより、新設部2の天面2aが形成される。新設部2の天面2aは、既設護岸100の天面104よりも高い位置、すなわち陸111の地面よりも高い位置に配置される。
なお、背後構造体12の天面12a及び陸111側の側面の構成は、図2に示したようなものに必ずしも限定されない。例えば、新設部2の上部は、遊歩道やその他の用途に利用することが可能であり、その用途に応じて背後構造体12の天面12a及び/又は陸111側の側面の形状を変更してもよい。
図4〜図8は、当該第1実施形態に係る防波構造物の改良方法を示す説明図である。当該第1実施形態に係る改良方法には、用意工程と、施工工程と、据え付け工程と、背後構造体形成工程とが含まれる。以下、図2〜図8を参照して当該第1実施形態に係る防波構造物の改良方法の各工程について詳述する。
(a)用意工程
この用意工程は、複数の防波ブロック10を既設護岸100が設置されている現場に用意する工程である。当該用意工程では、防波ブロック10が壁体8上に設置された場合に、上側へ向かうにつれて沖側へ滑らかな曲面状で迫り出す防波面16を持ち、この防波面16の沖側への迫り出し量が既設護岸100の上側部分103の沖側への迫り出し量よりも大きい形状をなす防波ブロック10を用意する。また、防波ブロック10として、鋼製のフレーム22とコンクリート製の防波壁24の複合体からなるものを用意する。当該用意工程は、具体的には、以下の製造工程及び搬送工程を含む。
(a−1)製造工程
この製造工程では、複数の防波ブロック10を既設護岸100が設置されている現場から離れた工場で製造する。この製造工程では、まず、鋼製のフレーム22(図3参照)を作製する。この際、防波面16(図2参照)に沿う湾曲形状の曲板部28、底板部29及び一対の側板部30をそれぞれ鋼板を加工することによって形成する。その後、曲板部28と底板部29と一対の側板部30とを互いに溶接することによってフレーム22を作製する。次に、作製したフレーム22の曲板部28の周りに型枠を組み、その型枠で囲まれた空間に生コンクリートを流し込み、その生コンクリートを固化させる。これにより、曲板部28の海側を向く面と当該曲板部28の周縁部とを覆って防波面16を形成するコンクリート製の防波壁24を形成する。このようにして、鋼製のフレーム22とコンクリート製の防波壁24の複合体からなる防波ブロック10を形成する。
防波ブロック10の製造に際し、防波面16の形状として、既設護岸100が設置されている海岸における波の高さやその他の条件に基づいて越波を抑制するために最適な曲面形状、迫り出し量等を導出する。例えば、防波面16の縦断面において当該防波面16がなす曲線の懐の面積を用いて最適な防波面16の形状を導出する。そして、導出した形状を有するように防波ブロック10の防波面16を形成する。また、後述の据え付け工程で用いるクレーンの吊り能力や当該製造工程における工場でのコンクリートの打設高を考慮して、防波ブロック10の重量や寸法が過大とならないように海岸に沿う方向における防波ブロック10の幅を2m程度に設定する。
(a−2)搬送工程
この搬送工程では、前記製造工程において工場で製造した複数の防波ブロック10を、トレーラ等の運搬車両により既設護岸100が設置されている現場まで陸上輸送する。
(b)施工工程
この施工工程では、波を受け止める防波体としての壁体8を既設護岸100の海側に、波からの荷重を既設護岸100へ伝達可能な形態で施工する。この壁体8の施工は、既設護岸100が設置されている現場において既設護岸100の海側にコンクリートを打設し、それによってコンクリート製の壁体8を形成することにより行う。この際、壁体8が既設護岸100の土台部分101及び中間部分102の海側の側面を覆い且つその土台部分101及び中間部分102と一体となるように当該壁体8を形成する。
この施工工程では、まず、図5に示すように、既設護岸100の土台部分101及び中間部分102に多数のアンカー105を打ち込む。これらのアンカー105は、土台部分101及び中間部分102に打ち込んだ状態でそれらの海側の側面から突出する状態にする。次に、既設護岸100から海側に離れた位置に型枠40(図6参照)を設置する。型枠40としては、既設護岸100の高さよりも低いものを設置する。型枠40は、図略の支保工と、当該型枠40と既設護岸100の海側の側面との間に介装したセパレータ41とによって支える。また、セパレータ41によって、型枠40と既設護岸100の海側の側面との間に形成すべき壁体8の厚みに相当する間隔を確保する。型枠40と既設護岸100との間の空間に多数の鉄筋(図略)を配筋する。
