JP2017180604A - エアシリンダ - Google Patents

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琴子 中島
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【課題】摺動抵抗を低減して大きな推力を得ることが可能なエアシリンダを提供する。【解決手段】本発明に係るエアシリンダ100は、シリンダチューブ5と、シリンダチューブ5に嵌合し、シリンダチューブ5内に供給される制御エアによって軸方向に往復動作するピストン10と、ピストン10に連結され、軸方向に延びるロッド3と、ピストン10の軸方向両側において、ロッド3を支持する複数のエアベアリング2と、複数のエアベアリング2の各エアベアリング2毎に、供給された加圧エアを排気する複数の排気孔7,8とを備え、ピストン10の外周面には、ラビリンスシール10aが設けられ、複数の排気孔7,8の少なくとも一の排気孔7は、シリンダチューブ5と各エアベアリング2との間の軸方向位置に設けられていることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、エアベアリングを採用したエアシリンダに関するものである。
制御エアの圧力によって動作するエアシリンダは、簡易な構成であるため取り扱いが容易であり、また比較的安価であることから、単動又は往復運動用アクチュエータとして搬送装置や産業用ロボットなど幅広い分野で用いられている。より具体的には、例えばRoll to Roll装置の広幅フィルム搬送系において、張力制御用ダンサーロールの位置制御等に用いられている。これらの用途では、生産性を向上させるために高速で高精度にフィルムを搬送することが要求され、エアシリンダに高速応答性と高推力を備えることが求められている。
ところで、このエアシリンダは、ロッドを連結したピストンが制御エアの圧力によってシリンダ室内を軸方向に往復運動することによってロッドを直進運動させる構成を有するため、ピストンとシリンダ室との摺動抵抗、及びロッドとそれを支持する軸受との摺動抵抗が存在する。そして、この摺動抵抗は、エアシリンダの高速応答性や高推力の実現を阻害する要因となり得る。
このような問題に対して、特許文献1及び特許文献2には、ロッドをエアベアリングで支持することによって、ロッドと軸受との間の摺動抵抗を低減したエアシリンダが開示されている。また、特許文献3には、ピストンにラビリンス溝を設けると共にフッ素コーティングを施して、動作速度及び応答速度を高速にできるエアシリンダが開示されている。
特開平8−152007号公報 特開平8−159106号公報 特開平3− 51505号公報
しかし、特許文献1及び特許文献2に記載のエアシリンダでは、エアベアリングからシリンダ室への加圧エアのリークを防止して所定の推力を得るために、真空引きポートを通じて加圧エアの真空引きをおこなっている。従って、真空装置を用いる必要があるため、システムが複雑化してコストが増加する。また、特許文献1では、ロッドが1つのエアベアリングのみによって片持ち支持されているため、ピストンが大径且つストロークが長くなった場合、ロッドに傾きが生じて、挿通孔とロッド間、及びピストンとシリンダチューブ間が擦れて摺動抵抗が大きくなる可能性があった。また、特許文献2に記載のエアシリンダでは、ピストンの圧力作用部の断面積が小さいため、大きな推力が得られない。
特許文献3のエアシリンダでは、ロッドが片持ち支持されているため、水平方向が軸方向になるように配置した場合、ラビリンスシールを設けたピストンの自重でロッドに傾きが生じ、ロッドが挿通孔と擦れて摺動抵抗が大きくなる場合がある。従って、エアシリンダの配置方向に制約がある。
かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、摺動抵抗を低減して大きな推力を得ることが可能なエアシリンダを提供することにある。
前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> シリンダチューブと、
