JP2017183781A - 画像データ生成装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】機密文書に重ね印刷するマスク画像のデータをユーザの手を煩わせることなく容易に生成する。
【解決手段】機密文書SDの印刷面PSに印刷された文章Sの画像を、機密文書SDの搬送経路上で取得し、取得した画像を複数の単位領域に分割して、各単位領域毎に求めた文章Sのテキストの線幅のうち最も分布数が多い線幅を、その単位領域におけるテキストの線幅とする。そして、テキストの線幅に応じて基本マスクパターンを変倍して各単位領域のマスクパターンを決定し、決定したマスクパターンを印刷面PSにおける各単位領域のテキストの位置に配置した画像のデータを、印刷面PSの文章Sのテキストに重ね印刷して文章Sを隠蔽するマスク画像MI2,MI3,MI8のデータとして生成する。
【選択図】図14

Description

本発明は、画像隠蔽用のマスク画像を印刷物に重ね印刷する技術に関する。
印刷物に印刷された画像が機密性を有するものである場合、例えばその印刷物を廃棄する際には、画像が第三者により認識されないような処置を施す必要がある。印刷物を細かく断裁するのもその一つであるが、画像隠蔽用のマスク画像を印刷物に重ね印刷して機密性を保持することもよく行われる。
特に、宛名等の個人情報が記載された郵便物を廃棄する際に適した提案として、例えば、一律な大きさの文字や大小様々な大きさの文字を密集して配置したマスク画像を押印できるスタンプ装置や(例えば、特許文献1)、郵便物の宛名の記載部分上をなぞるように移動させることで、設定内容に応じたフォントや印字サイズ、言語等による任意の住所や氏名等を、マスク画像として宛名の上に重ね印刷する装置(例えば、特許文献2)が提案されている。
特開2009−255515号公報 特許第5339157号公報
しかし、上述した従来の提案はいずれも、ユーザが装置を操作しながら印刷物の一つ一つにマスク画像を押印又は印刷するものであり、例えば大量に廃棄する機密文書にマスク画像を重ね印刷する際に役立つようなものではない。特に、マスク画像を押印するスタンプ装置ではマスク画像が固定化されることから、機密文書の機密画像に重ねて押印することで隠蔽できる機密画像の内容に制約が生じてしまう。
その点、郵便物の宛名の記載部分上をなぞってマスク画像を宛名の上に重ね印刷する装置の提案は、マスク画像とする任意の住所や氏名の内容や印字サイズ、使用するフォントや言語等を設定により変えることができるので、機密文書の機密画像に重ね印刷することで様々な内容の機密画像をマスク画像により隠蔽することができる。
但し、マスク画像として重ね印刷する任意の住所や氏名の内容や印字サイズ、使用するフォントや言語等をユーザが設定する必要があるので、大量の機密文書にマスク画像を重ね印刷する際には、マスク画像の設定に膨大な手間がかかってしまう。
本発明は前記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、機密文書に重ね印刷するマスク画像のデータをユーザの手を煩わせることなく容易に生成することができる画像データ生成装置と、この画像データ生成装置を用いて好適な画像形成装置とを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の第1の態様による画像データ生成装置は、
機密文書(例えば、図5の機密文書SD)の印刷面(例えば、図5の印刷面PS)に機密とする画像として印刷された機密線画像(例えば、図5の複数行のテキストの文章S)に印刷部(例えば、図2の印刷部4)において重ね印刷し該機密線画像を隠蔽するマスク画像(例えば、図9のマスク画像MI)のデータを生成する装置であって、
前記機密文書の前記印刷面から前記機密線画像を光学的に読み取る画像読取手段(例えば、図2の給紙読取部6)と、
前記画像読取手段が読み取った機密線画像の線幅を検出する線幅検出手段(例えば、図1のコントローラ9、図11のステップS73)と、
前記線幅検出手段が検出した機密線画像の線幅に基づいて、前記機密線画像を隠蔽するためのマスクパターン(例えば、図9のマスクパターンMP)を生成するパターン生成手段(例えば、図1のコントローラ9、図11のステップS75)と、
前記パターン生成手段が生成したマスクパターンを前記印刷面における前記機密線画像の位置に配置した画像のデータを、前記マスク画像のデータとして生成するマスク画像データ生成手段(例えば、図1のコントローラ9、図11のステップS77)と、
を備える。
また、本発明の第2の態様による画像データ生成装置は、本発明の第1の態様による画像データ生成装置において、前記パターン生成手段は、基準となる線幅の前記機密線画像の隠蔽に適用する基本マスクパターン(例えば、図9の基本パターンBP)を、前記線幅検出手段が検出した機密線画像の線幅に応じた倍率で変倍する(例えば、図9の基本パターンBPの拡大によりマスクパターンMPとする)ことにより、前記機密線画像に対応するマスクパターンを生成する。
さらに、本発明の第3の態様による画像データ生成装置は、本発明の第1又は第2の態様による画像データ生成装置において、
前記線幅検出手段は、
前記画像読取手段が読み取った機密線画像を複数の領域に分割する画像分割手段(例えば、図1のコントローラ9、図11のステップS71)と、
前記画像分割手段が分割した前記機密線画像の各領域毎のデータから、各領域毎の前記機密線画像の線幅をそれぞれ検出する領域別線幅検出手段(例えば、図1のコントローラ9、図11のステップS73)と、
を備えており、
前記パターン生成手段は、前記領域別線幅検出手段が各領域毎に検出した前記機密線画像の線幅から、前記機密線画像に対応するマスクパターンを各領域毎にそれぞれ生成し、
前記マスク画像データ生成手段は、前記パターン生成手段が各領域毎に生成したマスクパターンを前記印刷面上の各領域に対応する位置にそれぞれ配置した画像のデータを、前記マスク画像のデータとして生成する。
