JP2017179261A - 溶剤系金属用下塗り塗料、塗膜付き金属材料及びプレコート金属材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属材料を覆う被膜の加工部密着性、カット部耐食性、耐薬品性、耐コインスクラッチ性等の諸性能を総合的に満足し、端面部耐食性に優れる被膜を金属材料上に形成することができる溶剤系金属用下塗り塗料を提供する。
【解決手段】水酸基を有するエポキシ樹脂(A)と、ブロックポリイソシアネート化合物(B)と、一般式VO(OR)3(Rは、それぞれ独立にアルキル基を表す。)で表されるバナジウムアルコキシド(C)と、非クロム系防錆顔料(D)と、前記非クロム系防錆顔料以外の非クロム系顔料(E)と、を含有する溶剤系金属用下塗り塗料によって上記課題を解決できる。
【選択図】なし
【解決手段】水酸基を有するエポキシ樹脂(A)と、ブロックポリイソシアネート化合物(B)と、一般式VO(OR)3(Rは、それぞれ独立にアルキル基を表す。)で表されるバナジウムアルコキシド(C)と、非クロム系防錆顔料(D)と、前記非クロム系防錆顔料以外の非クロム系顔料(E)と、を含有する溶剤系金属用下塗り塗料によって上記課題を解決できる。
【選択図】なし
Description
本発明は、建材や家電製品、自動車部品等に使用されるプレコート金属材料の表面処理に好適に使用することができる金属用下塗り塗料、並びに、それを用いて得られる塗膜付き金属材料及びプレコート金属材料に関する。
金属材料は、自動車、家電、OA機器等様々な製品に用いられている。これらの製品は、屋内外、潮風や雨等に曝される環境下、工場排出ガスに曝される環境下等で使用される。従って、これらの過酷な使用環境にも耐えることができる金属材料が望まれている。
特に、プレコート金属材料から上記製品を製造するには、通常、プレコート鋼板の切断やプレス成型等の加工が行われる。これらの加工においては、プレコート鋼板の金属面が露出するため、耐食性が低下しやすい問題を有している。このため、プレコート金属材料では、樹脂及び防錆顔料等を含有する下塗り塗膜を上塗り塗膜の下に存在させることで加工部密着性等の性能を確保しつつ、プレコート金属材料に耐食性を付与し、更に、金属材料の表面(下塗り塗膜の下)に下地処理を施すことで金属材料と下塗り塗膜との密着性を確保している。
特に、プレコート金属材料から上記製品を製造するには、通常、プレコート鋼板の切断やプレス成型等の加工が行われる。これらの加工においては、プレコート鋼板の金属面が露出するため、耐食性が低下しやすい問題を有している。このため、プレコート金属材料では、樹脂及び防錆顔料等を含有する下塗り塗膜を上塗り塗膜の下に存在させることで加工部密着性等の性能を確保しつつ、プレコート金属材料に耐食性を付与し、更に、金属材料の表面(下塗り塗膜の下)に下地処理を施すことで金属材料と下塗り塗膜との密着性を確保している。
プレコート金属材料における下地処理としては、従来、金属材料表面と下塗り塗膜との密着性を向上させ、かつ、プレコート金属材料に優れた耐食性を付与することができる、クロム酸、重クロム酸もしくはそれらの塩を主成分として含有する処理液によるクロメート処理が用いられてきた。また、プレコート金属材料に優れた耐食性を付与する下塗り塗膜を形成するために、クロム系の防錆顔料を含有する塗料が幅広く使用されてきた。しかし、近年においては、環境への配慮から、クロムフリーの処理液及び塗料が使用されている。
例えば、特許文献1には、化成処理を施した表面処理鋼板の上に下塗り塗膜層及び上塗り塗膜層を形成した塗装鋼板において、下塗り塗膜層に防錆顔料としてリン酸イオンを供給する顔料、バナジン酸イオンを供給する顔料及びシリカを所定量で混合されているプレコート鋼板が、特許文献2には、鋼板もしくはめっき鋼板の表面に、樹脂とバナジウム酸化合物を所定量含有する下地処理層を有し、更にその上にバナジウムを含むイオンを放出する防錆顔料とリン酸イオンを放出する防錆顔料を同時に含む防錆皮膜層を有するプレコート鋼板が、それぞれ開示されている。
上述したように、近年、金属材料はより過酷な環境で使用される場合が多く、そのためその表面を覆う被膜に求められる特性(加工部密着性、耐食性、耐薬品性、耐コインスクラッチ性)の要求レベルはより一層高まっている。
特に、プレコート鋼板には、長期間の暴露に耐え得る耐食性が求められる。プレコート鋼板での腐食は、主に、傷部や端面部でのアノード溶解、及び、傷部からやや離れた塗膜下で生じるブリスターにより進行する。そのため、プレコート鋼板では、上塗り塗膜には低い透水性等の環境遮断能が求められ、下塗り塗膜には塗膜中の防錆顔料によるインヒビター効果を示すことが求められる。
特に、プレコート鋼板には、長期間の暴露に耐え得る耐食性が求められる。プレコート鋼板での腐食は、主に、傷部や端面部でのアノード溶解、及び、傷部からやや離れた塗膜下で生じるブリスターにより進行する。そのため、プレコート鋼板では、上塗り塗膜には低い透水性等の環境遮断能が求められ、下塗り塗膜には塗膜中の防錆顔料によるインヒビター効果を示すことが求められる。
一方、特許文献1及び2に記載されるプレコート鋼板は、クロム系顔料を含む塗膜を有するプレコート鋼板に比べ、耐食性に劣るものであり、特に切断面やプレス加工部におけるブリスターの発生による耐食性低下が顕著である。また、下塗り塗膜層又は防錆皮膜層に防錆顔料を多量に使用すると、耐食性は向上するものの、金属材料を覆う被膜の加工部密着性が劣るため、プレコート金属板の製造においてクロム系の防錆顔料を代替えするまでには至っていない。
そこで、本発明は、上記実情に鑑みて、金属材料を覆う被膜の加工部密着性、カット部耐食性、耐薬品性、耐コインスクラッチ性等の諸性能を総合的に満足し、端面部耐食性に優れる被膜を金属材料上に形成することができる溶剤系金属用下塗り塗料を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記溶剤系金属用下塗り塗料を用いて形成される、塗膜付き金属材料及びプレコート金属材料を提供することも目的とする。
また、本発明は、上記溶剤系金属用下塗り塗料を用いて形成される、塗膜付き金属材料及びプレコート金属材料を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、エポキシ樹脂と、ブロックポリイソシアネート化合物と、バナジウムアルコキシドと、非クロム系防錆顔料と、当該非クロム系防錆顔料以外の非クロム系顔料とを含有する溶剤系金属用下塗り塗料を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
つまり、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
つまり、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
(1)水酸基を有するエポキシ樹脂(A)と、
ブロックポリイソシアネート化合物(B)と、
一般式VO(OR)3(Rは、それぞれ独立にアルキル基を表す。)で表されるバナジウムアルコキシド(C)と、
非クロム系防錆顔料(D)と、
前記非クロム系防錆顔料以外の非クロム系顔料(E)と、
を含有する溶剤系金属用下塗り塗料。
(2)前記水酸基を有するエポキシ樹脂(A)の含有量が、溶剤系金属用下塗り塗料の全固形分に対し、25〜60質量%であり、
前記水酸基を有するエポキシ樹脂(A)と前記非クロム系防錆顔料(D)との質量比(D/A)が0.25〜1.3である
上記(1)に記載の溶剤系金属用下塗り塗料。
(3)前記水酸基を有するエポキシ樹脂(A)の含有量が、溶剤系金属用下塗り塗料の全固形分に対し、25〜60質量%であり、
前記水酸基を有するエポキシ樹脂(A)と前記ブロックポリイソシアネート化合物(B)との質量比(B/A)が0.06〜1.0の範囲内である
上記(1)又は(2)に記載の溶剤系金属用下塗り塗料。
(4)前記水酸基を有するエポキシ樹脂(A)の含有量が、溶剤系金属用下塗り塗料の全固形分に対し、25〜60質量%であり、
前記水酸基を有するエポキシ樹脂(A)と前記バナジウムアルコキシド(C)との質量比(C/A)が0.002〜0.067の範囲内である
上記(1)〜(3)のいずれかに記載の溶剤系金属用下塗り塗料。
(5)金属材料と;前記金属材料上に形成された、Zrを含有する水系下地用表面処理剤由来の皮膜であって、片面当たりのZr付着量が0.5〜75mg/m2の表面処理皮膜と;前記表面処理皮膜上に形成された、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の溶剤系金属用下塗り塗料由来の塗膜と、を有する塗膜付き金属材料。
(6)Zrを含有する水系下地用表面処理剤を金属材料の表面に接触させ、その後乾燥することにより片面当たりのZr付着量が0.5〜75mg/m2の表面処理皮膜を形成させ、更にその上に上記(1)〜(4)のいずれかに記載の溶剤系金属用下塗り塗料を塗工させて形成される塗膜を有する塗膜付き金属材料。
(7)Zrを含有する皮膜と;前記皮膜上に形成された、ウレタン結合、バナジウム、非クロム系防錆顔料(D)、及び、前記非クロム系防錆顔料以外の非クロム系顔料(E)を含む塗膜と;を有する塗膜付き金属材料。