該シリンダチューブに嵌合し、該シリンダチューブ内に供給される制御エアによって軸方向に往復動作するピストンと、
該ピストンに連結され、軸方向に延びるロッドと、
前記ピストンの軸方向両側において、前記ロッドを支持する複数のエアベアリングと、
該複数のエアベアリングの各エアベアリング毎に、供給された加圧エアを排気する複数の排気孔と
を備え、
前記ピストンの外周面には、ラビリンスシールが設けられ、
前記複数の排気孔の少なくとも一の排気孔は、前記シリンダチューブと前記各エアベアリングとの間の軸方向位置に設けられていることを特徴とするエアシリンダである。
該<1>に記載のエアシリンダにおいては、ロッドがエアベアリングによって摺動抵抗無く支持されるのに加え、ロッドが両持ち支持されるために傾くことがなく、摩耗等が発生することがない。また、ラビリンスシールの採用によってピストンの摺動抵抗も小さいため、高速応答性、高推力及び低動作圧力を兼ね備えたエアシリンダを提供することができる。また、シリンダ室への加圧エアの漏れを抑制することができる。
<2> 前記複数の排気孔は、前記各エアベアリングにおける前記シリンダチューブとは反対側の側面から流出する加圧エアを排気する第1排気孔と、前記各エアベアリングにおける前記シリンダチューブ側の側面から流出する加圧エアを排気する第2排気孔とを有し、
前記各エアベアリングから前記第2排気孔までの流路は狭小領域を有する、前記<1>に記載のエアシリンダである。
<3> 前記狭小領域は、前記ロッドの外周面と固定部材との間の軸方向に延びるギャップである、前記<2>に記載のエアシリンダである。
<4> 前記ギャップは、半径方向に0.03ミリメートル以下である、前記<3>に記載のエアシリンダである。
<5> 前記第2排気孔は、加圧エアを大気開放する、前記<2>乃至<4>のいずれかに記載のエアシリンダである。
<6> 前記ラビリンスシールを形成する材料は、ポリフェニレンサルファイド樹脂又はカーボンを含む、前記<1>乃至<5>のいずれかに記載のエアシリンダである。
<7> 前記ラビリンスシールと、前記シリンダチューブの内周面との隙間は、0.01ミリメートル以上0.05ミリメートル以下である、前記<1>乃至<6>のいずれかに記載のエアシリンダである。
<8> 前記ロッドの材質はアルミ合金である、前記<1>乃至<7>のいずれかに記載のエアシリンダである。
<9> 前記ロッドの表面の少なくとも一部は、クロムめっき処理又はアルマイト処理が施されている、前記<8>に記載のエアシリンダである。
<10> 前記ロッドの表面の少なくとも一部のビッカース硬さHvは、400以上1000以下である、前記<1>乃至<9>のいずれかに記載のエアシリンダである。
<11> 前記ロッドの表面の少なくとも一部の算術平均粗さRaは、0.2マイクロメートル以下である、前記<1>乃至<10>のいずれかに記載のエアシリンダである。
本発明に係るエアシリンダによれば、摺動抵抗を低減して大きな推力を得ることが可能となる。
本発明の一実施形態に係るエアシリンダの正面断面図である。 本発明の一実施形態に係るエアシリンダにおいて、加圧エアの流路を示す図である。 本発明の一実施形態に係るエアシリンダを構成する排気孔ブロックの構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係るエアシリンダにおいて、制御エアの流路を示す図である。 本発明の一実施形態に係るエアシリンダを用いたフィルム搬送装置の構成を示す図である。 図5のフィルム搬送装置に用いられるダンサーロールの制御機構を示す図である。 図5のフィルム搬送装置において、(a)エアシリンダ、及び(b)サーボモータの制御を行う制御系の構成を示すブロック図である。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るエアシリンダ100の構成を示す正面断面図である。本実施形態に係るエアシリンダ100は、シリンダチューブ5と、シリンダチューブ5の内周面に嵌合し軸方向に往復動作するピストン10と、ピストン10に連結され、軸方向に延びるロッド3と、ピストン10の軸方向両側において、ロッド3を支持するエアベアリング2とを備える。なお、本明細書、特許請求の範囲、要約書および図面では、軸方向とは、ロッド3の中心軸線に沿う方向(図1の左右方向)である。
