JP2017183553A - 基板洗浄装置及び基板処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】超音波振動が付与された洗浄液を供給して基板Wを洗浄する。【解決手段】基板処理装置は、洗浄液に超音波振動を与える振動部20と、洗浄液を基板Wに供給する供給体30と、を有している。供給体30は、流入口33から流入した洗浄液を第一案内路31aを介して流出口34へと案内するとともに、流入口33及び流出口34とは異なる開口部35を有する第一案内部31と、第一案内路31aの少なくとも一部の周縁外方に第一案内部31を介して設けられたシール部45と、開口部35を覆うとともにシール部45と接触する閉鎖部40と、を有している。振動部20によって発生される超音波振動は、閉鎖部40又は第一案内部31を介して洗浄液に付与される。【選択図】 図3

Description

本発明は、半導体ウェハ等の基板を洗浄する基板洗浄装置及び基板処理装置に関する。
一般的なCMP(Chemical Mechanical Polishing)装置は、半導体ウェハ等の基板を研磨し、洗浄し、乾燥させるものである。すなわち、CMP装置は、基板研磨装置、基板洗浄装置及び基板乾燥装置を有している。
基板洗浄装置としては、例えばペン型洗浄具又はロール型洗浄具を用いて接触洗浄を行うもの(特許文献1)、2流体噴流により非接触洗浄を行うもの(特許文献2)、オゾン水を用いて洗浄を行うもの(特許文献3)等が知られている。
また、半導体ウェハ等の基板の表面を非接触で洗浄する洗浄する洗浄方式の一つとして、超音波処理された純水を基板の表面に噴射して表面を洗浄する、キャビテーションを利用した超音波洗浄が知られている(特許文献4参照)。
特開2015−65379号公報 特開2015−103647号公報 特開2014−117628号公報 特開2014−130882号公報
超音波洗浄を用いた場合には、超音波によって振動が発生することから、従前では予定していない課題が生じ得る。その一例としては、洗浄液に触れた部材が振動することで、細かなゴミ等が発生してしまうことがある。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、半導体ウェハ等の基板に超音波振動が付与された洗浄液を供給する際に、細かなゴミ等が発生することを防止することができる基板洗浄装置及び基板処理装置を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様による基板洗浄装置は、
洗浄液を供給する供給部と、
前記供給部から供給される洗浄液に超音波振動を与える振動部と、
前記供給部から供給された洗浄液を流出口から基板に供給する供給体と、を備え、
前記供給体が、前記供給部から供給された洗浄液が流入する流入口と、前記流入口から流入した洗浄液を第一案内路を介して前記流出口へと案内するとともに、前記流入口及び前記流出口とは異なる開口部を有する第一案内部と、前記第一案内路の少なくとも一部の周縁外方に前記第一案内部を介して設けられたシール部と、前記開口部を覆うとともに前記シール部と接触する閉鎖部と、を有し、
前記振動部によって発生される超音波振動は前記閉鎖部又は前記第一案内部を介して洗浄液に付与される。
本発明の第一の態様による基板洗浄装置において、
前記供給体は挟持用部材を有し、
前記閉鎖部は、前記第一案内部の周縁外方で前記基板側に突出した第一突出部を有し、
前記第一突出部は、その端部と前記挟持用部材との間で前記シール部を挟持してもよい。
本発明の第一の態様による基板洗浄装置において、
前記第一案内部は、前記基板と反対側に凹部又は切り欠きを有し、
前記凹部又は前記切り欠き内に前記シール部が位置し、
前記凹部又は前記切り欠きの少なくとも一部は前記閉鎖部で覆われてもよい。
本発明の第一の態様による基板洗浄装置において、
前記第一案内部は、前記基板と反対側の側面に凹部を有し、
前記閉鎖部は、前記第一案内部の周縁外方で前記基板側に突出した第一突出部を有し、
前記第一突出部の周縁内方に前記シール部の少なくとも一部が位置してもよい。
本発明の第一の態様による基板洗浄装置において、
前記振動部によって発生される超音波振動は前記閉鎖部を介して洗浄液に付与されてもよい。
本発明の第一の態様による基板洗浄装置において、
前記第一案内部は超音波振動を減衰させにくい材料からなってもよい。
本発明の第二の態様による基板洗浄装置は、
洗浄液を供給する供給部と、
前記供給部から供給される洗浄液に超音波振動を与える振動部と、
前記供給部から供給された洗浄液を流出口から基板に供給する供給体と、を備え、
前記供給体は、前記供給部から供給された洗浄液が流入する流入口と前記流出口とを有する第二案内部を有し、
前記第二案内部には、前記流入口及び前記流出口以外の開口が設けられておらず、
前記振動部によって発生される超音波振動は前記第二案内部を介して洗浄液に付与される。
本発明の第二の態様による基板洗浄装置において、
前記第二案内部は、超音波振動を減衰させにくい材料で一体成形されてもよい。
本発明の効果
本発明の第一の態様によれば、第一案内路の少なくとも一部の周縁外方に第一案内部を介してシール部が設けられ、閉鎖部が開口部を覆うとともにシール部と接触している。洗浄液に超音波振動を与えると、超音波振動によってシール部から細かなゴミ等が発生する可能性があるが、この態様を採用することで、シール部から細かなゴミ等が仮に発生しても、当該ゴミ等が第一案内路内の洗浄液に混入して基板に供給されることを防止できる。
本発明の第二の態様によれば、第二案内部に流入口及び流出口以外の開口が設けられていない。このため、洗浄液に接触する可能性のあるシール部がそもそも存在しない。したがって、洗浄液に超音波振動を与えても、シール部に由来する細かなゴミが洗浄液に混入して基板に供給されることがない。
