JP2017184762A - 単クローン性細胞のコロニーを選択する方法 - Google Patents

単クローン性細胞のコロニーを選択する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】単クローン性細胞のコロニーを選択する方法を解決すること。【解決手段】目的の生成物を分泌する単クローン性細胞のコロニーを選択する方法であって、該方法は、複数の細胞培養空間を提供し;各細胞培養空間は、上記評価表面に固定された第1の結合剤を有するそれぞれの評価表面を有する。上記細胞は、上記細胞の複製のための細胞培養空間における増殖培地中でインキュベートされる。上記細胞のうちの少なくともいくらかは、目的の生成物を分泌する。第2の結合剤は、上記細胞培養空間に提供される。最初に、上記第2の結合剤は、固定されない。上記第1の結合剤および第2の結合剤の各々は、上記目的の生成物に結合し、その結果、上記細胞培養空間のうちのいずれか1つの中の細胞による上記目的の生成物の分泌は、上記細胞培養空間の対応する評価表面に形成される、上記第1の結合剤、上記目的の生成物および上記第2の結合剤の複合体をもたらす。【選択図】なし

Description

本願は、2012年9月14日に出願した欧州特許出願第12184418.7号の利益を主張する。欧州特許出願第12184418.7号の内容は、その全体が本明細書に参考として援用される。
本発明は、目的の生成物を分泌する単クローン性細胞のコロニーを選択する方法に関する。
公知の方法において、細胞の不均質な混合物からの細胞は、マルチウェルプレートのウェル中に限界希釈を使用してプレーティングされる。単クローン性細胞のコロニーの形成は、上記ウェル中の細胞の白色光画像化(white light imaging)によって評価され得る。しかし、目的の生成物の分泌の評価は、それぞれのアリコートを各ウェルから採取して上記目的の生成物について分析することを必要とする。上記アリコートの採取と分析は、上記方法を望ましくなく複雑化する。
本発明の第1の局面によれば、目的の生成物を分泌する単クローン性細胞のコロニーを選択する方法であって、該方法は、複数の細胞培養空間を提供する工程であって、各細胞培養空間は、それぞれの評価表面を有する、工程;各々の該評価表面に、該評価表面上に固定されている第1の結合剤を提供する工程;該細胞培養空間のうちの少なくともいくらかに、単一の生存細胞がプレーティングされるように、該複数の細胞培養空間に細胞の懸濁物をプレーティングする工程;該細胞培養空間において増殖培地中で該細胞をインキュベートして、該細胞の複製を引き起こす工程であって、ここで該細胞のうちの少なくともいくつかは、目的の生成物を分泌する、工程;該細胞培養空間に第2の結合剤を提供する工程であって、該第2の結合剤は、固定されていない、工程;ここで該第1の結合剤および第2の結合剤の各々は、該目的の生成物に結合し、その結果、該細胞培養空間のうちのいずれか1つにおいて細胞による該目的の生成物の分泌は、該1つの細胞培養空間の対応する評価表面に形成される、該第1の結合剤、該目的の生成物および該第2の結合剤を含む複合体をもたらし;該細胞培養空間の評価表面での該第2の結合剤の存在に関して、該細胞培養空間のうちの少なくともいくつかの各々を評価する工程;該細胞培養空間のうちの少なくともいくつかの各々について、該細胞培養空間が、単一の細胞に由来する単一細胞コロニーを含むか否かを決定する工程;ならびに該評価および該決定を使用して細胞培養空間を選択する工程であって、該選択された細胞培養空間は、該目的の生成物を分泌する単一の単クローン性細胞のコロニーを含む、工程を包含する、方法が提供される。
用語「単クローン性」とは、本明細書で使用される場合、細胞複製によって単一の先祖細胞から誘導される複数の培養細胞をいう。好ましくは、上記細胞は、真核生物細胞であるが、上記方法は他の細胞タイプにも適用可能である。本明細書で使用される場合、「選択する(selecting)」とは、選ぶ(choosing)ことを意味し、単クローン性細胞のコロニーを上記細胞培養空間から取り出すことを必要としない。用語「分泌する」とは、本明細書で使用される場合、細胞による生成および任意の機構による目的の生成物の細胞外空間への放出を包含する。一般に、上記機構は、細胞を殺傷せず、上記目的の生成物を分泌する能力を生細胞に持たせ続ける機構である。例えば、上記細胞が真核生物である場合、上記目的の生成物は、粗面小胞体、ゴルジ装置および分泌小胞を含む古典的な分泌経路によって分泌され得る。あるいは、上記目的の生成物は、任意の公知のもしくは未知の非古典的分泌機構によって分泌され得る。
上記目的の生成物は、好ましくは、ポリペプチドもしくはタンパク質である。この場合、上記ポリペプチドもしくはタンパク質は、グリコシル化されていてもよいし、そして/または任意の他の翻訳後修飾を受けていてもよい。より好ましくは、上記目的の生成物は、抗体もしくは抗体のフラグメントである。
上記細胞培養空間は、1つの細胞培養空間の中の増殖培地が、いかなる他の細胞培養空間の中の増殖培地とも流体連絡していないという意味で互いに独立している。好ましくは、上記細胞培養空間は、それぞれ、マルチウェル培養プレートのウェルである。例えば、上記細胞培養空間は、96ウェルプレートもしくは384ウェルプレートのウェルであり得る。あるいは、上記細胞培養空間は、それぞれ別個の培養容器によって提供され得る。
各細胞培養空間に関して、上記関連づけられた評価表面は、上記細胞のインキュベーションの間にその細胞培養空間で使用される増殖培地と接触する。各評価表面は、好ましくは、上記関連づけられた細胞培養空間を提供する細胞培養容器の一体化した表面である。あるいは、上記評価表面は、上記培養容器に配置された挿入物の表面であり得る。上記細胞培養空間がマルチウェルプレートのウェルである場合、各評価表面は、好ましくは、上記関連づけられたウェルの底の上向き表面である。この場合、上記底面は、平坦で上向きの水平表面であり得る。特に好ましい実施形態において、各細胞培養空間は、マルチウェルプレートのウェルであり、各評価表面は、底の上向きの凹面である。細胞が凹型底面を有するウェルにプレーティングされる場合、上記底面の凹型形状は、細胞を、上記底面の最低点である底面中央部に向かって導く傾向にある。これは、底面縁部と比較して、ウェルの底面中央部に位置する1または複数の細胞を可視化もしくは画像化することが容易であるので有利である。凹型の底面を有するマルチウェルプレートは市販されており、ときおりU字型ウェルを有するといわれる。
上記評価表面は、表面での第2の結合剤の存在が評価される表面である。上記評価表面は、表面の形状もしくは外形における変化を伴う1または複数の縁部(例えば、ウェルの底面と円筒状の側面との間の縁部)によって範囲を定められる必要はなく、上記評価表面の広さは、単に上記評価の空間的広さによって決定され得る。例示すると、上記細胞培養空間がマルチウェルプレートのウェルである場合、上記評価表面は、例えば、底面の一部であり得るが全てでなくてもよく、または代わりに、上記評価表面は、底面全体に加えて円筒状の側面の隣接領域であり得る。当然のことながら、代わりに、上記評価表面は、大きさが単にウェルの底面に対応し得る。
細胞培養空間は、他の表面を有し得る。例えば、細胞培養空間がマルチウェルプレートのウェルである場合、上記評価表面は、上記ウェルの底面であり得る。そういうわけで上記ウェルの垂直方向に伸びる円筒状の側面は、別の表面である。
