JP2017185647A - 積層多孔性フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性及び透気性に優れ、また、生産性にも優れ、特に、電池用セパレータに好適に用いることができる積層多孔性フィルム及びその製造方法を提供する。【解決手段】少なくとも第1層と第2層とが積層され、第1層は、結晶融解ピーク温度又はガラス転移温度が170℃以上である熱可塑性樹脂(A)を主成分とする耐熱層であり、第2層は、ポリプロピレン系樹脂(B)及びビニル芳香族エラストマー(C)を含有する樹脂組成物(X)を主成分とする多孔層であり、ビニル芳香族エラストマー(C)が、温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトマスフローレイトが1g/10分以下である積層多孔性フィルム、及びその製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性及び透気性に優れ、電池用、特にリチウムイオン二次電池用セパレータに好適に用いることができる積層多孔性フィルム及びその製造方法に関する。
二次電池は、OA(Office Automation)化やFA(Factory Automation)化に伴って需要が増加し、さらに、家庭用電器や通信機器等のポータブル機器用電源にも広く使用されている。特に、ポータブル機器においては、容積効率に優れ、装填する機器の小型化及び軽量化が図れることから、リチウムイオン二次電池の使用が増加している。
一方、エネルギーや環境関連の分野においては、例えば、ロードレベリング、いわゆるUPS(Uninterruptible Power Supply)等の無停電電源装置、電気自動車等における大型の二次電池の研究開発が進められており、大容量、高出力、高電圧及び優れた長期保存性の観点から、非水電解液二次電池の1種であるリチウムイオン二次電池の用途が広がっている。
リチウムイオン二次電池においては、通常、上限使用電圧が4.1〜4.2Vとして設計されており、このような高電圧でも耐えられる電解液として、有機溶媒を用いた非水電解液が使用されている。具体的には、高誘電率である、プロピレンカーボネートやエチレンカーボネート等の有機炭酸エステル等の溶媒に、六フッ化リン酸リチウム等の反応性の高い電解質を溶解した電解液が一般的である。
そして、リチウムイオン二次電池の正極と負極との間には、内部短絡の防止の観点から、電池用セパレータが設けられている。この電池用セパレータには、その役割から当然に絶縁性が要求され、さらに、リチウムイオンの通路となるための透気性及び電解液の拡散及び保持機能も要求される。これらの要求を満たすために、電池用セパレータは、微細孔構造である必要があり、多孔性フィルムが使用されている。
さらに、リチウムイオン二次電池用セパレータにおいては、電池の異常により熱暴走を起こした場合においても、破膜や収縮を生じて電極間が短絡し、電池が異常発熱することに起因する発火等の事故を防止できることが求められる。このような観点から、安全性を高めたセパレータとして、無機フィラーを用いたものが提案されている。例えば、樹脂組成物内に無機フィラーを充填し多孔化させたもの、無機フィラーの溶液を多孔性フィルム上にコートしたもの、さらに、これらに高融点の耐熱樹脂を添加した多孔性フィルム等が知られている。
また、リチウムイオン二次電池用セパレータには、大電流下や低温での電池の放電性能を向上させるために、電解液中のセパレータを通過するイオンの移動抵抗をできるだけ小さくする観点から、微細孔構造中の気孔同士の連通性をより向上させた高い透気性が求められている。
上記のような要求に対しては、例えば、特許文献1に、ポリプロピレン樹脂に核剤を混入して得られた、β型結晶の含有率が高いポリプロピレンフィルムを二軸延伸することにより、透気性に優れた多孔性フィルムが得られることが記載されている。
また、特許文献2に、4−メチル−1−ペンテン重合体を含む樹脂組成物と希釈剤とを溶融混練し、延伸シートを得た後、洗浄溶媒により洗浄して、延伸シートから希釈剤を除去する方法、いわゆる湿式法により、耐熱性に優れた多孔性フィルムが得られることが記載されている。また、特許文献3には、透気性と耐熱性とのバランスに優れ多孔性フィルムとして、所定量のポリメチルペンテンを含む多孔性フィルムを湿式法により得ることが記載されている。
また、特許文献4には、β晶核剤を配合したポリプロピレン系樹脂を含む層と、より結晶融解ピーク温度が高い樹脂組成物からなる耐熱層とを積層した多孔性フィルムが、強度特性、連通性(透過性)及びブレイクダウン特性(耐熱性)に優れていることが記載されている。
特開平6−100720号公報 特開2011−228056号公報 特表2012−531011号公報 特開2009−39910号公報
上記特許文献1に記載されている多孔性フィルムは、β晶核剤を用いることにより、優れた透過性が得られるとしているが、ポリプロピレンを主成分としているため、耐熱性が十分ではない。
また、特許文献2には、機械的強度及び液透過性にも優れた微多孔膜が得られると記載されているものの、具体的な物性としては、実施例においてメルトダウン温度が示されているにすぎない。特許文献2に記載の微多孔膜は、透過性については十分とは言えないものと考えられる。
また、特許文献3では、耐熱樹脂を特定量以上含むことにより、収縮率を低減できるとしているが、組成物中の半分以上がポリオレフィン樹脂であるため、樹脂組成物中のモルフォロジー構造より、該耐熱樹脂は、ポリオレフィン樹脂からなる海相に島相として分散していると考えられる。このため、実際には、耐熱性の向上が十分に図られているとは言い難い。
さらに、特許文献2及び3に記載の多孔性フィルムは、その製造方法において、添加される希釈剤を多量の洗浄溶媒を用いて洗浄除去する工程を要し、多量の洗浄溶剤の使用は環境上も好ましくなく、また、生産性にも劣るものである。
