JP2017178827A - エチレンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アセチレンの水添反応によるエチレンへの転化を効率的に行い、かつ、水添触媒の寿命を延ばすエチレンの製造方法の提供。
【解決手段】ナフサを熱分解し、蒸留してエチレンを得る方法であって、エタンとエチレンを分留する前に、分留される原料に含まれるアセチレンをアセチレン水添槽において触媒存在下で水素添加して、エチレン又はエタンに変換する工程を有し、運転に伴う入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合が、事前に定めておいた第1の値以上になったところで、アセチレン水添槽の入り口温度を変更することなく水素添加量を上昇させることにより入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合を低下させ、入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合が、事前に定めておいた第2の値以上になったところで、アセチレン水添槽の入り口温度を上昇させるエチレンの製造方法。
【選択図】図4

Description

本発明は、原油からエチレンを製造する方法に関し、特に好ましくは、ナフサを原料とし、ナフサの熱分解により生じたパラフィン及びオレフィン中に含まれるアセチレンを効率的かつ工業的に無駄なくエチレンに変換するエチレンの製造方法に関する。
エチレンは、各種化学工業の原料として使用されるものであり、その製造方法としては、日本においては一般に次のような手法が用いられている。ナフサ(炭素数5から12程
度の炭化水素の混合物)を熱分解した後、通常ガソリン塔と呼ばれる蒸留塔でいわゆるヘ
ビーエンド成分や、ガソリンとして使用される炭素数の比較的大きい(例えば炭素数5以
上)炭化水素を分留する。その後、順番は問わないが、深冷分離による水素の分離、各種
蒸留塔による炭素数別に分離され、必要な炭化水素を得ることが行われている。特にエチレンは、熱分解の結果発生したアセチレンをエタン又はエチレンに変換するためのアセチレン水添を行ったあと、エチレンとエタンを分留する蒸留塔を通して製造されることが、一般的である。この時、アセチレンを水添する際には、アセチレン水添槽内に水添触媒を設置して使われる。例えば特許文献1(特開昭54−157507号公報)に記載されているようなパラジウム触媒などが、以前よりよく使われている。そしてこのアセチレン水添槽の運用に関しては、槽への入り口温度と、水素の添加量を制御して出口側のアセチレン濃度が十分に下がるよう、設定されている。この入口温度と水素の添加量の制御に関しては、例えば特許文献2(特開2002−309272号公報)に記載されているような方法が提案されている。ここには実際にどのように運用するかについての具体的な記載は無いが、主反応としてC22+H2→C24と、副反応としてのC24+H2→C26が存在していることが記載されている。
また反応器(上でいうアセチレン水添槽に相当)出口の未反応水素濃度(X)、及び反応選択性を表す指標として、反応器出口のアセチレン類又はジエン類の濃度(Y)を測定し、これを予め定められた上下限値内に制御すべく、反応器入口温度(T)、及び反応器入口における水素/(アセチレン類+ジエン類)比(R)を調整することが記載されている
。その具体的な方法に関しては、一般的な方向として、未反応水素濃度(X)が低ければ入口温度(T)を下げること、反応器出口のアセチレン類又はジエン類の濃度(Y)を採り、これを予め定められた上下限値内に維持する様に、反応器入口における水素/(アセチレン類+ジエン類)比(R)を調整することが記載されている。
特開昭54−157507号公報 特開2002−309272号公報
しかしながら、特許文献2には、主に2つの一般的な制御についての記載はあるが、具体的なラインへの適用については、「予め反応器入口温度(T)及び反応器入口の[水素
のモル数/(アセチレン類のモル数+ジエン類のモル数)比](R)と、反応器出口の未反応水素モル濃度(X)、及び反応器出口のアセチレン類又はジエン類モル濃度(Y)の動的な相関をプラントテストによって把握し、この相関をモデルとして使用する多変数モデル予測制御コントローラーを用いる。」程度の記載しかなく、具体性には乏しかった。
また、アセチレン水添触媒は、パラジウム等を使う高価なものであり、これの寿命をなるべく伸ばすことは、工業的には重要であるが、上述の文献等には触媒の寿命を課題にすることも、それをどのように解決するかについても記載がない。
そこで本発明者は、鋭意検討の結果、かかる触媒の寿命は、副反応により発生した、グリーンオイルと呼ばれる、常温で液状あるいは固体状の炭化水素の発生により、触媒の有効な表面積が減少して、触媒の効率が低下するために寿命となる事、このグリーンオイルによる触媒能力の低下は、温度が高いときに加速されることを見出し、本発明に到達した。すなわち本発明は、どのようなプラントであっても、そのエチレン生産量に対する触媒寿命を延ばし、かつアセチレンの水添反応によるエチレンへの転化を効率的に行うエチレンの製造方法を得ることに成功し、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は、以下に存する。
(1)ナフサを熱分解し、蒸留してエチレンを得る方法であって、エタンとエチレンを分留する前に、分留される原料に含まれるアセチレンをアセチレン水添槽において触媒存在下で水素添加して、エチレン又はエタンに変換する工程を有し、
運転に伴う入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合が、事前に定めておいた第1の値以上になったところで、アセチレン水添槽の入口温度を変更することなく水素添加量を上昇させることにより入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合を低下させ、
