JP2017179535A - 電気電子部品用銅合金条 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い導電率、高いばね限界値及び優れた耐応力緩和特性を有し、巻き癖が矯正されたCu−Cr−Ti−Si系合金条の提供。【解決手段】Cr:0.15〜0.60質量%、Si:0.01〜0.20質量%、Ti:0.005〜0.30質量%を含み残部がCu及び不可避的不純物からなり、Crを含む金属間化合物が析出した電気電子部品用銅合金条。導電率が65%IACS以上であり、条の圧延方向に対し0度方向のばね限界値をkb0.1Lとし、圧延方向に対し90度方向のばね限界値をkb0.1Tとしたとき、kb0.1Lとkb0.1Tが下記不等式(1)、(2)を満たし、150℃で1000時間加熱後の圧延方向に対し90度方向の応力緩和率が15%以下であり、L反りが20mm以下であるCu−Cr−Ti−Si系合金条。【選択図】図1

Description

本発明は、電気電子部品用銅合金条に関し、特に高い導電率、高いばね限界値及び優れた耐応力緩和特性を有する電気電子部品用Cu−Cr−Ti−Si系合金条に関する。
自動車用の嵌合端子、プレスフィット端子、その他の端子材、リレー、スイッチ、ソケットなどに適用される電気電子部品用銅合金には、導電率、耐力(降伏応力)、引張強度、曲げ加工性、耐疲労特性、耐応力緩和特性、ヤング率などに優れた特性が要求される。
近年、ハイブリッド自動車や電気自動車が増加し、自動車用電気電子部品は高機能化・高密度化により通電電流が増加している。加えて、電気電子部品の搭載環境の悪化により、電気電子部品用材料には従来よりも高い特性が要求されている。例えば、嵌合端子は将来車輪付近やエンジン直上に搭載されることが予想される。このため、接点を維持するばね性に加え、通電発熱や周囲の雰囲気温度でばね性の低下を抑制する必要がある。
プレスフィット端子は、通常、基板のスルーホールに圧入され、端子とスルーホールが圧接された状態で使用される。このため接点を維持するためには、高いばね性と耐応力緩和特性が要求される。また、リレー用可動片においては、繰り返し負荷される曲げ応力に対応できるばね性が要求される。電子機器の高機能化により通電電流が増加すると、電気電子部品用銅合金は通電による発熱が大きくなるため、ばね性を維持する耐応力緩和特性が重要になる。
従来、電気電子部品用材料として、リン青銅や黄銅等の銅合金が広く用いられているが、耐応力緩和特性が低い。このため、ばね性と耐応力緩和特性の両方が要求される場合には、Cu−Ni−P−Sn系及びCu−Ni−Si系の銅合金が使用されている。また、リレー用可動片のように繰り返し曲げ応力が付加される場合には、耐疲労特性が要求される。一般的に耐疲労特性と強度は比例関係にあるため、耐疲労特性が要求される場合には、強度の高いベリリウム銅が、耐応力緩和特性が必要となる場合にはCu−Mg系合金が多く用いられている。
しかし、これらの銅合金材料では、従来よりも高い電流で使用された場合には、熱放散性が悪く、接点部のばね性が応力緩和により低下し、接触不良を生じる可能性がある。このため、従来よりも高いばね性及び耐応力緩和特性が要求されるようになった。この要求に対し、Cu−Cr−Ti−Si系合金が提案されている(特許文献1参照)。
特開2012−214882号公報
Cu−Cr−Ti−Si系合金は、Cu−Ni−P−Sn系合金、Cu−Ni−Si系合金、Cu−Be系合金及びCu−Mg系合金よりも高導電率と耐応力緩和特性が要求される場合に、通電材料として使用が検討されている。とくにハイブリッド自動車や電気自動車のように通電電流が比較的高い場合は、Cu−Cr−Ti−Si系合金は接続信頼性を確保する上で有効な材料である。
