JP2017179308A - カルボジイミド化合物、樹脂組成物、プリプレグ、樹脂シート、及び積層板 - Google Patents

カルボジイミド化合物、樹脂組成物、プリプレグ、樹脂シート、及び積層板 Download PDF

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信次 土川
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伸 高根沢
慎太郎 橋本
Shintaro Hashimoto
慎太郎 橋本
徳彦 坂本
Norihiko Sakamoto
徳彦 坂本
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Abstract

【課題】カルボジイミド化合物、並びにカルボジイミド化合物を用いる樹脂組成物、プリプレグ、樹脂シート、及び積層板を提供する。【解決手段】分子中にカルボジイミド基、エチレン性二重結合、及び2−イミダゾリジノン骨格を有するカルボジイミド化合物。【選択図】なし

Description

本発明は、カルボジイミド化合物、樹脂組成物、プリプレグ、樹脂シート、及び積層板に関する。
熱硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂の硬化物に含まれる特有な架橋構造により高い耐熱性及び寸法安定性を発現する。そのため、熱硬化性樹脂は、電子部品等の分野において広く使用されている。この電子部品の中でも、特に銅張積層板及び層間絶縁材料においては、近年の配線の高密度化及び信頼性への要求から、高弾性率、低熱膨張率、低硬化収縮率、高接着性、及び良好な誘電特性(低比誘電率及び低誘電損失)が必要とされる。また、近年の環境問題から、鉛フリーはんだによる電子部品の搭載及びハロゲンフリーによる難燃化が要求される。そのため、熱硬化性樹脂には従来のものよりも高い耐熱性及び難燃性が必要とされる。更に、製品の安全性及び作業環境の向上化のため、毒性の低い成分で構成され、毒性ガス等が発生しない熱硬化性樹脂及びその組成物が望まれている。
熱硬化性樹脂であるシアネート化合物は、誘電特性及び難燃性に優れる樹脂であるが、エポキシ硬化系の熱硬化性樹脂組成物に使用した場合、硬化収縮性、耐熱性、及び靭性が不足する問題があった。また、次世代に要求される低熱膨張性も不十分であった。
特許文献1〜3には、シアネート化合物と無機充填剤とからなり低熱膨張性を発現させる樹脂組成物が開示されている。また、特許文献4〜5には、シアネート樹脂とアラルキル変性エポキシ樹脂とを必須成分として含有する熱硬化性樹脂組成物に関する事例が開示されている。
特開2003−268136号公報 特開2003−73543号公報 特開2002−285015号公報 特開2002−309085号公報 特開2002−348469号公報
本発明は、カルボジイミド化合物、並びにカルボジイミド化合物を用いる樹脂組成物、プリプレグ、樹脂シート、及び積層板を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための具体的な手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1> 分子中にカルボジイミド基及びエチレン性二重結合を有するカルボジイミド化合物を含有するプリプレグ。
<2> 前記カルボジイミド化合物が2−イミダゾリジノン骨格を有する<1>に記載のプリプレグ。
<3> 前記カルボジイミド化合物が芳香族カルボジイミド化合物を含む<1>又は<2>に記載のプリプレグ。
<4> 分子中にカルボジイミド基、エチレン性二重結合、及び2−イミダゾリジノン骨格を有するカルボジイミド化合物と、硬化剤と、を含有する樹脂組成物。
<5> 前記カルボジイミド化合物が芳香族カルボジイミド化合物を含む<4>に記載の樹脂組成物。
<6> 前記硬化剤が、カルボン酸、エポキシ化合物、フェノール化合物、及びアミンからなる群より選択される少なくとも1種を含む<4>又は<5>に記載の樹脂組成物。
<7> マレイミド化合物を更に含有する<4>〜<6>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<8> 無機フィラーを更に含有する<4>〜<7>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<9> 基材と、前記基材に含浸された<4>〜<8>のいずれか1項に記載の樹脂組成物と、を有するプリプレグ。
<10> <4>〜<8>のいずれか1項に記載の樹脂組成物をシート状に成形してなる樹脂シート。
<11> <1>〜<3>及び<9>のいずれか1項に記載のプリプレグを積層した積層板。
<12> 分子中にカルボジイミド基、エチレン性二重結合、及び2−イミダゾリジノン骨格を有するカルボジイミド化合物。
<13> 芳香族カルボジイミド化合物である<12>に記載のカルボジイミド化合物。
本発明によれば、カルボジイミド化合物、並びにカルボジイミド化合物を用いる樹脂組成物、プリプレグ、樹脂シート、及び積層板を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において各成分の含有率は、各成分に該当する物質が複数種存在する場合、特に断らない限り、当該複数種の物質の合計の含有率を意味する。
本明細書において各成分の粒径は、各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、特に断らない限り、当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本明細書において「層」との語には、当該層が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
本明細書において「積層」との語は、層を積み重ねることを示し、二以上の層が結合されていてもよく、二以上の層が着脱可能であってもよい。
本明細書において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
<カルボジイミド化合物>
本実施形態のカルボジイミド化合物は、分子中にカルボジイミド基(−N=C=N−)及びエチレン性二重結合を有する。
カルボジイミド化合物は、カルボン酸、エポキシ化合物、フェノール化合物、アミン等の硬化剤の存在下で硬化反応し、硬化物を形成する。また、カルボジイミド基同士が反応して二量物又は三量物を形成することで、カルボジイミド化合物同士が結合する。このように、カルボジイミド化合物は種々の反応を経て硬化物を提供する。
また、本実施形態のカルボジイミド化合物は、分子中にエチレン性二重結合を有する。カルボジイミド化合物が分子中にエチレン性二重結合を有することにより、硬化物の弾性率及びガラス転移温度(Tg)が高くなり、耐熱性が向上し、また、硬化収縮率及び熱膨張係数の増大が抑えられる傾向にある。これは、硬化物の架橋密度が向上するためと推測される。
本実施形態のカルボジイミド化合物は、強固な硬化物を得る観点から、1分子中に少なくとも2つのカルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物であることが好ましい。
本実施形態のカルボジイミド化合物は、芳香族カルボジイミド化合物であっても脂肪族カルボジイミド化合物であってもよく、硬化剤との反応性の高さの観点から、芳香族カルボジイミド化合物であることが好ましい。
ここで、芳香族カルボジイミド化合物とは、カルボジイミド基の窒素原子が、ベンゼン環等の芳香環を構成する炭素原子と結合しているカルボジイミド化合物をいう。一方、脂肪族カルボジイミド基とは、カルボジイミド基の窒素原子が、アルキレン基を構成する炭素原子と結合しているカルボジイミド化合物をいう。
本実施形態のカルボジイミド化合物は、例えば、イソシアネート基を有する化合物をカルボジイミド化反応させることにより原料カルボジイミド化合物を得る工程(以下、「カルボジイミド化反応工程」ともいう。)と、原料カルボジイミド化合物に、分子中にカルボジイミド基と付加反応する特定官能基及びエチレン性二重結合を有する化合物(以下、「特定化合物」ともいう。)を付加反応させる工程(以下、「付加反応工程」ともいう。)と、を経て製造することができる。以下、この製造方法について詳細に説明する。
[カルボジイミド化反応工程]
カルボジイミド化反応工程では、イソシアネート基を有する化合物をカルボジイミド化反応させることにより原料カルボジイミド化合物を得る。
イソシアネート基を有する化合物としては、下記式(1)で表される化合物及び下記式(2)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種のイソシアネート化合物を使用することが好ましい。
上記式(1)において、Rは単結合、炭素数1〜5の2価の飽和炭化水素基、又は酸素原子を示す。Rで表される炭素数1〜5の2価の飽和炭化水素基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、環状であってもよい。Rで表される2価の飽和炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基等が挙げられる。Rとしては、低熱膨張性の観点から、単結合、メチレン基、又はイソブチレン基が好ましく、耐熱性の観点から、単結合又はメチレン基がより好ましい。
上記式(1)において、R2a及びR2bはそれぞれ独立に、炭素数1〜5の1価の飽和炭化水素基又はハロゲン原子を示し、x及びyはそれぞれ独立に、0〜4の整数を示す。xが2以上の整数を示す場合、複数存在するR2aは互いに同一であっても異なっていてもよい。yが2以上の整数を示す場合、複数存在するR2bは互いに同一であっても異なっていてもよい。
2a及びR2bで表される1価の飽和炭化水素基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、環状であってもよい。R2a及びR2bで表される1価の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基等が挙げられる。R2a及びR2bで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
2a及びR2bとしては、耐薬品性の観点から、フッ素原子又はメチル基が好ましい。x及びyはそれぞれ独立に、0又は1が好ましい。
上記式(1)及び式(2)で表されるイソシアネート化合物の具体例としては、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート、ビフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート等が挙げられる。上記式(1)及び式(2)で表されるイソシアネート化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、未反応のイソシアネート基が残り難く、硬化物の耐熱性に優れる点から、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、及び2,6−トリレンジイソシアネートが好ましく、低硬化収縮性に優れる点から、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート及びジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネートがより好ましい。