シリンダチューブ5は、円筒形状を有し、内周面にピストン10を嵌合可能に構成されている。図1に示すように、シリンダチューブ5の左右上端には、シリンダチューブ5のシリンダ室5a内に制御エアを供給し排気するための制御エアポート9が設けられている。
ピストン10は、円柱形状を有し、その外周面がシリンダチューブ5の内周面に嵌合している。ピストン10は、制御エアポート9から供給される制御エアの圧力を受け、軸中心を貫くように連結されたロッド3と共に軸方向に変位する。ピストン10の外周面には、半径方向の深さを持ち円周方向に延びる溝部が軸方向に複数段設けられ、各段ごとに漏れ圧力が徐々に下がるように構成されたラビリンスシール10aが形成されている。なお、シリンダチューブ5の内周面と、ピストン10との隙間を約0.01〜0.05ミリメートルに維持して非接触とすることにより摺動抵抗を抑えている。
なお、本実施形態では、ピストン10のラビリンスシール10a部分の材質としてポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)を用いている。ラビリンスシール10aを用いた場合には、シリンダチューブ5とピストン10との隙間を一定に保つ必要があるが、ポリフェニレンサルファイド樹脂は、自重及び吸水等による変形が少なく加工性が良いことから、ラビリンスシール10aを構成する材料に適している。なお、上記の特性を満たす材料として、カーボン等の他の材料を用いてもよい。
シリンダチューブ5の軸方向両端部には、排気孔ブロック6が連結されている。排気孔ブロック6は、軸方向にロッド3を貫通させる貫通孔14を有し(図3参照)、貫通孔14から外周方向に放射状に延びる排気孔7を有している。排気孔7は、後述するエアベアリング2に供給された加圧エアが、シリンダ室5a内に流入しないように手前で排気する役割を担っている。なお、排気孔7の構成については後ほど詳述する。
そして、各排気孔ブロック6の軸方向外側(シリンダチューブ5とは対向する側)には、エアベアリング2を内周面に嵌合固定するエアベアリングブロック4が連結されている。
エアベアリング2は、加圧エアを軸受内に供給して圧力を発生させることによって軸の荷重を支持する、いわゆる静圧型のエアベアリングである。図1に示すように、エアベアリング2は、多孔質焼結合金によって形成されロッド3の外周面に対向する多孔質焼結層2aと、その多孔質焼結層2aの更に外周側に同心二重配置されるバックメタル2bとを有する。エアベアリングブロック4の上端には、加圧エアを供給するための加圧エア供給ポート1が設けられており、図1に示すようにバックメタル2bの内周面と連通している。加圧エア供給ポート1から供給された加圧エアは、バックメタル2bと多孔質焼結層2aとの間の空間に導入される。そして、加圧エアは、更に多孔質焼結層2a内を通ってロッド3と多孔質焼結層2aとの隙間まで到達する。ロッド3の荷重は、この隙間に導入された加圧エアの圧力によって支持され、ロッド3とエアベアリング2とは非接触の状態に維持される。従って、エアベアリング2は、軸と軸受との接触による磨耗等の虞がないので、高い信頼性を維持することができる。特に本実施形態では、図1に示すように、シリンダチューブ5に対してエアベアリング2が左右両側に対称に配置されている。従って、シリンダチューブ5に対してロッド3が傾くことがない。また、本実施形態では、多孔質焼結層2aとロッド3の外周面との間に安定した空気層を形成するために、多孔質焼結層2aと対向するロッド3の外周面の表面粗さ(算術平均粗さRa)は、0.2マイクロメートル以下としている。
エアベアリングブロック4の軸方向外側面には、ブシュ11がねじ締結により固定されている。ブシュ11は、エアベアリング2内に埃等が進入しないように側面から封止する役割を担っている。ブシュ11の中央には、挿通孔11aが設けられており、ロッド3が貫通している。なお、加圧エア供給ポート1から供給された加圧エアが外部にリークしないように、ロッド3の外周面と挿通孔11aとのクリアランスは0.03ミリメートル以下に設定されている。これによって、エアベアリング2の空気層が確実に形成されるようにしている。