特許文献1に記載されたCu−Cr−Ti−Si系合金材は、耐応力緩和特性及び導電率に優れ、最終工程を時効処理とする製造方法により製造される。特許文献1によれば、時効処理は、時効処理後に十分な導電率、強度及び耐応力緩和特性を発揮させるため、材料が400〜500℃の温度に到達後、15分から10時間保持することにより行われる。そのため、時効処理を高温の炉内に長尺の条材を連続通板する連続焼鈍により行うことは難しく、現実的ではない。従って、長尺の条はこれを巻いたコイルの状態で時効処理を行う。
ところで、コイルの状態で熱処理(時効処理を含む)を行うと、コイルからほどいた条には巻癖がつき、平坦な状態でなくなってしまう。この状態では、条を連続的にスタンピングプレスにより打抜き加工する際、プレス機に供給することが難しくなってしまう。このため、熱処理したコイルから条を巻きほどきながら、連続式ストレッチャーレベラー、ローラーレベラー、テンションレベラーなどに通板し、軽度の塑性歪を与え、巻癖を矯正して条を平坦にする。
しかし、巻癖を矯正後の条を素材として製造した端子において、目標とするばね限界値及び耐応力緩和特性を発揮できず、使用中に接触不良を生じることがある。また、時効処理後、強度を向上させるために、さらに加工率の低い圧延を行う場合があるが、この場合も同様の問題が生じる。
本発明は、Cu−Cr−Ti−Si系合金条における上記問題を解決するためになされたもので、高い導電率、条の圧延方向に対し90°方向のばね限界値及び耐応力緩和特性が優れ、巻き癖が矯正された銅合金条を提供することを目的とする。
析出型銅合金の条を時効処理後、冷間圧延(塑性加工)を行うと、時効処理後に比べ、ばね限界値及び耐応力緩和特性が低下することが一般的に知られている。これは、時効処理後の塑性加工により、150℃程度の低温(端子等の使用温度)でも容易に移動する転位が導入されるためと考えられている。そして、塑性加工により導入された動きやすい転位を低温焼鈍(歪取り焼鈍)により消滅させ、安定な転位を残すことにより、塑性加工後に低下したばね限界値及び耐応力緩和特性を回復させることができることは、一般に知られている。
また、時効処理後の析出型銅合金コイルの条に歪矯正を行った場合も、冷間圧延を行ったときと同様にばね限界値及び耐応力緩和特性が低下するが、この場合も、歪み矯正後に低温焼鈍を行うことにより、ばね限界値や耐応力緩和特性を回復させることができることが知られている。
しかし、析出型銅合金条において、ばね限界値と耐応力緩和特性が低温焼鈍後にどの程度回復するかについては、十分検討がなされてなく、特に時効処理後の値を上回って回復する可能性については、これまで全く想定されていなかった。
一方、本発明者らは、時効処理後に塑性変形を生じたCu−Cr−Ti−Si系合金に歪取り焼鈍を行った場合、特に端子やリレーなどで重要となる圧延方向に対し90度方向のばね限界値が、時効処理後の値を上回る値にまで向上できることを見出した。図1はこれを模式的に示すもので、時効処理後の圧延方向に対し90度方向(T.D.)のばね限界値が、歪み矯正後低下し、歪み取り焼鈍後に大きく回復して時効処理後の値を上回る。また、圧延方向に対し0度方向(L.D.)のばね限界値も、歪み取り焼鈍後に大きく回復するが、時効処理後の値を上回ることはない。本発明は、この知見を元になされたものである。なお、L.D.はLongitudinal Direction、T.D.はTransverse Directionの略である。
本発明に係る電気電子部品用銅合金条は、Cr:0.15〜0.60質量%、Si:0.01〜0.20質量%、Ti:0.005〜0.30質量%を含み残部がCu及び不可避的不純物からなり、Crを含む金属間化合物が析出し、導電率が65%IACS以上であり、条の圧延方向に対し0度方向(L.D.)のばね限界値をkb0.1Lとし、圧延方向に対し90度方向(T.D.)のばね限界値をkb0.1Tとしたとき、kb0.1Lとkb0.1Tが下記不等式(1)、(2)を満たし、150℃で1000時間加熱後の圧延方向に対し90度方向(T.D.)の応力緩和率が15%以下であり、L反りが20mm以下であることを特徴とする。
