JP2017178811A - γターン構造を有する化合物及びそれを用いたLSD1阻害剤 - Google Patents

γターン構造を有する化合物及びそれを用いたLSD1阻害剤 Download PDF

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Misaho Araki
未紗保 荒木
孝禎 鈴木
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孝禎 鈴木
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幸裕 伊藤
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Yasusuke Ota
庸介 太田
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義広 曽和
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Abstract

【課題】LSD1阻害活性及び癌細胞増殖抑制作用を有する化合物の提供。【解決手段】式(1)で表される化合物又はその塩。[R1はH、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基又はヘテロアリール基;R2はH、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基;R3はH、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基又はヘテロアリール基;R4はアリール基又はヘテロアリール基;前記の各基は置換されていてもよい;nは2〜10の整数;*1及び*2は不斉炭素]【選択図】なし

Description

本発明は、γターン構造を有する化合物及びそれを用いたLSD1阻害剤に関する。
コアヒストンタンパク質の特定アミノ酸残基のメチル化、アセチル化等の修飾がされることによって、染色体のクロマチン構造が変化し、遺伝子制御において重要な働きをすることが近年明らかにされている。Lysine-specific histone demethylase 1(LSD1)は、コアヒストンタンパク質であるヒストンH3の4番目のリシン残基のモノメチル化(H3K4me1)及びジメチル化体(H3K4me2)の脱メチル化反応を触媒する、ヒストン脱メチル化酵素である(例えば、非特許文献1等参照)。
上記LSD1の機能をRNAiにより抑制することで、がん細胞の細胞増殖が抑制されることが報告されている。さらに、後述のtrans-2-フェニルシクロプロピルアミンをLSD1阻害剤として用いることが、白血病の治療に有効であることも報告されている。
LSD1の機能を阻害することができる化合物として、trans-2-フェニルシクロプロピルアミン(トラニルシプロミン)、ニアラミド等が知られている(例えば、非特許文献1、2等参照)。しかしながら、これらの化合物は、LSD1に対する阻害活性は低く、さらにLSD1と相同性が高いモノアミンオキシダーゼ(MAO)をも阻害する化合物であるため、LSD1に対する選択的な阻害剤ではない。MAO(ヒトにおいては、MAO-A及びMAO-Bが存在する)は、神経伝達物質の調整において重要であるため、トラニシルプロミン、ニアラミド等をLSD1阻害剤として臨床応用することは副作用のおそれが大きく困難である。
LSD1の機能を選択的に阻害する化合物としては、例えば、特許文献1及び非特許文献3には、LSD1の機能を選択的に阻害することのできるフェニルシクロプロピルアミン誘導体が開示されている。
国際公開第2010/143582号
Biochemistry 2007, 46, pp4408-4416 Nature 2005, 437, pp436-439 J. Am. Chem. Soc, 2009, 131, pp17536-17537
しかしながら、特許文献1及び非特許文献3に記載の化合物は、LSD1に対する選択性は高いものの、LSD1阻害活性、癌細胞の細胞増殖を抑制する活性、特にヒトの癌細胞に対する活性が不十分であった。
以上のように、LSD1の機能を選択的に阻害する活性を有し、癌細胞の細胞増殖を抑制する活性を有する化合物は、現在まで知られていない。
このため、本発明は、LSD1阻害活性及び癌細胞増殖抑制作用を有する化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有する化合物又はその塩が、LSD1の機能を選択的に阻害するとともに、癌細胞の増殖を抑制することを見出した。本発明者らは、このような知見に基づき、さらに研究を重ね、本発明を完成させた。即ち、本発明は、以下の構成を包含する。
項1.一般式(1):
[式中、R1は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。R2は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。R3は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。R4は置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。nは2〜10の整数を示す。*1及び*2は不斉炭素を示す。]
で表される化合物又はその塩。
項2.前記一般式(1)で表される化合物が、一般式(1A):
[式中、R1、R2、R3、R4及びnは前記に同じである。]
で表される化合物である、項1に記載の化合物又はその塩。
項3.前記R1が置換されていてもよいアラルキル基である、項1又は2に記載の化合物又はその塩。
項4.前記R2が置換されていてもよいアリール基である、項1〜3のいずれかに記載の化合物又はその塩。
項5.前記R3が水素原子である、項1〜4のいずれかに記載の化合物又はその塩。
項6.前記R4が置換されていてもよいアリール基である、項1〜5のいずれかに記載の化合物又はその塩。
項6−1.LSD1が関与する疾患(特に悪性腫瘍又は癌)の予防又は治療用である、項1〜6のいずれかに記載の化合物又はその塩。
項7.項1〜6−1のいずれかに記載の化合物又はその塩を含有する医薬組成物。
項7−1.項1〜6−1のいずれかに記載の化合物又はその塩を有効成分とする、LSD1が関与する疾患(特に悪性腫瘍又は癌)の予防又は治療剤。
項8.項1〜6−1のいずれかに記載の化合物又はその塩を有効成分とする抗癌剤。
項9.項1〜6−1のいずれかに記載の化合物又はその塩を有効成分とする抗ウイルス剤。
項10.項1〜6−1のいずれかに記載の化合物又はその塩を有効成分とするヘモグロビン異常症治療剤。
項11.項1〜6−1のいずれかに記載の化合物又はその塩を有効成分とするLSD1阻害剤。
項12.項1〜6−1のいずれかに記載の化合物又はその塩を含有する生物試験用試薬。
項13.項1〜6−1のいずれかに記載の化合物又はその塩の有効量を摂取又は投与する、LSD1が関与する疾患(特に悪性腫瘍又は癌)の予防又は治療方法。
項14.医薬組成物(特にLSD1が関与する疾患(悪性腫瘍、癌等)の予防又は治療剤)を製造するための項1〜6−1に記載の化合物又はその塩の使用。
本発明の化合物又はその塩は、特定の構造を有しているため、LSD1の機能を選択的に阻害することができる。このため、LSD1の選択的阻害作用に基づくバイオプローブ、医薬組成物等として有用である。実際、本発明の化合物又はその塩は、癌細胞の増殖を抑制する作用を有する。
試験例3におけるFlowcytometryによるA549細胞の細胞周期への影響及びアトポーシス誘導の結果を示す。 試験例4における、ウェスタンブロッティングによるヒストンH3K4のメチル化亢進の評価結果を示す。
本明細書において、「含有」とは、comprise、consist essentially of及びconsist ofのいずれも包含する概念である。また、本明細書において、「置換されていてもよい」とは、「置換及び/又は非置換」を意味する。
1.化合物又はその塩
本発明の化合物は、一般式(1):
[式中、R1は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。R2は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。R3は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。R4は置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。nは2〜6の整数を示す。*1及び*2は不斉炭素を示す。]
で表される化合物又はその塩である。
一般式(1)において、R1で示されるアルキル基としては、炭素数1〜6(好ましくは1〜4)の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。このアルキル基は、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、ハロアルキル基(トリフルオロメチル基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)、ハロアルコキシ基(トリフルオロメトキシ基等)、後述のシクロアルキル基、後述のアラルキル基、置換されていてもよいカルバモイル基(メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基等)、置換されていてもよいスルホンアミド基(メチルスルホンアミド基等)、後述のヘテロアリール基等の置換基を1〜6個(特に1〜3個)有することもできる。
一般式(1)において、R1で示されるシクロアルキル基としては、炭素数3〜10(好ましくは4〜7)のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。このシクロアルキル基は、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、上記アルキル基、ハロアルキル基(トリフルオロメチル基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)、ハロアルコキシ基(トリフルオロメトキシ基等)、上記シクロアルキル基、後述のアラルキル基、置換されていてもよいカルバモイル基(メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基等)、置換されていてもよいスルホンアミド基(メチルスルホンアミド基等)、後述のアリール基、後述のヘテロアリール基等の置換基を1〜6個(特に1〜3個)有することもできる。
一般式(1)において、R1で示されるアラルキル基としては、1〜3個の後述のアリール基で置換された上記アルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フェニルベンジル基等が挙げられる。このアラルキル基は、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、上記アルキル基、ハロアルキル基(トリフルオロメチル基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)、ハロアルコキシ基(トリフルオロメトキシ基等)、上記シクロアルキル基、上記アラルキル基、置換されていてもよいカルバモイル基(メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基等)、置換されていてもよいスルホンアミド基(メチルスルホンアミド基等)、後述のアリール基、後述のヘテロアリール基等の置換基を1〜6個(特に1〜3個)有することもできる。
一般式(1)において、R1で示されるアリール基としては、単環アリール基(フェニル基)及び多環アリール基のいずれも採用することができ、例えば、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、アントリル基、ビフェニリル基、テトラヒドロナフチル基、フェナントリル基等が挙げられる。このアリール基は、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、上記アルキル基、ハロアルキル基(トリフルオロメチル基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)、ハロアルコキシ基(トリフルオロメトキシ基等)、上記シクロアルキル基、上記アラルキル基、置換されていてもよいカルバモイル基(メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基等)、置換されていてもよいスルホンアミド基(メチルスルホンアミド基等)、上記アリール基、後述のヘテロアリール基等の置換基を1〜6個(特に1〜3個)有することもできる。
一般式(1)において、R1で示されるヘテロアリール基としては、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子の1〜3個のヘテロ原子を含む単環又は多環のヘテロアリール基が好ましく、例えば、フリル基、チエニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基等が挙げられる。このヘテロアリール基は、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、上記アルキル基、ハロアルキル基(トリフルオロメチル基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)、ハロアルコキシ基(トリフルオロメトキシ基等)、上記シクロアルキル基、上記アラルキル基、置換されていてもよいカルバモイル基(メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基等)、置換されていてもよいスルホンアミド基(メチルスルホンアミド基等)、上記アリール基、上記ヘテロアリール基等の置換基を1〜6個(特に1〜3個)有することもできる。
R1としては、LSD1阻害活性及び癌細胞増殖抑制作用の観点から、置換されていてもよいアラルキル基が好ましく、置換されていてもよいベンジル基がより好ましく、非置換又はハロゲン原子で置換されたベンジル基がさらに好ましく、ハロゲン原子で置換されたベンジル基が特に好ましい。
一般式(1)において、R2で示されるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基としては、上記したものを採用できる。置換基の種類及び数も同様である。なかでも、LSD1阻害活性及び癌細胞増殖抑制作用の観点から、置換されていてもよいアリール基が好ましい。このなかでも、LSD1阻害活性の観点からは、置換されていてもよいビフェニリル基(さらには非置換ビフェニリル基)が特に好ましく、癌細胞増殖抑制作用の観点からは、置換されていてもよいフェニル基(さらには非置換フェニル基)が特に好ましい。
一般式(1)において、R3で示されるアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基及びヘテロアリール基としては、上記したものを採用できる。置換基の種類及び数も同様である。なかでも、LSD1阻害活性及び癌細胞増殖抑制作用の観点から、水素原子が好ましい。
一般式(1)において、R4で示されるアリール基及びヘテロアリール基としては、上記したものを採用できる。置換基の種類及び数も同様である。なかでも、LSD1阻害活性及び癌細胞増殖抑制作用の観点から、置換されていてもよいアリール基が好ましく、置換されていてもよいフェニル基又は置換されていてもよいビフェニリル基がより好ましく、非置換若しくはハロゲン原子で置換されたフェニル基、又は非置換若しくはハロゲン原子で置換されたビフェニリル基がさらに好ましく、一般式(2):
[式中、R5は水素原子又はハロゲン原子を示す。mは0又は1を示す。]
で表される基が特に好ましい。
一般式(2)において、R5で示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、LSD1阻害活性及び癌細胞増殖抑制作用の観点から、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が好ましく、フッ素原子、塩素原子等がより好ましい。
一般式(2)において、R5としては、LSD1阻害活性の観点からはハロゲン原子が好ましく、癌細胞増殖抑制作用の観点からは水素原子が好ましい。また、mとしては、LSD1阻害活性の観点からは1が好ましく、癌細胞増殖抑制作用の観点からは0が好ましい。
一般式(1)において、nは、LSD1阻害活性及び癌細胞増殖抑制作用の観点から、2〜10の整数、好ましくは3〜6の整数、より好ましくは3〜5の整数である。なかでも、LSD1阻害活性の観点からは、nは5が好ましく、癌細胞増殖抑制作用の観点からは、nは4が好ましい。
一般式(1)において、*1及び*2はいずれも不斉炭素を意味する。各不斉炭素の立体配置(R配置若しくはS配置、又はL配置若しくはD配置)は特に制限されず、一の立体配置及びその混合物(ラセミ体を含む)のいずれも包含する。
特に、*1に結合する窒素原子と、*2に結合するR4とは、*1及び*2が構成するシクロプロパン環に対して、相対配置がトランス配置:
[式中、R3及びR4は前記に同じである。]
と、シス配置:
[式中、R3及びR4は前記に同じである。]
とのいずれであってもよく、なかでも、LSD1阻害活性及び癌細胞増殖抑制作用の観点から、トランス配置が好ましく、
[式中、R3及びR4は前記に同じである。]
がより好ましい。
このため、本発明の化合物又はその塩は、一般式(1A):
[式中、R1、R2、R3、R4及びnは前記に同じである。]
で表される化合物又はその塩が好ましい。
このような条件を満たす本発明の化合物又はその塩としては、LSD1阻害活性及び癌細胞増殖抑制作用の観点から、一般式(1A1):
[式中、R1、R2、R4及びnは前記に同じである。]
で表される化合物又はその塩が好ましく、一般式(1A1A):
[式中、R1、R4及びnは前記に同じである。R6は水素原子又は置換されていてもよいアリール基を示す。]
で表される化合物又はその塩がより好ましく、一般式(1A1A1):
[式中、R4、R6及びnは前記に同じである。R7は水素原子又はハロゲン原子を示す。]
で表される化合物又はその塩がさらに好ましく、一般式(1A1A1A):
[式中、R5、R6、R7、n及びmは前記に同じである。]
で表される化合物又はその塩が特に好ましい。
特に、後述の実施例で示す化合物又はその塩が好ましい。
本発明の化合物は、上記一般式(1)で表される化合物の塩であってもよい。塩としては、薬学的に許容される塩が例示でき、例えば、薬学的に許容される酸と塩を形成することができる。このような酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸等が挙げられる。
本発明の化合物は、水和物とすることもできるし、有機溶媒等の溶媒和物とすることもできる。有機溶媒としては、薬学的に許容される有機溶媒であれば特に制限されない。
本発明の化合物は、上記一般式(1)で表される化合物のプロドラッグとすることもできる。プロドラッグとしては、薬理学的に許容されるプロドラッグの形態が好ましく、生体内に吸収されやすくした化合物を意味し、生体中での代謝作用により、上記一般式(1)で表される化合物を生じる化合物である。
本発明の化合物は、上記一般式(1)で表される化合物の光学異性体も包含する。また、本発明の化合物は、様々な結晶多形を取り得る。
2.製造方法
本発明の化合物は、様々な方法で合成することができる。例えば、R3が水素原子である一般式(1B)で表される化合物は、例えば、以下の反応式1:
[式中、R1、R2、R3、R4及びnは前記に同じである。R8は保護基を示す。]
にしたがって合成することができる。
