JP5723126B2 - マグネトロンおよび電子レンジ - Google Patents

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本発明は、マグネトロン、および、これを用いた電子レンジに関する。
マグネトロンは、陽極構体および陰極からなる共振器を備え、マイクロ波を発振する。電子レンジ用マグネトロンは、2450MHz帯(ISMバンド)のマイクロ波を発振する。
陽極構体は、陽極円筒、偶数枚のベイン、および、少なくとも2本のストラップリングを備えている。ベインは、板状に形成されていて、陽極円筒の内周面に接合されている。偶数枚のベインは、陽極円筒の軸中心に放射状に配置されている。偶数枚のベインは、軸周りに交互に配置された第1ベインと第2ベインとに区別され、第1ベイン同士および第2ベイン同士は、それぞれ異なるストラップリングにより短絡されている。ストラップリングは、短絡したベインの電位を等しくする役割を果たす。
陰極は、螺旋状のフィラメントであって、偶数枚のベインの遊端に囲まれた電子作用空間に設けられている。
このように構成されたマグネトロンの共振器は、固有の共振周波数を有している。この共振周波数は、ベインとストラップリングとの間のキャパシタンスや複数本のストラップリング間のキャパシタンスに大きく影響される。それゆえ、ストラップリングによるベインの短絡構造について、様々な提案がなされている。
特許文献1および2には、図11に示したように、同一径の2本の大きいストラップリング141,142および同一径の2本の小さいストラップリング143,144の計4本のストラップリングを備えたマグネトロンが開示されている(以下、「従来例1」という。)。
従来例1のマグネトロンでは、第1ベイン31同士は、入力側の端部(図11の下側の端部)においてストラップリング143により短絡され、出力側の端部(図11の上側の端部)においてストラップリング142により短絡されている。また、第2ベイン32同士は、入力側の端部においてストラップリング141により短絡され、出力側の端部においてストラップリング144により短絡されている。そのため、ベイン31,32の入力側での電位と出力側での電位とのバランスが良好である。その結果、電子逆衝撃や負荷安定度といったマグネトロンの特性に優れている。それゆえ、このようなベインの短絡構造を持った従来例1のマグネトロンは、現在、電子レンジに多く用いられている。
特開2004−134228号公報 特開昭63−98940号公報 特開平4−296429号公報
上述したとおり、4本のストラップリング141〜144を備えた従来例1のマグネトロンは、優れた特性を有している。しかしながら、4本のストラップリング141〜144を得るには、図12に示したように、一辺の長さが大径のストラップリング141,142の直径以上の銅板48が2枚分も必要となり、多くのスクラップ46が生じる。このように、従来例1のマグネトロンは、材料の利用効率が低く、多くの材料費が掛かる。加えて、ベイン31,32に4本のストラップリング141〜144をロー付けにより接合する必要があり、生産性が悪い。
ここで、材料費や生産性を考慮して、ストラップリングの本数を減らすことが考えられる。例えば、特許文献3には、図13に示したように、大小2本のストラップリング241,242を備えたマグネトロンが開示されている(以下、「従来例2」という。)。従来例2のマグネトロンでは、第1ベイン31同士は、出力側の端部において小径のストラップリング242により短絡され、第2ベイン32同士は、出力側の端部において大径のストラップリング241により短絡されている。
しかしながら、ストラップリング241,242がベイン31,32の軸22方向の片側のみに設けられた従来例2の構造では、ベイン31,32の軸22方向の両側に2本ずつ設けられた従来例1の構造に比べて、共振器のキャパシタンスが小さくなり、共振周波数が数百MHz程度も高くなることがある。このような場合には、ストラップリング241,242とベイン31,32との間隔を狭めたり、ストラップリング241,242の断面積を大きくするといった手段によって、共振周波数を補正する必要がある。しかし、ストラップリング241,242とベイン31,32との間隔を狭めると、ロー付け時にロー材がストラップリング241,242間やストラップリング241,242とベイン31,32との間を短絡させる恐れが生じ、生産性が悪化する。また、ストラップリング241,242の断面積を大きくすると、結果的に材料費が高くなることもある。