上記銅合金は、必要に応じて、Ag、Fe、Ni、Sn、Mg、Zn、Co、Mnの1種又は2種以上を合計で0.005〜1.0質量%含み得る。
なお、本発明において、条はコイル状で供給される圧延製品(JISH0500「伸銅用語」で定義される条)のほか、平板状で供給される圧延製品(JISH0500「伸銅用語」で定義される板)を含む。
本発明によれば、高強度、高導電率、高ばね限界値及び優れた耐応力緩和特性を有する電気電子部品用Cu−Cr−Si−Ti系合金条を提供することができる。本発明に係る銅合金条は、例えば嵌合端子、プレスフィット端子、及びその他の端子材、リレー稼働片、スイッチ、ソケットなどの電気電子部品の素材として用いた場合、自動車のエンジンルーム近傍や高電流部位など、特に高温環境下での接触信頼性を確保することができる。
Cu−Cr系合金条の時効処理後、歪み矯正後及び歪み取り焼鈍後のばね限界値(T.L.及びT.D.)の変化を示す模式図である。 実施例No.4の時効処理後の顕微鏡組織写真である。
以下、本発明に係る電気電子部品用銅合金(Cu−Cr−Si−Ti系合金)について、より具体的に説明する。
[銅合金の組成]
(Cr)
Crは、Cr単体で、又はSi,Tiと共にCr−Si、Cr−Ti、Cr−Si−Tiなどの化合物を形成し、析出硬化によって銅合金の強度を向上させる。この析出により、Cu母相中のCr、Si及びTiの固溶量が減少し、銅合金の導電率が高まる。Crの含有量が0.15質量%未満では、析出による強度の増加が十分でない。一方、Crの含有量が0.60質量%を超えると、析出物が粗大化する原因となり、耐応力緩和特性が低下する。従って、Crの含有量は0.15〜0.60質量%の範囲とし、下限は、好ましくは0.20質量%、より好ましくは0.25質量%、上限は、好ましくは0.50質量%、より好ましくは0.30質量%とする。
(Si)
Siは、Cr,Tiと共にCr−Si、Cr−Si−Ti化合物を形成して、析出硬化によって銅合金の強度を増加させる。この析出により、Cu母相中のCr、Si及びTiの固溶量が減少し導電率が高まる。Siの含有量が0.01質量%未満では、Cr−Si析出物又はCr−Si−Ti析出物による強度の向上が十分ではない。一方、Siの含有量が0.20質量%を超えると、Cu母相中のSiの固溶量が増加し導電率が低下する。また、Cr−Si析出物が粗大化し、耐応力緩和特性が低下する。従って、Siの含有量は0.01〜0.20質量%の範囲とし、下限は、好ましくは0.015質量%、より好ましくは0.02質量%、上限は、好ましくは0.15質量%、より好ましくは0.10質量%とする。
(Ti)
Tiは、Cu母材中に固溶して銅合金の耐熱性及び耐応力緩和特性を向上させる作用がある。また、Tiは、Cr,Siと共に析出物を形成し、析出硬化によって銅合金の強度を向上させる。この析出により、Cu母相中のCr,Si及びTiの固溶量が減少し銅合金の導電率が高まる。Tiの含有量が0.01質量%未満では、銅合金の耐熱性が低く焼鈍工程で軟化し高強度を得にくい。また、銅合金の耐応力緩和特性を向上させることができない。一方、Tiの含有量が0.30質量%を超えると、Cu母相中のTiの固溶量が増加して、導電率の低下を招く。従って、Tiの含有量は0.01〜0.30質量%の範囲とし、下限は、好ましくは0.015質量%、より好ましくは0.03質量%、上限は,好ましくは0.20質量%、より好ましくは0.10質量%とする。
(Ag、Fe、Ni、Sn、Mg、Zn、Co、Mn、P)
Agは、溶湯中の硫黄と化合物を形成し硫黄含有介在物を低減させる効果がある。含有量が多くなると固溶量が多くなり導電性が悪化する。Fe、Ni、Co、Mn、Pは、Cr、Ti、Siと化合物を形成し、Cu母相中のCr、Ti及びSiの固溶量を減少させ、銅合金の導電率が向上させる。一方、Cu母相中のTiの固溶量が減少することにより、銅合金の耐応力緩和特性が低下する。Sn,Mgは、冷間圧延による加工硬化特性を向上させ、銅合金の強度の増加、及び耐応力緩和特性の向上に有効である。Znは、電子部品の接合に用いるSnめっき又ははんだの耐熱剥離性を改善するために有効な元素である。しかし、Sn,Mg,Znは、含有量が多くなると固溶量が増え導電率が低下する。