また、本発明の第4の態様による画像データ生成装置は、本発明の第1、第2又は第3の態様による画像データ生成装置において、前記画像読取手段が読み取った機密線画像のデータから、前記機密線画像の画像色を判別する色判別手段(例えば、図1のコントローラ9、図11のステップS73)をさらに備え、前記マスク画像データ生成手段は、前記色判別手段が判別した画像色との色相、明度、彩度のうち、少なくとも色相の差が所定範囲内で前記機密線画像を隠蔽可能な同系色の前記マスクパターンを有する前記マスク画像のデータを生成する。
なお、本発明の第1、第2、第3又は第4の態様による画像データ生成装置において、画像読取手段が前記機密文書の搬送経路上に配置されたものである場合、前記搬送経路は、給紙トレイ(例えば、図2の外部給紙台11、内部給紙台13)から前記印刷部に用紙を搬送する画像形成装置(例えば、図2のインクジェット記録装置1)の用紙搬送経路(例えば、図2の搬送経路R)であり、前記画像読取手段は、前記用紙搬送経路の用紙搬送方向における前記印刷部の上流側(例えば、図2の搬送経路Rでの用紙Pの搬送方向におけるレジストローラ16よりも下流側でかつ印刷部4の上流側)に配置された前記画像形成装置の用紙検出手段(例えば、図2の給紙読取部6)であるものとすることができる。
また、上記目的を達成するために本発明の第5の態様による画像形成装置は、
印刷部において用紙の印刷面に画像を形成する画像形成装置において、
請求項1、2、3又は4記載の画像データ生成装置を備えており、
前記用紙として給紙される機密文書の印刷面に機密とする画像として印刷された機密線画像に、該機密線画像を隠蔽する前記マスク画像を、前記画像データ生成装置が生成した前記マスク画像のデータを用いて前記印刷部により重ね印刷する。
本発明によれば、機密線画像に重ね印刷するマスク画像のデータをユーザの手を煩わせることなく容易に生成することができる。
即ち、本発明の第1の態様による画像データ生成装置によれば、機密文書の印刷面に印刷された機密線画像が搬送経路上の画像読取手段により光学的に読み取られる。そして、読み取られた機密線画像のデータから検出された機密線画像の線幅から、機密線画像に対応するマスクパターンが生成され、生成されたマスクパターンを機密文書の印刷面における機密線画像の位置に配置したマスク画像のデータが、マスク画像生成手段によって生成される。
このため、機密文書の機密線画像に重ね印刷して機密線画像を隠蔽するマスク画像のデータを、ユーザの手を煩わせることなく容易に生成することができる。
また、本発明の第2の態様による画像データ生成装置によれば、本発明の第1の態様による画像データ生成装置において、基準となる線幅の機密線画像の隠蔽に適用する基本マスクパターンを、機密文書から読み取られた機密線画像の線幅に応じた倍率で変倍することで、その機密線画像に対応するマスクパターンが生成される。
このため、機密線画像を隠蔽するのに適したマスク画像のマスクパターンを、機密線画像の内容に応じて一から決定するよりも容易に生成することができる。
さらに、本発明の第3の態様による画像データ生成装置によれば、本発明の第1又は第2の態様による画像データ生成装置において、画像分割手段が分割した機密線画像の複数の領域毎に、各領域毎の機密線画像の線幅が領域別線幅検出手段により検出される。
そして、各領域毎に検出された機密線画像の線幅から、機密線画像に対応するマスクパターンが各領域毎にパターン生成手段によって生成され、各領域毎のマスクパターンを印刷面の各領域の機密線画像の位置にそれぞれ配置したマスク画像のデータが、マスク画像生成手段によって生成される。
このため、機密線画像の各領域毎にその領域の機密線画像に重ね印刷して機密線画像を隠蔽するのに適したマスクパターンを配置したマスク画像のデータを、ユーザの手を煩わせることなく容易に生成することができる。
また、本発明の第4の態様による画像データ生成装置によれば、本発明の第1、第2又は第3の態様による画像データ生成装置において、機密文書から読み取られた機密線画像の画像色が色判別手段により判別され、判別された画像色との色相、明度、彩度のうち、少なくとも色相の差が所定範囲内で機密線画像を隠蔽可能な同系色のマスクパターンを有するマスク画像のデータがマスク画像生成手段によって生成される。
このため、機密線画像を隠蔽するのに適した色のマスク画像を、機密線画像の画像色に応じて容易に決定することができる。
なお、本発明の第3の態様による画像データ生成装置において、画像分割手段が分割した機密線画像の複数の領域毎に、各領域毎の機密線画像の画像色を色判別手段によりそれぞれ判別し、各領域毎にその領域の機密線画像の画像色と同系統の色とした前記マスク画像のデータを、マスク画像データ生成手段により生成するようにしてもよい。
また、本発明の第1、第2、第3又は第4の態様による画像データ生成装置において、画像読取手段が機密文書の搬送経路上に配置されたものである場合は、画像形成装置の給紙トレイから印刷部に用紙を搬送する用紙搬送経路上の用紙搬送方向における印刷部の上流側に配置した用紙検出手段を利用して、機密文書の機密線画像に重ね印刷して機密線画像を隠蔽するマスク画像のデータを、ユーザの手を煩わせることなく容易に生成することができる。
なお、本発明の第1、第2、第3又は第4の態様による画像データ生成装置の作用、効果は、本発明の第5の態様による画像形成装置のように、印刷部において用紙の印刷面に画像を形成する画像形成装置において、本発明の第1、第2、第3又は第4の態様による画像データ生成装置を備えている構成とすることで、より顕著に得ることができる。