また、複数のアンカー32をそれらが設置されるべき位置にそれぞれ設置する。この際、例えば、アングル材又はその他の部材からなる図略の支持部材を型枠40から当該型枠40と既設護岸100との間の空間へ延びるように当該型枠40に接続し、その支持部材にアンカー32を固定することにより、各アンカー32をそれらが設置されるべき各所定位置に設置する。また、このような設置方法の代わりに、各アンカー32を型枠40と既設護岸100との間の空間に配筋された鉄筋に取り付けることにより、各アンカー32をそれらが設置されるべき各所定位置に設置してもよい。
そして、型枠40と既設護岸100の海側の側面との間の空間に陸111上からポンプ車210で生コンクリート34を流し込み、それを固化させることで壁体8を形成する。以上のようにして、壁体8が既設護岸100の土台部分101及び中間部分102の海側の面を覆い且つ既設護岸100よりも低い高さを有するように当該壁体8を形成する。各アンカー32は、このように形成された壁体8の天面14から上に突出し且つ当該各アンカー32の下部が壁体8に埋め込まれた状態となる。壁体8の形成後、型枠40を撤去する。
(c)据え付け工程
この据え付け工程では、前記用意工程で現場に用意した複数の防波ブロック10、すなわち、工場で製造後、前記搬送工程で現場に搬送した複数の防波ブロック10を前記施工工程で形成した壁体8の天面14上に据え付ける。この際、図7に示すように陸111上からクレーン200で防波ブロック10を吊り上げる。防波ブロック10の幅が2m程度に設定されていることにより当該防波ブロック10は比較的軽量であり、当該防波ブロック10を吊り上げるクレーン200として大型のものを用いなくてもよい。
クレーン200で吊り上げた防波ブロック10を降ろして壁体8の天面14上に載置する際、壁体8の天面14から突出したアンカー32が底板部29の挿通孔29aに挿通されるように防波ブロック10を天面14上に載置するとともに、防波面16が壁体8の海側面13と連続するように防波ブロック10の載置位置を調整する。前記のようにアンカー32が挿通孔29aに挿通されることによって、壁体8に対する防波ブロック10の相対位置が固定される。壁体8の天面14上に防波ブロック10を据え付けた状態で、防波壁24の下端が天面14に接触し、底板部29が天面14から僅かに上方に間隔をあけて配置される。当該据え付け工程では、複数の防波ブロック10が海岸沿いに並び、隣り合うようにこれらの防波ブロック10を壁体8上に据え付ける。また、当該据え付け工程により据え付けた防波ブロック10の防波壁24及び曲板部28と既設護岸100との間には空間が形成される。
(d)背後構造体形成工程
この背後構造体形成工程では、前記据え付け工程で海岸沿いに並んで設置した複数の防波ブロック10を海側と反対側(陸側)から覆い、それらの防波ブロック10と壁体8と既設護岸100とを相互に繋ぐ背後構造体12(図2参照)を形成する。
この背後構造体形成工程では、まず、防波ブロック10に対して海側と反対側に枠板42(図8参照)を設置する。具体的には、既設護岸100の天面104上に当該天面104の海側の端縁に沿って枠板42を設置する。これにより、複数の防波ブロック10の防波壁24及び曲板部28(図3参照)と、既設護岸100の上側部分103と、枠板42と、壁体8の天面14とによって囲まれる空間が形成される。この空間に、図8に示すように陸111上からポンプ車210で生コンクリート36を流し込み、それを固化させることで背後構造体12(図2参照)を形成する。背後構造体12の形成後、枠板42を撤去する。
以上のような工程により、当該第1実施形態に係る防波構造物の改良が行われる。
当該第1実施形態に係る防波構造物の改良方法では、既設護岸100の海側に施工した壁体8上に、上側へ向かうにつれて沖側へ滑らかな曲面状で迫り出す防波面16を持ち、この防波面16の迫り出し量が既設護岸100の上側部分103の迫り出し量よりも大きい形状の防波ブロック10を据え付ける。このため、打ち寄せる波を壁体8と防波ブロック10で受けるとともに、防波ブロック10の防波面16により波を当該防波面16に沿って沖側へ滑らかに返すことができる。さらに、沖側への防波面16の大きな迫り出し量により越波を阻止することができる。従って、当該第1実施形態の改良方法によれば、改良後の防波構造物に対する越波を有効に抑制できる。