これらの元素は、1種又は2種以上の含有量が0.005質量%未満では上記効果が得られない。一方、これらの元素は銅に対する固溶量が少なく、1種又は2種以上の含有量が多くなると、粒界に偏析したり、晶出物を形成して、強度特性や曲げ加工性を劣化させる。従って、これらの元素の含有量は、1種のみ含有する場合は0.005〜1.0質量%、2種以上含有する場合は合計で0.005〜1.0質量%の範囲内とする。
(不可避的不純物)
本発明に係る銅合金(Cu−Cr−Si−Ti系合金)の不可避的不純物として、Al、As、Sb、B、Pb、V、Mo、Hf、Ta、Bi、Inが挙げられる。これらの元素は、特に添加しない限り(つまり不可避的不純物として)、通常、合計で0.1質量%以下の範囲内にあり、その範囲内であれば特性上の問題は生じない。しかし、これらの元素は銅に対する固溶量が著しく少なく、合計含有量が0.1質量%を超えると、粒界に偏析したり、晶出物を形成して、耐応力緩和特性や曲げ加工性を劣化させる。従って、これらの不可避的不純物の含有量は、合計で0.1質量%以下であることが好ましい。
[銅合金の特性]
(ばね限界値)
本発明に係る銅合金条は、条の圧延方向に対し0度方向(以下、L.D.という)のばね限界値kb0.1Lと、圧延方向に対し90度方向(以下、T.D.という)のばね限界値kb0.1Tが、前記不等式(1)、(2)を満たす。不等式(2)の中辺は、L.D.のばね限界値kb0.1Lと、T.D.のばね限界値kb0.1Tの異方性(ばね限界値の差)の大きさを示す。
不等式(1)の左辺の大きさが450MPa未満、又は不等式(2)の中辺の大きさが15%未満の場合、T.D.のばね限界値kb0.1Tが不足する。これは歪み取り焼鈍後の歪除去が不十分なとき生じる。図1に示すように、歪み取り焼鈍が適正に行われれば、特にT.D.のばね限界値(kb0.1T)が大きく向上し、その結果として、L.D.のばね限界値(kb0.1L)との差が拡大し、式(2)の中辺の大きさが15%以上となる。
不等式(2)の中辺の大きさが50%を超えると、L.D.のばね限界値kb0.1Lと、T.D.のばね限界値kb0.1Tの異方性(ばね限界値の差)が大きくなりすぎ、リレーや端子として使用された場合に、ばねとしての性能が低下する。
(応力緩和率)
銅合金条のT.D.の応力緩和率(150℃で1000時間加熱後の応力緩和率)が15%を超えると、使用時の高温雰囲気及び通電発熱により応力低下が生じ、リレーや端子として使用された場合に接触不良が生じるなど、良好な接点を維持できなくなる。従って、この応力緩和率は15%以下とする。
(L反り)
銅合金条のL反り量が、圧延方向長さ500mmあたり20mmを超えると、順送りプレスによるプレス加工の際、金型と銅合金条が接触して順送りが困難となる。
(導電率)
本発明に係る銅合金条は、時効処理後に65%IACS以上の高い導電率を示す。
[銅合金条の製造方法]
所定の組成を有する銅合金材料を溶解、鋳造して鋳塊を作製し、この鋳塊に熱間圧延を行う。引き続き、冷間圧延、析出のための時効処理を行う。冷間圧延以降は、材料が長くなるため圧延方向に一定長さに切断し、巻いたコイルにする。時効処理は、導電率、強度及び耐応力緩和特性を発揮させるため、連続焼鈍炉ではなくコイルのままバッチ焼鈍を行う。時効処理後は、材料に巻癖がついているため歪矯正をおこない、その後歪取り焼鈍を行い、巻き取ってコイルにする。
(溶解鋳造)
銅合金の溶解、鋳造は通常の方法によって行うことができる。所定の化学成分組成に調整した銅合金を例えば電気炉で溶解した後、銅合金鋳塊を鋳造する。
(熱間圧延)
