JP2017181569A - 光学素子表面の防曇性維持方法 - Google Patents

光学素子表面の防曇性維持方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高温高圧処理後においても、光学素子表面の親水性を維持することができる光学素子表面の防曇性維持方法を提供する。【解決手段】親水性を有する防汚コート層を備える光学素子であって、高温高圧処理後の光学素子表面を水拭きする工程を有する。さらに、水拭きする工程後の光学素子表面に、防汚コート層を再コーティングする工程、再コーティングする工程後に、水拭きする工程を有することが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、光学素子表面の防曇性維持方法に係り、特に、医療用光学機器に好適に用いられる光学素子表面の防曇性維持方法に関する。
従来から、高温高圧の水蒸気に対して優れた耐久性を有し、高温高圧水蒸気処理が可能であるとともに、優れた反射防止特性を有する反射防止膜を有する光学素子及び医療用光学機器が提案されている。例えば、下記の特許文献1には、反射防止膜の入射媒質側表面層が二酸化ハフニウム又は五酸化二タンタルからなる高密度の層とした光学素子およびこの光学素子を有する医療用光学機器が記載されている。
特開2005−208519号公報
手術用顕微鏡システム(OMS:operating microscope system)、特に、眼の手術に用いられる接眼レンズにおいては、患者との距離が近くなるため、呼気により、レンズが曇り、手術を中断せざるをえないという課題があった。レンズの曇りを解消するためには、表面に親水性の膜を設けることが効果的であるが、手術後の高温高圧処理など滅菌処理により親水性が劣化する懸念があった。
特許文献1に記載の光学素子は、基板表面に反射防止膜を有することが記載されているのみであり、防曇性についての検討はされていなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、高温高圧処理後においても、光学素子表面の親水性を維持することができる光学素子表面の防曇性維持方法を提供する。
本発明は、上記目的を達成するために、親水性を有する防汚コート層を備える光学素子であって、高温高圧処理後の光学素子表面を水拭きする工程を有する光学素子表面の防曇性維持方法を提供する。
本発明の光学素子表面の防曇性維持方法によれば、高温高圧処理後においても、光学素子表面を水拭きすることで、防曇性を回復することができる。したがって、手術に使用され、滅菌処理が施された光学素子においても、良好な防曇性を維持することができ、医療用光学機器に好適に用いることができる。なお、本発明において、「親水性を有する」とは、表面の接触角が10°以下のこといい、接触角を10°以下とすることで、良好な防曇性を有することができる。
本発明の別の態様においては、水拭きする工程後の光学素子表面に、防汚コート層を再コーティングする工程を有することが好ましい。
この態様によれば、防汚コート層を再コーティングすることで、親水性を付与することができる。防汚コート層を再コーティングする工程は、光学素子に設けられている防汚コート層より簡便な方法で形成することができ、防汚コート層を再コーティングすることで、光学素子表面の防曇性を回復することができる。
本発明の別の態様においては、再コーティングする工程後に、水拭きする工程を更に有することが好ましい。
この態様によれば、再コーティングする工程後に、水拭きを行うことで、表面の汚れを除去することができ、防曇性を向上させることができる。
本発明の別の態様においては、防汚コート層がアクリルポリマーからなることが好ましい。
この態様は、防汚コート層を形成する材料を限定したものであり、防汚コート層をアクリルポリマーで形成することで、防汚コート層の表面を親水性とすることができる。
本発明の別の態様においては、防汚コート層は、非水溶性のアクリルポリマーからなり、高温高圧処理を複数回行う場合、2回目以降の高温高圧処理を行う前に、防汚コート層を再コーティングする工程、および、水拭きする工程を行うことが好ましい。
この態様によれば、コート層の材料が非水溶性のアクリルポリマーである場合、複数回の高温高圧処理により、親水性の回復程度が落ちてしまうが、再コーティング、水拭き、高温高圧処理、水拭きを行うことで、光学素子表面の防曇性を維持することができる。