上記第1の結合剤は、好ましくは、上記関連づけられた細胞培養空間へと上記細胞がプレーティングされる前に、上記評価表面に固定される。しかし、これは必ずしもそうではなく、上記第1の結合剤が表面に固定されている上記評価表面は、上記細胞をプレーティングした後に上記細胞培養容器中の増殖培地の中に挿入され得る挿入物によって提供され得る。しかし、上記固定された第1の結合剤は、上記細胞によって増殖培地へと分泌された目的の生成物が上記評価表面に局在するのを可能にするように、上記インキュベーションのうちの少なくとも一部の間、および好ましくは全てにわたって、上記増殖培地と接触した状態にある必要がある。
従って、請求項1に記載される方法の工程は、それらが記載される順序で行われる必要は必ずしもない。
上記第1の結合剤は、上記目的の生成物に結合し得る任意の薬剤であり得る一方で、上記第1の結合剤は、上記目的の生成物を上記評価表面に局在させるように、上記評価表面に固定される。概して、分泌される目的の生成物のうちの、上記第1の結合剤への結合によって上記評価表面に局在させられるもののパーセンテージは、可能な限り高いべきである。好ましくは、上記第1の結合剤は、上記第1の結合剤と上記増殖培地の他の成分とでの結合が、上記評価表面での上記目的の生成物の局在を顕著に妨害しないように、十分な選択性で上記目的の生成物を結合する。上記第1の結合剤は、上記目的の生成物に特異的に結合し得る。例えば、上記第1の結合剤は、上記目的の生成物に結合し得る抗体もしくは抗体フラグメントを含み得る。あるいは、上記目的の生成物がそれ自体抗体もしくは抗体フラグメントである場合、上記第1の結合剤は、上記目的の生成物が結合するエピトープを含み得る。
上記第1の結合剤は、任意の適切な様式で上記評価表面に固定され得る。多くの固定法は公知であり、生化学もしくは免疫学のテキストブックに記載される。一般に、上記第1の結合剤は、上記表面に被覆されることによって、上記評価表面に固定される。被覆を形成するために適した市販のキットがあり、多くの被覆形成法が、生化学もしくは免疫学のテキストブックで記載されている。
好ましくは、上記第1の結合剤は、上記評価表面の全体を被覆しかつ上記細胞培養空間のいかなる他の表面をも被覆することないように固定されるべきである。しかし、これは必須ではなく、上記方法は、上記評価表面の一部のみが固定される第1の結合剤で被覆されるとしても、あるいは上記評価表面に加えて上記細胞培養空間の他の表面にも固定される第1の結合剤が提供されるとしても、なお十分に行われ得る。例示すると、上記細胞培養空間がマルチウェルプレートのウェルであり、上記評価表面が上記ウェルの底面である場合、本発明は、上記ウェルの底面を被覆する固定される第1の結合剤に加えて、上記第1の結合剤がまた上記ウェルの側面の円筒状表面の下側部分を被覆するならば、なお十分に行われ得る。この場合、目的の生成物は、上記評価が第2の結合剤を上記底面でのみ検出することができ、上記側面の円筒状表面では検出できないとしても、上記底面とさらに上記側面の円筒状表面との両方に結合し得る。これは、上記評価表面に局在される分泌される目的の生成物の全体の量の低下が上記評価の感度を低下させ得るので、理想的ではない。しかし、上記方法は、これら環境でなお有用である。上記ウェルの底面にある第2の結合剤の量は(検出可能であると想定すると)、上記増殖培地へと分泌される目的の生成物の量をなお示す。
一般に、細胞の懸濁物は、細胞の不均質な混合物の懸濁物である。必ずしも全てではないが、上記細胞のうちの少なくともいくつかは、適切な条件下で培養された場合に、上記目的の生成物を生成し得る。例えば、単一特異性(monospecific)抗体の生成において、骨髄腫細胞は、脾細胞と融合されて、ハイブリドーマ細胞を形成する。上記融合手順は、細胞の不均質な混合物を生じ、上記不均質な混合物の比較的小さなパーセンテージのみが、必要とされる単一特異性抗体を分泌し得るハイブリドーマ細胞である。本発明の方法は、骨髄腫細胞と脾細胞との融合から生じる細胞の不均質な混合物に適用可能である。この場合、上記方法は、上記必要とされる単一特異性抗体を分泌し得る単クローン性細胞のコロニーの選択を可能にする。
あるいは、本発明の方法は、トランスフェクションプロセスから生じる細胞の不均質な混合物に適用可能である。外来の核酸で細胞をトランスフェクトして所望の生成物を分泌し得る細胞株を生成することは、しばしば望ましい。上記トランスフェクションプロセスは、細胞の不均質な混合物を生じ、上記不均質な混合物の比較的小さなパーセンテージのみが、上記必要とされる生成物を分泌し得る。この場合、本発明の方法は、上記必要とされる生成物を分泌し得る単クローン性細胞のコロニーの選択を可能にする。
本明細書で使用される場合、語句「単一の生細胞」とは、ただ1つの生細胞(one and
only one viable cell)を意味するが、1以上の非生細胞の存在を排除しない。用
語「生(viable)」細胞とは、インキュベーションの間に細胞が経験する培養条件下で、生存し得かつ複製し得る細胞をいい、「非生細胞」とは、この能力を有しない細胞である。
細胞をプレーティングして、細胞培養空間中で単一の生細胞のプレーティングを達成するための方法は公知であり、しばしば限界希釈といわれる。このような方法は、細胞の懸濁物を調製して、上記懸濁物中に細胞の所定の濃度(すなわち、上記懸濁物の単位体積あたりの生細胞および非生細胞の所定の数)を達成することを含む。各細胞培養空間へとプレーティングされる予定である懸濁物の体積は、既知である。上記懸濁物中の細胞の必要とされる濃度は、各細胞培養空間へとプレーティングされる(すなわち、分与される)予定である懸濁物の体積を考慮に入れ、統計的可能性が、各細胞培養空間が単一の生細胞を受容するかまたは生細胞を全く受容しないかのいずれかであるが、1つより多くの生細胞を受容する細胞培養空間がほとんどないものであるように計算される。上記細胞の比較的大きなパーセンテージが非生細胞であれば、生存率が低レベルであることを考慮に入れるために全細胞の所定の濃度を増大させ得るように、上記懸濁物中の細胞の生存率は、所定の濃度を計算するにあたって考慮に入れられ得る。2つ以上の生細胞が細胞培養空間へとプレーティングされる場合、2つの単クローン性コロニーもしくは混合コロニーが上記細胞培養空間中で生じ得、このような細胞培養空間は、一般に、選択から差し引かれる。
本発明の非常に好ましい実施形態において、上記複数の細胞培養空間中で細胞の懸濁物をプレーティングすることは、上記細胞培養空間のうちの少なくともいくつかに、ただ1つの細胞のみがプレーティングされる(上記ただ1つの細胞が生細胞であるか非生細胞であるかには無関係に)ことを確実にするように行われる。これは、各細胞培養空間でプレーティングされる予定である懸濁物の体積に留意して上記懸濁物中の細胞(生細胞および非生細胞)の適切な濃度を選ぶことによって達成され得る。このことの目的は、単一の生細胞のみが非生細胞なしでプレーティングされた細胞培養空間において生成された単クローン性細胞のコロニーを選択することを可能にすることである。細胞培養空間に、例えば、1つの生細胞および1つの非生細胞がプレーティングされる場合、上記生細胞は上記細胞培養空間中で複製して、単クローン性細胞のコロニーを生じることが可能である。上記非生細胞は、複製せず、死に得る。このような細胞培養空間から生じた単クローン性細胞のコロニーは、いくつかの適用において有用であり得る。しかし、多くの状況では、ただ1つの細胞のみ(すなわち、1つの生細胞であって非生細胞なし)がプレーティングされた細胞培養空間において生じた単クローン性細胞のコロニーを選択することが望ましい。これは、目的の生成物の監督機関の承認を得るために、いくつかの適用について必要とされ得る。