(8)上記(5)〜(7)のいずれかに記載の塗膜付き金属材料の前記塗膜上に、クロムを含まない上塗り塗膜を更に有するプレコート金属材料。
ブロックポリイソシアネート化合物(B)と、
一般式VO(OR)3(Rは、それぞれ独立にアルキル基を表す。)で表されるバナジウムアルコキシド(C)と、
非クロム系防錆顔料(D)と、
前記非クロム系防錆顔料以外の非クロム系顔料(E)と、
を含有する溶剤系金属用下塗り塗料。
(2)前記水酸基を有するエポキシ樹脂(A)の含有量が、溶剤系金属用下塗り塗料の全固形分に対し、25〜60質量%であり、
前記水酸基を有するエポキシ樹脂(A)と前記非クロム系防錆顔料(D)との質量比(D/A)が0.25〜1.3である
上記(1)に記載の溶剤系金属用下塗り塗料。
(3)前記水酸基を有するエポキシ樹脂(A)の含有量が、溶剤系金属用下塗り塗料の全固形分に対し、25〜60質量%であり、
前記水酸基を有するエポキシ樹脂(A)と前記ブロックポリイソシアネート化合物(B)との質量比(B/A)が0.06〜1.0の範囲内である
上記(1)又は(2)に記載の溶剤系金属用下塗り塗料。
(4)前記水酸基を有するエポキシ樹脂(A)の含有量が、溶剤系金属用下塗り塗料の全固形分に対し、25〜60質量%であり、
前記水酸基を有するエポキシ樹脂(A)と前記バナジウムアルコキシド(C)との質量比(C/A)が0.002〜0.067の範囲内である
上記(1)〜(3)のいずれかに記載の溶剤系金属用下塗り塗料。
(5)金属材料と;前記金属材料上に形成された、Zrを含有する水系下地用表面処理剤由来の皮膜であって、片面当たりのZr付着量が0.5〜75mg/m2の表面処理皮膜と;前記表面処理皮膜上に形成された、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の溶剤系金属用下塗り塗料由来の塗膜と、を有する塗膜付き金属材料。
(6)Zrを含有する水系下地用表面処理剤を金属材料の表面に接触させ、その後乾燥することにより片面当たりのZr付着量が0.5〜75mg/m2の表面処理皮膜を形成させ、更にその上に上記(1)〜(4)のいずれかに記載の溶剤系金属用下塗り塗料を塗工させて形成される塗膜を有する塗膜付き金属材料。
(7)Zrを含有する皮膜と;前記皮膜上に形成された、ウレタン結合、バナジウム、非クロム系防錆顔料(D)、及び、前記非クロム系防錆顔料以外の非クロム系顔料(E)を含む塗膜と;を有する塗膜付き金属材料。
(8)上記(5)〜(7)のいずれかに記載の塗膜付き金属材料の前記塗膜上に、クロムを含まない上塗り塗膜を更に有するプレコート金属材料。
本発明によれば、金属材料を覆う被膜の加工部密着性、カット部耐食性、耐薬品性、耐コインスクラッチ性等の諸性能を総合的に満足し、端面部耐食性に優れる被膜を金属材料上に形成することができる溶剤系金属用下塗り塗料を提供することができる。
また、本発明によれば、上記溶剤系金属用下塗り塗料を用いて形成される、塗膜付き金属材料及びプレコート金属材料を提供することができる。
また、本発明によれば、上記溶剤系金属用下塗り塗料を用いて形成される、塗膜付き金属材料及びプレコート金属材料を提供することができる。
以下に、本発明に係る溶剤系金属用下塗り塗料、並びに、当該溶剤系金属用下塗り塗料由来の塗膜を有する塗膜付き金属材料及びプレコート金属材料を順に説明する。なお、本明細書に記載されている数値範囲(〜)は、その範囲を示すために使用されている上限値及び下限値を含む。
<<溶剤系金属用下塗り塗料>>
溶剤系金属用下塗り塗料とは、溶媒が有機溶剤で構成されており、水分を含有しない金属用塗料であることを意味する。本発明に係る溶剤系金属用下塗り塗料は、水酸基を有するエポキシ樹脂(以下、単に「エポキシ樹脂」と表記する)(A)と、ブロックポリイソシアネート化合物(B)と、バナジウムアルコキシド(C)と、非クロム系防錆顔料(D)と、前記非クロム系防錆顔料以外の非クロム系顔料(E)と、を含む。
溶剤系金属用下塗り塗料とは、溶媒が有機溶剤で構成されており、水分を含有しない金属用塗料であることを意味する。本発明に係る溶剤系金属用下塗り塗料は、水酸基を有するエポキシ樹脂(以下、単に「エポキシ樹脂」と表記する)(A)と、ブロックポリイソシアネート化合物(B)と、バナジウムアルコキシド(C)と、非クロム系防錆顔料(D)と、前記非クロム系防錆顔料以外の非クロム系顔料(E)と、を含む。
以下、本発明に係る溶剤系金属用下塗り塗料に含まれる各成分について説明する。
<水酸基を有するエポキシ樹脂(A)>
エポキシ樹脂(A)は、好適には、有機溶剤に溶解するエポキシ樹脂である。なお、「有機溶剤に溶解」とは、典型的な有機溶媒であるトルエン100gに25℃にて1g以上溶解することを指す。代表的なエポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールA等のビスフェノール化合物とエピクロルヒドリンをアルカリ存在下で反応させ、エポキシ基が開環重合して合成される。このように合成されたエポキシ樹脂(A)は、骨格中に複数の水酸基を有する。また、エポキシ樹脂(A)は、水酸基以外に、繰り返し構造単位においてエポキシ基を1個、好ましくは2個以上有する。エポキシ樹脂(A)としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂を骨格とするものが好適である。また、エポキシ樹脂(A)は、エポキシ樹脂中のエポキシ基又は水酸基に変性剤を反応させて得られる変性エポキシ樹脂であることが好適である。エポキシ樹脂(好適にはビスフェノール型エポキシ樹脂)を変性させることにより、曲げ加工に追従することが可能となり、更にブロックポリイソシアネート化合物(B)由来のポリイソシアネート化合物と変性エポキシ樹脂とが緻密に架橋するため、金属材料を覆う被膜(例えば、溶剤系金属用下塗り塗料を用いて形成される塗膜と、後述のZrを含有する皮膜及び上塗り塗膜を含む被膜)の加工部密着性が向上することができる。
エポキシ樹脂(A)は、好適には、有機溶剤に溶解するエポキシ樹脂である。なお、「有機溶剤に溶解」とは、典型的な有機溶媒であるトルエン100gに25℃にて1g以上溶解することを指す。代表的なエポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールA等のビスフェノール化合物とエピクロルヒドリンをアルカリ存在下で反応させ、エポキシ基が開環重合して合成される。このように合成されたエポキシ樹脂(A)は、骨格中に複数の水酸基を有する。また、エポキシ樹脂(A)は、水酸基以外に、繰り返し構造単位においてエポキシ基を1個、好ましくは2個以上有する。エポキシ樹脂(A)としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂を骨格とするものが好適である。また、エポキシ樹脂(A)は、エポキシ樹脂中のエポキシ基又は水酸基に変性剤を反応させて得られる変性エポキシ樹脂であることが好適である。エポキシ樹脂(好適にはビスフェノール型エポキシ樹脂)を変性させることにより、曲げ加工に追従することが可能となり、更にブロックポリイソシアネート化合物(B)由来のポリイソシアネート化合物と変性エポキシ樹脂とが緻密に架橋するため、金属材料を覆う被膜(例えば、溶剤系金属用下塗り塗料を用いて形成される塗膜と、後述のZrを含有する皮膜及び上塗り塗膜を含む被膜)の加工部密着性が向上することができる。
上述したように、エポキシ樹脂(A)を使用することにより、金属材料を覆う被膜の加工部密着性、カット部耐食性、耐薬品性、耐コインスクラッチ性が良好となる。より詳細には、エポキシ樹脂(A)と後述するブロックポリイソシアネート化合物(B)由来のポリイソシアネート化合物が熱硬化反応することにより硬化膜が形成される。なお、エポキシ樹脂(A)と一緒に、後述するブロックポリイソシアネート化合物(B)と、バナジウムアルコキシド(C)と、非クロム系防錆顔料(D)と、前記非クロム系防錆顔料以外の非クロム系顔料(E)と、を用いることにより、溶剤系金属用下塗り塗料を用いて形成される塗膜は、優れた端面部耐食性を発現する。溶剤系金属用下塗り塗料の原料として、それぞれの単独物質を使用しても優れた性能は得られないが、エポキシ樹脂(A)とブロックポリイソシアネート化合物(B)とバナジウムアルコキシド(C)と非クロム系防錆顔料(D)と前記非クロム系防錆顔料以外の非クロム系顔料(E)とを合わせて使用すると、これらの相乗効果により優れた性能が得られる。