本発明の別の態様においては、光学素子は、基板に、反射防止膜と、防汚コート層と、を積層してなり、反射防止膜は、基板側から、五酸化二タンタルまたは二酸化ハフニウムからなる第1の高屈折率層と、酸化ケイ素からなる第1の低屈折率層と、五酸化二タンタル又は二酸化ハフニウムからなる第2の高屈折率層と、を積層してなることが好ましい。
本発明の別の態様においては、反射防止膜は、第2の高屈折率層上に、酸化ケイ素からなる第2の低屈折率層と、五酸化二タンタル又は二酸化ハフニウムからなる第3の高屈折率層と、を積層してなることが好ましい。
この態様によれば、光学素子を形成する反射防止膜を上記の構成とすることで、波長420nmから750nmの光に対して、低い反射率とすることができ、良好な光学特性とすることができる。
本発明の別の態様においては、防汚コート層は、フェノキシエタノールを含有することが好ましい。
この態様によれば、防汚コート層にフェノキシエタノールを含有することで、防汚コート層に抗菌効果を付与することができる。防汚コート層を親水性とすることで、菌が付着しやすくなるが、フェノキシエタノールを含有することで、菌の付着を防止することができる。
本発明の光学素子表面の防曇性維持方法によれば、高温高圧処理後の光学素子表面を水拭きすることで、防曇性を回復することができる。したがって、手術に使用され、滅菌処理が施された光学素子においても、曇ることなく手術に使用することができる。
光学素子の積層状態を示す説明図である。 他の実施形態の光学素子の積層状態を示す説明図である。 医療用光学機器の外観構成の一例を示す概略図である。
以下、本発明に係る光学素子表面の防曇性維持方法について説明する。
≪光学素子≫
まず、本発明の光学素子表面の防曇性維持方法が適用される光学素子について説明する。
図1は、光学素子の積層状態の一例を示す説明図である。光学素子1は、基板2に、反射防止膜3として、五酸化二タンタル(Ta)からなる第1の高屈折率層4と、酸化ケイ素(SiO)からなる第1の低屈折率層5と、五酸化二タンタルからなる第2の高屈折率層6と、を積層し、その上に光学特性に影響を与えない程度の厚さの防汚コート層7を積層することにより形成されている。五酸化二タンタルの代わりに、二酸化ハフニウム(HfO)を積層してもよい。
基板2には、ランタン系ガラスLAH53が材料として用いられる。
防汚コート層7の物理膜厚は1nm以上10nmとすることが好ましい。物理膜厚を1nm以上10nmとすることで、光学素子の光学特性に影響を与えない膜厚とすることができる。防汚コート層7は、アクリルポリマーを用いて形成される。アクリルポリマーとしては、水溶性のアクリルポリマー、非水溶性のアクリルポリマーのいずれも用いることができ、炭素数10以下の直鎖もしくは分岐のアルキル基を有するアクリル酸またはメタクリル酸のエステルを成分とする重合体などが挙げられる。具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステル類のアクリルポリマーを用いることができる。アクリルポリマーは、1種類を単独で用いてもよく、複数種類を混合して用いてもよい。防汚コート層7を、アクリルポリマーを用いて形成することで、防汚コート層7に親水性を付与することができる。防汚コート層7を親水性とすることで、防汚コート層7に付着した水滴が表面で濡れ広がるため、光学素子1が曇ることを防止することができる。親水性を示す指標としては、接触角を用いることができ、接触角は10°以下とすることが好ましい。
また、防汚コート層7は、アルコール類およびエステル類の少なくともいずれか一方を含有させることが好ましい。アルコール類およびエステル類の少なくともいずれか一方を含有させることで、防汚コート層7に抗菌性能を付与することができる。アルコール類としては、フェノキシエタノールを用いることができる。エステル類としては、パラオキシ安息香酸エステルを用いることができ、具体的には、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、ベンジルパラベンなどが挙げられる。なかでも、フェノキシエタノールを用いることが好ましい。また、アルコール類およびエステル類の含有量は、アクリルポリマーの重量に対して、1重量%以上5重量%以下とすることが好ましい。
基板2への反射防止膜3の成膜は、第1の高屈折率層4、第1の低屈折率層5、および、第2の高屈折率層6の各層を、イオンアシスト法、真空蒸着法、スパッタリング法により成膜することで行うことができ、いずれの成膜方法を用いることができる。
