JP2005055411A - モノクローナル抗体の自動スクリーニング方法および自動スクリーニング装置 - Google Patents

モノクローナル抗体の自動スクリーニング方法および自動スクリーニング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】マルチウエルプレートに分注された培養液中の細胞増殖させる自動スクリーニング方法および装置を提供する。
【解決手段】1)細胞融合装置にて作製された融合細胞を培養液に懸濁させ、マルチウエルプレートの各ウエルに播種する工程、2)播種された融合細胞を、該細胞のコロニーが形成される条件下で保持する工程、3)複眼的画像解析により各ウエル内に形成された融合細胞コロニーを検出する工程、4)ウエルより培養液上清を吸着させ回収する工程、5)生育良好なウエルを選定する工程、6)選定されたウエルから融合細胞および培養液を回収し、より大きなマルチウエルプレートに移植し増殖させる工程、を含むことを特徴とするモノクローナル抗体の自動スクリーニング方法ならびに装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、モノクローナル抗体の自動スクリーニング方法および自動スクリーニング装置に関するものであり、さらに詳しくは、細胞融合装置にて作製された融合細胞をマルチウエルプレート上に播種し、融合細胞コロニーを形成させる工程を経て得られる高活性のモノクローナル抗体の自動スクリーニング方法および該方法に用いられる自動スクリーニング装置に関するものである。
従来、モノクローナル抗体の作製方法として、抗体を産生する脾臓細胞とミエローマ細胞を融合し、得られた融合細胞から抗原に対する結合力の高い抗体を生産する細胞を数回にわたって選択する方法が採用されている。例えば、最も一般的なELISA(Enzyme Linked Immunosorbent Assay)法では、プラスチック等の固相に吸着または共有結合させた標的物質と結合または非結合の特性を有する抗体が、融合細胞の培養上清中に存在するか否かを順次検定する方法が採用されている。そして、この検定結果によっては、その判定の確認検定および融合細胞の抗体産生能力とその能力の安定性の分析が引き続き行なわれるが、これらの検定は、個々のクローンに由来する融合細胞が、良好な培養状態でコロニーを形成し、培養液中に抗体を分泌している時期に行なわれる。
しかしながら、前記の如き抗体の作製方法によれば、すべて人手によるものであり、1ヶ月〜3ヶ月の長時間を要するものであるばかりでなく、さらに次の如き難点が指摘されている。すなわち、
(1)長時間の培養の間に雑菌等微生物の混入がしばしば起こる。
(2)融合細胞の選択を人的な感覚に依存するため効率が極めて悪い。
(3)融合細胞の産出する抗体の選択方法の精度が極めて低い。
等の問題が挙げられている。
また、融合細胞の播種においては、従来、1回の細胞融合で96ウエルプレート8枚〜12枚を使用しているが、この条件ではコロニー形成ウエルが80%以上となり、平均約1.5細胞/ウエルとなる結果、モノクローンの確率が極めて低下するため、有用細胞と非有用細胞の混在時に有用細胞の存在を確認できずに見のがしてしまうという問題がある。従って、かかる難点を解消するには0.6細胞/ウエル以下に制御することが好ましく、1回の細胞融合に少なくとも従来の3倍のウエルに播種する必要がある。
また、細胞コロニーの検出については目視による判断のほか、画像処理により行なう方法が提案されているが、これらの方法によれば、コロニー形成の有無を判定することはできても、培地中の抗体を検出するに足る程に細胞が増殖しており培地の一部を採取して分析すべきかまたは未だ増殖が不充分でさらに培養を継続すべきかという定量的解析に基づいた判断を下す点において難点を有している。また、微生物が混入し、増殖してしまったウエルの早期発見も不充分である。
さらに、充分増殖したコロニーを有するウエルから培養液の一部を採取するにあたり、従来は、マイクロピペットが用いられているが、この方法によれば培養液のみならず、細胞まで採取してしまう問題点がつきまとっている。特に、マイクロピペットの先端チップ部分を培養液を一定量吸引するための装置と接続する箇所の精度を向上させることが困難であり、ウエル中の細胞を極力吸引せず、一定量の培養液のみを採取する際にかなりの程度の誤差を生じている。
次に採取した培養液を分析した後、有用であると判断されたウエル中の細胞をさらに大きな径を有するウエルに移す必要があるが、この際も従来技術では、マイクロピペットを用いている。この場合、ウエル底面で増殖してコロニーを形成している細胞を培養液中に浮遊させる目的で、適度なマイクロピペット中への吸引および排出が必要であるが、マイクロピペット先端部分の内径が約0.5mm(断面積約0.02cm)と小さいために培養液がこの先端部を通過する際に大きな抵抗を生じることおよび吸引や排出を生じるためのピストン機構とマイクロピペット先端部の間の空気が吸引の際には一時的膨張をまた排出の際には一時的圧縮を生じて吸引または排出を適度に制御することが困難である。
かかる状況下において、融合細胞を用いるモノクローナル抗体の作製に関して、前記の如き問題点を解消した自動スクリーニング方法および自動スクリーニング装置の開発が切望されてきた。
A.M.キャンベル著(大沢利昭訳)「モノクローナル抗体」生化学実験法10(東京化学同人)1992.7.1.
