JP2017183112A - マグネトロン - Google Patents

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Abstract

【課題】従来と比べて、陰極部組立時の歩留まりを向上させる。【解決手段】陰極センターリード14の出力側の端部近傍の一部分に、陰極センターリード14の径L1より径方向の長さが短い短径部40Aと、エンドハットチップ30の内径L2より径方向の長さが長い長径部40Bとでなる係止部40を形成するようにした。こうすることで、陰極センターリード14の出力側の端部から嵌入したエンドハットチップ30を、係止部40の長径部40Bに当接させて、陰極センターリード14の出力側の端部近傍に保持することができる。かくして、陰極センターリード14にエンドハットチップ30を仮固定するときのレーザー溶接を省略して溶接不良をなくすことができ、従来と比べて、陰極部9組立時の歩留まりを向上させることができる。【選択図】図3

Description

本発明は、マグネトロンに関するものであり、電子レンジ等のマイクロ波加熱機器に用いられる連続波マグネトロンに適用して好適なものである。
2450MHz帯の電波を発振する一般的な電子レンジ用マグネトロンは、発振部と入力部と出力部とを有している。発振部、入力部及び出力部は、マグネトロンの中心軸である管軸に沿って設けられている。つまり、発振部の管軸方向の一端側に入力部が設けられ、他端側に出力部が設けられている。
発振部は、陽極部と陰極部とを有している。陽極部は、陽極円筒と、この陽極円筒の内周面から中心の管軸に向かって突出する複数のベインとを有している。陰極部は、螺旋状陰極(カソード)と、入力側エンドハット及び出力側エンドハットと、陰極センターリードと陰極サイドリードとを有している。
カソードは管軸上に設けられ、入力側エンドハットはカソードの管軸方向の一端(入力側の端)に設けられ、出力側エンドハットはカソードの管軸方向の他端(出力側の端)に設けられている。陰極センターリードは、カソードの内側を通って管軸方向に延び、カソードの他端に設けられた後述するエンドハットチップを介してカソードと電気的に接続されている。一方、陰極サイドリードは、カソードの他端に設けられた入力側エンドハットを介してカソードと電気的に接続されている(例えば特許文献1参照)。
ここで、このような陰極部の組立方法について簡単に説明する。まず、出力側エンドハットを支持する為の部品であり陰極センターリードの外径よりも大きな内径を有する円筒状のエンドハットチップを陰極センターリードに嵌入して、陰極センターリードの出力側の端部に位置決めし、レーザー溶接によりエンドハットチップを陰極センターリードに仮固定する。その後、陰極センターリードに仮固定された状態のエンドハットチップの外周にカソードを嵌入して、エンドハットチップの外周にカソードの出力側の端をロウ材により固定するとともに、カソードの入力側の端をロウ材により入力側エンドハットに固定する。
次に、仮固定されている陰極センターリードとエンドハットチップとの隙間にロウ材を流し入れて凝固させることで陰極センターリードとエンドハットチップを固着する。その後、陰極センターリードの外径よりも大きくエンドハットチップの外径よりも小さな孔を有する出力側エンドハットを、陰極センターリードの出力側の端部に嵌入して、出力側エンドハットをエンドハットチップに当接させ、レーザー溶接により陰極センターリードに固定する。従来、このような組立方法によって陰極部が組み立てられていた。
特開2013−206568号公報
ところで、従来の組立方法では、陰極センターリードとエンドハットチップとの仮固定にレーザー溶接を用いている為、陰極センターリードとエンドハットチップとの仮固定時に溶接不良が発生する場合があり、この溶接不良が、組立時の歩留まり率を低下させる要因の1つとなっていた。実際、陰極センターリードとエンドハットチップとの間に溶接不良が発生すると、例えば、エンドハットチップの外周にカソードを嵌入する際に、エンドハットチップの位置がずれたり、エンドハットチップが陰極センターリードから外れてしまったりすることがあった。
そこで、本発明は、上記課題を解決する為になされたものであり、従来と比べて、陰極部組立時の歩留まりを向上させることを目的とする。