反射防止膜3上への防汚コート層7の形成は、アルコール類またはエステルエステル類の少なくともいずれか一方を含むアクリルポリマーを溶媒に溶解させた溶液を、反射防止膜3上に塗布した後、乾燥、水洗により形成することができる。溶液を塗布する方法としては、スピンコート法により行うことができ、例えば、1500rpmで20秒間の塗布を2回行うことで塗布することができる。また、乾燥は、常温で乾燥してもよく、85℃で1時間加熱乾燥してもよい。
光学素子1の層構成としては、例えば、以下の表1に示す組成、物理膜厚とすることができる。
Figure 2017181569
図2は、他の実施形態の光学素子の積層状態を示す説明図である。図2に示す光学素子11は、基板12に、反射防止膜13として、五酸化二タンタル(Ta)からなる第1の高屈折率層14と、酸化ケイ素(SiO)からなる第1の低屈折率層15と、五酸化二タンタルからなる第2の高屈折率層16と、酸化ケイ素からなる第2の低屈折率層17と、五酸化二タンタルからなる第3の高屈折率層18と、を積層し、その上に光学特性に影響を与えない程度の厚さの防汚コート層19を積層することにより形成されている。すなわち、図2に示す光学素子11は、反射防止膜13に、第2の低屈折率層17と、第3の高屈折率層18と、を有する点が、図1に示す光学素子1と異なっている。なお、図2に示す光学素子11についても、五酸化二タンタルの代わりに、二酸化ハフニウム(HfO)を積層してもよい。
基板2としては、合成石英ガラスを材料として用いることができる。
反射防止膜13の成膜方法、防汚コート層19に用いられる材料、形成方法は、図1に示す光学素子1と同様の方法、材料により行うことができるので、その説明を省略する。
光学素子11の層構成としては、例えば、以下の表2に示す組成、物理膜厚とすることができる。
Figure 2017181569
なお、上記の実施形態では、反射防止膜として、高屈折率層と低屈折率層を交互に3層積層した実施形態、および、高屈折率層と低屈折率層を交互に5層積層した実施形態を示したが、これに限定されず、反射防止膜の最下層と最上層が高屈折率層であれば、高屈折率層と低屈折率層の積層数は特に限定されない。
≪医療用光学機器≫
上記の光学素子を有する医療用光学機器の一例として、手術用顕微鏡に用いられる術者用顕微鏡について説明する。図3は、術者用顕微鏡の外観構成の一例を示す概略図である。上記の光学素子は、術者用顕微鏡の前置レンズに好適に用いることができる。
手術用顕微鏡50は、不図示の支柱、アームに懸架された術者用顕微鏡56を備え、術者は、フットスイッチ(不図示)を足で操作することで、術者用顕微鏡56を3次元的に移動させる。
術者用顕微鏡56の鏡筒部60には、各種の光学系や駆動系が収納されている。鏡筒部60の上部には、インバータ部62が設けられている。インバータ部62は、倒像を正立像に変換する光学ユニットである。インバータ部62の上部には、接眼部61が設けられている。接眼部61には、接眼レンズが設けられており、また、鏡筒部60の下端には、対物レンズ65が設けられている。
術者用顕微鏡56には、保持アーム64の上端部が連結されている。保持アーム64の下端部には、前置レンズ63が保持されている。前置レンズ63は、照明光を集束させて被手術眼Eの眼内を照明する。前置レンズ63としては、異なる屈折力(例えば、40D、80D。120Dなど)を有する複数個のレンズが用意されており、これらが択一的に保持アーム64に装着される。
保持アーム64の上端部は、上下方向に回動可能に枢接されている。それにより、前置レンズ63は、被手術眼Eと対物レンズ65との間の位置に挿脱可能とされる。前置レンズが挿入される位置(使用位置)は、対物レンズ65の光軸上の位置であり、かつ、対物レンズ65の前側焦点位置と被手術眼Eとの間の位置である。図3は、前置レンズ63が、被手術眼Eと対物レンズ65との間の使用位置に配置された状態を示している。
前置レンズ63は、その周囲を取り囲むように形成された保持板66により保持され、枢軸67を介してアーム部68に接続され、枢軸67を中心に回動可能とされている。
また、術者用顕微鏡56は、昇降アーム71を有し、術者用顕微鏡56の本体部56a、および、保持アーム64および前置レンズ63を収納する収納部74が接続されている。昇降アーム71を上下方向に移動させることで、前置レンズ63も一体的に移動される。収納部74は、昇降アーム71に対して着脱可能に形成されている。これは、前置レンズ63や保持アーム64を滅菌する際などに術者用顕微鏡56から取り外すためである。
前置レンズ63は、対物レンズ65を経由した照明光を集束させて眼内に導くように作用する。被手術眼Eの目に前置レンズ63を当て、被手術眼Eの眼内(網膜、硝子体など)を観察する際に用いられる。