上記エポキシ樹脂が有する水酸基は繰り返し構造単位において1以上有するものであれば特に限定されない。エポキシ樹脂(A)としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールE型、ビスフェノールB型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールAP型、ビスフェノールBP型等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型等のノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等の芳香族エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、又はシクロペンタジエン型もしくはジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂に、水酸基を導入した変性エポキシ樹脂;ポリエーテル変性エポキシ樹脂;NBR変性エポキシ樹脂又は水素化NBR変性エポキシ樹脂;CTBN変性エポキシ樹脂又は水素化CTBN変性エポキシ樹脂等が挙げられる。なお、上記変性エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂に、不飽和脂肪酸を反応させたエポキシエステル樹脂、(メタ)アクリル酸又はそのエステルを反応させたアクリル変性エポキシ樹脂、イソシアネート化合物を反応させたウレタン変性エポキシ樹脂、シランカップリング剤を反応させたシラン変性エポキシ樹脂、リン酸類もしくはそのエステルを反応させたリン酸変性エポキシ樹脂、脂肪族アミン等のアミン類を反応させたアミン変性エポキシ樹脂、エチレングリコールを反応させたエチレングリコール変性エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂(各種変性エポキシ樹脂を含む)は、単独で又は2種以上組み合わせて、用いることができる。なかでも、被膜の各種性能(金属材料を覆う被膜の加工部密着性、耐食性、耐薬品性、耐コインスクラッチ性等)の少なくとも1つ以上がより優れる(以後、単に「本発明の効果がより優れる」ともいう)点からエポキシエステル樹脂を用いることが好ましい。
上記変性エポキシ樹脂を製造する方法は、特に限定されるものではない。変性エポキシ樹脂の製造は、例えば、変性剤とエポキシ樹脂とを溶解できる溶媒中において、通常、100〜150℃で1〜5時間反応させることによって行うことができる。なお、変性エポキシ樹脂の製造において、必要であれば、上記溶媒に反応触媒を添加してもよい。
エポキシ樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、20000〜60000であることが好ましく、30000〜40000であることがより好ましい。エポキシ樹脂(A)の重量平均分子量が20000〜60000の範囲内である場合は、加工部耐食性及び金属材料を覆う被膜の加工部密着性が向上する傾向となる。なお、重量平均分子量は、例えば、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法等によって測定することができる。より具体的には、示差屈折計(RI)検出器を備えるGPC装置(HLC−8220;トーソー(株)製)にて屈折率の差を測定し、ポリスチレン換算にて算出することができる。
エポキシ樹脂(A)の酸価は、特に限定されないが、5mgKOH/g以下が好ましく、1mgKOH/g以下がより好ましい。エポキシ樹脂(A)の酸価が5mgKOH/g以下の場合は、溶剤系金属用下塗り塗料を用いて形成される塗膜の耐薬品性が向上する傾向となる。酸価の測定方法としては、JIS K0070−1992に準ずる電位差手規定法で測定することができる。
溶剤系金属用下塗り塗料中におけるエポキシ樹脂(A)の含有量は、特に限定されないが、溶剤系金属用下塗り塗料中の全固形分に対して、25〜60質量%が好ましく、26〜55質量%がより好ましく、29〜47質量%が更に好ましく、30〜42質量%が特に好ましい。エポキシ樹脂(A)の含有量が、25〜60質量%の範囲内である場合、溶剤系金属用下塗り塗料を用いて形成される塗膜を含む、金属材料を覆う被膜の、耐薬品性、耐コインスクラッチ性、耐食性及び加工部密着性が向上する傾向である。
なお、全固形分とは、塗膜を形成する成分(例えば、エポキシ樹脂(A)と、後述するブロックポリイソシアネート化合物(B)と、バナジウムアルコキシド(C)と、非クロム系防錆顔料(D)と、前記非クロム系防錆顔料以外の非クロム系顔料(E)等)を意味し、有機溶剤等の揮発成分は含まれない。
なお、全固形分とは、塗膜を形成する成分(例えば、エポキシ樹脂(A)と、後述するブロックポリイソシアネート化合物(B)と、バナジウムアルコキシド(C)と、非クロム系防錆顔料(D)と、前記非クロム系防錆顔料以外の非クロム系顔料(E)等)を意味し、有機溶剤等の揮発成分は含まれない。
<ブロックポリイソシアネート化合物(B)>
ブロックポリイソシアネート化合物(B)は、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロック剤により封鎖した化合物であり、熱により解離して上記エポキシ樹脂(A)と反応して硬化膜を形成するものである。
ブロックポリイソシアネート化合物(B)は、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロック剤により封鎖した化合物であり、熱により解離して上記エポキシ樹脂(A)と反応して硬化膜を形成するものである。
ポリイソシアネート化合物としては、2以上のイソシアネート基を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートエステル、水添キシリレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。これらの中で、より好ましいものとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートエステル、水添キシリレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。なお、これらのポリイソシアネート化合物と、活性水素基を有する化合物とを用いて、公知の方法でオリゴマー化や鎖伸長化させたものもポリイソシアネート化合物して用いることができる。
ブロック剤としては、特に制限されず、例えば、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール系、2−ブタノンオキシム等のオキシム系、フェノール、p−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール等のフェノール系、ε−カプロラクタム等のラクタム系、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等の活性メチレン系等のブロック剤が挙げられる。ブロックポリイソシアネート化合物(B)の熱による解離温度は、これを構成するポリイソシアネート化合物及びブロック剤の種類や触媒の有無及びその量に依存するが、本発明においては、熱による解離温度(無触媒状態)が120〜180℃であるブロックポリイソシアネート化合物(B)が好ましく用いられる。
溶剤系金属用下塗り塗料中におけるブロックポリイソシアネート化合物(B)の含有量は特に限定されないが、前記エポキシ樹脂(A)の含有量が前記好ましい範囲である場合、エポキシ樹脂(A)とブロックポリイソシアネート化合物(B)との質量(含有量)比(B/A)が、0.06〜1.0の範囲内であることが好ましく、0.08〜0.75の範囲内であることがより好ましく、0.13〜0.5の範囲内であることが更に好ましく、0.17〜0.38の範囲内であることが特に好ましい。質量比(B/A)が、0.06〜1.0の範囲内である場合、溶剤系金属用下塗り塗料を用いて形成される塗膜を含む被膜の、耐食性、加工部密着性、耐溶剤性及び耐コインスクラッチ性を向上させることができる塗膜を得ることができる。
<バナジウムアルコキシド(C)>
バナジウムアルコキシド(C)は、一般式VO(OR)3(Rは、それぞれ独立にアルキル基を表す。)で表される化合物であり、取り扱いやすさや入手が容易である点から、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。炭素数1〜4のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等が挙げられる。
バナジウムアルコキシド(C)は、一般式VO(OR)3(Rは、それぞれ独立にアルキル基を表す。)で表される化合物であり、取り扱いやすさや入手が容易である点から、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。炭素数1〜4のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等が挙げられる。
バナジウムアルコキシド(C)の具体例としては、バナジウムオキシトリイソプロポキシド、バナジウムオキシトリブトキシド、バナジウムオキシトリエトキシド、バナジウムオキシトリイソブトキシド等が挙げられ、中でも、溶剤系金属用下塗り塗料を用いて形成される塗膜を含む被膜の端面部耐食性がより優れるという理由から、バナジウムオキシトリイソプロポキシド、バナジウムオキシトリブトキシド等が好ましい。
