JP2017180806A - フロントフォーク、及び車輪懸架装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】底付きが発生した場合の衝撃と衝撃音を抑制することが可能なフロントフォーク、車輪懸架装置を提供する。
【解決手段】フロントフォーク10は、車軸側に設けられるとともに、上端側が開口し、下端側が閉鎖された車軸側チューブ11と、車体側に設けられるとともに、上端側が閉鎖され、下端側が開口し、前記車軸側チューブ11の内側に挿入されて、車軸側チューブ11に対して軸方向に沿って相対的に移動する車体側チューブ12と、車軸側チューブ11と車体側チューブ12により形成されるとともに油が封入された油室と、車体側チューブ12の下端側の開口に設けられ、車体側チューブ12の下端部と車軸側チューブ11の下端部との衝突を緩衝する弾性変形可能な衝突緩衝部材30と、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】フロントフォーク10は、車軸側に設けられるとともに、上端側が開口し、下端側が閉鎖された車軸側チューブ11と、車体側に設けられるとともに、上端側が閉鎖され、下端側が開口し、前記車軸側チューブ11の内側に挿入されて、車軸側チューブ11に対して軸方向に沿って相対的に移動する車体側チューブ12と、車軸側チューブ11と車体側チューブ12により形成されるとともに油が封入された油室と、車体側チューブ12の下端側の開口に設けられ、車体側チューブ12の下端部と車軸側チューブ11の下端部との衝突を緩衝する弾性変形可能な衝突緩衝部材30と、を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、自動二輪車等に用いられるフロントフォーク、及び車輪懸架装置に関する。
例えば、自動二輪車のフロントフォークとして、走行中に前輪が路面凹凸に追従して上下動すると、アウターチューブとインナーチューブとが相対移動することで全長が伸縮動するものが知られている。これらの伸縮動に伴う懸架スプリングの伸縮による反力と、オイルの流動抵抗によって発生する減衰力とによって前輪が路面から受ける衝撃を吸収緩和している。
特許文献1には、懸架スプリング、及びダンパ(減衰力発生装置)を備えた正立型フロントフォークと、これと対をなす他方側のフロントフォークとで構成される車輪懸架装置が記載されている。
特許文献1には、懸架スプリング、及びダンパ(減衰力発生装置)を備えた正立型フロントフォークと、これと対をなす他方側のフロントフォークとで構成される車輪懸架装置が記載されている。
ところで、上記した車輪懸架装置における他方側のフロントフォークには、懸架スプリング、及びダンパのいずれも設けられていない。このため、フロントフォークが最大ストローク分だけ沈み込んだ場合、インナーチューブとアウターチューブとが突き当たってしまう虞がある。インナーチューブとアウターチューブとが突き当たる(底付きが発生する)と、運転者に衝撃が伝わるとともに、衝撃音も生じてしまう。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、底付きが発生した場合の衝撃と衝撃音を抑制することが可能なフロントフォーク、車輪懸架装置を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様によれば、フロントフォークは、車軸側に設けられるとともに、上端側が開口し、下端側が閉鎖された車軸側チューブと、車体側に設けられるとともに、上端側が閉鎖され、下端側が開口し、前記車軸側チューブの内側に挿入されて、該車軸側チューブに対して軸方向に沿って相対的に移動する車体側チューブと、前記車軸側チューブと前記車体側チューブにより形成されるとともに油が封入された油室と、前記車体側チューブの下端側の開口に設けられ、前記車体側チューブの下端部と、前記車軸側チューブの下端部との衝突を緩衝する弾性変形可能な衝突緩衝部材と、を備える。
この構成によれば、車体側チューブの下端側に弾性変形可能な衝突緩衝部材が設けられていることから、車体側チューブの下端部と車軸側チューブの下端部とが衝突した場合(底付きが発生した場合)であっても、衝撃と衝撃音を抑制することができる。
本発明の第二の態様によれば、上記フロントフォークでは、前記衝突緩衝部材は、前記車体側チューブの下端側の開口から突出する衝突緩衝部材本体と、前記車体側チューブの下端側の開口に係合する衝突緩衝部材係合部と、を有してもよい。