ロッド3は、ピストン10を軸方向に貫いた状態で連結され、エアシリンダ100から軸方向に突出している。ロッド3は、制御エアの圧力によって得られるピストン10の推力を外部に出力する役割を担っている。上述のように、ロッド3は、ピストン10の軸方向両側においてエアベアリング2によって支持されている。ピストン10と共にエアシリンダ100の可動部を構成するロッド3は、高速応答性が要求されることから軽量であることが望ましく、また、外部に出力を伝達するという役割を担うことから所定の強度が要求される。本実施形態では、上記の特性を満たす材料として、ジュラルミン等のアルミ合金をロッド3に採用している。また、ロッド3の表面にクロムめっき処理又はアルマイト処理を施すことによって、軽量でありながら表面の硬度を高めて、摺動部における耐摩耗性を確保することができる。本実施形態では、特に硬質クロムめっき処理、又は超硬質アルマイト処理を行うのが好適である。超硬質アルマイト処理、又は硬質クロムめっき処理を採用して、ロッド3表面のビッカース硬さHvを400以上1000以下とすることによって、良好な耐摩耗性が得られる。但し、ロッド3の材質及び表面処理は上記に限定されるものではなく、軽量化と表面硬度を両立し得るあらゆる材料、及び表面処理を採用することができる。
なお、本実施形態に係るエアシリンダ100は、図1に示すように、シリンダチューブ5と排気孔ブロック6との連結部、及び排気孔ブロック6とエアベアリングブロック4との連結部にOリング12を設けている。これによって、シリンダチューブ5及びエアベアリング2からの意図しないエアの漏れを抑制している。
図2は、加圧エア供給ポート1から供給された加圧エアが、外部に排気されるまでの通気ルートを矢印によって示している。加圧エア供給ポート1から供給された加圧エアは、バックメタル2bと多孔質焼結層2aとの間の空間に導入される。そして、加圧エアは、更に多孔質焼結層2a内を通ってロッド3と多孔質焼結層2aとの隙間まで到達する。ロッド3と多孔質焼結層2aとの隙間においてロッド3は加圧エアの圧力によって支持される。そして、ロッド3を支持する加圧エアは、エアベアリング2の軸方向両端から漏れ出るが、図2において、エアベアリング2の外側面(ブシュ11側の側面)には排気流路13が設けられている。排気流路13は、エアベアリング2の端面から漏れ出る加圧エアを加圧エア排気ポート8へと導く。
一方、エアベアリング2の内側面(排気孔ブロック6側の側面)には、排気孔ブロック6の側面が当接して加圧エアが漏れにくいように構成されている。但し、本実施形態では、可動部材であるロッド3と、固定部材である排気孔ブロック6とが接触しないように、ロッド3と排気孔ブロック6の貫通孔14(図3参照)との間に0.03ミリメートル以下の半径方向のギャップ(狭小領域G)を設けている。このため、エアベアリング2の内側面(排気孔ブロック6側の側面)から、この狭小領域Gを通って加圧エアが僅かに軸方向に流出する。この流出した加圧エアがシリンダ室5a内に流入すると、エアシリンダ100が所定の推力を得られない虞があるため、本実施形態では、排気孔ブロック6内に流入した加圧エアを外部に排出する排気孔7が設けられている。
また、排気孔7は、大気開放されていることが望ましい。エアベアリング2には大気圧よりも圧力が高い加圧エアを供給しているため、排気孔7を大気開放して大気圧に維持することによって、エアベアリング2内の加圧エアは真空引き等を行うことなく、排気孔7から排気される。また、排気孔7から排気されたエアを他の設備に供給するように構成するなどしてもよく、必ずしも大気開放されている必要はない。
図3は、本実施形態に係るエアシリンダ100を構成する排気孔ブロック6の構成を示す図である。排気孔7は、排気孔ブロック6の中央を貫く貫通孔14から外周方向に放射状に延びている。本実施形態では、1つの排気孔ブロック6につき、排気孔7が円周上に等間隔で8箇所に設けられている(図3では手前の4箇所が視認できる)。なお、排気孔7は、各排気孔ブロック6について少なくとも1箇所以上に設けられていればよいが、円周方向に等間隔で複数箇所に配置されていることが好ましい。また、図1及び図2における左右の排気孔ブロック6には同じ数の排気孔7が設けられていることが好ましい。