本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示すブロック図である。 図1のインクジェット記録装置の要部の概略構成を示す説明図である。 図1のディスプレイにユーザインターフェイスとして表示されるモード選択画面を示す説明図である。 図3のモード選択画面でプリンタモードを選択するとディスプレイに表示されるプリンタメニュー画面を示す説明図である。 図4のプリンタメニュー画面で選択できる機密文書マスクメニューの実効によりマスク印刷される機密文書の一例を示す説明図である。 図5の機密文書の画像を単位領域に分割する処理の手順を示す説明図である。 (a)、(b)は図6の手順の処理で分割した単位領域に存在するテキストの線幅を検出する手順を示す説明図である。 図7(a)、(b)の手順の処理で検出した機密文書の各単位領域におけるテキストの線幅を示す説明図である。 図5の機密文書の画像をマスクするために重ね印刷されるマスク画像の基本パターンと各線幅に対応するパターンとを示す説明図である。 図1のコントローラがROMに格納されたプログラムにしたがって行う機密文書マスクメニューによる機密文書の画像に対するマスク画像の重ね印刷の処理手順を示すフローチャートである。 図10のマスク画像生成処理の詳細な手順を示すフローチャートである。 図7(a)、(b)の手順の処理で検出した機密文書の各単位領域にその単位領域のテキストの線幅に対応するパターンのマスク画像を重ね印刷した状態を示す説明図である。 図7(a)、(b)の手順の処理で検出した機密文書の各単位領域におけるテキストのインク色毎の線幅を示す説明図である。 図7(a)、(b)の手順の処理で検出した機密文書の各単位領域にその単位領域のテキストのインク色毎の線幅に対応するパターンのマスク画像を重ね印刷した状態を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。
以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の要部の概略構成を示すブロック図である。なお、図1に示すインクジェット記録装置は、インクジェット方式のラインカラープリンタであるものとする。
そして、本実施形態のインクジェット記録装置1は、スキャナ部2、給紙部3、印刷部4、給紙読取部6、ディスプレイ7及びコントローラ9を備えている。
スキャナ部2は、読取部の原稿載置領域に載置された原稿から画像を読み取り画像データを生成するものである。このスキャナ部2は、詳細な構成の図示を省略するが、CCD等の受光素子をライン上に並べた原稿画像読取用のラインセンサ、原稿照明用の光源、ラインセンサ及び光源を搭載したキャリッジ、キャリッジを原稿面に沿って搬送するモータ、読取部の原稿載置領域に原稿を自動的に供給するADF(自動原稿送り装置)等を備えている。
スキャナ部2における原稿画像の読み取りは、ADFを用いて原稿を読取部の原稿載置領域に自動供給する自動原稿読取モードで行うこともでき、ユーザーが読取部の原稿載置領域に原稿を1ページずつ載置する手動原稿読取モードで行うこともできる。
給紙部3は、印刷に用いる用紙P(図2参照)を印刷部4に給紙するものである。図2は、給紙部3を含むインクジェット記録装置1の要部の概略構成を示す説明図である。
なお、図2を参照した以下の説明において、図2の紙面に直交する方向を前後方向とし、紙面表方向を前方とする。また、図2における紙面の上下左右を上下左右方向とする。また、図2において太線で示す経路が、印刷媒体である用紙Pが搬送される搬送経路Rである。以下の説明における上流、下流は、搬送経路Rでの用紙Pの搬送方向における上流(図2中左側)、下流(図2中右側)を意味する。
図2に示すように、給紙部3は、外部給紙台11と、外部給紙ローラ12と、複数の内部給紙台13と、複数対の内部給紙ローラ14と、複数対の内部給紙搬送ローラ15と、レジストローラ16とを備える。
外部給紙台11は、印刷に用いられる用紙Pが積載されるものである。外部給紙台11は、一部がインクジェット記録装置1の筐体(図示せず)の外部に露出して設置されている。
外部給紙ローラ12は、外部給紙台11から用紙Pを1枚ずつ取り出し、搬送経路Rに沿ってレジストローラ16へ向けて搬送する。外部給紙ローラ12は、図示しないモータにより回転駆動される。
内部給紙台13は、印刷に用いられる用紙Pが積載されるものである。内部給紙台13は、インクジェット記録装置1の筐体(図示せず)の内部に配置されている。
内部給紙ローラ14は、内部給紙台13から用紙Pを1枚ずつ取り出して搬送経路Rへ送り出す。内部給紙ローラ14は、図示しないモータにより回転駆動される。
内部給紙搬送ローラ15は、内部給紙台13から取り出された用紙Pをレジストローラ16に向けて搬送する。内部給紙搬送ローラ15は、内部給紙ローラ14とレジストローラ16との間の搬送経路Rに沿って配置されている。内部給紙搬送ローラ15は、図示しないモータにより回転駆動される。
レジストローラ16は、外部給紙ローラ12または内部給紙搬送ローラ15から搬送されてきた用紙Pを一旦止めた後、印刷部4に向けて搬送する。レジストローラ16は、外部給紙ローラ12及び内部給紙搬送ローラ15の下流側に配置されている。レジストローラ16は、図示しないモータにより回転駆動される。
印刷部4は、通信ネットワークNを介して外部のユーザ端末(図示せず)等からコントローラ9に入力される印刷ジョブや、スキャナ部2による原稿画像の読み取りによって発生した印刷ジョブ等を実行し、インクジェット方式により画像を印刷するものである。
なお、通信ネットワークNは、通信プロトコルTCP/IPを用いて種々の通信回線(FTTH等の光回線、ADSL回線等の公衆回線、専用回線、無線通信網)を相互に接続して構築される分散型のIP網である。このIP網には、10BASE−Tや100BASE−TX等によるイントラネット(企業内ネットワーク)や家庭内ネットワーク等のLANも含まれる。
本実施形態の印刷部4は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色のインクによりフルカラー印刷を行う。印刷部4は、ベルトプラテン部4aとインクジェットヘッド5とを備える。
ベルトプラテン部4aは、内部に設置した不図示の吸引ファンを駆動して発生させた気流により、給紙部3から給紙された用紙Pをベルト上に吸着保持して搬送する。ベルトプラテン部4aは、レジストローラ16の下流側に配置されている。
インクジェットヘッド5は、ベルトプラテン部4aにより搬送される用紙Pにインクを吐出して画像を印刷する。インクジェットヘッド5は、インクのカラー別にそれぞれ構成され、ベルトプラテン部4aの上方に配置されている。各色のインクジェットヘッド5は、ヘッドモジュール17を有する。