図1は、本発明の第1の実施の形態による基板洗浄装置を含む基板処理装置の全体構成を示す上方平面図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態による基板洗浄装置の側方断面図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態で用いられる供給体の態様1を示した側方断面図である。 図4は、本発明の第1の実施の形態で用いられる供給体の態様2を示した側方断面図である。 図5は、本発明の第1の実施の形態で用いられる供給体の態様3を示した側方断面図である。 図6は、本発明の第1の実施の形態で用いられる供給体の態様4を示した側方断面図である。 図7は、本発明の第1の実施の形態で用いられる供給体の態様5を示した側方断面図である。 図8は、本発明の第1の実施の形態で用いられる供給体の態様6を示した側方断面図である。 図9は、本発明の第1の実施の形態で用いられる供給体の態様7を示した側方断面図である。 図10(a)−(c)は、本発明の第1の実施の形態で用いられる供給体が基板に対して傾斜する態様を示した図である。 図11は、本発明の第1の実施の形態で用いられる供給体が2つ設けられた態様を示した基板洗浄装置の側方断面図である。 図12は、本発明の第1の実施の形態で用いられる振動体が2つ設けられた態様を示した、供給体の上方平面図である。 図13は、本発明の第1の実施の形態で用いられる供給体が、ロール洗浄部材及び洗浄液を供給するノズルとともに用いられている態様を示した基板洗浄装置の側方断面図である。 図14は、本発明の第1の実施の形態で用いられる供給体が、ペンシル洗浄部材及び二流体ジェット洗浄部並びに洗浄液を供給するとともに用いられている態様を示した基板洗浄装置の側方断面図である。 図15は、本発明の第2の実施の形態で用いられる供給体を示した側方断面図である。 図16は、本発明の第2の実施の形態の変形例1で用いられる供給体を示した側方断面図である。 図17は、本発明の第2の実施の形態の変形例2で用いられる供給体を示した側方断面図である。
第1の実施の形態
《構成》
以下、本発明に係る基板洗浄装置を有する基板処理装置の第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図14は本発明の実施の形態を説明するための図である。
図1に示すように、基板処理装置は、略矩形状のハウジング110と、多数の基板Wをストックする基板カセットが載置されるロードポート112と、を有している。ロードポート112は、ハウジング110に隣接して配置されている。ロードポート112には、オープンカセット、SMIF(Standard Mechanical Interface)ポッド、又はFOUP(Front Opening Unified Pod)を搭載することができる。SMIFポッド、FOUPは、内部に基板カセットを収納し、隔壁で覆うことにより、外部空間とは独立した環境を保つことができる密閉容器である。基板Wとしては、例えば半導体ウェハ等を挙げることができる。
ハウジング110の内部には、複数(図1に示す態様では4つ)の研磨ユニット114a〜114dと、研磨後の基板Wを洗浄する第1洗浄ユニット116及び第2洗浄ユニット118と、洗浄後の基板Wを乾燥させる乾燥ユニット120とが収容されている。研磨ユニット114a〜114dは、基板処理装置の長手方向に沿って配列され、洗浄ユニット116、118及び乾燥ユニット120も基板処理装置の長手方向に沿って配列されている。本実施の形態の基板処理装置によれば、直径300mm又は450mmの半導体ウエハ、フラットパネル、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)等のイメージセンサ、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)における磁性膜の製造工程において、種々の基板を、研磨処理することができる。
ロードポート112、ロードポート112側に位置する研磨ユニット114a及び乾燥ユニット120に囲まれた領域には、第1搬送ロボット122が配置されている。また、研磨ユニット114a〜114d並びに洗浄ユニット116、118及び乾燥ユニット120と平行に、搬送ユニット124が配置されている。第1搬送ロボット122は、研磨前の基板Wをロードポート112から受け取って搬送ユニット124に受け渡したり、乾燥ユニット120から取り出された乾燥後の基板Wを搬送ユニット124から受け取ったりする。
第1洗浄ユニット116と第2洗浄ユニット118との間に、これら第1洗浄ユニット116と第2洗浄ユニット118の間で基板Wの受け渡しを行う第2搬送ロボット126が配置され、第2洗浄ユニット118と乾燥ユニット120との間に、これら第2洗浄ユニット118と乾燥ユニット120の間で基板Wの受け渡しを行う第3搬送ロボット128が配置されている。さらに、ハウジング110の内部には、基板処理装置の各機器の動きを制御する制御部50が配置されている。本実施の形態では、ハウジング110の内部に制御部50が配置されている態様を用いて説明するが、これに限られることはなく、ハウジング110の外部に制御部50が配置されてもよい。
第1洗浄ユニット116として、洗浄液の存在下で、基板Wの直径のほぼ全長にわたって直線状に延びるロール洗浄部材116a,116bを接触させ、基板Wに平行な中心軸周りに自転させながら基板Wの表面をスクラブ洗浄するロール洗浄装置が使用されてもよい(図13参照)。また、第2洗浄ユニット118として、洗浄液の存在下で、鉛直方向に延びる円柱状のペンシル洗浄部材118aの下端接触面を接触させ、ペンシル洗浄部材118aを自転させながら一方向に向けて移動させて、基板Wの表面をスクラブ洗浄するペンシル洗浄装置が使用されてもよい(図14参照)。また、乾燥ユニット120として、水平に回転する基板Wに向けて、移動する噴射ノズルからIPA蒸気を噴出して基板Wを乾燥させ、さらに基板Wを高速で回転させて遠心力によって基板Wを乾燥させるスピン乾燥ユニットが使用されてもよい。