溶剤系金属用下塗り塗料中におけるバナジウムアルコキシド(C)の含有量は特に限定されないが、前記エポキシ樹脂(A)の含有量が前記好ましい範囲である場合、エポキシ樹脂(A)とバナジウムアルコキシド(C)との質量(含有量)比(C/A)が、0.002〜0.067の範囲内であることが好ましく、0.003〜0.05の範囲内であることがより好ましく、0.005〜0.04の範囲内であることが更に好ましい。質量比(C/A)が、0.002〜0.067の範囲内である場合、溶剤系金属用下塗り塗料を用いて形成される塗膜を含む被膜の耐食性及び耐薬品性を向上させることができる塗膜を得ることができる。
<非クロム系防錆顔料(D)>
非クロム系防錆顔料(D)としては、特に限定されないが、例えば、Mo、Bi、Zn、Al、及びMgからなる群から選ばれる1種以上の金属元素の、金属酸化物及び/又は硝酸金属塩、炭酸金属塩、リン酸金属塩、フッ素含有金属化合物、アンモニウム錯塩、等から選ばれる1種又は2種以上を、使用することができる。なお、非クロム系防錆顔料(D)としては、溶剤系金属用下塗り塗料によって形成された塗膜が腐食された際に、金属材料由来のカチオン成分と反応して金属塩を形成するものが好ましい。
非クロム系防錆顔料(D)としては、特に限定されないが、例えば、Mo、Bi、Zn、Al、及びMgからなる群から選ばれる1種以上の金属元素の、金属酸化物及び/又は硝酸金属塩、炭酸金属塩、リン酸金属塩、フッ素含有金属化合物、アンモニウム錯塩、等から選ばれる1種又は2種以上を、使用することができる。なお、非クロム系防錆顔料(D)としては、溶剤系金属用下塗り塗料によって形成された塗膜が腐食された際に、金属材料由来のカチオン成分と反応して金属塩を形成するものが好ましい。
該防錆顔料(D)としては、例えば、Mo系:LFボウセイ M−PSN、LFボウセイ M−70L、Bi系:ED−260、Zn系:LFボウセイ ZP−DL、LFボウセイ P−WF、LFボウセイ P−W−2、LFボウセイ D−1、Al系:LFボウセイ PM−300、LFボウセイ PM−300C、Mg系:LFボウセイ MZP−500、LFボウセイ MP−620(いずれもキクチカラー(株)製)、Al系:K−WHITE G110、K−WHITE G730、K−WHITE G750(いずれもテイカ(株)製)、等の顔料が挙げられる。
なお、非クロム系防錆顔料(D)としては、Zn、Al、及びMgからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含むリン酸金属塩を用いることが好ましい。Zn、Al及びMgは、腐食環境下でイオン化し、酸化物になりやすい特性を有しているため、溶剤系金属用下塗り塗料を用いて形成される塗膜を含む被膜の端面部耐食性が向上する。
溶剤系金属用下塗り塗料中における非クロム系防錆顔料(D)の含有量は特に限定されないが、前記エポキシ樹脂(A)の含有量が前記好ましい範囲である場合、エポキシ樹脂(A)と非クロム系防錆顔料(D)との質量(含有量)比(D/A)が、0.25〜1.3の範囲内であることが好ましく、0.28〜1.28の範囲内であることがより好ましく、0.4〜1.14の範囲内であることが更に好ましく、0.49〜1.01の範囲内であることが特に好ましい。質量比(D/A)が、0.25〜1.3の範囲内である場合、溶剤系金属用下塗り塗料を用いて形成される塗膜を含む被膜の、耐食性、耐薬品性及び加工部密着性が向上する傾向となる。
<非クロム系顔料(E)>
非クロム系顔料(E)としては、非クロム系防錆顔料(D)以外であって、かつ、クロムを含まない顔料であれば特に制限されるものではなく、例えば、着色顔料、体質顔料等を挙げることができる。
非クロム系顔料(E)としては、非クロム系防錆顔料(D)以外であって、かつ、クロムを含まない顔料であれば特に制限されるものではなく、例えば、着色顔料、体質顔料等を挙げることができる。
着色顔料としては、例えば、シアニンブルー、シアニングリーン、アゾ系やキナクリドン系等の有機赤顔料、等の有機着色顔料;チタン白、チタンイエロー、ベンガラ、カーボンブラック、各種焼成顔料等の無機着色顔料を挙げることができ、なかでもチタン白を好適なものとして挙げることができる。体質顔料としては、例えば、タルク、クレー、シリカ、マイカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の物質、あるいは、疎水化処理した前記物質が挙げられる。
非クロム系防錆顔料(D)及び/又は非クロム系顔料(E)の配合に際しては、必要に応じて、顔料分散用樹脂、有機溶剤、シランカップリング剤、沈降防止剤、消泡剤、塗面調整剤等の公知の塗料用添加剤、中和剤等を用いてもよい。具体的には、前記塗料用添加剤、中和剤等を前記顔料(D、E等)に配合した後、ボールミル、サンドミル、ペブルミル等の分散混合機によって分散処理し、得られた顔料分散ペーストを、エポキシ樹脂(A)、ブロックポリイソシアネート化合物(B)、バナジウムアルコキシド(C)等に配合させる顔料(D、E等)として用いてもよい。
前記顔料分散用樹脂としては、公知のものを使用でき、例えば水酸基及びカチオン性基を有する樹脂、3級アミン型エポキシ樹脂、4級アンモニウム塩型エポキシ樹脂、3級スルホニウム塩型エポキシ樹脂等の樹脂を使用できる。特に、エポキシ樹脂(A)として使用する樹脂を顔料分散用樹脂として使用することが好ましい。また、顔料分散用樹脂の使用量は、顔料成分100質量部あたり1〜150質量部、特に10〜100質量部の範囲内であることが好適である。
<有機溶剤>
溶剤系金属用下塗り塗料に含まれる有機溶剤としては、エポキシ樹脂(A)及びブロックポリイソシアネート化合物(B)を溶解ないし分散できるものであれば特に制限されるものではない。例えば、トルエン、キシレン、高沸点石油系炭化水素等の炭化水素系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶剤;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテルアルコール系溶剤;等を挙げることができ、これらは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの有機溶剤は、前記非クロム系防錆顔料(D)及び/又は非クロム系顔料(E)を原料とする前記顔料分散ペースト用の有機溶剤として用いることも可能である。なお、本発明の溶剤系金属用下塗り塗料は水分を含有しないが、不可避的に混入した水分の存在を除外するものではない。ここで、「不可避的に混入した水分」とは、例えば、有機溶剤の合計質量に対して50質量ppm未満である。
溶剤系金属用下塗り塗料に含まれる有機溶剤としては、エポキシ樹脂(A)及びブロックポリイソシアネート化合物(B)を溶解ないし分散できるものであれば特に制限されるものではない。例えば、トルエン、キシレン、高沸点石油系炭化水素等の炭化水素系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶剤;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテルアルコール系溶剤;等を挙げることができ、これらは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの有機溶剤は、前記非クロム系防錆顔料(D)及び/又は非クロム系顔料(E)を原料とする前記顔料分散ペースト用の有機溶剤として用いることも可能である。なお、本発明の溶剤系金属用下塗り塗料は水分を含有しないが、不可避的に混入した水分の存在を除外するものではない。ここで、「不可避的に混入した水分」とは、例えば、有機溶剤の合計質量に対して50質量ppm未満である。
<任意成分>
本発明の溶剤系金属用下塗り塗料には、更に任意成分として、より均一な塗膜を形成するために、濡れ性を向上させる界面活性剤、膜厚調整のための増粘剤、発泡を抑える消泡剤、溶接性向上のための導電性物質、硬化触媒等を、当該溶剤系金属用下塗り塗料の液安定性や本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
本発明の溶剤系金属用下塗り塗料には、更に任意成分として、より均一な塗膜を形成するために、濡れ性を向上させる界面活性剤、膜厚調整のための増粘剤、発泡を抑える消泡剤、溶接性向上のための導電性物質、硬化触媒等を、当該溶剤系金属用下塗り塗料の液安定性や本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
硬化触媒としては、例えば、ブロックポリイソシアネート化合物(B)との反応性が高いジブチル錫ジベンゾエート、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイド等の有機錫化合物、その他、亜鉛、アルミニウム、ジルコニウム等の有機金属塩等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、アルキルアリルエーテル系、アルキルエーテル系、アルキルエステル系、アルキルアミン系等のノニオン系界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、脂肪族アミンの硫酸塩、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩等のアニオン系界面活性剤;等が挙げられる。導電性物質としては、例えば、導電性金属微粉末、炭素微粉末等が挙げられる。
