JP2017179730A - 軒先構造および建物 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、建物の屋根部材に設けられた配線引き込み構造であって、屋根部材に配された接続線が挿通される屋根穴部と、屋根穴部の下方に配置される配線収容部材を備えたものが記載されている。
また、特許文献2には太陽電池の出力ケーブルを、野地坂に設けられた貫通孔を通して屋根下空間に引き出し、さらに軒先部の裏側に設けた接続箱を介して上記軒樋の配線収容に導入する軒先配線構造が記載されている。この軒先配線構造は、出力ケーブルを太陽電池から軒樋まで表面に露出することなく配線することができるものである。
しかしながら、野地板に穴を開けることは防水処理をしている野地板表面のシールドに穴を開けることになる。このため、この穴を開けた部位からの漏水が生じないように、別途防水処理等が必要になる。また、野地板に穴を開けることは、比較的大がかりな工事になるという問題がある。
本発明は、屋根上や外壁等の屋外に設置した機器に接続された配線を屋内に引き込むための手段を提供するものであって、上記のような大がかりな工事の必要性や漏水の可能性を軽減するとともに、屋根の軒先における配線の露出を伴わない軒先構造および建物の提供を課題とするものである。
屋根の先端に当該屋根の裏側空間に連通する横長の開口が設けられているとともに、当該横長の開口を含む屋根の先端にカバーが装着されており、装着された前記カバーによって、前記屋根の先端に配線の通過を可能とする空間が形成されており、前記配線が、前記開口を介して前記屋根の裏側空間に引き込むことができるように構成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る軒先構造は、屋根の先端に設けた開口を、先端の長手方向に沿って横長状に形成している。この構造は、引き込み時に生じる配線の湾曲を、横長の開口内での移動を許容することである程度自由に行わせることができるものである。このため、特に配線の引き回し作業等において、配線に座屈を生じさせるようなストレスを与えることなく引き回しを行うことができ、作業後も配線に対するストレスが無い状態を維持できるという効果を有している。
また、配線を引き入れる開口を幅を狭める狭窄部材の装着によって、配線の引き入れに必要の無い開口領域を狭めることができる。これにより風雨の吹き込みを軽減することができ、この狭窄部材に水返しを設けることでさらに風雨の吹き込みを抑制する効果を高めることができるようになっている。
また、屋根の上に設置した機器に接続された配線を屋内に引き入れる場合に、配線を外観上露出させることが無いという効果を有している。
また、屋根の上に設置した機器に接続された配線を屋内に引き入れる場合に、角となる屋根の先端部に配線の案内部材を設けることによって、角との接触による配線の屈曲等を防止することができるという効果を有している。
本発明は、モジュールとなる複数個の建物ユニットUを連結して一つの建物を構成するユニット建物への適用に適したものである。以下、本実施の形態では、このようなユニット建物に本発明に係る軒先構造を適用する場合について説明する。なお、本発明は、当然ながらこのようなユニット建物への適用に限定されるものではなく、各種の工法によって形成される建物にも適用されるものである。
本実施の形態における建物ユニットUは、一例として鉄骨によって形成した梁や柱からなるフレームFを有するものであり、建物1の側部の外観を構成する外壁12はこのようなフレームFに対して直接若しくは緩衝部材を介して間接的に取り付けられている。
屋根構造体11は、屋根梁14の上に固定されるフレーム15と、このフレーム15に対して直接若しくは金具類を用いて間接的に取り付けられる各種の部材から構成されている。このような各種の部材の主要なものには、野地板16、この野地板16上に設ける防水層17、この防水層17上に設ける屋根材18、野地板16を支える支持材19等がある。
野地板16は、屋根全体を覆う防水層17を敷設するための基盤および、屋根上に配置する各種の屋根材18を支える基台となるものであり、垂木に相当する支持材19によって支えられている。支持材19は、屋根構造体11の外縁に配置した軒梁等と同様の役割を果たす鉄骨等によって形成されたフレーム15に取り付けられている。
野地板16の裏面に配置される支持材19は、格子状若しくは一定の間隔を開けて配置されているので、各支持材19間には電気的なケーブルを含めた各種の配線20を通過、施設を行うことができる空間(屋根の裏側空間)21が形成されている。
屋根材18は、鋼板、スレート、瓦等の屋根表面を覆う化粧材(仕上げ部材)であるが、本実施の形態ではこのような屋根材の一部としてソーラーパネルPを設けている。ソーラーパネルPは、鋼板、スレート、瓦等を敷設した屋根表面に載置するのが従来一般の敷設方法であるが、前述した屋根材に代えて、ソーラーパネルPを屋根材18の一部として直接防水層の上に設けてもよいものである。
また、図に示した例は、屋根構造体11の端面を外壁12よりも突出した位置まで延長させることで軒部13を構成している。
この軒部13には、屋根構造体11の延長部分(外壁12表面からの突出部分)の下面に、空間(軒部空間34)介して板状の軒天井31を設けている。軒天井31は、前述した屋根梁14の下面(建物ユニットとの境界面)と略一致した高さに配置されており、その一端は断面L字状の取付金具33を介して屋根梁14に取り付けられている。
閉塞板30は、屋根構造体11の端面および軒部空間34を、その長手方向に亘って塞ぐ閉塞面35を有している。また、この閉塞面35の上端には、屋根構造体11の外縁を構成するフレームに載置した状態で固定する取付部36を設けている。この取付部36は、閉塞板の上端に形成した突出片として屋根構造体11側に折り曲げたフランジ状の部位として形成したものであり、長手方向の両端部に設けている。
さらに、閉塞面の下端には、屋根構造体11の外縁を構成するフレームの下面に固定するための取付部37を設けている。この取付部37は、閉塞板30の下縁を屋根構造体側に折り曲げたフランジ状の部位として形成したものであり、長手方向の全域若しくは複数箇所に設けている。