入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合が、事前に定めておいた第2の値以上になったところで、アセチレン水添槽の入口温度を上昇させるエチレンの製造方法、
(2)ナフサを熱分解し、蒸留してエチレンを得る方法であって、エタンとエチレンを分留する前に、分留される原料に含まれるアセチレンをアセチレン水添槽において触媒存在下で水素添加して、エチレン又はエタンに変換する工程を有し、
運転に伴う入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合が、事前に定めておいた第1の値以上になったところで、アセチレン水添槽の入口温度を変更することなく水素添加量を上昇させることにより入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合を低下させ、
入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合が、事前に定めておいた第2の値以上になる前にエチレンが増加した量が0以下になった場合、触媒の洗浄及び/又は交換を行うエチレンの製造方法、
(3)第2の値≧第1の値である(1)又は(2)記載のエチレンの製造方法、
(4)第1の値が50%以上である(1)乃至(3)のいずれかに記載のエチレンの製造方法。
本発明により、アセチレン水添の触媒寿命が長く、かつエチレンの収率を高くできるエチレンの製造方法を得ることが出来る。
図1は、従来法のアセチレン水添槽の入口温度と水素の添加量(濃度)の制御の様子を説明した図である。 図2は、図1で示した制御を行った時の、アセチレン水添槽出口のアセチレン濃度と、得られたエチレン量(エチレンゲイン)を説明する図である。図中のエチレンゲインは任意単位である。 図3は、本発明の実施例におけるアセチレン水添槽の入口温度と水素の添加量(濃度)の制御の様子を説明した図である。 図4は、図3で示した制御を行った時の、アセチレン水添槽出口のアセチレン濃度と、得られたエチレン量を説明する図である。図中のエチレンゲインは任意単位である。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定されない。
本発明は、公知のエチレンの製造方法であって、アセチレン水添槽を用いる全ての方法に適用できる。以下、ナフサの熱分解、水素の除去、アセチレン水添反応、蒸留による各炭化水素の分画について順に説明する。
(ナフサの熱分解とガソリン成分の分離)
ナフサの熱分解は、石油化学の公知の情報に基づき、適宜行うことが出来る。例えば公開されている丸善石油化学千葉工場の第3エチレン製造装置の説明(例えば「Web版 化
学プロセス集成 エチレンプラント」http://www3.scej.org/education/ethylene.html)
においては、「ナフサを熱分解してエチレン(25-30%),プロピレン(15%)等のオレフィンを含む低分子炭化水素にして,それを各成分に分離する。原料ナフサが希釈水蒸気(原料に対して0.5〜0.9の割合)とともに、バーナーで750-850℃にされた分解炉内の多数の管内
を通過する。反応管は直径5cm、長さ20m程度の管である。(触媒は使用していない。)この高温管内を通過する0.3-0.6秒間にナフサの分解反応がおこる。分解炉を出たガスはた
だちに400-600℃に急冷してそれ以上の分解を防ぐ。さらにリサイクル油を噴霧して冷却
する。冷却された分解ガスはガソリン精留塔で重質成分を分離する。次のクエンチタワーでは塔の上部から水を噴霧して水分とガソリン成分(C5-C9)を凝縮分離する。ガスは圧縮
機で昇圧して分離工程に送られる。」との記載があるが、本発明においても、このような公知の装置と同様に、ナフサを熱分解し、ガソリン成分を分離すればよい。
(水素の除去)
得られたナフサの熱分解物より、水素を除去する。水素分離は通常深冷分離機により、高圧下、低温で分離される。この時の温度と圧力は、温度は−150℃以下、圧力は30気圧以上とすることが一般的である。水素分離は、ガソリン成分分離後直ぐに行っても良いが、アセチレン水添反応後に行っても良い。ただし水素濃度のコントロールしやすさより、アセチレン水添反応槽に供給される前に、水素分離を行うことがより好ましい。
(アセチレン水添反応)
本発明においては、エタンとエチレンを分留する前に、分留される原料に含まれるアセチレンをアセチレン水添槽において触媒存在下で水素添加して、エチレン又はエタンに変換する工程を必ず有する。
この時、エチレンの収率に大きく影響するのは、アセチレン水添槽の入口温度と、水素の濃度である。
アセチレンの水添反応によりエチレンを得る反応は、前述のとおりC22+H2→C24であるが、副反応として、C24+H2→C26というエチレンがエタンになってしまう反応も生じる。実際のプラントでは、運転しているうちに、触媒の劣化が起こるため、アセチレン水添槽出口におけるアセチレンの濃度が上昇し、またエチレンの得られる量が低下してくる。これに対応するには、水素の濃度を上げるか、アセチレン水添槽の入口温度を上げるかが実際に取りえる対策になる。上述の反応を見れば明らかなように、まずアセチレンに水素が反応してエチレンになり、更にそのエチレンに水素が反応してエタンになるため、水素の量が過剰であれば、エタンの生成が増えることが見て取れる。よって通常は、水素の濃度を上げるより、まずは温度を上げることが行われやすい。