また、例えば、R3が水素原子以外の基である一般式(1C)で表される化合物は、例えば、以下の反応式2:
[式中、R1、R2、R4及びnは前記に同じである。R3aは置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。]
にしたがって合成することができる。
反応式1において、R8で示される保護基としては、特に制限はなく、アルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等)、シリル基(tert−ブチルジフェニルシリル基等)、アルコキシアルキル基(メトキシメチル基等)、ベンジル基、トリフェニルメチル基、テトラヒドロピラニル基、ニトロベンゼンスルホニル基(2−ニトロベンゼンスルホニル基等)、トルエンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基等が挙げられる。これら保護基は、一般式(8)で表される化合物を合成した後に脱保護しやすい基が好ましく、例えば、ニトロベンゼンスルホニル基が好ましく、2−ニトロベンゼンスルホニル基がより好ましい。
反応式1において、R3aで示されるアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基及びヘテロアリール基としては、上記したものを採用できる。置換基の種類及び数も同様である。
(2−1)化合物(3)→化合物(4)
本工程では、化合物(3)と、一般式(9):
R1X1 (9)
[式中、R1は前記に同じである。X1はハロゲン原子を示す。]
で表される化合物とを、銅触媒の存在下に反応させることで、化合物(4)を得ることができる。
一般式(9)において、X1で示されるハロゲン原子としては、上記したものを採用できる。
化合物(3)は、液体であり、反応溶媒ともなり得るため、通常、化合物(9)に対して過剰量とすることが好ましい。例えば、化合物(9)1モルに対して1.5〜20モルが好ましく、2.0〜15モルがより好ましい。
銅触媒としては、金属銅の他、有機化合物の合成用触媒として知られる銅化合物も使用することができる。本工程においては、例えば、金属銅;塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)等のハロゲン化銅等が挙げられ、1種又は2種以上を用いることができる。本工程では、収率、合成の容易さ等の観点から、ハロゲン化銅が好ましく、塩化銅(I)がより好ましい。銅触媒の使用量は、収率、合成の容易さ等の観点から、通常、化合物(9)1モルに対して0.02〜0.5モルが好ましく、0.05〜0.2モルがより好ましい。
本工程では、塩基を使用することが好ましい。塩基としては、例えば、リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のリン酸アルカリ金属塩;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化バリウム等の金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の金属炭酸塩;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のアミン等の1種又は2種以上を使用することができる。本工程では、収率、合成の容易さ等の観点から、金属水酸化物が好ましく、水酸化カリウムがより好ましい。塩基の使用量は、収率、合成の容易さ等の観点から、通常、化合物(9)1モルに対して、0.5〜5モルが好ましく、1〜3モルがより好ましい。 本工程では、化合物(3)を反応溶媒として使用することもできるし、別途、溶媒を添加することもできる。溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等の鎖状エーテル;ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等の環状エーテル;トルエン、ベンゼン、メシチレン等の芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ジメチルホルムアミド(DMF)等の1種又は2種以上を使用することができる。
本工程においては、上記成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜添加剤を使用することもできる。
反応雰囲気は、通常、不活性ガス雰囲気(アルゴンガス雰囲気、窒素ガス雰囲気等)を採用し得る。反応温度は、加熱下、常温下及び冷却下のいずれでも行うことができ、通常、0〜100℃(特に30〜80℃)で行うことが好ましい。反応時間は特に制限されず、通常、10分〜48時間、特に30分〜24時間とすることができる。
反応終了後は、必要に応じて常法にしたがって精製処理をすることもできる。また、精製処理を施さずに次の工程を行うこともできる。
(2−2)化合物(4)→化合物(5)
本工程では、例えば、R2が置換されていてもよいアラルキル基の場合、化合物(4)と、一般式(10):
R2aCHO (10)
[式中、R2aは置換されていてもよいアリール基を示す。]
で表される化合物とを、酸触媒の存在下で反応させて対応するイミン化合物を得た後、還元させることで化合物(5)を得ることができる。
一方、R2が置換されていてもよいアラルキル基以外の場合、上記工程(2−1)に準じて(参考に)、化合物(5)を得ることができる。
一般式(10)において、R2aで示されるアリール基としては、上記したものを採用することができる。置換基の種類及び数も同様である。
化合物(10)の使用量は、収率、合成の容易さ等の観点から、通常、化合物(4)1モルに対して0.2〜3モルが好ましく、0.5〜1.5モルがより好ましい。
酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;酢酸、トリフルオロ酢酸等のカルボン酸;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸等の1種又は2種以上を使用することができる。本工程では、収率、合成の容易さ等の観点から、カルボン酸が好ましく、酢酸がより好ましい。酸触媒の使用量は、収率、合成の容易さ等の観点から、通常、化合物(4)に対して、触媒量とすることが好ましい。
還元に使用する還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、水素化ホウ素カリウム(KBH4)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaCNBH3)、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)等の1種又は2種以上を使用することができる。本工程では、収率、合成の容易さ等の観点から、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)が好ましい。還元剤の使用量は、収率、合成の容易さ等の観点から、通常、化合物(4)1モルに対して0.2〜3モルが好ましく、0.5〜1.5モルがより好ましい。
本工程では、溶媒中で行うことが好ましい。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール等のアルコール等の1種又は2種以上を使用することができる。
本工程においては、上記成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜添加剤を使用することもできる。
反応雰囲気は、通常、不活性ガス雰囲気(アルゴンガス雰囲気、窒素ガス雰囲気等)を採用し得る。反応温度は、加熱下、常温下及び冷却下のいずれでも行うことができ、通常、0〜100℃(特に15〜50℃)で行うことが好ましい。反応時間は特に制限されず、通常、10分〜48時間、特に30分〜24時間とすることができる。
反応終了後は、必要に応じて常法にしたがって精製処理をすることもできる。また、精製処理を施さずに次の工程を行うこともできる。
上記反応終了後、後の工程の収率等の観点から、生成物に対して、塩酸エタノール溶液等の酸性溶媒を使用して生成物を塩酸塩等の酸性塩とすることもできる。特に、酸性塩とすることで、次の工程で化合物(6)を合成する際に多量体の生成をより抑制し、収率をより向上させることができる。この際使用する酸性溶媒の使用量は、化合物(4)に対して過剰量とすることが好ましい。
(2−3)化合物(5)→化合物(6)
本工程では、化合物(5)と、一般式(11):
[式中、X2は同一又は異なって、ハロゲン原子を示す。]
で表される化合物とを反応させることで、化合物(6)を得ることができる。
一般式(11)において、X2で示されるハロゲン原子としては、上記したものを採用することができる。本工程では、収率、合成の容易さ等の観点から、塩素原子が好ましい。
化合物(11)の使用量は、収率、合成の容易さ等の観点から、通常、化合物(5)1モルに対して1〜5モルが好ましく、1.5〜3モルがより好ましい。
本工程は、溶媒中で行うことが好ましい。溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等の鎖状エーテル;ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等の環状エーテル;トルエン、ベンゼン、メシチレン等の芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ジメチルホルムアミド(DMF)等の1種又は2種以上を使用することができる。本工程では、収率、合成の容易さ等の観点から、環状エーテルが好ましく、テトラヒドロフランがより好ましい。
本工程においては、上記成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜添加剤を使用することもできる。
反応雰囲気は、通常、不活性ガス雰囲気(アルゴンガス雰囲気、窒素ガス雰囲気等)を採用し得る。反応温度は、加熱下、常温下及び冷却下のいずれでも行うことができ、通常、0〜100℃(特に15〜50℃)で行うことが好ましい。反応時間は特に制限されず、通常、10分〜48時間、特に30分〜24時間とすることができる。
反応終了後は、必要に応じて常法にしたがって精製処理をすることもできる。また、精製処理を施さずに次の工程を行うこともできる。
(2−4)化合物(6)→化合物(7)
本工程では、化合物(6)と、一般式(12):
[式中、nは前記に同じである。R9は水酸基の保護基を示す。X3はハロゲン原子を示す。]
で表される化合物とを、強塩基の存在下に反応させ、一般式(6-1):
[式中、R1、R2、R9及びnは前記に同じである。]
で表される化合物を得た後に、化合物(6-1)と塩基とを反応させることで、化合物(7)を得ることができる。
また、本工程では、化合物(6)と、一般式(13):
[式中、X3及びnは前記に同じである。]
で表される化合物とを、強塩基の存在下に反応させることによっても、化合物(7)を得ることができる。
一般式(12)において、R9で示される水酸基の保護基としては、特に制限はなく、例えば、アセチル基、アルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等)、シリル基(tert−ブチルジフェニルシリル基等)、アルコキシアルキル基(メトキシメチル基等)、ベンジル基、トリフェニルメチル基、テトラヒドロピラニル基、ニトロベンゼンスルホニル基(2−ニトロベンゼンスルホニル基等)、トルエンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基等が挙げられる。これら保護基は、一般式(6-1)で表される化合物を合成した後に脱保護しやすい基が好ましく、例えば、アセチル基が好ましい。
一般式(12)及び(13)において、X3で示されるハロゲン原子としては、上記したものを採用できる。本工程では、収率、合成の容易さ等の観点から、臭素原子が好ましい。
化合物(6)→化合物(7)、化合物(6-1)
化合物(12)及び化合物(13)の使用量は、いずれも、収率、合成の容易さ等の観点から、通常、化合物(6)1モルに対して0.2〜3モルが好ましく、0.5〜1.5モルがより好ましい。
強塩基としては、特に制限はなく、水素化ナトリウム(NaH)、水素化カリウム(K)等の1種又は2種以上を使用することができる。強塩基の使用量は、収率、合成の容易さ等の観点から、通常、化合物(6)1モルに対して0.2〜3モルが好ましく、0.5〜1.5モルがより好ましい。
本工程は、溶媒中で行うことが好ましい。溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等の鎖状エーテル;ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等の環状エーテル;トルエン、ベンゼン、メシチレン等の芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ジメチルホルムアミド(DMF)等の1種又は2種以上を使用することができる。本工程では、収率、合成の容易さ等の観点から、ジメチルホルムアミドが好ましい。
本工程においては、上記成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜添加剤を使用することもできる。
反応雰囲気は、通常、不活性ガス雰囲気(アルゴンガス雰囲気、窒素ガス雰囲気等)を採用し得る。反応温度は、加熱下、常温下及び冷却下のいずれでも行うことができ、通常、0〜100℃(特に15〜50℃)で行うことが好ましい。反応時間は特に制限されず、通常、10分〜48時間、特に30分〜24時間とすることができる。
反応終了後は、必要に応じて常法にしたがって精製処理をすることもできる。また、精製処理を施さずに次の工程を行うこともできる。
化合物(6-1)→化合物(7)
なお、化合物(6-1)と塩基とを反応させる場合、使用する塩基としては、金属水酸化物(特にアルカリ金属水酸化物)が好ましく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の1種又は2種以上を使用することができる。この塩基の使用量は、収率、合成の容易さ等の観点から、通常、化合物(6)に対して過剰量を水溶液として添加することが好ましい。
化合物(6-1)と塩基とを反応させる工程は、溶媒中で行うことが好ましい。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール等のアルコール;ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等の鎖状エーテル;ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等の環状エーテル;トルエン、ベンゼン、メシチレン等の芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ジメチルホルムアミド(DMF)等の1種又は2種以上を使用することができる。本工程では、収率、合成の容易さ等の観点から、アルコールが好ましく、エタノールがより好ましい。
反応雰囲気は、通常、不活性ガス雰囲気(アルゴンガス雰囲気、窒素ガス雰囲気等)を採用し得る。反応温度は、加熱下、常温下及び冷却下のいずれでも行うことができ、通常、0〜100℃(特に15〜50℃)で行うことが好ましい。反応時間は特に制限されず、通常、10分〜48時間、特に30分〜24時間とすることができる。
反応終了後は、必要に応じて常法にしたがって精製処理をすることもできる。また、精製処理を施さずに次の工程を行うこともできる。
(2−5)化合物(7)→化合物(8)、化合物(1C)
本工程では、化合物(7)と、一般式(14):
[式中、R4、R8、*1及び*2は前記に同じである。]
で表される化合物とを、アゾジカルボン酸エステル及びホスフィン化合物の存在下で反応させることで、化合物(8)を得ることができる。
また、本工程では、化合物(7)と、一般式(15):
[式中、R3a、R4、*1及び*2は前記に同じである。]
で表される化合物とを、アゾジカルボン酸化合物及びホスフィン化合物の存在下で反応させることで、化合物(1C)を得ることができる。
化合物(14)及び化合物(15)の使用量は、いずれも、収率、合成の容易さ等の観点から、通常、化合物(7)1モルに対して0.2〜3モルが好ましく、0.5〜1.5モルがより好ましい。
アゾジカルボン酸化合物としては、例えば、アゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジメチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピル、アゾジカルボン酸アミド等の1種又は2種以上を使用することができる。アゾジカルボン酸化合物の使用量は、いずれも、収率、合成の容易さ等の観点から、通常、化合物(7)1モルに対して1.5〜10モルが好ましく、2〜5モルがより好ましい。
ホスフィン化合物としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(n−ブチル)ホスフィン、トリエチルホスフィン、トリメチルホスフィン等の1種又は2種以上を使用することができる。ホスフィン化合物の使用量は、いずれも、収率、合成の容易さ等の観点から、通常、化合物(7)1モルに対して1.5〜10モルが好ましく、2〜5モルがより好ましい。
本工程は、溶媒中で行うことが好ましい。溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等の鎖状エーテル;ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等の環状エーテル;トルエン、ベンゼン、メシチレン等の芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ジメチルホルムアミド(DMF)等の1種又は2種以上を使用することができる。本工程では、収率、合成の容易さ等の観点から、環状エーテルが好ましく、テトラヒドロフランがより好ましい。
本工程においては、上記成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜添加剤を使用することもできる。
反応雰囲気は、通常、不活性ガス雰囲気(アルゴンガス雰囲気、窒素ガス雰囲気等)を採用し得る。反応温度は、加熱下、常温下及び冷却下のいずれでも行うことができ、通常、0〜100℃(特に15〜50℃)で行うことが好ましい。反応時間は特に制限されず、通常、30分〜72時間、特に1〜48時間とすることができる。
反応終了後は、必要に応じて常法にしたがって精製処理をすることもできる。また、精製処理を施さずに次の工程を行うこともできる。
なお、R4がビフェニリル基である場合には、化合物(14)又は化合物(15)におけるR4の代わりにハロゲン化フェニル基(特に4−ハロゲン化フェニル基、さらには4−ブロモフェニル基)とした化合物を用いて反応を進行し、末端がハロゲン化フェニル基である上記化合物(8)又は化合物(1C)を得た後に、一般式(16):
R4aY
[式中、R4aは置換されていてもよいアリール基を示す。Yはボロン酸又はボロン酸エステル基を示す。]
で表される化合物とを、パラジウム触媒及び必要に応じて塩基の存在下に反応させることで得ることもできる。
一般式(16)において、R4aで示されるアリール基としては、上記したものを採用できる。置換基の種類及び数も同様である。
一般式(16)において、Yで示されるボロン酸又はボロン酸エステル基としては、例えば、一般式(17):
[式中、R10は同一又は異なって、水素原子又は置換されていてもよいアルキル基を示す。R10は互いに結合して、隣接する−O−B−O−とともに環を形成してもよい。]
R10で示されるアルキル基としては、上記したものを採用できる。置換基の種類及び数も同様である。
このようなボロン酸又はボロン酸エステル基としては、例えば、