一方、特許文献4に記載の多孔性フィルムは、一般的なポリオレフィン系樹脂製のものよりも耐熱性に優れ、また、無機フィラー等の溶液をコートしたものよりも、安価で高効率で生産できる利点を有している。しかしながら、耐熱層を構成する樹脂の結晶融解ピーク温度が高いため、高温での製膜が必要となり、製膜時の高温下においてポリプロピレン系樹脂中のβ晶生成力が低下する傾向にあり、延伸後のフィルムに多孔構造のムラや核剤凝集物が生じ、十分な透過性が得られないおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、耐熱性及び透気性に優れ、また、生産性にも優れ、特に、電池用セパレータに好適に用いることができる積層多孔性フィルム及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の積層多孔性フィルムは、結晶融解ピーク温度又はガラス転移温度が高い熱可塑性樹脂を主成分とする耐熱層の多孔構造が、積層される多孔層の多孔構造に依存することを見出し、透気性に優れた多孔層の多孔構造を耐熱層に反映させることにより、優れた耐熱性及び透気性の両立を可能としたものである。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[9]を提供するものである。
[1]少なくとも第1層と第2層とが積層された積層多孔性フィルムであって、前記第1層は、結晶融解ピーク温度又はガラス転移温度が170℃以上である熱可塑性樹脂(A)を主成分とする耐熱層であり、前記第2層は、ポリプロピレン系樹脂(B)及びビニル芳香族エラストマー(C)を含有する樹脂組成物(X)を主成分とする多孔層であり、前記ビニル芳香族エラストマー(C)が、温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトマスフローレイトが1g/10分以下である、積層多孔性フィルム。
[2]前記熱可塑性樹脂(A)がポリメチルペンテン系樹脂である、上記[1]に記載の積層多孔性フィルム。
[3]前記第1層がフィラー(D)を含む、上記[1]又は[2]に記載の積層多孔性フィルム。
[4]前記ビニル芳香族エラストマー(C)の前記樹脂組成物(X)中の含有量が15〜50質量%である、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の積層多孔性フィルム。
[5]透気抵抗度が1〜100秒/100mLである、上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の積層多孔性フィルム。
[6]150℃で1時間加熱後の熱収縮率が10%以下である、上記[1]〜[5]のいずれか1つに記載の積層多孔性フィルム。
[7]上記[1]〜[6]のいずれか1つに記載の積層多孔性フィルムの製造方法であって、結晶融解ピーク温度又はガラス転移温度が170℃以上である熱可塑性樹脂(A)を含む第1成分と、ポリプロピレン系樹脂(B)及びビニル芳香族系エラストマー(C)を含む第2成分とを、それぞれ、希釈剤を用いずに溶融混練し、前記第1成分の無孔膜状物と前記第2成分の無孔膜状物との積層無孔膜状物を成形する工程と、前記積層無孔膜状物を少なくとも1つの方向に延伸する工程とを含む、積層多孔性フィルムの製造方法。
[8]上記[1]〜[6]のいずれか1つに記載の積層多孔性フィルムを有する電池用セパレータ。
[9]上記[8]に記載の電池用セパレータを有する電池。
本発明の積層多孔性フィルムは、耐熱性及び透気性に優れ、また、生産性にも優れている。このため、この積層多孔性フィルムは、電池用セパレータに好適に用いることができる。
また、本発明の製造方法によれば、簡便かつ効率的に、しかも、環境への悪影響が少ない方法で、前記積層多孔性フィルムを得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の積層多孔性フィルムは、少なくとも第1層と第2層とが積層されているものである。第1層は、結晶融解ピーク温度又はガラス転移温度が170℃以上である熱可塑性樹脂(A)を主成分とする耐熱層であり、第2層は、ポリプロピレン系樹脂(B)及びビニル芳香族エラストマー(C)を含有する樹脂組成物を主成分とする多孔層である。そして、ビニル芳香族エラストマー(C)が、温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトマスフローレイト(MFR)が1g/10分以下であることを特徴としている。
本発明の積層多孔性フィルムは、このような第1層と第2層とを含む積層構造によって、優れた耐熱性及び透気性の両立が図られたものである。
[第1層(耐熱層)]
第1層は、結晶融解ピーク温度又はガラス転移温度が170℃以上である熱可塑性樹脂(A)を主成分とする耐熱層である。
ここで、「熱可塑性樹脂(A)を主成分とする」とは、第1層(耐熱層)の構成成分のうち、熱可塑性樹脂(A)の質量割合が最も多いことを意味し、具体的には、第1層中の50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。
積層多孔性フィルムが、このような結晶融解ピーク温度又はガラス転移温度が高い熱可塑性樹脂を主成分とする耐熱層を含むことにより、第2層(多孔層)に耐熱性を付与することができ、積層多孔性フィルムの熱収縮を抑制することができる。なお、積層多孔性フィルムの透気性を確保する観点から、耐熱層である第1層も多孔性を有するものである。
第1層は、主成分である熱可塑性樹脂(A)以外にフィラー(D)を含んでいてもよい。フィラー(D)を添加することにより、延伸により効率的に多孔構造が形成され、孔の形状も制御しやすくなる。
第1層は、さらに、耐熱性や透気性等の本発明の効果を損なわない範囲において、酸化防止剤、紫外線吸収剤、アンチブロッキング剤、顔料、染料等の他の添加剤や、他の樹脂組成物を含んでいてもよい。
<熱可塑性樹脂(A)>
本発明で用いられる熱可塑性樹脂(A)は、結晶融解ピーク温度又はガラス転移温度が170℃以上である。結晶融解ピーク温度及びガラス転移温度の両方が170℃以上であってもよい。