このように、本実施形態では、エアベアリング2の外側面(ブシュ11側の側面)に排気流路13を設けて、エアベアリング2から流出する加圧エアをブシュ11側から積極的に排気できるように構成している。そして、エアベアリング2の内側面(排気孔ブロック6側の側面)から極力加圧エアが流出しないように、加圧エアの流路をロッド3の外周面と排気孔ブロック6の貫通孔14との間のギャップ(狭小領域G)のみに限定している。そして、狭小領域Gから漏れ出る僅かな加圧エアを排気孔7から排気させることによって、加圧エアがシリンダ室5a内へ流入することを抑制している。
なお、本実施形態では、加圧エアを排気孔ブロック6側に導く流路(狭小領域G)として、ロッド3の外周面と排気孔ブロック6の貫通孔14との間のギャップを利用するように構成したが、この態様のみに限定されるものではなく、ブシュ11側の排気流路13よりも狭小な他の流路を排気孔ブロック6側に設けるなどしてもよい。
次に、制御エアの供給及び排気によるピストン10の駆動について説明する。図4は、図の左から右へピストン10を駆動する場合の制御エアの流れを示す。図4において、シリンダチューブ5の左上端に設けられた制御エアポート9から加圧された制御エアを供給すると共に、右上端の制御エアポート9を減圧すると、ピストン10の左方のシリンダ室5a内が正圧になる一方、ピストン10の右方のシリンダ室5a内のエアが排気されて負圧となる。このため、図4に示すようにピストン10が図の右方に向かって移動する。ピストン10の外周面には、周方向に延びる溝部がラビリンスシール10aとして設けられており、ラビリンスシール10aとシリンダチューブ5の内周面との間には約0.01〜0.05ミリメートルのクリアランスが設けられている。従って、シリンダチューブ5の内周面とピストン10とは非接触の状態に維持されているので、摩耗等により劣化する虞がなく低摺動を実現している。特に本実施形態では、ロッド3が左右2箇所においてエアベアリング2によって支持されているので、ロッド3が傾いてピストン10とシリンダチューブ5の内周面とが接触してしまうことがない。また、シリンダ室5a内に供給された制御エアはラビリンスシール10aの複数の溝部によって漏れ圧が徐々に下がるように構成されているため、シリンダ室5aの吸気側(図4におけるピストン10の左側)から排気側(ピストン10の右側)への制御エアの漏れを抑制することができる。従って、制御エアを有効に利用して大推力を得ることができる。
そして、ピストン10を図4の右から左へと駆動する場合には、シリンダチューブ5の右上端に設けられた制御エアポート9から加圧された制御エアを供給すると共に、左上端の制御エアポート9を減圧すればよい。
なお、ピストン10の駆動方法は上記の複動動作に限定されるものではなく、例えば一方の制御エアポート9に供給される加圧された制御エアのみでピストン10を駆動し、他方の制御エアポート9の圧力を制御しなくてもよい(単動動作)。また、一方の制御エアポート9を減圧するのみで他方の制御エアポート9の圧力を制御しない単動動作であってもよい。更に、ロッド3に軸方向の弾性力を与えておき、1つの制御エアポート9に加圧された制御エアを供給してピストン10を一方向に駆動する一方、他方向に駆動する場合に制御エアの供給を停止して弾性力によって戻るようにしてもよい。
次に、本実施形態のエアシリンダ100を用いたフィルム搬送装置について説明する。図5は、フィルム搬送装置の構成を示す図である。上流側搬送フィルム33は、サーボモータ35で駆動される上流側送りロール31によって搬送された後、ガイドロール39によって鉛直方向下方に方向付けされ、ダンサーロール37に巻回されている。ダンサーロール37に半周だけ巻回されて方向転換されたフィルムは、第2のガイドロール39'によって水平方向に方向付けされた後、送りモータ43で駆動される下流側送りロール41によって、後工程へと搬送される(図5の下流側搬送フィルム45)。ダンサーロール37はエアシリンダ100の駆動によって図5の上下方向に移動可能に構成されており、ダンサーロール37の位置制御によってフィルムにかかる張力が制御される。