各ヘッドモジュール17は、用紙Pの搬送方向(左右方向)に直交する主走査方向(前後方向)、即ち、用紙Pの幅方向に沿って延在しており、給紙部3により搬送された用紙Pに対向する部分に、用紙Pの幅に対応する複数のノズル(図示せず)を有している。各ノズルは、主走査方向(前後方向)に一定間隔で並べて配置されており、用紙Pに印刷する画像に応じたパターンで、各ヘッドモジュール17に対応する色のインクを吐出する。
給紙読取部6は、搬送経路Rでの用紙Pの搬送方向における給紙部3のレジストローラ16よりも下流側(図2中右側)でかつ印刷部4の上流側(図2中左側)に設置された給紙センサ、つまり、用紙検出手段であり、給紙部3が給紙する用紙Pの主走査方向における最大幅以上の寸法を有している。
この給紙読取部6は、詳細な構成の図示を省略するが、給紙部3が印刷部4に搬送する用紙Pの印刷面(図2におけるレジストローラ16を通過した用紙Pの上面)に光をあて、その光の強弱をCMOS撮像素子などのイメージセンサを使って検出するCIS(Contact Image Sensor)方式を用いて、給紙部3が印刷部4に給紙する用紙Pをレジストローラ16の下流で検出する。
給紙読取部6が検出した主走査方向における寸法と用紙Pの通過時間とから、後述するコントローラ9が、用紙Pのサイズや主走査方向における端部位置を特定することができる。特定した用紙Pのサイズや主走査方向における端部位置は、用紙Pに印刷する画像に対応するインクを吐出するノズルの位置やインクの吐出タイミングを、給紙される用紙Pの位置に応じてコントローラ9が調整するのに用いられる。
なお、給紙読取部6は、給紙部3が印刷部4に給紙する用紙Pの画像情報を取得することができればよく、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)方式を用いてもよい。いずれの方式を用いるにせよ、給紙読取部6は、用紙Pの画像情報だけでなく、用紙Pの印刷面(図2におけるレジストローラ16を通過した用紙Pの上面)に画像が印刷されている場合に、その印刷された画像の画像情報も取得することができる。
図1に示すディスプレイ7は、例えば、図3に示すインクジェット記録装置1の動作モードの選択画面や、選択した動作モードによるインクジェット記録装置1の動作状態を示す画面、コピーモードにおいてスキャナ部2にセットした原稿画像を複写印刷する際の、複写枚数や複写倍率といった複写条件をユーザが入力する入力画面等が表示される。
図3のモード選択画面では、「プリンター」、「コピー」、「スキャナー」の各アイコン26〜28をタッチ操作することで、インクジェット記録装置1の動作モードとして、ネットワークプリンタ、コピー、スキャナの各モードを選択することができる。
なお、ディスプレイ7はタッチパネルを有しており、ディスプレイ7は、表示した画面上のアイコン26〜28のタッチ操作等によりユーザが各種入力を行う操作部としても利用される。
図1に示すコントローラ9は、外部インターフェイス部9a、CPU9b、ROM9c、RAM9d及び外部記憶装置9eを備える。コントローラ9は、外部記憶装置9eを除いて、例えば、マイクロコンピュータによって構成される。
外部インターフェイス部9aには、通信ネットワークNを介して、不図示のユーザ端末等が接続される。コントローラ9は、通信ネットワークNを介して接続されたユーザ端末からの印刷ジョブを受け取る。また、コントローラ9は、コピーモードにおいてスキャナ部2により原稿から読み取った画像の印刷ジョブを生成する。
CPU9bには、スキャナ部2、給紙部3、印刷部4、給紙読取部6及びディスプレイ7が接続される。そして、CPU9bは、ROM9cに格納されているプログラム及び設定情報に基づいて、ディスプレイ7から入力設定される内容に応じたスキャナ部2や印刷部4の動作を制御する。
具体的には、CPU9bは、不図示のユーザ端末等から受け取った印刷ジョブに基づいて印刷データを生成する。そして、受け取った印刷ジョブの印刷設定情報において指定された条件(用紙サイズ、用紙向き、複写枚数、複写倍率等)で、印刷画像の用紙Pへの印刷を印刷部4において実行する。
また、CPU9bは、スキャナ部2で読み取った原稿の画像のデータからその原稿画像を用紙Pに複写するための印刷ジョブを生成する。そして、コピーモードにおいてディスプレイ7の入力画面から入力された設定情報において指定された条件(用紙サイズ、用紙向き、複写枚数、複写倍率等)で、原稿画像の用紙Pへの複写印刷を印刷部4において実行する。
RAM9dには、不図示のユーザ端末からコントローラ9に入力された印刷ジョブや、スキャナ部2で読み取った原稿の画像からCPU9bが生成した印刷ジョブ、ディスプレイ7から入力された複写時の印刷枚数や各種の設定内容等が、随時記憶される。
また、RAM9dは、フレームメモリ領域を有している。このフレームメモリ領域には、不図示のユーザ端末からの印刷ジョブやスキャナ部2で読み取った原稿画像を複写するための印刷ジョブからCPU9bが生成する印刷データが、印刷部4に出力されるまでの間、一時的に記憶される。
外部記憶装置9eには、上述したRAM9dから転送された印刷ジョブを記憶する複数の領域が設けられている。また、外部記憶装置9eには、各種のテーブルやカウンタ等が記憶される。
ところで、図3のモード選択画面でプリンタモードを選択すると、ディスプレイ7に、図4に示すプリンタメニュー画面が表示される。このプリンタメニュー画面では、プリンタモードにおいて選択可能なメニューのボタン26aが複数表示される。その一つに、機密文書マスクメニューがある。
この機密文書マスクメニューのボタン26aをタッチ操作し、「OK」ボタン26bのタッチ操作でメニューの選択を確定させると、インクジェット記録装置1は機密文書マスクモードで動作する。機密文書マスクモードでは、インクジェット記録装置1は、機密文書の画像にマスク画像を重ね印刷し、機密文書の内容を視認できなくする。なお、メニューの選択を確定させる前に「CANCEL」ボタン26cがタッチ操作されると、ディスプレイ7が図3に示すモード選択画面に戻る。
ここで、機密文書マスクモードで動作するインクジェット記録装置1が機密文書に重ね印刷するマスク画像は、機密文書の印刷面全体や印刷面の画像が形成された部分を覆う黒ベタ画像とすることも考えられる。