ここで、「結晶融解ピーク温度」とは、JIS K7121:2012に準拠して、示差走査熱量計を用いて、温度範囲25〜400℃、加熱速度10℃/分で昇温した際に検出された結晶融解温度のピーク値を指す。また、「ガラス転移温度」とは、JIS K7121:2012に準拠して、示差走査熱量計を用いて、温度範囲25〜400℃、加熱速度10℃/分で昇温させた際に検出されたDSC(Differential scanning calorimetry)曲線から求めた温度を指す。
結晶融解ピーク温度又はガラス転移温度が170℃以上であれば、第2層(多孔層)に対して優れた耐熱性を付与することができ、該積層多孔性フィルムを電池用セパレータに用いた場合、電池の異常発熱時の高温状態においても、熱収縮を抑制することができる。前記結晶融解ピーク温度又はガラス転移温度は、180℃以上であることが好ましく、より好ましくは190℃以上である。
一方、前記結晶融解ピーク温度又はガラス転移温度の上限は、特に限定されないが、該積層多孔性フィルムの成形加工時における樹脂の劣化の抑制や、電池用セパレータとしての使用時における十分な機械的強度の確保等の観点から、350℃以下であることが好ましく、より好ましくは300℃以下である。
熱可塑性樹脂(A)に用いられる具体的な樹脂の種類は、第2層に用いられるポリプロピレン系樹脂(B)とは異なる樹脂であり、結晶融解ピーク温度又はガラス転移温度が上述した条件を満たすものであれば特に限定されるものではない。
具体例としては、ポリメチルペンテン系樹脂;エチレン−プロピレン−ジエン等のポリオレフィン系エラストマー;ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等のポリエーテル系樹脂;ポリフェニレンスルファイド;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン612等のポリアミド系樹脂;ポリスチレン系樹脂;メタクリル樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂;フッ素系樹脂;ポリエステル系樹脂;アラミド樹脂等が挙げられる。これらは1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらのうち、第2層に用いられるポリプロピレン系樹脂(B)との接着性の観点から、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂が好ましく、ポリメチルペンテン系樹脂が特に好ましい。
ポリメチルペンテン系樹脂としては、4−メチル1−ペンテンの単独重合体、及び4−メチル−1−ペンテンと他のα−オレフィンとのランダム共重合体又はブロック共重合体等が挙げられる。
前記各共重合体の構成単位の由来成分である4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンとしては、炭素数2〜20のα−オレフィンが好ましく、具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−オクタデセン、1−ヘキサデセン、1−ドデセン、1−テトラドデセン、1−エイコセン等が挙げられる。これらのα−オレフィンは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記各共重合体においては、前記α−オレフィンに由来する構成単位の含有量(α−オレフィン含有量)は、延伸により熱可塑性樹脂(A)を多孔化させやすくする観点から、10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは5質量%以下である。
熱可塑性樹脂(A)の分子量は、十分な耐熱性や製膜安定性等の観点から、高温ゲル浸透クロマトグラフィー(高温GPC法)により測定される重量平均分子量(Mw)が10万〜300万であることが好ましく、より好ましくは10万〜100万である。
また、熱可塑性樹脂(A)のMFRは、特に限定されるものではないが、製膜安定性や生産性等の観点から、0.03〜50g/10分であることが好ましく、より好ましくは0.3〜50g/10分である。
なお、前記MFRは、JIS K7210−1:2014に準拠して、温度260℃、荷重5kgの条件で測定した値である。
<フィラー(D)>
本発明で用いられるフィラー(D)は、無機フィラー又は有機フィラーのいずれでもよく、また、有機無機ハイブリッド粒子も用いることができる。これらは、1種単独でも、2種以上を併用してもよい。
無機フィラーの具体例としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム等の金属硫酸塩;酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、シリカ、酸化チタン等の金属酸化物、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化銀、塩化カルシウム等の金属塩化物;タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト等の粘土鉱物が挙げられる。
有機フィラーは、熱可塑性樹脂(A)と比べて、結晶融解ピーク温度又はガラス転移温度が高い樹脂粒子が好ましく、ゲル分率4〜10%程度の架橋樹脂粒子がより好ましい。具体例としては、超高分子量(分子量約100万〜700万)ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン等の熱可塑性樹脂;ポリイミド、ポリエーテルイミド、メラミン、ベンゾグアナミン等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
有機無機ハイブリッド粒子の具体例としては、ポリシロキサン架橋構造体からなるシリコーン微粒子等が挙げられる。
これらのうち、該積層多孔性フィルムを電池用セパレータとして用いた場合、電解液との反応性が不活性である点から、金属酸化物、有機無機ハイブリッド粒子が好ましく、特に、熱可塑性樹脂(A)との親和性や分散性の観点から、有機無機ハイブリッド粒子が好ましい。