限界希釈を使用する代替手段として、細胞は、蛍光活性化セルソーティングを使用して、細胞培養空間に単一の生細胞をプレーティングするように、プレーティングされ得る。
上記増殖培地は、任意の適切な増殖培地であり得る。上記増殖培地は、生存しかつ複製するために必要な全てを培養細胞に提供し得る。さらに、上記目的の生成物を分泌し得る細胞に、上記目的の生成物を実際に分泌させるために任意の特定の化学物質が必要とされる場合、その化学物質は、通常、上記増殖培地中に含まれる。好ましくは、上記増殖培地は、液体増殖培地である。しかし、他のタイプの増殖培地(例えば、半固体増殖培地)も使用され得る。
上記細胞は、非接着性であってもよいし、上記細胞培養空間の表面に接着してもよい。
液体増殖培地が使用され、上記細胞が接着性である場合、上記培地は、上記インキュベーションの過程の間に取り換えられ得るかもしくは部分的に取り換えらされ得る。しかし、可能な場合には、上記細胞培養空間中で取り換えずに同じ増殖培地を維持することが好ましい。なぜなら、このことから、目的の分泌生成物の潜在的な喪失および上記細胞に対する潜在的な破壊が回避されるからである。上記増殖培地が細胞培養空間に残っている間に評価を行うことが好ましい。さらに、上記増殖培地が上記細胞培養空間に残っている間に決定を行うことが好ましい。好ましくは、上記細胞は、上記評価の間に細胞培養空間に残っている。
上記第2の結合剤は、上記評価表面における上記第2の結合剤の存在が上記評価表面での目的の生成物の存在を示す(上記目的の生成物は、上記第1の結合剤に結合されている)ように、上記目的の生成物に特異的に結合する。好ましくは、上記評価表面で結合した第2の結合剤の量は、上記表面で結合した目的の生成物の量を示す。上記第2の結合剤の量と上記目的の生成物の量との間の関係性は、例えば、正の線形的な比例関係であり得る。1つの好ましい実施形態では、上記第2の結合剤は、上記目的の生成物に特異的に結合する抗体もしくは抗体フラグメントを含む。あるいは、上記目的の生成物がそれ自体抗体もしくは抗体フラグメントである場合、上記第2の結合剤は、上記目的の生成物が結合するエピトープを含み得る。
上記第2の結合剤は、上記増殖培地中で細胞培養空間へ添加され得るか、または上記増殖培地の添加前もしくは添加後のいずれかに、上記増殖培地とは別個に添加され得る。好ましくは、上記第2の結合剤は、上記増殖培地中での上記細胞のインキュベーションの少なくとも一部の間に上記増殖培地に存在し、そしてより好ましくは、上記第2の結合剤は、インキュベーション全体の間に上記増殖培地に存在する。
少なくとも最初は、上記第2の結合剤は、一般に、上記増殖培地中に溶解(もしくは代わりに、恐らく懸濁)しており、固定されていない。上記目的の生成物が上記細胞培養空間中の細胞によって生成される場合、上記目的の生成物は、上記第1の結合剤および第2の結合剤の両方に結合して複合体を形成し、このようにして、上記第2の結合剤は、上記評価表面において結合されることとなる。上記目的の生成物は、いかなる順序でも上記第1の結合剤および第2の結合剤に結合し得る。
好ましくは、上記第1の結合剤および第2の結合剤は、いずれか一方が上記目的の生成物に結合することが、もう一方が上記目的の生成物へ結合することを妨害しないように選択される。例えば、上記目的の生成物がIgG抗体である場合、上記第1の結合剤および第2の結合剤のうちの一方は、上記目的の生成物のFc領域に特異的に結合する抗体を含み得、上記結合剤のうちのもう一方は、上記目的の生成物についてのエピトープを含み得る。あるいは、上記第1の結合剤および第2の結合剤は、各々、上記目的の生成物上のそれぞれの異なるエピトープに結合する抗体を含み得、上記エピトープは、立体障害を回避するために十分な距離だけ互いに離れている。多くの他の取り合わせもまた、可能である。
上記に示されるように、上記方法は、細胞培養空間の評価表面で、上記第2の結合剤の存在に関して上記細胞培養空間を評価する工程を包含する。上記評価表面のうちの1つでの上記第2の結合剤の存在は、上記関連づけられた細胞培養空間における上記細胞による上記目的の生成物の生成の指標である。
好ましくは、細胞培養空間の評価表面での上記第2の結合剤の存在は、上記第2の結合剤と関連した標識の検出によって評価される。上記標識は、容易に検出され得る任意の薬剤であり得る。好ましい例は、蛍光標識である。1つの好ましい実施形態では、上記標識は、上記第2の結合剤の一体化した部分である。例えば、上記標識は、上記第2の結合剤を形成するために特定の結合剤に結合したかもしくは連結した蛍光剤であり得る。より具体的に例示すると、上記第2の結合剤は、抗体もしくは抗体フラグメント(必要とされる特異的結合能を提供する)および蛍光標識(例えば、フルオレセイン)を含み得る。上記蛍光標識は、任意の適切な様式で(例えば、直接共有結合によって、もしくは上記蛍光剤および上記抗体もしくは抗体フラグメントの両方に結合する連結剤を使用することによって)上記抗体もしくは抗体フラグメントに結合もしくは連結されていてもよい。蛍光標識された抗体は、市販されている。
別の好ましい実施形態において、上記標識は、上記第2の結合剤の一体化した部分ではないが、上記第2の結合剤に特異的に結合し得る。この場合、上記標識は、好ましくは、上記第2の結合剤に対する特異的結合を可能にする特異的結合部分(例えば、抗体もしくは抗体フラグメント)、および検出可能な部分(例えば、蛍光剤)もまた含む。上記結合部分および上記検出可能部分は、任意の従来の様式で(例えば、直接共有結合によって、もしくは両方の部分に結合する連結剤によって)一緒に結合され得る。具体例によれば、上記第2の結合剤が特定の動物種のIgG抗体である場合、上記標識は、検出可能な部分(例えば、蛍光剤)とともにその動物種のIgGに結合する抗体を含み得る。
上記標識が上記第2の結合剤の一体化した部分ではない場合、上記標識は、上記評価前に上記標識が上記第2の結合剤に結合するのを可能にする様式でかつ上記評価に十分に先だって上記標識が添加される限り、上記評価の前に任意の都合の良い時間で上記細胞培養空間に添加され得る。
標識が評価のために使用される場合、(結合しなかった標識が除去されなければ)細胞培養空間中の標識の総量は、第2の結合剤の量に拘わらず、かつ上記細胞培養空間の評価表面(および恐らく他の表面)において結合することとなった標識の量に拘わらず、同じままであることが認識される。これは、上記標識が上記第2の結合剤の一体化した部分である場合、および同様に上記標識が上記第2の結合剤とは離れているが、上記第2の結合剤に特異的に結合し得る場合の両方にあてはまる。従って、比較的多量の目的の生成物が細胞培養空間中の細胞によって生成される場合、これは、比較的多量の第2の結合剤および標識が上記細胞培養空間の評価表面(およびおそらく他の表面)において結合することを生じる。上記増殖培地中で遊離のままである標識の量は、比較的少ない。逆に、比較的少量の目的の生成物が生成される場合、上記評価表面(およびおそらく他の表面)に結合した標識の量は、比較的少なく、上記増殖培地中で遊離のままである標識の量は、比較的多い。しかし、両方の場合(等量の標識の添加を想定すると)、結合した標識と結合しなかった標識との総量は、同じである。