しかし、例えば、レーザプリンタで印刷した機密文書の画像にインクジェット記録装置1で黒ベタのマスク画像を重ね印刷すると、それぞれの画像の印刷に用いたインクの違いから、重ね印刷したマスク画像の上からでも機密文書の画像の縁が判別できてしまうことがある。これでは、マスク画像を重ね印刷しても機密文書の内容を視認できなくすることができないし、第一、マスク画像の重ね印刷に多量のインクが消費されてしまう。
そこで、本実施形態のインクジェット記録装置1では、機密文書の画像に重ね印刷するマスク画像を、黒ベタではなく機密文書の画像に応じたマスクパターンとするようにしている。
以下、機密文書の画像に応じたパターンのマスク画像を生成する手順について、図5乃至図9を参照して説明する。なお、隠蔽のためにマスク画像を重ね印刷する対象の機密とする画像は、例えば、文字や記号等のテキスト文章、イラスト等の図形、あるいは写真といった、線画で構成される線画像である。
ここで説明する機密文書の線画像(機密線画像)は、図5の説明図に示すように、機密文書SDの印刷面PSに機密とする画像として印刷された複数行のテキストの文章Sである。この文書Sをマスク画像の重ね印刷によって隠蔽し視認できなくする場合は、機密文書SDの印刷面PSの画像情報を取得し、その内容を解析して、印刷面PSの画像を複数の単位領域Aに分割する。
例えば、図6の説明図では、文章Sの各行と行間とを区切ることで印刷面PSの画像を複数の単位領域Aに分割した場合を示している。このように単位領域Aを分割するには、まず、印刷面PSの画像情報における各画素の画素値から、文章Sのテキストを構成する画素を判別する。そして、印刷面PSの縦方向及び横方向におけるテキストを構成する画素の連続性から、文章Sの各行の領域を特定する。これにより、印刷面PSの画像を各行と行間とに区切って複数の単位領域Aに分割することができる。
なお、印刷面PSの縦方向及び横方向におけるテキストを構成する画素の連続性から、文章Sの各テキストの領域を特定することもできる。このため、印刷面PSの画像を、各テキストと、文字間(印刷面PSの縦方向及び横方向におけるテキスト間の隙間)や行間(印刷面PSの縦方向におけるテキスト間の隙間)とに区切って、印刷面PSを文字単位で複数の単位領域Aに分割してもよい。
また、ポイント数(大きさ)が異なる複数のテキストが文章Sに用いられている場合は、文章Sの各行に対応する単位領域Aの高さや、各テキストに対応する単位領域Aの大きさが、テキストのポイント数によって異なる。したがって、各単位領域Aの大きさや形状は、必ずしも同じでなくてもよい。
印刷面PSの画像を複数の単位領域Aに分割したら、次に、各単位領域Aについて、その単位領域Aに存在する線画像であるテキストの線幅を検出する。そのために、まず、単位領域Aの画素の画素値からその画素の濃度を特定し、一定以上の濃度を有する画素を、テキストを構成する画素であるものとする。
そして、一定以上の濃度を有する画素が連続する数を、印刷面PSの縦方向又は横方向、あるいは両方向についてカウントし、そのカウント数から、印刷面PSの縦方向又は横方向、あるいは両方向についての線幅を、各単位領域Aについてそれぞれ検出する。
例えば、図7(a)の説明図では、単位領域Aに存在する「プ」というテキストの線幅を、印刷面PSの横方向について検出する場合の例を示している。この例では、印刷面PSの縦方向に間隔をおいた(1) 〜(3) の横方向の画素列上において、一定以上の濃度を有する画素の分布をそれぞれ求め、求めた一定以上の濃度を有する画素の(1) 〜(3) の各画素列上における連続数から、各画素列上におけるテキストの線幅をそれぞれ検出する。なお、(1) の画素列のように、1つの画素列上でテキストの線幅が2箇所以上検出される場合もある。
そして、図7(b)の説明図に示すように、(1) 〜(3) の各画素列上においてそれぞれ検出されたテキストの線幅の分布を求め、最も分布数が多い線幅を、その単位領域Aにおけるテキストの線幅とする。
なお、図5に示す文章Sの4〜5行目のように、明朝体のテキストとイタリック(斜体)のテキストとが同じ行に混在する単位領域Aについても、各テキストの線幅を図7(a)で示した手順で検出し、図7(b)で示した手順で求めた最も分布数の多い線幅を、その単位領域Aにおける線幅とする。
したがって、図7(a)で示した手順で線幅を検出すると、明朝体のテキストの線幅は2となり、イタリック(斜体)のテキストの線幅は3となる。しかし、図7(b)で示した手順で求めた最も分布数の多い線幅が2であるため、明朝体のテキストとイタリック(斜体)のテキストとが同じ行に混在する単位領域Aのテキストの線幅は2となる。
このようにして、図8の説明図に示すように、テキストが存在する各単位領域A毎にテキストの線幅を検出したら、テキストが存在する各単位領域Aに重ね印刷するマスク画像のマスクパターンを、各単位領域Aに存在するテキストについて検出した線幅に対応するパターンで生成する。
テキストの線幅に対応するパターンのマスク画像は、基本マスクパターンを加工して生成する。基本マスクパターンは、パターンに周期性がないことが好ましく、例えば、ランダムパターンの周波数が高いブルーノイズマスク等が好適である。図9の説明図に示す本実施形態の基本マスクパターンBPは、黒の線を、特定の方向に偏って濃度分布にムラが生じないように不規則に配置した、モノクロのパターンで構成される。
図9に示す基本マスクパターンBPは、基準となる線画像の隠蔽に適用するマスクパターンを有している。ちなみに、本実施形態では、基準とする線幅が1のテキストに合わせて、基本マスクパターンBPの白の画素と黒の画素との画素比を1:1とし、さらに、黒い線の線幅や黒い線間の白い部分のピッチを1画素としている。
そして、テキストが存在する各単位領域Aのテキストの線幅に応じて基本マスクパターンBPを変倍したパターンを、その単位領域Aに重ね印刷するマスク画像のマスクパターンとする。図9に示すように、例えば、テキストの線幅が2である単位領域Aに重ね印刷するマスク画像MIのマスクパターンMPは、基本マスクパターンBPを面積で200%拡大したものとする。また、線幅が3である単位領域Aに重ね印刷するマスク画像MIのマスクパターンMPは、基本マスクパターンBPを面積で300%拡大したものとする。