フィラー(D)の平均粒径は、下限は0.01μm以上であることが好ましく、より好ましくは0.05μm以上、さらに好ましくは0.1μm以上である。0.01μm以上であれば、該積層多孔性フィルムが十分な耐熱性を発現することができるため好ましい。一方、上限は、第1層中でのフィラー(D)の分散性の向上の観点から、3.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは1.5μm以下である。
ここで言うフィラー(D)の平均粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定された値である。
第1層における熱可塑性樹脂(A)及びフィラー(D)の含有割合は、特に限定されるものではないが、製膜安定性、及び第1層の透気性の観点から、熱可塑性樹脂(A)とフィラー(D)との合計100質量部のうち、熱可塑性樹脂(A)が70〜99質量部、フィラー(D)が1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは熱可塑性樹脂(A)が80〜97質量部、フィラー(D)が3〜20質量部である。
[第2層(多孔層)]
第2層は、ポリプロピレン系樹脂(B)及びビニル芳香族エラストマー(C)を含有する樹脂組成物(X)を主成分とする多孔層である。
ここで、「樹脂組成物(X)を主成分とする」とは、第2層(多孔層)の構成成分のうち、樹脂組成物(X)の質量割合が最も多いことを意味し、具体的には、第2層中の50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。
第2層がビニル芳香族エラストマー(C)を含んでいることにより、均一な多孔構造を効率的に形成しやすく、また、孔の形状や径の制御が容易となり、透過性に優れた積層多孔性フィルムを得ることができる。
第2層は、主成分である樹脂組成物(X)以外に、多孔構造による透気性等の本発明の効果を損なわない範囲において、酸化防止剤、紫外線吸収剤、アンチブロッキング剤、顔料、染料等の各種添加剤や、他の樹脂組成物を含んでいてもよい。
<ポリプロピレン系樹脂(B)>
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂(B)としては、ホモポリプロピレン(プロピレン単独重合体)、及びプロピレンと他のα−オレフィンとのランダム共重合体又はブロック共重合体等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記各共重合体の構成単位の由来成分であるプロピレン以外のα−オレフィンの具体例としては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等が挙げられる。これらのα−オレフィンは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記各共重合体においては、前記α−オレフィンに由来する構成単位の含有量(α−オレフィン含有量)は、延伸によりポリプロピレン系樹脂(B)を多孔化させやすくする観点から、10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは5質量%以下である。
ポリプロピレン系樹脂(B)は、機械的強度の観点から、ホモポリプロピレンが好ましい。この場合、機械的強度の観点から、立体規則性を示すアイソタクチックペンタッド分率が80〜99%であることが好ましく、より好ましくは83〜98%、さらに好ましくは85〜97%である。
ここで、「アイソタクチックペンタッド分率」とは、任意の連続する5つのプロピレン単位で構成される炭素−炭素結合による主鎖に対して側鎖である5つのメチル基がいずれも同じ方向に位置する立体構造の割合を意味する。13C−NMRスペクトルのメチル基領域のシグナルにより測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位から求められる。なお、メチル基領域のシグナルの帰属は、A.Zambelli et al.,“Macromolecules” vol.8, Issue 5, pp.687-689 (1975)に記載の方法に準拠するものとする。
ポリプロピレン系樹脂(B)の分子量は、製膜安定性や生産性、フィルムの機械的強度等の観点から、高温ゲル浸透クロマトグラフィー(高温GPC法)により測定される重量平均分子量(Mw)が10万〜300万であることが好ましく、より好ましくは10万〜100万である。
同様の観点から、分子量分布を示すパラメータである重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが1.5〜10.0であることが好ましく、より好ましくは2.0〜8.0、さらに好ましくは2.0〜6.0である。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、GPC法によって求められ、Mw/Mnが1に近いほど分子量分布の幅が狭いことを意味する。
また、ポリプロピレン系樹脂(B)のMFRは、特に限定されるものではないが、製膜安定性や生産性、フィルムの機械的強度等の観点から、0.5〜15g/10分であることが好ましく、より好ましくは1.0〜10g/10分である。
なお、前記MFRは、JIS K7210−1:2014に準拠して、温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定した値である。
ポリプロピレン系樹脂(B)の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の重合触媒を用いた重合方法を用いればよく、例えば、チーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒や、メタロセン系触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた重合方法等を用いることができる。