この構成によれば、衝突緩衝部材本体が車体側チューブの下端側の開口から突出している。これにより、底付きが発生した場合であっても、車体側チューブの下端部と車軸側チューブの下端部との間に当該衝突緩衝部材本体が介在することで、衝撃や衝撃音を抑制することができる。
本発明の第三の態様によれば、上記フロントフォークでは、前記衝突緩衝部材本体は、前記車体側チューブの内径よりも大きな径を有する拡径部と、前記車体側チューブの内径と同じ径で、前記衝突緩衝部材係合部まで延設された延設部と、を有してもよい。
この構成によれば、衝突緩衝部材本体は、車体側チューブの内径よりも大きな径の拡径部を有している。これにより、底付きが発生した場合であっても、車体側チューブの下端部と車軸側チューブの下端部との間に当該拡径部が介在することで、衝撃や衝撃音をさらに抑制することができる。
本発明の第四の態様によれば、上記フロントフォークでは、前記拡径部は、前記車体側チューブの下端側から上端側に向かうに従って径方向外側から内側に向かって延びるテーパ面を有してもよい。
ここで、底付きが発生する際、衝突緩衝部材本体が車体側チューブの下端面と車軸側チューブの下端部上面との間に挟まれる虞がある。しかしながら、上記のような構成によれば、衝突緩衝部材にテーパ面が形成されているため、挟まれた際に生じる圧縮力をこのテーパ面に沿って逃がすことができる。これにより、衝突緩衝部材本体の周縁部がちぎれることを抑制することができる。
本発明の第五の態様によれば、上記フロントフォークでは、前記衝突緩衝部材には、前記車体側チューブの軸線方向に沿って延びる中空部が形成される。
この構成によれば、衝突緩衝部材に圧縮力が加わった場合であっても、中空部によって当該圧縮力を逃がすことができる。すなわち、底付きが発生した場合の衝撃や衝撃音をさらに抑制することができるとともに、衝突緩衝部材の耐久性を高めることができる。
本発明の第六の態様によれば、車輪懸架装置は、上記第一から第五のいずれか一態様に係る第一フロントフォークとしてのフロントフォークと、該第一フロントフォークと対をなす第二フロントフォークと、を備え、前記第二フロントフォークは、車軸側に設けられるとともに、上端側が開口し、下端側が閉鎖された第二車軸側チューブと、前記第二車軸側チューブの下端側に取り付けられて、該第二車軸側チューブと同軸に延びるシートパイプと、車体側に設けられるとともに、上端側が閉鎖され、下端側が開口し、前記第二車軸側チューブの内側に挿入されて、該第二車軸側チューブに対して軸方向に沿って相対的に移動する第二車体側チューブと、前記車軸側チューブと前記車体側チューブにより形成されるとともに油が封入された油室と、前記第二車体側チューブの上端と前記シートパイプの上端との間に介装された懸架スプリングと、を有する。
この構成によれば、底付きが発生した場合の衝撃と衝撃音を抑制することが可能な車輪懸架装置を提供することができる。
本発明によれば、底付きが発生した場合の衝撃と衝撃音を抑制することが可能なフロントフォーク、車輪懸架装置を提供することができる。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態について、図1から図4を参照して説明する。本実施形態に係る車輪懸架装置100は、主として自動二輪車の前輪を懸架するために用いられる装置である。具体的には、この車輪懸架装置100は、図1(a)に示す第一フロントフォーク10(フロントフォーク)と、図1(b)に示す第二フロントフォーク20と、を備えている。
本発明の第一実施形態について、図1から図4を参照して説明する。本実施形態に係る車輪懸架装置100は、主として自動二輪車の前輪を懸架するために用いられる装置である。具体的には、この車輪懸架装置100は、図1(a)に示す第一フロントフォーク10(フロントフォーク)と、図1(b)に示す第二フロントフォーク20と、を備えている。
これら第一フロントフォーク10と第二フロントフォーク20とは互いに対をなしている。すなわち、第一フロントフォーク10は車輪の車軸の一方側に取り付けられ、第二フロントフォーク20は車軸の他方側に取り付けられる。第一フロントフォーク10は、上記車軸側に設けられる第一車軸側チューブ11と、自動二輪車の車体側に設けられる第一車体側チューブ12と、第一車体側チューブ12の下端部に取り付けられる衝突緩衝部材30と、を備えている。