また、ストラップリング241,242がベイン31,32の出力側のみに設けられた従来例2の構造では、共振周波数の調整作業が困難となる。通常、陽極構体の共振周波数は、部品の寸法精度や組立精度のばらつきを考慮して、組立時には所望する周波数よりやや高めに設定され、組立後に調整される。この調整作業には、ベインの一部を切削したり、ストラップリングを変形させるといった手法が用いられる。生産性、特性への副作用や調整作業の作業性の観点を考慮すると、陽極構体から導出されたアンテナを導波管内に入れた状態で、共振周波数をモニターしながら、ストラップリングを軸方向に変形させて、ストラップリングとベインとの間隔を狭めることにより、キャパシタンスを大きくし、所望の周波数に調整する手法が望まれる。しかし、ストラップリング241,242がベイン31,32の出力側のみに設けられた従来例2の構造では、この調整手法を用いることができない。また、ストラップリング241,242の断面積が大きいと、ストラップリング241,242を変形させること自体が困難となってしまう。
さらに、ストラップリング241,242がベイン31,32の軸22方向の片側のみに設けられた従来例2の構造では、ベイン31,32の軸22方向の両側での電位がアンバランスとなる。そのため、従来例2のマグネトロンは、従来例1のマグネトロンに比べて、電子逆衝撃や負荷安定度といった特性に劣る。
この他に、大中小3本のストラップリングがベインの軸方向の片側のみに設けられたマグネトロンも知られている(以下、「従来例3」という。)。電子逆衝撃や負荷安定度といったマグネトロンの特性については、従来例3は、従来例2に比べると優れるが、従来例1に比べると劣る。また、従来例3の大径のストラップリングは、従来例1の大径のストラップリング141,142に比べて大きく設計する必要があり、結果的に材料費を抑えることが難しい。
さらに、図14に示したように、同一径の2本のストラップリング341,342を備えたマグネトロンも知られている(以下、「従来例4」という。)。従来例4のマグネトロンでは、第1ベイン31同士は、出力側の端部においてストラップリング342により短絡され、第2ベイン32同士は、入力側の端部においてストラップリング341により短絡されている。この構造では、ストラップリング341,342間のキャパシタンスを望めないため、ストラップリング341,342の断面積を大幅に大きくする必要がある。したがって、結果的に材料費を抑えることが難しい。また、上述した周波数の調整も困難となる。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、優れた特性を有したマグネトロンを低コストで製造することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るマグネトロンは、軸に沿って延びた陽極円筒と、前記軸方向の一方の第1の端部と前記軸方向の他方の第2の端部とを有する板状に形成されて前記軸中心に放射状に配置されて前記陽極円筒の内周面に接合されて前記軸周りに交互に配置された複数の第1のベインおよび複数の第2のベインと、前記ベインの第1の端部側に配置されて前記複数の第1のベイン同士を短絡した環状の第1のストラップリングと、前記ベインの第2の端部側に配置されて前記複数の第1のベイン同士を短絡した環状の第2のストラップリングと、前記ベインの第2の端部側に配置されて前記複数の第2のベイン同士を短絡した環状の第3のストラップリングと、前記複数の第1のベインのいずれか1つに接合されたアンテナとを具備し、前記第1のストラップリングの外径が前記第2のストラップリングの内径以下であり、前記第3のストラップリングの外径が前記第1のストラップリングの内径以下であることを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る電子レンジは、軸に沿って延びた陽極円筒と、前記軸方向の一方の第1の端部と前記軸方向の他方の第2の端部とを有する板状に形成されて前記軸中心に放射状に配置されて前記陽極円筒の内周面に接合されて前記軸周りに交互に配置された複数の第1のベインおよび複数の第2のベインと、前記ベインの第1の端部側に配置されて前記複数の第1のベイン同士を短絡した環状の第1のストラップリングと、前記ベインの第2の端部側に配置されて前記複数の第1のベイン同士を短絡した環状の第2のストラップリングと、前記ベインの第2の端部側に配置されて前記複数の第2のベイン同士を短絡した環状の第3のストラップリングと、前記複数の第1のベインのいずれか1つに接合されたアンテナとを備え、前記第1のストラップリングの外径が前記第2のストラップリングの内径以下であり、前記第3のストラップリングの外径が前記第1のストラップリングの内径以下であるマグネトロンを具備したことを特徴とする。