ポリプロピレン系樹脂(B)としては、市販品では、例えば、「ノバテックPP」、「ウィンテック」(日本ポリプロ株式会社製);「ノティオ」、「タフマーXR」(三井化学株式会社製);「ゼラス」、「サーモラン」(三菱化学株式会社製);「住友ノーブレン」、「タフセレン」(住友化学株式会社製);「プライムポリプロ」、「プライムTPO」(株式会社プライムポリマー製);「アドフレックス」、「アドシル」、「HMS−PP(PF−814)」(サンアロマー株式会社製);「バーシファイ」、「インスパイア」(ダウ・ケミカル社製)等を使用することができる。
<ビニル芳香族エラストマー(C)>
本発明で用いられるビニル芳香族エラストマー(C)は、温度230℃、荷重2.16kgにおけるMFRが1g/10分以下であり、好ましくは0.5g/10分以下であり、より好ましくは0.2g/10分以下である。
ビニル芳香族エラストマー(C)は、第2層中に分散し、他の樹脂成分との粘度差によってその形状が変化するが、前記MFRが上記範囲内であれば、高温時の流動性が低く、その形状が球状になりやすい。球状で分散したドメインであるビニル芳香族エラストマー(C)は、アスペクト比が大きいドメインに比べて、延伸により多孔構造の均一性が高くなりやすく、フィルム特性の安定性も向上するため好ましい。
さらに、前記MFRが上記範囲内であれば、延伸時に、高い弾性のマトリックスと低い弾性のビニル芳香族エラストマー(C)のドメインとの界面部分に応力が集中しやすくなるため、開孔起点が生じやすく、第2層を多孔化しやすい。
このように、ビニル芳香族エラストマー(C)が開孔に寄与することにより、気孔同士の連通性が高まり、透気性及びイオン透過性に優れた積層多孔性フィルムが得られる。
ビニル芳香族エラストマー(C)は、スチレン由来の構成単位を含む熱可塑性エラストマーであることが好ましく、例えば、硬質成分としてのスチレンと、軟質成分としてのブタジエン等との共重合体が好ましい。前記共重合体は、ランダム共重合体、線状構造や放射状枝分れ構造等のブロック共重合体、グラフト共重合体等が挙げられ、いずれであってもよい。
ビニル芳香族エラストマー(C)の具体的な種類は、特に限定されるものではないが、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBR)、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SEB)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SBBS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SIR)、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体(SEP)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)等が好ましい。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらのうち、第2層中に効率的に分散させる観点から、ポリプロピレン系樹脂(B)との相溶性が高い、エチレン又はブチレン由来の構成単位を含んでいるものが好ましく、中でも、SEP、SEPS、SEBSが特に好ましい。
ビニル芳香族エラストマー(C)は、第2層のマトリックスを構成するポリプロピレン系樹脂(B)中に適度なドメインとして形成されるようにする観点から、スチレン由来の構成単位の含有量(スチレン含有量)が10〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜40質量%である。
ビニル芳香族エラストマー(C)の分子量は、製膜安定性や生産性、フィルムの機械的強度等の観点から、高温ゲル浸透クロマトグラフィー(高温GPC法)により測定される重量平均分子量(Mw)が10万〜100万であることが好ましく、より好ましくは10万〜50万である。
ビニル芳香族エラストマー(C)の含有量は、第2層の主成分であるポリプロピレン系樹脂(B)及びビニル芳香族エラストマー(C)を含有する樹脂組成物(X)中、15〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜45質量%である。15質量%以上であれば、延伸により第2層が多孔化しやすく、該積層多孔性フィルムの透気性の向上が図られる。一方、50質量%以下であれば、延伸による多孔構造の気孔の粗大化が抑制され、機械的強度が向上するため好ましい。
<他の成分>
樹脂組成物(X)には、ポリプロピレン系樹脂(B)及びビニル芳香族エラストマー(C)以外の他の成分として、第2層における多孔構造による透気性を損なわない範囲において、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、結晶核剤、着色剤、帯電防止剤、加水分解防止剤、滑剤、難燃剤等の各種添加剤が含まれていてもよい。
[積層構成・形態]
本発明の積層多孔性フィルムの積層構成は、少なくとも第1層と第2層とが積層されていれば、特に限定されるものではない。耐熱性及び透気性等の本発明の積層多孔性フィルムの効果を損なわない範囲において、第1層及び第2層以外の他の層を積層してもよい。前記他の層としては、具体的には、強度保持層、シャットダウン層(低融解温度樹脂層)等が挙げられる。
全層数も、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されるものではなく、2層であっても、3層以上であってもよい。各層の層数及び厚みも、用途や目的に応じて、適宜調整することができる。
生産性や経済性等の観点からは、2層又は3層構成が好ましく、積層構成の好ましい具体例としては、第1層/第2層の2種2層構成、第1層/第2層/第1層、第2層/第1層/第2層の2種3層構成等が挙げられる。
また、積層多孔性フィルムの形態は、面状又はチューブ状のいずれでもよいが、生産性や加工容易性等の観点から、平面状が好ましい。
積層多孔性フィルムの厚みは、十分な透気性を確保する観点から、上限は100μm未満であることが好ましく、より好ましくは60μm未満、さらに好ましくは40μm未満である。一方、下限は、機械的強度や該積層多孔性フィルムを電池用セパレータとして用いた場合に十分な絶縁性を確保する等の観点から、3μm以上であることが好ましく、5μm以上がより好ましい。