上記目的を達成する為に、本発明に係るマグネトロンは、入力側から出力側に向かう中心軸に沿って延びる円筒状の陽極円筒と、前記陽極円筒の内面から、前記中心軸に向かって延び、遊端がベイン内接円を形成する複数のベインと、前記複数のベインの遊端によって形成されるベイン内接円内に前記中心軸に沿って配置されたカソードと、前記カソードの内側を通り、前記中心軸に沿って延びる陰極センターリードと、前記陰極センターリードの出力側の端部に固定され、前記カソードの出力側の端部と接続するエンドハットチップと、前記陰極センターリードの前記エンドハットチップより出力側に設けられ、前記エンドハットチップを介して前記カソードと接続する出力側エンドハットと、前記陰極センターリードの入力側の端部と接続する入力側エンドハットとを備え、前記エンドハットチップは、リング状でなり、前記陰極センターリードは、前記出力側の端部に、前記エンドハットチップを係止する係止部を有し、前記係止部は、径方向の長さが前記陰極センターリードにおける当該係止部以外の部分の径より短い短径部と、径方向の長さが前記エンドハットチップの内径より大きい長径部とを有し、前記長径部によって前記エンドハットチップを係止することを特徴とする。
本発明によれば、陰極センターリードに形成された係止部によりエンドハットチップを陰極センターリードの出力側の端部に係止することができるので、陰極センターリードにエンドハットチップを固定するときのレーザー溶接を省略して溶接不良をなくすことができ、かくして、従来と比べて、陰極部組立時の歩留まりを向上させることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るマグネトロンの全体の縦断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るマグネトロンの陰極部の構成を示す側面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るマグネトロンの陰極センターリード及びエンドハットチップの構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係るマグネトロンの陰極センターリードの係止部の形成方法を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係るマグネトロンの陰極センターリード及びエンドハットチップの構成を示す図である。 本発明の他の実施の形態に係るマグネトロンの陰極センターリード及びエンドハットチップの構成を示す図である。 本発明の他の実施の形態に係るマグネトロンの陰極センターリード及びエンドハットチップの構成を示す図である。
本発明に係るマグネトロンの一実施の形態を、図面を参照して説明する。尚、以下の実施の形態は、単なる例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態のマグネトロン1の概略を示す縦断面図である。このマグネトロン1は、2450MHz帯の基本波を発生する電子レンジ用のマグネトロンである。マグネトロン1は、2450MHz帯の基本波を発生する発振部2、発振部2の中心に位置するカソード3に電力を供給する入力部4、発振部2から発振されたマイクロ波を管外(マグネトロン1外)に取り出す出力部5を有している。発振部2、入力部4及び出力部5は、マグネトロン1の中心軸である管軸mに沿って設けられている。つまり、発振部2の管軸方向の一端側(図中下側)に入力部4が設けられ、他端側(図中上側)に出力部5が設けられている。
これら入力部4及び出力部5は、それぞれ発振部2に対し、入力側の金属封着体6及び出力側の金属封着体7によって真空機密に接合されている。
発振部2は、陽極部8と陰極部9とを有している。陽極部8は、陽極円筒10と、複数枚(例えば10枚)のベイン11を有している。陽極円筒10は、例えば銅からなり、円筒状に形成され、その中心軸が、マグネトロン1の中心軸である管軸mを通るように配置されている。
各ベイン11は、例えば銅からなり、板状に形成され、陽極円筒10の内側に管軸mを中心に放射状に配置されている。各ベイン11の外側の端部は陽極円筒10の内周面に接合され、内側の端部は遊端になっている。そして、複数枚のベイン11の遊端に囲まれた円筒状の空間が電子作用空間となっている。
陰極部9は、カソード3、2つのエンドハット12、13、陰極センターリード14及び陰極サイドリード15を有している。カソード3は、タングステンなどでできた螺旋状の陰極であり、電子作用空間の管軸m上に設けられている。カソード3は、複数枚のベイン11の遊端と間隔を隔てて配置されている。