その後、鋳塊を800〜1000℃で0.5時間以上均熱処理後、加工率60%以上の熱間圧延を行い、700℃以上の温度から焼き入れる。700℃よりも低い温度域で焼き入れると粗大な析出物が生成し易くなり、耐応力緩和特性や曲げ加工性が低下する。焼き入れは800℃以上の温度で行うことが好ましい。
(熱間圧延後の加工熱処理)
続いて、冷間圧延と熱処理を行って(必要に応じて繰り返し)、所望の厚みを有する銅合金条に仕上げる。加工熱処理の工程には、冷間圧延⇒時効処理、冷間圧延⇒溶体化処理⇒冷間圧延⇒時効処理、冷間圧延⇒再結晶焼鈍⇒冷間圧延⇒時効処理、冷間圧延⇒時効処理⇒冷間圧延⇒時効処理、等のパターンがあり得るが、最終冷間圧延後の熱処理は時効処理とする。溶体化処理は、合金元素の少なくとも一部が固溶する温度に昇温・保持した後、急冷する熱処理であり、再結晶焼鈍は、再結晶温度以上の温度に加熱する熱処理であり、冷却条件は特に問わない。時効処理は、Cr単体、Cr−Si、Cr−Si−Tiなどの金属間化合物を形成させるための析出処理が目的である。時効処理はコイルの状態(バッチ処理)で、350〜550℃の温度に15分〜10時間保持する条件で行う。ただし、保持時間を2時間以上とし、硬度ができるだけ高くかつ伸びが10%以上となる保持温度を選択するのが適切である。この時効処理でコイルに再結晶は生じない。
(時効処理後の工程)
時効処理後の銅合金条(コイル)を巻きほどきながら、連続式ストレッチャーレベラー、ローラーレベラー、テンションレベラーなどの歪み矯正設備に通板し、銅合金条の巻癖を矯正する。短尺条材の場合、ストレッチャーを利用することも可能である。この矯正工程において、銅合金条は軽度の塑性変形を受け、ばね限界値及び耐応力緩和特性が低下する。このため、巻癖の矯正に続き、歪み取り焼鈍(連続焼鈍による歪除去)を行う。歪み取り焼鈍は、300〜400℃の温度範囲に30秒〜15分保持する条件で行う。
歪み取り焼鈍により、先に図1を参照して説明したとおり、銅合金条のばね限界値及び耐応力緩和特性を回復(向上)させることができる。特にT.D.のばね限界値kb0.1Tは、時効処理後の値を上回る値にまで向上させることができる。
時効処理後の銅合金条の圧延方向に対し平行な断面の顕微鏡組織写真(実施例のNo.4)を図2に示す。図2に示すように、再結晶組織ではなく、結晶粒組織が圧延方向に沿って大きく伸長した繊維状の加工組織が観察される。
歪み取り焼鈍に続き、実機の場合、銅合金条の両端を50〜100mm切り捨て、条幅10〜300mmでスリットを行い、コイルに巻いて銅合金条製品を得る。
[実施例1]
以下、本発明の規定を満たす実施例を、本発明の規定を満たさない比較例と比較し、本発明の効果について説明する。
まず、表1に示す種々の合金成分を有する銅合金を溶製した後、ブックモールドに鋳造して、厚さ70mm×幅180mmの鋳塊を得た。
この鋳塊を950℃で1時間均熱処理後、熱間圧延して板厚を20mmとし、700℃以上の温度から焼入れを行った。次に、焼き入れ後の銅合金板の両面を厚さ1mm程度研磨して表面の酸化スケールを除去した。続いて冷間圧延により厚さ0.15mmの条材とし、内径300mmにコイル状に巻き取った。
この条材に対し、保持温度が350〜550℃、保持時間が2時間の熱処理(時効処理)を施した。この時効処理は、加熱速度を40〜90℃/分として保持温度まで昇温し、2時間保持後、冷却速度を40〜90℃/分として150℃以下まで降温し、炉内から取り出した。その後、この条材に対しストレッチャーにより歪矯正を行い、最後に350℃の温度で30秒の熱処理(歪取り焼鈍)を行った。
時効処理後の銅合金条、歪み矯正後の銅合金条、及び歪み取り焼鈍後の銅合金条を供試材として、下記要領でL反り、導電率、ビッカース硬さ、0.2%耐力、ばね限界値、応力緩和率を測定した。その結果を表2,3に示す。
(L反りの測定)
各供試材から、圧延方向が長手となるように幅60mm、長さ500mmの試験片を切り取り、圧延方向を上下方向として垂直な壁にクリップで固定した。固定箇所は上端から50mmの位置とし、下端と壁との距離をL反りの値とした。