図6は、図5のフィルム搬送装置に用いられるダンサーロール37の位置制御のための制御機構を示す図である。ダンサーロール37は、回転軸52周りに回動可能なアーム54の先端に取り付けられており、図6に二点鎖線で示すように回転軸52を中心に円弧を描くように駆動される。アーム54は、長手方向の中心位置よりもやや回転軸52寄りの位置においてエアシリンダ100のロッド3と連結部材を介して連結されている。図6から明らかなように、エアシリンダ100のロッド3が下方に変位すると、ダンサーロール37も下方に移動し、ロッド3が上方に変位すると、ダンサーロール37も上方に向かって移動する。アーム54の可動範囲の上端及び下端にはストッパ56が配置されており、アーム54の可動範囲外への変位を物理的に制限している。なお、ダンサーロール37の位置検出は、回転軸52に取り付けられている回転角センサ52aによってアーム54の回転角を検出することによって行う。
なお、本実施形態では、エアシリンダ100がアーム54を駆動して、アーム54の先端に取り付けられたダンサーロール37が円弧を描きながら上下動するように構成したが、この態様には限定されない。例えば、エアシリンダ100がダンサーロール37を直接鉛直方向又は水平方向に駆動するように構成するなどしてもよい。
図7(a)は、図5のフィルム搬送装置において、エアシリンダ100の制御を行う制御系の構成を示すブロック図であり、図7(b)は、サーボモータ35の制御を行う制御系の構成を示すブロック図である。図7(a)において、制御器60は、図示しない張力センサ66からの張力検出結果をフィルム張力の目標値と比較して、その比較結果を基にエアシリンダ100の制御信号を生成する。すなわち、張力検出結果がフィルム張力の目標値を下回った場合には、ダンサーロール37が図5及び図6の下方に移動するようにエアシリンダ100の制御信号を生成してフィルム張力を増加させるように制御を行う。また、張力検出結果がフィルム張力の目標値を上回った場合には、ダンサーロール37を上方に移動させてフィルム張力を減少させるように制御を行う。電空(E/P)変換器62は、エア源64から供給される加圧エアの圧力を、制御器60が生成する制御信号に応じて調整して、エアシリンダ100に供給する。これによって、エアシリンダ100は、制御信号に応じた推力を出力して、フィルムにかかる張力が一定になるように動作する。
図7(b)において、制御器60は、回転軸52に設けられた回転角センサ52aからの回転角検出結果を目標回転角(ダンサーロール37の目標位置に対応する回転角)と比較して、その比較結果を基にサーボモータ35の回転速度の制御を行う。例えば、ダンサーロール37が目標位置よりも図5及び図6の下方に位置する場合には、フィルムの張力が目標よりも小さくなっている状態をダンサーロール37の位置制御によって目標の張力に近づけようとしている状態(すなわち、ダンサーロール37を下方に変位させて張力を大きくしている状態)である。この場合には、上流側送りロール31の回転速度が低下するようにサーボモータ35を制御することによって、フィルム張力を増加させるようにする。他方、ダンサーロール37が目標位置よりも図5及び図6の上方に位置する場合には、フィルムの張力が目標よりも大きくなっている状態をダンサーロール37の位置制御によって目標の張力に近づけようとしている状態である。この場合には、上流側送りロール31の回転速度が増大するようにサーボモータ35を制御することによって、フィルム張力を低下させるようにする。
なお、このフィルムの張力の調整は、本実施形態の態様には限定されず、例えば、送りモータ43の回転速度調整を行って下流側搬送フィルム45の速度を調整することによってフィルムの張力を調整するように構成してもよい。