また、防波ブロック10の防波面16が波を当該防波面16に沿って沖側へ滑らかに返すので、防波ブロック10に加わる波力を受け流すことができる。このため、防波ブロック10自体に加わる負荷を軽減できるとともに、防波ブロック10から壁体8に付加される負荷も軽減できる。その結果、新設の防波ブロック10及び壁体8が波を受けることによって破損するのを防ぐことができる。
また、当該第1実施形態の改良方法では、波からの荷重を既設護岸100へ伝達可能な形態で新設の壁体8を既設護岸100の海側に施工するため、波力に対して壁体8と既設護岸100が一体のものとして対抗することができる。このため、壁体8と既設護岸100を含む改良後の防波構造物1に、波力に対する高い耐久性を持たせることができる。
また、当該第1実施形態の改良方法では、波を受け止める新設の壁体8を既設護岸100の海側に施工するので、老朽化して脆くなった既設護岸100が波を直接受けて破損するのを防ぐことができる。また、当該第1実施形態の改良方法では、防波ブロック10を新設の壁体8上に据え付けるため、防波ブロック10が波を受けたときに当該防波ブロック10から既設護岸100に負荷が加えられない。また、防波ブロック10の重量を新設の壁体8で支えることができ、防波ブロック10の重量が既設護岸100にかからない。従って、既設護岸100が老朽化して脆くなっている場合であっても、既設護岸100が防波ブロック10から加えられる負荷及び/又は防波ブロック10の重量によって破損するのを防ぐことができる。
また、当該第1実施形態の改良方法では、新設の壁体8及び防波ブロック10の海側に消波ブロックを積み上げなくても、上述のように防波ブロック10の機能によって越波を抑制できるとともに壁体8によって既設護岸100に加わる負荷を低減できる。このため、消波ブロックの設置に起因する砂浜やリーフの消失を防ぐことができ、景観面及び環境面での悪影響を抑制できる。
また、当該第1実施形態の改良方法では、既設護岸100の海側の面を覆うように当該面上にコンクリートを打設することにより壁体8を形成する。すなわち、新設の壁体8で既設護岸100の海側の面を覆うことができるので、老朽化した既設護岸100を壁体8で補強できる。
また、当該第1実施形態の改良方法では、壁体8を既設護岸100よりも低い高さに形成する。このため、例えば既設護岸100を嵩上げするようにその既設護岸100上に新設護岸を施工する場合に比べて、工事を簡素化できるとともにその工事にかかるコストを削減できる。具体的に、既設護岸100の海側の面を覆い且つその既設護岸100を嵩上げするように新設護岸を施工する場合には、高さの大きい型枠とその型枠を支えるための大規模な支保工を既設護岸100の海側に設置する必要がある。この場合には、大掛かりな工事が必要となる。これに対し、当該第1実施形態の改良方法では、壁体8を既設護岸100よりも低い高さに形成するため、比較的高さの小さい型枠40で壁体8を形成することができ、この型枠40を支えるために比較的小規模な支保工を設置すればよい。従って、当該第1実施形態の改良方法によれば、壁体8の形成のための工事を簡素化できるとともに、その工事にかかるコストを軽減できる。
また、壁体8を既設護岸100よりも低い高さに形成することにより、壁体8上に設置する防波ブロック10及び背後構造体12を陸側から既設護岸100により支えることができる。このため、防波ブロック10に波力に対して強固な耐久性を持たせることができる。
また、壁体8上に防波ブロック10を据え付けた状態で防波ブロック10の上端の高さ位置を比較的低くすることができる。このため、防波ブロック10越しの眺望、すなわち改良後の防波構造物1越しの眺望が悪化するのを防ぐことができる。
また、当該第1実施形態の改良方法では、曲板部28を有する鋼製のフレーム22と曲板部28を覆って防波面16を形成するコンクリート製の防波壁24とを有する防波ブロック10を用いる。このため、防波ブロック10のうち海水に触れる防波面16まわりの部分がコンクリート製の防波壁24であるので、腐食を防止できる。また、防波ブロック10がコンクリート製の防波壁24と鋼製のフレーム22との複合体であるので、外力に対する防波ブロック10の粘り強さを高めることができる。このため、防波ブロック10が津波の波力のような大きな外力を受ける場合であっても、当該防波ブロック10の脆性破壊を防ぐことができる。従って、当該第1実施形態の改良方法では、防波ブロック10の腐食を防止しつつ当該防波ブロック10の脆性破壊を防止できる。