本発明によれば、優れた特性を有したマグネトロンを低コストで製造できる。
本発明の第1の実施形態に係るマグネトロンの概略縦断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るマグネトロンの実施例1の陽極構体の概略縦断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るマグネトロンの実施例2の陽極構体の概略縦断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るマグネトロンを説明するための比較例1の陽極構体の概略縦断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るマグネトロンを説明するための比較例2の陽極構体の概略縦断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るマグネトロンを説明するための表であって、実施例1,2および比較例1,2のマグネトロンの寸法を示した表である。 本発明の第1の実施形態に係るマグネトロンを説明するための表であって、実施例1,2および比較例1,2のマグネトロンの特性を示した表である。 本発明の第1の実施形態に係るマグネトロンの3本のストラップリングを銅板から打ち抜く様子を模式的に示した図である。 本発明の第2の実施形態に係るマグネトロンの実施例3の陽極構体の概略縦断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るマグネトロンの実施例4の陽極構体の概略縦断面図である。 従来例1のマグネトロンの陽極構体の概略縦断面図である。 従来例1のマグネトロンの4本のストラップリングを銅板から打ち抜く様子を模式的に示した図である。 従来例2のマグネトロンの陽極構体の概略縦断面図である。 従来例4のマグネトロンの陽極構体の概略縦断面図である。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係るマグネトロンおよび電子レンジについて説明する。
まず、本実施形態に係るマグネトロンの構造の概略について、図1を用いて説明する。図1は、マグネトロンの概略縦断面図である。
陽極構体10は、陽極円筒20、偶数枚のベイン30、および、3本のストラップリング40を備えている。陽極円筒20は、例えば銅からなり、円筒状に形成されている。
各ベイン30は、例えば銅からなり、板状に形成されている。偶数枚のベイン30は、陽極円筒20の軸22中心に放射状に配置されている。ベイン30の外側の端部は、陽極円筒20の内周面に接合されている。ベイン30の内側の端部は、遊端になっている。偶数枚のベイン30の遊端に囲まれた円柱状の空間は、電子作用空間となる。
3本のストラップリング40は、偶数枚のベイン30の軸22方向の両端に配置されている。各ストラップリング40は、偶数枚のベイン30のうち軸22回りに交互に配置された複数枚のベイン30同士を短絡している。
陰極50は、螺旋状のフィラメントであり、軸22方向に沿って延びている。陰極50は、上述した電子作用空間内に設けられている。陰極50は、偶数枚のベイン30の遊端と間隔を空けて配置されている。陽極構体10および陰極50は、マグネトロンの共振部となる。
リング状のエンドハット60は、陰極50の入力側の端部(図1の下側の端部)に固定されている。また、ディスク状のエンドハット62は、陰極50の出力側の端部(図1の上側の端部)に固定されている。
サイドサポートロッド64は、リング状のエンドハット60を介して、陰極50に電気的に接続されている。また、センターサポートロッド66は、陰極50の螺旋状のフィラメントの中心を貫通している。センターサポートロッド66は、ディスク状のエンドハット62を介して、陰極50に電気的に接続されている。サイドサポートロッド64およびセンターサポートロッド66は、陰極50を支持するとともに、陰極50に電流を供給する。
一対のポールピース70,72は、それぞれ漏斗状に形成されている。一対のポールピース70,72は、それぞれ陽極円筒20の入力側の端部および出力側の端部に接合されている。
一対の金属封着体74,76は、それぞれ筒状に形成されている。一対の金属封着体74,76は、軸22に沿って延びている。金属封着体74の一端は、陽極円筒20の入力側の端部およびポールピース70に固定されている。一方、金属封着体76の一端は、陽極円筒20の出力側の端部およびポールピース72に固定されている。