従って、本発明の課題は、
培養液中の細胞を各ウエルに均一に分注し、細胞が増殖したウエルのみを光学的手段で自動的に検出し、検出信号に基いて、検出されたウエルから自動的に培養液を採取して抗体選別手段により、該培養液中の抗体の優劣を選別し、有用と判定された抗体を含むウエル中の細胞を培養液とともに回収し、順次より大きなマルチウエルで細胞を増殖させる工程を含む自動スクリーニング方法および該方法を実現するスクリーニング装置を提供することにある。
そこで、本発明者らは、前記課題を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、(1)融合細胞の直径が約5μm〜20μmであり、培養液中に均等に分散せしめた場合には、これらを細孔から間欠的に小滴として吐出させ、(2)該小滴を適切な大きさのウエルに分注し、(3)前記の操作を微生物の混入を防止しながら、(4)該ウエルに分注された細胞を培養して増殖させ、形成された細胞コロニーを被写界深度の深い光学系手段を利用し、画像解析を行なうことにより検出し、(5)検出信号に基いて抗体の採取可能なマルチウエルを抗体選別手段により選別すれば、これによりモノクローナル抗体のスクリーニングが可能となることに着目し、(6)特に、培養液の自動的な採取が、先端部分が吸着作用を有するニードルピンを用いることにより実現可能であることを見い出し、これらの知見に基いて本発明を完成した。
かくして、本発明によれば、
1)細胞融合装置にて作製された融合細胞を培養液に懸濁させ、マルチウエルプレートの 各ウエルに微生物の混入を防ぎつつ播種する工程;
2)前記工程1)にて播種された融合細胞を、該細胞のコロニーが形成される条件下で保 持する工程;
3)前記マルチウエルプレートに光源より照射した光を受光手段で受光し、被写界深度の 深い複眼的画像解析により各ウエル内に形成された融合細胞コロニーを検出する工 程;
4)前記工程3)にて検出された融合細胞コロニーが生育しているウエルのうち、一定の 基準を満たす1個または2個以上のウエル内に先端部分に培養液吸着部分を設けた1 本または2本以上のニードルピンを同時に挿入し、引き上げることにより、該ウエル より培養上清を吸着させ回収する工程;
5)前記工程4)にて前記ニードルピンの先端部分に吸着された前記培養上清を、ウエル 底内に抗原を吸着させたELISAアッセイプレートに添加し抗原抗体反応条件下に 保持することにより、生育良好なウエルを選定する工程;
6)前記工程5)にて選定されたウエルから融合細胞および培養液を前記ニードルピンに より回収し、より大きなマルチウエルプレートに移植し増殖させる工程;
を含むことを特徴とするモノクローナル抗体の自動スクリーニング方法
が提供される。
また、本発明によれば、
1)細胞融合装置にて作製された融合細胞を播種する細胞増殖手段と、
2)前記細胞増殖手段の上方位置に設けた光照射手段と、
3)前記光照射手段から照射した光を受光する受光手段と、
4)前記受光手段と前記複眼的画像解析と自動制御手段とからなる融合細胞コロニー検出 手段と、
5)融合細胞の生育良好な前記細胞増殖手段のウエルから培養液を採取する手段と、
6)採取した培養液を別の分析用ウエルに移入させる手段と、
7)分析結果から有用と判断された前記細胞増殖手段のウエル内の融合細胞と培養液を当 該ウエルから回収して別のウエルに移入させる手段
とからなるモノクローナル抗体の自動スクリーニング装置
が提供される。