また、当該第1実施形態の改良方法では、防波ブロック10を工場で製造し、その製造した防波ブロック10を搬送することで既設護岸100が設置されている現場に防波ブロック10を用意する。仮に、防波ブロック10と同等の波返し機能及び越波抑制機能を有する防波用の構造物を現場でコンクリートを打設して形成するような場合には、型枠及びそれを支える支保工を現場で施工する必要があり、その作業負担が大きくなる。これに対し、当該第1実施形態の改良方法では、設備の整った工場で防波ブロック10を製造できるので、前記の現場で形成する場合に比べて作業負担を軽減できる。
また、当該第1実施形態の改良方法では、防波ブロック10を海側と反対側(陸111側)から覆い、その防波ブロック10と壁体8と既設護岸100とを相互に繋ぐ背後構造体12を形成する。このため、防波ブロック10と壁体8と既設護岸100との連結強度を高めることができる。従って、改良後の防波構造物1をより強固にすることができる。
また、当該第1実施形態の改良方法では、防波ブロック10に対して海側と反対側(陸111側)に枠板50を設置し、その枠板50と防波ブロック10との間の空間にコンクリートを打設することによって背後構造体12を形成する。すなわち、コンクリートで背後構造体12を形成するための型枠の一部として防波ブロック10を利用できる。このため、背後構造体12を形成するためのコストを削減できる。
また、当該第1実施形態の改良方法では、用意工程、据え付け工程及び背後構造体形成工程を陸111上から行うことができるため、海側から作業を行う場合に比べて作業負担を軽減できる。
(第2実施形態)
図9には、本発明の第2実施形態に係る改良方法で改良した後の防波構造物1とその周囲の縦断面が示されている。当該第2実施形態に係る改良方法では、壁体8と充填物54からなる防波体55を既設護岸100の海側に波からの荷重を既設護岸100へ伝達可能な形態で施工する。具体的には、壁体8を既設護岸100から海側へ間隔をあけた位置に設ける。そして、この壁体8と既設護岸100との間の空間及び壁体8上の背後構造体12と既設護岸100との間の空間を砕石からなる充填物54で埋め、その充填物54の上を舗装して歩道56にする。
図10〜図13は、当該第2実施形態に係る防波構造物の改良方法を示す説明図である。当該第2実施形態に係る改良方法には、用意工程と、施工工程と、第1充填工程と、据え付け工程と、背後構造体形成工程と、第2充填工程と、舗装工程とが含まれる。以下、図9〜図13を参照して当該第2実施形態に係る防波構造物の改良方法の各工程について詳述する。
(a)用意工程
この用意工程は、前記第1実施形態における用意工程と同様であり、既設護岸100が設置されている現場に複数の防波ブロック10を用意する工程である。
(b)施工工程
この施工工程では、波を受け止める防波体55を既設護岸100の海側に、波からの荷重を既設護岸100へ伝達可能な形態で施工する。この施工工程は、以下の壁体形成工程及び第1充填工程を含む。
(b−1)壁体形成工程
この壁体形成工程では、既設護岸100が設置されている現場でコンクリートを打設することにより、防波体55を構成するための壁体8を既設護岸100から海側に間隔をあけて形成する。具体的には、まず、図10に示すように、既設護岸100から海側に離れた位置に背面型枠62を設置する。背面型枠62としては、既設護岸100の高さよりも低いものを設置する。背面型枠62と既設護岸100の海側の側面との間には複数のセパレータ65を介装し、それによって背面型枠62を既設護岸100から間隔をあけた状態で支える。
次に、背面型枠62からさらに海側に離れた位置に前面型枠64を設置し、この前面型枠64を図略の支保工によって支える。前面型枠64としては、既設護岸100の高さよりも低いものを設置する。背面型枠62と前面型枠64との間には、形成すべき壁体8の厚みに相当する間隔を確保する。当該第2実施形態では、壁体8が地面上に独立して自立し且つ単独で防波ブロック10及び背後構造体12を下から支え得るように、壁体8の上部から下部に向かうにつれて厚みが増大する形状に形成する。このため、その壁体8の形状に対応する形状の空間を背面型枠62と前面型枠64とでそれらの間に形成する。背面型枠62と前面型枠64との間の空間には多数の鉄筋(図略)を配筋する。また、複数のアンカー32をそれらが設置されるべき位置にそれぞれ設置する。この際のアンカー32の設置方法として、前記第1実施形態の施工工程におけるアンカー32の設置方法と同様の設置方法が適用される。