<溶剤系金属用下塗り塗料の固形分濃度>
本発明の溶剤系金属用下塗り塗料の固形分濃度については、本発明の効果が達成し得る限り、特に制限はないが、該溶剤系金属用下塗り塗料の全質量を基準として、30〜60質量%の範囲であることが好ましい。溶剤系金属用下塗り塗料の全質量に対する固形分濃度が30〜60質量%の範囲内である場合、目標とする膜厚を得ることが容易となり、かつ、塗膜付き金属材料の外観が優れる傾向となる。
本発明の溶剤系金属用下塗り塗料の固形分濃度については、本発明の効果が達成し得る限り、特に制限はないが、該溶剤系金属用下塗り塗料の全質量を基準として、30〜60質量%の範囲であることが好ましい。溶剤系金属用下塗り塗料の全質量に対する固形分濃度が30〜60質量%の範囲内である場合、目標とする膜厚を得ることが容易となり、かつ、塗膜付き金属材料の外観が優れる傾向となる。
<溶剤系金属用下塗り塗料の製造方法>
本発明の溶剤系金属用下塗り塗料は、エポキシ樹脂(A)、ブロックポリイソシアネート化合物(B)、バナジウムアルコキシド(C)、非クロム系防錆顔料(D)、非クロム系顔料(E)、有機溶剤及び必要に応じて更にその他の任意成分を撹拌することによって製造することができる。また、エポキシ樹脂(A)、ブロックポリイソシアネート化合物(B)、バナジウムアルコキシド(C)、非クロム系防錆顔料(D)及び/又は非クロム系顔料(E)の顔料分散ペースト、有機溶剤及び必要に応じて更にその他の任意成分を撹拌することにより製造することもできる。なお、各成分の添加順序に特に制限はない。
本発明の溶剤系金属用下塗り塗料は、エポキシ樹脂(A)、ブロックポリイソシアネート化合物(B)、バナジウムアルコキシド(C)、非クロム系防錆顔料(D)、非クロム系顔料(E)、有機溶剤及び必要に応じて更にその他の任意成分を撹拌することによって製造することができる。また、エポキシ樹脂(A)、ブロックポリイソシアネート化合物(B)、バナジウムアルコキシド(C)、非クロム系防錆顔料(D)及び/又は非クロム系顔料(E)の顔料分散ペースト、有機溶剤及び必要に応じて更にその他の任意成分を撹拌することにより製造することもできる。なお、各成分の添加順序に特に制限はない。
<<塗膜付き金属材料>>
本発明に係る塗膜付き金属材料は、Zrを含有する皮膜と;前記皮膜上に形成された、ウレタン結合、バナジウム、非クロム系防錆顔料(D)、及び、前記非クロム系防錆顔料以外の非クロム系顔料(E)を含む塗膜と;を有する。
本発明に係る塗膜付き金属材料は、Zrを含有する皮膜と;前記皮膜上に形成された、ウレタン結合、バナジウム、非クロム系防錆顔料(D)、及び、前記非クロム系防錆顔料以外の非クロム系顔料(E)を含む塗膜と;を有する。
<製造方法>
上記塗膜付き金属材料は、金属材料に対して、水系下地用表面処理剤による表面処理を行い、次いで、本発明に係る溶剤系金属用下塗り塗料による塗装処理を行うことで得られる。以下、それぞれの処理方法について説明する。
上記塗膜付き金属材料は、金属材料に対して、水系下地用表面処理剤による表面処理を行い、次いで、本発明に係る溶剤系金属用下塗り塗料による塗装処理を行うことで得られる。以下、それぞれの処理方法について説明する。
(水系下地用表面処理剤による表面処理)
水系下地用表面処理剤による表面処理は、金属材料の表面上にZrを含有する水系下地用表面処理剤を接触させる接触工程と、金属材料の表面上に接触させた水系下地用表面処理剤を乾燥させる乾燥工程とを含む。
水系下地用表面処理剤による表面処理は、金属材料の表面上にZrを含有する水系下地用表面処理剤を接触させる接触工程と、金属材料の表面上に接触させた水系下地用表面処理剤を乾燥させる乾燥工程とを含む。
・接触工程
水系下地用表面処理剤を金属材料の表面上に接触させる方法としては、特に限定されず、例えば、ロールコーター法、浸漬法、スプレー法、バーコート法、電解法等が挙げられる。また、水系下地用表面処理剤の接触温度については、特に制限はないが、10〜60℃の温度範囲内が好ましく、15〜40℃の温度範囲内がより好ましい。
水系下地用表面処理剤を金属材料の表面上に接触させる方法としては、特に限定されず、例えば、ロールコーター法、浸漬法、スプレー法、バーコート法、電解法等が挙げられる。また、水系下地用表面処理剤の接触温度については、特に制限はないが、10〜60℃の温度範囲内が好ましく、15〜40℃の温度範囲内がより好ましい。
水系下地用表面処理剤としては、例えば、炭酸ジルコニウム化合物又は金属フッ化物を含有する表面処理剤が挙げられる。炭酸ジルコニウム化合物としては、例えば、塩基性炭酸ジルコニウム;炭酸ジルコニウムのナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム等の炭酸ジルコニウム塩が挙げられ、後水洗を備えないロールコーターによる塗布処理に好適に用いられる。また、金属フッ化物としては、例えば、ジルコンフッ化水素酸、チタンフッ化水素酸等が挙げられる。なお、水系下地用表面処理剤が金属フッ化物を含む場合には、硝酸、硫酸、酢酸、塩酸、蟻酸、フッ酸、リン酸、酒石酸から選ばれる1種以上の酸成分や、アンモニア、アンモニウム塩、アミン、アミン塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムから選ばれる1種以上のアルカリ成分等を更に含ませてもよい。
・乾燥工程
水系下地用表面処理剤を乾燥する方法としては、特に制限はなく、エアーブロー等を用いた風乾;熱風炉、誘導加熱炉、電気炉等を用いた加熱乾燥;等が挙げられるが、熱風炉、誘導加熱炉、電気炉等による加熱乾燥が好ましい。また、乾燥時の金属材料の最高到達温度(PMT)については、特に制限はないが、70〜150℃が好ましい。
水系下地用表面処理剤を乾燥する方法としては、特に制限はなく、エアーブロー等を用いた風乾;熱風炉、誘導加熱炉、電気炉等を用いた加熱乾燥;等が挙げられるが、熱風炉、誘導加熱炉、電気炉等による加熱乾燥が好ましい。また、乾燥時の金属材料の最高到達温度(PMT)については、特に制限はないが、70〜150℃が好ましい。
ここで、水系下地用表面処理剤による表面処理では、接触工程前に、必要に応じて、金属材料の表面の酸化物、あるいは、油分及び汚れ等を除去する目的で前処理を施してもよい。金属材料には、酸化物等が付着している場合や、防錆目的で防錆油が塗られている場合や、作業中に加工油等の油分や汚れ等が付着する場合がある。従って、前処理を施すことにより、金属材料の表面を清浄にし、水系下地用表面処理剤を金属材料上に均一に接触させることができるようになる。なお、金属材料の表面に、酸化物、油分及び汚れ等が無く、水系下地用表面処理剤を均一に接触させることができる場合は、特に前処理を行う必要はない。前処理方法は特に限定されず、湯洗、溶剤洗浄、アルカリ脱脂洗浄、酸洗等の方法が挙げられる。
(溶剤系金属用下塗り塗料による下塗り塗装)
本発明の溶剤系金属用下塗り塗料による下塗り塗装は、水系下地表面処理剤によって形成された皮膜上に溶剤系金属用下塗り塗料を塗工する塗装工程と、該皮膜上に塗工した溶剤系金属用下塗り塗料を焼き付ける焼付工程とを含む。
本発明の溶剤系金属用下塗り塗料による下塗り塗装は、水系下地表面処理剤によって形成された皮膜上に溶剤系金属用下塗り塗料を塗工する塗装工程と、該皮膜上に塗工した溶剤系金属用下塗り塗料を焼き付ける焼付工程とを含む。
・塗装工程
溶剤系金属用下塗り塗料の塗装方法としては、特に制限はなく、例えば、ロールコーター法、浸漬法、スプレー法、バーコート法等が挙げられる。また、溶剤系金属用下塗り塗料の塗工温度については、特に制限はないが、10〜60℃の温度範囲内が好ましく、15〜40℃の温度範囲内がより好ましい。
溶剤系金属用下塗り塗料の塗装方法としては、特に制限はなく、例えば、ロールコーター法、浸漬法、スプレー法、バーコート法等が挙げられる。また、溶剤系金属用下塗り塗料の塗工温度については、特に制限はないが、10〜60℃の温度範囲内が好ましく、15〜40℃の温度範囲内がより好ましい。
・焼付工程
溶剤系金属用下塗り塗料を焼き付ける方法としては、特に制限はなく、エアーブロー等を用いた焼付;熱風炉、誘導加熱炉、電気炉等を用いた焼付;等が挙げられる。また、焼付時における金属材料の最高到達温度(PMT)については、特に制限はないが、50〜250℃の温度範囲内が好ましく、70〜220℃がより好ましい。
溶剤系金属用下塗り塗料を焼き付ける方法としては、特に制限はなく、エアーブロー等を用いた焼付;熱風炉、誘導加熱炉、電気炉等を用いた焼付;等が挙げられる。また、焼付時における金属材料の最高到達温度(PMT)については、特に制限はないが、50〜250℃の温度範囲内が好ましく、70〜220℃がより好ましい。
(金属材料)