なお、第1洗浄ユニット116としてロール洗浄装置ではなく、第2洗浄ユニット118と同様のペンシル洗浄装置を使用したり、二流体ジェットにより基板Wの表面を洗浄する二流体ジェット洗浄装置を使用したりしてもよい。また、第2洗浄ユニット118としてペンシル洗浄装置ではなく、第1洗浄ユニット116と同様のロール洗浄装置を使用したり、二流体ジェットにより基板Wの表面を洗浄する二流体ジェット洗浄装置を使用したりしてもよい。本発明の実施の形態の基板洗浄装置は、第1洗浄ユニット116にも第2洗浄ユニット118にも適用でき、ロール洗浄装置、ペンシル洗浄装置、及び/又は、二流体ジェット洗浄装置とともに用いることもできる。一例としては、図13で示すように、本実施の形態による供給体30(後述する)は、基板Wの第一表面(図13の上面)及び第二表面(図13の下面)を洗浄するロール洗浄部材116a,116b及び洗浄液を供給するノズル117とともに用いられてもよい。また、別の例としては、図14で示すように、本実施の形態による供給体30は、基板Wの第一表面(図14の上面)を洗浄するペンシル洗浄部材118a及び二流体ジェット洗浄部118b並びに洗浄液を供給するノズル117とともに用いられてもよい。
本実施の形態の洗浄液には、純水(DIW)等のリンス液と、アンモニア過酸化水素(SC1)、塩酸過酸化水素(SC2)、硫酸過酸化水素(SPM)、硫酸加水、フッ酸等の薬液が含まれている。本実施の形態で特に断りのない限り、洗浄液は、リンス液又は薬液のいずれかを意味している。
図2に示すように、本発明の実施の形態による基板洗浄装置は、基板Wを支持(保持)するチャック等の基板支持部70と、基板支持部70によって支持された基板Wを回転させる回転部60とを有している。そして、これら基板支持部70及び回転部60によって基板回転機構が構成されている。図2に示す態様では、基板支持部70が2つだけ示されているが、上方から見たときに、本実施の形態では4つの基板支持部70が均等に(回転中心を中心として90°の角度で)配置されている。なお、基板支持部の数は、基板Wを安定的に支持できればよく、例えば3つとしてもよい。なお、基板Wを支持する基板支持部70としては、スピンドル等も用いることができる。このようなスピンドルを用いた場合には、基板Wは回転されつつ支持されることになり、スピンドルが回転部としての機能も果たすことになる。なお、図2では、水平方向に基板Wを支持した例を示したが、これに限定されず、例えば、縦方向(鉛直方向)に基板Wを支持する構成としてもよい。基板Wの回転方向や回転数は制御部50に制御される。基板Wの回転数は一定でもよいし可変であってもよい。
洗浄液や超音波洗浄液が飛散するのを防止するために、基板支持部70の外側にあって基板Wの周囲を覆い、基板Wと同期して回転する回転カップ(図示せず)を設けてもよい。
図2に示すように、基板洗浄装置は、洗浄液を供給する供給部10を有している。図3乃至図9に示すように、基板洗浄装置は、供給部10から供給される洗浄液に超音波振動を与える振動部20と、供給部10から供給された洗浄液を流出口34から基板Wに供給する供給体30も有している。
図3乃至図9に示す供給体30は、本体部48と、供給部10から供給された洗浄液が流入する流入口33と、流入口33から流入した洗浄液を第一案内路31aを介して流出口34へと案内するとともに、流入口33及び流出口34とは異なる開口部35(図3乃至図9では上端に位置している。)を有する第一案内部31と、第一案内路31aの少なくとも一部の周縁外方に第一案内部31を介して設けられたOリング等からなるシール部45と、開口部35を覆うとともにシール部45と接触する閉鎖部40と、を有している。
図2に示すように、供給体30は、供給管15を介して供給部10に連結されている(具体的には、供給体30の開口部と、供給管15とが互いに連結されるが、これらの接続部分の詳細構成は、図2では省略している。)。この供給管15は可塑性を有していてもよく、後述するように供給体30が移動する際に追従するようになってもよい。閉鎖部40は、Ta、石英、PFA(ポリテトラフルオロエチレン)又はサファイアを含む材料から形成されてもよく、より具体的には、閉鎖部40は、Ta、石英、PFA又はサファイアから形成されてもよい。
本実施の形態では、供給体30が主に一つだけ用いられる態様を用いて説明するが、これに限られることはなく、供給体30は複数設けられてもよい(図11及び図12参照)。
振動部20によって発生される超音波振動は閉鎖部40及び/又は第一案内部31を介して洗浄液に付与されることになる。図3乃至図8に示される態様では、振動部20が閉鎖部40に当接して設けられ、振動部20によって発生される超音波振動は閉鎖部40を介して洗浄液に付与されるようになっている。このような態様に限られることはなく、図9に示すように、振動部20が第一案内部31に当接して設けられ、振動部20によって発生される超音波振動が第一案内部31を介して洗浄液に付与されるようになってもよい。なお、超音波振動を洗浄液により効率よく伝えるという観点からは、閉鎖部40に隣接して振動部20が設けられている方が有益であり、とりわけ、閉鎖部40に隣接して振動部20が設けられかつ閉鎖部40が石英又はサファイアからなることが有益である。
図3に示すように、閉鎖部40は、第一案内部31の周縁外方で基板W側(図3の下方側)に突出した第一突出部41を有してもよい。第一突出部41は、その端部と本体部48との間でシール部45が挟持されてもよい。より具体的には、図3に示すように、本体部48が挟持用部材49を有しており、第一突出部41の端部と挟持用部材49との間でシール部45が挟持されてもよい。