大部分の場合、結合しなかった標識を上記細胞培養空間から除去する必要なく、細胞培養空間の評価表面に結合した標識を検出する(およびより好ましくは、その量の指標を得る)ことができることは、望ましい。上記増殖培地が液体増殖培地であり、上記細胞が上記評価表面に(もしくは上記細胞培養空間の別の表面に)接着される場合、増殖培地の除去および結果としての上記増殖培地中の結合しなかった標識の除去は可能であるが、これは、上記細胞を除去するか、上記細胞に損傷を与えるか、または細胞増殖を中断させるリスクがあることから、しばしば望ましくない。それはまた、上記方法、および操作のさらなる複雑さを伴い、その両方が望ましくない。細胞培養空間を洗浄して、結合しなかった標識を除去することは、同じ理由から、できる限り回避されるべきである。よって、上記第2の結合剤と関連する標識を検出することによって上記評価が行われる場合、上記評価は、好ましくは、上記標識を検出する方法を包含し、その方法は、上記評価表面に結合した標識に感受性であるが、上記増殖培地中で遊離したままである標識には感受性が低いかもしくは完全に非感受性である。
本発明の特に好ましい実施形態において、上記評価表面での上記第2の結合剤の存在が評価される細胞培養空間の各々に関して、上記評価は、光学焦点調節デバイスおよび光検出デバイスを使用する。上記光学焦点調節デバイスは、上記光検出デバイスによって光を検出するために、上記細胞培養空間の評価表面から光検出デバイスへと光を集める。上記集められた光は、上記細胞培養空間の評価表面に存在する第2の結合剤の量を示す。上記光学焦点調節デバイスは、レンズもしくは一連の光学要素(レンズもしくは他の光学要素)であり得る。上記光は、可視光、紫外線、もしくは赤外線であり得る。上記光は、レーザー光であり得る。上記検出デバイスは、上記光を検出し得る任意のデバイスであり得、例えば、CCD検出器、CMOS検出器もしくはsCMOS検出器を含み得る。あるいは、上記検出デバイスは、光電子増倍管(PMT)を含み得る。好ましくは、上記光検出デバイスは、評価される各細胞培養空間に関して、上記評価表面から受容した光の強度を示すそれぞれのシグナルを生じる。上記強度は、好ましくは、上記評価表面での第2の結合剤の量を示す。上記光は、好ましくは、標識によって放出され、上記標識は、上記で考察されるように、上記第2の結合剤の一体化した部分であり得るか、または上記第2の結合剤とは離れていてかつこれに特異的に結合し得る。特に好ましい実施形態において、上記標識は、蛍光標識である。この場合、上記評価は、上記蛍光標識を励起し得る励起光で上記細胞培養空間を照射することを含む。上記蛍光標識によって放出される蛍光は、上記光検出デバイスによって検出される。上記放出された蛍光の強度は、標識の量、および間接的に第2の結合剤の量、および上記評価表面での目的の生成物の量の指標を与える。
さらにより好ましくは、上記光学焦点調節デバイスの光学的特性は、上記細胞培養空間中の、上記評価表面から間隔が開けられた位置での他の場所からの光が、上記光学焦点調節デバイスによって上記光検出デバイスに集められないようなものである(しかし、それは、上記光学焦点調節デバイスを通過し得る)。このようにして、上記光検出デバイスは、上記細胞培養空間における他の場所から放出された光(例えば、上記増殖培地中の結合しなかった標識によって放出される光)に対して感受性が低いか、または上記光を全く検出しない。
好ましくは、上記評価は、上記評価表面に存在する、第2の結合剤の量、および上記目的の生成物の量の定量的指標を与える。
上記評価表面での第2の結合剤の存在に関して、上記細胞培養空間の全てを評価する必要はない。例えば、細胞培養空間が1つより多くの細胞コロニーを含むことが決定される場合、その細胞培養空間は、差し引かれ得、評価される必要はない。
上記で示されるように、上記方法は、上記細胞培養空間のうちの少なくともいくつかに関して、上記細胞培養空間が単一細胞に由来する単一細胞コロニーを含むか否かを決定する工程を包含する。用語「単一細胞コロニー」は、ただ1種類の細胞のみのコロニーを意味するために使用される。単一細胞に由来する単一細胞コロニーが、単一の生細胞および1以上の非生細胞がプレーティングされる細胞培養空間で、あるいは単一の生細胞のみがプレーティングされ、非生細胞がプレーティングされない細胞培養空間で生成され得ることは認識される。これら2つの可能性の間を区別するために、上記決定は、好ましくは、上記細胞培養空間に、ただ1つの細胞のみ(すなわち、1つの生細胞)がプレーティングされたか否かを決定することを含む。
上記決定は、好ましくは、インキュベーションの間の複数の時点で、上記細胞培養空間中の細胞の顕微鏡による可視化によって行われる。例えば、液体増殖培地が使用される場合、上記細胞は、プレーティングの後に(代表的には、プレーティングの約1時間後に)上記細胞が上記細胞培養空間の底面に沈んだら直ぐに可視化され得る。さらに、上記細胞は、例えば、プレーティングの1日後、2日後、4日後、および8日後に可視化され得る。上記可視化は、好ましくは、適切なカメラおよび画像処理手段を使用する自動化装置によって行われる。適切な装置が市販されている。インキュベーションの過程にわたる細胞培養空間の一連の画像を分析することによって、上記細胞培養空間において生じた細胞コロニーが単一細胞から誘導されたか否か、および同様に、上記細胞培養空間に、ただ1つの細胞のみがプレーティングされたか否かを決定することは可能である。上記可視化は、透過型光学顕微鏡(例えば、明視野、位相差、およびノマルスキー)を使用して行われ得る。
好ましくは、上記決定は、各細胞培養空間に関するそれぞれの一連の画像を得て保存する自動化装置によって行われる。各一連の画像は、上記インキュベーション中の種々の時点での画像を含む。上記装置は、好ましくは、上記で考察されるように、上記評価表面で第2の結合剤に関して評価がなされるまで、上記画像を分析しない。それならば、上記評価表面で比較的高レベルの第2の結合剤を示す細胞培養空間に属する一連の画像のみを分析することは可能である。評価表面での第2の結合剤の高レベルは、上記関連づけられた細胞培養空間が高レベルの上記目的の生成物を生成する細胞を含むことを示す。しばしば、それは、目的のものであるこれらの「高生成者」細胞のみである。好ましい例では、上記方法は、上記第2の結合剤を評価するための閾値を定義する工程および上記関連付けられた細胞培養空間が上記閾値を超える一連の画像のみを分析する工程を包含する。
上記方法は、上記評価および上記決定を使用して、細胞培養空間を選択する工程を包含する。上記選択された細胞培養空間は、上記目的の生成物を分泌する単一の単クローン性細胞のコロニーを含む。よって、一般に、上記選択された細胞培養空間は、評価中に上記評価表面で比較的高レベルの第2の結合剤を実証し、このことは、上記目的の生成物の高レベル生成を示す。上記決定は、上記細胞培養空間が、単一細胞に由来する単一細胞コロニーを含むことを明らかにする。好ましくは、上記細胞培養空間は、ただ1つの細胞のみがプレーティングされる。