本発明によって、モノクローナル抗体の本来の定義通りに1個の融合細胞に由来する細胞集団の産生する抗体を含む培養液が、再クローニングを行なうことなく当初から得られる確率が飛躍的に向上する。また、手技の熟練度の個人差に起因する融合細胞播種時の不均一性や微生物混入等の不具合が改善される。微生物が混入・増殖したウエルを肉眼よりも早期に、しかも見落とすことがなく検出できる。ウエルで増殖する融合細胞の状態に応じて、適確な培養状態の管理が可能になり、培養液を採取して分析を行なうべきウエルの判断に関しても、熟練度の個人差に起因する分析上の誤差を改善できる。その後、有用と判定されたウエル中の細胞を培養液とともに回収作業において回収すべきウエルの誤認が解消される。また、有用細胞を回収すべきウエルが多い場合も短時間で回収作業が終了できるので、人手にたよって行なう場合のようにマルチウエルプレート等の培養容器を数多く開閉することがなくなり、この間の微生物混入の危険性を低減できる。
本発明に係るモノクローナル抗体のスクリーニング方法の工程を図1に示す。該スクリーニング方法における融合細胞の播種工程は、細胞融合装置にて作製された融合細胞を培養液に懸濁した状態で播種手段によりマルチプレートの各ウエルに分注する工程からなる。培養液の分注においては細胞を各ウエルに均一に、特に0.6細胞/ウエル以下になるように分散される。融合細胞は、抗体産生細胞である脾臓細胞とミエローマ細胞との細胞融合により得られ雑種細胞である。細胞融合装置は、特に限定されるものではなく、従来用いられているハイブリドーマ作製装置であれば任意に用いることができる。前記マルチウエルプレートは、従来、使用されているものでよいが、1536ウエル、384ウエル、96ウエルおよび24ウエルのものを挙げることができ、通常、96ウエルまたは384ウエルのものが用いられる。
マルチウエルに播種された融合細胞が増殖してコロニーが形成される条件は、細胞の種類により異なるものであり、限定されるものではないが、通常、摂氏37度、炭酸ガス5%、空気95%、湿度95%以上の条件を含む環境下に保持されることが好ましい。
形成された融合細胞のコロニーの検出は、従来、肉眼で行われ、また、実体顕微鏡が用いられているが、肉眼は被写界深度が極めて深く、認識範囲が広いものの個人差と誤認の起こる可能性が高い。また、実体顕微鏡も比較的被写界深度が深く、認識範囲も広いが、対物レンズ直下または直上から離れたウエルは斜方から観察することになるのでコロニーの検出に誤認が起こり得るという問題があるので、本発明によれば、融合細胞が増殖して形成したコロニーを検出するには、主として倒立顕微鏡を用いる光学系手段を介してCCDカメラのような受光手段およびその受光手段からの情報を画像解析するコンピュータシステムが好適である。倒立顕微鏡は、対物レンズ直上のウエルしか認識できず、高倍率の対物レンズを用いる程被写界深度が浅くなるが、焦点で正確に調整した場合は精度の良い情報が得られるため、本発明に係る融合細胞コロニーの検出工程においては、図1に示すように、倒立顕微鏡と、該倒立顕微鏡に付帯して設置され、視界が互いに若干部分重複するように複数配列された対物レンズ群からなる細胞コロニー検出手段が用いられる。図1において、マルチプレート1のウエル1’ に光源2より光が照射され、対物レンズ群3を介してCCDカメラの如き受光手段4にて受光し、図2で示す模式図としての画面を得る。図2において、マルチプレート1のウエル1’ に増殖形成されたコロニー5、微生物が混入・増殖したウエル(斜線で示す。)6を重複するレンズの視野7、7’ で観察することができる。
対物レンズの倍率は、これに接続する光学系とのかね合いで決定すれば良いが、通常4倍〜20倍、好ましくは、約10倍にすればよい。
これら複数のレンズから得られた光学的情報を電気的情報に変換するには、CCD素子を用いてデジタル情報化するのが好適である。デジタル化された複数の画像情報は、重複した領域を有するので、これらの画像は、既に民生用等に多数開発されているデジタル画像加工ソフトウエア(例えばデジカメニンジャ等)を利用することができ、これらにより容易につなぎ合わせることができる。この時得られる情報のうちウエルの面積に対する細胞コロニーの面積を自動的または半自動的に検出し、一定の基準以上の割合であるウエルを記録しておく。この割合は、抗体を分析・検出するシステムの感度に応じて適宜決定することができるが、通常20%〜30%の範囲で設定すればよい。