原料カルボジイミド化合物の製造には、所望により、下記式(3)で表される化合物である高多核体のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを併用してもよい。高多核体のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを併用することで、硬化物の弾性率及びガラス転移温度(Tg)が高くなる傾向にある。下記式(3)で表される化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記式(3)において、pは正数を示す。
上記式(3)で表される化合物の重量平均分子量は、500〜10000が好ましく、1000〜5000がより好ましい。重量平均分子量は、下記方法により測定される。
測定対象をテトラヒドロフラン(液体クロマトグラフ用)に溶解し、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製フィルタ(倉敷紡績(株)製、HPLC(高速液体クロマトグラフ)前処理用、クロマトディスク、型番:13N、孔径:0.45μm)を通して不溶分を除去する。GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)〔ポンプ:L6200 Pump((株)日立製作所製)、検出器:示差屈折率検出器L3300 RI Monitor((株)日立製作所製)、カラム:TSKgel−G5000HXLとTSKgel−G2000HXL(計2本)(いずれも東ソー(株)製)を直列に接続、カラム温度:30℃、溶離液:テトラヒドロフラン、流速:1.0mL/分、標準物質:ポリスチレン〕を用い、重量平均分子量を測定する。
また、原料カルボジイミド化合物の製造には、所望により、モノイソシアネート化合物を併用してもよい。モノイソシアネート化合物を併用することで、カルボジイミド化合物の分子量及び粘度を調整することができる。
モノイソシアネート化合物の中でも、芳香族モノイソシアネート化合物が好ましく、下記式(4)で表される芳香族モノイソシアネート化合物がより好ましい。
上記式(4)において、Rはハロゲン原子、炭素数1〜5の1価の飽和炭化水素基、又はトリフルオロメチル基を示し、qは0〜5の整数を示す。qが2以上の整数を示す場合、複数存在するRは互いに同一であっても異なっていてもよい。
上記式(4)において、Rで表される炭素数1〜5の1価の飽和炭化水素基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、環状であってもよい。Rで表される1価の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基等が挙げられる。
上記式(4)において、qは、合成時の収率の観点から、0〜3の整数が好ましい。
上記式(4)で表される芳香族モノイソシアネート化合物の具体例としては、イソシアン酸フェニル、2,6−ジメチルフェニルイソシアネート、3,5−ジメチルフェニルイソシアネート、4−フルオロフェニルイソシアネート、2,4−ジフルオロフェニルイソシアネート、2,4,6−トリフルオロフェニルイソシアネート、3−(トリフルオロメチル)フェニルイソシアネート等が挙げられる。上記式(4)で表される芳香族モノイソシアネート化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記式(4)で表される芳香族モノイソシアネート化合物は、東ソー(株)、BASF INOAC ポリウレタン(株)、中央化成品(株)、純正化学(株)、和光純薬工業(株)等から商業的に入手できる。
上記式(4)で表される芳香族モノイソシアネート化合物を併用する場合、上記式(1)及び式(2)で表されるイソシアネート化合物(以下、「(a)成分」ともいう。)及び上記式(4)で表される芳香族モノイソシアネート化合物(以下、「(b)成分」ともいう。)の使用量は、(a)成分のイソシアネート基数((a)成分の使用量/(a)成分のイソシアネート基当量)と、(b)成分のイソシアネート基数((b)成分の使用量/(b)成分のイソシアネート基当量)との比率((a)成分のイソシアネート基数/(b)成分のイソシアネート基数)が、0.4以上となる量であることが好ましく、0.5〜20となる量であることがより好ましく、0.5〜10となる量であることが更に好ましい。上記の比率が0.4以上であれば、硬化物の耐熱性及び耐薬品性が向上する傾向にある。
また、原料カルボジイミド化合物の製造には、所望により、ブチルイソシアネート、t−ブチルイソシアネート、ヘキシルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、オクチルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2−イソシアネートエチルメタクリレート、2−イソシアネートエチルアクリレート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート化合物を併用してもよい。更には、所望により、各種の多価アルコール化合物、フェノール化合物、ε−カプロラクタム等によりイソシアネート基の一部が変性された変性イソシアネート化合物を併用してもよい。
カルボジイミド化反応工程では、所望により、有機溶剤を使用してもよい。有機溶剤の使用量は、上記式(1)及び式(2)で表されるイソシアネート化合物と、所望により使用される他のイソシアネート化合物との総和100質量部当たり、0質量部〜1000質量部とすることが好ましく、10質量部〜1000質量部とすることがより好ましく、10質量部〜500質量部とすることが更に好ましい。上記式(1)及び式(2)で表されるイソシアネート化合物等のイソシアネート化合物、並びに得られる原料カルボジイミド化合物が低粘度の液状物質であれば、有機溶剤を使用せずに無溶剤で合成してもよい。一方、これらの成分が固形又は高粘度の粘調体であれば、適量の有機溶剤を使用することが好ましい。但し、有機溶剤の使用量が多すぎるとカルボジイミド化反応に長時間を要し、また、製造コストが高くなる場合がある。
カルボジイミド化反応工程で使用しうる有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶剤、炭化水素系溶剤、石油系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の窒素原子含有溶剤、ジメチルスルホキシド等の硫黄原子含有溶剤、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶剤などが好ましい。これらの有機溶剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、溶解性及び揮発性が高く、プリプレグの製造時に残溶剤として残りにくい点から、また、硬化物の耐湿耐熱性、銅箔接着性、及び低誘電率性の点から、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶剤、及びメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤がより好ましい。
また、カルボジイミド化反応工程では、所望により、カルボジイミド化反応のための反応触媒を使用してもよい。反応触媒の具体例としては、有機リン系化合物である1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−2−オキシド等が挙げられる。これらの中でも、特に高反応性を有し高収率を得ることができる点から、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−2−オキシドが好ましい。
反応触媒の使用量は、上記式(1)及び式(2)で表されるイソシアネート化合物と、所望により使用される他のイソシアネート化合物との合計の総イソシアネート基数に対して、0.05mol%〜2.0mol%であることが好ましい。反応触媒の使用量が0.05mol%以上であれば、カルボジイミド化反応に長時間を要することがなく、所望の反応率を実現できる傾向にある。また、反応触媒の使用量が2.0mol%以下であれば、カルボジイミド化反応の反応速度が速くなりすぎることがなく、反応の終点管理が容易になる傾向にある。
上記の成分を合成釜に仕込み、必要により加熱及び保温しながら0.1時間〜10時間撹拌し、脱炭酸を伴うカルボジイミド化反応を進行させることにより、下記式(5)で表される構造単位を含む原料カルボジイミド化合物を製造することができる。合成温度は、5℃〜180℃が好ましい。合成温度が5℃以上であれば、カルボジイミド化反応の反応速度が遅くなりすぎることがなく、許容できる時間で反応を終了できる傾向にある。また、合成温度が180℃以下であれば、副反応を引き起こす可能性が低下する傾向にある。
上記式(5)において、Arは下記式(6)で表される基及び下記式(7)で表される基からなる群より選択される少なくとも1種の基を示し、rは正数を示す。
上記式(6)において、R、R2a、R2b、x、及びyは上記式(1)におけるR、R2a、R2b、x、及びyと同義である。上記式(6)及び式(7)において、*は結合位置を示す。
カルボジイミド化反応の終点確認、及び原料カルボジイミド化合物が合成されたことの確認は、所定時間反応後に少量の試料を取り出し、FT−IR(フーリエ変換型赤外分光)測定により可能である。FT−IR測定によりカルボジイミド化反応の終点確認等を行う場合、例えば、イソシアネート基に起因する2260±5cm−1のピークの消失を確認し、更に、生成されるカルボジイミド基に起因する2120±5cm−1のピークの出現を確認すればよい。
なお、所望により、原料カルボジイミド化合物を更に無水マレイン酸と反応させ、原料カルボジイミド化合物の末端をマレイミド基で封止してもよい。原料カルボジイミド化合物の末端をマレイミド基で封止することで、硬化物の弾性率及びガラス転移温度(Tg)が高くなり、耐熱性が向上し、また、硬化収縮率及び熱膨張係数の増大が抑えられる傾向にある。
マレイミド基が生成されたことの確認は、FT−IR測定により可能である。FT−IR測定によりマレイミド基の生成を行う場合、例えば、無水マレイン酸に起因する1848±5cm−1のピークの消失若しくは減少、又はカルボジイミド基に起因する2120±5cm−1のピークの減少を確認し、更に、生成されるマレイミド基に起因する1710±5cm−1のピークの出現を確認すればよい。
[付加反応工程]
付加反応工程では、原料カルボジイミド化合物に、分子中にカルボジイミド基と付加反応する特定官能基及びエチレン性二重結合を有する特定化合物を付加反応させる。特定化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
カルボジイミド基と付加反応する特定官能基としては、カルボキシ基、エポキシ基、フェノール性水酸基、アミノ基等が挙げられる。
カルボキシ基を有する特定化合物の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、トリメリット酸等が挙げられる。