第一車軸側チューブ11は、軸線A1に沿って延びる円筒状をなしている。第一車軸側チューブ11の上端側(軸線A1方向一方側)は開口されている。第一車軸側チューブ11の下端側(軸線A1方向他方側)は第一底面部14によって閉鎖されている。すなわち、この第一車軸側チューブ11は有底筒状をなしている。さらに、第一車軸側チューブ11の外周面上には、例えばブレーキキャリパー等の補機類を支持するための複数のステー15が設けられている。
第一車体側チューブ12は、第一車軸側チューブ11と同様に軸線A1を中心とする円筒状をなしている。第一車体側チューブ12は、第一車軸側チューブ11の内径寸法と同一かわずかに小さな外径寸法を有している。これにより、第一車体側チューブ12は、第一車軸側チューブ11の内周側で軸線A1方向(上下方向)に摺動可能とされている。第一車体側チューブ12の上端部(軸線A1方向一方側の端部)は第一キャップ16によって閉鎖されている。一方で、第一車体側チューブ12の下端部(軸線A1方向他方側の端部)は開口されている。この開口には、衝突緩衝部材30が設けられている。
図2に示すように、第一車体側チューブ12の開口における内周側端縁は、軸線A1に対して斜めに延びる傾斜面17とされている。より具体的には、この傾斜面17は、軸線A1方向他方側(下端側)から一方側(上端側)に向かうにしたがって径方向外側から内側に向かって延びている。さらに、この傾斜面17よりも上側の領域は、軸線A1に対して平行に延びる平行面18とされている。
この平行面18よりもさらに上側の領域には、内周面から径方向外側に向かって凹没する凹溝19が形成されている。凹溝19の各面のうち、下側を向く面は軸線A1に対して傾斜して延びている。一方で、上側を向く面は軸線A1の径方向に延びている。この凹溝19には、後述する衝突緩衝部材30の一部が係合する。
衝突緩衝部材30は、ゴム等のように、弾性変形可能な材料で一体に形成されている。衝突緩衝部材30は、軸線A1を中心とする筒状をなしている。衝突緩衝部材30の内周側の領域は中空(中空部H)とされている。さらに具体的には、衝突緩衝部材30は、第一車体側チューブ12の開口から下側に突出する拡径部33を有する衝突緩衝部材本体31と、衝突緩衝部材本体31と一体に形成されるとともに、上記開口における凹溝19に係合する衝突緩衝部材係合部32と、を有している。
衝突緩衝部材本体31は、上記拡径部33と、拡径部33の上側に一体に接続された延設部34と、を有している。拡径部33は、第一車体側チューブ12の内径よりも大きな径を有している。さらに、この拡径部33の上側を向く面(テーパ面35)は、第一車体側チューブ12の内周面に形成された傾斜面17と同一の方向に傾斜している。すなわち、これらテーパ面35と傾斜面17とは、互いに隙間なく当接している。延設部34は、軸線A1と平行に延びることで、上記の平行面18と隙間なく当接している。
衝突緩衝部材係合部32は、上記の凹溝19と対応する断面形状を有している。すなわち、衝突緩衝部材係合部32の上側の面は、凹溝19の上側の面と同様に軸線A1に対して傾斜して延びている。また、衝突緩衝部材係合部32の外周面は、凹溝19の底面(径方向外側の面)と同様に軸線A1に平行に延びている。衝突緩衝部材係合部32の下側の面は、凹溝19の下側の面と同様に軸線A1の径方向に延びている。これにより、衝突緩衝部材係合部32の各面は、凹溝19の各面に対してそれぞれ隙間なく当接している。
以上のように構成された第一フロントフォーク10の内周側の空間(油室V1)は、油(液体)で満たされている。この油は、第一フロントフォーク10の伸縮に応じて、衝突緩衝部材30の中空部Hを通じて第一車体側チューブ12の内周側と第一車軸側チューブ11の内周側とを互いに往来する。
第二フロントフォーク20は、車軸側に設けられる第二車軸側チューブ21と、車体側に設けられる第二車体側チューブ22と、第二車軸側チューブ21の内周側で軸線A2に沿って延びるシートパイプ23と、シートパイプ23と第二車体側チューブ22の上端部(軸線A2方向一方側の端部)にある第二キャップ26との間に介装されている懸架スプリング24と、を備えている。なお、第二フロントフォーク20の軸線A2は、上記の軸線A1と平行をなしている。
第二車軸側チューブ21は、軸線A2に沿って延びる円筒状をなしている。第二車軸側チューブ21の上端側(軸線A2方向一方側)は開口されている。第二車軸側チューブ21の下端側(軸線A2方向他方側)は第二底面部25によって閉鎖されている。すなわち、この第二車軸側チューブ21は有底筒状をなしている。