好ましくは、上記方法は、上記細胞培養空間のうちの少なくともいくつかに関して、上記細胞培養空間中の細胞の増殖速度の指標を得る工程を包含する。上記指標は、上記細胞培養空間の選択において使用される。上記選択された細胞培養空間は、所定の閾値を上回る細胞増殖速度を有し得る。あるいは、上記選択された細胞培養空間は、他の細胞培養空間中の細胞増殖速度と比較して、比較的高い細胞増殖速度を有し得る。細胞増殖速度の指標は、インキュベーションの間の複数の時点で、細胞培養空間における細胞を可視化することによって得られ得る。上記指標は、適用中の種々の時点で、細胞コンフルエンスのパーセンテージの概算値を比較する工程を包含し得る。
本発明の第2の局面によれば、本発明の第1の局面による方法を行うための自動化装置であって、該装置は、光学焦点調節デバイス;光検出デバイス;マルチウェルプレートを保持するためのホルダー;該ホルダーと該光学焦点調節デバイスと該光検出デバイスとの間の相対的移動のための並進機構;本発明の第1の局面による方法を行うために構成されたコントローラー、を備える、自動化装置が提供される。
以下は、本発明の実施形態のより詳細な説明であり、例示によれば、添付の模式図が参照される:
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
目的の生成物を分泌する単クローン性細胞のコロニーを選択する方法であって、該方法は、
複数の細胞培養空間を提供する工程であって、各細胞培養空間は、それぞれの評価表面を有する、工程;
各々の該評価表面に、該評価表面上に固定されている第1の結合剤を提供する工程;
該細胞培養空間のうちの少なくともいくらかに、単一の生存細胞がプレーティングされるように、該複数の細胞培養空間に細胞の懸濁物をプレーティングする工程;
該細胞培養空間において増殖培地中で該細胞をインキュベートして、該細胞の複製を引き起こす工程であって、ここで該細胞のうちの少なくともいくつかは、目的の生成物を分泌する、工程;
該細胞培養空間に第2の結合剤を提供する工程であって、該第2の結合剤は、固定されていない、工程;
ここで該第1の結合剤および第2の結合剤の各々は、該目的の生成物に結合し、その結果、該細胞培養空間のうちのいずれか1つにおいて細胞による該目的の生成物の分泌は、該1つの細胞培養空間の対応する評価表面に形成される、該第1の結合剤、該目的の生成物および該第2の結合剤を含む複合体をもたらし;
該細胞培養空間の評価表面での該第2の結合剤の存在に関して、該細胞培養空間のうちの少なくともいくつかの各々を評価する工程;
該細胞培養空間のうちの少なくともいくつかの各々について、該細胞培養空間が、単一の細胞に由来する単一細胞コロニーを含むか否かを決定する工程;ならびに
該評価および該決定を使用して細胞培養空間を選択する工程であって、該選択された細胞培養空間は、該目的の生成物を分泌する単一の単クローン性細胞のコロニーを含む、工程
を包含する、方法。
(項目2)
前記評価される少なくともいくつかの細胞培養空間の各々に関して、前記第2の結合剤の存在に関する評価は、光学焦点調節デバイスおよび光検出デバイスを使用し、該光学焦点調節デバイスは、該光検出デバイスによる光の検出のために、該細胞培養空間の該評価表面から該光検出デバイスに光を集め、該集められた光は、該細胞培養空間の該表面に存在する第2の結合剤の量を示す、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記評価表面から距離が離れた前記細胞培養空間中の位置からの光は、前記光検出デバイスにおいて前記光学焦点調節デバイスによって焦点へともたらされない、項目2に記載の方法。
(項目4)
発光標識は、前記第2の結合剤と関連づけられており、該発光標識は、前記光学焦点調節デバイスによって集められた該光を放出する、項目2または項目3に記載の方法。
(項目5)
発光標識は、前記第2の結合剤と関連づけられており、該第2の結合剤の存在に関する前記評価表面の前記評価は、該評価表面において結合した該標識によって放出された光を検出する工程を包含し、ここで該標識の一部分は、該評価表面に結合しておらず、該評価表面から離れた該細胞培養空間に位置しており、そして該評価は、該標識の該一部分によって放出される光に対して感受性が低いか、もしくは完全に感受性がない、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記発光標識は蛍光を放出し、前記方法は、該発光標識を励起光で励起する工程を包含する。項目4または項目5に記載の方法。
(項目7)
前記決定が行われる前記少なくともいくつかの細胞培養空間の各々に関して、該決定は、該細胞培養空間に1つの細胞がプレーティングされたか、および1つの細胞のみがプレーティングされたかを決定する工程を包含し、そしてここで該選択された細胞培養空間に、1つの細胞が、および1つの細胞のみがプレーティングされている、いずれかの先行する項目に記載の方法。
(項目8)
前記決定が行われる前記少なくともいくつかの細胞培養空間の各々に関して、該決定は、前記インキュベーションの間の複数の時点での該細胞培養空間中の細胞の顕微鏡による可視化を含む、いずれかの先行する項目に記載の方法。
(項目9)
前記細胞培養空間は、それぞれ、マルチウェル培養プレート、好ましくは、96ウェルプレートもしくは384ウェルプレートのウェルである、いずれかの先行する項目に記載の方法。
(項目10)
前記細胞培養空間の部分集合を、前記第2の結合剤の存在に関する前記表面の前記評価に基づいて同定する工程を包含し、該部分集合の該細胞培養空間は、該部分集合の一部ではない細胞培養空間よりも大きなレベルの、該評価表面に存在する第2の結合剤を有し、該細胞培養空間が単一細胞に由来する単一細胞コロニーを含むか否かの前記決定が、該部分集合の該細胞培養空間でのみ行われる、いずれかの先行する項目に記載の方法。
(項目11)
各細胞培養空間に関して、経時的にそれぞれの一連の画像を得る工程、および該一連の画像を保存する工程を包含し、該細胞培養空間が単一細胞に由来する単一細胞コロニーを含むか否かの前記決定は、前記部分集団の各細胞培養空間からの該一連の画像を分析する工程を包含する、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記細胞培養空間のうちの少なくともいくつかの各々に関して、該細胞培養空間における細胞の増殖速度の指標を得る工程を包含し、該指標は、該細胞培養空間の前記選択に使用される、いずれかの先行する項目に記載の方法。
(項目13)
いずれかの先行する項目に記載の方法を行うための自動化装置であって、該装置は、
光学焦点調節デバイス;
光検出デバイス;
マルチウェルプレートを保持するためのホルダー;
該ホルダーと該光学焦点調節デバイスと該光検出デバイスとの間の相対的移動のための並進機構;
いずれかの先行する項目に記載の方法を行うために構成されたコントローラー、
を備える、自動化装置。
(項目14)
マルチウェルプレートが前記ホルダーの中で適所にある場合、前記光学焦点調節デバイスは、前記光検出デバイスにおいて該マルチウェルプレートのウェルの底面からの光を集めることができるとともに、該光検出デバイスにおいて該ウェルにおける他の位置からの光を集めない、項目13に記載の自動化装置。
(項目15)
前記光検出デバイスは、蛍光発光を検出し、前記装置は、蛍光励起光を発生させるための光源および前記ホルダーにおいて適所にあるマルチウェルプレートのウェルへと該励起光を伝えるための手段を含む、項目14に記載の自動化装置。