[式中、R11は同一又は異なって、置換されていてもよいアルキル基を示す。]
R11で示されるアルキル基としては、上記したものを採用できる。置換基の種類及び数も同様である。
化合物(16)の使用量は、収率、合成の容易さ等の観点から、通常、基質(末端がハロゲン化フェニル基である上記化合物(8)又は化合物(1C))1モルに対して1〜5モルが好ましく、1.5〜5モルがより好ましい。
パラジウム触媒としては、特に制限されず、金属パラジウムの他、有機化合物の合成用触媒として公知のパラジウム化合物も使用できる。パラジウム触媒としては、0価パラジウム触媒及びII価パラジウム触媒のいずれも採用できる。なお、0価パラジウム触媒を用いた場合には、当該0価パラジウムは、系中で酸化されてII価パラジウムになり得る。使用できるパラジウム触媒としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh3)4)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(Pd2(dba)3)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)2)、ハロゲン化パラジウム(II)(PdCl2、PdBr2、PdI2等)等の1種又は2種以上が挙げられる。本工程においては、収率、合成の容易さ等の観点から、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh3)4)が好ましい。これらのパラジウム触媒は、試薬として投入するもの及び反応中で生成するものの両方を意味する。パラジウム触媒の使用量は、収率、合成の容易さ等の観点から、通常、基質(末端がハロゲン化フェニル基である上記化合物(8)又は化合物(1C))1モルに対して0.02〜0.5モルが好ましく、0.05〜0.2モルがより好ましい。
本工程では、必要に応じて配位子化合物を使用することもできる。配位子化合物としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(n−ブチル)ホスフィン、トリエチルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルアミン、ピリジン、2,2’−ビピリジル、ジフェニルホスフィノメタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン、1,3−(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパン、1,5−シクロオクタジエン等の1種又は2種以上が挙げられる。配位子化合物の使用量は、通常、パラジウム触媒1モルに対して、1〜10モルが好ましく、3〜5モルがより好ましい。
塩基としては、例えば、リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のリン酸アルカリ金属塩;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化バリウム等の金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の金属炭酸塩;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のアミン等の1種又は2種以上が挙げられる。本工程では、収率、合成の容易さ等の観点から、金属炭酸塩が好ましく、炭酸ナトリウムがより好ましい。塩基の使用量は、収率、合成の容易さ等の観点から、通常、基質(末端がハロゲン化フェニル基である上記化合物(8)又は化合物(1C))1モルに対して1〜10モルが好ましく、2〜5モルがより好ましい。
本工程は、溶媒中で行うことが好ましい。溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール等のアルコール;ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等の鎖状エーテル;ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等の環状エーテル;トルエン、ベンゼン、メシチレン等の芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ジメチルホルムアミド(DMF)等の1種又は2種以上を使用することができる。本工程では、収率、合成の容易さ等の観点から、アルコール、芳香族炭化水素等が好ましく、メタノール、トルエン等がより好ましい。
本工程においては、上記成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜添加剤を使用することもできる。
反応雰囲気は、通常、不活性ガス雰囲気(アルゴンガス雰囲気、窒素ガス雰囲気等)を採用し得る。反応温度は、加熱下、常温下及び冷却下のいずれでも行うことができ、通常、0〜150℃(特に50〜100℃)で行うことが好ましい。反応時間は特に制限されず、通常、30分〜72時間、特に1〜48時間とすることができる。
反応終了後は、必要に応じて常法にしたがって精製処理をすることもできる。また、精製処理を施さずに次の工程を行うこともできる。
(2−6)化合物(8)→化合物(1B)
本工程では、化合物(8)を脱保護することで、化合物(1B)を得ることができる。脱保護の方法は特に制限されず、常法にしたがって行うことができる。例えば、保護基がニトロベンゼンスルホニル基である場合には、チオール化合物及び塩基を用いた求核反応により脱保護を行うことができる。
チオール化合物としては、例えば、チオグリコール酸、アルキルチオール(エタンチオール、1−ブタンチオール、1−ヘキサンチオール等)、チオフェノール、ドデシルベンゼンチオール、4−tert−ブチルベンゼンチオール、2−メルカプト安息香酸、4−メルカプト安息香酸等の1種又は2種以上を使用することができる。本工程では、収率、合成の容易さ等の観点から、チオフェノールが好ましい。チオール化合物の使用量は、収率、合成の容易さ等の観点から、通常、化合物(8)1モルに対して1〜10モルが好ましく、2〜5モルがより好ましい。
塩基としては、例えば、リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のリン酸アルカリ金属塩;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化バリウム等の金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の金属炭酸塩;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のアミン等の1種又は2種以上が挙げられる。本工程では、収率、合成の容易さ等の観点から、金属炭酸塩が好ましく、炭酸カリウムがより好ましい。塩基の使用量は、収率、合成の容易さ等の観点から、通常、化合物(8)1モルに対して1〜10モルが好ましく、2〜5モルがより好ましい。
本工程は、溶媒中で行うことが好ましい。溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール等のアルコール;ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等の鎖状エーテル;ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等の環状エーテル;トルエン、ベンゼン、メシチレン等の芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ジメチルホルムアミド(DMF);アセトニトリル等の1種又は2種以上を使用することができる。本工程では、収率、合成の容易さ等の観点から、アセトニトリルが好ましい。
本工程においては、上記成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜添加剤を使用することもできる。
反応雰囲気は、通常、不活性ガス雰囲気(アルゴンガス雰囲気、窒素ガス雰囲気等)を採用し得る。反応温度は、加熱下、常温下及び冷却下のいずれでも行うことができ、通常、0〜150℃(特に50〜100℃)で行うことが好ましい。反応時間は特に制限されず、通常、30分〜72時間、特に1〜48時間とすることができる。
反応終了後は、必要に応じて常法にしたがって精製し、本発明の化合物(1)を得ることができる。
また、本発明の化合物を得た後、公知の方法により、塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ等を得ることができる。
3.LSD1阻害剤及び医薬組成物
本発明は、本発明の化合物、又はその塩を含有する医薬製剤(医薬組成物)をも提供する。かかる医薬製剤は、薬学的に許容される添加物、例えば、充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の通常用いられる希釈剤又は賦形剤を使用して、本発明の化合物を一般的な医薬製剤に配合することにより得られる。
本発明の医薬組成物の投与対象は特に限定されない。例えば、ヒトを含めた哺乳類が好適な投与対象である。ヒトは、人種、性別、年齢は特に限定されない。ヒト以外の哺乳類として、イヌ、ネコなどのペット動物も挙げられる。
本発明の化合物又はその塩は、LSD1の機能を選択的に阻害する活性を有することから、LSD1の選択的阻害作用に基づく医薬組成物として有用である。特に、悪性腫瘍又は癌の予防及び/又は治療剤(抗癌剤)等として有用である。予防又は治療される悪性腫瘍又は癌の種類としては、本発明の化合物が感受性を示すものであれば特に限定されない。具体的には、胃、大腸、肺、肝、前立腺、膵、食道、膀胱、胆嚢・胆管、乳房、子宮、甲状腺、卵巣等における固形癌;急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病を含む白血病等が挙げられる。好ましい治療対象の1つとして、急性骨髄性白血病、急性前骨髄性白血病、急性単球性白血病、急性赤白血病、白血病の前段階である骨髄異形成症候群等を含む急性骨髄性白血病が挙げられる。この場合、本発明の医薬組成物は、急性骨髄性白血病の治療薬である。
本発明の化合物又はその塩が、各種癌細胞の細胞増殖を抑制することができることは、実施例で実証するとおりである。また、本発明の医薬組成物の有効性は、マウス等の疾患モデル動物への投与によっても検証することができる。また、LSD1に対する阻害活性を有する化合物が、急性骨髄性白血病の治療薬として用いることができることは、Schenk T et al: Nature Medicine 18, 605-11 (2012)に記載されている。本発明の化合物又はその塩は、LSD1に対する選択的な阻害活性を有するため、副作用が小さく好ましい医薬組成物であると考えられる。
本発明の医薬組成物の別の態様において、ウイルス性疾患を治療するための医薬組成物(抗ウイルス剤)としても提供され得る。ウイルス性疾患の病原ウイルスは、特に限定されず、DNAウイルス、RNAウイルスのいずれであってもよい。
DNAウイルスとしては、例えば、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)、単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)、EBウイルス(EBV)等のヘルペスウイルス科のウイルス単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)、単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)、EBウイルス(EBV)等のヘルペスウイルス科のウイルス;アデノウイルス科のウイルス;パピローマウイルス等のパポバウイルス科のウイルス;パルボウイルス科のウイルス;B型肝炎ウイルス(HBV)等のペパドナ科のウイルスが挙げられる。
RNAウイルスとしては、ロタウイルス等のレオウイルス科のウイルス;麻疹ウイルス等のパラミクソウイルスのウイルス;インフルエンザウイルス(A型、B型、C型)等のオルトミクソウイルスのウイルス:A型肝炎ウイルス(HAV)、ポリオウイルス等のピコルナウイルス科のウイルス;C型肝炎ウイルス(HCV)等のフラビウイルス科のウイルス;HTLV-1、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)等のレトロウイルス科のウイルスが挙げられる。
LSD1に対する阻害活性を有する化合物が、抗ウイルス作用を有することは、Liang Y et al.: Nature Medicine 15, 1312-1317 (2009)に記載されている。本発明を拘束するものではないが、LSD1の機能の阻害を介して、ウイルス由来遺伝子の転写が抑制されるためと考えられる。本発明の化合物又はその塩は、LSD1に対する選択的な阻害活性を有するため、副作用が小さく好ましい医薬組成物であると考えられる。
本発明の医薬組成物の別の態様において、ヘモグロビン異常症を治療するための医薬組成物(ヘモグロビン異常症治療薬)としても提供され得る。ヘモグロビン異常症としては、鎌状赤血球症、サラセミア(α−サラセミア、β−サラセミア)等が挙げられる。
LSD1に対する阻害活性を有する化合物が、ヘモグロビン異常症の治療に有効であることは、Shi L, et al: Nat Medicine 19, 291-294 (2013)に記載されている。本発明を拘束するものではないが、LSD1の阻害によって、胎児性ヘモグロビン(γ−グロビン)の発現量が亢進して、遺伝子異常によって発現が抑制されたαもしくはβヘモグロビンの代わりを担うことで症状緩和に寄与すると考えられる。
本発明による医薬製剤の投与経路は限定されず、この製剤は、製剤の形態、患者の年齢及び性別、疾患の状態並びにその他の条件に応じた方法で投与することができる。例えば、錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤を経口で投与する。注射剤は静脈内、筋肉内、皮内、皮下若しくは腹腔内に投与する。坐剤は直腸内に投与する。
本発明の医薬組成物の投与量は、薬効を発現する有効量であれば特に限定されず、通常は、有効成分である本発明の化合物又はその塩の重量として、一般に経口投与の場合には一日あたり0.1〜1000 mg/kg体重、好ましくは一日あたり0.5〜50 mg/kg体重であり、非経口投与の場合には一日あたり0.01〜100 mg/kg体重、好ましくは0.1〜10 mg/kg体重である。上記投与量は1日1回又は2〜3回に分けて投与するのが好ましく、年齢、病態、症状により適宜増減することもできる。
本発明の医薬組成物は、治療対象に応じて、他の医薬とともに適用することもできる。治療対象が悪性腫瘍又は癌である場合、併用できる医薬として、公知の抗腫瘍剤、抗癌剤等が挙げられる。治療対象が急性骨髄性白血病等の急性骨髄性白血病である場合、併用できる医薬として、オールトランスレチノイン酸(トレチノイン)を挙げることができる。
また、本発明の化合物又はその塩は、LSD1の機能を選択的に阻害する活性を有することから、その酵素の働きを調べるバイオプローブとしても有用である。
次に、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
特に制約しない限り、乾燥溶媒を含む全ての反応剤及び試薬は、市販品をそのまま使用した。特に制約しない限り、すべての反応は、標準的な真空ライン技法を用いて、乾燥ガラス容器中で、アルゴンガス雰囲気下に乾燥溶媒を用いて行った。すべての後処理及び精製手順は、空気中で試薬グレードの溶媒を用いて行った。
合成例1
以下の反応:
[式中、Phはフェニル基を示す。Acはアセチル基を示す。EtOHはエタノールを示す。Bnはベンジル基を示す。THFはテトラヒドロフランを示す。DMFはジメチルホルムアミドを示す。以下同様である。]
にしたがって、目的化合物を得た。
合成例1-1:N 1 -フェニルエタン-1,2-ジアミン
CuCl(265 mg, 2.7 mmol)、KOH(3.01 g, 53 mmol)、及びヨードベンゼン(3.00 mL, 27 mmol)の懸濁液に、0℃でエチレンジアミン(5.38 mL, 80 mmol)をゆっくりと添加した。室温で一晩撹拌した後、反応混合物を水(30 mL)で希釈し、CH2Cl2(20 mL×5)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮し、目的化合物を茶色オイルとして得た(3.63 g, 99 %)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.18 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 6.71 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.64 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 4.01 (brs, 1H), 3.19 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 2.95 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 1.50 (brs, 2H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 148.4, 129.3, 117.4, 113.0, 46.5, 41.2。
合成例1-2:N 1 -ベンジル-N 2 -フェニルエタン-1,2-ジアミンジヒドロクロリド
合成例1-1で得たN1-フェニルエタン-1,2-ジアミン(670 mg, 4.9 mmol)、ベンズアルデヒド(552μL, 5.4 mmol)のメタノール(10 mL)溶液に、酢酸(3滴)を添加した。室温で1時間撹拌した後、0℃で混合物に水素化ホウ素ナトリウム(186 mg, 4.9 mmol)をゆっくりと添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。揮発性物質を真空下に蒸発させた。残渣に飽和NaHCO3水溶液(10 mL)を添加し、CH2Cl2(10 mL×2)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(20 mL×1)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をMPLC(CH2Cl2:メタノール= 99: 1 to 93: 7)で精製し、目的化合物(N1-ベンジル-N2-フェニルエタン-1,2-ジアミン)を茶色オイルとして得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.38-7.28 (m, 5H), 7.15 (t, J = 8.4 Hz, 2H), 6.69 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 3.87 (s, 2H), 3.33 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 2.95 (t, J = 6.0 Hz, 2H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 147.7, 135.9, 129.3, 128.9, 128.8, 128.1, 117.6, 112.9, 52.4, 46.7, 41.9。
得られたオイルをエタノールに溶解させ、過剰量の0.5 M塩酸エタノール溶液(HCl-EtOH)を溶液に添加した。エタノールを真空下に蒸発させた。得られた残渣を酢酸エチルで洗浄し、ジヒドロクロリドを得た(1.08 g, 73 %)。