一方、培養液には、通常pH指示薬としてフェノールレッドが添加されている。微生物が混入・増殖した場合は、その増殖によってpHが酸性になるために培養液は黄色化する。また、その場合、培養液はしばしば混濁するので、対物レンズからのカラー情報に関して黄色度および濁度の測定を行なうことにより、微生物の混入・増殖したウエルを検出し記録することが可能になる。濁度は、通常、波長600nm付近の吸光度を測定すればよい。
以上の情報は、多数のマルチウエルプレートから得られるので、これらを区別するためには、各マルチウエルプレートに適切な印や数字をつけておく必要があるが、バーコードを貼付または印刷しておき、これを検出する方法が好適である。
かくして、どのマルチウエルプレートのどのウエルに一定基準以上に増殖したコロニーが存在し、どのウエルに微生物汚染が生じているかが記録され、提示されることとなる。
本発明によれば、微生物汚染が生じるウエルは少数であるので、前記方法で微生物汚染が生じたウエルを水酸化ナトリウム水溶液等での殺菌・消毒を人手で行っても短時間で処理が終了する。
一定基準以上に融合細胞が増殖したウエルについては、図3に示すように、その位置に対応する場所に培養液を採取するためのニードルピンを取りつけた装置が用意される。本発明において、融合細胞コロニーが形成されたウエルから培養液を回収する工程で用いられる培養液採取用ニードルピンは、図3に示すように各ウエルに対応して、マルチウエルプレートの上方位置に設けられる。かかる培養液採取用ニードルピンは、細胞コロニー検出信号を受信することにより、細胞コロニーが形成されたウエルに対応するニードルピンのみが降下し、該ウエル内の培養液に接触するように制御される。かかる制御は、細胞コロニーの検出信号と該信号に伴ないニードルピンの昇降運動を行なわせる公知のソフトプログラムを用いて行なうことができる。図3において8は、ニードルピン昇降手段であり、9はニードルピン本体、9’ は先端部分を示す。
これらのピンの先端部は、図4に例示するごとく、毛細管現像と表面張力によって一定量の培養液が付着されるような形態としたものである。図4(a)〜(d)は、4種の異なる先端部分を有するニードルピンを例示したものであり、それぞれ培養液が付着された状態のものが示されている。(a)は先端部がネジ状のものであり、(b)は歯車状のものである。また、(c)は分岐状、(d)はピンセット状のものである。各図中、斜線部分が、付着された培養液であることを示す。ピンの材質は該形態に成型でき、しかも滅菌できるものであれば、適宜選択することができる。例えば、ポリスチレンやポリプロピレンやステンレスやアルミニウムなどが好適である。かかるピンは、マルチウエルプレートのふたを一時的に取り去った後、それぞれ対応する位置のウエルに挿入するが、その際、ウエル底面に沈殿している細胞を吸着しない程度の適切な深さに制御される。かくして、一定基準以上に細胞が増殖したウエルの培養液が採取される。
その後、当該ウエル中の細胞を培養維持するために培養液のみを添加し培養しておく。採取した培養液中の抗体の有無、特定の抗原への結合性の強弱は、種々公知の方法で分析すれば良いが、予め抗原を吸着または共有結合させた樹脂性マルチウエルプレートに一定量の緩衝液を添加しておき、図5に示すようにこれに培養上清が付着したピンを順次異なるウエルに挿入して、抗原抗体反応を行なわせる。図5において、マルチウエルプレート10、緩衝液10’ 内に設けた抗原12、抗体Yが示されている。