(導電率の測定)
導電率の測定は、供試材から長手方向がL.D.となる試験片を切り出し、JISH0505に規定されている非鉄金属材料導電率測定法に準拠し、ダブルブリッジを用いた四端子法で体積抵抗率を測定することにより行った。測定された体積抵抗率を、万国標準軟銅(International Annealed Copper Standard)の体積抵抗率1.7241×10−8Ω・mで除し、百分率で表すことにより、導電率を求めた。導電率が65%IACS以上であったものを合格と評価した。
(低試験力ビッカース硬さの測定)
JISZ2244に規定されている微小硬さ試験方法に準拠し、試験加重4.90N(=0.5kgf)で供試材の圧延面の硬さを測定した。
(0.2%耐力の測定)
長手方向がT.D.となるように、供試材からJIS2241に規定されたJIS5号試験片を作成した。この試験片を用い、JISZ2241に規定された引張試験を室温にて行い、歪が0.2%となるときの強度(0.2%耐力)を測定した。0.2%耐力が550MPa以上を合格と評価した。
(ばね限界値の測定)
ばね限界値は、株式会社アカシ製(APT型)モーメント式試験機を用い、JISH3130に準拠した繰り返したわみ式試験を行って測定した。供試材から、長手方向がL.D.となる試験片と長手方向がT.D.となる試験片(いずれも幅10mm、長さ60mm)を切り出した。スパン長さlを(4000×t)1/2(tは条材の厚み)とし、自由端から約3mmの位置を負荷点とし、モーメント負荷応力を段階的に増加させ、各負荷応力での永久たわみ量を測定し、これを永久たわみ量が0.1mmを超えるまで行った。永久たわみ量0.1mm前後の負荷応力から、永久たわみ量0.1mmに相当する表面最大応力値を算出し、ばね限界値とした。L.D.のばね限界値kb0.1LとT.D.のばね限界値kb0.1Tが、前記不等式(1)、(2)を満たすものを合格と評価した。
(応力緩和率の測定)
応力緩和率は、片持ち梁方式によって測定した。供試材から、長手方向がT.D.となる試験片(幅10mm、長さ60mm)を切り出した。試験片の一端を剛体試験台に固定し、固定端から一定距離(スパン長さ)の位置で試験片に10mmの初期たわみ変位dを与え、固定端に0.2%耐力の80%に相当する表面応力を負荷した。スパン長さは、日本伸銅協会技術標準(JCBA−T309:2004)に規定されている「銅及び銅合金薄板条の曲げによる応力緩和試験方法」により算出した。試験片を剛体試験台に取り付けた状態で、一定温度に保持されているオーブン中に装入し、一定時間保持した後に取り出し、初期たわみ変位d(10mm)を取り去ったときの永久たわみ変位δを測定し、応力緩和率SRRT=(δ/d)×100を計算した。
加熱条件は、社団法人自動車技術会が制定する日本自動車技術会規格(JASO)において、150℃で1000時間の加熱条件が規定されているが、本試験では180℃で24時間の加熱条件にて加速試験を実施した。ラーソンミラー換算法(L.M.P.=T(20+logt))によれば、180℃で24時間の加熱条件は、150℃で1000時間の加熱条件に相当する。上記ラーソンミラー換算法において、Tは絶対温度(K)、tは時間である。なお、本実施例では、表1のNo.4及びNo.7の試験片について、180℃で24時間加熱した場合の応力緩和率と、150℃で1000時間加熱した場合の応力緩和率を測定し、ラーソンミラー換算法の妥当性を確認済みである。応力緩和率SRRTは、15%以下を合格と評価した。
表2,3において、No.1〜10の銅合金条は、本発明の合金組成を満たす。No.1〜10の歪み取り焼鈍後の銅合金条は、L反り、導電率、0.2%耐力、T.D.のばね限界値、T.D.とL.D.のばね限界値の異方性レベル(不等式(2)の中辺)、及び応力緩和率が全て本発明の規定範囲内である。この銅合金条は、巻き癖が矯正され、高強度、高導電率、高ばね限界値及び優れた耐応力緩和特性を有する。
