JP2017183275A - 燃料電池システム、燃料電池システムの異常検知方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】水素センサの出力を基に、水素センサ及び換気ユニットの異常検知ができる燃料電池システム、燃料電池システムの異常検知方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】水素パージ処理において、水素センサの検出信号に基づいて、水素センサ及び換気ユニットの異常を検知する。希釈室内にアノードオフガス出口と水素センサとを配置し、水素パージ工程において、水素センサにより検出される水素濃度が第1濃度閾値を越えない場合は、水素センサの異常と判断し、水素濃度が第1濃度閾値以上となった後に所定時間内に第1濃度閾値を下回らない場合には、換気ユニットの異常と判断する。これにより、水素センサの検出信号のみで水素センサ及び換気ユニットの異常の有無を判断することができるので、換気ユニットの異常を検知するための専用センサを省略でき、センサの数を減らすことができる。
【選択図】 図6
【解決手段】水素パージ処理において、水素センサの検出信号に基づいて、水素センサ及び換気ユニットの異常を検知する。希釈室内にアノードオフガス出口と水素センサとを配置し、水素パージ工程において、水素センサにより検出される水素濃度が第1濃度閾値を越えない場合は、水素センサの異常と判断し、水素濃度が第1濃度閾値以上となった後に所定時間内に第1濃度閾値を下回らない場合には、換気ユニットの異常と判断する。これにより、水素センサの検出信号のみで水素センサ及び換気ユニットの異常の有無を判断することができるので、換気ユニットの異常を検知するための専用センサを省略でき、センサの数を減らすことができる。
【選択図】 図6
Description
本発明は、水素センサ及び換気ユニットの異常検知処理を実行する制御部を備える燃料電池システム、燃料電池システムの異常検知方法、及びコンピュータに異常検知処理を実行させるためのコンピュータプログラムに関する。
従来の燃料電池システムの一例として、特許文献1に記載の燃料電池発電システムには、パッケージ内部を換気する換気ファンと、換気ファンの動作状態を検知する換気センサとが備えられている。このシステムにおいて、換気ファンの動作状態を変えて換気センサの出力を検知することにより、換気ファンまたは換気センサの異常の有無が判断される。また、特許文献1に記載の燃料電池発電システムには、パッケージ内部の可燃ガスの濃度を検知する可燃ガスセンサが備えられている。
また、特許文献2には、燃料電池のアノードから排出されるアノードオフガスを所定のタイミングで水素検出手段の検出部に供給し、水素検出手段の異常判定を行う判定装置が提案されている。
しかしながら、装置に様々なセンサを搭載して異常検知をすれば安全性は高まるが、センサの種類を増やすことにより装置のコストアップの要因となってしまうという問題がある。コストアップを防ぐ為には、異常検知の機能は維持しつつ、なるべくセンサの数を減らす必要がある。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、センサの数を減らすことができる燃料電池システム、燃料電池システムの異常検知方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池本体と、前記燃料電池本体を収納し、換気出口を有する筐体と、前記燃料電池本体から排出されるアノードオフガスを前記換気出口に向けて送出し、アノードオフガス出口を有するアノードオフガス配管と、前記アノードオフガス配管を開閉する開閉弁と、前記開閉弁が開放されることにより前記アノードオフガス配管により送出されるアノードオフガスを前記換気出口から前記筐体の外部へ排出する換気ユニットであって、少なくとも換気ファンを含む換気ユニットと、前記アノードオフガス出口と前記換気出口との間に配置され、前記筐体内の水素濃度を検出する水素センサと、前記開閉弁と、前記換気ファンとを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記開閉弁が開放される際に、前記水素濃度、または前記水素センサからの検出信号によって定められる濃度検出時間に基づき、前記水素センサに異常が発生しているか否かを判断すると共に、前記換気ユニットに異常が発生しているか否かを判断する異常検知処理を実行するように構成されており、前記濃度検出時間は、前記水素濃度が第1濃度閾値以上である時間であることを特徴とする。
本発明に係る異常検知方法は、燃料電池本体と、前記燃料電池本体を収納し、換気出口を有する筐体と、前記燃料電池本体から排出されるアノードオフガスを前記換気出口に向けて送出し、アノードオフガス出口を有するアノードオフガス配管と、前記アノードオフガス配管を開閉する開閉弁と、前記開閉弁が開放されることにより前記アノードオフガス配管により送出されるアノードオフガスを前記換気出口から前記筐体の外部へ排出する換気ユニットであって、少なくとも換気ファンを含む換気ユニットと、前記アノードオフガス出口と前記換気出口との間に配置され、前記筐体内の水素濃度を検出する水素センサと、前記開閉弁と、前記換気ファンとを制御する制御部と、を備える燃料電池システムの異常検知方法であって、前記開閉弁が開放される際に、前記水素濃度、または前記水素センサからの検出信号によって定められる濃度検出時間に基づき、前記水素センサに異常が発生しているか否かを判断すると共に、前記換気ユニットに異常が発生しているか否かを判断し、前記濃度検出時間は、前記水素濃度が第1濃度閾値以上である時間であることを特徴とする。
本発明に係るコンピュータプログラムは、燃料電池本体と、前記燃料電池本体を収納し、換気出口を有する筐体と、前記燃料電池本体から排出されるアノードオフガスを前記換気出口に向けて送出し、アノードオフガス出口を有するアノードオフガス配管と、前記アノードオフガス配管を開閉する開閉弁と、前記開閉弁が開放されることにより前記アノードオフガス配管により送出されるアノードオフガスを前記換気出口から前記筐体の外部へ排出する換気ユニットであって、少なくとも換気ファンを含む換気ユニットと、前記アノードオフガス出口と前記換気出口との間に配置され、前記筐体内の水素濃度を検出する水素センサと、前記開閉弁と、前記換気ファンとを制御する制御部と、を備える燃料電池システムを制御するコンピュータに、前記開閉弁が開放される際に、前記水素濃度、または前記水素センサからの検出信号によって定められる濃度検出時間に基づき、前記水素センサに異常が発生しているか否かを判断すると共に、前記換気ユニットに異常が発生しているか否かを判断する処理を実行させ、前記濃度検出時間は、前記水素濃度が第1濃度閾値以上である時間であることを特徴とする。
本発明によれば、水素センサにより検出される水素濃度、または水素センサからの検出信号によって定められる濃度検出時間に基づき、水素センサ及び換気ユニットの異常を検知できる。このため、換気ユニットの異常を検知するための専用センサを省略することができる。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、燃料電池システム1は筐体2を備える。筐体2は燃料電池本体3を内蔵し、側面に換気入口4と換気出口5とを備える。
燃料電池本体3は、内部に固体高分子型の燃料電池スタックを備える。燃料電池本体3においては、図示しない水素供給装置から燃料電池スタックのアノード極に水素が供給され、同じく図示しないコンプレッサ等の空気供給装置により燃料電池スタックのカソード極に酸素を含む空気が供給される。燃料電池本体3に水素と酸素とが供給されることにより、両極間で電気化学反応が生じ、起電力が発生する。水素供給装置及び空気供給装置については特許文献2等により公知であるので、詳細な説明は省略する。
燃料電池システム1は、換気ファン6を備える。換気ファン6の駆動によって、換気入口4を通して外部から空気が導入され、換気出口5を通して外部に空気が排出され、筐体2内部が換気される。筐体2内部が換気されることにより、燃料電池システム1内の各部が冷却される。また、万が一燃料電池システム1内のいずれかの箇所から水素が漏洩した場合であっても、換気ファン6によって水素は安全に外部へ排出されるように構成されている。
換気入口4と換気出口5とは、それぞれ筐体2の反対側の側面に配置される。換気入口4と換気出口5とは、筐体2内を効率良く換気できるよう、互いになるべく離れた位置に配置されることが好ましい。また、水素の比重は空気よりも軽い為、換気出口5は筐体2の側面においてなるべく高い位置に配置されることが好ましい。