エポキシ基を有する特定化合物の具体例としては、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート等が挙げられる。
フェノール性水酸基を有する特定化合物の具体例としては、2−アリルフェノール、4−アリル−2−メトキシフェノール、2−メトキシ−4−ビニルフェノール、4−ビニルフェノール等が挙げられる。
アミノ基を有する特定化合物の具体例としては、アリルアミン、4−ビニルアミン等が挙げられる。
特定化合物としては、分子中にエポキシ基及びエチレン性二重結合を有する化合物が好ましく、分子中にグリシジル基及びエチレン性二重結合を有する化合物がより好ましい。特定化合物として、分子中にエポキシ基及びエチレン性二重結合を有する化合物を使用すると、カルボジイミド基とエポキシ基との付加反応により2−イミダゾリジノン骨格が形成される。この2−イミダゾリジノン骨格は耐熱性に優れるため、エポキシ基以外の特定官能基を有する特定化合物を使用した場合よりも、得られるカルボジイミド化合物の耐熱性が向上する傾向にある。
原料カルボジイミド化合物及び特定化合物の使用量は、特定化合物の特定官能基数(特定化合物の使用量/特定化合物の特定官能基当量)と、原料カルボジイミド化合物のカルボジイミド基数(原料カルボジイミド化合物の使用量/原料カルボジイミド化合物のカルボジイミド基当量)との比率(特定化合物の特定官能基数/原料カルボジイミド化合物のカルボジイミド基数)が、0.01以上となる量であることが好ましく、0.01〜0.9となる量であることがより好ましく、0.05〜0.7となる量であることが更に好ましい。上記の比率が0.01以上であれば、硬化物の弾性率及びガラス転移温度(Tg)が高くなり、耐熱性が向上し、また、硬化収縮率及び熱膨張係数の増大が抑えられる傾向にある。また、上記の比率が0.9以下であれば、硬化物の誘電特性及び耐熱性が向上する傾向にある。
付加反応工程では、所望により、有機溶剤を使用してもよい。有機溶剤の使用量は、原料イソシアネート化合物と特定化合物との総和100質量部当たり、0質量部〜1000質量部とすることが好ましく、0質量部〜700質量部とすることがより好ましく、0質量部〜500質量部とすることが更に好ましい。原料イソシアネート化合物及び特定化合物、並びに得られるカルボジイミド化合物が低粘度の液状物質であれば、有機溶剤を使用せずに無溶剤で合成してもよい。一方、これらの成分が固形又は高粘度の粘調体であれば、適量の有機溶剤を使用することが好ましい。但し、有機溶剤の使用量が多すぎると付加反応に長時間を要し、また、製造コストが高くなる場合がある。
付加反応工程で使用しうる有機溶剤としては、カルボジイミド反応工程と同様の有機溶剤が挙げられる。
また、付加反応工程では、所望により、付加反応のための反応触媒を使用してもよい。反応触媒の具体例としては、イミダゾール類及びその誘導体、第三級アミン類、第四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの中でも、硬化物の耐熱性、難燃性、銅箔接着性等の観点から、イミダゾール類及びその誘導体が好ましい。
反応触媒の使用量は、特定化合物の総特定官能基数に対して、2.0mol%以下であることが好ましい。反応触媒の使用量が2.0mol%以下であれば、付加反応の反応速度が速くなりすぎることがなく、反応の終点管理が容易になる傾向にある。
上記の成分を合成釜に仕込み、必要により加熱及び保温しながら0.1時間〜10時間撹拌し、付加反応を進行させることにより、本実施形態のカルボジイミド化合物が製造される。合成温度は、60℃〜160℃が好ましい。合成温度が60℃以上であれば、付加反応の反応速度が遅くなりすぎることがなく、許容できる時間で反応を終了できる傾向にある。また、合成温度が160℃以下であれば、副反応を引き起こす可能性が低下する傾向にある。
付加反応の終点確認、及びカルボジイミド化合物が合成されたことの確認は、所定時間反応後に少量の試料を取り出し、FT−IR測定により可能である。FT−IR測定により付加反応の終点確認等を行う場合、例えば、カルボジイミド基に起因する2120±5cm−1のピークの減少を確認し、更に、エチレン性二重結合に起因する3050±5cm−1のピークの出現を確認すればよい。また、カルボジイミド化合物が2−イミダゾリジノン骨格を有する場合には、生成される2−イミダゾリジノン骨格に起因する1740±5cm−1のピークの出現を確認してもよい。
本実施形態のカルボジイミド化合物の重量平均分子量は、500〜200000であることが好ましく、1000〜100000であることがより好ましく、1000〜50000であることが更に好ましい。カルボジイミド化合物の重量平均分子量は、前述したGPC法により測定される。
本実施形態のカルボジイミド化合物は、分子中にカルボジイミド基、エチレン性二重結合、及び2−イミドゾリジノン骨格を有するカルボジイミド化合物(以下、「特定カルボジイミド化合物」ともいう。)であることがより好ましい。
特定カルボジイミド化合物は、特定化合物として、分子中にエポキシ基及びエチレン性二重結合を有する化合物を使用することで、上記と同様に製造することができる。
分子中にエポキシ基及びエチレン性二重結合を有する化合物としては、分子中にグリシジル基及びエチレン性二重結合を有する化合物が好ましく、アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、及びグリシジルメタクリレートからなる群より選択される少なくとも1種のグリシジル化合物がより好ましく、高反応性で毒性が低く、取り扱い易い点から、アリルグリシジルエーテル及びグリシジルメタクリレートからなる群より選択される少なくとも1種のグリシジル化合物が更に好ましい。これらのグリシジル化合物は、和光純薬工業(株)等から商業的に入手できる。
特定カルボジイミド化合物は、例えば、下記式(8)で表される2つの構造単位を含むカルボジイミド化合物であることが好ましい。
上記式(8)において、Arは上記式(5)におけるArと同義である。上記式(8)において、Xは下記式(9)で表される基及び下記式(10)で表される基からなる群より選択される少なくとも1種の基を示し、m及びnは互いに異なっていてもよい正数を示す。
上記式(9)及び式(10)において、*は結合位置を示し、Rは水素原子又はメチル基を示す。
上記式(8)で表される2つの構造単位を含むカルボジイミド化合物は、特定化合物として、アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、及びグリシジルメタクリレートからなる群より選択される少なくとも1種のグリシジル化合物を使用することで、上記と同様に製造することができる。
上記式(8)において、mとnとの比率(n/m)は、1/99以上であることが好ましく、1/99〜90/10であることがより好ましく、5/95〜80/20であることが更に好ましい。n/mの比率が1/99以上であれば、硬化物の弾性率及びガラス転移温度(Tg)が高くなり、耐熱性が向上し、また、硬化収縮率及び熱膨張係数の増大が抑えられる傾向にある。また、n/mの比率が90/10以下であれば、硬化物の誘電特性及び耐熱性が向上する傾向にある。
<樹脂組成物>
本実施形態の樹脂組成物は、分子中にカルボジイミド基、エチレン性二重結合、及び2−イミダゾリジノン骨格を有するカルボジイミド化合物と、硬化剤と、を含有し、必要に応じてその他の成分を含有してもよい。
本実施形態の樹脂組成物の用途は特に限定されるものではなく、例えば、熱硬化性樹脂組成物として、積層板等の製造に好適に使用可能である。
近年の配線の高密度化及び信頼性への要求から、積層板の材料には高い銅箔接着性、耐熱性、低熱膨張性等が必要とされる。例えば、微細配線の形成のため、積層板への銅箔等の金属箔の接着性としては、銅箔引き剥がし強さとして0.7kN/m以上であることが好ましく、0.9kN/m以上であることがより好ましい。また、配線の高密度化のためビルドアップ材等を用いて積層板をより多層化することも必要であり、高いリフロー耐熱性が必要である。リフロー耐熱性評価の指針となる銅付き耐熱性は、30分間以上ふくれ等が生じないことが好ましい。更に、配線の高密度化に伴い積層板はより薄型化される方向にあり、熱処理時における積層板の反りが小さいことが必要となる。積層板の低そり化のためには、積層板が高弾性であることが有効であり、積層板の曲げ弾性率を指標とする場合、曲げ弾性率が30GPa以上であることが好ましく、32GPa以上であることがより好ましい。また、低反り化のためには、積層板が低熱膨張性であることが有効であり、特に面方向の熱膨張係数が低いことが有効であり、面方向の線熱膨張係数が7ppm/℃以下であることが好ましく、5ppm/℃以下であることがより好ましい。また、低そり化のためには、積層板が低硬化収縮性であることも有効であり、特に面方向の硬化収縮率が小さいことが有効であり、面方向の硬化収縮率が0.5%以下であることが好ましく、0.3%以下であることがより好ましい。また、配線の高密度化に伴い積層板はより信頼性が要求される方向にあり、ドリル加工時のドリル穴の内壁粗さも小さいことが必要となる。ドリル穴の内壁粗さの評価は、めっき銅のドリル穴内壁への染み込み性により評価され、めっき染み込み長さの最大が20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましい。更に、高速応答性の要求も増え続けており、積層板の比誘電率は4.3以下であること、また誘電正接は0.007以下であることが好ましい。
このような状況の中、本発明者等は鋭意検討の結果、カルボジイミド化合物を含む本実施形態の樹脂組成物を発明した。
以下、本実施形態の樹脂組成物に含有される各成分について詳述する。
((A)カルボジイミド化合物)
本実施形態の樹脂組成物は、分子中にカルボジイミド基、エチレン性二重結合、及び2−イミダゾリジノン骨格を有するカルボジイミド化合物を含有する。すなわち、本実施形態の樹脂組成物は、前述した特定カルボジイミド化合物を含有する。本実施形態の樹脂組成物は、所望により、特定カルボジイミド化合物以外のその他のカルボジイミド化合物を含有していてもよい。
カルボジイミド化合物は、芳香族カルボジイミド化合物であっても脂肪族カルボジイミド化合物であってもよく、硬化剤との反応性の高さの観点から、芳香族カルボジイミド化合物を含むことが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物の固形分に占める、カルボジイミド化合物の割合は、10質量%〜90質量%であることが好ましく、20質量%〜80質量%であることがより好ましく、30質量%〜80質量%であることが更に好ましい。
なお、本実施形態において固形分とは、樹脂組成物を構成する成分のうちの非揮発性成分を意味する。
また、本実施形態の樹脂組成物に含有されるカルボジイミド化合物に占める、特定カルボジイミド化合物の割合は、10質量%〜90質量%であることが好ましく、20質量%〜80質量%であることがより好ましく、30質量%〜80質量%であることが更に好ましい。
((B)硬化剤)
本実施形態の樹脂組成物は、硬化剤を含有する。本実施形態で用いられる硬化剤は、カルボジイミド化合物と硬化反応することのできる官能基を有する化合物であれば特に制限されない。