このカソード3の入力側の端部(下端部)と出力側の端部(上端部)とに、それぞれ電子の飛び出しを防ぐ為のエンドハット12、13が固定されている。入力側のエンドハット(これを入力側エンドハットと呼ぶ)12はリング状に形成され、出力側のエンドハット(これを出力側エンドハットと呼ぶ)13はディスク上に形成されている。
陰極センターリード14は、入力部4のセラミックステム16に植立されていて、カソード3の内側を通って管軸m方向に延び、カソード3の出力側の端部に設けられたエンドハットチップ30を介してカソード3と電気的に接続されている。一方、陰極サイドリード15も、入力部4のセラミックステム16に植立されていて、カソード3の入力側の端部に設けられた入力側エンドハット12を介してカソード3と電気的に接続されている。
さらに、発振部2には、陽極円筒10の入力側の端部(下端部)の内側と出力側の端部(上端部)の内側に、それぞれ一対のポールピース17、18が、入力側エンドハット12と出力側エンドハット13の間の空間を挟むように対向して設けられている。
入力側のポールピース(これを入力側ポールピースと呼ぶ)17には、その中央部に、入力側エンドハット12よりわずかに大きな径を有する貫通孔が設けられ、この貫通孔を中心として、入力側(下方)に向かって広がる略漏斗状に形成されている。この入力側ポールピース17は、貫通孔の中心を管軸mが通るように配置される。
一方、出力側のポールピース(これを出力側ポールピースと呼ぶ)18は、その中央部に、出力側エンドハット13よりわずかに大きな径を有する貫通孔が設けられ、この貫通孔を中心として、出力側(上方)に向かって広がる略漏斗状に形成されている。この出力側ポールピース18は、貫通孔の中心を管軸mが通るように配置される。
さらに、入力側ポールピース17には、外周部に、管軸m方向に延びる略筒状の金属封着体6の上端部が固着されている。この金属封着体6は、陽極円筒10の下端部にも接している。一方、出力側ポールピース18には、外周部に、管軸m方向に延びる略筒状の金属封着体7の下端部が固着されている。この金属封着体7は、陽極円筒10の上端部にも接している。
入力側の金属封着体6は、その下端部に、入力部4を構成するセラミックステム16が接合されている。つまり、セラミックステム16に植立された陰極センターリード14と陰極サイドリード15は、この金属封着体6の内側を通ってカソード3に接続されている。
一方、出力側の金属封着体7は、その上端部に、出力部5を構成する絶縁筒19が接合されていて、さらに絶縁筒19の上端には排気管20が接合されている。さらに、複数のベイン11のうちの1つから導出されたアンテナ21が、出力側ポールピース18を貫通し、金属封着体7の内側を通ってその上端側へと延び、先端が排気管20に挟持され固定されている。
金属封着体6、7の外側には、陽極円筒10を管軸m方向に挟むように、一対のリング状の磁石22、23が対向して設けられている。一対の磁石22、23は、管軸m方向に磁場を発生させるものである。
さらに、陽極円筒10と磁石22、23は、ヨーク24によって覆われていて、一対の磁石22、23とヨーク24によって磁気回路が形成されている。そして、この磁気回路の磁石22、23からの磁束が、入力側ポールピース17と出力側ポールピース18とによって、ベイン11の遊端とカソード3との間の電子作用空間に導かれるようになっている。
さらに、陽極円筒10とヨーク24の間には、ラジエータ25が設けられていて、発振部2が発振することで生じた熱を、マグネトロン1の外部に放出するようになっている。また、カソード3は、陰極センターリード14、陰極サイドリード15を介して、コイル及び貫通コンデンサを有するフィルター回路26に接続されている。フィルター回路26は、フィルターボックス27に収められている。マグネトロン1の構成の概略は、以上のようになっている。
次に、図2及び図3を用いて、陰極部9の構成についてさらに詳しく説明する。図2は、陰極部9全体を示す側面図であり、図中左側のみが断面図となっている。図3(A)は、陰極部9の出力側の端部周辺を示す側面図であり、陰極センターリード14と後述するエンドハットチップ30以外の部分については省略している。また、図3(A)は、エンドハットチップ30のみ断面を示している。さらに、図3(B)、(C)は、それぞれエンドハットチップ30の上面図、及び陰極センターリード14の上面図である。