被処理物である金属材料としては、例えば、炭素鋼板、合金鋼板及びめっき鋼板等、より具体的には、冷延鋼板、熱延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、アルミニウム含有亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、合金化亜鉛めっき鋼板、亜鉛ニッケルめっき鋼板、亜鉛コバルトめっき鋼板、蒸着亜鉛めっき鋼板、ニッケルめっき鋼板、スズめっき鋼板、ステンレス鋼板等;アルミニウム板、銅板、チタン板、マグネシウム板等の鋼板以外の金属板等の公知の金属材料を用いることができる。特に好適な金属材料は、溶融亜鉛めっき鋼板、アルミニウム含有亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、合金化亜鉛めっき鋼板、亜鉛ニッケルめっき鋼板、亜鉛コバルトめっき鋼板、蒸着亜鉛めっき鋼板等の亜鉛系めっき鋼板である。
被処理物である金属材料としては、例えば、炭素鋼板、合金鋼板及びめっき鋼板等、より具体的には、冷延鋼板、熱延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、アルミニウム含有亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、合金化亜鉛めっき鋼板、亜鉛ニッケルめっき鋼板、亜鉛コバルトめっき鋼板、蒸着亜鉛めっき鋼板、ニッケルめっき鋼板、スズめっき鋼板、ステンレス鋼板等;アルミニウム板、銅板、チタン板、マグネシウム板等の鋼板以外の金属板等の公知の金属材料を用いることができる。特に好適な金属材料は、溶融亜鉛めっき鋼板、アルミニウム含有亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、合金化亜鉛めっき鋼板、亜鉛ニッケルめっき鋼板、亜鉛コバルトめっき鋼板、蒸着亜鉛めっき鋼板等の亜鉛系めっき鋼板である。
<処理膜>
以下、上述の方法によって得られる、水系下地用表面処理剤由来の皮膜でありZrを含有する皮膜、及び、本発明の溶剤系金属用下塗り塗料由来の塗膜について説明する。
以下、上述の方法によって得られる、水系下地用表面処理剤由来の皮膜でありZrを含有する皮膜、及び、本発明の溶剤系金属用下塗り塗料由来の塗膜について説明する。
(Zrを含有する皮膜)
水系下地用表面処理剤由来の皮膜でありZrを含有する皮膜は、片面当たりのZr付着量が0.5〜75mg/m2であることが好ましく、1〜60mg/m2であることがより好ましい。当該皮膜の片面当たりのZr付着量を0.5〜75mg/m2とすることで、金属材料を覆う被膜の、加工部密着性、耐食性及び耐薬品性が向上する傾向となる。
Zrは、成膜後、金属材料上に形成される皮膜中において酸化ジルコニウム及び水酸化ジルコニウムを主体とした形で存在する。そのため、酸及びアルカリ等に対する耐薬品性の高い皮膜が得られ、金属材料を覆う被膜の耐食性が向上する傾向となる。
水系下地用表面処理剤由来の皮膜でありZrを含有する皮膜は、片面当たりのZr付着量が0.5〜75mg/m2であることが好ましく、1〜60mg/m2であることがより好ましい。当該皮膜の片面当たりのZr付着量を0.5〜75mg/m2とすることで、金属材料を覆う被膜の、加工部密着性、耐食性及び耐薬品性が向上する傾向となる。
Zrは、成膜後、金属材料上に形成される皮膜中において酸化ジルコニウム及び水酸化ジルコニウムを主体とした形で存在する。そのため、酸及びアルカリ等に対する耐薬品性の高い皮膜が得られ、金属材料を覆う被膜の耐食性が向上する傾向となる。
(溶剤系金属用下塗り塗料由来の塗膜)
本発明の溶剤系金属用下塗り塗料由来の下塗り塗膜は、ウレタン結合、バナジウム、非クロム系防錆顔料(D)、及び、前記非クロム系防錆顔料以外の非クロム系顔料(E)を含む塗膜である。なお、該塗膜は、さらにエポキシ基を含んでいてもよい。
本発明の溶剤系金属用下塗り塗料由来の下塗り塗膜は、ウレタン結合、バナジウム、非クロム系防錆顔料(D)、及び、前記非クロム系防錆顔料以外の非クロム系顔料(E)を含む塗膜である。なお、該塗膜は、さらにエポキシ基を含んでいてもよい。
溶剤系金属用下塗り塗料による塗装処理によって形成される塗膜の膜厚は、特に限定されない。該膜厚としては、0.5〜10μmが好ましく、1.0〜5.0μmがより好ましい。該膜厚が0.5μm以上であると金属材料を覆う被膜において優れた耐食性が得られ易くなる。なお、膜厚が10μmを超えた場合、本発明の効果が飽和する。
<<プレコート金属材料>>
次に、本発明のプレコート金属材料について述べる。本発明のプレコート金属材料は、上述の塗膜付き金属材料の塗膜上に、更に上塗り塗装を行うことで、上塗り塗膜を形成させて得られる金属材料である。
次に、本発明のプレコート金属材料について述べる。本発明のプレコート金属材料は、上述の塗膜付き金属材料の塗膜上に、更に上塗り塗装を行うことで、上塗り塗膜を形成させて得られる金属材料である。
<上塗り塗装>
上塗り塗装は、溶剤系金属用下塗り塗料によって形成された下塗り塗膜上に上塗り塗料を塗工する塗装工程と、該下塗り塗膜上に塗工した上塗り塗料を焼き付ける焼付工程とを含む。
上塗り塗装は、溶剤系金属用下塗り塗料によって形成された下塗り塗膜上に上塗り塗料を塗工する塗装工程と、該下塗り塗膜上に塗工した上塗り塗料を焼き付ける焼付工程とを含む。
・塗装工程
上塗り塗料を塗工させる方法は特に制限されず、ロールコーター法、浸漬法、スプレー法、バーコート法等の一般的な方法を使用することができる。
上塗り塗料を塗工させる方法は特に制限されず、ロールコーター法、浸漬法、スプレー法、バーコート法等の一般的な方法を使用することができる。
上塗り塗装に用いられる上塗り塗料としては特に制限されず、金属材料、例えば炭素鋼板、合金鋼板、めっき鋼板、鋼板以外の金属板等、特に亜鉛系めっき鋼板に対する公知の上塗り塗料(トップコート)のいずれをも使用することができ、例えばポリエステル樹脂系、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、メラミン樹脂系、フッ素樹脂系等の上塗り塗料が挙げられる。これらの上塗り塗料は必要に応じて着色顔料や防錆顔料等を含有してもよい。また、上塗り塗料は、クロムを含むものであってもよいが、クロムを含まないものであることが好ましい。
・焼付工程
上塗り塗料の焼付方法については、特に制限されず、例えば、130〜250℃の温度範囲内で10秒〜5分間焼き付けを行う等の方法を挙げることができる。
上塗り塗料の焼付方法については、特に制限されず、例えば、130〜250℃の温度範囲内で10秒〜5分間焼き付けを行う等の方法を挙げることができる。
<上塗り塗膜>
上塗り塗膜の膜厚は、3〜50μmの範囲内であることが好ましく、5〜30μmの範囲内であるのがより好ましい。3〜50μmの範囲内とすることで、上塗り塗膜において均一な着色外観を得やすくなり、金属材料を覆う被膜の耐食性が向上する傾向となり、また、上塗り塗膜自体が凝集破壊を起こし難くなるため、上塗り塗膜と下塗り塗膜との密着性が向上する傾向となる。
上塗り塗膜の膜厚は、3〜50μmの範囲内であることが好ましく、5〜30μmの範囲内であるのがより好ましい。3〜50μmの範囲内とすることで、上塗り塗膜において均一な着色外観を得やすくなり、金属材料を覆う被膜の耐食性が向上する傾向となり、また、上塗り塗膜自体が凝集破壊を起こし難くなるため、上塗り塗膜と下塗り塗膜との密着性が向上する傾向となる。
なお、このような上塗り塗膜は、主としてプレコート金属材料に意匠性を付与すること及び耐食性向上を目的として設けられる。
以上のように、本発明によって、金属材料を覆う被膜の加工部密着性、カット部耐食性、耐薬品性、耐コインスクラッチ性等の諸性能を総合的に満足し、端面部耐食性に優れる被膜を金属材料上に形成することができる溶剤系金属用下塗り塗料、該溶剤系金属用下塗り塗料を用いて形成される、塗膜付き金属材料及びプレコート金属材料を実現できる。
以下、実施例及び比較例によって本発明を更に詳しく説明する。本発明は、下記実施例に限定されるものではなく、当業者が通常行い得る設計変更は、本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)溶剤系金属用下塗り塗料の調製
表1に基づき、実施例1〜41及び比較例1〜10の溶剤系金属用下塗り塗料の調製を行った。
表1に基づき、実施例1〜41及び比較例1〜10の溶剤系金属用下塗り塗料の調製を行った。
以下に、表1に示す各記号の成分について説明する。
溶剤系金属用下塗り塗料の全固形分に対し、エポキシ樹脂(A)、ブロックポリイソシアネート化合物(B)、バナジウムアルコキシド(C)、非クロム系防錆顔料(D)、非クロム系顔料(E)を、表1における比率となるようにシンナー(30〜40質量%のトルエンを含む)に混合し、溶剤系金属用下塗り塗料を得た。なお、シンナーは、成分(A)〜(E)の全固形分質量に対して1.2〜1.35倍の質量を用いた。
表1中、各成分の「質量%」は、溶剤系金属用下塗り塗料中の全固形分に対する各成分の「質量%」を表す。また、表1中、「B/A」、「C/A」、「D/A」は、それぞれの成分の質量比を表す。