以上述べたように、本実施形態によれば、シリンダチューブ5の軸方向両側にエアベアリング2を配置してロッド3を両持ち支持すると共に、ピストン10の外周面にラビリンスシール10aを採用した。この構成によって、ロッド3がエアベアリング2によって摺動抵抗無く支持されることに加え、両持ち支持によってロッド3が傾くことがない。従って、シリンダチューブ5とピストン10との間、及びロッド3と挿通孔11aとの間のクリアランスが適正に維持されるため、ロッド3を軸方向に駆動しても、これらの部位において摩耗等が発生することがない。また、ラビリンスシール10aの採用によってシリンダチューブ5とピストン10との間についても非接触とすることができるので、摺動抵抗が小さく高速応答性、高推力及び低動作圧力を兼ね備えたエアシリンダ100を提供することができる。また、エアベアリング2用の加圧エアを排気するための排気孔の一部(排気孔7)をシリンダチューブ5と各エアベアリング2との間の軸方向位置に設けることによって、シリンダ室5aへの加圧エアの漏れを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、エアベアリング2におけるシリンダチューブ5とは反対側の側面から流出する加圧エアを排気する加圧エア排気ポート8と、各エアベアリング2におけるシリンダチューブ5側の側面から流出する加圧エアを排気する排気孔7とを有し、各エアベアリング2から排気孔7までの流路は狭小領域Gを有するように構成した。これによって、エアベアリング2用の加圧エアが主としてシリンダチューブ5とは反対側の側面から流出するので、シリンダ室5aへの加圧エアの漏れを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態によれば、狭小領域Gとして、ロッド3の外周面と排気孔ブロック6の貫通孔14との間の軸方向に延びるギャップを利用するようにし、その半径方向のギャップを特に0.03ミリメートル以下とするように構成した。これによって、シリンダ室5aへの加圧エアの漏れを、ロッド3の摺動抵抗が増加しない範囲で極力抑えることができる。
また、本実施形態によれば、排気孔7を大気開放するように構成したので、加圧エアを排気するために真空装置を用いる必要がなく、システムを大幅に簡素化して、コストを抑えることができる。
また、本実施形態によれば、ラビリンスシール10aを形成する材料が、ポリフェニレンサルファイド樹脂又はカーボンを含むように構成した。これらの材料の採用によって、自重及び吸水等による変形が少なくなるため、ピストン10とシリンダチューブ5との隙間が変動しづらく、安定した低摺動特性を得ることができる。また、加工性にも優れるため、ピストン10とシリンダチューブ5との隙間の寸法精度を高めたり、ラビリンスシール10aの溝部の形成に有利である。
また、本実施形態によれば、ラビリンスシール10aと、シリンダチューブ5の内周面との隙間を約0.01〜0.05ミリメートルとしたので、両者を非接触として摺動抵抗を低減しつつ、制御エアの損失を抑えて所定の推力を得ることができる。
また、本実施形態によれば、ロッド3の材質をアルミ合金としたので、可動部の強度を損なうことなく軽量化して高速応答性、及び低動作圧力を実現することができる。
また、本実施形態によれば、ロッド3の表面のうち、少なくとも一部にクロムめっき処理又はアルマイト処理を施しているので、各摺動部における耐摩耗性を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、ロッド3の表面の少なくとも一部のビッカース硬さHvが、400以上1000以下であるように構成したので、各摺動部における耐摩耗性を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、ロッド3の表面の少なくとも一部の算術平均粗さRaが、0.2マイクロメートル以下であるように構成したので、エアベアリング2とロッド3との間の空気層を安定して形成することができる。
また、本実施形態のエアシリンダ100をフィルム搬送装置に適用することによって、エアシリンダ100の高速応答性及び高推力に起因して、フィルムの張力変動を効果的に低減することができる。