図2に示すように、陰極部9は、陰極センターリード14が、カソード3の入力側エンドハット12の中央の孔を通り、カソード3の内側を通って管軸m方向に延びている。この陰極センターリード14の出力側の端部近傍には、図3に示すように、陰極センターリード14の径L1よりも大きな内径L2を有するリング状(円筒状)のエンドハットチップ30が挿入され固定されている。このエンドハットチップ30は、出力側エンドハット13を支持するとともに、カソード3の出力側の端部を固定する為の部品で、カソード3と電気的に接続されており、中心軸に沿って延びる貫通孔30Aが形成されている。尚、陰極センターリード14とエンドハットチップ30は、例えば、ともに高融点金属であるモリブデンでできている。
図2に示すように、出力側エンドハット13は、陰極センターリード14の径L1よりも大きく且つエンドハットチップ30の外径よりも小さい径の貫通孔を有していて、この貫通孔に、陰極センターリード14の出力側の端部が挿入されて、エンドハットチップ30の出力側の端部に当接して固定されている。
また、エンドハットチップ30の外径は、カソード3の内径とほぼ等しく、エンドハットチップ30の外周に、カソード3の出力側の端部が巻回されるようにしてカソード3が固定されている。つまり、陰極センターリード14は、エンドハットチップ30を介してカソード3と電気的に接続されている。
一方、陰極サイドリード15(図1参照)は、入力側エンドハット12に接合され、この入力側エンドハット12を介してカソード3と電気的に接続されている。そして、これら陰極センターリード14及び陰極サイドリード15を介して、入力部4からカソード3に電流が供給されるようになっている。
ここで、陰極センターリード14についてさらに詳しく説明する。陰極センターリード14は、出力側の端部近傍の所定位置に、エンドハットチップ30を係止する係止部40が形成されている。係止部40は、図4に示すように、陰極センターリード14の一部分を、所定の工具(図示せず)を用いて、径方向の一端側と他端側との両方から平面状に押しつぶすことで形成されている。具体的には、所定の工具を用いて、陰極センターリード14の一部分を押しつぶすと、工具と接触する部分40Aが、内側に凹んで径方向の長さL3が短くなり、工具と接触しない部分40Bが、外側に盛り上がって径方向の長さL4が長くなる。
このとき、図3(A)、(C)に示すように、外側に盛り上がった部分40Bの径方向の長さL4が、エンドハットチップ30の内径L2より大きくなるように、陰極センターリード14を押しつぶす。これにより、陰極センターリード14には、係止部40として、エンドハットチップ30の内径L2より径方向の長さが短い部分(これを短径部と呼ぶ)40Aと、内径L2より径方向の長さが長い部分(これを長径部と呼ぶ)40Bとが形成される。尚、係止部40の短径部40Aは、押しつぶされた分、陰極センターリード14の径(すなわち係止部40以外の部分の径)L1より径方向の長さL3が短くなっている。
陰極センターリード14は、出力側の端部から嵌入されるエンドハットチップ30を、エンドハットチップ30の内径L2より大きい係止部40の長径部40Bで支持することで、エンドハットチップ30を、出力側の端部近傍で保持するようになっている。尚、陰極センターリード14は、出力側の端部の長径部40Bに、エンドハットチップ30の端部が当接することにより、エンドハットチップ30を保持するようになっている為、長径部40Bの端部の位置を、エンドハットチップ30を固定する所望の位置に合わせるようにして、係止部40が形成されている。
次に、陰極部9の組立方法について説明する。まず、まだ係止部40が形成されていない陰極センターリード14を、出力側の端部を上側、入力側の端部を下側とする向きで、治具に固定する。次に、所定の工具を用いて、陰極センターリード14の出力側の端部近傍の所定箇所を押しつぶすことにより、係止部40を形成する。その後、陰極センターリード14の出力側の端部から、エンドハットチップ30を嵌入する。出力側の端部から嵌入されたエンドハットチップ30は、陰極センターリード14の係止部40に当接すると、それ以上、入力側(すなわち下方)には移動できなくなる為、この位置で保持される。このようにして、陰極センターリード14の出力側の端部近傍にエンドハットチップ30を仮固定する。
次に、陰極センターリードの出力側の端部から、エンドハットチップ30の外周を通るようにカソード3が嵌入される。このとき、エンドハットチップ30の外周にカソード3が接触すると、エンドハットチップ30には、入力側への力が加わることになるが、エンドハットチップ30は、陰極センターリード14の係止部40に係止されている為、入力側に位置がずれることはない。