硬化剤としては、カルボン酸、エポキシ化合物、フェノール化合物、及びアミンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。これらの中でも、耐湿性及び耐熱性の観点から、硬化剤としてエポキシ化合物を使用することが好ましい。
硬化剤としてカルボン酸が使用される場合、カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フタル酸、コハク酸等の公知のジカルボン酸化合物が挙げられる。カルボン酸は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
硬化剤としてフェノール化合物が使用される場合、フェノール化合物としては、例えば、フェノールノボラック樹脂等の公知のフェノール化合物が挙げられる。フェノール化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
硬化剤としてアミンが使用される場合、アミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、m−キシレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ノルボルネンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ラロミン、ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン、ポリシクロヘキシルポリアミン混合物、及びN−アミノエチルピペラジンが挙げられる。アミンは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
硬化剤としてエポキシ化合物が使用される場合、エポキシ化合物としては、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物が好ましい。
1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物としては、ビスフェノールA系、ビスフェノールF系、ビフェニル系、ノボラック系、ジシクロペンタジエン系、多官能フェノール系、ナフタレン系、アラルキル変性系、脂環式系、アルコール系等のグリシジルエーテル系;グリシジルアミン系;グリシジルエステル系などが挙げられる。エポキシ化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
エポキシ化合物としては、硬化物の高剛性、誘電特性、耐熱性、難燃性、耐湿性、及び低熱膨張性、並びに室温(20℃〜23℃)で固形であるためプリプレグを製造した際にプリプレグのタック性が小さくなるため取り扱い易くなるとの観点から、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、ビフェニル基含有エポキシ樹脂、及びジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂が好ましい。
また、エポキシ化合物としては、芳香族系有機溶剤への溶解性の点から、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル・クレゾール共重合型エポキシ樹脂、及びビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂が好ましい。
また、エポキシ化合物としては、近年、多層化、配線の高密度化等のためビルドアップ材等を用いて積層板をより多層化する場合が増えており、この際の成形性の点から、ナフトールアラルキル・クレゾール共重合型エポキシ樹脂及びビフェニルアラルキルエポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ化合物としてナフトールアラルキル・クレゾール共重合型エポキシ樹脂を使用する場合、ナフトールアラルキル・クレゾール共重合型エポキシ樹脂は、下記式(11)で表される2つの構造単位を含む化合物が好ましい。
上記式(11)において、s及びtは、互いに異なっていてもよい正数を示す。上記式(11)で表される2つの構造単位の比率は特に制限されない。
上記式(11)で表される2つの構造単位を含むナフトールアラルキル・クレゾール共重合型エポキシ樹脂の重量平均分子量は、200〜50000であることが好ましく、200〜20000であることがより好ましく、200〜10000であることが更に好ましい。エポキシ化合物の重量平均分子量は、前述したGPC法により測定される。
ナフトールアラルキル・クレゾール共重合型エポキシ樹脂としては、日本化薬(株)製のNC−7000L等が入手可能である。
エポキシ樹脂としてビフェニルアラルキルエポキシ樹脂を使用する場合、下記式(12)で表される2つの構造単位を含む化合物が好ましい。
上記式(12)において、u及びvは、互いに異なっていてもよい正数を示す。上記式(12)で表される2つの構造単位の比率は特に制限されない。
式(12)で表される2つの構造単位を含むビフェニルアラルキルエポキシ樹脂の重量平均分子量は、500〜50000であることが好ましく、500〜20000であることがより好ましく、500〜10000であることが更に好ましい。
ビフェニルアラルキルエポキシ樹脂としては、日本化薬(株)製のNC−3000H等が入手可能である。
硬化剤としてエポキシ化合物が使用される場合、カルボジイミド化合物とエポキシ化合物との総和100質量部あたりのカルボジイミド化合物の含有量を10質量部〜90質量部の範囲とし、エポキシ化合物の含有量を90質量部〜10質量部の範囲とすることが好ましく、カルボジイミド化合物の含有量を30質量部〜90質量部の範囲とし、エポキシ化合物の含有量を70質量部〜10質量部の範囲とすることがより好ましく、カルボジイミド化合物の含有量を30質量部〜80質量部の範囲とし、エポキシ化合物の含有量を70質量部〜20質量部の範囲とすることが更に好ましい。カルボジイミド化合物とエポキシ化合物との総和100質量部あたりのカルボジイミド化合物の含有量が10質量部以上であれば、硬化物の弾性率、低熱膨張性、耐湿耐熱性、誘電特性、接着性、難燃性等が向上する傾向にある。カルボジイミド化合物とエポキシ化合物との総和100質量部あたりのカルボジイミド化合物の含有量が90質量部以下であれば、樹脂組成物の成形性が向上し、また、硬化物の耐めっき液性等の耐薬品性が向上する傾向にある。
硬化剤としてカルボン酸が使用される場合、樹脂組成物中のカルボン酸の含有率は、0.1質量%〜50質量%であることが好ましく、0.1質量%〜40質量%であることがより好ましく、0.1質量%〜30質量%であることが更に好ましい。
硬化剤としてフェノール化合物が使用される場合、樹脂組成物中のフェノール化合物の含有率は、0.1質量%〜50質量%であることが好ましく、0.1質量%〜40質量%であることがより好ましく、0.1質量%〜30質量%であることが更に好ましい。
硬化剤としてアミンが使用される場合、樹脂組成物中のアミンの含有率は、0.1質量%〜50質量%であることが好ましく、0.1質量%〜40質量%であることがより好ましく、0.1質量%〜30質量%であることが更に好ましい。
((C)マレイミド化合物)
本実施形態の樹脂組成物は、硬化物の低熱膨張性、低硬化収縮性、耐熱性、耐湿性、低誘電正接性等の観点から、マレイミド化合物を含有していてもよい。本実施形態で用いられるマレイミド化合物は特に制限されず、1分子中に少なくとも2つのマレイミド基を有するマレイミド化合物が好ましい。マレイミド化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
1分子中に少なくとも2つのマレイミド基を有するマレイミド化合物としては、例えば、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、ポリフェニルメタンマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)エーテル、ビス(4−マレイミドフェニル)スルホン、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、及び2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパンが挙げられる。これらの中でも、溶剤への溶解性の点から、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、ポリフェニルメタンマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、及び2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパンが好ましく、反応率が高く、硬化収縮性をより低く抑えることができる点から、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、ポリフェニルメタンマレイミド、及びビス(4−マレイミドフェニル)メタンがより好ましい。
カルボジイミド化合物とエポキシ化合物とマレイミド化合物の総和100質量部あたりのカルボジイミド化合物の含有量を10質量部〜90質量部の範囲とし、エポキシ化合物の含有量を90質量部〜10質量部の範囲とした場合、マレイミド化合物の含有量は、0質量部〜70質量部の範囲とすることが好ましく、0質量部〜60質量部の範囲とすることがより好ましく、0質量部〜50質量部の範囲とすることが更に好ましい。マレイミド化合物の含有量が70質量部以下であれば、樹脂組成物の成形性が向上し、硬化物の耐めっき液性等の耐薬品性が向上する傾向にある。
((D)無機フィラー)
本実施形態の樹脂組成物は、無機フィラーを含有してもよい。本実施形態で用いられる無機フィラーは特に限定されるものではなく、シリカ(溶融シリカ、破砕シリカ、爆燃シリカ等)、マイカ、タルク、ガラス(ガラス短繊維、ガラス微粉末、中空ガラス等)、炭酸カルシウム、石英、金属水和物などが挙げられる。無機フィラーは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、硬化物のドリル加工性、低熱膨張性等の観点からシリカが好ましく、硬化物の低熱膨張性、銅箔接着性、耐熱性、耐湿性、難燃性、低誘電正接性等の観点から溶融シリカ、爆燃シリカ等の球状シリカがより好ましい。
無機フィラーは、平均粒径が0.3μm〜5.0μmであるものが好ましく、0.3μm〜2.0μmであるものがより好ましく、0.5μm〜1.0μmであるものが更に好ましい。
無機フィラーとしてシリカを使用する場合、シリカは、平均粒径が5.0μm以下であるものが好ましく、0.3μm〜5.0μmであるものがより好ましく、0.3μm〜2.0μmであるものが更に好ましく、0.5μm〜1.0μmであるものが特に好ましい。
無機フィラーとして球状シリカを使用する場合、球状シリカは、平均粒径が5.0μm以下であるものが、硬化物の熱膨張性、銅箔接着性、耐熱性、耐湿性、難燃性、低誘電正接性等の観点から好ましく、0.3μm〜5.0μmであるものがより好ましく、0.3μm〜2.0μmであるものが更に好ましく、0.5μm〜1.0μmであるものが特に好ましい。