換気入口4には、換気フィルタ7が配置される。換気ファン6及び換気フィルタ7は、換気ユニット60を形成している。換気フィルタ7は、換気入口4の開口部を覆うように配置される。換気フィルタ7は、換気入口4から吸入される空気に含まれる異物を除去する。換気フィルタ7は、使用者により交換または清掃可能な構成であることが好ましい。
筐体2内における空気の流れ方向において、換気出口5の上流側には、希釈室8が設けられる。換気ファン6によって筐体2内を通過した空気は、希釈室8内を通過して換気出口5から外部に排出される。希釈室8は入口と出口とを備え、希釈室8の入口には換気ファン6が配置され、希釈室8の出口は換気出口5に接続される。本実施形態では換気ファン6は希釈室8の入口に配置されるが、換気ファン6は筐体2内を換気できるように配置されていれば良く、例えば換気入口4付近、または換気出口5付近に配置されていても良い。
燃料電池システム1は水素循環型の燃料電池である。燃料電池本体3は、水素を含むアノードオフガスが通流するアノードオフガス配管9を備える。アノードオフガス配管9は、開閉弁10と、アノードオフガスが排出されるアノードオフガス出口11とを備える。水素循環型の燃料電池については特許文献2等により公知であるので、詳細な説明は省略する。
アノードオフガス出口11は、希釈室8内に配置される。希釈室8内には、水素を検出する水素センサ12が配置される。水素センサ12は、アノードオフガス出口11と換気出口5との間に配置される。また、水素の比重は空気よりも軽い為、水素センサ12は、希釈室8内のなるべく高い位置に配置されることが好ましい。
燃料電池システム1は、制御部20と報知部21とを備える。制御部20は電気配線を介して、燃料電池本体3、換気ファン6、開閉弁10、水素センサ12、及び報知部21に接続される。制御部20は換気ファン6及び開閉弁10の動作を制御する。なお、制御部20と各構成部との接続は、本実施形態の説明において必要な部分のみ示している。
図2は、制御部20の構成を示す構成図である。制御部20は、制御部20の各構成部の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)22を備え、CPU22には、バスを介して、ROM23、RAM24、及び計時部25が接続される。ROM23は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等の不揮発性メモリであり、燃料電池システム1の運転プログラム26と、本実施形態における異常検知プログラム27とを記憶している。
また、異常検知プログラム27が、コンピュータで読み取り可能に記録された可搬式メディアであるCD(Compact Disc)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、ハードディスクドライブ又はソリッドステートドライブ等の記録媒体に記録されており、CPU22が記録媒体から、異常検知プログラム27を読み出し、ROM23に記憶させてもよい。さらに、通信網に接続されている図示しない外部コンピュータから本実施形態における異常検知プログラム27を取得し、ROM23に記憶させることにしてもよい。
RAM24は、DRAM(Dynamic RAM)、SRAM(Static RAM)等のメモリであり、CPU22の演算処理を実行する際にROM23から読み出された運転プログラム26、異常検知プログラム27、及びCPU22の演算処理によって生ずる各種データを一時記憶する。計時部25は、後述するように水素センサ反応時間と水素センサON時間とを計測する。
水素センサ12は、検出される水素濃度に応じた検出信号をCPU22に送信する。水素センサ12は、検出される水素濃度が閾値B以上である場合に、第1の信号であるS1信号をCPU22に送信し、検出される水素濃度が閾値A以上である場合に、第2の信号であるS2信号をCPU22に送信し、検出される水素濃度が閾値B未満である場合に、OFF信号をCPU22に送信する。
ここで、閾値Aは、換気出口5から排出される空気に含まれる水素濃度を、爆発の危険が無いように監視するための値である。閾値Aは、水素の爆発下限界以下の値である。また、閾値Bは、閾値Aより低い値であり、アノードオフガスに含まれる水素濃度を考慮して、事前に実験等により定められる。
<水素パージ>
燃料電池システム1の発電時において、CPU22により開閉弁10が開放されることで、アノードオフガス出口11からアノードオフガスが排出される(以下、水素パージと呼ぶ)。アノードオフガスは換気ファン6によって換気入口4から吸引される空気により、希釈室8内で所定の水素濃度に希釈され、換気出口5から排出される。CPU22は、燃料電池システム1の発電状態に応じて、所定の時間毎に水素パージを実行する。また、CPU22は、図示しないスイッチ等により使用者から水素パージ開始の指示を受け付けた場合に、水素パージを実行するようにしても良い。
燃料電池システム1の発電時において、CPU22により開閉弁10が開放されることで、アノードオフガス出口11からアノードオフガスが排出される(以下、水素パージと呼ぶ)。アノードオフガスは換気ファン6によって換気入口4から吸引される空気により、希釈室8内で所定の水素濃度に希釈され、換気出口5から排出される。CPU22は、燃料電池システム1の発電状態に応じて、所定の時間毎に水素パージを実行する。また、CPU22は、図示しないスイッチ等により使用者から水素パージ開始の指示を受け付けた場合に、水素パージを実行するようにしても良い。
以上のように構成された燃料電池システム1においては、CPU22が運転プログラム26を読み出して、燃料電池システム1の発電を実行する。以下、燃料電池システム1の異常検知プログラム27に係る水素センサ12、換気ファン6、及び換気フィルタ7の異常検知処理を説明する。本実施形態においては、燃料電池システム1の運転中に定期的に水素パージが実行されることによってアノードオフガスが排出され、希釈室8内で希釈されたアノードオフガスが水素センサ12を通過したときの、水素センサ12から送信される検出信号に基づいて、水素センサ12、換気ファン6、及び換気フィルタ7が正常であるか否かが判断されるようにした。
<水素漏洩検知>
制御部20のCPU22はROM23から異常検知プログラム27を読み出して、水素漏洩検知処理及び異常検知処理を実行する。
制御部20のCPU22はROM23から異常検知プログラム27を読み出して、水素漏洩検知処理及び異常検知処理を実行する。
図3は、第1実施形態における水素漏洩検知処理を示すフローチャートである。CPU22は、燃料電池システム1の発電中及び待機中において水素漏洩検知処理を実行する。まず、CPU22は、水素センサ12からS2信号を受信したか否かを判断する(S1)。CPU22は、水素センサ12からS2信号を受信したと判断した場合(S1:YES)、水素漏洩(異常モードC)と判断し、報知部21により異常を報知し(S2)、燃料電池システム1を停止させ(S3)、水素漏洩検知処理を終了する。
つまり、CPU22は、換気出口5から排出される空気に含まれる水素濃度が閾値A以上となった場合には、速やかに燃料電池システム1を停止する。CPU22は、燃料電池システム1の発電中及び待機中において常に水素漏洩の有無を監視する。
CPU22は、ステップS1において水素センサ12からS2信号を受信していないと判断した場合(S1:NO)、水素センサ12からS1信号を受信したか否かを判断する(S4)。CPU22は、水素センサ12からS1信号を受信していないと判断した場合(S4:NO)、処理をステップS1に戻す。
CPU22は、ステップS4において水素センサ12からS1信号を受信したと判断した場合(S4:YES)、異常検知実行中フラグが「1」であるか否かを判断する(S5)。CPU22は、異常検知実行中フラグが「1」であると判断した場合(S5:YES)、処理をステップS1に戻す。CPU22は、異常検知実行中フラグが「1」でないと判断した場合(S5:NO)、処理をステップS2に進める。
つまり、水素センサ12により検出される水素濃度が閾値B以上であり、かつ閾値A未満である場合、CPU22は、後述する異常検知処理を実行している間は水素漏洩とは判断せずに異常検知処理を続行し、異常検知処理を実行していないときには水素漏洩と判断し燃料電池システム1を停止する。
<異常検知>