さらに、カソード3の出力側の端がエンドハットチップ30の外周に到達するまで、カソード3を嵌入した後、カソード3の出力側の端をエンドハットチップ30の外周にロウ材により固定するとともに、カソード3の入力側の端をロウ材により入力側エンドハット12に固定する。次に、エンドハットチップ30と、陰極センターリード14との間の隙間にロウ材を流し入れて凝固させることで、陰極センターリード14とエンドハットチップ30を固着する。これにより、エンドハットチップ30が陰極センターリード14に完全に固定される。
その後、陰極センターリード14の出力側の端部に、出力側エンドハット13を嵌入して、出力側エンドハット13とエンドハットチップ30の出力側の端部とを当接させ、レーザー溶接により、陰極センターリード14に出力側エンドハット13を固定する。陰極部9は、このような組立方法で組み立てるようになっている。尚、この組立方法は、一例であり、上述した手順の一部を入れ替えるなどしてもよい。例えば、陰極センターリード14の出力側の端部近傍にエンドハットチップ30を仮固定した後、陰極センターリード14とエンドハットチップ30をロウ材により固定してから、カソード3を嵌入するようにしてもよい。
ここまで説明したように、第1の実施の形態では、陰極センターリード14の出力側の端部近傍の一部分を径方向の一端側と他端側との両方から押しつぶすことにより、陰極センターリード14の他の部分の径L1より径方向の長さが短い短径部40Aと、エンドハットチップ30の内径L2より径方向の長さが長い長径部40Bとでなる係止部40を形成するようにした。
こうすることで、陰極センターリード14の出力側の端部から嵌入したエンドハットチップ30を、陰極センターリード14の出力側の端部近傍に形成された係止部40の長径部40Bに当接させて、陰極センターリード14の出力側の端部近傍に保持することができる。
これにより、第1の実施の形態の陰極部9では、従来の組立方法で必要だった、陰極センターリード14にエンドハットチップ30を仮固定するときのレーザー溶接を省略して溶接不良をなくすことができるので、エンドハットチップ30の位置がずれたりエンドハットチップ30が陰極センターリード14から外れてしまったりする不具合をレーザー溶接で仮固定する場合より減らすことができ、かくして、従来と比べて、陰極部9組立時の歩留まりを向上させることができる。
また、第1の実施の形態では、仮固定時のレーザー溶接を省略する代わりに、陰極センターリード14に係止部40を形成する工程が追加されることになるが、この係止部40は、陰極センターリード14の一部分を押しつぶすだけの簡易な作業で形成することができるので、組立コストの増加を抑えることができる。また、仮固定時のレーザー溶接を省略することで、レーザー溶接機の利用コストを削減できるという利点も得られる。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態は、第1の実施の形態とは陰極センターリードの構成のみが異なる。ゆえに、ここでは、主に、陰極センターリードの構成について説明することとする。
図5に、第2の実施の形態による、陰極センターリード14とエンドハットチップ30の構成を示す。図5(A)は、陰極部9の出力側の端部周辺を示す側面図であり、陰極センターリード14と後述するエンドハットチップ30以外の部分については省略している。また、図5(A)は、エンドハットチップ30のみ断面を示している。さらに、図5(B)は、陰極センターリード14の上面図である。尚、エンドハットチップ30は、第1の実施の形態と同一構成の為、詳しい説明は省略する。
陰極センターリード14は、出力側の端部近傍の所定位置に、エンドハットチップ30を係止する係止部50が形成されている。係止部50は、第1の実施の形態の係止部40と同様、陰極センターリード14の一部分を、所定の工具(図示せず)などを用いて、径方向の一端側と他端側との両方から平面状に押しつぶすことで形成されている。具体的には、所定の工具を用いて、陰極センターリード14を押しつぶすと、工具と接触する部分50Aが、内側に凹んで径方向の長さL10が短くなり、工具と接触しない部分50Bが、外側に盛り上がって径方向の長さL11が長くなる。
このとき、外側に盛り上がった部分50Bの径方向の長さL11が、エンドハットチップ30の内径L2よりわずかに大きくなるように、陰極センターリード14を押しつぶす。これにより、陰極センターリード14には、係止部50として、陰極センターリード14の径(すなわち係止部50以外の部分の径)L1より径方向の長さが短い短径部50Aと、エンドハットチップ30の内径L2より径方向の長さがわずかに長い長径部50Bとが形成される。