合成例1-3:1-ベンジル-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン
合成例1-2で得られたN1-ベンジル-N2-フェニルエタン-1,2-ジアミンジヒドロクロリド(3.10 g, 10 mmol)のTHF(100 mL)の懸濁液に、マロニルクロリド(2.01 mL, 21 mmol)のTHF(50 mL)溶液をゆっくりと添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO3水溶液で塩基性化し、酢酸エチル(50 mL×2)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(100 mL×1)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をMPLC(酢酸エチル/メタノール= 99: 1 to 93: 7)で精製し、目的化合物を白色粉末として得た(2.67 g, 87 %)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.38-7.27 (m, 8H), 7.16 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 4.69 (s, 2H), 3.99 (s, 2H), 3.91-3.88 (m, 2H), 3.62-3.59 (m, 2H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 165.8, 164.8, 142.2, 136.6, 129.4, 128.8, 128.1, 127.8, 127.2, 126.2, 51.0, 50.4, 47.9, 46.7。
合成例1-4:4-(1-ベンジル-5,7-ジオキソ-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-6-イル)n-ブチルアセテート(SMY-1169)
合成例1-3で得られた1-ベンジル-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(400 mg, 1.4 mmol)のDMF/THF(5+5 mL)の溶液に、NaH(70.7 mg, 1.8 mmol)をゆっくりと添加した。室温で30分間撹拌した後、混合物に4-ブロモ酢酸n-ブチル(255.6μL, 1.8 mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を水(20 mL)で希釈し、酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。合わせた有機層を水(20 mL×1)及び食塩水(20 mL×1)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をMPLC(ヘキサン/酢酸エチル= 3: 1 to 0: 1)で精製し、目的化合物を無色オイルとして得(315.1 mg, 57 %)、出発物質を回収した(135.6 mg, 34 %)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.32-7.25 (m, 7H), 7.20 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.04-7.02 (m, 2H), 4.90 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 4.41 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 4.42-4.19 (m, 1H), 4.07 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 4.02 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 3.80-3.75 (m, 1H), 3.54-3.46 (m, 2H), 2.12-2.05 (m, 2H), 2.02 (s, 3H), 1.73-1.68 (m, 2H), 1.47-1.42 (m, 2H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 170.9, 167.6, 167.1, 142.2, 136.8, 129.0, 128.5, 127.9, 127.5, 126.8, 126.1, 64.2, 51.0, 49.9, 49.7, 47.0, 28.6, 26.0, 24.2, 20.8; HRMS (ESI) m/z calcd for C24H28N2NaO4[M+Na]+: 431.1941 found 431.1906。
合成例1-5:1-ベンジル-6-(4-ヒドロキシn-ブチル)-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1171)
合成例1-4で得られた4-(1-ベンジル-5,7-ジオキソ-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-6-イル)n-ブチルアセテート(SMY-1169; 315.0 mg, 0.77 mmol)のエタノール(10 mL)溶液に、1M NaOH(1 mL)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。揮発性物質を真空下に除去した。残渣に1N HCl(2 mL)及び水(10 mL)を添加し、酢酸エチル(10 mL×2)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(10 mL×1)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮し、目的化合物を淡黄色オイルとして得た(282.0 mg, quantitative)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.32-7.24 (m, 7H), 7.20 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.02-7.00 (m, 2H), 4.91 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 4.37 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 4.22-4.17 (m, 1H), 4.04 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 3.78-3.74 (m, 1H), 3.62 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.47-3.42 (m, 2H), 2.09-2.00 (m, 2H), 1.62-1.58 (m, 2H), 1.46-1.41 (m, 2H). 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 168.0, 167.4, 142.4, 136.8, 129.0, 128.6, 127.9, 127.5, 126.8, 126.2, 61.7, 51.0, 49.9, 49.6, 46.9, 32.1, 25.5, 23.6; HRMS (ESI) m/z calcd for C22H25N2O3[M-H]-: 365.1871 found 365.1855。
実施例1
以下の反応:
[式中、Nsは2-ニトロベンゼンスルホニル基を示す。Arは置換されていてもよいアリール基を示す。DEADはアゾジカルボン酸ジエチルを示す。Tol.はトルエンを示す。Rは置換基を示す。以下同様である。]
にしたがって、目的化合物を得た。
一般操作
合成例1-5で得られた1-ベンジル-6-(4-ヒドロキシn-ブチル)-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1171; 1当量)、ノシレート(1.1当量)、及びトリフェニルホスフィン(PPh3; 3当量)のTHF溶液に、40 %アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD; 3当量)のトルエン溶液をゆっくりと添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。揮発性物質を真空下に蒸発させた。残渣をMPLCで精製し、粗生成物(ジエチルヒドラジンジカルボキシレートを含むことが多い)を得た。次に、得られた粗生成物(ノシレート; 1当量)及びK2CO3(4当量)のCH3CNの懸濁液に、チオフェノール(3当量)を添加した。反応混合物を60℃で一晩撹拌した。室温まで冷却後、混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をNH-MPLCで精製し、目的化合物を得た。
実施例1-1:1-ベンジル-4-フェニル-6-(4-(((トランス)-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)n-ブチル)-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1128)
50.0 mgのアルコールを用い、目的化合物を淡黄色オイルとして得た(16.8 mg, 26 %)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.35-7.22 (m, 9H), 7.15-7.12 (m, 1H), 7.06-7.03 (m, 5H), 4.91 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 4.46 (dd, J = 15.0, 3.0 Hz, 1H), 4.25-4.20 (m, 1H), 3.99 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 3.79-3.75 (m, 1H), 3.57-3.48 (m, 2H), 2.78 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.34 (ddd, J = 7.2, 4.2, 3.0 Hz, 1H), 2.12-2.08 (m, 2H), 1.91-1.88 (m, 1H), 1.63-1.58 (m, 2H), 1.45-1.40 (m, 2H), 1.06 (ddd, J = 9.0, 4.8, 4.2 Hz, 1H), 0.98-0.95 (m, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 168.0, 167.4, 142.7, 142.1, 137.0, 129.2, 128.8, 128.2, 128.1, 127.7, 127.0, 126.4, 125.8, 125.4, 51.3, 50.1, 50.0, 49.1, 47.2, 41.4, 30.0, 26.2, 25.5, 24.8, 16.7; HRMS (ESI) m/z calcd for C31H36N3O2[M+H]+: 482.2802 found 482.2795。
実施例1-2:1-ベンジル-6-(4-(((トランス)-2-(3-フルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)n-ブチル)-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1118)
28.0 mgのアルコールを用い、目的化合物を淡黄色オイルとして得た(24.9 mg, 65 %)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.34-7.16 (m, 10H), 7.05 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 6.83-6.80 (m, 2H), 6.71-6.69 (m, 1H), 4.91 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 4.46 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 4.25-4.19 (m, 1H), 3.99 (t, J = 7.0 Hz, 1H), 3.80-3.75 (m, 1H), 3.58-3.48 (m, 2H), 2.77 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.34-2.31 (m, 1H), 2.12-2.07 (m, 2H), 1.89-1.86 (m, 1H), 1.62-1.56 (m, 2H), 1.46-1.40 (m, 2H), 1.11-1.07 (m, 1H), 0.97-0.93 (m, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 167.9, 167.4, 162.9 (d, JCF = 242.7 Hz), 145.3 (d, JCF = 7.1 Hz), 142.7, 137.0, 129.5 (d, JCF= 8.7 Hz), 129.3, 128.8, 128.2, 127.8, 127.1, 126.4, 121.6, 112.4 (d, JCF= 21.5 Hz), 112.1 (d, JCF = 20.1 Hz), 51.3, 50.1 (2 peaks overlapped), 49.1, 47.3, 41.9, 30.0, 26.3, 25.7, 25.0, 17.3; HRMS (ESI) m/z calcd for C31H35FN3O2 [M+H]+: 500.2708 found 500.2703。
実施例1-3:1-ベンジル-6-(4-(((トランス)-2-(4-フルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)n-ブチル)-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1151)
50.0 mgのアルコールを用い、目的化合物を無色オイルとして得た(38.6 mg, 68 %)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.34-7.21 (m, 8H), 7.05 (dd, J = 8.4, 1.2 Hz, 2H), 7.00-6.97 (m, 2H), 6.94-6.90 (m, 2H), 4.91 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 4.44 (dd, J = 14.4, 3.0 Hz, 1H), 4.24-4.19 (m, 1H), 3.99 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 3.79-3.75 (m, 1H), 3.56-3.47 (m, 2H), 2.77 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.27 (ddd, J = 7.2, 4.8, 3.6 Hz, 1H), 2.13-2.06 (m, 2H), 1.89-1.85 (m, 1H), 1.62-1.57 (m, 2H), 1.45-1.40 (m, 2H), 1.04 (ddd, J = 9.0, 4.8, 4.2 Hz, 1H), 0.92-0.89 (m, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 167.9, 167.4, 161.0 (d, JCF = 241.2 Hz), 142.6, 138.0 (d, JCF = 2.9 Hz), 137.0, 129.2, 128.8, 128.1, 127.7, 127.2 (d, JCF = 8.7 Hz), 127.0, 126.3, 114.9 (d, JCF= 20.1 Hz), 51.2, 50.1 (2 peaks overlapped), 49.1, 47.2, 41.4, 30.0, 26.3, 25.6, 24.3, 16.7; HRMS (ESI) m/z calcd for C31H35FN3O2[M+H]+: 500.2708 found 500.2691。
実施例1-4:1-ベンジル-4-フェニル-6-(4-(((トランス)-2-(p-トリル)シクロプロピル)アミノ)n-ブチル)-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1161)
[式中、Meはメチル基を示す。以下同様である。]
39.0 mgのアルコールを用い、目的化合物を無色オイルとして得た(15.8 mg, 30 %)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.35-7.22 (m, 8H), 7.06-7.04 (m, 4H), 6.94 (d, J = 7.0 Hz, 2H), 4.91 (d, J = 14.5, 1H), 4.45 (dd, J = 14.5, 3.0 Hz, 1H), 4.25-4.19 (m, 1H), 3.99 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 3.80-3.75 (m, 1H), 3.57-3.47 (m, 2H), 2.77 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 2.31-2.28 (m, 4H), 2.12-2.06 (m, 2H), 1.88-1.84 (m, 1H), 1.63-1.57 (m, 2H), 1.45-1.39 (m, 2H), 1.04-1.00 (m, 1H), 0.94-0.90 (m, 1H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 167.9, 167.4, 142.6, 139.3, 137.0, 134.8, 129.3, 128.9, 128.8, 128.2, 127.8, 127.1, 126.4, 125.8, 51.3, 50.1, 50.0, 49.2, 47.3, 41.4, 30.0, 26.3, 25.7, 24.7, 20.9, 16.7; HRMS (ESI) m/z calcd for C32H38N3O2[M+H]+: 496.2959 found 496.2931。
実施例1-5:1-ベンジル-6-(4-(((トランス)-2-(4-メトキシフェニル)シクロプロピル)アミノ)n-ブチル)-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1186)