本実施形態において、平均粒径とは、下記の方法を用いて粒径を階級、体積を度数とし、度数の累積で表記された積算分布において、積算分布が50%となる粒径(体積平均粒径)を意味する。無機フィラーの粒径を測定する方法としては、例えば、レーザー回折、動的光散乱、小角X線散乱等の装置を用い、同時に多数の粒子を測定する方法、電子顕微鏡、原子間力顕微鏡等を用いて画像化し、粒子1つ1つの粒径を測定する方法などが挙げられる。液相遠心沈降、フィールドフロー分別、粒子径排除クロマトグラフィ、流体力学クロマトグラフィ等の方法を用い、粒径を測定する前に100μm以上の粒子を分離する前処理を行ってもよい。また測定試料が樹脂組成物の硬化物である場合は、例えば、マッフル炉等で800℃以上の高温で処理した後に残渣として得られる灰分を上記の方法で測定することができる。
本実施形態では、無機フィラーとしてシリカを使用する場合、シリカとともにその他の無機フィラーを併用してもよい。その他の無機フィラーとしては、硬化物の低熱膨張性、高弾性、耐熱性、難燃性等の観点から、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水和物が好ましく、金属水和物の中でも、硬化物の高い耐熱性と難燃性とが両立する観点から、熱分解温度が300℃以上である金属水和物がより好ましく、ベーマイト型水酸化アルミニウム(AlOOH)、ギブサイト型水酸化アルミニウム(Al(OH))を熱処理によりその熱分解温度を300℃以上に調整した化合物、水酸化マグネシウム等が更に好ましく、安価であり、350℃以上の熱分解温度と高い耐薬品性とを有するベーマイト型水酸化アルミニウム(AlOOH)が特に好ましい。
なお、本実施形態では、無機フィラーとしてシリカを使用しない場合でも、その他のフィラーを無機フィラーとして使用してもよい。
シリカとその他の無機フィラーとの質量基準の含有比率(シリカ:その他の無機フィラー)は、100:0〜10:90であることが好ましく、100:0〜20:80であることがより好ましく、100:0〜30:70であることが更に好ましい。
本実施形態で用いられる無機フィラーは、シランカップリング剤により表面処理されていてもよい。
シランカップリング剤の種類として、市販のものを使用できる。カルボジイミド化合物との相溶性等を考慮すると、末端にエポキシ基、アミノ基、メルカプト基、ウレイド基、又は水酸基を有するシランカップリング剤を使用することが好適である。
シランカップリング剤としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、及び3−ウレイドプロピルトリエトキシシランが挙げられる。シランカップリング剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、硬化物の低熱膨張性、銅箔接着性、耐熱性、耐湿性、難燃性、低誘電正接性等の観点から、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。
無機フィラーのシランカップリング剤による処理方法は特に制限されず、湿式処理であっても乾式処理であってもよく、湿式処理であることが好ましい。
シランカップリング剤により表面処理された無機フィラーは、(株)アドマテックス等から商業的にも入手できる。例えば、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランにより表面処理(湿式処理)された球状シリカ(溶融球状シリカ)としては、(株)アドマテックス製の商品名SC−2050KNK、SC−2050HNK等がある。
本実施形態の樹脂組成物における無機フィラーの含有量としては、カルボジイミド化合物と硬化剤と必要により使用されるマレイミド化合物との総質量の100質量部に対し、10質量部〜300質量部の範囲とすることが好ましく、100質量部〜250質量部の範囲とすることがより好ましく、150質量部〜250質量部の範囲とすることが更に好ましい。無機フィラーの含有量が10質量部以上であれば、硬化物の弾性率、低熱膨張性、耐湿耐熱性、及び低誘電正接性が向上する傾向にある。また、無機フィラーの含有量が300質量部以下であれば、樹脂組成物の成形性及び硬化物の耐めっき液性等の耐薬品性が向上する傾向にある。
無機フィラーとしてシリカを使用する場合、シリカの含有量としては、カルボジイミド化合物と硬化剤と必要により使用されるマレイミド化合物との総質量の100質量部に対し、10質量部〜300質量部の範囲とすることが好ましく、100質量部〜250質量部の範囲とすることがより好ましく、150質量部〜250質量部の範囲とすることが更に好ましい。シリカの含有量が10質量部以上であれば、硬化物の弾性率、低熱膨張性、耐湿耐熱性、及び低誘電正接性が向上する傾向にある。また、シリカの含有量が300質量部以下であれば、樹脂組成物の成形性及び硬化物の耐めっき液性等の耐薬品性が向上する傾向にある。
その他の無機フィラーの含有量としては、カルボジイミド化合物と硬化剤と必要により使用されるマレイミド化合物の総質量の100質量部に対し、0質量部〜200質量部の範囲とすることが好ましく、0質量部〜150質量部の範囲とすることがより好ましい。その他の無機フィラーの含有量を200質量部以下とすることで、樹脂組成物の成形性及び硬化物の耐めっき液性等の耐薬品性が向上する傾向にある。
シリカ及びその他の無機フィラーの含有量としては、カルボジイミド化合物と硬化剤と必要により使用されるマレイミド化合物の総質量の100質量部に対し、シリカの含有量を10質量部〜300質量部の範囲とし、その他の無機フィラーの含有量を0質量部〜200質量部の範囲とすることが好ましく、シリカの含有量を100質量部〜250質量部の範囲とし、その他の無機フィラーの含有量を0質量部〜150質量部の範囲とすることがより好ましく、シリカの含有量を150質量部〜250質量部の範囲とし、その他の無機フィラーの含有量を0質量部〜150質量部の範囲とすることが更に好ましい。
(有機溶剤)
本実施形態の樹脂組成物をワニスとして取り扱う場合、本実施形態の樹脂組成物は有機溶剤を含有していてもよい。
本実施形態で用いられる有機溶剤は特に制限されない。有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶剤、炭化水素系溶剤、石油系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の窒素原子含有溶剤、ジメチルスルホキシド等の硫黄原子含有溶剤、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶剤などが挙げられる。溶剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態の樹脂組成物が有機溶剤を含有する場合、樹脂組成物に占める有機溶剤の含有率は、10質量%〜90質量%であることが好ましく、20質量%〜80質量%であることがより好ましく、30質量%〜80質量%であることが更に好ましい。
(硬化促進剤)
本実施形態の樹脂組成物は、硬化促進剤を含有していてもよい。適切な硬化促進剤を併用すると、成形温度が200℃以下となり、本実施形態の樹脂組成物に低温硬化性が付与され、硬化物の低硬化収縮性、弾性率、難燃性、銅箔接着性等が更に向上する傾向にある。
硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール化合物及びその誘導体、第三級アミン化合物、並びに第四級アンモニウム塩が挙げられる。その中でもイミダゾール化合物及びその誘導体が、硬化物の耐熱性、難燃性、銅箔接着性等の観点から好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネート樹脂と2−エチル−4−メチルイミダゾールとの付加反応物である下記式(13)で表される化合物が、200℃以下での比較的低温での硬化成形性と樹脂組成物のワニス及びプリプレグの経日安定性とに優れ、また、商業的にも安価であることからより好ましい。下記式(13)で表される化合物は、第一工業製薬(株)等から商業的に入手できる。
硬化促進剤の含有量は、カルボジイミド化合物と硬化剤と必要により使用されるマレイミド化合物との総質量の100質量部に対し、0質量部〜20質量部とすることが好ましく、0質量部〜10質量部とすることがより好ましく、0質量部〜5質量部とすることが更に好ましい。硬化促進剤の含有量を20質量部以下とすることで、本実施形態の樹脂組成物のワニスのゲルタイムが短くなり過ぎることが抑制され、また、樹脂組成物の成形性が向上する傾向にある。
(難燃剤)
本実施形態の樹脂組成物は、難燃剤を含有していてもよい。難燃剤としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、リン酸エステル系化合物、ホスファゼン、赤リン等のリン系難燃剤、三酸化アンチモン、モリブデン酸亜鉛等の無機難燃助剤などが挙げられる。なお、臭素、塩素等を含有する含ハロゲン系難燃剤は、環境問題を生じさせる可能性のあることから、なるべく使用しないことが好ましい。難燃剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
その中でも、モリブデン酸亜鉛をタルク等の無機充填剤に担持した無機難燃剤は、難燃性のみならず硬化物のドリル加工性をも向上させるので、好ましい難燃剤である。
難燃剤の含有量としては、カルボジイミド化合物と硬化剤と必要により使用されるマレイミド化合物との総質量の100質量部に対し、0質量部〜20質量部とすることが好ましく、0質量部〜15質量部とすることがより好ましく、0質量部〜10質量部とすることが更に好ましい。難燃剤の含有量が20質量部以下であれば、本実施形態の樹脂組成物のワニスのゲルタイムが短くなり過ぎることがなく、また、樹脂組成物の成形性が向上する傾向にある。
(その他の成分)
本実施形態の樹脂組成物は、必要に応じてその他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、熱可塑性樹脂、エラストマー、及び有機フィラーが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、テトラフルオロエチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、及びシリコーン樹脂が挙げられる。
エラストマーとしては、例えば、ポリブタジエン、ポリアクリロニトリル、エポキシ変性ポリブタジエン、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、フェノール変性ポリブタジエン、及びカルボキシ変性ポリアクリロニトリルが挙げられる。
有機フィラーとしては、例えば、シリコーンパウダー、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル等の有機物粒子が挙げられる。
また、本実施形態の樹脂組成物は、その他の成分として、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤、密着性向上剤等を含有していてもよい。
これら材料の例としては、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系、スチレン化フェノール等の酸化防止剤、ベンゾフェノン系、ベンジルケタール系、チオキサントン系等の光重合開始剤、スチルベン誘導体等の蛍光増白剤、尿素シラン等の尿素化合物、シランカップリング剤等の密着性向上剤などが挙げられる。