図4及び図5は、第1実施形態の水素パージ工程における異常検知処理を示すフローチャートである。CPU22は、水素パージが実行されるときに、異常検知処理を実行する。尚、CPU22は、異常検知処理を実行している間も水素漏洩検知処理を実行する。
図4及び図5は、第1実施形態の水素パージ工程における異常検知処理を示すフローチャートである。CPU22は、水素パージが実行されるときに、異常検知処理を実行する。尚、CPU22は、異常検知処理を実行している間も水素漏洩検知処理を実行する。
まずCPU22は、異常検知実行中フラグに「1」を代入する(S11)。CPU22は、開閉弁10を開放し(S12)、計時部25に水素センサ反応時間の計測を開始させる(S13)。ここで、水素センサ反応時間とは、開閉弁10が開放されてからの経過時間である。
CPU22は、水素センサ12からS1信号を受信したか否かを判断する(S14)。CPU22は、水素センサ12からS1信号を受信していないと判断した場合(S14:NO)、水素センサ反応時間が所定時間を経過したか否かを判断する(S15)。 CPU22は、水素センサ反応時間が所定時間を経過していないと判断した場合(S15:NO)、処理をステップS14に戻す。
CPU22は、水素センサ反応時間が所定時間を経過したと判断した場合(S15:YES)、水素センサ12の異常(異常モードB)と判断し、報知部21により異常を報知し(S16)、開閉弁10を閉止し(S17)、燃料電池システム1を停止させ(S18)、異常検知実行中フラグに「0」を代入し(S19)、異常検知処理を終了する。つまり、開閉弁10が開放されてから、所定時間が経過しても、水素センサ12が閾値B以上の水素濃度を検出せず、S1信号が送信されない場合には、水素センサ12の異常と判断できる。ここでの所定時間は、開閉弁10と水素センサ12との位置関係によって、アノードオフガスが開閉弁10から水素センサ12に到達するまでの時間を考慮し、予め実験等により定められる。
CPU22は、ステップS14において水素センサ12からS1信号を受信したと判断した場合(S14:YES)、計時部25に水素センサ反応時間の計測を終了させ、水素センサON時間の計測を開始させる(S20)。ここで、水素センサON時間とは、水素センサ12により検出される水素濃度が閾値B以上となった時からの継続時間である。
CPU22は、規定パージ時間待機する(S21)。規定パージ時間が経過した後、CPU22は、開閉弁10を閉止する(S22)。ここで規定パージ時間とは、開閉弁10を開放している間の時間である。規定パージ時間は、燃料電池本体3内の水素経路の容積を考慮し、予め実験等により定められる。本実施形態では、規定パージ時間は20秒間とする。
CPU22は、水素センサ12からOFF信号を受信したか否かを判断する(S23)。CPU22は、水素センサ12からOFF信号を受信していないと判断した場合(S23:NO)、水素センサON時間が閾値Dを経過したか否かを判断する(S24)。CPU22は、水素センサON時間が閾値Dを経過していないと判断した場合(S24:NO)、処理をステップS23に戻す。
CPU22は、水素センサON時間が閾値Dを経過したと判断した場合(S24:YES)、換気の風量が低下している(ファン劣化モード)と判断し、報知部21により風量低下アラームを報知する(S25)。ここで閾値Dとは、後述する閾値Cよりは短いが、正常な水素センサON時間よりは長い時間である。つまり、ファン劣化モードは、直ちにシステムを停止させるほどの状態ではないが、換気ファン6または換気フィルタ7の劣化が進んでいる状態と想定される。CPU22は、ファン劣化モードと判断した場合、報知部21により風量低下アラームを報知し、使用者に対して換気ファン6または換気フィルタ7の交換や清掃等を促すことができる。
CPU22は、水素センサON時間が閾値Cを経過したか否かを判断する(S26)。CPU22は、水素センサON時間が閾値Cを経過していないと判断した場合(S26:NO)、処理をステップS23に戻す。
CPU22は、水素センサON時間が閾値Cを経過したと判断した場合(S26:YES)、風量不足(異常モードA)と判断し、報知部21により異常を報知する(S27)。つまり、開閉弁10が閉止された後であっても、計時部25により計時される水素センサON時間が閾値Cを経過しているので、換気ファン6または換気フィルタ7は異常であり、正常に換気がなされていないと判断できる。ここで閾値Cは、換気ファン6によってアノードオフガス出口11から排出されるアノードオフガスが充分に換気されるまでの時間を考慮し、予め実験等により定められる。
CPU22は、異常モードAまたはファン劣化モードであると判断した場合(S27)、換気ファン6の回転数を取得する(S28)。CPU22は、取得した回転数が所定の範囲内であるか否かを判断する(S29)。CPU22は、取得した回転数が所定の範囲内でない場合(S29:NO)、処理をステップS18に進め、燃料電池システム1を停止させる。CPU22は、取得した回転数が所定の範囲内である場合(S29:YES)には、換気フィルタ7の異常と判断し(S30)、処理をステップS18に進め、燃料電池システム1を停止させる。換気ファン6の回転数は、換気ファン6が出力する回転数出力を取得しても良いし、別途回転数を取得するセンサを用いても良い。ここでの所定の範囲は、CPU22から換気ファン6への回転指令値から、誤差を考慮して定められる値である。つまり、換気ファン6は正常な回転数で駆動しているにも関わらず換気風量が不足している場合は、換気フィルタ7に目詰まり等の異常が発生していると想定される。
CPU22は、ステップS23において、水素センサ12からOFF信号を受信したと判断した場合(S23:YES)、処理をステップS19に進める。
尚、CPU22は、換気ファン6の回転数を任意の固定値に保つように制御して異常検知処理を実行すると、計時部25はより精度よく水素センサ反応時間及び水素センサON時間を計測することができる。
<正常動作>
図6は、第1実施形態の異常検知処理における正常動作を示すタイムチャートである。図6には、水素センサ検出信号におけるS1信号、S2信号及びOFF信号に係る推移と、水素濃度の推移と、開閉弁10のON信号及びOFF信号の指令に係る推移とが示されている。水素パージ工程が開始されると、まずCPU22は、開閉弁10にON信号を送信し、開閉弁10を開放する。開閉弁10が開放されることにより、希釈室8内にアノードオフガスが排出され、希釈室8内の水素濃度が上昇する。希釈室8内に配置された水素センサ12により検出される水素濃度が閾値B以上になると、水素センサ12はCPU22にS1信号を送信する。ここで、水素センサ12は正常に動作していると判断できる。
図6は、第1実施形態の異常検知処理における正常動作を示すタイムチャートである。図6には、水素センサ検出信号におけるS1信号、S2信号及びOFF信号に係る推移と、水素濃度の推移と、開閉弁10のON信号及びOFF信号の指令に係る推移とが示されている。水素パージ工程が開始されると、まずCPU22は、開閉弁10にON信号を送信し、開閉弁10を開放する。開閉弁10が開放されることにより、希釈室8内にアノードオフガスが排出され、希釈室8内の水素濃度が上昇する。希釈室8内に配置された水素センサ12により検出される水素濃度が閾値B以上になると、水素センサ12はCPU22にS1信号を送信する。ここで、水素センサ12は正常に動作していると判断できる。
開閉弁10が開放されてから規定パージ時間が経過すると、CPU22は開閉弁10にOFF信号を送信し、開閉弁10を閉止する。開閉弁10が閉止されることによりアノードオフガス排出が止まり、換気ファン6によって換気がなされ、希釈室8内の水素濃度が下がる。希釈室8内に配置された水素センサ12により検出される水素濃度が閾値B未満になると、水素センサ12は制御部20にOFF信号を送信する。水素センサON時間が閾値D以内である場合、正常に換気がなされたと判断できる。以上により、水素センサ12により検出される水素濃度に基づいて、水素センサ12は正常であると判断でき、水素センサON時間に基づいて、換気ファン6及び換気フィルタ7は正常であると判断できる。
<異常モードA>
図7は、第1実施形態の異常検知処理における異常モードAを示すタイムチャートである。図7には、水素センサ検出信号におけるS1信号、S2信号及びOFF信号に係る推移と、水素濃度の推移と、開閉弁10のON信号及びOFF信号の指令に係る推移とが示されている。異常モードAは、水素パージ工程開始から開閉弁10が閉止されるまでは正常動作と同様であるので説明は省略する。