この場合、抗原吸着ウエルに培養液付着ピンを挿入したままでもよく、または、当該ピンを抗原吸着ウエル中で振動および/または攪拌の後、取り出しても良い。このようにして抗原抗体反応を行わせた後、ELISA法の常法に従って抗原抗体反応の検出を行えば良いが、マルチウエルプレートが384ウエルや1536ウエルのように細分化されている場合、各ウエルを充分に洗浄することが、分析精度を維持するためには必要であり、図6のごとく緩衝液をカーテン状に噴射して洗浄することが好適である。また、ELISA法において通常必要な酵素または蛍光物質標識抗体液の分注や発色基質の分注に際しても前記の分注装置を別に用意しておいて、利用することが好適である。特にELISA法においては分析用マルチウエルプレートが乾燥すると分析誤差が大きくなることが知られているので、緩衝液の水流カーテンで洗浄後、振動および/または衝撃で緩衝液を除いた後、可及的すみやかに、次の液体を分注する必要があるからである。ELISA法の結果の吸光度、蛍光、化学発光等は、既存の機器で適宜測定すれば良い。その結果、有用と判断されたウエルをコンピューターを用いて入力する。この指示されたウエルに図7、図8のごとき形状のピンが挿入され、振動および/または攪拌によって、当該ウエル内の大部分の細胞と培養液を吸着する。ピンの材質は、図7においては、繊維状またはスポンジ状であり、図8においては歯車状に成形でき、かつ滅菌できるものから適宜選択することができる。
また、図4に示した形状もこの目的に利用できる。例えば図7の場合、ナイロン、ポリエステル、綿など図8や図4ではポリスチレン、ポリプロピレン、ステンレス・スチールまたはアルミニウム等が好適である。
かくして回収された細胞は、予め培養液の分注されたより容量の大きいウエルにピンに吸着した状態で移入される。この際、ピンの先端を切断できる場合は、切断し、ピンに付着した細胞を新たなウエルに残すことが可能である。または振動および/または攪拌によって、吸着してきた細胞の大部分を新たなウエルの培養液に移してからピンを取り除く。
本発明に係るモノクローナル抗体のスクリーニング方法に用いられるスクリーニング装置は、次の1)〜7)の各手段から構成される。
1)細胞融合装置にて作製された融合細胞を播種する細胞増殖手段と、
2)前記細胞増殖手段の上方位置に設けた光照射手段と、
3)前記光照射手段から照射した光を受光する受光手段と、
4)前記受光手段と前記複眼的画像解析と自動制御手段とからなる融合細胞コロニー検出 手段と、
5)融合細胞の生育良好な前記細胞増殖手段のウエルから培養液を採取する手段と、
6)採取した培養液を別の分析用ウエルに移入させる手段と、
7)分析結果から有用と判断された前記細胞増殖手段のウエル内の融合細胞と培養液を当 該ウエルから回収して別のウエルに移入させる手段。
細胞融合装置にて作製された融合細胞を播種する細胞増殖手段としては、マルチウエルプレートが用いられ、前記した如く、1536ウエル、384ウエル、96ウエルおよび24ウエルのものを挙げることができ、かかるウエル数の異なるマルチウエルプレートが所定の目的に応じて任意に選択され使用される。
光照射手段は、通常、用いられている光源でよく、マルチウエルプレートのウエル内の細胞の増殖の観察、測定に必要な強度のものが採用される。受光手段としては、CCDカメラを挙げることができる。融合細胞コロニー検出手段は、倒立顕微鏡とこれに付帯して設けられた対物レンズ群から構成され、該対物レンズ群は、視界が互いに若干部分重複するように複数配列されてなるものである。かかる細胞コロニー検出手段の構成は、図2にその説明図が示される。
融合細胞の生育良好な細胞増殖手段のウエルからの培養液採取手段は、先端部が培養液に対し吸着作用を示すニードルピンが用いられる。培養液採取手段のニードルピンは、図4に示すニードルピン昇降装置8に伝達される検出信号に従って細胞コロニーが形成したウエルに対するもののみが該ウエルに降下するように制御される。
前記の培養液採取手段により採取した培養液は、前記ニードルピンの移入手段により分析用ウエルに挿入される。分析用ウエルは、通常、ELISAアッセイプレートに設けられたものが用いられる。