[透気性]
積層多孔性フィルムの透気性は、透気抵抗度が1〜100秒/100mLであることが好ましく、より好ましくは10〜60秒/100mL、さらに好ましくは20〜55秒/100mLである。
透気抵抗度は、JIS P8117:2009(ガーレー法)に準拠して、具体的には、後述の実施例に記載の方法で測定される。空気100mLが該積層多孔性フィルムを厚み方向に通過するのに要する時間(秒)を表している。したがって、数値が小さいほど空気が通過しやすいことを示しており、積層多孔性フィルムの厚み方向の気孔同士の連通性が優れていると言える。
透気抵抗度が上記範囲内であれば、多孔構造の気孔同士の連通性が優れていると言え、該積層多孔性フィルムを電池用セパレータとして用いた場合、電解液中のセパレータを通過するイオンの移動抵抗が抑制され、良好な電池性能が得られるため好ましい。
なお、積層多孔性フィルムの空孔率は、フィルムの機械的強度の観点から、30〜80%であることが好ましく、より好ましくは40〜70%である。空孔率は、一定の面積の積層多孔性フィルムの実質量W1と、樹脂組成物の密度に基づいて計算される空孔率が0%の場合の質量W0の値から、次式により求められる。
空孔率(%)={(W0−W1)/W0}×100
[耐熱性]
積層多孔性フィルムは、150℃で1時間加熱後の熱収縮率が10%以下であることが好ましく、より好ましくは8%以下、さらに好ましくは6%以下である。
前記熱収縮率は、耐熱性の指標であり、後述の実施例に記載の方法により測定される。数値が低ければ、該積層多孔性フィルムを電池用セパレータとして用いた場合にも、フィルムの位置ずれや収縮が抑制され、耐熱性に優れていると言える。
上記範囲内であれば、該積層多孔性フィルムを電池用セパレータとして用いた場合にも、十分な耐熱性を有していると言え、電池が高温となった際の安全性が確保されるため好ましい。
[積層多孔性フィルムの製造方法]
本発明の積層多孔性フィルムの製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、公知の手法を用いて、第1層及び第2層を別個に作製した後、両層を積層して積層多孔性フィルムを得る方法でもよく、あるいはまた、第1層及び第2層の積層無孔膜状物を成形した後、この膜状物を多孔化させて積層多孔性フィルムを得る方法でもよい。
本発明の積層多孔性フィルムを効率的に製造する観点から、積層無孔膜状物を成形した後、多孔化する方法がより好ましい。
具体的には、結晶融解ピーク温度又はガラス転移温度が170℃以上である熱可塑性樹脂(A)を含む第1成分と、ポリプロピレン系樹脂(B)及びビニル芳香族系エラストマー(C)を含む第2成分とを、それぞれ、希釈剤を用いずに溶融混練し、第1成分の無孔膜状物と第2成分の無孔膜状物との積層無孔膜状物を成形する工程(1)と、前記積層無孔膜状物を少なくとも1つの方向に延伸する工程(2)とを含む製造方法により、積層多孔性フィルムを製造することが好ましい。より具体的には、後述する実施例に記載されているような方法により製造することが好ましい。
本発明の積層多孔性フィルムは、このように積層無孔膜状物とした後、延伸することにより容易に均一な多孔構造を形成することができるものであるため、上述した湿式法のように希釈剤及びこれを洗浄除去するための洗浄溶剤等の使用並びにこれらの除去工程が不要であり、生産性に優れ、かつ、環境への悪影響が少ない方法により製造可能な積層多孔性フィルムである。
前記工程(1)においては、第1層を形成するための第1成分及び第2層を形成するための第2成分を、各成分の分解温度未満の温度条件下で溶融混練及び成形を行う。
前記溶融混練及び成形は、公知の方法を用いることができ、例えば、押出機を用いて第1成分及び第2成分をそれぞれ溶融混練し、Tダイから共押出しし、キャストロールで冷却固化する押出成形による方法、また、チューブラー法で製造した積層無孔膜状物を切り開いて平面状とする方法等が挙げられる。これらのうち、押出成形による方法がより好ましい。
押出成形においては、押出温度は、樹脂組成物の流動性や成形性等に応じて適宜調整されるが、生産性やフィルムの機械的強度等の観点から、190〜350℃であることが好ましく、より好ましくは195〜300℃、さらに好ましくは200〜280℃である。
キャストロールによる冷却固化温度は、膜状物中の結晶比率の向上や製膜安定性等の観点から、80〜150℃であることが好ましく、より好ましくは90〜140℃、さらに好ましくは100〜130℃である。
前記工程(2)においては、工程(1)で得られた積層無孔膜状物を少なくとも1つの方向に延伸し、多孔化させる。
延伸方法としては、ロール延伸法、圧延法、テンター延伸法、同時二軸延伸法等の手法を用いることできる。これらの手法を1種単独で、又は2種以上を併用して、一軸延伸又は二軸延伸を行うことが好ましい。多孔構造の制御の観点からは、二軸延伸がより好ましい。
延伸温度は、樹脂組成物の組成や結晶融解ピーク温度、結晶化度等に応じて適宜調整される。
一軸延伸の場合は、縦一軸延伸でも、横一軸延伸でもよい。二軸延伸の場合は、同時二軸延伸であっても、逐次二軸延伸であってもよい。延伸条件を都度選択でき、多孔構造の制御がしやすいことから、逐次二軸延伸がより好ましい。
逐次二軸延伸の場合は、縦延伸後、横延伸を行うことが好ましい。
ここで、「縦延伸」とは、膜状物の流れ方向(MD;Machine Direction)への延伸を意味し、「横延伸」とは、MDに対して垂直方向(TD;Traverse Direction)への延伸を意味する。
縦延伸での延伸温度は、均一な延伸及び多孔構造の形成を効率よく行う観点から、10〜140℃であることが好ましく、より好ましくは15〜130℃、さらに好ましくは20〜120℃である。
縦延伸倍率は、延伸による均一な多孔構造の形成を行う観点から、1.1〜10倍であることが好ましく、より好ましくは1.5〜8.0倍、さらに好ましくは1.5〜4.0倍である。