図7は、第1実施形態の異常検知処理における異常モードAを示すタイムチャートである。図7には、水素センサ検出信号におけるS1信号、S2信号及びOFF信号に係る推移と、水素濃度の推移と、開閉弁10のON信号及びOFF信号の指令に係る推移とが示されている。異常モードAは、水素パージ工程開始から開閉弁10が閉止されるまでは正常動作と同様であるので説明は省略する。
開閉弁10が閉止されることによりアノードオフガス排出が止まる。しかしながら水素センサON時間が閾値Cを経過しても水素センサ12により検出される水素濃度が閾値B未満にならず、水素センサ12からOFF信号が送信されないため、正常に換気がなされていないと判断できる。以上により、水素センサON時間に基づいて、換気ファン6及び換気フィルタ7を含む換気ユニット60が異常であると判断できる。
CPU22は、換気ユニット60が異常であると判断した場合、報知部21によって異常報知を行うとともに、速やかに燃料電池システム1を停止させる。ただし異常モードAは、換気が不十分であり希釈室8内にアノードオフガスが滞留している状態であるので、換気ファン6は継続して動作させることが好ましい。
<異常モードB>
図8は、第1実施形態の異常検知処理における異常モードBを示すタイムチャートである。図8には、水素センサ検出信号におけるS1信号、S2信号及びOFF信号に係る推移と、推定される水素濃度の推移と、開閉弁10のON信号及びOFF信号の指令に係る推移とが示されている。まず、水素パージ工程が開始されると、CPU22は、開閉弁10にON信号を送信し、開閉弁10を開放する。開閉弁10が開放されることにより、希釈室8内にアノードオフガスが排出され、希釈室8内の水素濃度が上昇する。しかしながら、異常モードBにおいては、開閉弁10が開放されてから所定時間が経過しており、希釈室8内の水素濃度が閾値B以上になっていると推定される場合であっても、水素センサ12が閾値B以上の水素濃度を検出せず、水素センサ12からS1信号が送信されない。開閉弁10が開放されてから所定時間が経過しても水素センサ12からS1信号が送信されない場合には、水素センサ12が異常であると判断できる。
図8は、第1実施形態の異常検知処理における異常モードBを示すタイムチャートである。図8には、水素センサ検出信号におけるS1信号、S2信号及びOFF信号に係る推移と、推定される水素濃度の推移と、開閉弁10のON信号及びOFF信号の指令に係る推移とが示されている。まず、水素パージ工程が開始されると、CPU22は、開閉弁10にON信号を送信し、開閉弁10を開放する。開閉弁10が開放されることにより、希釈室8内にアノードオフガスが排出され、希釈室8内の水素濃度が上昇する。しかしながら、異常モードBにおいては、開閉弁10が開放されてから所定時間が経過しており、希釈室8内の水素濃度が閾値B以上になっていると推定される場合であっても、水素センサ12が閾値B以上の水素濃度を検出せず、水素センサ12からS1信号が送信されない。開閉弁10が開放されてから所定時間が経過しても水素センサ12からS1信号が送信されない場合には、水素センサ12が異常であると判断できる。
CPU22は、水素センサ12が異常であると判断した場合、報知部21によって異常報知を行うとともに、速やかに燃料電池システム1を停止させる。
<異常モードC>
図9は、第1実施形態の水素漏洩検知処理における異常モードCを示すタイムチャートである。図9には、水素センサ検出信号におけるS1信号、S2信号及びOFF信号に係る推移と、水素濃度の推移と、開閉弁10のON信号及びOFF信号の指令に係る推移とが示されている。水素センサ12は、検出される水素濃度が閾値A以上になると、CPU22にS2信号を送信する。CPU22は、水素センサ12からS2信号を受信した場合に、水素漏洩と判断する。この場合、燃料電池システム1内のいずれかの箇所から、水素が漏洩していることが想定される。
図9は、第1実施形態の水素漏洩検知処理における異常モードCを示すタイムチャートである。図9には、水素センサ検出信号におけるS1信号、S2信号及びOFF信号に係る推移と、水素濃度の推移と、開閉弁10のON信号及びOFF信号の指令に係る推移とが示されている。水素センサ12は、検出される水素濃度が閾値A以上になると、CPU22にS2信号を送信する。CPU22は、水素センサ12からS2信号を受信した場合に、水素漏洩と判断する。この場合、燃料電池システム1内のいずれかの箇所から、水素が漏洩していることが想定される。
CPU22は、水素漏洩であると判断した場合、報知部21によって異常報知を行うとともに、速やかに燃料電池システム1を停止させる。ただし異常モードCは、燃料電池システム1内のいずれかの箇所から水素が漏洩している可能性があるので、換気ファン6は継続して動作させることが好ましい。
<ファン劣化モード>
図10は、第1実施形態の異常検知処理におけるファン劣化モードを示すタイムチャートである。図10には、水素センサ検出信号におけるS1信号、S2信号及びOFF信号に係る推移と、水素濃度の推移と、開閉弁10のON信号及びOFF信号の指令に係る推移とが示されている。ファン劣化モードは、水素パージ工程開始から開閉弁10が閉止されるまでは正常動作と同様であるので説明は省略する。
図10は、第1実施形態の異常検知処理におけるファン劣化モードを示すタイムチャートである。図10には、水素センサ検出信号におけるS1信号、S2信号及びOFF信号に係る推移と、水素濃度の推移と、開閉弁10のON信号及びOFF信号の指令に係る推移とが示されている。ファン劣化モードは、水素パージ工程開始から開閉弁10が閉止されるまでは正常動作と同様であるので説明は省略する。
開閉弁10が閉止されることによりアノードオフガス排出が止まる。しかしながら水素センサON時間が閾値Cを経過していないが閾値Dを経過しており、正常動作に比べて長い。このため、直ちに燃料電池システム1を停止させるほどではないが、換気量が低下している状態であると想定される。以上により、水素センサON時間に基づいて、換気ファン6及び換気フィルタ7を含む換気ユニット60が劣化していると判断できる。この場合、CPU22は、報知部21により風量低下アラームを報知し、使用者に対して換気ファン6または換気フィルタ7の交換、清掃等を促すことが望ましい。また、CPU22は、水素センサON時間の長さに応じて、次回の換気フィルタ7の交換時期を推定し、報知部21により次回交換時期を報知する構成であってもよい。
以上のように構成された燃料電池システム1によれば、水素パージ時に排出されるアノードオフガスを検知することにより、水素センサ12により検出される水素濃度と、水素センサ12から送信される検出信号によって定められる水素センサON時間とに基づいて、水素センサ12、換気ファン6、及び換気フィルタ7の異常の有無を判断できる。このため、換気ファン6及び換気フィルタ7の異常の有無を判断する専用センサを設ける必要がなく、簡易な構成となり、コストダウンできる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について図11〜16を参照して説明する。第2実施形態では、水素センサ12が制御部20に送信する検出信号の形態と、CPU22が水素センサ12により検出される水素濃度に基づき異常判断する点が、第1実施形態とは異なる。尚、水素センサ12が制御部20に送信する検出信号の形態を除く燃料電池システム1の構成と、CPU22が水素センサ12により検出される水素濃度に基づき異常判断する点を除く動作とについては、上述の第1実施形態と同様なので、詳細な説明は省略する。
次に、本発明の第2実施形態について図11〜16を参照して説明する。第2実施形態では、水素センサ12が制御部20に送信する検出信号の形態と、CPU22が水素センサ12により検出される水素濃度に基づき異常判断する点が、第1実施形態とは異なる。尚、水素センサ12が制御部20に送信する検出信号の形態を除く燃料電池システム1の構成と、CPU22が水素センサ12により検出される水素濃度に基づき異常判断する点を除く動作とについては、上述の第1実施形態と同様なので、詳細な説明は省略する。
水素センサ12は、検出される水素濃度の値をCPU22に送信する。
<水素漏洩検知>