有用細胞と判断された前記細胞増殖手段のウエル内の融合細胞および培養液の別のウエルへの移入手段としては前記培養液採取手段が用いられる。例えば、図8に示される先端部分が減菌したスポンジ状材質のニードルピンが用いられ、培養液および細胞を吸収される。また、図9に例示のものは、先端部分が歯車状であり、軽く攪拌または振動させて細胞を浮遊させ水滴として回収する場合に用いることができる。
以上、詳説したように、本発明に係るスクリーニング方法および該スクリーニング方法に用いられるスクリーニング装置は、予め微小ウエルに分注された動物細胞のコロニーを複数のレンズを用いて検出する点および微生物が混入・増殖したウエルを検出する点で、従来、提案されている方法および装置とは、発想、機能が全く異なるものである。また、コロニー形成したウエル中の培養液を採取して分析に供した後、有用と判断したコロニーのみを回収し、更に、コロニーの回収に際し、微生物では、ニードルピンをコロニーに刺すだけで充分量が付着するのに対し、培養動物細胞では、ウエル中の大部分の培養液と供に回収する必要があり、本発明に係るスクリーニング方法および装置は、これに十分応えることができる。
実施例1
卵白リゾチームを免疫したマウスに由来する脾臓細胞と3.2×107 個のマウスミエローマ由来P3×63−Ag.8U−1をポリエチレングリュールとジメチルスルホキシドを用いて融合せしめHAT培地で融合細胞を選択後、融合細胞を培養液で1ml当り、約50個になるように希釈し、384ウエルプレート5枚に1ウエル当り10μlずつ分注した。細胞の増殖に応じて培地を50μlまで添加した。コロニー検出装置としては、倒立位相差顕微鏡にCCDカメラを接続し、さらに、これにコンピュータを接続したものを使用した。コロニーを形成した940ウエルについて順次卵白リゾチームを抗原としたELISA法を行い卵白リゾチームに結合する抗体を産生していると判断された162ウエルの細胞を96ウエルプレートに移入し、培養し、その培養液をさらにELISA法で分析し卵白リゾチームへの結合タイターの高いIgG2aクラスとIgMクラスのモノクローナル抗体産生融合細胞をそれぞれ8株と18株得た。また、微生物汚染を生じて、水酸化ナトリウム水溶液で処理したのは6ウエルであった。
本発明によれば、微細な多数のウエルに融合細胞を均一に播種することが可能になり、さらに一定基準以上に細胞が増殖したウエルを検出して、その培養液を採取して、分析に供することを可能にする装置を提供するものであり、従来すべて人手により手間と時間をかけて、定性的に行なわれていたこれらの作業を個人差や誤認を防いで、効率的に達成することが可能になる。本発明により有用な融合細胞を検出・利用する効率、確率が飛躍的に向上し、抗体チップの作製等を含むバイオテクノロジー分野への貢献が大である。
本発明に係るモノクローナル抗体のスクリーニング方法の工程図である。 本発明に係るモノクローナル抗体の自動スクリーニング装置の細胞コロニー検出装置の概略図である。 図2の細胞コロニー検出装置の検出画面を例示した模式図である。 本発明に係るモノクローナル抗体の自動スクリーニング装置の有望クローン回収装置の概略図である。 図4の有望クローン回収装置のピン先端部分を例示した形態の説明図である。 図5のピンに付着した培養液をELISA法で分析するためのウエルに挿入する状態の説明図である。 ELISAアッセイプレートを洗浄する際に用いる緩衝液の水流カーテンを示す説明図である。 コロニーを形成したウエルからスポンジ状先端部を有するピンを用いて細胞を回収する状態を示す説明図である。 コロニーを形成したウエルから歯車状の先端を有するピンを用いて細胞を回収する状態を示す説明図である。
符号の説明
1 マルチウエルプレート
1’ 個別のウエル
2 光源
3 対物レンズ
4 CCDカメラ
5 細胞コロニー
6 混入・増殖した微生物
7 レンズの視野
7’ 7に隣接するレンズの視野
8 ニードルピン昇降装置
9 ニードルピン
9’ ニードルピン先端部
10 ELISAアッセイプレート
10’ELISAアッセイプレートウエル