絶縁円筒80は、セラミックからなり、軸22に沿って延びている。絶縁円筒80の一端は、金属封着体76の出力側の端部に接合されている。絶縁円筒80の他端は、排気管82に接合されている。
アンテナ84は、偶数枚のベイン30のうちの1枚から、出力側のポールピース72を貫通し、金属封着体76および絶縁円筒80の内部を延びて、排気管82まで導出されている。アンテナ84は、発振されたマイクロ波をマグネトロンの外部に取り出す役割を果たす。アンテナ84の先端は、排気管82により挟持されている。キャップ86は、排気管82の外側を覆うように設けられている。
絶縁ステム88は、金属封着体74の入力側の端部に接合されている。
一対のマグネット90,92は、それぞれリング状に形成されている。一対のマグネット90,92は、それぞれ金属封着体74,76の外側に配置されている。一対のマグネット90,92は、陽極円筒20を挟むように配置されていて、軸22方向に磁場を発生させる。ヨーク94は、陽極円筒20およびマグネット90,92を囲むように設けられている。一対のマグネット90,92およびヨーク94は、磁気回路を形成している。また、ラジエータ96は、陽極円筒20とヨーク94との間に設けられていて、発振により生じた熱をマグネトロンの外部に放出する。
次に、本実施形態に係るマグネトロンの特徴的部分について、実施例1,2および比較例1,2を用いて、詳細に説明する。
まず、本実施形態に係るマグネトロンの実施例1の構造について、図2を用いて説明する。図2は、実施例1の陽極構体の概略縦断面図である。
実施例1のマグネトロンは、10枚のベイン30を有している。10枚のベイン30は、陽極円筒20内に軸22中心に放射状に配置されている。10枚のベイン30は、5枚の第1ベイン31と5枚の第2ベイン32とに区別される。第1ベイン31と第2ベイン32とは、軸22周りに交互に配置されている。アンテナ84は、第1ベイン31のうちの1枚の出力側の端部(図2の上側の端部。以下「第2端部」という。)に接続されている。
第1ベイン31の入力側の端部(図2の下側の端部。以下「第1端部」という。)および出力側の端部(上述したとおり、以下「第2端部」という。)には、それぞれ形状の異なる切欠き31a,31bが形成されている。同様に、第2ベイン32の第1端部および第2端部には、それぞれ形状の異なる切欠き32a,32bが形成されている。
実施例1のマグネトロンは、3本のストラップリング(第1ないし第3ストラップリング)41〜43を有している。3本のストラップリング41〜43は、銅からなり、環状に形成されている。3本のストラップリング41〜43は、軸22中心に配置されている。
本実施形態では、3本のストラップリング41〜43の径は、互いに異なる。3本のストラップリング41〜43は、第2ストラップリング42、第1ストラップリング41、第3ストラップリング43の順に小さく設計されている。
本実施形態では、3本のストラップリング41〜43は、図8に示したように、プレス加工によって1枚の銅板48を4回打ち抜いて得られる。したがって、第2ストラップリング42の内径は、第1ストラップリング41の外径に等しい。また、第1ストラップリング41の内径は、第3ストラップリング43の外径に等しい。
なお、打ち抜き時には、ストラップリング41〜43のせん断面に僅かなテーパーが形成されることがある。また、打ち抜き時には、銅板48が歪まないように圧力を掛けて銅板48を固定する。そのため、第2ストラップリング42の内径と第1ストラップリング41の外径、および、第1ストラップリング41の内径と第3ストラップリング43の外径は、ほぼ等しくなるが、完全に一致しないこともある。
第1ストラップリング41は、ベイン30の第1端部側(入力側)に配置されている。第1ストラップリング41は、5枚の第1ベイン31の切欠き31aの内部および5枚の第2ベイン32の切欠き32aの内部を挿通している。第1ストラップリング41は、第1ベイン31の切欠き31aの内縁にロー付けにより接合されているが、第2ベイン32の切欠き32aの内縁には接触していない。つまり、第1ストラップリング41は、5枚の第1ベイン31同士を短絡している。
第2ストラップリング42は、ベイン30の第2端部側(出力側)に配置されている。第2ストラップリング42は、5枚の第1ベイン31の切欠き31bの内部および5枚の第2ベイン32の切欠き32bの内部を挿通している。第2ストラップリング42は、第1ベイン31の切欠き31bの内縁にロー付けにより接合されているが、第2ベイン32の切欠き32bの内縁には接触していない。つまり、第2ストラップリング42は、5枚の第1ベイン31同士を短絡している。