図11は、第2実施形態における水素漏洩検知処理を示すフローチャートである。CPU22は、燃料電池システム1の発電中及び待機中において水素漏洩検知処理を実行する。まず、CPU22は、水素センサ12により検出され、送信される水素濃度を取得し、該水素濃度が閾値A以上であるか否かを判断する(S51)。CPU22は、水素センサ12により検出される水素濃度が閾値A以上であると判断した場合(S51:YES)、水素漏洩(異常モードC)と判断し、報知部21により異常を報知し(S52)、燃料電池システム1を停止させ(S53)、水素漏洩検知処理を終了する。CPU22は、燃料電池システム1の発電中及び待機中において常に水素漏洩の有無を監視する。
図11は、第2実施形態における水素漏洩検知処理を示すフローチャートである。CPU22は、燃料電池システム1の発電中及び待機中において水素漏洩検知処理を実行する。まず、CPU22は、水素センサ12により検出され、送信される水素濃度を取得し、該水素濃度が閾値A以上であるか否かを判断する(S51)。CPU22は、水素センサ12により検出される水素濃度が閾値A以上であると判断した場合(S51:YES)、水素漏洩(異常モードC)と判断し、報知部21により異常を報知し(S52)、燃料電池システム1を停止させ(S53)、水素漏洩検知処理を終了する。CPU22は、燃料電池システム1の発電中及び待機中において常に水素漏洩の有無を監視する。
CPU22は、ステップS51において水素センサ12により検出される水素濃度が閾値A以上でないと判断した場合(S51:NO)、水素センサ12により検出される水素濃度が閾値B以上であるか否かを判断する(S54)。CPU22は、水素センサ12により検出される水素濃度が閾値B以上でないと判断した場合(S54:NO)、処理をステップS51に戻す。
CPU22は、ステップS54において水素センサ12により検出される水素濃度が閾値B以上であると判断した場合(S54:YES)、異常検知実行中フラグが「1」であるか否かを判断する(S55)。CPU22は、異常検知実行中フラグが「1」であると判断した場合(S55:YES)、処理をステップS51に戻す。CPU22は、異常検知実行中フラグが「1」でないと判断した場合(S55:NO)、処理をステップS52に進める。
<異常検知>
図12は、第2実施形態の水素パージ工程における異常検知処理を示すフローチャートである。CPU22は、水素パージが実行されるときに、異常検知処理を実行する。尚、CPU22は、異常検知処理を実行している間も、水素漏洩検知処理を実行する。
図12は、第2実施形態の水素パージ工程における異常検知処理を示すフローチャートである。CPU22は、水素パージが実行されるときに、異常検知処理を実行する。尚、CPU22は、異常検知処理を実行している間も、水素漏洩検知処理を実行する。
まずCPU22は、異常検知実行中フラグに「1」を代入する(S101)。CPU22は、開閉弁10を開放し(S102)、第1反応時間待機する(S103)。ここで第1反応時間とは、開閉弁10が開放されてから、アノードオフガスが水素センサ12まで到達し、水素センサ12が正しく水素濃度を検出できるようになるまでに必要な時間であり、開閉弁10と水素センサ12との位置関係を考慮し、予め実験等により定められる。
CPU22は、水素センサ12により検出される水素濃度が閾値B以上であるか否かを判断する(S104)。CPU22は、水素センサ12により検出される水素濃度が閾値B以上でないと判断した場合(S104:NO)、水素センサ12の異常(異常モードB)と判断し、報知部21により異常を報知し(S105)、開閉弁10を閉止し(S106)、燃料電池システム1を停止させ(S107)、異常検知実行中フラグに「0」を代入し(S108)、異常検知処理を終了する。つまり、開閉弁10が開放されてから、第1反応時間が経過した時点で、水素センサ12が閾値B以上の水素濃度を検出しない場合には、水素センサ12の異常と判断できる。
CPU22は、ステップS104において水素センサ12により検出される水素濃度が閾値B以上であると判断した場合(S104:YES)、規定パージ時間待機し(S109)し、開閉弁10を閉止する(S110)。ここで規定パージ時間とは、開閉弁10を開放している間の時間である。規定パージ時間は、燃料電池本体3内の水素経路の容積を考慮し、予め実験等により定められる。本実施形態では、規定パージ時間は20秒間とする。
CPU22は、開閉弁10を閉止した後、第2反応時間待機する(S111)。ここで第2反応時間とは、開閉弁10が閉止されてから、アノードオフガスが換気出口5から充分に排出されるまでに必要な時間であり、開閉弁10と水素センサ12と排気出口5との位置関係を考慮し、予め実験等により定められる。
CPU22は、水素センサ12により検出される水素濃度が閾値B未満であるか否かを判断する(S112)。CPU22は、水素センサ12により検出される水素濃度が閾値B未満でないと判断した場合(S112:NO)、風量不足(異常モードA)と判断し、報知部21により異常を報知し(S114)、処理をステップS107に進め、燃料電池システム1を停止させる。つまり、開閉弁10が閉止されて第2反応時間が経過した後であっても希釈室8内の水素濃度が閾値B以上であり、正常に換気がなされていないため、換気ファン6または換気フィルタ7は異常であると判断できる。
CPU22は、水素センサ12により検出される水素濃度が閾値B未満であると判断した場合(S112:YES)、水素センサ12により検出される水素濃度が閾値E未満であるか否かを判断する(S113)。
CPU22は、水素センサ12により検出される水素濃度が閾値E未満であると判断した場合(S113:YES)、処理をステップS108に進める。つまり、換気ファン6及び換気フィルタ7は正常であると判断できる。ここで閾値Eとは、閾値Bよりも充分に低い値であり、燃焼電池システム1の通常運転時における筐体2内の水素濃度を考慮して、予め実験等により定められる。
CPU22は、水素センサ12により検出される水素濃度が閾値E未満でないと判断した場合(S113:NO)、換気の風量が低下している(ファン劣化モード)と判断し、報知部21により風量低下アラームを報知し(S115)、処理をステップS108に進める。つまり、開閉弁10が閉止されてから第2反応時間が経過した後、希釈室8内の水素濃度は閾値B未満には低下しているものの、僅かにアノードオフガスが残留していると想定される。つまり、直ちにシステムを停止させるほどではないが、換気ファン6または換気フィルタ7の劣化が進んでいる状態と想定される。CPU22は、ファン劣化モードと判断した場合、報知部21により風量低下アラームを報知し、使用者に対して換気ファン6または換気フィルタ7の交換や清掃等を促すことができる。
<正常動作>
図13は、第2実施形態の異常検知処理における正常動作を示すタイムチャートである。図13には、水素センサに検出される水素濃度の推移と、開閉弁10のON信号及びOFF信号の指令に係る推移とが示されている。水素パージ工程が開始されると、まずCPU22は、開閉弁10にON信号を送信し、開閉弁10を開放する。開閉弁10が開放されることにより、希釈室8内にアノードオフガスが排出され、希釈室8内の水素濃度が上昇する。CPU22は、開閉弁10を開放してから第1反応時間が経過したとき、水素センサ12により検出される水素濃度の値を取得する。水素センサ12により検出される水素濃度の値が、閾値B以上かつ閾値A未満である場合、水素センサ12は正常に動作していると判断できる。
図13は、第2実施形態の異常検知処理における正常動作を示すタイムチャートである。図13には、水素センサに検出される水素濃度の推移と、開閉弁10のON信号及びOFF信号の指令に係る推移とが示されている。水素パージ工程が開始されると、まずCPU22は、開閉弁10にON信号を送信し、開閉弁10を開放する。開閉弁10が開放されることにより、希釈室8内にアノードオフガスが排出され、希釈室8内の水素濃度が上昇する。CPU22は、開閉弁10を開放してから第1反応時間が経過したとき、水素センサ12により検出される水素濃度の値を取得する。水素センサ12により検出される水素濃度の値が、閾値B以上かつ閾値A未満である場合、水素センサ12は正常に動作していると判断できる。
開閉弁10が開放されてから規定パージ時間が経過すると、CPU22は開閉弁10にOFF信号を送信し、開閉弁10を閉止する。開閉弁10が閉止されることによりアノードオフガス排出が止まり、換気ファン6によって換気がなされ、希釈室8内の水素濃度が下がる。CPU22は、開閉弁10を閉止してから第2反応時間が経過したとき、水素センサ12により検出される水素濃度の値を取得する。水素センサ12により検出される水素濃度の値が閾値E未満である場合、正常に換気がなされたと判断できる。以上により、水素センサ12により検出される水素濃度に基づいて、水素センサ12、換気ファン6、及び換気フィルタ7を含む換気ユニット60は正常であると判断できる。