前置レンズ63は、被出願眼Eから数mmの位置に配置され、手術が行われる。したがって、被手術者の呼気により、前置レンズ63が曇ることを防止するため、親水性が付与された前置レンズ63が用いられる。
≪防曇性維持方法≫
手術に用いられた光学素子(図3においては前置レンズ)は、例えば、132℃、0.32MPaで5分間処理を行う高温高圧処理(オートクレーブ処理)が施される。光学素子は、再度、手術に使用されるため、防曇性を維持する。以下、光学素子表面の防曇性維持方法について説明する。
<水拭きする工程>
高温高圧処理後の光学素子表面を水拭きする。水拭きする方法としては、払拭部材に水を保持させ、光学素子表面を払拭することで行うことができる。払拭部材としては、液体吸収性であれば特に限定されず、布帛、スポンジ、パルプなどを用いることができる。高温高圧処理後に水拭きを行うことで、防汚コート層表面の親水性を再度活性化させることができ、親水性を更に向上させることができる。
本実施形態の防曇性維持方法は、水拭きする工程により、親水性を回復することができるが、更に、以下の工程を有してもよい。
<再コーティングする工程>
再コーティングする工程は、水拭きする工程後の光学素子表面に防汚コート層をコーティングする工程である。コーティングする方法としては、光学素子表面に防汚コート層を形成する方法より簡便な方法により行うことができ、例えば、防汚コート層を形成する材料を刷毛により塗布し、乾燥させることにより行うことができる。また、反射防止膜上に形成する方法と同様にスピンコートにより行ってもよい。
<水拭きする工程>
再コーティングする工程の後、コーティングされた防汚コート層を水拭きする。水拭きする方法としては、高温高圧処理後の水拭きする工程と同様の方法により行うことができる。また、高温高圧処理後の水拭きする工程と同様の効果により、親水性を向上させることができ、防曇性を回復させることができる。
再コーティングする工程、および、水拭きする工程は、防汚コート層が非水溶性のアクリルポリマーで形成されている場合に行うことが特に好ましい。防汚コート層が、非水溶性のアクリルポリマーで形成されている場合、高温高圧処理を複数回行うと、水拭きする工程を行っても、親水性の戻る程度が低下する。再コーティングする工程、および、水拭きする工程を行った後、高温高圧処理、水拭きする工程を行うことで、親水性を大幅に戻すことができる。
以下に実施例を挙げ、本発明を詳細に説明する。
<サンプルの作成>
サンプルは、防汚コート層の防曇性を確認するため、φ32mmの白板モニターガラスを基板として用い、白板モニターガラス上に以下の防曇材料からなる防汚コート層を形成した。サンプルの作成は、防汚コート層を形成する側にエキシマ処理(エキシマレーザー照射)を10往復行った。その後、次の4種類の防曇材料を、コーティングした。コーティングはスピンコート(1500rpm 20秒を2回)により行った。スピンコート後、85℃で1時間加熱し、水洗することで、サンプルを作成した。
<使用した防曇材料>
・サンプル1(水溶性アクリルポリマー)
・サンプル2(水溶性アクリルポリマー+1重量%フェノキシエタノール)
・サンプル3(非水溶性アクリルポリマー)
・サンプル4(非水溶性アクリルポリマー+1重量%フェノキシエタノール)
作成後の接触角を協和界面科学製 DM501により測定した。なお、以後の接触角の測定についても協和界面科学製 DM501により測定を行った。
手術後に行われるオートクレーブ処理を想定し、不二光学機械株式会社製 HAC−220を用いて、温度132℃、圧力0.32MPaの条件で、5分間オートクレーブ処理を行った。オートクレーブ処理後の接触角を測定した。また、オートクレーブ処理後に水拭き(水拭きする工程)を行い、サンプル表面の接触角を測定した。
次に、水拭き後のサンプル1から4に対して、同じ防曇材料をリコートした(再コーティングする工程)。リコートは、コーティング条件の均一化を図るため、防曇材料をスピンコート(1500rpm 20秒を1回)により行い、その後常温で放置することで乾燥させた。乾燥後、水拭き(水拭きする工程)を行った。乾燥後、および、水拭き後の接触角の測定を行った。
さらに、複数回の手術への使用、手術後のオートクレーブ処理を想定し、1回目のオートクレーブ処理後に水拭きしたサンプル、リコート後のサンプルについて、2回目のオートクレーブ処理を行った。なお、処理条件は、1回目のオートクレーブ処理と同様の条件で行った。