溶剤系金属用下塗り塗料の全固形分に対し、エポキシ樹脂(A)、ブロックポリイソシアネート化合物(B)、バナジウムアルコキシド(C)、非クロム系防錆顔料(D)、非クロム系顔料(E)を、表1における比率となるようにシンナー(30〜40質量%のトルエンを含む)に混合し、溶剤系金属用下塗り塗料を得た。なお、シンナーは、成分(A)〜(E)の全固形分質量に対して1.2〜1.35倍の質量を用いた。
表1中、各成分の「質量%」は、溶剤系金属用下塗り塗料中の全固形分に対する各成分の「質量%」を表す。また、表1中、「B/A」、「C/A」、「D/A」は、それぞれの成分の質量比を表す。
以下に、表1に示す成分について説明する。
<エポキシ樹脂(A)>
A1:Mw30000 酸価1mgKOH/g以下 水酸基価215mgKOH/g
A2:Mw50000 酸価1mgKOH/g以下 水酸基価245mgKOH/g
A3:Mw35000 酸価1mgKOH/g以下 水酸基価215mgKOH/g
<エポキシ樹脂(A)>
A1:Mw30000 酸価1mgKOH/g以下 水酸基価215mgKOH/g
A2:Mw50000 酸価1mgKOH/g以下 水酸基価245mgKOH/g
A3:Mw35000 酸価1mgKOH/g以下 水酸基価215mgKOH/g
<ブロックポリイソシアネート化合物(B)>
B1:デュラネートE402−B80B(旭化成ケミカルズ(株)製)
B1:デュラネートE402−B80B(旭化成ケミカルズ(株)製)
<バナジウムアルコキシド(C)>
C1:バナジウムオキシトリイソプロポキシド
C1:バナジウムオキシトリイソプロポキシド
<非クロム系防錆顔料(D)>
以下の非クロム系防錆顔料(D)と、上記シンナーと、エポキシ樹脂(A)との質量比が1:1:1となるように混合し、ビーズミル(回転数:5000rpm、時間:20分間)にて分散したものを使用した。
D1:K−WHITE G750(Al系)
D2:LFボウセイ ZP−DL(Zn系)
D3:LFボウセイ M−PSN(Mo系)
以下の非クロム系防錆顔料(D)と、上記シンナーと、エポキシ樹脂(A)との質量比が1:1:1となるように混合し、ビーズミル(回転数:5000rpm、時間:20分間)にて分散したものを使用した。
D1:K−WHITE G750(Al系)
D2:LFボウセイ ZP−DL(Zn系)
D3:LFボウセイ M−PSN(Mo系)
<非クロム系顔料(E)>
以下の非クロム系顔料(E)と、上記シンナーと、エポキシ樹脂(A)との質量比が1:1:1となるように混合し、ビーズミル(回転数:5000rpm、時間:20分間)にて分散したものを使用した。
E1:酸化チタン+カオリン(配合比率(質量比) 酸化チタン:カオリン=2:1)
以下の非クロム系顔料(E)と、上記シンナーと、エポキシ樹脂(A)との質量比が1:1:1となるように混合し、ビーズミル(回転数:5000rpm、時間:20分間)にて分散したものを使用した。
E1:酸化チタン+カオリン(配合比率(質量比) 酸化チタン:カオリン=2:1)
次に、表2に基づき、後述の評価試験に用いる試験板(試験板A1〜A42及び試験板B1〜B10)の作製を行った。
以下に、試験板の作製方法について説明する。試験板を得るための表面処理としては、素材である鋼板に対して、まず前処理を行い、次いで必要に応じて水系下地用表面処理剤による表面処理を行い、更に溶剤系金属用下塗り塗料による下塗り塗装を行い、最後に上塗り塗装を行った。なお、表2は、各試験板において適用された以下の処理方法等を示す。
(2)素材(鋼板)
以下の市販材料を素材として使用した。
(M1)55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板(GL:ガルバリウム鋼板)
板厚0.35mm、めっき付着量片面当たり150g/m2(両面めっき)
以下の市販材料を素材として使用した。
(M1)55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板(GL:ガルバリウム鋼板)
板厚0.35mm、めっき付着量片面当たり150g/m2(両面めっき)
(3)前処理(洗浄)
鋼板の表面に、日本パーカライジング社製ファインクリーナーE6406の20g/l水溶液を60℃で5秒間スプレーし、表面上の油分や汚れを取り除いた。次に、純水を流しかけ、100℃で鋼板の表面を乾燥させた。
鋼板の表面に、日本パーカライジング社製ファインクリーナーE6406の20g/l水溶液を60℃で5秒間スプレーし、表面上の油分や汚れを取り除いた。次に、純水を流しかけ、100℃で鋼板の表面を乾燥させた。
(4)水系下地用表面処理剤による表面処理
(4-1)下地1
脱イオン水80質量部に、コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製 スノーテックスC 濃度20質量%)10質量部、炭酸ジルコニウムアンモニウム(日軽金属(株)製、ベイコート20 ZrO2濃度20%)10質量部を混合して得た水系下地用表面処理剤を、表2に示すZr付着量が得られるように所定のロールコーターを用いて、前処理した鋼板の表面上に塗布した。続いて、熱風乾燥炉にて鋼板の最高到達温度が80℃となる条件で、鋼板の表面上に塗布された水系下地用表面処理剤を乾燥させ、鋼板上に皮膜を形成した。
(4-1)下地1
脱イオン水80質量部に、コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製 スノーテックスC 濃度20質量%)10質量部、炭酸ジルコニウムアンモニウム(日軽金属(株)製、ベイコート20 ZrO2濃度20%)10質量部を混合して得た水系下地用表面処理剤を、表2に示すZr付着量が得られるように所定のロールコーターを用いて、前処理した鋼板の表面上に塗布した。続いて、熱風乾燥炉にて鋼板の最高到達温度が80℃となる条件で、鋼板の表面上に塗布された水系下地用表面処理剤を乾燥させ、鋼板上に皮膜を形成した。
(4-2)下地2
脱イオン水80質量部に、コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製 スノーテックスC 濃度20質量%)20質量部を混合して得た水系下地用表面処理剤を、0.1g/m2の乾燥皮膜量が得られるようにロールコーターを用いて、前処理した鋼板の表面上に塗布した。続いて、熱風乾燥炉にて鋼板の最高到達温度が80℃となる条件で、鋼板の表面上に塗布された水系下地用表面処理剤を乾燥させ、鋼板の表面上に皮膜を形成した。
脱イオン水80質量部に、コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製 スノーテックスC 濃度20質量%)20質量部を混合して得た水系下地用表面処理剤を、0.1g/m2の乾燥皮膜量が得られるようにロールコーターを用いて、前処理した鋼板の表面上に塗布した。続いて、熱風乾燥炉にて鋼板の最高到達温度が80℃となる条件で、鋼板の表面上に塗布された水系下地用表面処理剤を乾燥させ、鋼板の表面上に皮膜を形成した。
(5)溶剤系金属用下塗り塗料による下塗り塗装
水系下地用表面処理剤による表面処理を行った又は行わなかった鋼板の表面上に、表2に示す膜厚となるように、溶剤系金属用下塗り塗料をバーコーターで塗布した後、鋼板の最高到達温度が210℃となるように30秒間焼付けを行い、鋼板の表面上に溶剤系金属用下塗り塗料由来の下塗り塗膜を形成した。
水系下地用表面処理剤による表面処理を行った又は行わなかった鋼板の表面上に、表2に示す膜厚となるように、溶剤系金属用下塗り塗料をバーコーターで塗布した後、鋼板の最高到達温度が210℃となるように30秒間焼付けを行い、鋼板の表面上に溶剤系金属用下塗り塗料由来の下塗り塗膜を形成した。
(6)上塗り塗装
(6-1)上塗り1
ポリエステル樹脂60質量部、ブチル化メラミン樹脂15質量部、酸化チタン10質量部及びベンガラ15質量部を含む上塗り塗料を、バーコーターにて膜厚が15μmとなるように、溶剤系金属用下塗り塗料由来の下塗り塗膜が形成された鋼板の表面上に塗布した後、鋼板の最高到達温度が220℃となるように40秒間焼付けを行い、各試験板を得た。
(6-1)上塗り1
ポリエステル樹脂60質量部、ブチル化メラミン樹脂15質量部、酸化チタン10質量部及びベンガラ15質量部を含む上塗り塗料を、バーコーターにて膜厚が15μmとなるように、溶剤系金属用下塗り塗料由来の下塗り塗膜が形成された鋼板の表面上に塗布した後、鋼板の最高到達温度が220℃となるように40秒間焼付けを行い、各試験板を得た。
(7)評価試験の方法
(7-1)耐食性
各試験板の塗膜に、鋼板に達する傷をカッターで入れ、JIS−Z2371:2000に規定された塩水噴霧試験を480時間実施した。カット部耐食性の評価は、カット部からの塗膜膨れ幅(片側最大値)を測定し、以下の評価基準に基づいて行った。また、端面部耐食性の評価は、試験板の端面からの塗膜膨れ幅(最大値)を測定し、以下の評価基準に基づいて行った。
<評価基準−カット部耐食性>
◎:2mm未満
〇:2mm以上3mm未満
〇-:3mm以上4mm未満
×:4mm以上
<評価基準−端面部耐食性>
◎:3mm未満
○:3mm以上5mm未満
〇-:5mm以上7mm未満
×:7mm以上
(7-1)耐食性