<異常モードA>
図14は、第2実施形態の異常検知処理における異常モードAを示すタイムチャートである。図14には、水素センサに検出される水素濃度の推移と、開閉弁10のON信号及びOFF信号の指令に係る推移とが示されている。異常モードAは、水素パージ工程開始から開閉弁10が閉止されるまでは正常動作と同様であるので説明は省略する。
図14は、第2実施形態の異常検知処理における異常モードAを示すタイムチャートである。図14には、水素センサに検出される水素濃度の推移と、開閉弁10のON信号及びOFF信号の指令に係る推移とが示されている。異常モードAは、水素パージ工程開始から開閉弁10が閉止されるまでは正常動作と同様であるので説明は省略する。
開閉弁10が閉止されることによりアノードオフガス排出が止まる。しかしながら第2反応時間が経過した時点で水素センサ12により検出される水素濃度が閾値B未満にならないため、正常に換気がなされていないと判断できる。以上により、水素センサ12により検出される水素濃度に基づいて、換気ファン6及び換気フィルタ7を含む換気ユニット60が異常であると判断できる。
CPU22は、換気ユニット60が異常であると判断した場合、報知部21によって異常報知を行うとともに、速やかに燃料電池システム1を停止させる。ただし異常モードAは、換気が不十分であり希釈室8内にアノードオフガスが滞留している状態であるので、換気ファン6は継続して動作させることが好ましい。
<異常モードB>
図15は、第2実施形態の異常検知処理における異常モードBを示すタイムチャートである。図15には、水素センサに検出される水素濃度の推移と、開閉弁10のON信号及びOFF信号の指令に係る推移とが示されている。まず、水素パージ工程が開始されると、CPU22は、開閉弁10にON信号を送信し、開閉弁10を開放する。開閉弁10が開放されることにより、希釈室8内にアノードオフガスが排出され、希釈室8内の水素濃度が上昇する。しかしながら、開閉弁10が開放されてから第1反応時間が経過しても、水素センサ12が閾値B以上の水素濃度を検出しない。この場合、水素センサ12が異常であると判断できる。
図15は、第2実施形態の異常検知処理における異常モードBを示すタイムチャートである。図15には、水素センサに検出される水素濃度の推移と、開閉弁10のON信号及びOFF信号の指令に係る推移とが示されている。まず、水素パージ工程が開始されると、CPU22は、開閉弁10にON信号を送信し、開閉弁10を開放する。開閉弁10が開放されることにより、希釈室8内にアノードオフガスが排出され、希釈室8内の水素濃度が上昇する。しかしながら、開閉弁10が開放されてから第1反応時間が経過しても、水素センサ12が閾値B以上の水素濃度を検出しない。この場合、水素センサ12が異常であると判断できる。
CPU22は、水素センサ12が異常であると判断した場合、報知部21によって異常報知を行うとともに、速やかに燃料電池システム1を停止させる。
<ファン劣化モード>
図16は、第2実施形態の異常検知処理におけるファン劣化モードを示すタイムチャートである。図16には、水素センサに検出される水素濃度の推移と、開閉弁10のON信号及びOFF信号の指令に係る推移とが示されている。ファン劣化モードは、水素パージ工程開始から開閉弁10が閉止されるまでは正常動作と同様であるので説明は省略する。
図16は、第2実施形態の異常検知処理におけるファン劣化モードを示すタイムチャートである。図16には、水素センサに検出される水素濃度の推移と、開閉弁10のON信号及びOFF信号の指令に係る推移とが示されている。ファン劣化モードは、水素パージ工程開始から開閉弁10が閉止されるまでは正常動作と同様であるので説明は省略する。
開閉弁10が閉止されることによりアノードオフガス排出が止まる。しかしながら開閉弁10が閉止されてから第2反応時間が経過した時点で、水素センサ12により検出される水素濃度の値は、閾値B以下であるが、正常動作時よりも高く、閾値E以上である。このため、直ちに燃料電池システム1を停止させるほどではないが、換気量が低下している状態であると想定される。以上により、水素センサ12により検出される水素濃度に基づいて、換気ファン6及び換気フィルタ7を含む換気ユニット60が劣化していると判断できる。この場合、CPU22は、報知部21により風量低下アラームを報知し、使用者に対して換気ファン6または換気フィルタ7の交換、清掃等を促すことが望ましい。また、CPU22は、第2反応時間経過後に水素センサ12により検出される水素濃度に応じて、次回の換気フィルタ7の交換時期を推定し、報知部21により次回交換時期を報知する構成であってもよい。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得る。CPU22は、水素センサ12により検出される水素濃度の値を基に、水素センサ12及び換気ユニット60に異常が発生しているか否かを判断できる。このため、換気ファン6及び換気フィルタ7の異常の有無を判断する専用センサを設ける必要がなく、簡易な構成となり、コストダウンできる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について図17を参照して説明する。第3実施形態では、制御部20の構成が第1実施形態とは異なる。尚、制御部20の構成を除く燃料電池システム1の構成及び動作については、上述の第1実施形態と同様なので、詳細な説明は省略する。
次に、本発明の第3実施形態について図17を参照して説明する。第3実施形態では、制御部20の構成が第1実施形態とは異なる。尚、制御部20の構成を除く燃料電池システム1の構成及び動作については、上述の第1実施形態と同様なので、詳細な説明は省略する。
図17は第3実施形態の燃料電池システム1が備える制御部20を示す構成図である。第3実施形態に係る制御部20は、ROM23に代えて、バスを介してCPU22に接続されている記憶部201を備える。記憶部201は、EEPROM、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性メモリを備え、燃料電池システム1の運転プログラム26を記憶している。また、異常検知プログラム27は、可搬型の記録媒体202に記録されており、記録媒体202を介して制御部20に提供することが可能であるように構成されている。
制御部20は、記録媒体読み取り装置(図示略)を備え、該記録媒体読み取り装置に記録媒体202が挿入された場合、記録媒体202から異常検知プログラム27を読み出し、記憶部201にインストールする。インストールされた異常検知プログラム27はRAM13にロードして実行される。これにより、第3実施形態に係る燃料電池システム1は、第1実施形態と同様の動作を行う。
記録媒体202は、例えば、CD−ROM、磁気テープ及びカセットテープ等のテープ類、フレキシブルディスク及びハードディスク等の磁気ディスク類並びにICカード(メモリーカードを含む)/光カード等のカード類等である。
なお、制御部20は、制御部20と通信可能なコンピュータ又は制御部20に通信ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータ等から本実施形態における異常検知プログラム27を取得し、記憶部201に記憶させることにしてもよい。
また、本第3実施形態と同様の構成で、第2実施形態と同様の動作を行うこととしてもよい。
また、本第3実施形態と同様の構成で、第2実施形態と同様の動作を行うこととしてもよい。
[本発明と実施形態との構成の対応関係]
本実施形態の水素センサON時間は、本発明の濃度検出時間の一例である。本実施形態の閾値Cは、本発明の時間閾値の一例である。本実施形態の閾値Aは、本発明の第2濃度閾値である。本実施形態の閾値Bは、本発明の第1濃度閾値である。
本実施形態の水素センサON時間は、本発明の濃度検出時間の一例である。本実施形態の閾値Cは、本発明の時間閾値の一例である。本実施形態の閾値Aは、本発明の第2濃度閾値である。本実施形態の閾値Bは、本発明の第1濃度閾値である。
[変形例]
第1実施形態においては、水素センサ12は、検出した水素濃度に応じた検出信号をCPU22に送信するのに対し、第1実施形態の変形例においては、水素センサ12は検出した水素濃度の値をCPU22に送信するように構成されていてもよい。CPU22は、水素センサ12から送信される水素濃度の値を基に、異常判断を行うようにしてもよい。