また、図4及び図5に示すように、第一案内部31は、基板Wと反対側(図3の下方側)の端部に切り欠き36を有してもよい。この場合には、切り欠き36内にシール部45が位置し、シール部45は第一案内路31aの少なくとも一部の周縁外方に、第一案内部31を介して設けられる態様になってもよい。この態様において、図4に示すように閉鎖部40は切り欠き36の全体を覆ってもよいし、図5に示すように閉鎖部40は切り欠き36の一部を覆ってもよい。
図6及び図7に示すように、第一案内部31は、基板Wと反対側の端部に凹部37を有してもよい。この場合には、凹部37内にシール部45が位置し、シール部45は第一案内路31aの少なくとも一部の周縁外方に、第一案内部31を介して設けられる態様になってもよい。この態様において、図6に示すように閉鎖部40は第一案内部31の端面(図6では上端面)に設けられ、第一案内部31の周縁外方に突出する第一突出部41を有してなくてもよいし、図7に示すように閉鎖部40は第一案内部31の周縁外方に突出する第一突出部41を有してもよい。
図8に示すように、第一案内部31は、基板Wと反対側の側面に凹部37を有してもよい。この場合には、凹部37内にシール部45が位置し、シール部45は第一案内路31aの少なくとも一部の周縁外方に、第一案内部31を介して設けられる態様になってもよい。この態様においては、閉鎖部40は第一案内部31の周縁外方で基板W側に突出する第一突出部41を有し、この第一突出部41の周縁内方にシール部45が位置してもよい。ここで「反対側の側面」とは、流入口33よりも基板Wの反対側(図8の上方側)を意味し、流入口33が側面に設けられていない態様では、第一案内部31の長手方向の中心よりも基板Wの反対側(図8の上方側)を意味する。
第一案内部31の材料としては例えば石英、ステンレス、サファイア、PFA等を用いることができる。とりわけ、石英及びサファイアは、超音波振動をより減衰させにくい材料となっている。このため、このような石英又はサファイアを用いることで、洗浄液に加えられた超音波振動が減衰されることを防止することができる。
図10(a)−(c)に示すように、供給体30が基板Wに対して傾斜可能となり、流出口34の基板Wに対する角度を自在に変えることができてもよい。例えば基板W上に洗浄液を貯めたい場合には、基板Wの回転方向と逆側に向かって洗浄液を供給するような角度で供給体30が基板Wに対して傾斜すればよい。他方、例えば抵抗を加えることなく基板W上に洗浄液を供給したい場合には、基板Wの回転方向に沿って洗浄液を供給するような角度で供給体30が基板Wに対して傾斜すればよい。なお、供給体30の基板Wに対する角度は、手動で変更されてもよいし、制御部50からの信号を受けて自動で変更されてもよい。制御部50からの信号を受けて自動で変更される場合には、供給体30の保持される角度がレシピに従って順次変更されるようになってもよい。
図11に示すように、供給体30が2つ以上設けられ、基板Wの表面及び裏面の両方に洗浄液を供給するようになっていてもよい。
図1に示す制御部50は、供給体30の移動速度を、供給体30が基板Wの中心側領域を洗浄するときと比較して、供給体30が基板Wの周縁側領域を洗浄するときに遅くなるに制御してもよい。なお、本実施の形態における「中心側領域」とは「周縁側領域」と比較して用いられており、「周縁側領域」と比較して基板Wの中心側に位置する領域のことを意味する。
また、制御部50は、供給部10から洗浄液が供給されてから第一時間経過後に振動部20の振動を開始させてもよい。また、制御部50は、供給部10から洗浄液が供給されてから第一時間よりも長い第二時間経過後に流出口34から基板Wに対して洗浄液の供給を開始させてもよい。この際、供給部10から洗浄液が供給されてから第一時間経過後は継続して洗浄液が供給され、第一時間よりも長く第二時間よりも短い第三時間経過後に供給体30が移動を開始し、供給部10から洗浄液が供給されてから第二時間経過後に、基板Wの周縁部に洗浄液が供給されてもよい。この態様では、その後、基板Wの周縁部から中心部に向かって継続して洗浄液が供給され続けることになる。このような態様とは異なり、基板Wの周縁部から中心部の上方に流出口34が移動する間は供給部10からの洗浄液の供給が停止され、流出口34が基板Wの中心部の上方に位置付けられた後で(第二時間経過後に)、流出口34から洗浄液が再度吐出されて、基板Wの中心部に洗浄液が供給されてもよい。基板Wを洗浄している間、第二延在部22が基板Wの中心部から周縁部に向かって移動してもよいし、逆に、第二延在部22が基板Wの周縁部から中心部に向かって移動してもよいし、このような移動が繰り返し行われてもよい。
なお、洗浄液を基板Wに供給する場合に、当該洗浄液に対して超音波振動が必ずしも常に与えられる分けではない。基板Wの上面に洗浄液の膜を作るための工程等のように洗浄液に超音波振動が与えられない場合には、超音波振動を行うことなく、基板Wに洗浄液を供給するのに先立って流出口34から洗浄液を吐出させることが行われてもよい。
基板洗浄装置は、図2に示すように、供給体30が待機位置にあるときに、待機位置にある流出口34から吐出された洗浄液を回収するための吐出液回収部75をさらに有してもよい。そして、供給体の流出口34から下方に吐出された洗浄液が、吐出液回収部75の上部に設けられた開口部へと供給されて回収される。この吐出液回収部75は排液回収部(図示せず)に連結されており、吐出液回収部75で回収された洗浄液は排液回収部に供給され、排液処理されることになる。