なお、テキストの線幅を印刷面PSの横方向以外の方向(例えば縦方向)についても検出した場合は、印刷面PSにおける線幅を検出した方向毎に、検出したその方向の線幅に応じた倍率で基本マスクパターンBPを変倍したパターンを、マスク画像MIのマスクパターンMPとするようにしてもよい。また、線画像であるテキストが存在しない単位領域Aに重ね印刷するマスク画像MIは、マスクパターンMPなしの画像、即ち、実質的に画像が印刷されない空白画像とする。
次に、ディスプレイ7に表示された図4のプリンタメニュー画面において、機密文書マスクメニューのボタン26aのタッチ操作により機密文書マスクメニューを選択するとインクジェット記録装置1が行う、機密文書マスクモードの動作内容について、図10のフローチャートを参照して説明する。
機密文書マスクモードでインクジェット記録装置1を動作させる際には、マスク画像MIを重ね印刷する機密文書SDを、図2に示す外部給紙台11と内部給紙台13とのいずれかにセットする。このとき、機密文書SDの印刷面PSが図2中上向きで印刷部4に給紙されるように、外部給紙台11には印刷面PSを上向きにして、内部給紙台13には印刷面PSを下向きにして、機密文書SDをそれぞれセットする。特に、機密文書SDの枚数が大量である場合は、積載量が大きい外部給紙台11を利用するのが有利である。
そして、図10に示すように、コントローラ9は、図1のディスプレイ7に表示される機密文書マスクメニューの設定画面(図示せず)において、機密文書SDの給紙元とする給紙台(外部給紙台11又は内部給紙台13)の入力を受け付け(ステップS1)、受け付けた給紙台から給紙部3により機密文書SDを印刷部4に1枚ずつ給紙させる(ステップS3)。
次に、コントローラ9は、機密文書SDが給紙読取部6を通過する度に、給紙読取部6に対向する機密文書SDの印刷面PSに印刷されている、図5の説明図に示す複数行のテキストの文章Sの画像情報を、給紙読取部6によって取得する(ステップS5)。
そして、コントローラ9は、取得した文章Sの画像情報から、文章Sのテキストが存在する印刷面PSの各単位領域Aに重ね印刷するマスク画像MIのデータを生成する(ステップS7)。さらに、コントローラ9は、生成したデータを用いて、機密文書SDが印刷部4のインクジェットヘッド5を通過する際に、印刷面PSの対応する単位領域Aにマスク画像MIを重ね印刷し、排紙する(ステップS9)。
なお、給紙元の給紙台(外部給紙台11又は内部給紙台13)の機密文書SDがなくなると(ステップS11でYES)、コントローラ9は、機密文書マスクモードの動作を終了する。
そして、上述したステップS7においてマスク画像MIを生成する際に、コントローラ9は、図11のフローチャートに示すように、印刷面PSの画像を複数の単位領域Aに分割し(ステップS71)、各単位領域Aについて、その単位領域Aに存在する線画像であるテキストの線幅をそれぞれ検出する(ステップS73)。
次に、コントローラ9は、図9に示す基本マスクパターンBPを各単位領域A毎に検出したテキストの線幅に対応する倍率で拡大して、各単位領域Aに重ね印刷するマスク画像MIのマスクパターンMPをそれぞれ生成する(ステップS75)。なお、テキストが存在しない単位領域Aのマスク画像MIは、マスクパターンなしとする。
さらに、コントローラ9は、各単位領域A毎に生成したマスクパターンMPを対応する単位領域Aに存在するテキストに重ね印刷するマスク画像MIの画像データを生成し(ステップS77)、マスク画像生成処理を終了する。
以上の手順による機密文書マスクモードの動作をインクジェット記録装置1が行うと、図12の説明図に示すように、線幅8の1行目の単位領域Aには、線幅8用のマスク画像MI8(図9の基本マスクパターンBPを面積で800%拡大したマスクパターンのマスク画像)が重ね印刷される。また、線幅2の2行目以降の単位領域Aには、線幅2用のマスク画像MI2(図9の基本マスクパターンBPを面積で200%拡大したマスクパターンのマスク画像)が重ね印刷される。
これにより、各行の文章Sのテキストの線が、マスク画像MI8,MI2を構成する線と区別しにくくなるので、機密文書SDの内容を隠蔽し視認できなくすることができる。
なお、先に説明したように、印刷面PSを文字単位で複数の単位領域Aに分割して、明朝体のテキストとイタリック(斜体)のテキストとが同じ行に混在する単位領域Aについては、明朝体のテキスト部分の単位領域Aとイタリック(斜体)のテキスト部分の単位領域Aとで線幅を別々に検出するようにしてもよい。
この場合、図7(a),(b)で示した手順で各単位領域Aのテキストの線幅を検出すると、図13の説明図に示すように、イタリック(斜体)のテキストが存在する単位領域Aの線幅は、明朝体のテキストの線幅(線幅2)よりも太い線幅3となる。
そこで、線幅3の単位領域Aには、図14の説明図に示すように、線幅3用のマスク画像MI3(図9の基本マスクパターンBPを面積で300%拡大したマスクパターンのマスク画像)を重ね印刷する。
これにより、図12に示すように、明朝体のテキストとイタリック(斜体)のテキストとが混在する単位領域Aに、線幅2用のマスク画像MI2を一律に重ね印刷するのに比べて、イタリック(斜体)のテキストの線をマスク画像MI3を構成する線との区別をより一層困難にして、機密文書SDの内容をより確実に隠蔽し視認できなくすることができる。
また、機密文書SDは、モノクロの印刷物である場合もあるが、カラーの印刷物である場合もある。例えば、図12に一点鎖線の枠で囲んで注釈を記載したように、機密文書SDにおける文章Sの枠で囲んだ4〜5行目に存在するイタリック(斜体)のテキストが赤色のインクで印刷され、残る他の明朝体のテキストが黒色のインクで印刷されているものとする。
ここで、マスク画像MI8,MI2の重ね印刷がモノクロ印刷によって行われると、単位領域Aが行単位で分割されている場合、黒色の明朝体のテキストと赤色のイタリック(斜体)のテキストとが同じ行に混在する4〜5行目の単位領域Aに、その単位領域Aにおけるテキストの線幅2に対応するマスク画像MI2が黒色のインクで重ね印刷される。