しかし本発明においては、このようにアセチレン濃度の上昇と、エチレンの増加した量、すなわちアセチレンが水素添加されエチレンが増加した量と、エチレンが水素添加されエタンが増加した量の差に相当する量(以下エチレンゲインということがある)が減少した場合に、運転に伴う入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合が、事前に定めておいた第1の値以上になったところで、アセチレン水添槽の入口温度を変更することなく、水素添加量を上昇させることにより入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合を低下させ、水素添加量を上昇させても入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合が十分減少しなくなり、入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合が、事前に定めておいた第2の値以上になったところで、アセチレン水添槽の入口温度を上昇させアセチレン水添槽出口のアセチレン濃度を低下させることとする。
このような、水素添加量を優先する対応をすることにより、実際にはアセチレン水添触媒の劣化が抑えられ、エチレンがエタンになる反応よりもアセチレンが触媒によりエチレンになる反応を、より長期にわたり高く維持することが出来、結果的にエチレンの得られる量であるエチレンゲインを高くすることができ、かつ触媒の寿命も長くすることができる。
またこのバリエーションとして、入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合が第2の値に達する前にエチレンゲインが0になってしまった場合には、そこで触媒の洗浄及び/又は触媒の交換を行えばよい。
ここで、実際に触媒交換又は触媒再生後の運転条件について説明する。まずアセチレン水添槽の入口温度としては、触媒の推奨温度で始めればよい。一般的に使用されるパラジウム系触媒であれば、40℃程度で使用開始し、入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合が、許容される限界になる値(第1の値)に上がったところで、水素添加量を上げて、出口側のアセチレン濃度を確認する。ここで水素添加量を上げる幅としては特に限定されず、連続的に供給圧力、あるいは流量を上げることにより水素添加量を増やせばよい。運転を継続すると、多くの場合入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合が、水素添加量を上げても下がらなくなり、そして入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合が第2の値以上になったところでアセチレン水添槽への入口側温度を上昇させる。これにより入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合が下げる。その後も入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合が第1の値以上になったところで、まずは水素添加量を上げ、第2の値になったところでアセチレン水添槽への入口側温度を上昇させることを繰り返す。水素添加量を上げることを何回か繰り返した後は、水素濃度を上昇させても、入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合が第1の値にまで下がらなくなる。その場合は、第1の値、第2の値を変更し、設備の許容圧力、触媒の許容温度以下の範囲で、水素添加量を優先させる。
いずれにしてもエチレンゲインが0以下になってしまったところでアセチレン水添触媒を洗浄して再生したり、交換したりすればよい
アセチレン水添触媒を新しくした場合、あるいは洗浄後に処理を再開する場合の入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合としては、アセチレン水添槽の前の条件により任意の値を選ぶことが出来るが、好ましくは入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合として、第1の値が50%以上、第2の値としては55%以上である。
第1の値と第2の値は、触媒の劣化と共に変化させてもよく、第1の値と第2の値は同一であるか第2の値の方を高くする。またより好ましくは第1の値は35%以上、80%
以下の範囲で設定すればよく、第2の値は45%以上、75%以下の範囲で設定するとよい。
第1の値と第2の値の差は、3%以上、より好ましくは5%以上離れていることである。
入口側の水素添加量としては、入口側アセチレンの濃度により変化するので特に限定されないが、通常、入口のアセチレン濃度に対する添加する水素のモルの割合として80%
以上でスタートさせる。水素濃度を上げる際には、温度に比べると容易に連続して変
化させることが出来るため、連続的に変化させて、出口側のアセチレン濃度を確認するとよい。水素濃度の上限は通常、入口のアセチレン濃度に対する添加する水素のモル割合として140%以下である。通常の運転における入口側の水素添加量は、これら上限と下限の範囲内である80%以上、140%以下で行う。
実際に使用されるアセチレン水添触媒は、特に限定されないが、パラジウムを使用する触媒が、一般的に使用できる。
(蒸留による各炭化水素の分留)
蒸留による各炭化水素の分留は、常法に従って行えばよく、特に限定されない。本発明においては、エチレンとエタンの分留の前にアセチレンの水添反応が行われれば、それ以外は特に限定されることなく、常法に従って、各炭化水素を分留すればよい。
(その他)
その他、常法に従い、例えばソーダ洗浄塔で硫黄や二酸化炭素のような酸性ガスを除去する装置を設けたり、各種の追加設備を設けてもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
[実施例1、比較例1]