図1は、それぞれの評価表面を各々有する3個のウェルを示すマルチウェル培養プレートの一部の断面図である。
図2は、評価表面、第1の結合剤、目的の生成物および第2の結合剤(本発明の方法の第1の実施形態の全て)を示す。
図3は、評価表面、第1の結合剤、目的の生成物、第2の結合剤、および別個の標識(本発明の方法の第2の実施形態の全て)を示す。
図4は、評価表面、第1の結合剤、目的の生成物、および第2の結合剤(本発明の方法の第3の実施形態の全て)を示す。
図5は、比較的多量の所望の単一特異性IgG抗体を分泌する細胞のクラスターの白色光画像および蛍光画像を示す。
図6は、単一細胞からの単クローン性細胞のコロニーの発達を示す一続きの白色光画像である。
図7は、本発明の方法を実施するために適した装置の概略図である。
評価表面での複合体
図1は、マルチウェルプレート12の3個のウェル10を示す。各ウェル10は、本発明の方法の目的では評価表面14として作用するそれぞれの底面14を有する。図1に示されるように、各ウェルは、増殖培地16を含む。上記ウェルのうちの2個は、細胞コロニー18を伴って示される。
図2〜図4は、評価表面14で形成される種々のタイプの複合体の種々の例を示す。上記評価表面14は、例えば、図1に示される底面14のうちのいずれか1つであり得る。
図2に示される第1の実施形態において、上記評価表面14は、抗IgG抗体20である第1の結合剤20で被覆される。表現を単純にするために、上記第1の結合剤20の1分子だけが示されるが、上記第1の結合剤20の多くの分子が上記評価表面14に結合されてこれを被覆することは認識される。上記目的の生成物22は、この実施形態ではIgG抗体22であり、上記第1の結合剤20は、上記目的の生成物22のFc領域に特異的に結合する。上記第2の結合剤24は、蛍光標識28に共有結合した抗IgG抗体26を含む。上記第2の結合剤24の抗IgG抗体26はまた、上記目的の生成物22のFc領域に特異的に結合する。上記第1の結合剤20および上記第2の結合剤24は、上記目的の生成物22上の間隔が置かれた種々のエピトープに結合する。
全ての実施形態において、上記第2の結合剤の上記第1の結合剤への直接結合は存在しないはずであることが認識される。よって、図2に示される第1の実施形態では、上記第1の結合剤20および上記第2の結合剤24の抗IgG抗体26は、これらが互いに結合しないように選択される。例えば、上記目的の生成物22がマウスIgGである場合、上記第1の結合剤20および上記第2の結合剤24の抗IgG抗体26は、異なる動物種に由来する抗マウスIgG抗体であり得る。
図3に示される第2の実施形態において、上記評価表面14は、エピトープを有するタンパク質30である第1の結合剤30で被覆される。表現を単純にするために、上記第1の結合剤30の1分子だけが示されるが、上記第1の結合剤30の多くの分子が上記評価表面14に結合されてこれを被覆することは認識される。上記目的の生成物32はこの実施形態で、IgG抗体32であり、上記第1の結合剤30のエピトープは、上記目的の生成物32に特異的に結合する。上記第2の結合剤34は、抗IgG抗体34である。上記第2の結合剤34は、上記目的の生成物32のFc領域に特異的に結合する。この実施形態では、標識36は、上記第2の結合剤34とは別個のものであり、上記第2の結合剤34の一体化した部分ではない。上記標識36は、蛍光分子40に共有結合した抗IgG抗体38を含む。上記標識36の抗IgG抗体38は、上記第2の結合剤34のFc領域に特異的に結合する。
図4に示される第3の実施形態において、上記評価表面14は、抗体42である第1の結合剤42で被覆される。表現を単純にするために、上記第1の結合剤42の1分子だけが示されるが、上記第1の結合剤42の多くの分子が評価表面14に結合されてこれを被覆することは、認識される。上記目的の生成物44はこの実施形態では、タンパク質44である(しかし抗体ではない)。上記第1の結合剤42は、上記目的の生成物44に特異的に結合する。上記第2の結合剤46は、蛍光分子50に共有結合した抗体48を含む。上記第2の結合剤46の抗体48はまた、上記目的の生成物44に特異的に結合する。上記第1の結合剤42および上記第2の結合剤46は、上記目的の生成物44上の異なる、間隔が置かれたエピトープに結合する。
図2〜図4に示されるように、上記複合体の正確な性質は、変動し得る。操作の原理は、上記第1の結合剤20、30、42が、上記目的の生成物22、32、44(存在する場合)を上記評価表面14に局在させることである。上記評価表面14での上記目的の生成物22、32、44の存在は、上記評価表面での上記第2の結合剤24、34、46ならびに上記標識28、36、50の結合を引き起こす。このようにして、上記評価表面14での上記標識28、36、50の存在は、上記目的の生成物の生成を示す。
方法の第1の具体例
以下の実施例は、本発明の方法がどのようにして、細胞の不均質な混合物から出発して、十分な増殖速度を有しかつ比較的多量の所望の単一特異性IgG抗体を分泌する単クローン性細胞のコロニーを生成し、その後これを選択するために使用され得るかを実証する。
上記単一特異性IgG抗体は、薬学的生成物の生成において使用される予定である。
本実施例で使用される細胞は、所望の単一特異性IgG抗体を生成するようにトランスフェクトされたチャイニーズ・ハムスター卵巣DG44(CHO−DG44)細胞である。所望の単一特異性抗体は本実施例では、ヒト抗体である。より具体的には、上記細胞を、2つのベクター(一方は、所望のIgG抗体の軽鎖をコードし、他方は、所望のIgG抗体の重鎖をコードする)でトランスフェクトした。上記ベクターのうちの一方(もしくはおそらく両方)がまた、酵素ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)をコードする。
上記トランスフェクションプロセスは、細胞の不均質な混合物を生じる。上記細胞のうちのごく少数が、十分な増殖速度および所望のIgG抗体の比較的多い分泌という所望の特徴を有する。本実施例で使用されるのは、細胞のこの不均質な混合物である。
第1に、96ウェルプレートを、上記方法で使用するために調製する。これは、上記プレートのウェルに上記第1の結合剤として作用するように組換え抗ヒトIgG抗体の被覆が提供されることを必要とする。上記抗ヒトIgG抗体(15μg/ml)の被覆溶液を、濾過した1×被覆緩衝液中に調製する。上記被覆緩衝液は、ImmunoChemistry Technologies LLC(Bloomington, MN, USA)のカタログ番号6245の下で入手可能な市販の緩衝液である。本実施例では、96ウェルプレートのウェルは、凹型底面を有するU字型ウェルである。上記被覆溶液の100μlアリコートを、上記プレートの各ウェルに入れる。これは、凹型底面を、および円筒状の側面の下方の小さな領域をも被覆するために十分である。上記被覆溶液を、室温で2時間上記ウェル中に放置する。次いで、上記ウェルをPBSで3回洗浄する。
例えば、ある動物種で惹起されたポリクローナル抗ヒトIgG抗体よりむしろ組換え抗ヒトIgG抗体を使用して、動物起源の物質による考えられ得る汚染を回避することは、望ましい。