50.0 mgのアルコールを用い、目的化合物を白色アモルファスとして得た(37.5 mg, 54 %)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.34-7.26 (m, 7H), 7.22 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.05 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 6.97 (dd, J = 9.0, 1.8 Hz, 2H), 6.79 (dd, J = 9.0, 1.8 Hz, 2H), 4.91 (d, J = 15.0, 1H), 4.44 (dd, J = 15.0, 3.0 Hz, 1H), 4.24-4.19 (m, 1H), 3.99 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 3.78-3.74 (m, 4H), 3.56-3.47 (m, 2H), 2.77 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.27-2.24 (m, 1H), 2.12-2.07 (m, 2H), 1.86-1.83 (m, 1H), 1.62-1.57 (m, 2H), 1.45-1.40 (m, 2H), 1.01-0.98 (m, 1H), 0.90-0.87 (m, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 167.9, 167.3, 157.5, 142.6, 137.0, 134.4, 129.2, 128.8, 128.1, 127.7, 127.0, 126.9, 126.3, 113.7, 55.2, 51.2, 50.1, 50.0, 49.2, 47.2, 41.1, 30.0, 26.3, 25.7, 24.2, 16.4; HRMS (ESI) m/z calcd for C32H38N3O2[M+H]+: 512.2908 found 512.2906。
実施例1-6:6-(4-(((トランス)-2-([1,1’-ビフェニル]4-イル)シクロプロピル)アミノ)n-ブチル)-1-ベンジル-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1178)
50.0 mgのアルコールを用い、目的化合物を白色アモルファスとして得た(34.4 mg, 47 %)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.55 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.47 (dd, J = 8.4, 1.8 Hz, 2H), 7.41 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 7.34-7.26 (m, 8H), 7.22 (td, J = 7.8, 1.8 Hz, 1H), 7.11 (dd, J = 7.8, 1.8 Hz, 2H), 7.05 (dd, J = 8.4, 1.2 Hz, 2H), 4.90 (dd, J = 14.4, 3.0 Hz, 1H), 4.44 (dd, J = 14.4, 2.4 Hz, 1H), 4.22-4.18 (m, 1H), 3.98 (td, J = 7.2, 1.8 Hz, 1H), 3.76-3.72 (m, 1H), 3.54-3.45 (m, 2H), 2.79 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.39-2.37 (m, 1H), 2.13-2.08 (m, 2H), 1.94-1.92 (m, 1H), 1.63-1.58 (m, 2H), 1.46-1.41 (m, 2H), 1.12-1.08 (m, 1H), 1.02-0.99 (m, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 167.9, 167.3, 142.6, 141.0, 138.3, 137.0, 129.2, 128.8, 128.7, 128.2, 127.7, 127.0, 126.9, 126.8, 126.3, 126.2, (2 aromatic carbon peaks overlapped somewhere) 51.3, 50.1, 50.0, 49.2, 47.2, 41.8, 30.0, 26.3, 25.7, 24.8, 17.1; HRMS (ESI) m/z calcd for C37H40N3O2[M+H]+: 558.3115 found 558.3103。
実施例2
以下の反応:
[式中、Pd(PPh3)4はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを示す。Bpinはピナコレートボリル基を示す。MeOHはメタノールを示す。以下同様である。]
にしたがって、目的化合物を得た。
実施例2-1:N-(4-(1-ベンジル-5,7-ジオキソ-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-6-イル)n-ブチル)-N-((トランス)-2-(4-ブロモフェニル)シクロプロピル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(SMY-1192)
合成例1で得た1-ベンジル-6-(4-ヒドロキシn-ブチル)-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1171; 50.0 mg, 0.14 mmol)、N-((トランス)-2-(4-ブロモフェニル)シクロプロピル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(59.6 mg, 0.15 mmol))、及びトリフェニルホスフィン(PPh3; 107 mg, 0.41 mmol)のTHF(3 mL)の溶液に、40 %アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)のトルエン溶液(186.4μL, 0.41 mmol)をゆっくりと添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。揮発性物質を真空下に蒸発させた。得られた残渣をMPLC(ヘキサン/酢酸エチル= 3: 1 to 1: 3)で精製し、目的化合物を白色アモルファスとして得た(82.4 mg, 81 %)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.93 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.69 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.60-7.75 (m, 2H), 7.37-7.21 (m, 10H), 7.06 (dd, J = 7.2, 4.8 Hz, 2H), 6.89-6.86 (m, 2H), 4.93 (dd, J = 14.4, 10.2 Hz, 1H), 4.43 (dd, J = 14.4, 5.4 Hz, 1H), 4.27-4.20 (m, 1H), 4.02 (ddd, J = 6.6, 6.6, 4.2 Hz, 1H), 3.83-3.78 (m, 1H), 3.55-3.45 (m, 3H), 3.35-3.29 (m, 1H), 2.63-2.60 (m, 1H), 2.14-2.05 (m, 3H), 1.76-1.71 (m, 2H), 1.47-1.42 (m, 2H), 1.37 (ddd, J = 10.2, 6.0, 4.8 Hz, 1H), 1.21-1.17 (m, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 167.8, 167.3, 148.0, 142.6, 138.5, 137.0, 133.7, 132.7, 131.5, 131.4, 131.3, 129.2, 128.8, 128.1, 127.8, 127.7, 127.0, 126.4, 124.0, 120.1, 51.2, 50.2, 50.1, 49.6, 47.2, 38.6, 28.4, 26.0, 24.9, 24.7, 16.1; HRMS (ESI) m/z calcd for C37H37 79BrN4NaO6S [M+Na]+: 767.1509 found 767.1499。
一般操作
実施例2-1で得られたN-(4-(1-ベンジル-5,7-ジオキソ-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-6-イル)n-ブチル)-N-((トランス)-2-(4-ブロモフェニル)シクロプロピル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(SMY-1192; 1当量)、アリールボロン酸(3当量)、Na2CO3(3当量)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh3)4; 10 mol%)のトルエン/メタノール/H2O(25: 5: 1)の溶液を、窒素雰囲気下、70℃で一晩加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をMPLCで精製し粗生成物を得た。次に、得られた粗生成物(ノシレート; 1当量)及びK2CO3(4当量)のCH3CNの懸濁液に、チオフェノール(3当量)を添加した。反応混合物を60℃で一晩撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をNH-MPLCで精製し、目的化合物を得た。
実施例2-2:1-ベンジル-6-(4-(((トランス)-2-(3’-クロロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)シクロプロピル)アミノ)n-ブチル)-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1198)
80.0 mgのブロミドを用い、目的化合物を白色アモルファスとして得た(40.0 mg, 63 %)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.53 (t, J = 1.5 Hz, 1H), 7.44-7.42 (m, 3H), 7.35-7.21 (m, 10H), 7.11 (dd, J = 8.0, 1.0 Hz, 2H), 7.05 (dd, J = 7.5, 1.0 Hz, 2H), 4.90 (dd, J = 15.0, 3.0 Hz, 1H), 4.45 (dd, J = 15.0, 3.0 Hz, 1H), 4.24-4.18 (m, 1H), 3.99 (t, J = 6.5 Hz, 1H), 3.77-3.73 (m, 1H), 3.56-3.46 (m, 2H), 2.79 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 2.39-2.36 (m, 1H), 2.13-2.08 (m, 2H), 1.94-1.91 (m, 1H), 1.64-1.58 (m, 2H), 1.46-1.40 (m, 2H), 1.13-1.09 (m, 1H), 1.02-0.99 (m, 1H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 167.9, 167.3, 142.8, 142.6, 142.5, 137.0, 136.8, 134.5, 129.9, 129.2, 128.8, 128.1, 127.7, 127.0, 126.91, 126.86, 126.8, 126.3, 126.2, 125.0, 51.3, 50.1, 50.0, 49.1, 47.2, 41.9, 30.0, 26.3, 25.7, 24.9, 17.3; HRMS (ESI) m/z calcd for C37H39 35ClN3O2[M+H]+: 592.2725 found 592.2719。
実施例2-3:1-ベンジル-6-(4-(((トランス)-2-(3’-メトキシ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)シクロプロピル)アミノ)n-ブチル)-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1235)
70.0 mgのブロミドを用い、目的化合物を白色アモルファスとして得た(27.9 mg, 51 %)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.46 (dq, J = 8.4, 1.8 Hz, 2H), 7.34-7.26 (m, 8H), 7.22 (tq, J = 7.2, 1.2 Hz, 1H), 7.15-7.13 (m, 1H), 7.10-7.09 (m, 3H), 7.05-7.03 (m, 2H), 6.86 (dd, J = 8.4, 1.2 Hz, 1H), 4.90 (dd, J = 14.4, 1.8 Hz, 1H), 4.44 (dd, J = 15.0, 1.8 Hz, 1H), 4.23-4.18 (m, 1H), 3.98 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.77-3.72 (m, 1H), 3.54-3.46 (m, 2H), 2.79 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.39-2.36 (m, 1H), 2.12-2.07 (m, 2H), 1.94-1.91 (m, 1H), 1.63-1.58 (m, 2H), 1.46-1.41 (m, 2H), 1.12-1.09 (m, 1H), 1.02-0.99 (m, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 167.9, 167.4, 159.9, 142.7, 142.5, 141.9, 138.2, 137.0, 129.6, 129.2, 128.8, 128.2, 127.7, 127.0, 126.9, 126.3, 126.2, 119.4, 112.6, 112.4, 55.2, 51.3, 50.1 (2 peaks overlapped), 49.1, 47.2, 41.8, 30.0, 26.3, 25.7, 24.9, 17.1; HRMS (ESI) m/z calcd for C38H42N3O3 [M+H]+: 588.3221 found 588.3196。
実施例2-4:1-ベンジル-4-フェニル-6-(4-(((トランス)-2-(3’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)シクロプロピル)アミノ)n-ブチル)-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1242)
50.0 mgのブロミドを用い、目的化合物を無色オイルとして得た(3.5 mg, 83 %)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.79 (s, 1H), 7.73 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.57-7.51 (m, 2H), 7.47 (dd, J = 8.0, 1.0 Hz, 2H), 7.34-7.22 (m, 8H), 7.13 (dd, J = 8.0, 1.5 Hz, 2H), 7.06 (dd, J = 8.5, 1.0 Hz, 2H), 4.91 (dd, J = 14.5, 2.5 Hz, 1H), 4.47 (dd, J = 14.5, 2.5 Hz, 1H), 4.26-4.20 (m, 1H), 3.99 (t, J = 6.5 Hz, 1H), 3.80-3.75 (m, 1H), 3.58-3.48 (m, 2H), 2.80 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.40-2.37 (m, 1H), 2.14-2.07 (m, 2H), 1.95-1.93 (m, 1H), 1.64-1.59 (m, 2H), 1.47-1.41 (m, 2H), 1.14-1.11 (m, 1H), 1.04-1.00 (m, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 167.9, 167.4, 142.70, 142.65, 141.8, 137.0, 136.8, 131.1 (q, JCF = 32.1 Hz), 130.1, 129.3, 129.1, 128.8, 128.2, 127.8, 127.1, 127.0, 126.4 (2 peaks overlapped), 124.1 (q, JCF = 271.7 Hz), 123.64 (q, JCF = 4.4 Hz), 123.57 (q, JCF = 2.9 Hz), 51.3, 50.1 (2 peaks overlapped), 49.1, 47.3, 42.0, 30.1, 26.3, 25.7, 24.9, 17.3; HRMS (ESI) m/z calcd for C38H39F3N3O2[M+H]+: 626.2989 found 626.2971。
実施例2-5:1-ベンジル-4-フェニル-6-(4-(((トランス)-2-(3’-(トリフルオロメトキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)シクロプロピル)アミノ)n-ブチル)-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1243)
50.0 mgのブロミドを用い、目的化合物を無色オイルとして得た(17.0 mg, 40 %)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.49-7.39 (m, 5H), 7.35-7.22 (m, 8H), 7.57-7.51 (m, 2H), 7.16 (dd, J = 8.6, 1.2 Hz, 1H), 7.12 (dd, J = 8.4, 1.5 Hz, 2H), 7.06 (dd, J = 9.0, 1.2 Hz, 2H), 4.91 (dd, J = 15.0, 3.0 Hz, 1H), 4.46 (dd, J = 15.0, 3.0 Hz, 1H), 4.25-4.21 (m, 1H), 3.99 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 3.78-3.75 (m, 1H), 3.57-3.48 (m, 2H), 2.80 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.38 (ddd, J = 7.2, 4.2, 3.0 Hz, 1H), 2.13-2.08 (m, 2H), 1.95-1.92 (m, 1H), 1.63-1.59 (m, 2H), 1.46-1.41 (m, 2H), 1.14-1.11 (m, 1H), 1.04-1.00 (m, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 167.9, 167.4, 149.6, 143.1, 142.7, 142.6, 137.0, 136.7, 130.0, 129.3, 128.8, 128.2, 127.8, 127.1, 126.9, 126.4, 126.3, 125.2, 120.5 (q, JCF= 255.9 Hz), 119.4, 119.2, 51.3, 50.12, 50.09, 49.2, 47.3, 41.9, 30.0, 26.3, 25.7, 24.9, 17.3; HRMS (ESI) m/z calcd for C38H39F3N3O3[M+H]+: 642.2938 found 642.2911。
実施例2-6:1-ベンジル-4-フェニル-6-(4-(((トランス)-2-(4-(ピリジン-3-イル)フェニル)シクロプロピル)アミノ)n-ブチル)-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1248)