そして、背面型枠62と前面型枠64との間の空間に陸111上からポンプ車210で生コンクリート66を流し込み、それを固化させることで壁体8を形成する。以上のようにして、既設護岸100よりも低い高さを有する壁体8を形成する。各アンカー32は、このように形成された壁体8の天面14から上に突出し且つ当該各アンカー32の下部が壁体8に埋め込まれた状態となる。壁体8の形成後、背面型枠62及び前面型枠64を撤去する。
(b−2)第1充填工程
この第1充填工程では、図11に示すように、前記施工工程で形成した壁体8の背後の空間、すなわち壁体8と既設護岸100との間の空間を砕石からなる充填物54で埋める。この際、壁体8の天面14とほぼ同じ高さまで充填物54で埋める。この第1充填工程は、陸111上からショベル220で壁体8と既設護岸100との間の空間に砕石を投入することによって行う。前記のように充填物54で壁体8と既設護岸100との間の空間を充填物54で埋めることにより、壁体8と充填物54からなる防波体55が形成される。
(c)据え付け工程
この据え付け工程では、前記第1実施形態の据え付け工程と同様に、用意工程で現場に用意した複数の防波ブロック10を施工工程で形成した壁体8の天面14上に据え付ける。
(d)背後構造体形成工程
この背後構造体形成工程では、それらの防波ブロック10の防波壁24の陸111側の面及びフレーム22を覆うとともに当該防波ブロック10と壁体8とを繋ぐ背後構造体12(図9参照)を形成する。この背後構造体12は、前記据え付け工程で海岸沿いに並ぶように壁体8の天面14上に据え付けた複数の防波ブロック10の陸111側にコンクリートを打設することによって形成する。
具体的には、まず、複数の防波ブロック10に対して陸111側(海側と反対側)に海岸に沿って枠板70(図13参照)を設置する。この枠板70は、前記第1充填工程で充填した充填物54上で当該充填領域と壁体8との境界に沿って設置する。そして、陸111上からポンプ車210で防波ブロック10と枠板70との間の空間、詳しくは防波壁24の陸111側の面及び曲板部28(図3参照)の陸側面28aと枠板50との間の空間に生コンクリート68(図13参照)を流し込み、それを固化させることで背後構造体12(図9参照)を形成する。生コンクリート68は、防波ブロック10の底板部29の下面と壁体8の天面14との間の隙間にも入り込み、この隙間に入り込んで固化したコンクリートを介して防波ブロック10と壁体8とが相互に連結される。背後構造体12の形成後、枠板70を撤去する。
(e)第2充填工程
この第2充填工程では、前記背後構造体形成工程で形成した背後構造体12の背後の空間、すなわち背後構造体12と既設護岸100との間の空間を充填物54で埋める(図9参照)。すなわち、この第2充填工程では、前記第1充填工程で充填した充填物54上にさらに砕石を充填する。この第2充填工程は、前記第1充填工程と同様に陸111上からショベルで背後構造体12と既設護岸100との間の空間に砕石を投入することによって行う。当該第2充填工程では、既設護岸100の上端から僅かに下の位置まで充填物54で埋める。
(f)舗装工程
この舗装工程では、前記第2充填工程で充填した充填物54の上を舗装し、歩道56(図9参照)を形成する。
以上のような工程により、当該第2実施形態に係る防波構造物の改良が行われる。
当該第2実施形態の改良方法では、既設護岸100から海側へ間隔をあけて壁体8を形成するため、既設護岸100の海側の側面が壁体を一体化させることが困難なほど老朽化して脆くなっている場合であっても壁体8を設けることができ、さらにその壁体8上に防波ブロック10及び背後構造体12を設置することができる。
しかも、当該第2実施形態の改良方法では、壁体8と既設護岸100との間の空間及び背後構造体12と既設護岸100との間の空間を、壁体8、防波ブロック10及び背後構造体12から既設護岸100へ荷重を伝達可能となるように充填物54で埋める。このため、壁体8及び防波ブロック10が波を受けたときに、壁体8、防波ブロック10及び背後構造体12からなる新設部2と、既設護岸100と、充填物54とが一体となって波力に対抗できる。このため、改良後の防波構造物1に、波力に対するより高い耐久性を持たせることができる。
当該第2実施形態の改良方法による前記以外の効果は、前記第1実施形態の改良方法による効果と同様である。
本発明による防波構造物の改良方法は、前記のようなものに必ずしも限定されない。本発明による防波構造物の改良方法として、例えば以下のような構成を採用可能である。