さらに、第二底面部25には、当該第二底面部25から軸線A2方向他方側(上側)に向かって延びるシートパイプ23が取り付けられている。シートパイプ23は、軸線A2方向において第二車軸側チューブ21の延在中途まで延びている。言い換えると、シートパイプ23は、第二車軸側チューブ21よりも小さい軸線A2方向寸法を有している。シートパイプ23の上端部には、当該シートパイプ23よりも大きな径寸法を有するフランジ部23Fが設けられている。
第二車体側チューブ22は、第二車軸側チューブ21と同様に軸線A2を中心とする円筒状をなしている。第二車体側チューブ22は、第二車軸側チューブ21の内径寸法と同一かわずかに小さな外径寸法を有している。これにより、第二車体側チューブ22は、第二車軸側チューブ21の内周側で軸線A2方向(上下方向)に摺動可能とされている。第二車体側チューブ22の上端部(軸線A2方向一方側の端部)は第二キャップ26によって閉鎖されている。一方で、第二車体側チューブ22の下端部(軸線A2方向他方側の端部)は開口されている。
この開口の内周側には、オイルロック機構27が設けられている。さらに、このオイルロック機構27とフランジ部23Fとの間には、リバウンドスプリング28が取り付けられている。リバウンドスプリング28は、第二車体側チューブ22が、第二車軸側チューブ21から進出する方向に変位した際に、オイルロック機構27とフランジ部23Fとの直接的な接触や衝突を回避するために設けられている。
さらに、第二車軸側チューブ21の内周側に第二車体側チューブ22が挿入された状態において、シートパイプ23の上側の部分(フランジ部23F)は、第二車体側チューブ22の内周側に挿入されている。すなわち、シートパイプ23の外周面と第二車軸側チューブ21の内周面との間には、第二車体側チューブ22が介在している。
フランジ部23Fの上側の端面と、第二車体側チューブ22の第二キャップ26との間には、懸架スプリング24が介装されている(架け渡されている)。懸架スプリング24は、軸線A2を中心として巻回されたコイルばねである。以上のように構成された第二フロントフォーク20の内周側の空間(油室V2)は、第一フロントフォーク10と同様に、油で満たされている。
次に、本実施形態に係る車両懸架装置の動作について説明する。自動二輪車の走行中には、路面の凹凸等によって、車輪を懸架する車輪懸架装置100に対して軸線A1方向に力が加わる。より具体的には、第一フロントフォーク10では、第一車体側チューブ12が第一車軸側チューブ11に対して近接する方向に力が加わる。第二フロントフォーク20では、第二車体側チューブ22が第二車軸側チューブ21に対して近接する方向に力が加わる。
第一フロントフォーク10では、第一車体側チューブ12が第一車軸側チューブ11の内周側に引き込まれる際に、衝突緩衝部材30の中空部Hを通じて、油が第一車軸側チューブ11側から第一車体側チューブ12側に向かって流通する。中空部Hを通過する際、油には流動抵抗が生じ、減衰力を発生する。これにより、第一車体側チューブ12が第一車軸側チューブ11に対して急激に相対変位する虞が低減される。
一方で、第二フロントフォーク20では、第二車体側チューブ22が第二車軸側チューブ21の内周側に引き込まれる際に、上述の懸架スプリング24が変形することによる復元力がはたらく。同時に、油がオイルロック機構27を通過する際の流動抵抗による減衰力も生じる。これら復元力と減衰力とによって、第二車体側チューブ22が第二車軸側チューブ21に対して急激に相対変位する虞が低減される。
ところで、第二フロントフォーク20には、上記のように懸架スプリング24、及びオイルロック機構27が設けられている。そして、これら装置による復元力と減衰力とが得られる。その一方で、第一フロントフォーク10内には、オイルロック機構27に相当する装置が設けられていない。このため、第一フロントフォーク10が最大ストローク分だけ沈み込んだ場合、第一車体側チューブ12と第一車軸側チューブ11とが突き当たってしまう虞がある。具体的には、第一車体側チューブ12の下端部と、第一車軸側チューブ11の下端部とが突き当たってしまう虞がある。