11 ブロッキング剤
12 抗原
13 緩衝液
14 水流カーテン
15 ハイブリドーマ細胞
16 微多孔性物質
17 羽根構造
Y 抗体

Claims (9)

  1. 1)細胞融合装置にて作製された融合細胞を培養液に懸濁させ、マルチウエルプレートの 各ウエルに播種する工程;
    2)前記工程1)にて播種された融合細胞を、該細胞のコロニーが形成される条件下で保 持する工程;
    3)前記マルチウエルプレートに光源より照射した光を受光手段で受光し、複眼的画像解 析により各ウエル内に形成された融合細胞コロニーを検出する工程;
    4)前記工程3)にて検出された融合細胞コロニーが生育しているウエルのうち、一定の 基準を満たす1個または2個以上のウエル内に先端部分に培養液吸着部分を設けた1 本または2本以上のニードルピンを挿入し、引き上げることにより、該ウエルより培 養上清を吸着させ回収する工程;
    5)前記工程4)にて前記ニードルピンの先端部分に吸着された前記培養上清を、ウエル 底内に抗原を吸着させたELISAアッセイプレートに添加し培養条件下に保持する ことにより、生育良好なウエルを選定する工程;
    6)前記工程5)にて選定されたウエルから融合細胞および培養液を前記ニードルピンに より回収し、より大きなマルチウエルプレートに移植し増殖させる工程;
    を含むことを特徴とするモノクローナル抗体の自動スクリーニング方法。
  2. 前記複眼的画像解析が、複数の受光手段を構成している各単位から入力される光学的情報の一部分が隣接する単位からの情報と重複しており、この重複した情報を分析することによって、ウエルの位置およびウエル内の細胞集団の分布および培地の吸光度および/または濁度を2次元的に正確に把握する分析手段を含む工程である請求項1に記載のモノクローナル抗体の自動スクリーニング方法。
  3. 前記ニードルピンの先端部分の培養上清の吸着作用が、表面張力または毛細管現象である請求項1に記載のモノクローナル抗体の自動スクリーニング方法。
  4. 前記ニードルピンの先端部分の材料が、微多孔性物質である請求項1に記載のモノクローナル抗体の自動スクリーニング方法。
  5. さらに、微生物が増殖したウエル内の培地の吸引排出工程、該ウエルの洗浄および/または殺菌処理工程が付加された請求項1に記載のモノクローナル抗体の自動スクリーニング方法。
  6. 前記融合細胞のマルチウエルプレートへの移植の順序が1536ウエル、384ウエル、96ウエルおよび24ウエルである請求項1に記載のモノクローナル抗体の自動スクリーニング方法。
  7. 1)細胞融合装置にて作製された融合細胞を播種する細胞増殖手段と、
    2)前記細胞増殖手段の上方位置に設けた光照射手段と、
    3)前記光照射手段から照射した光を受光する受光手段と、
    4)前記受光手段と前記複眼的画像解析と自動制御手段とからなる融合細胞コロニー検出 手段と、
    5)融合細胞の生育良好な前記細胞増殖手段のウエルから培養液を採取する手段と、
    6)採取した培養液を別の分析用ウエルに移入させる手段と、
    7)分析結果から有用と判断された前記細胞増殖手段のウエル内の融合細胞と培養液を当 該ウエルから回収して別のウエルに移入させる手段
    とからなることを特徴とするモノクローナル抗体の自動スクリーニング装置。
  8. 前記融合細胞コロニー検出手段の構成要素が、倒立顕微鏡と、該倒立顕微鏡に設置され、視界が互いに若干部分重複するように複数配列された対物レンズ群である請求項7に記載のモノクローナル抗体の自動スクリーニング装置。
  9. 前記培養液採取手段が、培養液に対して吸着作用を有する先端部分を備えたニードルピンである請求項7に記載のモノクローナル抗体の自動スクリーニング装置。
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