第1実施形態においては、水素センサ12は、検出した水素濃度に応じた検出信号をCPU22に送信するのに対し、第1実施形態の変形例においては、水素センサ12は検出した水素濃度の値をCPU22に送信するように構成されていてもよい。CPU22は、水素センサ12から送信される水素濃度の値を基に、異常判断を行うようにしてもよい。
また、第2実施形態においては、CPU22は、開閉弁10を開放してから第1反応時間経過した時点における水素濃度と、開閉弁10を閉止してから第2反応時間経過した時点における水素濃度とを基に水素センサ12及び換気ユニット60の異常を検知するのに対し、第2実施形態の変形例においては、CPU22は、異常検知処理を実行する間に水素センサ12により検出される水素濃度の最大値に基づいて異常を検知するように構成されていてもよい。水素センサ12により検出される水素濃度の最大値が大きいほど、換気ユニット60が劣化していると判断できる。
本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池本体と、前記燃料電池本体を収納し、換気出口を有する筐体と、前記燃料電池本体から排出されるアノードオフガスを前記換気出口に向けて送出し、アノードオフガス出口を有するアノードオフガス配管と、前記アノードオフガス配管を開閉する開閉弁と、前記開閉弁が開放されることにより前記アノードオフガス配管により送出されるアノードオフガスを前記換気出口から前記筐体の外部へ排出する換気ユニットであって、少なくとも換気ファンを含む換気ユニットと、前記アノードオフガス出口と前記換気出口との間に配置され、前記筐体内の水素濃度を検出する水素センサと、前記開閉弁と、前記換気ファンとを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記開閉弁が開放される際に、前記水素濃度、または前記水素センサからの検出信号によって定められる濃度検出時間に基づき、前記水素センサに異常が発生しているか否かを判断すると共に、前記換気ユニットに異常が発生しているか否かを判断する異常検知処理を実行するように構成されており、前記濃度検出時間は、前記水素濃度が第1濃度閾値以上である時間であることを特徴とする。
本発明においては、水素センサにより検出される水素濃度、または水素センサからの検出信号によって定められる濃度検出時間に基づき、水素センサ及び換気ユニットの異常を検知できる。このため、換気ユニットの異常を検知するための専用センサを省略することができる。
本発明に係る燃料電池システムは、上述の燃料電池システムであって、更に、前記制御部は、前記異常検知処理において、前記濃度検出時間を計測する計時処理を実行するように構成され、前記制御部は、前記計時処理において計測した時間が時間閾値以上である場合、前記換気ユニットの異常と判断することを特徴とする。
本発明においては、濃度検出時間が時間閾値以上である場合は、換気ユニットの異常と判断できる。このため、換気ユニットの異常を検知するための専用センサを省略することができる。
本発明に係る燃料電池システムは、上述の燃料電池システムであって、更に、前記制御部は、前記異常検知処理において、前記開閉弁が開放されたときから所定時間が経過するまでの間に、前記水素センサが前記第1濃度閾値以上であることを検出しない場合、前記水素センサの異常と判断することを特徴とする。
本発明においては、所定時間の間に水素センサが第1濃度閾値以上の水素濃度を検出しない場合は、水素センサの異常と判断できる。
本発明に係る燃料電池システムは、上述の燃料電池システムであって、更に、前記制御部は、前記異常検知処理において、前記水素濃度が前記第1濃度閾値以上となったときから前記第1濃度閾値未満となるまでの時間が前記時間閾値未満である場合、前記水素センサ及び前記換気ユニットは正常であると判断することを特徴とする。
本発明においては、水素センサからの検出信号によって定められる濃度検出時間が時間閾値未満である場合に、水素センサ及び換気ユニットが正常であると判断できる。このため、換気ユニットの異常を検知するための専用センサを省略することができる。
本発明に係る燃料電池システムは、上述の燃料電池システムであって、更に、前記換気ユニットは換気フィルタを更に含み、前記制御部は、前記換気ファンの回転数に対応した回転信号を 取得する取得処理を実行するように構成され、前記制御部が前記異常検知処理において前記換気ユニットの異常であると判断するときに、前記取得処理により取得される前記回転信号に対応した回転数が所定の範囲内である場合、前記制御部は、前記換気ユニットの異常のうちの前記換気フィルタの異常であると判断することを特徴とする。
本発明においては、換気ファンの回転数に基づき、換気ユニットの異常のうち、換気フィルタの異常であると判断できる。このため、換気フィルタの異常を検知するための専用センサを省略することができる。
本発明に係る燃料電池システムは、上述の燃料電池システムであって、更に、前記制御部は、前記水素センサにより検出される前記水素濃度が前記第1濃度閾値以上である場合に前記筐体内で水素が漏洩していると判断する判断処理と、前記異常検知処理を実行している間は前記判断処理を実行することを禁止し、前記異常検知処理を実行していないときは前記判断処理を実行することを許容する、判断制御処理とを実行することを特徴とする。
本発明においては、異常検知処理を実行している間に誤って水素漏洩と判断することを防ぎ、異常検知処理を実行していない時には、水素漏洩を検知できる。
本発明に係る燃料電池システムは、上述の燃料電池システムであって、更に、前記水素センサは、検出される水素濃度が前記第1濃度閾値以上である場合に前記制御部に第1の信号を送信し、検出される水素濃度が前記第1濃度閾値よりも大きい第2濃度閾値以上である場合に前記制御部に第2の信号を送信し、前記制御部は、前記水素センサから前記第2の信号を受信した場合に、前記筐体内で水素が漏洩していると判断することを特徴とする。
本発明においては、水素センサにより検出される水素濃度に基づき、水素センサ及び換気ユニットの異常を検知すると同時に、水素漏洩の異常を検知することができる。このため、水素漏洩を検知するための専用センサを省略することができる。
本発明に係る異常検知方法は、燃料電池本体と、前記燃料電池本体を収納し、換気出口を有する筐体と、前記燃料電池本体から排出されるアノードオフガスを前記換気出口に向けて送出し、アノードオフガス出口を有するアノードオフガス配管と、前記アノードオフガス配管を開閉する開閉弁と、前記開閉弁が開放されることにより前記アノードオフガス配管により送出されるアノードオフガスを前記換気出口から前記筐体の外部へ排出する換気ユニットであって、少なくとも換気ファンを含む換気ユニットと、前記アノードオフガス出口と前記換気出口との間に配置され、前記筐体内の水素濃度を検出する水素センサと、前記開閉弁と、前記換気ファンとを制御する制御部と、を備える燃料電池システムの異常検知方法であって、前記開閉弁が開放される際に、前記水素濃度、または前記水素センサからの検出信号によって定められる濃度検出時間に基づき、前記水素センサに異常が発生しているか否かを判断すると共に、前記換気ユニットに異常が発生しているか否かを判断し、前記濃度検出時間は、前記水素濃度が第1濃度閾値以上である時間であることを特徴とする。
本発明においては、水素センサにより検出される水素濃度、または水素センサからの検出信号によって定められる濃度検出時間に基づき、水素センサ及び換気ユニットの異常を検知できる。このため、換気ユニットの異常を検知するための専用センサを省略することができる。
本発明に係るコンピュータプログラムは、燃料電池本体と、前記燃料電池本体を収納し、換気出口を有する筐体と、前記燃料電池本体から排出されるアノードオフガスを前記換気出口に向けて送出し、アノードオフガス出口を有するアノードオフガス配管と、前記アノードオフガス配管を開閉する開閉弁と、前記開閉弁が開放されることにより前記アノードオフガス配管により送出されるアノードオフガスを前記換気出口から前記筐体の外部へ排出する換気ユニットであって、少なくとも換気ファンを含む換気ユニットと、前記アノードオフガス出口と前記換気出口との間に配置され、前記筐体内の水素濃度を検出する水素センサと、前記開閉弁と、前記換気ファンとを制御する制御部と、を備える燃料電池システムを制御するコンピュータに、前記開閉弁が開放される際に、前記水素濃度、または前記水素センサからの検出信号によって定められる濃度検出時間に基づき、前記水素センサに異常が発生しているか否かを判断すると共に、前記換気ユニットに異常が発生しているか否かを判断する処理を実行させ、前記濃度検出時間は、前記水素濃度が第1濃度閾値以上である時間であることを特徴とする。