パラジウム系のアセチレン水添触媒を備えたアセチレン水添器に、アセチレン濃度1mol%のエチレン/エタン混合気体と水素を導入した。最初に比較例1として、入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合の増加に対して、アセチレン水添槽の入口温度及び入口水素濃度の両方を操作することで、入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合を減少させた。この時の入口温度と、入口での水素添加量を、図1に示す。また、出口側のアセチレン濃度とエチレンゲインを図2に示す。エチレンゲインとは、アセチレンが水素添加されエチレンが増加した量と、エチレンが水素添加されエタンが増加した量の差を表している。つまり、エチレンゲインとは、アセチレン水添槽で増加したエチレンの割合を示す指標である。図中のエチレンゲインは任意単位である。
次いで実施例1として、本発明による方法を使用し、第1の値、すなわち入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合を50%、第2の値として55%を設定し、出口アセチレン濃度の増加に対して、入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合が50%以上55%未満では入口温度は操作せずに入口水素濃度を操作し、入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレンのモルの割合が55%以上では入口温度及び入口水素濃度の両方を操作することで、出口アセチレン濃度を
減少させた。この時の入口温度と、入口での水素添加量を、図3に示す。また、出口側のアセチレン濃度とエチレンゲインを図4に示す。図中のエチレンゲインは任意単位である。
この結果、比較例と実施例の両方において、エチレンゲインはなだらかに低下している
様子がわかるが、比較例では後半に急激な低下が見られ、結果としてエチレンゲインの悪化につながっている。一方で、実施例では急激な低下は無く、終始なだらかな傾きであることが分かる。また、実施例のアセチレン出口濃度は55%を超えることが無かったため
、入口温度の操作は行わなかった。
[実施例2、比較例2]
比較例2として、比較例1の制御方法(出口アセチレン濃度の上昇に対し入口温度と水素濃度の両方を増加させて対応)でエチレンゲインが0に低下するまで制御して運転を行い、その後アセチレン水添槽の再生を行い、再度アセチレン水添槽を運転することを11回繰り返し、その平均の運転ロードとエチレンゲインをそれぞれ100とした。一方実施例2として、実施例1と同じ第1の値と第2の値を設定し、比較例1の制御方法を用いて、エチレンゲインが比較例2と同じである0に低下するまで制御し、その後アセチレン水添槽の再生を行い、再度アセチレン水添槽を運転することを11回繰り返し、その平均の運転ロードとエチレンゲインを求めたところ、それぞれ平均エチレンゲインが114.7、運転ロードが101.9であった。
また、洗浄までの平均日数は、比較例2の場合45.4日、実施例2の場合45.6日とほぼ同等であった。
これらの結果より、本発明のアセチレン水添槽の制御方法に特徴のあるエチレンの製造方法により、従来より15%エチレンゲインが優れている。また、触媒を再生するまでに得られるエチレンの量が増加しており、エチレン生産量に対する触媒寿命を延ばすことが出来る。

Claims (4)

  1. ナフサを熱分解し、蒸留してエチレンを得る方法であって、エタンとエチレンを分留する前に、分留される原料に含まれるアセチレンをアセチレン水添槽において触媒存在下で水素添加して、エチレン又はエタンに変換する工程を有し、
    運転に伴う入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合が、事前に定めておいた第1の値以上になったところで、アセチレン水添槽の入口温度を変更することなく水素添加量を上昇させることにより入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合を低下させ、
    入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合が、事前に定めておいた第2の値以上になったところで、アセチレン水添槽の入口温度を上昇させるエチレンの製造方法。
  2. ナフサを熱分解し、蒸留してエチレンを得る方法であって、エタンとエチレンを分留する前に、分留される原料に含まれるアセチレンをアセチレン水添槽において触媒存在下で水素添加して、エチレン又はエタンに変換する工程を有し、
    運転に伴う入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合が、事前に定めておいた第1の値以上になったところで、アセチレン水添槽の入口温度を変更することなく水素添加量を上昇させることにより入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合を低下させ、
    入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合が、事前に定めておいた第2の値以上になる前にエチレンが増加した量が0以下になった場合、触媒の洗浄及び/又は交換を行うエチレンの製造方法。
  3. 第2の値≧第1の値である請求項1又は2に記載のエチレンの製造方法。
  4. 第1の値が入口側のアセチレン濃度に対する出口側のアセチレン濃度のモルの割合として50%以上である請求項1乃至3のいずれかに記載のエチレンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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