一方、No.1〜10の銅合金条でも、時効処理後及び歪み矯正後のものは、これらの特性のいずれか1つ以上が本発明の規定範囲外になっている。具体的に、時効処理後は、No.1〜10の全てでL反りが本発明の規定を超え、応力緩和率も本発明の規定を外れるものが多い。歪み矯正後は、No.1〜10の全てで応力緩和率が本発明の規定を外れ、T.D.のばね限界値は本発明の規定に達しないものも多い。
No.1〜10の銅合金条の個々の特性をみると、下記のとおりである。
L反りは、時効処理後は大きいが、歪み矯正後及び歪み取り焼鈍後は、No.1〜10の全てで改善している。
導電率は、時効処理後、歪み矯正後及び歪み取り焼鈍後で差がない。
0.2%耐力は、時効処理後、歪み矯正後及び歪み取り焼鈍後でほとんど差がない。
T.D.のばね限界値は、No.1〜10の全てで歪み矯正後に低下するが、歪み取り焼鈍後は大きく向上し、No.1〜10の全てで時効処理後の値を上回っている。一方、L.D.のばね限界値は、歪み矯正後に大きく低下し、歪み取り焼鈍後にやや改善するが、No.1〜10の全てで時効処理後の値に達していない。
T.D.とL.D.のばね限界値の異方性のレベル(不等式(2)の中辺)は、歪み取り焼鈍後はNo.1〜10の全てで本発明の規定を満たす。
応力緩和率は、歪み矯正後に増加するものがほとんどだが、No.1〜10の全てで歪み取り焼鈍後に大きく低下し、本発明の規定を満たすようになる。
本発明の合金組成を満たさないNo.11〜20は、前記特性の1又は2以上が本発明の規定範囲外である。No.11〜20の個々の特性をみると、下記のとおりである。
No.11,12は、Tiの含有量が過剰で固溶量が増え、導電率が低い。
No.13は、Crの含有量が不足するため、0.2%耐力及びT.D.のばね限界値が低い。
No.14は、Crの含有量が過剰なため、応力緩和率が大きい。
No.15は、Crの含有量が不足するため、0.2%耐力及びT.D.のばね限界値が低い。
No.16は、Crの含有量が過剰なため、応力緩和率が大きい。
No.17,18は、Tiの含有量が不足するため、0.2%耐力及びT.D.のばね限界値が低く(No.17)、又は応力緩和率が高い(No.18)。
No.19,20は、その他元素の含有量が過剰なため、それらの固溶量が増え、導電率が低い。また、No.20は応力緩和特性が低い。
[実施例2]
表4に示す種々の合金成分を有する銅合金(No.21〜25)を実機にて溶製した後、厚さ200mm×幅500mm×長さ2000mmの鋳塊を連続鋳造した。なお、No.21〜25の組成は、表1に示すNo.1,2,4,5,6に近い。
この鋳塊を950℃で1時間以上均熱処理後、熱間圧延して板厚を20mmとし、700℃以上の温度から焼入れを行った。次に、焼き入れ後の銅合金板の両面を厚さ1mm程度研磨して表面の酸化スケールを除去した。続いて、冷間圧延により厚さ0.15mmの条材とし、これを引張強さ150MPaが負荷されるよう内径300mmにコイル状に巻き取った。
このコイルに対し、保持温度が350〜550℃、保持時間が2時間の熱処理(時効処理)を施した。この時効処理は、加熱速度を40〜90℃/分として保持温度まで昇温し、2時間保持後、冷却速度を40〜90℃/分として150℃以下まで降温し、炉内から取り出した。その後、コイルを巻ほどきながら、張力を200〜400kgかけた状態で直径80mmのロールにより引張と圧縮を繰り返し行うテンションレベラーにより歪矯正を施した後、コイルを長手方向に2分割した。
半分のコイルは500℃に保持された炉を速度20m/分で通板する連続焼鈍(歪み取り焼鈍)を行って内径400mmで巻き取り、銅合金条(コイル)を得た。残りの半分のコイル(内径400mm)は歪取り焼鈍を行わず比較材とした。また、No.23の歪取り焼鈍後のコイルは、巻きほどきながら条幅30mmにスリットを行い、再度内径400mmで巻き取った(No.26とした)。