第3ストラップリング43は、ベイン30の第2端部側(出力側)に配置されている。第3ストラップリング43は、5枚の第1ベイン31の切欠き31bの内部および5枚の第2ベイン32の切欠き32bの内部を挿通している。第3ストラップリング43は、第2ベイン32の切欠き32bの内縁にロー付けにより接合されているが、第1ベイン31の切欠き31bの内縁には接触していない。つまり、第3ストラップリング43は、5枚の第2ベイン32同士を短絡している。
上述したとおり、実施例1では、第1ストラップリング41は、ベイン30の第1端部側(入力側)に配置され、第2および第3ストラップリング42,43は、ベイン30の第2端部側(出力側)に配置されている。また、第1および第2ストラップリング41,42は、アンテナ84が接続された第1ベイン31同士を短絡し、第3ストラップリング43は、第2ベイン32同士を短絡している。
すなわち、アンテナ84が接続されたベインを含む第1ベイン31同士は、第1端部において第1ストラップリング41により短絡され、第2端部において第2ストラップリング42により短絡されている。また、第2ベイン32同士は、第2端部において第3ストラップリング43により短絡されている。
マグネトロンの発振時には、5枚の第1ベイン31は、第1ストラップリング41および第2ストラップリング42により、同電位となる。また、5枚の第2ベイン32は、第3ストラップリング43により、同電位となる。
次に、本実施形態に係るマグネトロンの実施例2の構造について、図3を用いて説明する。図3は、実施例2の陽極構体の概略縦断面図である。なお、実施例1と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
実施例2では、実施例1と同様に、第1ストラップリング41は、ベイン30の第1端部側(入力側)に配置され、第2および第3ストラップリング42,43は、ベイン30の第2端部側(出力側)に配置されている。また、第1ストラップリング41は、アンテナ84が接続されたベインを含む第1ベイン31同士を短絡している。
一方、実施例2では、実施例1と異なり、第2ストラップリング42は、第2ベイン32同士を短絡している。また、第3ストラップリング43は、アンテナ84が接続されたベインを含む第1ベイン31同士を短絡している。
なお、実施例1の第1ないし第3ストラップリング41〜43と実施例2の第1ないし第3ストラップリング41〜43とは、それぞれ、同一径に設計されている。実施例1と実施例2とでは、第2端部側の切欠き31b,32bの形状を変えることによって、短絡されるベイン30を変えている。
次に、比較例1,2の構造について、図4および図5を用いて説明する。図4は、比較例1の陽極構体の概略縦断面図である。図5は、比較例2の陽極構体の概略縦断面図である。なお、実施例1,2と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
比較例1,2では、実施例1,2と同様に、第1ストラップリング41は、ベイン30の第1端部側(入力側)に配置され、第2および第3ストラップリング42,43は、ベイン30の第2端部側(出力側)に配置されている。
一方、比較例1,2では、実施例1,2と異なり、第1ストラップリング41は、アンテナ84が接続されていない第2ベイン32同士を短絡している。
比較例1では、実施例1と同様に、第2ストラップリング42は、第1ベイン31同士を短絡し、第3ストラップリング43は、第2ベイン32同士を短絡している。
比較例2では、実施例2と同様に、第2ストラップリング42は、第2ベイン32同士を短絡し、第3ストラップリング43は、第1ベイン31同士を短絡している。
なお、実施例1,2の第1ないし第3ストラップリング41〜43と比較例1,2の第1ないし第3ストラップリング41〜43とは、それぞれ、同一径に設計されている。実施例1,2と比較例1,2とでは、短絡するベイン30に応じて、切欠き31a,31b,32a,32bの形状が異なる。
さらに、実施例1,2および比較例1,2のマグネトロンは、切欠き31a,31b,32a,32bを除く部分の形状・大きさが全て同一に設計されている。特に、後述するマグネトロンの特性に与える影響が大きい部分について、その寸法を図6に示す。
次に、図7を用いて、実施例1,2および比較例1,2のマグネトロンの特性の比較を行う。図7は、実施例1,2および比較例1,2のマグネトロンの特性を示した表である。