このように、第一車体側チューブ12と第一車軸側チューブ11とが突き当たる(底付きが発生する)と、運転者に衝撃が伝わるとともに、衝撃音も生じてしまう。しかしながら、本実施形態に係る第一フロントフォーク10では、第一車軸側チューブ11の下端部に、弾性変形可能な材料で形成された衝突緩衝部材30が取り付けられている。したがって、上記の底付きが発生した際には、この衝突緩衝部材30が弾性変形することにより、衝撃と衝撃音とを抑制することができる(図3参照)。
底付きが発生した際の衝突緩衝部材30の挙動について、図4を参照して詳述する。同図に示すように、衝突緩衝部材30に対して軸線A1方向両側から力(圧縮力)が加わった場合、衝突緩衝部材30は、軸線A1方向に縮むように変形する。さらに、衝突緩衝部材30の拡径部33には、上述のテーパ面35が形成されていることから、拡径部33の周辺では上記の圧縮力は当該テーパ面35に沿う方向に向きを変える。したがって、拡径部33は軸線A1方向に縮むと同時に、径方向外側から内側に向かって縮むように変形する(図4中の鎖線)。このとき、中空部Hの内径寸法も縮小する。このような変形が衝突緩衝部材30に生じることで、路面の凹凸等に基づく衝撃と衝撃音の発生とをより効果的に抑制することができる。
さらに、衝突緩衝部材本体31は、第一車体側チューブ12の下端側の開口から突出していることから、底付きが発生した場合であっても、第一車体側チューブ12の下端部と第一車軸側チューブ11の下端部との間に当該衝突緩衝部材本体31が介在することで、衝撃や衝撃音を抑制することができる。
ところで、底付きが発生する際、衝突緩衝部材本体31が第一車体側チューブ12の下端面と車軸側チューブの下端部上面との間に挟まれる虞がある。しかしながら、上記のような構成によれば、衝突緩衝部材30にテーパ面35が形成されているため、挟まれた際に生じる圧縮力をこのテーパ面35に沿って逃がすことができる。これにより、衝突緩衝部材本体31の周縁部がちぎれることを抑制することができる。
加えて、上記の構成によれば、衝突緩衝部材30に圧縮力が加わった場合であっても、中空部Hが積極的に変形することによって当該圧縮力を逃がすことができる。すなわち、底付きが発生した場合の衝撃や衝撃音をさらに抑制することができるとともに、衝突緩衝部材30の耐久性を高めることができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について図5を参照して説明する。なお、上記の第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。同図に示すように、本実施形態に係る衝突緩衝部材40では、拡径部43にテーパ面35が形成されておらず、拡径部43の軸線A1方向他方側の面は、軸線A1の径方向に延びている。このような構成であっても、上記の第一実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
次に、本発明の第二実施形態について図5を参照して説明する。なお、上記の第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。同図に示すように、本実施形態に係る衝突緩衝部材40では、拡径部43にテーパ面35が形成されておらず、拡径部43の軸線A1方向他方側の面は、軸線A1の径方向に延びている。このような構成であっても、上記の第一実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
[他の実施形態]
さらに、本発明の他の実施形態として、詳しくは図示しないが、第一フロントフォーク10に加えて、第二フロントフォーク20に上記各実施形態で説明した衝突緩衝部材30を設けることも可能である。より具体的には、第二車体側チューブ22の下端部に、衝突緩衝部材30を取り付ける構成が考えられる。このような構成によれば、第一フロントフォーク10、及び第二フロントフォーク20の双方で底付きが発生した場合であっても、これに伴う衝撃や衝撃音の発生を抑制することができる。
さらに、本発明の他の実施形態として、詳しくは図示しないが、第一フロントフォーク10に加えて、第二フロントフォーク20に上記各実施形態で説明した衝突緩衝部材30を設けることも可能である。より具体的には、第二車体側チューブ22の下端部に、衝突緩衝部材30を取り付ける構成が考えられる。このような構成によれば、第一フロントフォーク10、及び第二フロントフォーク20の双方で底付きが発生した場合であっても、これに伴う衝撃や衝撃音の発生を抑制することができる。
100…車輪懸架装置