各試験板の塗膜に、鋼板に達する傷をカッターで入れ、JIS−Z2371:2000に規定された塩水噴霧試験を480時間実施した。カット部耐食性の評価は、カット部からの塗膜膨れ幅(片側最大値)を測定し、以下の評価基準に基づいて行った。また、端面部耐食性の評価は、試験板の端面からの塗膜膨れ幅(最大値)を測定し、以下の評価基準に基づいて行った。
<評価基準−カット部耐食性>
◎:2mm未満
〇:2mm以上3mm未満
〇-:3mm以上4mm未満
×:4mm以上
<評価基準−端面部耐食性>
◎:3mm未満
○:3mm以上5mm未満
〇-:5mm以上7mm未満
×:7mm以上
(7−2)加工部密着性
各試験板を沸水中に2時間浸漬した後、試験板を沸水から取り出して1日間放置した。続いて、JIS−G3312:2012の試験法に準じて、内側間隔板を挟まない0T折曲げ試験を20℃で行った後、塗膜にセロハン粘着テープを貼り付け、テープを剥がしたときの塗膜剥離状態を肉眼で観察し、以下の評価基準に基づいて加工部密着性の評価を行った。
<評価基準>
◎:剥離なし
○:剥離面積0超10%未満
〇-:剥離面積10%以上30%未満
×:剥離面積30%以上
各試験板を沸水中に2時間浸漬した後、試験板を沸水から取り出して1日間放置した。続いて、JIS−G3312:2012の試験法に準じて、内側間隔板を挟まない0T折曲げ試験を20℃で行った後、塗膜にセロハン粘着テープを貼り付け、テープを剥がしたときの塗膜剥離状態を肉眼で観察し、以下の評価基準に基づいて加工部密着性の評価を行った。
<評価基準>
◎:剥離なし
○:剥離面積0超10%未満
〇-:剥離面積10%以上30%未満
×:剥離面積30%以上
(7−3)耐コインスクラッチ性
各試験板の塗膜上に10円硬貨を45°の角度で設置して、10円硬貨に2kgの荷重をかけて一定速度(1m/min)でこすり、塗膜の傷つき度を肉眼で観察し、以下の評価基準に基づいて耐コインスクラッチ性の評価を行った。
<評価基準>
◎:剥離面積10%未満
○:剥離面積10%以上20%未満
〇-:剥離面積20%以上40%未満
×:剥離面積40%以上
各試験板の塗膜上に10円硬貨を45°の角度で設置して、10円硬貨に2kgの荷重をかけて一定速度(1m/min)でこすり、塗膜の傷つき度を肉眼で観察し、以下の評価基準に基づいて耐コインスクラッチ性の評価を行った。
<評価基準>
◎:剥離面積10%未満
○:剥離面積10%以上20%未満
〇-:剥離面積20%以上40%未満
×:剥離面積40%以上
(7−4)耐薬品性
(7-4-1)耐アルカリ性
各試験板の塗膜に、鋼板に達する傷をカッターで入れ、試験板を3質量%の水酸化ナトリウム水溶液に気温25℃で72時間浸漬した後、カット部からの塗膜膨れ幅(片側最大値)を測定し、以下の評価基準に基づいて、耐アルカリ性の評価を行った。
<評価基準>
◎:2mm未満
〇:2mm以上3mm未満
〇-:3mm以上4mm未満
×:4mm以上
(7-4-1)耐アルカリ性
各試験板の塗膜に、鋼板に達する傷をカッターで入れ、試験板を3質量%の水酸化ナトリウム水溶液に気温25℃で72時間浸漬した後、カット部からの塗膜膨れ幅(片側最大値)を測定し、以下の評価基準に基づいて、耐アルカリ性の評価を行った。
<評価基準>
◎:2mm未満
〇:2mm以上3mm未満
〇-:3mm以上4mm未満
×:4mm以上
(7-4-2)耐酸性
各試験板の塗膜に、鋼板に達する傷をカッターで入れ、試験板を3質量%の硫酸水溶液に気温25℃で72時間浸漬した後、カット部からの塗膜膨れ幅(片側最大値)を測定し、以下の評価基準に基づいて、耐酸性の評価を行った。
<評価基準>
◎:2mm未満
〇:2mm以上3mm未満
〇-:3mm以上4mm未満
×:4mm以上
各試験板の塗膜に、鋼板に達する傷をカッターで入れ、試験板を3質量%の硫酸水溶液に気温25℃で72時間浸漬した後、カット部からの塗膜膨れ幅(片側最大値)を測定し、以下の評価基準に基づいて、耐酸性の評価を行った。
<評価基準>
◎:2mm未満
〇:2mm以上3mm未満
〇-:3mm以上4mm未満
×:4mm以上
各試験板に関して、上記(7−1)〜(7−4)の評価を行った結果を、表3に示す。
なお、実用上の観点から、上記評価項目において「×」がないことが要求される。
なお、実用上の観点から、上記評価項目において「×」がないことが要求される。
表3に示すように、本発明の溶剤系金属用下塗り塗料由来の塗膜を含む被膜が表面上に形成された金属材料(試験板A1〜A42)は、金属材料を覆う被膜の加工部密着性、カット部耐食性、耐薬品性、耐コインスクラッチ性等の諸性能を総合的に満足し、端面部耐食性に優れることが分かった。
Claims (7)
- 水酸基を有するエポキシ樹脂(A)と、
ブロックポリイソシアネート化合物(B)と、
一般式VO(OR)3(Rは、それぞれ独立にアルキル基を表す。)で表されるバナジウムアルコキシド(C)と、
非クロム系防錆顔料(D)と、
前記非クロム系防錆顔料以外の非クロム系顔料(E)と、
を含有する溶剤系金属用下塗り塗料。 - 前記水酸基を有するエポキシ樹脂(A)の含有量が、溶剤系金属用下塗り塗料の全固形分に対し、25〜60質量%であり、
前記水酸基を有するエポキシ樹脂(A)と前記非クロム系防錆顔料(D)との質量比(D/A)が0.25〜1.3である
請求項1に記載の溶剤系金属用下塗り塗料。 - 前記水酸基を有するエポキシ樹脂(A)の含有量が、溶剤系金属用下塗り塗料の全固形分に対し、25〜60質量%であり、
前記水酸基を有するエポキシ樹脂(A)と前記ブロックポリイソシアネート化合物(B)との質量比(B/A)が0.06〜1.0の範囲内である
請求項1又は2に記載の溶剤系金属用下塗り塗料。 - 前記水酸基を有するエポキシ樹脂(A)の含有量が、溶剤系金属用下塗り塗料の全固形分に対し、25〜60質量%であり、
前記水酸基を有するエポキシ樹脂(A)と前記バナジウムアルコキシド(C)との質量比(C/A)が0.002〜0.067の範囲内である
請求項1〜3のいずれかに記載の溶剤系金属用下塗り塗料。 - 金属材料と;前記金属材料上に形成された、Zrを含有する水系下地用表面処理剤由来の皮膜であって、片面当たりのZr付着量が0.5〜75mg/m2の表面処理皮膜と;前記表面処理皮膜上に形成された、請求項1〜4のいずれかに記載の溶剤系金属用下塗り塗料由来の塗膜と、を有する塗膜付き金属材料。
- Zrを含有する皮膜と;前記皮膜上に形成された、ウレタン結合、バナジウム、非クロム系防錆顔料(D)、及び、前記非クロム系防錆顔料以外の非クロム系顔料(E)を含む塗膜と;を有する塗膜付き金属材料。
- 請求項5又は6に記載の塗膜付き金属材料の前記塗膜上に、クロムを含まない上塗り塗膜を更に有するプレコート金属材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016072235A JP2017179261A (ja) | 2016-03-31 | 2016-03-31 | 溶剤系金属用下塗り塗料、塗膜付き金属材料及びプレコート金属材料 |
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Publication Number | Publication Date |
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ID=60003571
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115651487A (zh) * | 2022-11-16 | 2023-01-31 | 株洲市九华新材料涂装实业有限公司 | 一种水性环氧底漆及其制备方法与应用 |
WO2024011502A1 (en) * | 2022-07-14 | 2024-01-18 | Henkel Ag & Co. Kgaa | Protection coating composition, treating method using the same and article thereof |
-
2016
- 2016-03-31 JP JP2016072235A patent/JP2017179261A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
WO2024011502A1 (en) * | 2022-07-14 | 2024-01-18 | Henkel Ag & Co. Kgaa | Protection coating composition, treating method using the same and article thereof |
CN115651487A (zh) * | 2022-11-16 | 2023-01-31 | 株洲市九华新材料涂装实业有限公司 | 一种水性环氧底漆及其制备方法与应用 |
CN115651487B (zh) * | 2022-11-16 | 2024-01-26 | 株洲市九华新材料涂装实业有限公司 | 一种水性环氧底漆及其制备方法与应用 |
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