50.0 mgのブロミドを用い、目的化合物を無色オイルとして得た(8.3 mg, 22 %)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.82 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.56 (dd, J = 4.8, 1.8 Hz, 1H), 7.84 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.47 (dd, J = 7.8, 1.8 Hz, 2H), 7.35-7.22 (m, 9H), 7.15 (dd, J = 7.8, 1.8 Hz, 2H), 7.66 (dd, J = 8.4, 1.2 Hz, 2H), 4.91 (dd, J = 14.4, 3.0 Hz, 1H), 4.46 (dd, J = 14.4, 3.0 Hz, 1H), 4.26-4.21 (m, 1H), 4.00 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 3.80-3.75 (m, 1H), 3.57-3.48 (m, 2H), 2.80 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.40-2.38 (m, 1H), 2.13-2.09 (m, 2H), 1.96-1.93 (m, 1H), 1.64-1.59 (m, 2H), 1.46-1.41 (m, 2H), 1.15-1.11 (m, 1H), 1.03-1.00 (m, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 167.9, 167.4, 148.2, 142.8, 142.7, 137.0, 136.5, 134.9, 134.0, 129.3, 128.8, 128.2, 127.8, 127.1, 126.9, 126.5, 126.4, 123.5 (one aromatic carbon overlapped somewhere), 51.4, 50.20, 50.16, 49.2, 47.3, 41.9, 30.1, 26.4, 25.7, 25.0, 17.3; HRMS (ESI) m/z calcd for C36H39N4O2[M+H]+: 559.3068 found 559.3053。
実施例2-7:1-ベンジル-4-フェニル-6-(4-(((トランス)-2-(4-(ピリミジン-5-イル)フェニル)シクロプロピル)アミノ)n-ブチル)-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1249)
50.0 mgのブロミドを用い、目的化合物を無色オイルとして得た(6.9 mg, 18 %)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 9.17 (s, 1H), 8.92 (s, 2H), 7.46 (dd, J = 7.8, 1.8 Hz, 2H), 7.34-7.22 (m, 6H), 7.18 (dd, J = 7.8, 1.8 Hz, 2H), 7.15 (dd, J = 7.8, 1.8 Hz, 2H), 7.06 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 4.91 (dd, J = 14.4, 3.0 Hz, 1H), 4.47 (dd, J = 14.4, 3.6 Hz, 1H), 4.26-4.22 (m, 1H), 4.00 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 3.80-3.76 (m, 1H), 3.58-3.49 (m, 2H), 2.80 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.41-2.38 (m, 1H), 2.13-2.08 (m, 2H), 1.97-1.94 (m, 1H), 1.64-1.59 (m, 2H), 1.46-1.41 (m, 2H), 1.17-1.14 (m, 1H), 1.05-1.02 (m, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 167.9, 167.4, 157.2, 154.6, 144.0, 142.7, 137.0, 134.2, 131.2, 129.3, 128.8, 128.2, 127.8, 127.1, 126.83, 126.78, 126.4, 51.4, 50.24, 50.17, 49.1, 47.3, 42.2, 30.1, 26.4, 25.7, 25.0, 17.5; HRMS (ESI) m/z calcd for C35H38N5O2[M+H]+: 560.3020 found 560.3008。
実施例2-8:4’-((トランス)-2-((4-(1-ベンジル-5,7-ジオキソ-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-6-イル)n-ブチル)アミノ)シクロプロピル)-N-メチル-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(SMY-1313)
50.0 mgのブロミドを用い、目的化合物を白色アモルファスとして得た(14.8 mg, 34 %)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.04 (t, J = 2.0 Hz, 1H), 7.80-7.75 (m, 2H), 7.56 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 6.5 Hz, 2H), 7.34-7.21 (m, 8H), 7.12 (dd, J = 8.0, 1.5 Hz, 2H), 7.05 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 4.91 (dd, J = 14.5, 2.5 Hz, 1H), 4.65 (brs, 1H), 4.45 (dd, J = 14.5, 3.0 Hz, 1H), 4.26-4.20 (m, 1H), 4.00 (t, J = 6.5 Hz, 1H), 3.81-3.76 (m, 1H), 3.57-3.48 (m, 2H), 2.79 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.67 (s, 3H), 2.39-2.36 (m, 1H), 2.12-2.06 (m, 2H), 1.95-1.92 (m, 1H), 1.64-1.58 (m, 2H), 1.46-1.40 (m, 2H), 1.15-1.11 (m, 1H), 1.03-1.00 (m, 1H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 168.0, 167.4, 142.9, 142.6, 142.2, 139.4, 137.0, 136.2, 130.9, 129.5, 129.3, 128.8, 128.2, 127.8, 127.1, 127.0, 126.42, 126.38, 125.4, 125.3, 51.3, 50.1, 50.0, 49.1, 47.2, 42.0, 30.0, 29.4, 26.3, 25.7, 24.9, 17.3; HRMS (ESI) m/z calcd for C38H43N4O4S [M+H]+: 651.3000 found 651.2987。
実施例3
以下の反応:
にしたがって、目的化合物を得た。
実施例3-1:メチル4’-((トランス)-2-((N-(4-(1-ベンジル-5,7-ジオキソ-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-6-イル)n-ブチル)-2-ニトロフェニル)スルホンアミド)シクロプロピル)-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキシレート(SMY-1230)
実施例2-1で得たN-(4-(1-ベンジル-5,7-ジオキソ-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-6-イル)n-ブチル)-N-((トランス)-2-(4-ブロモフェニル)シクロプロピル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(SMY-1192; 70.0 mg, 94 μmol)、3-メトキシカルボニルフェニルボロン酸(50.7 mg, 0.28 mmol)、Na2CO3(29.6 mg, 0.28 mmol)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh3)4; 10.9 mg, 9.4μmol)のトルエン/メタノール/H2O(5+1+0.2 mL)の懸濁液を、窒素雰囲気下80℃で加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物を水(5 mL)で希釈し、酢酸エチル(5 mL×2)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(10 mL×1)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をMPLC(ヘキサン/酢酸エチル= 1: 1 to 0: 1)で精製し、目的化合物を白色アモルファスとして得た(75.3 mg, quantitative)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.24 (s, 1H), 7.99 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.74 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.68 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.61-7.57 (m, 2H), 7.52-7.47 (m, 3H), 7.34-7.26 (m, 6H), 7.21 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.09-7.05 (m, 4H), 4.93 (dd, J = 14.5, 4.0 Hz, 1H), 4.42 (dd, J = 14.5, 4.5 Hz, 1H), 4.27-4.20 (m, 1H), 4.05 (ddd, J = 7.0, 3.5, 3.5 Hz, 1H), 3.04 (s, 3H), 3.82-3.76 (m, 1H), 3.54-3.45 (m, 3H), 3.40-3.32 (m, 1H), 2.71-2.68 (m, 1H), 2.23-2.19 (m, 1H), 2.15-2.06 (m, 2H), 1.79-1.75 (m, 2H), 1.50-1.38 (m, 3H), 1.29-1.24 (m, 1H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 167.8, 167.3, 166.9, 147.9, 142.6, 140.8, 139.1, 138.1, 137.0, 133.7, 132.7, 131.4, 131.3, 131.2, 130.6, 129.2, 128.8, 128.7, 128.2, 128.0, 127.9, 127.6, 127.1, 126.9, 126.5, 126.3, 124.0, 52.1, 51.2, 50.2, 50.0, 49.5, 47.1, 38.7, 28.4, 26.0, 24.83, 24.77, 16.2; HRMS (ESI) m/z calcd for C45H45N4O8S [M+H]+: 801.2953 found 801.2900。
実施例3-2:4’-((トランス)-2-((N-(4-(1-ベンジル-5,7-ジオキソ-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-6-イル)n-ブチル)-2-ニトロフェニル)スルホンアミド)シクロプロピル)-N-メチル-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキシアミド(SMY-1234)
実施例3-1で得たメチル4’-((トランス)-2-((N-(4-(1-ベンジル-5,7-ジオキソ-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-6-イル)n-ブチル)-2-ニトロフェニル)スルホンアミド)シクロプロピル)-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキシレート(SMY-1230; 50.0 mg, 62μmol)、及び40 %メチルアミン溶液(1.5 mL, 17 mmol)のTHF(1.5 mL)溶液を、キャップつきrection vial中で80℃で7時間加熱した。室温まで冷却した後、揮発性物質を真空下に蒸発させた。得られた残渣をMPLC(ヘキサン/酢酸エチル= 1: 1 to 0: 1)で精製し、目的化合物を白色固体として得た(14.7 mg)。得られた粗生成物をさらに精製せずに次の工程に用いた。
実施例3-3:4’-((トランス)-2-((4-(1-ベンジル-5,7-ジオキソ-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-6-イル)n-ブチル)アミノ)シクロプロピル)-N-メチル-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキシアミド(SMY-1241)
実施例3-2で得た4’-((トランス)-2-((N-(4-(1-ベンジル-5,7-ジオキソ-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-6-イル)n-ブチル)-2-ニトロフェニル)スルホンアミド)シクロプロピル)-N-メチル-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキシアミド(SMY-1234; 14.0 mg, 18μmol)、及びK2CO3(14.5 mg, 0.11 mmol)のCH3CN(2 mL)溶液に、チオフェノール(8.1μL, 79μmol)を添加した。反応混合物を60℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、反応混合物を水(5 mL)で希釈し、酢酸エチル(5 mL×2)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(10 mL×1)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をNH-MPLC(酢酸エチル/メタノール= 99: 1 to 93: 7)で精製し、目的化合物を白色アモルファスとして得た(4.1 mg, 38 %)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.95 (t, J = 2.0 Hz, 1H), 7.69-7.67 (m, 2H), 7.52-7.45 (m, 3H), 7.35-7.21 (m, 8H), 7.12 (dd, J = 8.0, 1.5 Hz, 2H), 7.05 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.26 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 4.91 (dd, J = 14.5, 2.0 Hz, 1H), 4.45 (dd, J = 14.5, 2.0 Hz, 1H), 4.25-4.19 (m, 1H), 3.99 (t, J = 6.5 Hz, 1H), 3.80-3.75 (m, 1H), 3.57-3.48 (m, 2H), 3.03 (d, J = 5.0 Hz, 3H), 2.80 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.40-2.37 (m, 1H), 2.14-2.06 (m, 2H), 1.96-1.91 (m, 1H), 1.64-1.57 (m, 2H), 1.47-1.40 (m, 2H), 1.14-1.10 (m, 1H), 1.03-1.00 (m, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 168.2, 168.0, 167.4, 142.6, 142.3, 141.5, 137.3, 137.0, 135.2, 129.7, 129.3, 128.9, 128.8, 128.2, 127.8, 127.1, 127.0, 126.4, 126.3, 125.4, 125.2, 51.3, 50.15, 50.08, 49.1, 47.3, 41.9, 30.0, 26.9, 26.3, 25.7, 24.9, 17.2; HRMS (ESI) m/z calcd for C39H43N4O3[M+H]+: 615.3330 found 615.3302。
実施例4
以下の反応:
にしたがって、目的化合物を得た。
実施例4-1:1-ベンジル-6-(3-ヒドロキシn-プロピル)-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン
合成例1-3で得た1-ベンジル-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(170 mg, 0.58 mmol)のDMF/THF(2+2 mL)溶液に、NaH(50.8 mg, 1.3 mmol)をゆっくりと添加した。室温で30分間撹拌した後、混合物に3-ブロモ-1-プロパノール(67.9μL, 0.75 mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を水(10 mL)で希釈し、酢酸エチル(10 mL×2)で抽出した。合わせた有機層を水(20 mL×1)及び食塩水(10 mL×1)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をMPLC(酢酸エチル/メタノール= 99: 1 to 93: 7)で精製し、目的化合物を無色オイルとして得た(66.7 mg)。得られた粗生成物をさらに精製せずに次の工程に用いた。
実施例4-2:N-(3-(1-ベンジル-5,7-ジオキソ-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-6-イル)n-プロピル)-2-ニトロ-N-((トランス)-2-フェニルシクロプロピル)ベンゼンスルホンアミド
実施例4-1で得た1-ベンジル-6-(3-ヒドロキシn-プロピル)-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(65.0 mg, 0.18 mmol)、2-ニトロ-N-((トランス)-2-フェニルシクロプロピル)ベンゼンスルホンアミド(64.6 mg, 0.20 mmol)、及びトリフェニルホスフィン(PPh3; 145 mg, 0.55 mmol)のTHF(3 mL)溶液に、40 %アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)のトルエン溶液(252μL, 0.55 mmol)をゆっくりと添加した。反応混合物を室温で一晩間撹拌した。揮発性物質を真空下に蒸発させた。得られた残渣をMPLC(ヘキサン/酢酸エチル= 3: 1 to 1: 3)で精製し、目的化合物を淡黄色アモルファスとして得た(74.6 mg)。得られた粗生成物をさらに精製せずに次の工程に用いた。