上記96ウェルプレートを調製した後、細胞の不均質な混合物の懸濁物を増殖培地中に調製する。本実施例で使用される増殖培地は、Life Technologiesから入手可能な化学的に規定された培地であるGibco CD OptiCHOTMである。上記細胞混合物を、0.5〜1.5個の細胞/mlの希釈度になるように上記増殖培地中に懸濁する。
トランスフェクションに使用されるCHO−DG44細胞株は、DHFRを内因的に発現しない。結果として、上記細胞は、DHFRコードベクター(IgG鎖のうちの一方もコードする)からDHFRを発現しなければ、上記CD OptiCHOTM培地中で増殖せずかつ複製しない。これは、第一の選択肢の選択として作用する。第2の選択法として、メトトレキサートが使用され得る。上記メトトレキサートは、DHFRのインヒビターであり、これがDHFR遺伝子および同じベクターに含まれるIgG遺伝子をも増幅する傾向にあるので、上記増殖培地中に含められる。
さらに、蛍光標識に連結された組換え抗ヒトIgG抗体からなる結合体を、上記第2の結合剤として上記細胞懸濁物に添加する。上記第2の結合剤の上記抗ヒトIgG抗体は、上記第1の結合剤のために使用されるのと同じ抗体であるが、この場合、適切な蛍光標識(例えば、フルオレセイン)に連結される。適切な結合体は、Molecular Devices, LLC(Sunnyvale, CA, USA)から入手可能なRecombinant CloneDetectTMヒトIgG(Fc)特異的結合体である。上記結合体を、1μg/mlの終濃度になるまで上記細胞懸濁物に添加し、上記懸濁物を穏やかに混合する。
同じ組換え抗ヒトIgG抗体が、上記第1の結合剤のためにも上記第2の結合剤の特異的結合部分のためにも使用されるので、上記第1の結合剤と上記第2の結合剤との間に直接的結合はない。
次いで、上記細胞を、上記細胞懸濁物の200μlアリコートを上記第2の結合剤とともに各ウェルへとピペットで移すことによって、96ウェルプレートのウェルにプレーティングする。細胞の濃度が1.0個の細胞/mlである場合、これにより、平均0.2個の細胞/ウェルとなる。よって、上記ウェルのうちの多くは、細胞を全く有しない。かなりの数が1個の細胞のみを有し、ごく僅かなウェル(あれば)が2個以上の細胞を有する。
プレーティングの後、上記96ウェルプレートを37℃で5% COとともにインキュベートする。
約1時間後、上記細胞をウェルの底に沈殿させ、このときに、各ウェルを、Molecular Devices, LLC(Sunnyvale, CA, USA)から入手可能なImageXpres(登録商標) Micro高速画像化顕微鏡を使用して画像化する。各ウェルに関して、上記顕微鏡は、透過白色光を使用して第1の画像を、および第2の蛍光画像を獲得する。蛍光画像に関しては、470nmの励起光を使用し、535nmの発光を検出する。上記画像は、分析のために保存される。
上記96ウェルプレートを、37℃で5% COとともに8日間インキュベートし、最初の1時間の時点について上記に記載したとおりに、1日、2日間、4日間および8日間において、各ウェルを画像化する。
8日間のインキュベーション中に、1個以上の生細胞がプレーティングされているウェル中に細胞複製によって細胞コロニーが形成される。ただ1つの生細胞がプレーティングされている任意のウェル中で、そのウェル中で形成されている任意のコロニーが、単クローン性細胞のコロニーである。
いくつかのコロニーは、所望の単一特異性IgG抗体を分泌する。上記分泌された単一特異性抗体は、上記第2の結合剤(すなわち、上記抗ヒトIgG抗体−フルオレセイン結合体)、および固定された第1の結合剤の両方に結合する。よって、所望の単一特異性IgG抗体が分泌されている各ウェルにおいて、第1の結合剤、分泌されたIgG抗体および第2の結合剤を含む複合体が、上記第1の結合剤で被覆されているウェルの表面領域に形成される。
蛍光画像の目的は、蛍光標識(よって、上記複合体)を検出および定量することである。蛍光の強度は、上記のように複合体において結合した蛍光標識の量を示す。生産性の高い細胞クラスターに関する蛍光画像と白色光画像とが一緒に、図5に示される。
ImageXpres(登録商標) Micro顕微鏡の光学部材は、好ましくは、上記蛍光画像が、各ウェルに関して、上記ウェルの少なくとも凹型底面を網羅するように設定される。上記画像はまた、第1の結合剤で被覆される側面の円筒状の壁の領域を網羅し得るが、これは必要ではない。上記蛍光画像が網羅する広さが、上記評価表面の広さを決定する。
上記インキュベーションの最後に向かって、かなりの量の所望のIgG抗体を分泌し得る細胞コロニーが発達した任意のウェルを、上記評価表面での蛍光に関して蛍光画像を分析することによって検出し得る。この分析はまた、分泌された所望のIgG抗体の量に関して上記ウェルがランク付けされることを可能にする。
次いで、最高レベルの蛍光を有し、比較的高レベルの分泌されたIgG抗体を示すウェルを、上記ウェルが、単一細胞に由来する単一細胞コロニーを含むか否かを調べるために評価する。これを、問題の各ウェルに関して白色光画像を分析することによって行う。8日目の画像から1時間の画像へと時系列を遡って上記画像を見て、そして各画像中の細胞数を評価することによって、ウェルが、単一細胞に由来する単一コロニー(すなわち、単クローン性細胞のコロニー)を有するか否かを決定することが可能である。図6は、単一細胞(プレーティングの1時間後に撮影した左側の画像を参照のこと)に由来する細胞コロニー(インキュベーションの最後に撮影した右側の画像を参照のこと)の発達を示す単一ウェルの一続きの白色光画像を示す。
最後に、1個以上のウェルを選択する。各選択したウェルを、単一の単クローン性細胞のコロニーからの比較的高い分泌の所望のIgG抗体を有することに基づいて選択する。好ましくは、各選択されたウェルは、その中に(1個の生細胞と1個以上の非生細胞とではなく)1個の細胞のみがプレーティングされた。細胞増殖速度はまた、インキュベーション中の種々の時点で撮影された画像中の細胞数を評価することによって評価され得、上記選択は、満足のいく細胞増殖速度を示すウェルを選択することを含み得る。
8日間のインキュベーションの後、選択した単クローン性コロニーを、より大きなウェルへと再度プレーティングし得る。所望のIgG抗体の生成、および増殖速度は、上記と同じ方法を使用して、クローン安定性を確認するためにモニターされ得る。
プロテインGは、組換え抗ヒトIgG抗体の代わりに使用され得る。この場合、プロテインGは、第1の結合剤として上記評価表面上に被覆される。上記第2の結合剤に関しては、プロテインGは、蛍光標識と結合体化される。
方法の第2の具体例
以下の実施例は、本発明の方法がどのようにして、細胞の不均質な混合物から出発して、十分な増殖速度を有しかつ目的のタンパク質に対して特異性を有する単一特異性IgG抗体を分泌する単クローン性細胞のコロニーを生成し、その後これを選択するために使用され得るかを実証する。
本実施例で使用される細胞は、骨髄腫細胞とマウス脾細胞との融合によって生成されるハイブリドーマ細胞である。上記融合プロセスは、比較的小さな割合の細胞のみが上記目的のタンパク質に対して所望の特異性を有する抗体を生成する、不均質な細胞混合物を与える。