本発明を諸図面および実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形または修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形または修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
1 加圧エア供給ポート
2 エアベアリング
2a 多孔質焼結層
2b バックメタル
3 ロッド
4 エアベアリングブロック
5 シリンダチューブ
5a シリンダ室
6 排気孔ブロック(固定部材)
7 排気孔
8 加圧エア排気ポート(排気孔)
9 制御エアポート
10 ピストン
10a ラビリンスシール
11 ブシュ
11a 挿通孔
12 Oリング
13 排気流路
14 貫通孔
31 上流側送りロール
33 上流側搬送フィルム
35 サーボモータ
37 ダンサーロール
39,39' ガイドロール
41 下流側送りロール
43 送りモータ
45 下流側搬送フィルム
52 回転軸
52a 回転角センサ
54 アーム
56 ストッパ
60 制御器
62 電空(E/P)変換器
64 エア源
66 張力センサ
100 エアシリンダ
G 狭小領域

Claims (11)

  1. シリンダチューブと、
    該シリンダチューブに嵌合し、該シリンダチューブ内に供給される制御エアによって軸方向に往復動作するピストンと、
    該ピストンに連結され、軸方向に延びるロッドと、
    前記ピストンの軸方向両側において、前記ロッドを支持する複数のエアベアリングと、
    該複数のエアベアリングの各エアベアリング毎に、供給された加圧エアを排気する複数の排気孔と
    を備え、
    前記ピストンの外周面には、ラビリンスシールが設けられ、
    前記複数の排気孔の少なくとも一の排気孔は、前記シリンダチューブと前記各エアベアリングとの間の軸方向位置に設けられていることを特徴とするエアシリンダ。
  2. 前記複数の排気孔は、前記各エアベアリングにおける前記シリンダチューブとは反対側の側面から流出する加圧エアを排気する第1排気孔と、前記各エアベアリングにおける前記シリンダチューブ側の側面から流出する加圧エアを排気する第2排気孔とを有し、
    前記各エアベアリングから前記第2排気孔までの流路は狭小領域を有する、請求項1に記載のエアシリンダ。
  3. 前記狭小領域は、前記ロッドの外周面と固定部材との間の軸方向に延びるギャップである、請求項2に記載のエアシリンダ。
  4. 前記ギャップは、半径方向に0.03ミリメートル以下である、請求項3に記載のエアシリンダ。
  5. 前記第2排気孔は、加圧エアを大気開放する、請求項2乃至4のいずれか一項に記載のエアシリンダ。
  6. 前記ラビリンスシールを形成する材料は、ポリフェニレンサルファイド樹脂又はカーボンを含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエアシリンダ。
  7. 前記ラビリンスシールと、前記シリンダチューブの内周面との隙間は、0.01ミリメートル以上0.05ミリメートル以下である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のエアシリンダ。
  8. 前記ロッドの材質はアルミ合金である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のエアシリンダ。
  9. 前記ロッドの表面の少なくとも一部は、クロムめっき処理又はアルマイト処理が施されている、請求項8に記載のエアシリンダ。
  10. 前記ロッドの表面の少なくとも一部のビッカース硬さHvは、400以上1000以下である、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のエアシリンダ。
  11. 前記ロッドの表面の少なくとも一部の算術平均粗さRaは、0.2マイクロメートル以下である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のエアシリンダ。
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