すると、図12の枠で囲んだ赤色のイタリック(斜体)のテキストの線の色が、マスク画像MI2の黒色と異なることから、マスク画像MI2を構成する線と区別できてしまい、イタリック(斜体)のテキストについてはマスク画像MI2の重ね印刷後も隠蔽されず、内容が視認できてしまう可能性がある。
そこで、印刷面PSを文字単位で複数の単位領域Aに分割し、各単位領域Aのテキストの画像色を判別して、図13に一点鎖線の枠で囲んで注釈を記載したように、印刷面PSをテキストの画像色別の領域に区分する。そして、図14に示す、赤色のイタリック(斜体)のテキストが存在する線幅3の単位領域Aに重ね印刷する線幅3用のマスク画像MI3を、赤色のインクで印刷する。
この場合は、図11のフローチャートのステップS73において、各単位領域A毎のテキストの線幅の検出と共に、各単位領域A毎のテキストの画像色の判別を行う。さらに、図11のフローチャートのステップS75において、各マスク画像MI8,MI2,MI3のマスクパターンMPと共に、印刷に用いるインクの色(各マスク画像MI8,MI2,MI3の色)を、対応する単位領域Aのテキストの画像色に基づいて決定する。
これにより、機密文書SDの文章Sに、黒色の明朝体のテキストと赤色のイタリック(斜体)のテキストとが混在する行がある場合、図14に示すように、黒色の明朝体のテキストに対応する単位領域Aに重ね印刷されるマスク画像MI2は、テキストと同じ黒色となり、赤色のイタリック(斜体)のテキストに対応する単位領域Aに重ね印刷されるマスク画像MI3は、イタリック(斜体)のテキストと同じ赤色となる。
このため、黒色の明朝体のテキストと赤色のイタリック(斜体)のテキストとが混在する行の全体を一つの単位領域Aとして、赤色のイタリック(斜体)のテキストにそれとは色が異なる黒色のマスク画像MI2を一律に重ね印刷するのに比べて、イタリック(斜体)のテキストの線を、イタリック(斜体)のテキストと同じ色で印刷されたマスク画像MI3を構成する線と区別しにくくなる。よって、機密文書SDの内容をより確実に隠蔽し視認できなくすることができる。
なお、図14に示す例では、行方向(図14中の左右方向)において隣り合う2つのテキストに対応する2つの単位領域Aが、隙間なく隣り合っている場合を示している。但し、印刷面PSを文字単位で複数の単位領域Aに分割する際に、行方向において隣り合う2つのテキストに対応する2つの単位領域Aの間に、テキスト間の字間を構成する余白に対応する単位領域Aがさらに配置されるように、印刷面PSをさらに細かく分割してもよい。
また、図14に示す例では、明朝体のテキストが存在する単位領域Aに、明朝体のテキストと同じ黒色のインクでマスク画像MI8,MI2を印刷し、イタリック(斜体)のテキストが存在する単位領域Aに、イタリック(斜体)のテキストと同じ赤色のインクでマスク画像MI3を印刷した。
しかし、各テキストと同じ色でなくても、色相や明度、彩度が似通った同系色で、明朝体のテキストが存在する単位領域Aやイタリック(斜体)のテキストが存在する単位領域Aにマスク画像MI8,MI2やマスク画像MI3をそれぞれ重ね印刷するようにしてもよい。
なお、ある色に対する同系色とする色相や明度、彩度の範囲は、隠蔽対象のテキストにマスク画像MIを重ね印刷する実験の結果を通じて予め決定しておくことができる。即ち、ある色に対する同系色とは、ある色のテキストにマスク画像MIを重ね印刷した場合にテキストを隠蔽することができる色でなければならない。そこで、ある色に対して色相や明度、彩度をそれぞれ変えながら、ある色のテキストに対するマスク画像MIの重ね印刷を繰り返し、テキストが隠蔽できる色相や明度、彩度の範囲を実験的に求めておく。
このようにして決定した色相や明度、彩度の範囲は、隠蔽対象のテキストのインク色に対応する同系色の範囲として定義する。なお、同系色の範囲とした色相や明度、彩度の範囲を、隠蔽対象のテキストのインク色に対応する同系色として、隠蔽対象のテキストのインク色に関係付けたテーブルを、例えばコントローラ9の外部記憶装置9eに記憶させておき、マスク画像MIのデータを生成する際に参照すると便利である。
ここで、ある色に対する同系色の範囲は、少なくとも色相について定義されていればよく、同系色とする範囲が明度や彩度については定義されていなくてもよい。
また、上述した実施形態では、機密文書SDの印刷面PSを複数の単位領域Aに分割し、各単位領域A毎にテキストの線幅を検出したりテキストの画像色を判別して、それらに対応するパターンや色のマスクパターンMPを単位領域A毎に決定するものとした。
しかし、機密文書SDの印刷面PSの全体を一つの領域として、印刷面PSに存在するテキストの線幅を検出したりテキストの画像色(単一色に限る)を判別し、検出したテキストの線幅や判別したテキストの画像色に対応する単一のパターンや単一色のマスクパターンMPを、機密文書SDの印刷面PSの全体に対して決定するようにしてもよい。
その場合は、図11のフローチャートのステップS71を省略し、ステップS73におけるテキストの線幅検出や画像色判別を、コントローラ9が、機密文書SDの印刷面PSの全体に対して画一的に行うようにすればよい。
そして、コントローラ9は、図11のフローチャートのステップS75において、図9に示す基本マスクパターンBPを、機密文書SDの印刷面PSの全体に対して検出したテキストの線幅に対応する倍率で拡大して、印刷面PSの全体に重ね印刷するマスク画像MIのマスクパターンMPを決定すればよい。
また、コントローラ9は、図11のフローチャートのステップS77において、印刷面PSの全体に対して決定した単一のマスクパターンMPを印刷面PSに存在する文章Sの各テキストに重ね印刷する単一色のマスク画像MIの画像データを生成すればよい。
なお、図11のステップS73における、機密文書SDの印刷面PSの全体に対する線幅の検出は、例えば、次のようにして行うことができる。まず、図7(a)を参照して説明した手順で印刷面PSの各テキストの線幅検出を行う。次に、検出した各テキストの線幅の分布を、印刷面PSの全体について、図7(b)を参照して説明した手順で検出する。そして、印刷面PSの全体において最も分布数の多い線幅を、その印刷面PSの全体に対する線幅とする。