エンドハットチップ30は、陰極センターリード14の出力側の端部から嵌入され、エンドハットチップ30の内径L2よりわずかに大きい係止部50の長径部50Bに圧入されることで、陰極センターリード14の出力側の端部近傍に保持されるようになっている。尚、陰極センターリード14は、係止部50の長径部50Bが中心軸方向に延びている為、エンドハットチップ30を圧入しながら中心軸方向の位置を調整できるようになっている。
陰極部9の組立方法については、第1の実施の形態とほぼ同様である為、詳しい説明は省略する。第1の実施の形態と異なるのは、陰極センターリード14の係止部50の長径部50Bにエンドハットチップ30を圧入することで、陰極センターリード14とエンドハットチップ30を仮固定する点である。
ここまで説明したように、第2の実施の形態では、陰極センターリード14の出力側の端部近傍の一部分を径方向の一端側と他端側との両方から押しつぶすことにより、陰極センターリード14の他の部分の径L1より径方向の長さが短い短径部50Aと、エンドハットチップ30の内径L2より径方向の長さがわずかに長い長径部50Bとでなる係止部50を形成するようにした。
こうすることで、陰極センターリード14の出力側の端部から嵌入したエンドハットチップ30を、陰極センターリード14の出力側の端部近傍に形成された係止部50の長径部50Bに圧入して、陰極センターリード14の出力側の端部近傍に保持することができる。
これにより、第2の実施の形態の陰極部9では、第1の実施の形態と同様、陰極センターリード14にエンドハットチップ30を仮固定するときのレーザー溶接を省略して溶接不良をなくすことができるので、従来と比べて、陰極部9組立時の歩留まりを向上させることができる。
また、第2の実施の形態では、陰極センターリード14の係止部50にエンドハットチップ30を圧入して仮固定するようになっている為、第1の実施の形態のように陰極センターリード14の係止部40にエンドハットチップ30を当接させて仮固定する場合と比べて、より強固に仮固定することができる。また、仮固定後も、陰極センターリード14にエンドハットチップ30が圧入されているだけなので、エンドハットチップ30の位置を容易に調整することができる。
[他の実施の形態]
尚、上述した第1の実施の形態では、陰極センターリード14の一部分を、所定の工具(図示せず)を用いて、径方向の一端側と他端側との両方から平面状に押しつぶすことで係止部40を形成するようにした。これに限らず、例えば、図6に示すように、所定の工具を用いて、陰極センターリード14の径方向の一端部分と他端部分を、それぞれつまむように押しつぶすことにより、係止部60を形成するようにしてもよい。尚、図6(A)は、陰極センターリード14及びエンドハットチップ30を示す側面図であり、エンドハットチップ30のみ断面を示している。図6(B)は、陰極センターリード14の上面図である。
具体的に、陰極センターリード14の径方向の一端部分と他端部分を、それぞれ軸方向と直交する方向につまむように押しつぶすと、径方向の一端部分と他端部分とにそれぞれ耳状の突起部61が形成される。このとき、2個の突起部61の端から端までの長さ(すなわち径方向の長さ)L20が、エンドハットチップ30の内径L2より大きくなるように、陰極センターリード14を押しつぶす。これにより、陰極センターリード14には、係止部60として、陰極センターリード14の径(すなわち係止部60以外の部分の径)L1より径方向の長さが短い短径部(すなわち径方向の長さL21でなる部分)60Aと、エンドハットチップ30の内径L2より径方向の長さが長い長径部(すなわち径方向の長さL20でなる部分)60Bとが形成される。そしてこの係止部60が、エンドハットチップ30の仮固定時に、エンドハットチップ30と当接する。
尚、図6では、突起部61の平面(すなわち押しつぶされてできた面)が陰極センターリード14の中心軸と平行になっているが、突起部61の平面が陰極センターリード14の中心軸と直交するように、突起部61を形成するようにしてもよい。この場合、エンドハットチップ30の入力側の端部が、突起部61の平面と当接することになる為、エンドハットチップ30を安定して保持できる。
また、これに限らず、例えば、図7(A)、(B)に示すように、先鋭部を有する所定の工具を用いて、陰極センターリード14の一部分を、径方向の一端側と他端側との両方から押しつぶし、陰極センターリード14の一部分に中心軸に沿って延びる溝70を掘ることで、係止部71を形成するようにしてもよい。