2回目のオートクレーブ処理後、水拭き後に接触角の測定を行った。また、1回目のオートクレーブ処理後にリコートを行ったサンプルについては、水拭き後に、さらにリコート、水拭きを行い、リコート後、水拭き後の接触角の測定を行った。
結果を表3に示す。なお、表3において、例えば、「サンプル1」と「サンプル1+リコート」については、1回目のオートクレーブ処理後、水拭きまでは、同じ条件で接触角の測定を行っており、接触角の違いは、誤差の範囲である。
Figure 2017181569
表3に示すように、いずれのサンプルも防汚コート層形成後の親水性は良好であった。1回目のオートクレーブ処理後は、水溶性アクリルポリマーを用いたサンプルにおいては、親水性を維持できているが、非水溶性アクリルポリマーを用いたサンプルにおいては、接触角が10°を超えていた。しかしながら、水拭きをすることで、接触角を10°以下とすることができた。
また、2回目のオートクレーブ処理後においては、いずれのサンプルも高い接触角を示し、親水性が劣化していたが、水溶性アクリルポリマーを用いたサンプルは水拭きにより親水性が回復していることが確認できる。また、非水溶性ポリマーを用いたサンプルは、リコートしたサンプルにおいて、2回目のオートクレーブ処理後の水拭きで接触角を10°以下とすることができた。また、リコートしなかったサンプルにおいては、水拭き後の接触角は10°以上であったが、オートクレーブ処理後と比較し、接触角を下げることができ、親水性を回復させることができている。
以上より、水溶性アクリルポリマーを防汚コート層に用いた場合、オートクレーブ処理により、劣化した親水性を水拭きにより回復することができる。また、非水溶性アクリルポリマーについては、水拭き後にリコートをすることで、その後のオートクレーブ処理で劣化した親水性を回復することができる。したがって、リコートを繰り返すことで、親水性を回復することができると考えられる。
1、11…光学素子、2、12…基板、3、13…反射防止膜、4、14…第1の高屈折率層、5、15…第1の低屈折率層、6、16…第2の高屈折率層、7、19…防汚コート層、17…第2の低屈折率層、18…第3の高屈折率層、50…手術用顕微鏡、56…術者用顕微鏡、56a…本体部、60…鏡筒部、61…接眼部、62…インバータ部、63…前置レンズ、64…保持アーム、65…対物レンズ、66…保持板、67…枢軸、68…アーム部、71…昇降アーム、74…収納部

Claims (8)

  1. 親水性を有する防汚コート層を備える光学素子であって、
    高温高圧処理後の前記光学素子表面を水拭きする工程を有する光学素子表面の防曇性維持方法。
  2. 前記水拭きする工程後の前記光学素子表面に、前記防汚コート層を再コーティングする工程を有する請求項1に記載の光学素子表面の防曇性維持方法。
  3. 前記再コーティングする工程後に、水拭きする工程を更に有する請求項2に記載の光学素子表面の防曇性維持方法。
  4. 前記防汚コート層がアクリルポリマーからなる請求項1から3のいずれか1項に記載の光学素子表面の防曇性維持方法。
  5. 前記防汚コート層は、非水溶性のアクリルポリマーからなり、
    前記高温高圧処理を複数回行う場合、2回目以降の前記高温高圧処理を行う前に、前記防汚コート層を再コーティングする工程、および、前記水拭きする工程を行う請求項3に記載の光学素子表面の防曇性維持方法。
  6. 前記光学素子は、基板に、反射防止膜と、前記防汚コート層と、を積層してなり、
    前記反射防止膜は、前記基板側から、五酸化二タンタルまたは二酸化ハフニウムからなる第1の高屈折率層と、酸化ケイ素からなる第1の低屈折率層と、五酸化二タンタル又は二酸化ハフニウムからなる第2の高屈折率層と、を積層してなる請求項1から5のいずれか1項に記載の光学素子表面の防曇性維持方法。
  7. 前記反射防止膜は、前記第2の高屈折率層上に、酸化ケイ素からなる第2の低屈折率層と、五酸化二タンタル又は二酸化ハフニウムからなる第3の高屈折率層と、を積層してなる請求項6に記載の光学素子表面の防曇性維持方法。
  8. 前記防汚コート層は、フェノキシエタノールを含有する請求項1から7のいずれか1項に記載の光学素子表面の防曇性維持方法。
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WO2023062932A1 (ja) * 2021-10-11 2023-04-20 株式会社トプコン 手術顕微鏡用光学素子およびその製造方法、医療用光学機器

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