図2の両方向矢印で示すように、供給体30は基板Wの面方向(図2の左右方向)だけではなく、基板Wの法線方向(図2の上下方向)に移動可能となってもよい。この場合には、基板Wに洗浄液を供給する際に供給体30が近接位置に位置付けられ、基板Wに洗浄液を供給しないときには供給体30が離隔位置に位置付けられてもよい。なお、「離隔位置」は、「近接位置」と比較して基板Wから基板Wの法線方向において遠い位置のことを意味し、逆に、「近接位置」は「離隔位置」と比較して基板Wから基板Wの法線方向において近い位置のことを意味する。供給体30は図示しないアクチュエータに連結されており、このアクチュエータによって近接位置及び離隔位置に位置付けられるようになってもよい。
なお、基板支持部70が上下方向に移動可能となり、基板Wが供給体30に対して「離隔位置」及び「近接位置」を取るようになってもよいし、供給体30及び基板支持部70の両方が上下方向に移動可能となり、基板Wと供給体30の両方を適宜位置付けることで、「離隔位置」及び「近接位置」を取るようになってもよい。
特に、第一案内部31が石英等の超音波振動を減衰させにくい材料からなる場合であって、基板Wに洗浄液を供給するのに先立ち供給体30が近接位置に位置付けられる態様を採用した場合には、基板Wに洗浄液を供給する際に、基板Wに近い位置まで、超音波振動を減衰させにくい材料からなる第一案内部31で案内して、洗浄液を基板Wに供給することができる。
また、基板Wに対して洗浄液を供給する工程が終了すると、供給体30は離隔位置に位置付けられてもよい。このように供給体30を離隔位置に位置付けることで、供給体30又は供給管15に予期せぬ形で洗浄液やその他の液体等が付着することを防止できる。
また、基板Wに対して洗浄液を供給する工程が終了すると、供給体30は待機位置に位置付けられてもよい。そして、供給体30はこの待機位置において離隔位置に位置付けられてもよい。待機位置とは、例えば基板Wの法線方向に供給体30が位置しない位置を意味し、基板Wが水平方向に沿って延在するように配置されている態様では、基板Wの上下方向に供給体30が位置していないことを意味する。待機位置の一例としては、前述した吐出液回収部75に洗浄液を吐出できる位置を挙げることができる。
基板Wに洗浄液を供給するのに先立ち、供給部10から洗浄液を供給して、待機位置にある流出口34から例えば吐出液回収部75に向かって洗浄液を吐出させる場合には、近接位置に位置付けられてもよい。このように近接位置に位置付けることで、吐出された洗浄液が不用意に飛び散ることを防止できる。
供給体30は待機位置において離隔位置(上方位置)に位置付けられ、当該待機位置において近接位置(下方位置)に位置付けられてから、基板Wの上方で移動されてもよい。このように待機位置において離隔位置に位置付けられることで、供給体30に予期せぬ形で洗浄液やその他の液体等が付着することをより確実に防止できる。また、待機位置において近接位置(下方位置)に位置付けられてから移動させることで、基板W上を供給体30が移動する際に、基板Wに近い位置で洗浄液を供給することもでき、基板Wを効率よく洗浄することができる。
また、供給体30は待機位置において離隔位置(上方位置)に位置付けられ、その状態で基板Wの上方を移動され、基板Wの中心に流出口34が位置付けられた後で、供給体30が近接位置(下方位置)に位置付けられてもよい。このような態様によれば、基板Wの上方を供給体30が移動する際に、前工程の洗浄液やその他の液体等が供給体30に付着することを防止することを期待できる。
《作用・効果》
次に、上述した構成からなる本実施の形態による作用・効果であって、未だ説明していないものを中心に説明する。
図3乃至図9に示すように、本実施の形態では、第一案内路31aの少なくとも一部の周縁外方に第一案内部31を介してシール部45が設けられ、閉鎖部40が開口部35を覆うとともにシール部45と接触している。洗浄液に超音波振動を与えると、超音波振動によってシール部45から細かなゴミ等が発生する(超音波振動によってシール部45の一部が剥がれてゴミとなる)可能性があるが、この態様を採用することで、シール部45から細かなゴミ等が仮に発生しても、当該ゴミ等が第一案内路31a内の洗浄液に混入し難くなっていることから、当該基板Wに供給されることを防止できる。なお、シール部45と比較して閉鎖部40は強度の高い材料から形成されているので、超音波振動によって閉鎖部40の一部が剥がれてゴミとはなりにくい。
図3に示すように、閉鎖部40が周縁で基板W側に突出した第一突出部41を有し、第一突出部41の端部が第一案内部31の周縁外方に位置し、第一突出部41の端部と本体部48の挟持用部材49との間でシール部45が挟持される態様を採用した場合には、仮に閉鎖部40を伝って洗浄液がシール部45まで到達したとしても、シール部45が第一案内部31の周縁外方に位置していることから、シール部45から発生したゴミが第一案内部31内の洗浄液に漏れ出すことはまずない。このため、洗浄液にゴミが混ざることをより確実に防止できる。
特に図3に示すように、閉鎖部40に隣接して振動部20が設けられており、閉鎖部40が振動する態様となっている場合には、閉鎖部40と第一案内部31との間に形成される隙間から洗浄液が第一案内部31の周縁外方に到達することがあるので、前述したように、第一突出部41の端部が第一案内部31の周縁外方に位置し、第一突出部41の端部と本体部48との間でシール部45が挟持される態様を採用することは特に有益である。
図4及び図5に示すように、第一案内部31が基板Wと反対側の端部に切り欠き36を有し、切り欠き36内にシール部45が位置し、シール部45が第一案内路31aの少なくとも一部の周縁外方に第一案内部31を介して設けられる態様を採用した場合にも、仮に閉鎖部40を伝って洗浄液がシール部45まで到達したとしても、シール部45が第一案内部31の周縁外方に位置していることから、シール部45から発生したゴミが第一案内部31内の洗浄液に漏れ出すことはまずない。但し、この態様では、第一案内路31aを案内される洗浄液とシール部45との間の距離が近いうえ、シール部45が第一案内部31の上端に設けられることから、図3に示した態様の方が、ゴミが洗浄液に混ざり難いという点では有益である。