(樹脂組成物の調製方法)
本実施形態の樹脂組成物は、上記各種成分を分散し混合できるのであれば、いかなる手法で調製してもよい。一般的な手法として、成分を秤量し、らいかい機、ミキシングロール、プラネタリミキサ等を用いて混合及び混練し、必要に応じて脱泡することによって、本実施形態の樹脂組成物を得ることができる。
<樹脂シート>
本実施形態の樹脂シートは、前述した樹脂組成物をシート状に成形したものである。本実施形態の樹脂シートは、例えば、前述した樹脂組成物を離型基材上に付与し、乾燥することで製造することができる。この際、乾燥後に必要に応じて樹脂シートの2枚を向かい合わせ又は樹脂シートに離型基材をあてて熱間加圧することで樹脂シートの両面を平滑化すると、塗工時のピンホール等を解消できるため好ましい。
離型基材としては、乾燥時の温度に耐えうるものであれば特に制限はなく、一般的に用いられる離型剤付きのポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、アラミドフィルム等の樹脂フィルム、離型剤付きのアルミニウム箔等の金属箔などを用いることができる。
樹脂シートの平均厚みは特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、樹脂シートの平均厚みは、100μm〜500μmであることが好ましく、100μm〜300μmであることがより好ましい。なお、樹脂シートの平均厚みは、マイクロメーターを用いて5点の厚みを測定し、その算術平均値として求められる。
上記樹脂シートは、例えば、下記のようにして得られる。まず、前述した樹脂組成物を構成する各成分を、混合、溶解、分散等して、樹脂組成物を含むワニスを調製する。そして、調製したワニスを離型基材上に付与する。ワニスの付与は、公知の方法により実施することができる。ワニスの付与方法として、具体的には、コンマコート法、ダイコート法、リップコート法、グラビアコート法等の方法が挙げられる。所定の厚みに樹脂シートを形成するための付与方法としては、ギャップ間に被塗工物を通過させるコンマコート法、ノズルから流量を調整したワニスを塗布するダイコート法等を適用することができる。
乾燥温度は、ワニスに用いる有機溶剤によって適宜設定することが好ましく、一般には80℃〜180℃程度である。乾燥時間はワニスのゲル化時間と樹脂シートの厚みとの兼ね合いで決めることができ、特に制限はない。乾燥後、離型基材を除去して、樹脂シートを得る。
樹脂シートにおける溶剤残存量は、硬化の際のアウトガス発生時の気泡形成への懸念の観点から、2.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以下であることがより好ましく、0.7質量%以下であることが更に好ましい。
樹脂シートの溶剤残存量は、樹脂シートを40mm角に切り出し、190℃に予熱した恒温槽中で2時間乾燥させたときの、乾燥前後の質量変化から求める。
本実施形態の樹脂シートは、プレス、ロールラミネータ等による熱間加圧により、積層又は貼付する前に予め表面を平坦化してから使用してもよい。熱間加圧の方法は、熱プレス、熱ロール、ラミネータ等の方法を任意に選択することができる。
熱プレスの方法で熱間加圧する場合、加熱温度は、樹脂組成物に用いられるカルボジイミド化合物の種類、硬化剤の種類等に応じて適宜設定することが好ましく、一般には、60℃〜180℃とすることが好ましく、120℃〜150℃とすることがより好ましい。また、真空度は、3Pa〜0.1kPaとすることが好ましい。プレス圧は、0.5MPa〜4MPaとすることが好ましく、1MPa〜2MPaとすることがより好ましい。
本実施形態の樹脂シートは、前述した樹脂組成物を含む第1の樹脂層と、第1の樹脂層上に積層される前述した樹脂組成物を含む第2の樹脂層と、を含むことが好ましい。例えば、本実施形態の樹脂シートは、前述した樹脂組成物から形成される第1の樹脂層と、前述した樹脂組成物から形成される第2の樹脂層との積層体であることが好ましい。これにより絶縁耐圧をより向上させることができる。第1の樹脂層及び第2の樹脂層を形成する樹脂組成物は、同一の組成であっても互いに異なる組成を有していてもよい。第1の樹脂層及び第2の樹脂層を形成する樹脂組成物は、同一の組成であることが好ましい。
第1の樹脂層と第2の樹脂層との積層体とすることで絶縁耐圧が向上する理由は、例えば以下のように考えることができる。すなわち、2つの樹脂層を重ねることで、一方の樹脂層中に存在しうる厚みの薄くなる箇所(ピンホール又はボイド)が他方の樹脂層により補填されることになる。これにより、最小絶縁厚みを大きくすることができ、絶縁耐圧がより向上すると考えることができる。樹脂シートの製造方法におけるピンホール又はボイドの発生確率は高くはないが、2つの樹脂層を重ねることで薄い部分の重なり合う確率はその2乗になり、ピンホール又はボイドの個数はゼロに近づくことになる。絶縁破壊は最も絶縁的に弱い箇所で起こることから、2つの樹脂層を重ねることにより絶縁耐圧がより向上する効果が得られると考えることができる。
<プリプレグ>
第一実施形態のプリプレグは、分子中にカルボジイミド基及びエチレン性二重結合を有するカルボジイミド化合物を含有する。
また、第二実施形態のプリプレグは、基材と、基材に含浸された前述の樹脂組成物と、を有する。すなわち、第二実施形態のプリプレグは、前述した特定カルボジイミド化合物を含有する。
以下、一例として、第二実施形態のプリプレグの製造方法について説明する。なお、第一実施形態のプリプレグは、分子中にカルボジイミド基及びエチレン性二重結合を有するカルボジイミド化合物を含有する樹脂組成物を用いることで、第二実施形態のプリプレグと同様に製造することができる。
第二実施形態のプリプレグは、前述した樹脂組成物を、基材に含浸して形成することができる。また、第二実施形態のプリプレグは、前述した樹脂組成物を基材に含浸し、加熱等により樹脂組成物を半硬化(Bステージ化)して製造することもできる。基材としては、各種の電気絶縁材料用積層板に用いられている周知のものが使用できる。
なお、本明細書において「Bステージ」との用語は、JIS K6900:1994の定義による。
プリプレグの平均厚みは、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50μm〜500μmとすることができ、熱伝導率及び可撓性の観点から、60μm〜300μmとすることが好ましい。
ここで、プリプレグの平均厚みは、対象となるプリプレグの5点の厚みを、マイクロメーター等を用いて測定し、その算術平均値として与えられる値である。
基材の材質の具体例としては、Eガラス、Dガラス、Sガラス、Qガラス等の無機物繊維、ポリイミド、ポリエステル、テトラフルオロエチレン等の有機繊維、それらの混合物などが挙げられる。これらの基材は、例えば、織布、不織布、ロービンク、チョップドストランドマット、及びサーフェシングマットの形状を有していてもよい。基材の材質及び形状は、目的とする成形物の用途及び性能により選択され、必要により、1種類単独又は2種類以上の材質及び形状を組み合わせることができる。
基材の厚みは、特に制限されず、例えば、0.03mm〜0.5mmとすることができる。基材は、シランカップリング剤等で表面処理したもの又は機械的に開繊処理を施したものが、硬化物の耐熱性、耐湿性、加工性等の面から好適である。
基材に対する樹脂組成物の付着量は、乾燥後のプリプレグに占める樹脂組成物の割合として、20質量%〜90質量%が好ましく、30質量%〜90質量%がより好ましく、35質量%〜85質量%が更に好ましい。
基材に対する樹脂組成物の付着量が上記範囲となるように、基材に樹脂組成物を含浸した後、通常、100℃〜200℃の温度で1分間〜30分間加熱乾燥し、半硬化(Bステージ化)させて、第二実施形態のプリプレグを得ることができる。
樹脂組成物を基材に含浸する方法に特に制限はなく、例えば、塗工機により塗布する方法を挙げることができる。詳細には、例えば、基材を樹脂組成物のワニスにくぐらせて引き上げる縦型塗工法、及び支持フィルム上に樹脂組成物を塗工してから、樹脂組成物の塗工された支持フィルムに基材を押し付けて含浸させる横型塗工法を挙げることができる。基材内での無機フィラーの偏在を抑える観点からは、横型塗工法が好適である。
第二実施形態のプリプレグにおける溶剤残存量は、2.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以下であることがより好ましく、0.7質量%以下であることが更に好ましい。
プリプレグの溶剤残存量は、プリプレグを40mm角に切り出し、190℃に予熱した恒温槽中で2時間乾燥させたときの、乾燥前後の質量変化から求める。
第二実施形態のプリプレグは、熱間加圧により表面を平坦化してから使用してもよい。熱間加圧の方法は、熱プレス、熱ロール、ラミネータ等の方法を任意に選択することができる。
熱プレスの方法で熱間加圧する場合、加熱温度は、樹脂組成物に用いるカルボジイミド化合物の種類、硬化剤の種類等に応じて適宜設定することが好ましい。加熱温度は、一般には、60℃〜180℃とすることが好ましく、120℃〜150℃とすることがより好ましい。また、真空度は、3Pa〜0.1kPaとすることが好ましい。プレス圧は、0.5MPa〜4MPaとすることが好ましく、1MPa〜2MPaとすることがより好ましい。
<積層板>
本実施形態の積層板は、前述したプリプレグを積層したものである。本実施形態の積層板は、前述したプリプレグを、例えば、1枚〜20枚重ね、その片面又は両面に金属箔を配置した状態で成形することにより製造することができる。
金属箔は、電気絶縁材料用途で用いるものであれば特に制限されない。金属箔の具体例としては、金箔、銅箔、アルミニウム箔等を挙げることができ、一般的には銅箔が用いられる。金属箔の平均厚みは、例えば、1μm〜400μmである。使用する電力等に応じて好適な厚みを選択することができる。金属箔としては、ニッケル、ニッケル−リン、ニッケル−スズ合金、ニッケル−鉄合金、鉛、鉛−スズ合金等を中間層とし、この両表面に平均厚みが0.5μm〜15μmの銅層と平均厚みが10μm〜150μmの銅層とをそれぞれ設けた3層構造の複合箔、又はアルミニウム箔と銅箔とを複合した2層構造の複合箔を用いることもできる。
積層体の成形条件は、例えば、電気絶縁材料用積層板及び多層板の手法が適用でき、多段プレス、多段真空プレス、連続成形、オートクレーブ成形等を使用し、温度を100℃〜250℃、圧力を2kg/cm〜100kg/cm、加熱時間を0.1時間〜5時間の範囲とすることができる。また、前述したプリプレグと内層用配線板とを組み合わせて多層板を製造することもできる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、これらの実施例は本発明をいかなる意味においても制限するものではない。
<製造例1:カルボジイミド化合物(A−1)の製造>