横延伸での延伸温度は、縦延伸で生じた気孔を拡大することにより、多孔層の空孔率を増加させて透気性を高める観点から、100〜160℃であることが好ましく、より好ましくは110〜155℃である。
横延伸倍率は、縦延伸で形成された多孔構造を壊すことなく、十分な透気性を有するものとする観点から、1.1〜10倍であることが好ましく、より好ましくは1.5〜8.0倍、さらに好ましくは1.5〜4.0倍である。
なお、延伸後、寸法安定性の改善等の観点から、熱処理することが好ましい。熱処理温度は100〜170℃、より好ましくは120〜170℃である。
さらに、本発明の積層多孔性フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、用途及び使用目的等に応じて、コロナ処理、プラズマ処理、印刷、コーティング、蒸着等の表面加工や、ミシン目加工等を施してもよい。
[適用用途]
本発明の積層多孔性フィルムは、上述したように、耐熱性及び透気性に優れており、ニッケル水素電池、リチウムイオン二次電池、アルミ電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等の各種蓄電デバイス、中でも、電池用、特にリチウムイオン二次電池用のセパレータ等に好適に用いることができる。
さらに、使い捨て紙オムツ等の体液吸収用パット、手術衣等の医療用材料、ジャンパー、雨着等の衣料用材料、家屋防水材、断熱材等の建築用材料、乾燥剤、使い捨てカイロ等の包装材料、各種フィルター、工業用ろ過膜等の液体処理材料等の資材等、透気性が要求される種々の用途での幅広い利用が期待される。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
[積層多孔性フィルムの製造]
実施例及び比較例においては、熱可塑性樹脂(A)、ポリプロピレン系樹脂(B)、ビニル芳香族エラストマー(C)もしくは(C’)、フィラー(D)及びその他の成分(E)として、以下に示すものを代表例として用い、下記表1に示す配合組成の第1層と第2層とが積層された積層多孔性フィルムを製造した。
<熱可塑性樹脂(A)>
・A−1:ポリメチルペンテン;「TPX RT18」三井化学株式会社製;MFR:26g/10分(260℃、5kg荷重)、結晶融解ピーク温度232℃、Mw:56万
<ポリプロピレン系樹脂(B)>
・B−1:ポリプロピレン;「ノバテックPP FY6HA」日本ポリプロ株式会社製;MFR:2.4g/10分(230℃、2.16kg荷重)、アイソタクチックペンタッド分率97%、Mw:53.9万、Mw/Mn:3.2
<ビニル芳香族エラストマー(C)、(C’)>
・C−1:SEP;「セプトン1001」株式会社クラレ製;スチレン含有量:35質量%、MFR:0.1g/10分(230℃、2.16kg荷重)、Mw:18.6万
・C’−1;SEPS;「セプトン2007」株式会社クラレ製;スチレン含有量:30質量%、MFR:2.4g/10分(230℃、2.16kg荷重)、Mw:9.5万
<フィラー(D)>
・D−1:シリコーン微粒子;「SPT−014」竹本油脂株式会社製;平均粒径0.3μm
・D−2;疎水化処理酸化亜鉛;「FINEX−25−LPT」堺化学工業株式会社製;ハイドロゲンジメチコン表面処理、平均粒径0.06μm
<その他の成分(E)>
・E−1:β晶核剤;2,6−ナフタレンジカルボン酸ジシクロヘキシルアミド;「エヌジェスターNU−100」新日本理化株式会社製
・E−2:酸化防止剤;「IRGANOX B 225」(BASF社製)
(実施例1)
第1層を形成するための第1成分として、熱可塑性樹脂(A−1)を用いた。
一方、ポリプロピレン系樹脂(B−1)80質量部と、ビニル芳香族エラストマー(C−1)20質量部とを配合し、二軸押出機に投入し、設定温度240℃で溶融混練した。得られたストランドを水槽で冷却固化し、ペレタイザーでカットし、第2層を形成するための第2成分として、ポリプロピレン系樹脂(B)及びビニル芳香族エラストマー(C)を含有する樹脂組成物(X)のペレットを作製した。
2台の単軸押出機を用いて、第1層を形成するための第1成分を270℃、第2層を形成するための第2成分を230℃で、それぞれ溶融混練後、リップ開度0.8mm、265℃のTダイで、外層(表層及び裏層)が第1層、中間層が第2層となるように共押出成形し、キャストロールに導いて127℃で冷却固化し、積層無孔膜状物を得た。
得られた膜状物を、縦延伸機にて、設定温度20℃のロール間で延伸倍率1.5倍、さらに、設定温度120℃のロール間で延伸倍率2.5倍で延伸した。縦延伸後のフィルムを、横延伸機にて、予熱温度145℃、予熱時間12秒間で予熱後、延伸温度145℃、延伸倍率2.0倍で延伸し、155℃で加熱して、積層多孔性フィルムを得た。
(実施例2〜4)
実施例1において、配合組成、及び延伸倍率を下記表1に示す条件に変更し、それ以外は実施例1と同様にして、積層多孔性フィルムを得た。
(実施例5)
熱可塑性樹脂(A−1)95質量部と、フィラー(D−1)5質量部とを配合し、二軸押出機に投入し、設定温度260℃で溶融混練した。得られたストランドを水槽で冷却固化し、ペレタイザーでカットし、第1層を形成するための第1成分として、熱可塑性樹脂(A)を主成分とする樹脂組成物のペレットを作製した。
同様の方法で、ポリプロピレン系樹脂(B−1)70質量部と、ビニル芳香族エラストマー(C−1)30質量部とを配合し、設定温度を240℃として、第2層を形成するための第2成分として、ポリプロピレン系樹脂(B)及びビニル芳香族エラストマー(C)を含有する樹脂組成物(X)のペレットを作製した。
上記で作製した第1成分及び第2成分の各ペレットを用いて、実施例1と同様にして、積層無孔膜状物を得た後、積層厚みの比、及び延伸倍率を下記表1に示す条件に変更し、それ以外は実施例1と同様にして、積層多孔性フィルムを得た。
(実施例6〜8、比較例3,4)
実施例5において、配合組成、積層厚みの比、及び延伸倍率を下記表1に示す条件に変更し、それ以外は実施例5と同様にして、積層多孔性フィルムを得た。
(比較例1)