図6及び図7に示すように、第一案内部31が基板Wと反対側の端部に凹部37を有し、凹部37内にシール部45が位置し、シール部45は第一案内路31aの少なくとも一部の周縁外方に、第一案内部31を介して設けられる態様を採用した場合にも、仮に閉鎖部40を伝って洗浄液がシール部45まで到達したとしても、シール部45が第一案内部31の周縁外方に位置していることから、シール部45から発生したゴミが第一案内部31内の洗浄液に漏れ出すことはまずない。但し、この態様でも、第一案内路31aを案内される洗浄液とシール部45との間の距離が近いうえ、シール部45が第一案内部31の上端に設けられることから、図3に示した態様の方が、ゴミが洗浄液に混ざり難いという点では有益である。
図8に示すように、第一案内部31が基板Wと反対側の側面に凹部37を有し、凹部37内にシール部45が位置し、シール部45は第一案内路31aの少なくとも一部の周縁外方に、第一案内部31を介して設けられる態様となっている態様を採用した場合にも、仮に閉鎖部40を伝って洗浄液がシール部45まで到達したとしても、シール部45が第一案内部31の周縁外方に位置していることから、シール部45から発生したゴミが第一案内部31内の洗浄液に漏れ出すことはまずない。この態様によれば、図3に示した態様と同程度に、ゴミが洗浄液に混ざり難いという効果を得ることができる。
基板Wに洗浄液を供給するのに先立ち、供給部10から洗浄液を供給させ、待機位置にある流出口34から洗浄液を吐出させる態様を採用した場合には、酸素等が入ってしまい洗浄効果の低い洗浄液を排出し、窒素等が入った洗浄効果の高い洗浄液に超音波振動を与えて基板Wの洗浄に用いることができる。また、超音波が十分に与えられておらず洗浄効果の高くない洗浄液ではなく、超音波が十分に与えられて高い洗浄効果を有する洗浄液で基板Wを洗浄することができる。また、酸素等が入ってしまい超音波が十分に与えられていない洗浄液で基板Wを洗浄した場合には、不具合が発生してしまう可能性もあるが、この態様を採用することで、このような不具合の発生を未然に防止することができる。また、基板Wの洗浄開始時点から均一な洗浄力の洗浄液で基板Wを洗浄することができ、安定した基板洗浄を実現できる。
供給体30の移動速度が、流出口34が基板Wの中心側領域を洗浄するときと比較して、流出口34が基板Wの周縁側領域を洗浄するときに遅くなる態様を採用した場合には、基板Wの外周側に対して内周側と比較して多くの洗浄液を供給することができる。基板Wの外周側において洗浄液で洗浄されるべき面積は、基板Wの内周側において洗浄液で洗浄されるべき面積と比較して大きくなっていることから、このような態様を採用することで基板Wの単位面積あたりに供給される洗浄液の量を均一なものに近づけることができる。
回転される基板Wの中心からの距離をrとしたときに、当該距離rにおける円弧の長さは2πrとなる。このため、この2πrに基づいて、供給体30の移動速度を算出し、当該移動速度に基づいて供給体30を移動させてもよい。このような態様ではなく、単純に、基板Wの中心部から周縁部に向かって移動する間、連続的又は断続的に供給体30の移動速度を遅くし、逆に、基板Wの周縁部から中心部に向かって移動する間、連続的又は断続的に供給体30の移動速度を速くしてもよい。このような態様によれば、制御が複雑にならない点で有益である。
供給部10から洗浄液が供給されてから第一時間経過後に振動部20の振動を開始させる態様を採用した場合には、洗浄液が存在しない状態(いわゆる空焚きの状態)で振動部20を振動させて、振動部20が破損してしまうことを防止することができる。つまり、第一案内部31内に空気等が洗浄液内に入り込んで行ってしまい、振動部20と対向する部分(図3乃至図8では第一案内部31の上端)に洗浄液が存在しない状態が生じることがある。この点、前述した態様を採用した場合には、振動部20を振動させる前に洗浄液が供給されるので、洗浄液が存在しない状態(いわゆる空焚きの状態)で振動部20を振動させて、振動部20が破損してしまうことを防止することができる。
一例として、第一時間は例えば0.1秒〜1秒程度である。第一時間に関しては、振動部20と対向する部分に洗浄液が存在しない状態が防止できればよいので、そこまで長い時間をとる必要はない。
なお、第一案内部31内にある洗浄液を吐出液回収部75等に吐出する際には、振動部20を振動させなくてもよい。ただ、第一案内部31内にある洗浄液を吐出液回収部75等に吐出する際に振動部20を予め振動させておくことで、超音波振動が与えられた洗浄液で第一案内部31内を予め洗浄することができる点で有益である。また、予め超音波振動を与えることで、第一案内部31内の洗浄液に十分な超音波振動を予め与えることができ(十分なエネルギーを蓄えることができ)、基板Wに洗浄する際に、最初から十分に洗浄力の高い洗浄液を供給することができる。
また、供給部10から洗浄液が供給されてから、第一時間よりも長い第二時間経過後に流出口34から基板Wに対して洗浄液の供給を開始させる態様を採用した場合には、より確実に、高い洗浄効果を有する洗浄液で基板Wを洗浄することができる。なお、第二時間は、一例として、第一案内部31内にある洗浄液が全て出る程度の時間である。この第二時間は、第一案内部31内の体積と洗浄液が供給される供給速度から算出されてもよいし、実験的に導き出されてもよい。第二時間は例えば数秒〜5秒程度である。
待機位置にある流出口34から吐出された洗浄液を回収するための吐出液回収部75を設けた態様を採用した場合には、洗浄に用いられない吐出された洗浄液を確実に回収することができる。このため、流出口34から吐出された洗浄液が跳ね返ってミストとなって、基板Wに悪影響を及ぼす可能性を未然に低減できる。