温度計、撹拌装置、還流冷却管、及び窒素ガス導入管の付いた加熱及び冷却可能な容積1リットルの反応容器に、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(和光純薬工業(株)製、イソシアネート当量:125g/eq)125.00gと、フェニルイソシアネート(和光純薬工業(株)製、イソシアネート当量:119g/eq)14.88gと、シクロヘキサノン327.13gとを投入し、次いで、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−2−オキシド(和光純薬工業(株)製、分子量:192)0.324gを投入した。なお、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートとフェニルイソシアネートとの反応の当量比(ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートのイソシアネート基数/フェニルイソシアネートのイソシアネート基数)は、8.00である。
次いで、窒素ガスの導入及び撹拌を開始して80℃に昇温し、約80℃で5時間、カルボジイミド化反応を行った後、室温に冷却した。反応後の反応溶液から少量の反応物を取り出し、FT−IR測定を行ったところ、イソシアネート基に起因する2260±5cm−1のピークが消失しており、更に、生成されるカルボジイミド基に起因する2120±5cm−1のピークの出現が確認された。このようにしてカルボジイミド化合物が合成されていることを確認し、カルボジイミド化合物(a−1)の溶液を得た。
次いで、このカルボジイミド化合物(a−1)の溶液にアリルグリシジルエーテル(和光純薬工業(株)製、グリシジル当量:114g/eq)12.83gを滴下し、窒素ガスの導入及び撹拌を開始して120℃に昇温し、約120℃で2時間付加反応を行った。なお、アリルグリシジルエーテルとカルボジイミド化合物(a−1)との反応の当量比(アリルグリシジルエーテルのグリシジル基数/カルボジイミド化合物(a−1)のカルボジイミド基数)は、0.20である。
次いで、室温に冷却して反応後の反応溶液から少量の反応物を取り出し、FT−IR測定を行ったところ、グリシジル基の付加反応により生成される2−イミダゾリジノン骨格に起因する1740±5cm−1のピーク、及びアリルグリシジルエーテルのアルケニル基に起因する3050±5cm−1のピークの出現が確認された。このようにして、アリルグリシジルエーテルの付加反応によりエチレン性二重結合が側鎖に付与されたカルボジイミド化合物が合成されていることを確認し、カルボジイミド化合物(A−1)の溶液を得た。
<製造例2:カルボジイミド化合物(A−2)の製造>
温度計、撹拌装置、還流冷却管、及び窒素ガス導入管の付いた加熱及び冷却可能な容積1リットルの反応容器に、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート(東ソー(株)製、商品名:ミリオネートNM100、イソシアネート当量:125g/eq)125.00gと、フェニルイソシアネート(和光純薬工業(株)製、イソシアネート当量:119g/eq)29.75gと、シクロヘキサノン361.92gとを投入し、次いで、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−2−オキシド(和光純薬工業(株)製、分子量:192)0.360gを投入した。なお、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネートとフェニルイソシアネートとの反応の当量比(ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネートのイソシアネート基数/フェニルイソシアネートのイソシアネート基数)は、4.00である。
次いで、窒素ガスの導入及び撹拌を開始して80℃に昇温し、約80℃で5時間、カルボジイミド化反応を行った後、室温に冷却した。反応後の反応溶液から少量の反応物を取り出し、FT−IR測定を行ったところ、イソシアネート基に起因する2260±5cm−1のピークが消失しており、更に、生成されるカルボジイミド基に起因する2120±5cm−1のピークの出現が確認された。このようにしてカルボジイミド化合物が合成されていることを確認し、カルボジイミド化合物(a−2)の溶液を得た。
次いで、このカルボジイミド化合物(a−2)の溶液にグリシジルメタクリレート(和光純薬工業(株)製、グリシジル当量:142g/eq)44.38gを滴下し、窒素ガスの導入及び撹拌を開始して100℃に昇温し、約100℃で4時間付加反応を行った。なお、グリシジルメタクリレートとカルボジイミド化合物(a−2)との反応の当量比(グリシジルメタクリレートのグリシジル基数/カルボジイミド化合物(a−2)のカルボジイミド基数)は、0.50である。
次いで、室温に冷却して反応後の反応溶液から少量の反応物を取り出し、FT−IR測定を行ったところ、グリシジル基の付加反応により生成される2−イミダゾリジノン骨格に起因する1740±5cm−1のピーク、グリシジルメタクリレートのアルケニル基に起因する3050±5cm−1のピーク、及びエステル基に起因する1780±5cm−1のピークの出現が確認された。このようにして、グリシジルメタクリレートの付加反応によりエチレン性二重結合が側鎖に付与されたカルボジイミド化合物が合成されていることを確認し、カルボジイミド化合物(A−2)の溶液を得た。
<製造例3:カルボジイミド化合物(A−3)の製造>
温度計、撹拌装置、還流冷却管、及び窒素ガス導入管の付いた加熱及び冷却可能な容積1リットルの反応容器に、2,4−トリレンジイソシアネート(東京化成工業(株)製、イソシアネート当量:87g/eq)87.00gと、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(東ソー(株)製、商品名;ミリオネートMR−200、イソシアネート当量:136g/eq)13.60gと、フェニルイソシアネート(和光純薬工業(株)製、イソシアネート当量:119g/eq)130.90gと、シクロヘキサノン541.65gとを投入し、次いで、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−2−オキシド(和光純薬工業(株)製、分子量:192)0.634gを投入した。なお、2,4−トリレンジイソシアネートとポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートとフェニルイソシアネートとの反応の当量比(2,4−トリレンジイソシアネート及びポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートの合計のイソシアネート基数/フェニルイソシアネートのイソシアネート基数)は、1.00である。
次いで、窒素ガスの導入及び撹拌を開始して80℃に昇温し、約80℃で5時間、カルボジイミド化反応を行った後、室温に冷却した。反応後の反応溶液から少量の反応物を取り出し、FT−IR測定を行ったところ、イソシアネート基に起因する2260±5cm−1のピークが消失しており、更に、生成されるカルボジイミド基に起因する2120±5cm−1のピークの出現が確認された。このようにしてカルボジイミド化合物が合成されていることを確認し、カルボジイミド化合物(a−3)の溶液を得た。
次いで、このカルボジイミド化合物(a−3)の溶液にアリルグリシジルエーテル(和光純薬工業(株)製、グリシジル当量:114g/eq)25.08gを滴下し、窒素ガスの導入及び撹拌を開始して120℃に昇温し、約120℃で2時間付加反応を行った。なお、アリルグリシジルエーテルとカルボジイミド化合物(a−3)との反応の当量比(アリルグリシジルエーテルのグリシジル基数/カルボジイミド化合物(a−3)のカルボジイミド基数)は、0.20である。
次いで、室温に冷却して反応後の反応溶液から少量の反応物を取り出し、FT−IR測定を行ったところ、グリシジル基の付加反応により生成される2−イミダゾリジノン骨格に起因する1740±5cm−1のピーク、及びアリルグリシジルエーテルのアルケニル基に起因する3050±5cm−1のピークの出現が確認された。このようにして、アリルグリシジルエーテルの付加反応によりエチレン性二重結合が側鎖に付与されたカルボジイミド化合物が合成されていることを確認し、カルボジイミド化合物(A−3)の溶液を得た。
<製造例4:カルボジイミド化合物(A−4)の製造>
温度計、撹拌装置、還流冷却管、及び窒素ガス導入管の付いた加熱及び冷却可能な容積1リットルの反応容器に、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(和光純薬工業(株)製、イソシアネート当量:125g/eq)125.00gと、フェニルイソシアネート(和光純薬工業(株)製、イソシアネート当量:119g/eq)119.00gと、シクロヘキサノン570.68gとを投入し、次いで、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−2−オキシド(和光純薬工業(株)製、分子量:192)0.576gを投入した。なお、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートとフェニルイソシアネートとの反応の当量比(ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートのイソシアネート基数/フェニルイソシアネートのイソシアネート基数)は、1.00である。
次いで、窒素ガスの導入及び撹拌を開始して80℃に昇温し、約80℃で5時間、カルボジイミド化反応を行った後、室温に冷却した。反応後の反応溶液から少量の反応物を取り出し、FT−IR測定を行ったところ、イソシアネート基に起因する2260±5cm−1のピークが消失しており、更に、生成されるカルボジイミド基に起因する2120±5cm−1のピークの出現が確認された。このようにしてカルボジイミド化合物が合成されていることを確認し、カルボジイミド化合物(a−4)の溶液を得た。
次いで、このカルボジイミド化合物(a−4)の溶液に、アリルグリシジルエーテル(和光純薬工業(株)製、グリシジル当量:114g/eq)102.60gと、反応触媒としてヘキサメチレンジイソシアネート樹脂と2−エチル−4−メチルイミダゾールとの付加反応物(第一工業製薬(株)製、商品名:G−8009L)0.513gとの混合溶液を滴下し、窒素ガスの導入及び撹拌を開始して80℃に昇温し、約80℃で5時間付加反応を行った。なお、アリルグリシジルエーテルとカルボジイミド化合物(a−4)との反応の当量比(アリルグリシジルエーテルのグリシジル基数/カルボジイミド化合物(a−4)のカルボジイミド基数)は、0.90である。
次いで、室温に冷却して反応後の反応溶液から少量の反応物を取り出し、FT−IR測定を行ったところ、グリシジル基の付加反応により生成される2−イミダゾリジノン骨格に起因する1740±5cm−1のピーク、及びアリルグリシジルエーテルのアルケニル基に起因する3050±5cm−1のピークの出現が確認された。このようにして、アリルグリシジルエーテルの付加反応によりエチレン性二重結合が側鎖に付与されたカルボジイミド化合物が合成されていることを確認し、カルボジイミド化合物(A−4)の溶液を得た。
<製造例5:参考用カルボジイミド化合物の製造>