時効処理後の銅合金条、歪み矯正後の銅合金条(歪み取り焼鈍を行わなかったコイル)、歪み取り焼鈍後の銅合金条、及び歪み取り焼鈍後スリットした銅合金条(No.26)を供試材として、前記要領でL反り、導電率、ビッカース硬さ、0.2%耐力、ばね限界値、応力緩和率を測定した。その結果を、表5に示す。
なお、スリット後の供試材(No.26)の場合、条幅が30mmと狭い。このため、0.2%耐力の測定では、平行部長さが10mmとなる引張試験片を放電加工で作成した。また、ばね限界値と応力緩和率の測定では、幅10mm、長さ30mmの試験片を切り出した。ただし、ばね限界値の測定においてスパン長さは同じとした。また、応力緩和率の測定では、たわみ量を小さくした(固定端に0.2%耐力の80%に相当する表面応力を負荷する点は同じ)。さらにL反りの測定において、試験片の幅はNo.21〜25が500mm、No.26が30mmである。
表5に示すように、No.21〜25において、L反り、導電率、ビッカース強度、及び0.2%耐力は、歪み矯正後と歪み取り焼鈍後で大きい違いはない。しかし、ばね限界値はT.D.及びL.D.共に歪み矯正後に低下するが、歪み取り焼鈍後は大きく向上し、特にT.D.のばね限界値は、全て時効処理後の値を大きく上回っている。また、歪み取り焼鈍後は、T.D.とL.D.のばね限界値の異方性レベル(不等式(2)の中辺)、及び応力緩和率が、全て本発明の規定範囲内に入っている。
No.26の供試材はスリット後のコイルであるが、スリット前のコイル(No.23)とほぼ同等レベルの特性を有している。
本発明に係る電気電子部品用銅合金条は、Cr:0.15〜0.60質量%、Si:0.01〜0.20質量%、Ti:0.005〜0.30質量%を含み残部がCu及び不可避的不純物からなり、Crを含む金属間化合物が析出し、導電率が65%IACS以上であり、条の圧延方向に対し0度方向(L.D.)のばね限界値をkb0.1Lとし、圧延方向に対し90度方向(T.D.)のばね限界値をkb0.1Tとしたとき、kb0.1Lとkb0.1Tが下記不等式(1)、(2)を満たし、150℃で1000時間加熱後の圧延方向に対し90度方向(T.D.)の応力緩和率が15%以下であり、L反りが20mm以下であることを特徴とする。
ただし、上記L反りの値は後述する実施例に記載したように、圧延方向が長手となるように銅合金条から切り取った幅60mm、長さ500mmの試験片を、圧延方向を上下方向とし垂直な壁に固定箇所を上端から50mmの位置としてクリップで固定したときの下端と壁との距離である。
上記銅合金は、必要に応じて、Ag、Fe、Ni、Sn、Mg、Zn、Co、Mnの1種又は2種以上を合計で0.005〜1.0質量%含み得る。
なお、本発明において、条はコイル状で供給される圧延製品(JISH0500「伸銅用語」で定義される条)のほか、平板状で供給される圧延製品(JISH0500「伸銅用語」で定義される板)を含む。

Claims (2)

  1. Cr:0.15〜0.60質量%、Si:0.01〜0.20質量%、Ti:0.005〜0.30質量%を含み残部がCu及び不可避的不純物からなり、Crを含む金属間化合物が析出した電気電子部品用銅合金条において、導電率が65%IACS以上であり、条の圧延方向に対し0度方向のばね限界値をkb0.1Lとし、圧延方向に対し90度方向のばね限界値をkb0.1Tとしたとき、kb0.1Lとkb0.1Tが下記不等式(1)、(2)を満たし、150℃で1000時間加熱後の圧延方向に対し90度方向の応力緩和率が15%以下であり、L反りが20mm以下であることを特徴とする電気電子部品用銅合金条。
  2. Ag、Fe、Ni、Sn、Mg、Zn、Co、Mnの1種又は2種以上を合計で0.005〜1.0質量%含むことを特徴とする請求項1に記載された電気電子部品用銅合金条。
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