具体的に、陰極センターリード14の一部分に中心軸に沿って延びる溝70を掘ると、この溝70の周囲が隆起して中心軸に沿って延びる突起部72が形成される。このとき、陰極センターリード14の中心軸を挟んで対向配置された突起部72の端から端までの長さ(すなわち径方向の長さ)L30が、エンドハットチップ30の内径L2よりわずかに大きくなるように、陰極センターリード14を押しつぶす。これにより、陰極センターリード14には、係止部71として、陰極センターリード14の径(すなわち係止部71以外の部分の径)L1より径方向の長さが短い短径部(すなわち径方向の長さL31でなる溝70の部分)71Aと、エンドハットチップ30の内径L2より径方向の長さがわずかに長い長径部(すなわち径方向の長さL30でなる突起部72の部分)71Bとが形成される。そして、この係止部71が、エンドハットチップ30の仮固定時に、エンドハットチップ30に圧入される。
さらに、上述した例では、突起部61、72を、それぞれ陰極センターリード14に複数個形成するようにしたが、これに限らず、少なくとも1個形成すれば、係止部として機能する。また、上述した各実施の形態では、陰極センターリード14に、係止部40、51、60、71を形成するようにしたが、これに限らず、径方向の長さが陰極センターリード14の径L1より短い短径部と、径方向の長さがエンドハットチップ30の内径L2より大きい長径部とを有するものであれば、上述した係止部40、51、60、71とは異なる形状及び大きさの係止部を陰極センターリード14に形成するようにしてもよい。また、係止部の長径部にエンドハットチップが圧入し易くなるように、長径部を、入力側より出力側の方が径方向の長さが短いテーパ形状としてもよい。
1……マグネトロン、3……カソード、4…入力部、5……出力部、8……陽極部、9……陰極部、10……陽極円筒、11……ベイン、12……入力側エンドハット、13……出力側エンドハット、14……陰極センターリード、15……陰極サイドリード、30……エンドハットチップ、40、50、60、71……係止部、40A、50A、60A、71A……短径部、40B、50B、60B、71B……長径部、61、72……突起部。

Claims (5)

  1. 入力側から出力側に向かう中心軸に沿って延びる円筒状の陽極円筒と、
    前記陽極円筒の内面から、前記中心軸に向かって延び、遊端がベイン内接円を形成する複数のベインと、
    前記複数のベインの遊端によって形成されるベイン内接円内に前記中心軸に沿って配置されたカソードと、
    前記カソードの内側を通り、前記中心軸に沿って延びる陰極センターリードと、
    前記陰極センターリードの出力側の端部に固定され、前記カソードの出力側の端部と接続するエンドハットチップと、
    前記陰極センターリードの前記エンドハットチップより出力側に設けられ、前記エンドハットチップを介して前記カソードと接続する出力側エンドハットと、
    前記陰極センターリードの入力側の端部と接続する入力側エンドハットとを備え、
    前記エンドハットチップは、リング状でなり、
    前記陰極センターリードは、前記出力側の端部に、前記エンドハットチップを係止する係止部を有し、
    前記係止部は、径方向の長さが前記陰極センターリードにおける当該係止部以外の部分の径より短い短径部と、径方向の長さが前記エンドハットチップの内径より大きい長径部とを有し、前記長径部によって前記エンドハットチップを係止する
    ことを特徴とするマグネトロン。
  2. 前記係止部は、
    前記エンドハットチップの入力側の端部が前記長径部の出力側の端部と当接することで前記エンドハットチップを係止する
    ことを特徴とする請求項1に記載のマグネトロン。
  3. 前記係止部は、
    前記長径部に前記エンドハットチップが圧入されることで前記エンドハットチップを係止する
    ことを特徴とする請求項1に記載のマグネトロン。
  4. 前記長径部は、前記陰極センターリードの中心軸に沿って延びている
    ことを特徴とする請求項3に記載のマグネトロン。
  5. 前記係止部は、
    前記陰極センターリードの一部分が径方向に押しつぶされることにより凹んだ部分が短径部、盛り上がった部分が長径部となっている
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のマグネトロン。
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