実施例4-3:1-ベンジル-4-フェニル-6-(3-(((トランス)-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)n-プロピル)-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1217)
実施例4-2で得たN-(3-(1-ベンジル-5,7-ジオキソ-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-6-イル)n-プロピル)-2-ニトロ-N-((トランス)-2-フェニルシクロプロピル)ベンゼンスルホンアミド(70 mg, 0.11 mmol)、及びK2CO3(59.3 mg, 0.43 mmol)のCH3CN(3 mL)溶液に、チオフェノール(PhSH; 33.1μL, 0.32 mmol)を添加した。反応混合物を60℃で3時間撹拌した。反応混合物を水(5 mL)で希釈し、酢酸エチル(5 mL×2)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(10 mL×1)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をNH-MPLC(ヘキサン/酢酸エチル= 1: 1 to 0: 1)で精製し、目的化合物を無色オイルとして得た(40.3 mg, 80 %)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.33-7.26 (m, 7H), 7.24-7.21 (m, 3H), 7.13 (tq, J = 7.5, 1.2 Hz, 1H), 7.06-7.03 (m, 4H), 4.88 (dd, J = 15.0, 6.0 Hz, 1H), 4.47 (dd, J = 15.0, 10.8 Hz, 1H), 4.24-4.20 (m, 1H), 3.99 (td, J = 6.6, 1.8 Hz, 1H), 3.78-3.74 (m, 1H), 3.56-3.47 (m, 2H), 2.81 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.37-2.35 (m, 1H), 2.17-2.06 (m, 2H), 1.91-1.87 (m, 1H), 1.62-1.56 (m, 2H), 1.07-1.03 (m, 1H), 0.97-0.94 (m, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 167.9, 167.3, 142.7, 142.5, 137.0, 129.2, 128.8, 128.1 (2 peaks overlapped), 127.7, 127.0, 126.3, 125.8, 125.3, 51.3, 50.1, 49.9, 49.4, 47.3, 41.4, 28.3, 25.1, 24.4, 17.0; HRMS (ESI) m/z calcd for C30H34N3O2[M+H]+: 468.2646 found 468.2639。
実施例5
以下の反応:
にしたがって、目的化合物を得た。
実施例5-1:1-ベンジル-6-(5-ヒドロキシペンチル)-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1200)
合成例1-3で得た1-ベンジル-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(125 mg, 0.42 mmol)のDMF/THF(2+2 mL)溶液に、NaH(37.4 mg, 0.93 mmol)をゆっくりと添加した。室温で30分間撹拌した後、混合物に5-ブロモ-1-ペンタノール(66.8μL, 0.55 mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水(10 mL)で希釈し、酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。合わせた有機層を水(20 mL×1)及び食塩水(20 mL×1)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をMPLC(ヘキサン/酢酸エチル= 1: 1 to 0: 1)で精製し、目的化合物を白色アモルファスとして得た(44.3 mg, 27 %)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.36-7.20 (m, 8H), 7.05 (dd, J = 9.6, 0.8 Hz, 2H), 4.91 (d, J = 14.8 Hz, 1H), 4.44 (d, J = 14.8 Hz, 1H), 4.26-4.18 (m, 1H), 4.01 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 3.82-3.76 (m, 1H), 3.62 (brs, 2H), 3.58-3.46 (m, 2H), 2.12-2.05 (m, 2H), 1.73 (s, 1H), 1.63-1.56 (m, 2H)。
一般操作
実施例5-1で得られた1-ベンジル-6-(5-ヒドロキシペンチル)-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1200; 1当量)、2-ニトロ-N-((トランス)-2-フェニルシクロプロピル)ベンゼンスルホンアミド(1.1当量)、及びトリフェニルホスフィン(PPh3; 3当量)のTHF溶液に、40 %アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)のトルエン溶液(3当量)をゆっくりと添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。揮発性物質を真空下に蒸発させた。得られた残渣をMPLCで精製し粗生成物を得た。次に、得られた粗生成物(ノシレート; 1当量)及びK2CO3(4当量)のCH3CNの懸濁液に、チオフェノール(3当量)を添加した。反応混合物を60℃で一晩撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をNH-MPLCで精製し、目的化合物を得た。
実施例5-2:1-ベンジル-4-フェニル-6-(5-(((トランス)-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)n-ペンチル)-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1207)
42.0 mgのアルコールを用い、目的化合物を無色オイルとして得た(23.6 mg, 21 %)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.34-7.21 (m, 10H), 7.13 (tt, J = 7.2, 1.2 Hz, 1H), 7.06-7.03 (m, 4H), 4.91 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 4.45 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 4.25-4.20 (m, 1H), 3.98 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 3.80-3.76 (m, 1H), 3.57-3.48 (m, 2H), 2.73 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.35-2.33 (m, 1H), 2.11-2.06 (m, 2H), 1.89 (ddd, J = 8.4, 5.4, 3.0 Hz, 1H), 1.56-1.52 (m, 2H), 1.43-1.37 (m, 4H), 1.08-1.04 (m, 1H), 0.96 (td, J = 7.2, 5.4 Hz, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 168.0, 167.4, 142.7, 142.4, 137.0, 129.2, 128.8, 128.2 (2 peaks overlapped), 127.7, 127.0, 126.4, 125.8, 125.3, 51.3, 50.15, 50.01, 49.4, 47.2, 41.5, 29.9, 28.0, 27.5, 26.5, 25.0, 17.0; HRMS (ESI) m/z calcd for C32H38N3O2[M+H]+: 496.2959 found 496.2944。
実施例5-3:1-ベンジル-6-(5-(((トランス)-2-(3-フルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)n-ペンチル)-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(MA623)
21.6 mgのアルコールを用い、目的化合物を淡黄色固体として得た(15.1 mg, 52 %)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.01 (s, 1H), 7.35-7.26 (m, 6H), 7.25-7.13 (m, 2H), 7.06 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.83 (dd, J = 10.4, 2.0 Hz, 2H), 6.71-6.69 (m, 1H), 4.91 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 4.46 (d, J = 14.8 Hz, 1H), 4.38-4.18 (m, 1H), 3.99 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 3.84-3.76 (m, 1H), 3.60-3.48 (m, 2H), 2.72 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.36-2.31 (m, 1H), 2.12-2.05 (m, 2H), 1.92-1.85 (m, 1H), 1.40 (brs, 4H), 1.30-1.26 (m, 2H), 1.10-1.06 (m, 1H), 0.96-0.92 (m, 1H)。
実施例6
以下の反応:
にしたがって、目的化合物を得た。
実施例6-1:N 1 -(3-クロロベンジル)-N 2 -フェニルエタン-1,2-ジアミンジヒドロクロリド(SMY-1140)
合成例1-1で得たN1-フェニルエタン-1,2-ジアミン(0.50 g, 3.7 mmol)、及び3-クロロベンズアルデヒド(457.4μL, 4.0 mmol)のメタノール(10 mL)溶液に、酢酸(触媒量)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。混合物に水素化ホウ素ナトリウム(139 mg, 3.7 mmol)をゆっくりと添加し、室温で7時間撹拌した。揮発性物質を真空下に蒸発させた。残渣に飽和NaHCO3水溶液(10 mL)を添加し、CH2Cl2(10 mL×2)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(10 mL×1)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をMPLC(CH2Cl2:メタノール= 99: 1 to 93: 7)で精製し、目的化合物を黄色オイルとして得た(798.6 mg)。得られたオイルをエタノールに溶解させ、過剰量の0.5 M塩酸エタノール溶液(HCl-EtOH)を溶液に添加した。エタノールを真空下に蒸発させた。得られた残渣を酢酸エチルで洗浄し、ジヒドロクロリドを得た(949.7 mg, 78 %)。
1H NMR (600 MHz, methanol-d4) δ 9.65 (brs, 2H), 7.74 (s, 1H), 7.57 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.49-7.45 (m, 2H), 7.18-7.13 (m, 2H), 6.77-6.67 (m, 3H), 4.20 (s, 2H), 3.46 (d, J = 4.8 Hz, 2H), 3.09 (brs, 2H)。
実施例6-2:1-(3-クロロベンジル)-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1148)
実施例6-1で得られたN1-(3-クロロベンジル)-N2-フェニルエタン-1,2-ジアミンジヒドロクロリド(300 mg, 0.90 mmol)のTHF(15 mL)の懸濁液に、マロニルクロリド(174.8μL, 1.8 mmol)のTHF(10 mL)溶液をゆっくりと添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物に飽和NaHCO3水溶液(20 mL)を添加し、酢酸エチル(20 mL×2)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(20 mL×1)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をMPLC(酢酸エチル/メタノール= 99: 1 to 93: 7)で精製し、目的化合物を白色アモルファスとして得た(230.8 mg, 78 %)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.36 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 7.27-7.24 (m, 4H), 7.17-7.15 (m, 3H), 4.62 (s, 2H), 3.94 (s, 2H), 3.91-3.89 (m, 2H), 3.58-3.56 (m, 2H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 165.6, 164.7, 142.0, 138.6, 134.5, 130.0, 129.3, 127.94, 127.88, 127.2, 126.1, 126.0, 50.5, 50.2, 48.0, 46.5; HRMS (ESI) m/z calcd for C18H17 35ClN2NaO2[M+Na]+: 351.0871 found 351.0858。
実施例6-3:4-(1-(3-クロロベンジル)-5,7-ジオキソ-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-6-イル)n-ブチルアセテート
実施例6-2で得られた1-(3-クロロベンジル)-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1148; 230 mg, 0.70 mmol)のDMF(5 mL)溶液に、NaH(30.8 mg, 0.77 mmol)をゆっくりと添加した。室温で1時間撹拌した後、混合物に4-ブロモ酢酸n-ブチル(121.5μL, 0.84 mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水(10 mL)で希釈し、酢酸エチル(10 mL×2)で抽出した。合わせた有機層を水(20 mL×1)及び食塩水(20 mL×1)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をMPLC(ヘキサン/酢酸エチル= 3: 1 to 0: 1)で精製し、目的化合物を無色オイルとして得た(151.3 mg)。得られた粗生成物をさらに精製せずに次の工程に用いた。
実施例6-4:1-(3-クロロベンジル)-6-(4-ヒドロキシn-ブチル)-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン
実施例6-3で得られた4-(1-(3-クロロベンジル)-5,7-ジオキソ-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-6-イル)n-ブチルアセテート(150 mg, 0.34 mmol)のエタノール(5 mL)溶液に、1M NaOH(1 mL)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を真空下に濃縮した。残渣に1N HCl(2 mL)を添加し、酢酸エチル(5 mL×2)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(10 mL×1)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をMPLC(酢酸エチル/メタノール= 99: 1 to 93: 7)で精製し、目的化合物を白色アモルファスとして得た(114 mg)。得られた粗生成物をさらに精製せずに次の工程に用いた。
実施例7
以下の反応:
にしたがって、目的化合物を得た。
一般操作
実施例6-4で得た1-(3-クロロベンジル)-6-(4-ヒドロキシn-ブチル)-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(1当量)、ノシレート(1.1当量)、及びトリフェニルホスフィン(PPh3; 3当量)のTHF溶液に、40 %アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD; 3当量)のトルエン溶液をゆっくりと添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。揮発性物質を真空下に蒸発させた。残渣をMPLCで精製し、粗生成物を得た。次に、得られた粗生成物(ノシレート; 1当量)及びK2CO3(4当量)のCH3CNの懸濁液に、チオフェノール(3当量)を添加した。反応混合物を60℃で一晩撹拌した。室温まで冷却後、混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をNH-MPLCで精製し、目的化合物を得た。
実施例7-1:1-(3-クロロベンジル)-4-フェニル-6-(4-(((トランス)-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)n-ブチル)-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1168)