ポリプロピレン系樹脂(B−1)100質量部と、β晶核剤(E−1)0.2質量部と、酸化防止剤(E−2)0.1質量部とを配合し、設定温度を240℃として、ポリプロピレン系樹脂(B−1)を主成分とする樹脂組成物のペレットを作製した。
作製したペレットを、単軸押出機を用いて、200℃で溶融混練後、リップ開度0.8mm、200℃のTダイで押出成形し、キャストロールに導いて127℃で冷却固化し、無孔膜状物を得た。
得られた膜状物を、縦延伸機にて、設定温度105℃のロール間で延伸倍率4.5倍で延伸した。縦延伸後のフィルムを、横延伸機にて、予熱温度145℃、予熱時間12秒間で予熱後、延伸温度145℃、延伸倍率2.0倍で延伸し、155℃で加熱して、単層多孔性フィルムを得た。
(比較例2)
実施例5と同様にして、ポリプロピレン系樹脂(B)及びビニル芳香族エラストマー(C)を含有する樹脂組成物(X)のペレットを作製した。
作製したペレットを、単軸押出機を用いて、200℃で溶融混合後、リップ開度0.8mm、200℃のTダイで押出成形し、キャストロールに導いて127℃で冷却固化し、無孔膜状物を得た。
得られた膜状物を、縦延伸機にて、設定温度20℃のロール間で延伸倍率1.5倍、さらに、設定温度120℃のロール間で延伸倍率3.0倍で延伸した。縦延伸後のフィルムを、横延伸機にて、予熱温度145℃、予熱時間12秒間で予熱後、延伸温度145℃、延伸倍率3.0倍で延伸し、155℃で加熱して、単層多孔性フィルムを得た。
[フィルムの物性測定]
上記実施例及び比較例で製造した各多孔性フィルムについて、厚み、透気抵抗度及び熱収縮率を以下のようにして測定した。
<厚み>
目量1/1000mmのダイヤルゲージにて、フィルム面内の任意の10箇所で測定し、その平均値を求めた。
<透気抵抗度>
25℃で、大気雰囲気下、JIS P8117:2009に準拠して透気抵抗度を測定した。測定機器は、デジタル型王研式透気度試験機(透気度専用機)(旭精工株式会社製)を用いた。
<熱収縮率>
積層多孔性フィルムを、縦80mm×横80mmに切り出した試料の内側に縦60mm×横60mmの標線を引き、標線の中央部分4箇所に印を付けた。フィルムにMDの方向を明記し、印を付けた箇所のMD及びTDの両方向の標線間距離(L1MD及びL1TD)を測定した。この試料を耐熱ガラス間に挟み、耐熱ガラス上におもりを置いて荷重2g/cmとなるようにした。設定温度150℃の熱風循環式オーブンで1時間加熱した後、印を付けた箇所のMD及びTDの両方向の標線間距離(L2MD及びL2TD)を測定し、下記式により、各方向の150℃で1時間加熱後の熱収縮率を算出した。
MDの収縮率[%]={1−(L2MD/L1MD)}×100
TDの収縮率[%]={1−(L2TD/L1TD)}×100
下記表1に、実施例及び比較例についての物性の測定結果をまとめて示す。なお、比較例4は、延伸時に多孔構造にムラが生じ、十分に均一な多孔構造を有する積層多孔性フィルムが得られなかったため、フィルムの物性測定は未実施である。
表1に示した結果から分かるように、所定の第1層を含む積層多孔性フィルムとすることにより、高温(150℃)での熱収縮率が低減され、耐熱性が向上することが認められた。
また、共押出成形により積層無孔膜状物を得る際の第1層の押出温度が高い(270℃)場合であっても、第2層にビニル芳香族系エラストマーを用いることにより、多孔構造の均一性が確保され、積層多孔性フィルムの透気性が優れていることが認められた。
一方、第2層を、ビニル芳香族系エラストマーに代えて、β晶核剤を用いて多孔化した場合(比較例3)は、第1層の高い押出温度により、積層無孔膜状物におけるβ晶の生成が抑制され、延伸後のフィルムに多孔構造のムラや核剤凝集物が生じ、透気性に劣っていた。

Claims (9)

  1. 少なくとも第1層と第2層とが積層された積層多孔性フィルムであって、
    前記第1層は、結晶融解ピーク温度又はガラス転移温度が170℃以上である熱可塑性樹脂(A)を主成分とする耐熱層であり、
    前記第2層は、ポリプロピレン系樹脂(B)及びビニル芳香族エラストマー(C)を含有する樹脂組成物(X)を主成分とする多孔層であり、
    前記ビニル芳香族エラストマー(C)が、温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトマスフローレイトが1g/10分以下である、積層多孔性フィルム。
  2. 前記熱可塑性樹脂(A)がポリメチルペンテン系樹脂である、請求項1に記載の積層多孔性フィルム。
  3. 前記第1層がフィラー(D)を含む、請求項1又は2に記載の積層多孔性フィルム。
  4. 前記ビニル芳香族エラストマー(C)の前記樹脂組成物(X)中の含有量が15〜50質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層多孔性フィルム。
  5. 透気抵抗度が1〜100秒/100mLである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層多孔性フィルム。
  6. 150℃で1時間加熱後の熱収縮率が10%以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層多孔性フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層多孔性フィルムの製造方法であって、結晶融解ピーク温度又はガラス転移温度が170℃以上である熱可塑性樹脂(A)を含む第1成分と、ポリプロピレン系樹脂(B)及びビニル芳香族系エラストマー(C)を含む第2成分とを、それぞれ、希釈剤を用いずに溶融混練し、前記第1成分の無孔膜状物と前記第2成分の無孔膜状物との積層無孔膜状物を成形する工程と、前記積層無孔膜状物を少なくとも1つの方向に延伸する工程とを含む、積層多孔性フィルムの製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層多孔性フィルムを有する電池用セパレータ。
  9. 請求項8に記載の電池用セパレータを有する電池。
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