第1に、96ウェルプレートを、上記方法で使用するために調製する。これは、上記プレートのウェルに、所望の抗体が結合するタンパク質(抗原)の被覆が提供されることを必要とする。上記タンパク質(15μg/ml)の被覆溶液を、濾過した1×被覆緩衝液中に調製する。上記被覆緩衝液は、ImmunoChemistry Technologies LLC(Bloomington, MN, USA)のカタログ番号6245の下で入手可能な市販の緩衝液である。本実施例では、96ウェルプレートのウェルは、凹型底面を有するU字型ウェルである。上記被覆溶液の100μlアリコートを、上記プレートの各ウェルに入れる。これは、凹型底面を、および円筒状の側面の下方の小さな領域をも被覆するために十分である。上記被覆溶液を、室温で2時間上記ウェル中に放置する。次いで、上記ウェルをPBSで3回洗浄する。
上記96ウェルプレートを調製した後、細胞の不均質な混合物の懸濁物を、増殖培地中に調製する。本実施例で使用される増殖培地は、20% ウシ胎仔血清を有するIMDMである。上記細胞の混合物を、0.5〜1.5個 細胞/mlの希釈度になるように上記増殖培地中に懸濁する。
さらに、蛍光標識に連結された抗IgG抗体からなる結合体を、上記第2の結合剤として上記細胞懸濁物に添加する。上記結合体の抗体は、マウスIgGに対して特異的である。適切な結合体は、Molecular DevicesLLC(Sunnyvale,
CA, USA)から入手可能なCloneDetectマウスIgG特異的結合体である。上記結合体を、1μg/mlの終濃度になるように上記細胞懸濁物へと添加し、上記懸濁物を穏やかに混合する。
次いで、上記細胞を、上記細胞懸濁物の200μlアリコートを上記第2の結合剤とともに各ウェルへとピペットで移すことによって、96ウェルプレートのウェルにプレーティングする。細胞の濃度が1.0個の細胞/mlである場合、これにより、平均0.2個の細胞/ウェルとなる。よって、上記ウェルのうちの多くは、細胞を全く有しない。かなりの数が1個の細胞のみを有し、ごく僅かなウェル(あれば)が2個以上の細胞を有する。
プレーティングの後、上記96ウェルプレートを37℃で5% COとともにインキュベートする。
約1時間後、上記細胞をウェルの底に沈殿させ、このときに、各ウェルを、Molecular Devices, LLC(Sunnyvale, CA, USA)から入手可能なImageXpres(R) Micro高速画像化顕微鏡を使用して画像化する
。各ウェルに関して、上記顕微鏡は、透過白色光を使用して第1の画像を、および第2の蛍光画像を獲得する。蛍光画像に関しては、470nmの励起光を使用し、535nmの発光を検出する。上記画像は、分析のために保存される。
上記96ウェルプレートを、37℃で5% COとともに8日間インキュベートし、最初の1時間の時点について上記に記載したとおりに、1日、2日間、4日間および8日間において、各ウェルを画像化する。
8日間のインキュベーション中に、1個以上の生細胞がプレーティングされているウェル中に細胞複製によって細胞コロニーが形成される。ただ1つの生細胞がプレーティングされている任意のウェル中で、そのウェル中で形成されている任意のコロニーが、単クローン性細胞のコロニーである。
いくつかのコロニーは、所望の単一特異性IgG抗体を分泌する。上記分泌された抗体は、上記第2の結合剤の抗IgG抗体部分、および上記固定されたタンパク質抗原の両方に結合する。よって、所望のIgG抗体が分泌される各ウェル中で、上記タンパク質抗原、分泌されたIgG抗体および上記第2の結合剤を含む複合体が、上記ウェルの被覆された表面領域に形成される。
上記第1の実施例についてのように、上記蛍光画像の目的は、蛍光標識(よって、上記複合体)を検出および定量することである。ImageXpress(登録商標) Micro顕微鏡の光学部材は、好ましくは、上記蛍光画像が、各ウェルに関して、上記ウェルの少なくとも凹型底面を網羅するように設定される。上記蛍光画像が網羅する広さが、上記評価表面の広さを決定する。
上記インキュベーションの最後に向かって、所望の特異性を有する抗体を分泌する細胞コロニーが発達した任意のウェルを、上記評価表面での蛍光に関して蛍光画像を分析することによって検出し得る。この分析はまた、分泌された所望のIgG抗体の量に関して上記ウェルがランク付けされることを可能にする。
次いで、蛍光シグナルを有し、所望の特異性を有するIgG抗体の存在を示すウェルを、上記ウェルが、単一細胞に由来する単一細胞コロニーを含むか否かを調べるために評価する。これを、問題の各ウェルに関して白色光画像を分析することによって第1の実施例のとおりに行う。
最後に、1個以上のウェルを選択する。各選択したウェルを、単一の単クローン性細胞のコロニーからの抗原特異的IgG抗体を分泌することに基づいて選択する。好ましくは、各選択されたウェルは、その中に(1個の生細胞と1個以上の非生細胞とではなく)1個の細胞のみがプレーティングされた。細胞増殖速度はまた、インキュベーション中の種々の時点で撮影された画像中の細胞数を評価することによって評価され得、上記選択は、満足のいく細胞増殖速度を示すウェルを選択することを含み得る。
方法を実施するために適した装置
図7は、本発明を実施するために適した装置を示す。
上記装置は、マルチウェルプレート64を保持した状態で示されるプレートホルダー60を含む。上記プレートホルダー60は、プレートホルダー60をX方向およびY方向に;すなわち、水平面において直交方向に動かすXYステージ62に載せられる。このようにして、上記マルチウェルプレート64の任意のウェルは、上記装置によって選択および画像化され得る。
上記装置はまた、白色光画像化のための第1の白色光光源66、蛍光画像化のための第2の光源68、およびカメラ70を備える。上記カメラ70は、光を検出し、白色光画像化および蛍光画像化の両方の間に画像を生成する。
上記カメラは、画像を保存も分析もするコンピューター72に画像をわたす。上記コンピューター72はまた、上記装置の操作を制御する。
白色光画像化の間に、光は、上記第1の光源66から放出され、第1のミラー74による反射の後に、上記マルチウェルプレート64の選択されたウェルを通過する。上記光は、10×レンズアレイ76によって、底面に存在する任意の細胞を含む選択されたウェルの底面の画像を生成するために、上記カメラ70へと光を反射する第2のミラー78へと集められる。
蛍光画像化中に、光は、上記第2の光源68(これは、上記放出された光が、適切な励起波長を有するようにフィルタを備える)によって光学ブロック80へと放出される。上記光学ブロック80は、光を集めるレンズアレイ76を通して、上記マルチウェルプレート64の選択されたウェルの底面へと光を導く。上記励起光は、上記選択されたウェルの底面に位置する任意の蛍光標識を励起する。蛍光標識によって放出された蛍光は、上記レンズアレイ76を通って、および上記光学ブロック80を通って、画像生成のために上記カメラ70へと光を反射する上記第2のミラー78へと戻って通過する。上記放出された蛍光はまた、フィルタ(これは示されない)による適切な濾光が施される。
蛍光画像化中に、上記レンズアレイ76は、上記装置が実質的に、上記選択されたウェルの底面に局在する蛍光標識からの光のみを検出するように、励起光および放射光の両方を集めるように働く。結合しなかった標識は、上記ウェル中の増殖培地に存在するが、上記装置は、結合しなかった標識に大部分は非感受性である。

Claims (1)

  1. 本願明細書に記載の発明。
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