図7は、実施例1,2および比較例1,2のマグネトロンのバックヒート(陰極逆衝撃)の最小値、バックヒートの最大値と最小値との差、ならびに、負荷安定度の測定値を示す。一般的に、マグネトロンの動作安定性、機器とのマッチングおよび製品寿命の観点から、バックヒートの最小値および負荷安定度については、それらの値が大きいことが望まれ、バックヒートの最大値と最小値との差については、その値が小さいことが望まれる。
図7から分かるように、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2の順に、優れた特性を有している。実施例1,2のマグネトロンについては、電子レンジに適用できるだけの十分な特性を有しているが、比較例1,2のマグネトロンについては、電子レンジに適用できるだけの十分な特性を有していない。
上述したとおり、実施例1,2では、アンテナ84が接続された第1ベイン31は、第1端部および第2端部においてストラップリング40により短絡されている。そのため、実施例1,2では、マイクロ波が導出される第1ベイン31の入力側の電位と出力側の電位とのバランスが良好であり、共に安定している。
一方、上述したとおり、比較例1,2では、アンテナ84が接続された第1ベイン31は、第2端部においてストラップリング40により短絡されているが、第1端部においてストラップリング40により短絡されていない。そのため、比較例1,2では、マイクロ波が導出される第1ベイン31の入力側の電位と出力側の電位とのバランスが悪く、安定性が低い。
アンテナ84が接続された第1ベイン31が軸22方向の両端部においてストラップリング40により短絡されているか否かが、実施例1,2と比較例1,2との特性の差に起因すると考えられる。
なお、実施例1と実施例2との比較から、アンテナ84が接続された第1ベイン31に大径の第2ストラップリング42が接合されている方が望ましいことが分かる。
以下、本実施形態に係るマグネトロン(実施例1,2のマグネトロン)の効果について説明する。
上述したとおり、本実施形態に係るマグネトロンは、アンテナ84が接続された第1ベイン31の軸22方向の両側(入力側および出力側)にストラップリング40が接合されている。そのため、マイクロ波が導出される第1ベイン31の入力側の電位と出力側の電位とが共に安定し、優れた特性を有している。
本実施形態によれば、3本のストラップリング41〜43により、4本のストラップリング141〜144を備えた従来例1のマグネトロンと同等の優れた特性が得られる。したがって、従来例1のマグネトロンに比べて、材料費が低減し、生産性が向上する。その結果、優れた特性を有するマグネトロンを低コストで製造することができる。
また、本実施形態では、3本のストラップリング41〜43の径が互いに異なるため、1枚の銅板から3本のストラップリング41〜43を得ることができる。そのため、材料の利用効率が高く、さらに材料費を低減できる。加えて、本実施形態では、第2ストラップリング42の内径と第1ストラップリング41の外径とが等しく、第1ストラップリング41の内径と第3ストラップリング43の外径とが等しい。そのため、3本のストラップリング41〜43を1枚の銅板48から4回の打ち抜きで得ることができる。したがって、生産性が向上する。
さらに、ベイン30の第1端部側(入力側)に第1ストラップリング41が配置されている。そのため、組立後に第1ストラップリング41を変形させて行う、共振周波数の調整作業を容易に行うことができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係るマグネトロン(実施例3,4のマグネトロン)および電子レンジについて、図9および図10を用いて説明する。図9は、実施例3の陽極構体の概略縦断面図である。図10は、実施例4の陽極構体の概略縦断面図である。なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であるため、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
第1の実施形態(実施例1,2)では、第1ストラップリング41は、ベイン30の第1端部側(入力側)に配置され、第2および第3ストラップリング42,43は、ベイン30の第2端部側(出力側)に配置されている。
一方、本実施形態では、第1ストラップリング41は、ベイン30の第2端部側(出力側)に配置され、第2および第3ストラップリング42,43は、ベイン30の第1端部側(入力側)に配置されている。