10…第一フロントフォーク
11…第一車軸側チューブ
12…第一車体側チューブ
14…第一底面部
15…ステー
16…第一キャップ
17…傾斜面
18…平行面
19…凹溝
20…第二フロントフォーク
21…第二車軸側チューブ
22…第二車体側チューブ
23…シートパイプ
23F…フランジ部
24…懸架スプリング
25…第二底面部
26…第二キャップ
27…オイルロック機構
28…緩衝スプリング
30…衝突緩衝部材
31…衝突緩衝部材本体
32…衝突緩衝部材係合部
33…拡径部
34…延設部
35…テーパ面
40…衝突緩衝部材
A1…軸線
A2…軸線
H…中空部
V1…油室
V2…油室
10…第一フロントフォーク
11…第一車軸側チューブ
12…第一車体側チューブ
14…第一底面部
15…ステー
16…第一キャップ
17…傾斜面
18…平行面
19…凹溝
20…第二フロントフォーク
21…第二車軸側チューブ
22…第二車体側チューブ
23…シートパイプ
23F…フランジ部
24…懸架スプリング
25…第二底面部
26…第二キャップ
27…オイルロック機構
28…緩衝スプリング
30…衝突緩衝部材
31…衝突緩衝部材本体
32…衝突緩衝部材係合部
33…拡径部
34…延設部
35…テーパ面
40…衝突緩衝部材
A1…軸線
A2…軸線
H…中空部
V1…油室
V2…油室
Claims (6)
- 車軸側に設けられるとともに、上端側が開口し、下端側が閉鎖された車軸側チューブと、
車体側に設けられるとともに、上端側が閉鎖され、下端側が開口し、前記車軸側チューブの内側に挿入されて、該車軸側チューブに対して軸方向に沿って相対的に移動する車体側チューブと、
前記車軸側チューブと前記車体側チューブにより形成されるとともに油が封入された油室と、
前記車体側チューブの下端側の開口に設けられ、前記車体側チューブの下端部と前記車軸側チューブの下端部との衝突を緩衝する弾性変形可能な衝突緩衝部材と、
を備えるフロントフォーク。 - 前記衝突緩衝部材は、
前記車体側チューブの下端側の開口から突出する衝突緩衝部材本体と、
前記車体側チューブの下端側の開口に係合する衝突緩衝部材係合部と、
を有する請求項1に記載のフロントフォーク。 - 前記衝突緩衝部材本体は、
前記車体側チューブの内径よりも大きな径を有する拡径部と、
前記車体側チューブの内径と同じ径で、前記衝突緩衝部材係合部まで延設された延設部と、
を有する請求項2に記載のフロントフォーク。 - 前記拡径部は、前記車体側チューブの下端側から上端側に向かうに従って径方向外側から内側に向かって延びるテーパ面を有する請求項3に記載のフロントフォーク。
- 前記衝突緩衝部材には、前記車体側チューブの軸線方向に沿って延びる中空部が形成されている請求項1から4のいずれか一項に記載のフロントフォーク。
- 請求項1から5のいずれか一項に記載された第一フロントフォークとしてのフロントフォークと、
該第一フロントフォークと対をなす第二フロントフォークと、
を備え、
前記第二フロントフォークは、
車軸側に設けられるとともに、上端側が開口し、下端側が閉鎖された第二車軸側チューブと、
前記第二車軸側チューブの下端側に取り付けられて、該第二車軸側チューブと同軸に延びるシートパイプと、
車体側に設けられるとともに、上端側が閉鎖され、下端側が開口し、前記第二車軸側チューブの内側に挿入されて、該第二車軸側チューブに対して軸方向に沿って相対的に移動する第二車体側チューブと、
前記第二車軸側チューブと前記第二車体側チューブにより形成されるとともに油が封入された油室と、
前記第二車体側チューブの上端と前記シートパイプの上端との間に介装された懸架スプリングと、を有する車輪懸架装置。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016073502A Pending JP2017180806A (ja) | 2016-03-31 | 2016-03-31 | フロントフォーク、及び車輪懸架装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2017180806A (ja) |
-
2016
- 2016-03-31 JP JP2016073502A patent/JP2017180806A/ja active Pending
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