また、図11のステップS73において、機密文書SDの印刷面PSの全体に対するテキストの画像色(文章Sの画像色)を検出する際には、例えば、濃度が最も高い色を、その印刷面PSの全体に対するテキストの画像色とするようにしてもよい。
さらに、例えば図1のディスプレイ7に表示される不図示の機密文書マスクメニューの設定画面における入力等によって、印刷面PSの全体に対するテキストの画像色(文章Sの画像色)をコントローラ9が予め認識している場合は、図11のフローチャートのステップS73におけるテキストの画像色判別を省略してもよい。
その場合、コントローラ9は、図11のフローチャートのステップS77において、印刷面PSの全体に対して決定した単一のマスクパターンMPを印刷面PSに存在する文章Sの各テキストに重ね印刷するための、文章Sの画像色と同一又は同系列の単一色のマスク画像MIの画像データを生成すればよい。
さらに、上述した実施形態では、インクジェットヘッド5を構成する複数のヘッドモジュール17を、インクジェットヘッドが記録媒体の搬送方向(左右方向)に直交する主走査方向(前後方向)に沿って千鳥状に配置した、いわゆるライン型のインクジェット記録装置1を例に取って説明した。しかし、本発明は、主走査方向においてインクジェットヘッドがキャリッジ上で往復するシリアル式のインクジェット記録装置にも適用可能である。
また、本発明は、インクジェット方式の画像形成装置に限らず、例えば電子写真方式等他の方式の画像形成装置にも適用可能である。
さらに、上述した実施形態では、給紙部3により印刷部4に搬送される機密文書SDの印刷面PSに印刷された文章Sの画像情報を取得する給紙読取部6として、給紙部3により印刷部4に搬送される用紙Pのサイズや主走査方向における端部位置を特定するためにレジストローラ16よりも下流に設置した給紙センサを用いた。
しかし、給紙部3により印刷部4に搬送される機密文書SDの印刷面PSに印刷された文章Sの画像情報を取得する給紙読取部6を、用紙Pのサイズや主走査方向における端部位置を特定する給紙センサとは別に設けてもよい。
また、上述した実施形態では、画像形成装置内にマスク画像のデータを生成する画像データ生成装置を内蔵させる場合について説明したが、画像データ生成装置を画像形成装置とは別に独立して構成してもよい。
1 インクジェット記録装置
2 スキャナ部
3 給紙部
4 印刷部
4a ベルトプラテン部
5 インクジェットヘッド
6 給紙読取部
7 ディスプレイ
9 コントローラ
9a 外部インターフェイス部
9b CPU
9c ROM
9d RAM
9e 外部記憶装置
11 外部給紙台
12 外部給紙ローラ
13 内部給紙台
14 内部給紙ローラ
15 内部給紙搬送ローラ
16 レジストローラ
17 ヘッドモジュール
26 「プリンター」アイコン
26a 「機密文書マスクメニュー」ボタン
26b 「OK」ボタン
26c 「CANCEL」ボタン
27 「コピー」アイコン
28 「スキャナー」アイコン
A 単位領域
BP 基本パターン
MI,MI2,MI3,MI8 マスク画像
MP マスクパターン
N 通信ネットワーク
P 用紙
PS 印刷面
R 搬送経路
S 文章
SD 機密文書

Claims (5)

  1. 機密文書の印刷面に機密とする画像として印刷された機密線画像に印刷部において重ね印刷し該機密線画像を隠蔽するマスク画像のデータを生成する装置であって、
    前記機密文書の前記印刷面から前記機密線画像を光学的に読み取る画像読取手段と、
    前記画像読取手段が読み取った機密線画像の線幅を検出する線幅検出手段と、
    前記線幅検出手段が検出した機密線画像の線幅に基づいて、前記機密線画像を隠蔽するためのマスクパターンを生成するパターン生成手段と、
    前記パターン生成手段が生成したマスクパターンを前記印刷面における前記機密線画像の位置に配置した画像のデータを、前記マスク画像のデータとして生成するマスク画像データ生成手段と、
    を備える画像データ生成装置。
  2. 前記パターン生成手段は、基準となる線幅の前記機密線画像の隠蔽に適用する基本マスクパターンを、前記線幅検出手段が検出した機密線画像の線幅に応じた倍率で変倍することにより、前記機密線画像に対応するマスクパターンを生成する請求項1記載の画像データ生成装置。
  3. 前記線幅検出手段は、
    前記画像読取手段が読み取った機密線画像を複数の領域に分割する画像分割手段と、
    前記画像分割手段が分割した機密線画像の各領域毎のデータから、各領域毎の前記機密線画像の線幅をそれぞれ検出する領域別線幅検出手段と、
    を備えており、
    前記パターン生成手段は、前記領域別線幅検出手段が各領域毎に検出した前記機密線画像の線幅から、前記機密線画像に対応するマスクパターンを各領域毎にそれぞれ生成し、
    前記マスク画像データ生成手段は、前記パターン生成手段が各領域毎に生成したマスクパターンを前記印刷面上の各領域に対応する位置にそれぞれ配置した画像のデータを、前記マスク画像のデータとして生成する、
    請求項1又は2記載の画像データ生成装置。
  4. 前記画像読取手段が読み取った機密線画像のデータから、前記機密線画像の画像色を判別する色判別手段をさらに備え、前記マスク画像データ生成手段は、前記色判別手段が判別した画像色との色相、明度、彩度のうち、少なくとも色相の差が所定範囲内で前記機密線画像を隠蔽可能な同系色の前記マスクパターンを有する前記マスク画像のデータを生成する請求項1、2又は3記載の画像データ生成装置。
  5. 印刷部において用紙の印刷面に画像を形成する画像形成装置において、
    請求項1、2、3又は4記載の画像データ生成装置を備えており、
    前記用紙として給紙される機密文書の印刷面に機密とする画像として印刷された機密線画像に、該機密線画像を隠蔽する前記マスク画像を、前記画像データ生成装置が生成した前記マスク画像のデータを用いて前記印刷部により重ね印刷する、
    画像形成装置。
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