また、液体及び気体を混合した二流体によって基板Wの表面を洗浄する二流体ジェット洗浄装置に本実施の形態の基板洗浄装置が組み込まれた態様では(図14参照)、例えば、二流体ジェット洗浄工程の前に、本実施の形態の供給体30によって基板Wの洗浄を行ってもよい。このような態様によれば、超音波が与えられた洗浄液のキャビテーション効果によって、基板Wに付着した粒子を浮かせたうえで、二流体ジェット洗浄を行うことができる点で有益である。なお、キャビテーション効果とは、超音波により洗浄液に生じた気泡が破裂することにより生じた衝撃波を利用した洗浄効果である。
変形例
振動部20は、第一周波数及び第一周波数よりも低い第二周波数で振動して、洗浄液に超音波振動を与える態様となってもよい。また、3つ以上の周波数で洗浄液に超音波振動を与える態様となってもよい。
本変形例によれば、異なる周波数で洗浄液に超音波振動を与えることができる。このため、用途に応じて、洗浄液による洗浄力を変えることができる。
一つの振動部20が異なる周波数で振動してもよいが、図12に示すように、振動部20が、第一周波数で振動する第一振動部20aと、第一周波数よりも低い第二周波数で振動する第二振動部20bとを有してもよい。このような態様によれば、簡単な構成で異なる周波数の超音波振動を与えることができる点で有益である。
図12に示すように、第一振動部20aは、この第一振動部20aに信号を送る第一発信器21aと電気的に接続されてもよい。同様に、第二振動部20bは、この第二振動部20bに信号を送る第二発信器21bと電気的に接続されてもよい。
図12に示す態様では、供給体30が、筐体30'によって保持された第一供給体30a及び第二供給体30bを有している。そして、第一供給体30aが第一発信器21aに接続された第一振動部20aを有し、第二供給体30bが第二発信器21bに接続された第二振動部20bを有している。図12に示す態様では、筐体30'が移動することで、第一供給体30a及び第二供給体30bが移動することになるが、第一供給体30aと第二供給体30bとが別々に移動する態様であってもよい。洗浄液が基板Wに衝突すると超音波振動が減衰することから、異なる周波数の洗浄液を同時に使用しても、異なる周波数を提供することによる効果はあまり変わらない。このため、異なる周波数の洗浄液を同時に使用することもできる。
本実施の形態では、第一周波数が900kHz以上5MHz以下となり、第二周波数が900kHz未満となってもよい。900kHz以上の周波数で振動させた場合には、振動幅が小さいので、比較的小さな不純物を除去することができ、またキャビテーションの効果が小さくなるので基板Wに加わる負荷を小さくすることができる。他方、900kHz未満の周波数で振動させた場合には、振動幅が大きいので、比較的大きな不純物を除去することができる。第一周波数と第二周波数との差が小さいと効果の差も小さい。このため、一例として、第一周波数と第二周波数との差が500kHz程であってもよく、例えば第一周波数として950kHzを用い、第二周波数として430kHzを用いることもできる。また、これに限られることはなく、例えば第一周波数として950kHzを用い、第二周波数として750kHzを用いることができる。
このような態様を採用した場合であって、本実施の形態の基板洗浄装置をペンシル洗浄装置とともに採用した場合には(図14参照)、(1)第二周波数で洗浄液に超音波振動を与えて基板Wを洗浄し、(2)その後で、ペンシル洗浄部材118aを用いて基板Wを洗浄し、(3)その後で、第一周波数で洗浄液に超音波振動を与えて基板Wを洗浄するようにしてもよい。このような態様によれば、まず、第二周波数で超音波振動を与えられた洗浄液で大きな不純物を除去し、その後でペンシル洗浄部材118aによる洗浄を行い、仕上げとして第一周波数で超音波振動を与えられた洗浄液で小さな不純物を除去することができる。このため、ペンシル洗浄部材118aにかかる負荷を従前と比べて低減することができ、ひいては、ペンシル洗浄部材118aの寿命を長くすることができる。
また、別の態様として、(1)ペンシル洗浄部材118aを用いて基板Wを洗浄し、(1)その後で、第二周波数で洗浄液に超音波振動を与えて基板Wを洗浄し、(3)その後で、第一周波数で洗浄液に超音波振動を与えて基板Wを洗浄するようにしてもよい。このような態様でも、上述したのと同様の理由から、ペンシル洗浄部材118aにかかる負荷を従前と比べて低減することができ、ひいては、ペンシル洗浄部材118aの寿命を長くすることができる。
第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態では、図15に示すように、供給体30は、供給部10から供給された洗浄液が流入する流入口33と、流入口33から流入した洗浄液を基板Wに供給するための流出口34とを有する第二案内部39を有している。第二案内部39には、流入口33及び流出口34以外の開口が設けられていない。この第2の実施の形態では、第1の実施の形態のような開口部35及び開口部35を覆うとともにシール部45と接触するようにされた別部材としての閉鎖部40が設けられていない。その代わりに、第二案内部39は、流出口34の反対側を閉塞する端部39bを有し、端部39bと振動部20とが当接している。振動部20によって発生される超音波振動は第二案内部39の端部39bを介して洗浄液に付与される態様となっている。なお、図15の態様では、供給管15の上側内面と端部39bの内面が同一高さになっているので、端部39bの近傍に空気が残留して空焚きの状態になることをより確実に防ぐことができる。また、図16に示すように、緩衝部材45aを振動部20の周縁外方に設けてもよい。緩衝部材45aとしては、第1の実施の形態で用いたシール部45のようなものを用いてもよい。