施工工程において形成する壁体の高さは任意に設定可能である。例えば、壁体の高さを既設護岸と同等以上の高さにしてもよく、また、前記実施形態に係る図面で示した壁体の高さよりも小さくしてもよい。
また、防波ブロックの高さ方向の寸法も任意に設定可能である。そして、壁体の高さと防波ブロックの高さ方向の寸法の少なくとも一方を変更することで、改良後の防波構造物の上端の高さ位置を任意に設定可能である。また、防波ブロックの防波面の形状も任意に設定可能である。改良後の防波構造物の上端の高さ位置と防波ブロックの防波面の形状と越波流量と防波ブロックに作用する波圧との相関関係は、水理実験等により導出可能であり、その導出した相関関係に基づいて、越波の抑制に対して過不足のない防波構造物の上端の高さ位置及び防波ブロックの防波面の形状を導出できる。この導出した防波構造物の上端の高さ位置及び防波ブロックの防波面の形状に基づいて防波構造物の上端の高さ位置及び防波ブロックの防波面の形状を設定できる。
1 防波構造物
8 壁体(防波体)
10 防波ブロック
12 背後構造体
16 防波面
22 フレーム
24 防波壁
42、70 枠板
54 充填物
55 防波体
100 既設護岸(既設の防波構造物)
103 上側部分

Claims (9)

  1. 海岸沿いに設置された既設の防波構造物を改良するための方法であって、
    波を受け止める防波体を前記既設の防波構造物の海側に前記波からの荷重を当該既設の防波構造物へ伝達可能な形態で施工する施工工程と、
    前記防波体上に取り付ける防波ブロックを用意する用意工程と、
    用意した前記防波ブロックを前記施工工程で施工した前記防波体上に載置して当該防波体に固定する据え付け工程と、を備え、
    前記用意工程では、前記防波ブロックとして、上側へ向かうにつれて海側へ滑らかな曲面状で迫り出す防波面を持ち、この防波面の海側への迫り出し量が前記既設の防波構造物の上側部分の海側への迫り出し量よりも大きい形状をなす防波ブロックを用意する、防波構造物の改良方法。
  2. 前記施工工程では、前記防波体の波を受ける面を形成する部分である壁体を前記既設の防波構造物が設置されている現場でコンクリートを打設することによって形成する、請求項1に記載の防波構造物の改良方法。
  3. 前記施工工程では、前記既設の防波構造物の海側の面を覆うようにコンクリートを打設することにより前記壁体を形成する、請求項2に記載の防波構造物の改良方法。
  4. 前記施工工程では、前記既設の防波構造物の海側に間隔をあけて前記壁体を形成し、その形成した壁体と前記既設の防波構造物との間の空間を前記壁体から前記既設の防波構造物へ荷重を伝達可能となるように充填物で埋めることにより、前記壁体と前記充填物からなる前記防波体を形成する、請求項2に記載の防波構造物の改良方法。
  5. 前記施工工程では、前記防波体のうち前記据え付け工程で前記防波ブロックを載置する部分の高さを前記既設の防波構造物よりも低い高さに形成する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の防波構造物の改良方法。
  6. 前記用意工程では、前記防波ブロックとして、前記防波面に沿う湾曲形状の曲板部を有する鋼製のフレームと、前記曲板部を覆って前記防波面を形成するコンクリート製の防波壁とを有する防波ブロックを用意する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の防波構造物の改良方法。
  7. 前記用意工程は、前記防波ブロックを工場で製造する製造工程と、製造した前記防波ブロックを前記既設の防波構造物が設置されている現場へ搬送する搬送工程と、を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の防波構造物の改良方法。
  8. 前記据え付け工程の後、前記防波ブロックを海側と反対側から覆い、その防波ブロックと前記防波体とを繋ぐ背後構造体を形成する背後構造体形成工程をさらに備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載の防波構造物の改良方法。
  9. 前記背後構造体形成工程では、前記防波ブロックに対して海側と反対側に枠板を設置し、その枠板と前記防波ブロックとの間の空間にコンクリートを打設することによって前記背後構造体を形成する、請求項8に記載の防波構造物の改良方法。
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