実施例3では、実施例1と同様に、第1および第2ストラップリング41,42は、アンテナ84が接続されたベインを含む第1ベイン31同士を短絡し、第3ストラップリング43は、第2ベイン32同士を短絡している。
また、実施例4では、実施例2と同様に、第1および第3ストラップリング41,43は、アンテナ84が接続されたベインを含む第1ベイン31同士を短絡し、第2ストラップリング42は、第2ベイン32同士を短絡している。
本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、アンテナ84が接続された第1ベイン31は、第1端部および第2端部においてストラップリング40により短絡されている。そのため、第1の実施形態と同等の効果を得ることができる。
[他の実施形態]
上記の実施形態は、単なる例示であって、本発明は、これらに限定されるものではない。例えば、上記の実施形態では、第1ないし第3ストラップリング41〜43は、互いに異なる径に設計されているが、例えば、第1ストラップリング41と第2ストラップリング42とが同一径で、第3ストラップリング43が第1および第2ストラップリング41,42より小径に設計されても良い。この場合には、銅板48からの打ち抜き時のスクラップ46は増えるが、材料の使用量はほとんど変わらないため、リサイクルにより、低コスト化が可能である。
また、第1ストラップリング41の外径が第2ストラップリング42の内径より小さく、第3ストラップリング43の外径が第1ストラップリング41の内径より小さく設計されていても良い。
10…陽極構体、20…陽極円筒、22…陽極円筒の軸、30…ベイン、31…第1ベイン、32…第2ベイン、40…ストラップリング、41…第1ストラップリング、42…第2ストラップリング、43…第3ストラップリング、46…スクラップ、48…銅板、50…陰極、60,62…エンドハット、64…サイドサポートロッド、66…センターサポートロッド、70,72…ポールピース、74,76…金属封着体、80…絶縁円筒、82…排気管、84…アンテナ、86…キャップ、88…絶縁ステム、90,92…マグネット、94…ヨーク、96…ラジエータ

Claims (3)

  1. 軸に沿って延びた陽極円筒と、
    前記軸方向の一方の第1の端部と前記軸方向の他方の第2の端部とを有する板状に形成されて前記軸中心に放射状に配置されて前記陽極円筒の内周面に接合されて前記軸周りに交互に配置された複数の第1のベインおよび複数の第2のベインと、
    前記ベインの第1の端部側に配置されて前記複数の第1のベイン同士を短絡した環状の第1のストラップリングと、
    前記ベインの第2の端部側に配置されて前記複数の第1のベイン同士を短絡した環状の第2のストラップリングと、
    前記ベインの第2の端部側に配置されて前記複数の第2のベイン同士を短絡した環状の第3のストラップリングと、
    前記複数の第1のベインのいずれか1つに接合されたアンテナとを具備し、
    前記第1のストラップリングの外径が前記第2のストラップリングの内径以下であり、前記第3のストラップリングの外径が前記第1のストラップリングの内径以下であることを特徴とするマグネトロン。
  2. 前記第1のストラップリングの外径と前記第2のストラップリングの内径とが等しく、前記第3のストラップリングの外径と前記第1のストラップリングの内径とが等しいことを特徴とする請求項1に記載のマグネトロン。
  3. 軸に沿って延びた陽極円筒と、
    前記軸方向の一方の第1の端部と前記軸方向の他方の第2の端部とを有する板状に形成されて前記軸中心に放射状に配置されて前記陽極円筒の内周面に接合されて前記軸周りに交互に配置された複数の第1のベインおよび複数の第2のベインと、
    前記ベインの第1の端部側に配置されて前記複数の第1のベイン同士を短絡した環状の第1のストラップリングと、
    前記ベインの第2の端部側に配置されて前記複数の第1のベイン同士を短絡した環状の第2のストラップリングと、
    前記ベインの第2の端部側に配置されて前記複数の第2のベイン同士を短絡した環状の第3のストラップリングと、
    前記複数の第1のベインのいずれか1つに接合されたアンテナと、
    を備え、
    前記第1のストラップリングの外径が前記第2のストラップリングの内径以下であり、前記第3のストラップリングの外径が前記第1のストラップリングの内径以下であるマグネトロンを具備したことを特徴とする電子レンジ。
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