なお、前記横長状の開口38は、屋根が軒部13を有している場合には、軒天井31によって下面を塞いだ軒部空間34に連通するように構成してもよい。この場合、軒部空間34と屋根の裏側空間21を連通させておき、配線20を軒部空間34を介して屋内に引き込むように構成する。
また、ソーラーパネルPから案内部材43に至る部分は、後述するカバー51とともに、連続的に配線20を覆う適宜の形状の配線カバー44によって覆われている。
上記のカバー51を取り付けるためのブラケット50は、カバー51の長手方向に沿ってケーブル類を挿通させることができるように、内部に空間を有するフレーム構造を有している。
また、開口38の下縁を構成する狭窄部材40の上縁部は、折り曲げによって角の無い湾曲面となっている。これにより、接触する配線に与えるストレスを軽減し、破断、被覆の損傷を防止するようになっている。
さらに、狭窄部材40の上縁部に設けた折返部41は斜め下方に延出する所定幅の縁片として形成されている。この折返部41は、開口38の横長方向に沿って配置されるので、水返しとしてカバーの隙間から入り込んだ下方からの風雨の侵入を防止、抑制する作用を有している。
これに対して本実施の形態に係る軒先構造では、屋根の裏側空間21に引き込む配線20の湾曲率の変動や捻れ等に応じて、配線20を横長に形成した開口38の範囲内においてある程度移動させることができる。すなわち、配線20に加えられた力に応じて、配線が自由に動くことができる遊び空間があるということである。これは、カバー51内に入った後、開口38を経由して屋根内に至る際に生じる配線の曲げや捻れを、座屈を伴うようなストレスを与えることなく行うことを可能とするものである。また、配線の引き回し後においても、配線に対してストレスが無い状態を維持できるようになっている。
また、屋根の上面側から屋根の先端に設けたカバー51内に配線20を招きいれる場合、屋根先端の角部(エッジ)を構成する部分に、屈曲やエッジとの接触を防止しながら内部に配線20を案内する案内部材43を設けている。これにより、配線20に対するストレスを軽減した状態でカバー51内に配線20を招きいれることができるようになっている。
また、以上説明した各種の実施例は、種々組み合わせて実施することが出来るものである。また、この発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々設計変更できるものである。
11 屋根構造体
12 外壁
13 軒部
14 屋根梁
15 フレーム
16 野地板
18 屋根材
19 支持材
20 配線
21 屋根の裏側空間
30 閉塞板
31 軒天井
33 取付金具
34 軒部空間
35 閉塞面
38 開口
40 狭窄部材
41 折返部
43 案内部材
50 ブラケット
51 カバー
P ソーラーパネル
Claims (6)
- 屋根の先端に当該屋根の裏側空間に連通する横長の開口が設けられているとともに、当該横長の開口を含む屋根の先端にカバーが装着されており、
装着された前記カバーによって、前記屋根の先端に配線の通過を可能とする空間が形成されており、
前記配線が、前記開口を介して前記屋根の裏側空間に引き込むことができるように構成されていることを特徴とする軒先構造。 - 前記開口が、前記屋根の先端に装着された閉塞板に設けられていることを特徴とする請求項1記載の軒先構造。
- 前記開口の下方部が、板状の狭窄部材によって塞がれていることを特徴とする請求項1または2記載の軒先構造。
- 前記開口の下方部が、水返しとなる折曲部が上辺に形成された狭窄部材によって塞がれていることを特徴とする請求項1または2記載の軒先構造。
- 前記開口の上部に、屋根の表面側から先端側に至る配線を案内する案内部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の軒先構造。
- 請求項1乃至5の何れか一項に記載の軒先構造を有する建物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016063817A JP2017179730A (ja) | 2016-03-28 | 2016-03-28 | 軒先構造および建物 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2016063817A JP2017179730A (ja) | 2016-03-28 | 2016-03-28 | 軒先構造および建物 |
Publications (1)
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JP2017179730A true JP2017179730A (ja) | 2017-10-05 |
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JP2016063817A Pending JP2017179730A (ja) | 2016-03-28 | 2016-03-28 | 軒先構造および建物 |
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JP (1) | JP2017179730A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
RU2745519C1 (ru) * | 2020-05-25 | 2021-03-25 | Иван Николаевич Грознов | Вращающаяся печь для окислительного обжига сульфидной руды |
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2016
- 2016-03-28 JP JP2016063817A patent/JP2017179730A/ja active Pending
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RU2745519C1 (ru) * | 2020-05-25 | 2021-03-25 | Иван Николаевич Грознов | Вращающаяся печь для окислительного обжига сульфидной руды |
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