本発明においては、水素センサにより検出される水素濃度、または水素センサからの検出信号によって定められる濃度検出時間に基づき、水素センサ及び換気ユニットの異常を検知できる。このため、換気ユニットの異常を検知するための専用センサを省略することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、請求の範囲によって示し、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むことを意図している。即ち、本発明の技術的範囲は、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせた実施形態も含む。
1 燃料電池システム
2 筐体
3 燃料電池本体
4 換気入口
5 換気出口
6 換気ファン
7 換気フィルタ
8 希釈室
9 アノードオフガス配管
10 開閉弁
11 アノードオフガス出口
12 水素センサ
20 制御部
22 CPU
27 異常検知プログラム
60 換気ユニット
2 筐体
3 燃料電池本体
4 換気入口
5 換気出口
6 換気ファン
7 換気フィルタ
8 希釈室
9 アノードオフガス配管
10 開閉弁
11 アノードオフガス出口
12 水素センサ
20 制御部
22 CPU
27 異常検知プログラム
60 換気ユニット
Claims (9)
- 燃料電池本体と、
前記燃料電池本体を収納し、換気出口を有する筐体と、
前記燃料電池本体から排出されるアノードオフガスを前記換気出口に向けて送出し、アノードオフガス出口を有するアノードオフガス配管と、
前記アノードオフガス配管を開閉する開閉弁と、
前記開閉弁が開放されることにより前記アノードオフガス配管により送出されるアノードオフガスを前記換気出口から前記筐体の外部へ排出する換気ユニットであって、少なくとも換気ファンを含む換気ユニットと、
前記アノードオフガス出口と前記換気出口との間に配置され、前記筐体内の水素濃度を検出する水素センサと、
前記開閉弁と、前記換気ファンとを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記開閉弁が開放される際に、前記水素濃度、または前記水素センサからの検出信号によって定められる濃度検出時間に基づき、前記水素センサに異常が発生しているか否かを判断すると共に、前記換気ユニットに異常が発生しているか否かを判断する異常検知処理を実行するように構成されており、
前記濃度検出時間は、前記水素濃度が第1濃度閾値以上である時間である
ことを特徴とする燃料電池システム。 - 前記制御部は、前記異常検知処理において、前記濃度検出時間を計測する計時処理を実行するように構成され、
前記制御部は、前記計時処理において計測した時間が時間閾値以上である場合、前記換気ユニットの異常と判断することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記制御部は、前記異常検知処理において、前記開閉弁が開放されたときから所定時間が経過するまでの間に、前記水素センサが前記第1濃度閾値以上であることを検出しない場合、前記水素センサの異常と判断することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
- 前記制御部は、前記異常検知処理において、前記水素濃度が前記第1濃度閾値以上となったときから前記第1濃度閾値未満となるまでの時間が前記時間閾値未満である場合、前記水素センサ及び前記換気ユニットは正常であると判断することを特徴とする請求項2または3に記載の燃料電池システム。
- 前記換気ユニットは換気フィルタを更に含み、
前記制御部は、
前記換気ファンの回転数に対応した回転信号を取得する取得処理を実行するように構成され、
前記制御部が前記異常検知処理において前記換気ユニットの異常であると判断するときに、前記取得処理により取得される前記回転信号に対応した回転数が所定の範囲内である場合、前記制御部は、前記換気ユニットの異常のうちの前記換気フィルタの異常であると判断する
ことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。 - 前記制御部は、
前記水素センサにより検出される前記水素濃度が前記第1濃度閾値以上である場合に前記筐体内で水素が漏洩していると判断する判断処理と、
前記異常検知処理を実行している間は前記判断処理を実行することを禁止し、前記異常検知処理を実行していないときは前記判断処理を実行することを許容する、判断制御処理と
を実行することを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の燃料電池システム。 - 前記水素センサは、
検出される水素濃度が前記第1濃度閾値以上である場合に前記制御部に第1の信号を送信し、
検出される水素濃度が前記第1濃度閾値よりも大きい第2濃度閾値以上である場合に前記制御部に第2の信号を送信し、
前記制御部は、前記水素センサから前記第2の信号を受信した場合に、前記筐体内で水素が漏洩していると判断することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の燃料電池システム。 - 燃料電池本体と、
前記燃料電池本体を収納し、換気出口を有する筐体と、
前記燃料電池本体から排出されるアノードオフガスを前記換気出口に向けて送出し、アノードオフガス出口を有するアノードオフガス配管と、
前記アノードオフガス配管を開閉する開閉弁と、
前記開閉弁が開放されることにより前記アノードオフガス配管により送出されるアノードオフガスを前記換気出口から前記筐体の外部へ排出する換気ユニットであって、少なくとも換気ファンを含む換気ユニットと、
前記アノードオフガス出口と前記換気出口との間に配置され、前記筐体内の水素濃度を検出する水素センサと、
前記開閉弁と、前記換気ファンとを制御する制御部と、
を備える燃料電池システムの異常検知方法であって、
前記開閉弁が開放される際に、前記水素濃度、または前記水素センサからの検出信号によって定められる濃度検出時間に基づき、前記水素センサに異常が発生しているか否かを判断すると共に、前記換気ユニットに異常が発生しているか否かを判断し、
前記濃度検出時間は、前記水素濃度が第1濃度閾値以上である時間である
ことを特徴とする燃料電池システムの異常検知方法。 - 燃料電池本体と、
前記燃料電池本体を収納し、換気出口を有する筐体と、
前記燃料電池本体から排出されるアノードオフガスを前記換気出口に向けて送出し、アノードオフガス出口を有するアノードオフガス配管と、
前記アノードオフガス配管を開閉する開閉弁と、
前記開閉弁が開放されることにより前記アノードオフガス配管により送出されるアノードオフガスを前記換気出口から前記筐体の外部へ排出する換気ユニットであって、少なくとも換気ファンを含む換気ユニットと、
前記アノードオフガス出口と前記換気出口との間に配置され、前記筐体内の水素濃度を検出する水素センサと、
前記開閉弁と、前記換気ファンとを制御する制御部と、
を備える燃料電池システムを制御するコンピュータに、
前記開閉弁が開放される際に、前記水素濃度、または前記水素センサからの検出信号によって定められる濃度検出時間に基づき、前記水素センサに異常が発生しているか否かを判断すると共に、前記換気ユニットに異常が発生しているか否かを判断する処理を実行させ、
前記濃度検出時間は、前記水素濃度が第1濃度閾値以上である時間である
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
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-
2017
- 2017-01-25 WO PCT/JP2017/002443 patent/WO2017163585A1/ja active Application Filing
- 2017-02-21 JP JP2017029707A patent/JP2017183275A/ja active Pending
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