温度計、撹拌装置、還流冷却管、及び窒素ガス導入管の付いた、加熱及び冷却可能な容積1リットルの反応容器に、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(和光純薬工業(株)製、イソシアネート当量:125g/eq)125.00gと、フェニルイソシアネート(和光純薬工業(株)製、イソシアネート当量:119g/eq)14.88gと、シクロヘキサノン327.89gと、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−2−オキシド(和光純薬工業(株)製、分子量:192)0.648gとを投入した。なお、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートとフェニルイソシアネートとの反応の当量比(ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートのイソシアネート基数/フェニルイソシアネートのイソシアネート基数)は、8.00である。
次いで、窒素ガスの導入及び撹拌を開始して80℃に昇温し、約80℃で5時間、カルボジイミド化反応を行った後、反応溶液から少量の反応物を取り出し、FT−IR測定を行った。その結果、イソシアネート基に起因する2260±5cm−1のピークが消失しており、更に、生成されるカルボジイミド基に起因する2120±5cm−1のピークの出現が確認された。次いで、反応溶液を室温に冷却して、参考用カルボジイミド化合物の溶液を得た。
<実施例1〜6、比較例1〜3、及び参考例1>
実施例1〜6は、(A)カルボジイミド化合物として製造例1〜4により得られたカルボジイミド化合物、(B)硬化剤、また、必要により(C)マレイミド化合物、(D)無機フィラー、硬化促進剤、及び溶剤としてメチルエチルケトンを使用して、表1に示す配合割合(質量部)で混合して、固形分が60質量%のワニスを得た。また、比較例1〜3及び参考例1は、表2に示す樹脂材料を、表2に示す配合割合(質量部)で混合し、溶剤としてメチルエチルケトンを使用して、固形分が60質量%のワニスを得た。
次に、上記ワニスを厚み0.2mmのSガラスクロスに含浸し、160℃で10分間加熱乾燥して、樹脂含有率が55質量%のプリプレグを得た。次に、このプリプレグを4枚重ね、12μmの電解銅箔を両面に配置し、圧力が25kg/cm、温度が185℃の条件で90分間プレスを行って、銅張積層板を得た。
<評価>
実施例1〜6、比較例1〜3、及び参考例1で得られた銅張積層板を用いて、以下の各評価項目を測定及び評価した。結果を表3及び表4に示す。
(1)銅箔接着性(銅箔ピール強度)の評価
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより、1cm幅、長さ5cmの銅箔(評価パターン)を形成して評価基板を作製し、引張り試験機((株)島津製作所製、EZTest)を用いてライン状の銅箔の接着性(ピール強度)を測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg)の測定
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより両面の銅箔を取り除いた5mm角の評価基板を作製し、TMA(Thermal Mechanical Analysis)試験装置(デュポン社製、TMA2940)を用い、評価基板の面方向の熱膨張特性を観察し、JIS K 0129:2005に規定される方法によりガラス転移温度(Tg)を測定した。
(3)線熱膨張率の測定
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより両面の銅箔を取り除いた5mm角の評価基板を作製し、TMA試験装置(デュポン社製、TMA2940)を用い、評価基板の面方向の30℃〜100℃の線熱膨張率を測定した。
(4)はんだ耐熱性の評価
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより両面の銅箔を取り除いた5cm角の評価基板を作製し、プレッシャー・クッカー試験装置((株)平山製作所製)を用いて、121℃、2atm(0.2MPa)の条件で4時間までプレッシャー・クッカー処理を行った後、温度300℃のはんだ浴に、評価基板を20秒間浸漬した後、外観を観察することによりはんだ耐熱性を評価した。外観に視認できる膨れがない場合には「良好」と判断し、視認できる膨れがある場合には「ふくれ」と判断した。
(5)銅付き耐熱性の評価
銅張積層板から5mm角の評価基板を作製し、IPC TM650で定められた試験法に準じて、TMA試験装置(デュポン社製、TMA2940)を用い、300℃で評価基板の膨れが発生するまでの時間を測定することにより評価した。
(6)難燃性の評価
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより両面の銅箔を取り除いた評価基板から、長さ127mm、幅12.7mmに切り出した試験片を作製し、UL94の試験法(V法)に準じて評価した。
(7)比誘電率及び誘電正接の測定
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより両面の銅箔を取り除いた2cm角の評価基板を作製し、比誘電率測定装置(ヒューレット・パッカード社製、HP4291B)を用いて、周波数1GHzでの比誘電率及び誘電正接を測定した。
(8)ドリル加工性
Φ0.105mmのドリル(ユニオンツールMV J676)を用い、回転数:160000min−1、送り速度:0.8m/分、重ね枚数:1枚でドリル加工を行い、6000ヒットさせて評価基板を作製し、ドリル穴の内壁粗さを評価した。内壁粗さの評価は、無電解銅めっきを行い(めっき厚:15μm)、穴壁へのめっき染み込み長さの最大値を測定することにより評価した。
(9)硬化収縮率の測定
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより両面の銅箔を取り除いた5mm角の評価基板を作製し、TMA試験装置(デュポン社製、TMA2940)を用い、評価基板の面方向の昇温と冷却(20℃から260℃への加熱(温度上昇速度10℃/min)及び260℃から20℃への冷却(温度降下速度10℃/min))を行った後の寸法変化率を測定した。
(10)曲げ弾性率の測定
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより両面の銅箔を取り除いた後、長さ40mm、幅25mm、厚さ0.4mmに切り出した試験片を作製し、曲げ試験装置(オリエンテック社製、5トンテンシロンRTC−1350A)を用い、室温(20℃〜23℃)での曲げ弾性率を測定した。
表中の数字は、固形分の質量部により示されている。また、表中の「−」は、該当する成分を含有しないことを示す。
注書きは、それぞれ以下を示す。
(硬化剤)
*1:ナフトールアラルキル・クレゾール共重合型エポキシ樹脂
(日本化薬(株)製、商品名:NC−7000L)
*2:ビフェニルアラルキルエポキシ樹脂(日本化薬(株)製、商品名:NC−3000H)
(マレイミド化合物)
*3:2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン(大和化成(株)製、商品名:BMI−4000)
*4:ポリフェニルメタンマレイミド(大和化成(株)製、商品名:BMI−2300)
(無機フィラー)
*5:球状シリカ(溶融球状シリカ(株)アドマテックス製、商品名:SO−25R)
*6:球状シリカに対し1.0質量%のN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランで表面処理された球状シリカ(N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランで表面処理された溶融球状シリカ、(株)アドマテック製、商品名:SC−2050HNK、希釈溶剤:シクロヘキサノン)
*7:ベーマイト型水酸化アルミニウム(河合石灰工業(株)製、商品名:BMT−3L)
(その他)
*8:モリブデン酸亜鉛をタルクに担持した無機難燃剤(シャーウィン・ウィリアムス社製、商品名:ケムガード1100)
*9:ヘキサメチレンジイソシアネート樹脂と2−エチル−4−メチルイミダゾールとの付加反応物(第一工業製薬(株)製、商品名:G−8009L)
*10:ビスフェノールA型シアネート樹脂(ロンザジャパン(株)製、商品名:プリマセットBADCy)
表から明らかなように、実施例1〜6に係る銅張積層板は、銅箔接着性、ガラス転移温度、はんだ耐熱性、線熱膨張率、難燃性、銅付き耐熱性、比誘電率、誘電正接、ドリル加工性、硬化収縮率、及び曲げ弾性率の全ての評価項目において優れている。したがって、実施例に係る銅張積層板は、電子機器用プリント配線板として有用である。
一方、比較例1〜3に係る銅張積層板は、銅箔接着性、ガラス転移温度、はんだ耐熱性、線熱膨張率、難燃性、銅付き耐熱性、比誘電率、誘電正接、ドリル加工性、硬化収縮率、及び曲げ弾性率のいずれかの評価項目の特性が劣っている。
なお、エチレン性二重結合を有しない参考用カルボジイミド化合物を用いた参考例1に係る銅張積層板の各特性は、カルボジイミド化合物を用いない比較例1〜3に係る銅張積層板の各特性に比べて優れるものであり、参考例1に係る銅張積層板は、電子機器用プリント配線板として有用である。その一方で、エチレン性二重結合を有しない参考用カルボジイミド化合物を用いた参考例1に係る銅張積層板は、エチレン性二重結合を有するカルボジイミド化合物を用いた実施例1〜6に係る銅張積層板と比較して、線熱膨張率及び曲げ弾性率の評価項目の特性が劣っていた。

Claims (13)

  1. 分子中にカルボジイミド基及びエチレン性二重結合を有するカルボジイミド化合物を含有するプリプレグ。
  2. 前記カルボジイミド化合物が2−イミダゾリジノン骨格を有する請求項1に記載のプリプレグ。
  3. 前記カルボジイミド化合物が芳香族カルボジイミド化合物を含む請求項1又は請求項2に記載のプリプレグ。
  4. 分子中にカルボジイミド基、エチレン性二重結合、及び2−イミダゾリジノン骨格を有するカルボジイミド化合物と、硬化剤と、を含有する樹脂組成物。
  5. 前記カルボジイミド化合物が芳香族カルボジイミド化合物を含む請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. 前記硬化剤が、カルボン酸、エポキシ化合物、フェノール化合物、及びアミンからなる群より選択される少なくとも1種を含む請求項4又は請求項5に記載の樹脂組成物。
  7. マレイミド化合物を更に含有する請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 無機フィラーを更に含有する請求項4〜請求項7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  9. 基材と、前記基材に含浸された請求項4〜請求項8のいずれか1項に記載の樹脂組成物と、を有するプリプレグ。
  10. 請求項4〜請求項8のいずれか1項に記載の樹脂組成物をシート状に成形してなる樹脂シート。
  11. 請求項1〜請求項3及び請求項9のいずれか1項に記載のプリプレグを積層した積層板。
  12. 分子中にカルボジイミド基、エチレン性二重結合、及び2−イミダゾリジノン骨格を有するカルボジイミド化合物。
  13. 芳香族カルボジイミド化合物である請求項12に記載のカルボジイミド化合物。
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