また、図17に示すように、接液部を一体構造にし、振動部20が本体部48に接着された一体構造としたものとしてもよい。そして、本体部48と別体に設けられた蓋部48aを、振動部20が接着された本体部48に押し付けることで、蓋部48aと本体部48との間でOリング等のシール部45bを挟み込んでもよい。この態様では、振動部20の周縁外方で本体部48とOリング等のシール部45bが接触されており、振動部20の外周には空間が設けられていたり、シリコンや発泡剤等が設けられて空間変位に対して追従できるようになっていたりしてもよい。
本実施の形態の第二案内部39は超音波振動を減衰させにくい材料で一体成形されてもよい。
第2の実施の形態において、その他の構成は、第1の実施の形態と略同一の態様となっている。このため、本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
本実施の形態によれば、第二案内部39に流入口33及び流出口34以外の開口が設けられていない。このため、洗浄液に接触する可能性のあるシール部45がそもそも存在しないことから、したがって、洗浄液に超音波振動を与えても、シール部45に由来する細かなゴミが洗浄液に混入して基板に供給されることがない。
また、第二案内部39が超音波振動を減衰させにくい材料で一体成形されている場合には、洗浄液中の超音波振動が第二案内部39で減衰することを極力防止して、洗浄液を基板Wに供給できる。
なお、振動部20から発生する超音波振動を洗浄液により効率よく伝えるという観点からは、第1の実施の形態のように、閉鎖部40を利用し、この閉鎖部40に隣接するようにして振動部20が設けられる方が有益である。
上述した各実施の形態の記載、変形例及び図面の開示は、特許請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎず、上述した実施の形態の記載又は図面の開示によって特許請求の範囲に記載された発明が限定されることはない。
上記では、表面が研磨処理された基板Wの表面全体を洗浄する態様を用いて説明したが、これに限られることはなく、例えば、べベル部が研磨された基板Wを洗浄するためにベベル研磨装置に搭載される洗浄装置、裏面が研磨された基板Wを洗浄するために裏面研磨装置に搭載される洗浄装置、あるいは、研磨装置やめっき装置に搭載されるスピン乾燥(SRD)装置等にも用いることもできる。
10 供給部
20 振動部
20a 第一振動部
20b 第二振動部
30 供給体
31 第一案内部
31a 第一案内路
34 流出口
35 開口部
36 切り欠き
37 凹部
39 第二案内部
40 閉鎖部
41 第一突出部
45 シール部
48 本体部
50 制御部
75 吐出液回収部

Claims (8)

  1. 洗浄液を供給する供給部と、
    前記供給部から供給される洗浄液に超音波振動を与える振動部と、
    前記供給部から供給された洗浄液を流出口から基板に供給する供給体と、を備え、
    前記供給体は、前記供給部から供給された洗浄液が流入する流入口と、前記流入口から流入した洗浄液を第一案内路を介して前記流出口へと案内するとともに、前記流入口及び前記流出口とは異なる開口部を有する第一案内部と、前記第一案内路の少なくとも一部の周縁外方に前記第一案内部を介して設けられたシール部と、前記開口部を覆うとともに前記シール部と接触する閉鎖部と、を有し、
    前記振動部によって発生される超音波振動は前記閉鎖部又は前記第一案内部を介して洗浄液に付与されることを特徴とする基板洗浄装置。
  2. 前記供給体は挟持用部材を有し、
    前記閉鎖部は、前記第一案内部の周縁外方で前記基板側に突出した第一突出部を有し、
    前記第一突出部は、その端部と前記挟持用部材との間で前記シール部を挟持することを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄装置。
  3. 前記第一案内部は、前記基板と反対側に凹部又は切り欠きを有し、
    前記凹部又は前記切り欠き内に前記シール部が位置し、
    前記凹部又は前記切り欠きの少なくとも一部は前記閉鎖部で覆われていることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の基板洗浄装置。
  4. 前記第一案内部は、前記基板と反対側の側面に凹部を有し、
    前記閉鎖部は、前記第一案内部の周縁外方で前記基板側に突出した第一突出部を有し、
    前記第一突出部の周縁内方に前記シール部の少なくとも一部が位置することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基板洗浄装置。
  5. 前記振動部によって発生される超音波振動は前記閉鎖部を介して洗浄液に付与されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の基板洗浄装置。
  6. 前記第一案内部は超音波振動を減衰させにくい材料からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の基板洗浄装置。
  7. 洗浄液を供給する供給部と、
    前記供給部から供給される洗浄液に超音波振動を与える振動部と、
    前記供給部から供給された洗浄液を流出口から基板に供給する供給体と、を備え、
    前記供給体は、前記供給部から供給された洗浄液が流入する流入口と前記流出口とを有する第二案内部を有し、
    前記第二案内部には、前記流入口及び前記流出口以外の開口が設けられておらず、
    前記振動部によって発生される超音波振動は前記第二案内部を介して洗浄液に付与されることを特徴とする基板洗浄装置。
  8. 前記第二案内部は、超音波振動を減衰させにくい材料で一体成形されていることを特徴とする請求項7に記載の基板洗浄装置。
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