50.0 mgのアルコールを用い、目的化合物を淡黄色オイルとして得た(20.8 mg, 13 %, 4 steps)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.35 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 7.27-7.22 (m, 6H), 7.16-7.11 (m, 2H), 7.10 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.03 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 4.84 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 4.44 (dd, J = 15.0, 1.8 Hz, 1H), 4.30-4.24 (m, 1H), 3.99 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 3.75 (dt, J = 14.4, 4.8 Hz, 1H), 3.58 (td, J = 14.4, 6.6 Hz, 1H), 3.50-3.46 (m, 1H), 2.77 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.33 (ddd, J = 7.2, 4.2, 3.0 Hz, 1H), 2.11-2.07 (m, 2H), 1.90-1.87 (m, 1H), 1.62-1.57 (m, 2H), 1.45-1.41 (m, 2H), 1.07-1.04 (m, 1H), 0.97-0.94 (m, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 167.9, 167.5, 142.5, 142.4, 139.1, 134.7, 130.1, 129.3, 128.2, 128.1, 128.0, 127.1, 126.3, 126.2, 125.8, 125.3, 50.9, 50.1, 49.97, 49.95, 49.1, 47.6, 41.6, 30.0, 26.3, 25.6, 25.1, 16.9; HRMS (ESI) m/z calcd for C31H35 35ClN3O2[M+H]+: 516.2412 found 516.2385。
実施例7-2:6-(4-(((トランス)-2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)シクロプロピル)アミノ)n-ブチル)-1-(3-クロロベンジル)-4-フェニル-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1184)
50.0 mgのアルコールを用い、目的化合物を白色アモルファスとして得た(41.3 mg, 22 %, 4 steps)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.55 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.47 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.41 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 7.36-7.23 (m, 7H), 7.16-7.09 (m, 5H), 4.83 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 4.44 (dd, J = 15.0, 1.8 Hz, 1H), 4.28-4.23 (m, 1H), 4.00-3.98 (m, 1H), 3.75-3.71 (m, 1H), 3.59-3.55 (m, 1H), 3.49-3.44 (m, 1H), 2.79 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.38-2.36 (m, 1H), 2.12-2.08 (m, 2H), 1.93-1.91 (m, 1H), 1.62-1.58 (m, 2H), 1.43-1.40 (m, 2H), 1.12-1.08 (m, 1H), 1.02-0.99 (m, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 167.8, 167.4, 142.5, 141.7, 141.0, 139.1, 138.3, 134.7, 130.1, 129.3, 128.7, 128.1, 128.0, 127.1, 126.90, 126.86, 126.3, 126.24, 126.20, (1 aromatic carbon peak overlapped somewhere) 50.9, 50.1, 49.9, 49.2, 47.5, 41.8, 30.0, 26.3, 25.7, 24.9, 17.1; HRMS (ESI) m/z calcd for C37H39 35ClN3O2[M+H]+: 592.2725 found 592.2723。
実施例8
以下の反応:
にしたがって、目的化合物を得た。
実施例8-1:N 1 -([1,1’-ビフェニル]-4-イル)エタン-1,2-ジアミン(SMY-1135)
CuCl(106 mg, 1.1 mmol)、KOH(1.20 g, 21 mmol)、及び4-ヨード-1,1’-ビフェニル(3.00 g, 11 mmol)の懸濁液に、エチレンジアミン(2.0 mL, 90 mmol)を添加した。反応混合物を50℃で3時間撹拌した。反応混合物を水(20 mL)で希釈し、CH2Cl2(20 mL×5)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮し、目的化合物を桃色固体として得た(2.27 g, quantitative)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.55-7.53 (m, 2H), 7.46-7.43 (m, 2H), 7.40-7.37 (m, 2H), 7.27-7.24 (m, 1H), 6.73-6.70 (m, 2H), 4.13 (brs, 1H), 3.24 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 2.99 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 1.24 (brs, 2H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 147.9, 141.3, 130.4, 128.6, 127.9, 126.3, 126.0, 113.2, 46.6, 41.2; HRMS (ESI) m/z calcd for C14H17N2 [M+H]+: 213.1386 found 213.1380。
実施例8-2:N 1 -([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-N 2 -(3-クロロベンジル)エタン-1,2-ジアミンジヒドロクロリド(SMY-1193rec)
実施例8-1で得たN1-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)エタン-1,2-ジアミン(SMY-1135; 2.27 g, 11 mmol)、及び3-クロロベンズアルデヒド(1.33 mL, 12 mmol)のメタノール(30 mL)溶液に、酢酸(触媒量)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。混合物に水素化ホウ素ナトリウム(404.5 mg, 11 mmol)を慎重に添加し、室温で30分間撹拌した。揮発性物質を真空下に蒸発させた。残渣に飽和NaHCO3水溶液(20 mL)を添加し、CH2Cl2(30 mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をMPLC(CH2Cl2:メタノール= 97: 3)で精製し、目的化合物を茶色オイルとして得た(2.96 g)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.53 (dd, J = 8.4, 1.2 Hz, 2H), 7.44 (dd, J = 7.2, 2.4 Hz, 2H), 7.38 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 7.33 (s, 1H), 7.26-7.22 (m, 3H), 7.19 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 6.70 (dd, J = 7.2, 2.4 Hz, 2H), 4.17 (brs, 1H), 3.78 (s, 2H), 3.25 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 2.89 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 1.44 (brs, 2H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 147.8, 142.3, 141.2, 134.3, 130.3, 129.7, 128.6, 128.1, 127.9, 127.2, 126.2, 126.1, 126.0, 113.2, 53.0, 47.9, 43.5; HRMS (ESI) m/z calcd for C21H22 35ClN2[M+H]+: 337.1466 found 337.1462。
得られたオイルをエタノール(5 mL)、及び0.5 M塩酸エタノール溶液(HCl-EtOH; 50 mL)中に溶解させた。揮発性物質を真空下に蒸発させた。得られた残渣を酢酸エチルで洗浄し、ジヒドロクロリドを淡黄色粉末として得た(3.40 g, 78 %)。
実施例8-3:1-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-クロロベンジル)-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1193)
実施例8-2で得られたN1-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-N2-(3-クロロベンジル)エタン-1,2-ジアミンジヒドロクロリド(SMY-1193rec; 1.70 g, 4.2 mmol)のTHF(50 mL)の懸濁液に、マロニルクロリド(1.21 mL, 13 mmol)のTHF(20 mL)溶液をゆっくりと添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物にマロニルクロリド(0.30 mL, 3.1 mmol)のTHF(10 mL)溶液を添加し、再び一晩撹拌した。反応混合物を水(100 mL)で希釈し、酢酸エチル(70 mL×2)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(50 mL×1)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をMPLC(酢酸エチル/メタノール= 99: 1 to 93: 7)で精製し、目的化合物を橙色アモルファスとして得た(875 mg, 52 %)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.60-7.57 (m, 2H), 7.55-7.53 (m, 2H), 7.43 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 7.35 (tt, J = 7.2, 1.2 Hz, 1H), 7.29-7.24 (m, 5H), 7.19-7.18 (m, 1H), 4.66 (s, 2H), 3.99 (s, 2H), 3.97-3.96 (m, 2H), 3.62-3.60 (m, 2H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 165.8, 164.8, 141.1, 140.3, 140.1, 138.6, 134.7, 130.1, 128.8, 128.12, 128.07, 127.5, 127.1, 126.4, 126.2, (1 aromatic carbon peak overlapped somewhere) 50.7, 50.3, 48.2, 46.6; HRMS (ESI) m/z calcd for C24H21 35ClN2NaO2[M+Na]+: 427.1184 found 427.1177。
実施例8-4:4-(1-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-クロロベンジル)-5,7-ジオキソ-1,4-ジアゼピン-6-イル)n-ブチルアセテート(SMY-1205, 1286)
実施例8-3で得られた1-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-クロロベンジル)-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1193; 2.21 g, 5.5 mmol)のDMF/THF(15+15 mL)溶液に、NaH(437 mg, 11 mmol)をゆっくりと添加した。室温で1時間撹拌した後、混合物に4-ブロモ酢酸n-ブチル(1.58 mL, 11 mmol)を添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を水(30 mL)で希釈し、酢酸エチル(20 mL×3)で抽出した。合わせた有機層を水(30 mL×1)及び食塩水(30 mL×1)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をMPLC(酢酸エチル/メタノール= 99: 1 to 93: 7)で精製し、目的化合物を淡黄色アモルファスとして得た(1.32 g)。得られた粗生成物をさらに精製せずに次の工程に用いた。
実施例8-5:1-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-クロロベンジル)-6-(4-ヒドロキシn-ブチル)-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1246)
実施例8-4で得られた4-(1-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-クロロベンジル)-5,7-ジオキソ-1,4-ジアゼピン-6-イル)n-ブチルアセテート(SMY-1205, 1286; 1.42 g, 2.7 mmol)のエタノール(15 mL)溶液に、2M NaOH(5 mL)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。揮発性物質を真空下に除去した。残渣に5M HCl(3 mL)を添加し、酢酸エチル(10 mL×2)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(10 mL×1)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をMPLC(酢酸エチル/メタノール= 99: 1 to 93: 7)で精製し、目的化合物を白色アモルファスとして得た(1.15 g, 41 %, 2 steps)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.55-7.52 (m, 4H), 7.16 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.34 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.26-7.23 (m, 3H), 7.17-7.14 (m, 3H), 4.88 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 4.41 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 4.32 (ddd, J = 15.0, 9.5, 4.5 Hz, 1H), 4.06 (t, J = 6.5 Hz, 1H), 3.78 (dt, J = 14.5, 4.5 Hz, 1H), 3.68 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 3.61 (dt, J = 15.0, 5.5 Hz, 1H), 3.52-3.46 (m, 1H), 2.23 (brs, 1H), 2.13-2.07 (m, 2H), 1.67-1.62 (m, 2H), 1.50-1.44 (m, 2H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 168.0, 167.5, 141.5, 140.1, 140.0, 139.0, 134.6, 130.1, 128.7, 127.9, 127.5, 127.0, 126.5, 126.2, (2 aromatic carbon peaks overlapped somewhere) 62.0, 50.8, 50.0, 49.9, 47.5, 32.2, 25.6, 23.7; HRMS (ESI) m/z calcd for C28H30 35ClN2O3[M+H]+: 477.1939 found 477.1919。
実施例9
以下の反応:
にしたがって、目的化合物を得た。
一般操作
実施例8-5で得た1-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-クロロベンジル)-6-(4-ヒドロキシn-ブチル)-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1246; 1当量)、ノシレート(1.1当量)、及びトリフェニルホスフィン(PPh3; 3当量)のTHF溶液に、40 %アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD; 3当量)のトルエン溶液をゆっくりと添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。揮発性物質を真空下に蒸発させた。残渣をMPLCで精製し、粗生成物(ジエチルヒドラジンジカルボキシレートを含むことが多い)を得た。次に、得られた粗生成物(ノシレート; 1当量)及びK2CO3(4当量)のCH3CNの懸濁液に、チオフェノール(3当量)を添加した。反応混合物を60℃で一晩撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をNH-MPLCで精製し、目的化合物を得た。
実施例9-1:1-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-クロロベンジル)-6-(4-(((トランス)-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)n-ブチル)-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1216, 1360)
10.0 mgのアルコールを用い、目的化合物を白色アモルファスとして得た(5.8 mg, 47 %)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.57-7.53 (m, 4H), 7.44 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.35 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.28-7.23 (m, 5H), 7.19-7.12 (m, 4H), 7.04 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 4.88 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 4.46 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 4.36-4.29 (m, 1H), 4.02 (t, J = 6.5 Hz, 1H), 3.81-3.76 (m, 1H), 3.65 (td, J = 15.0, 6.0 Hz, 1H), 3.55-3.49 (m, 1H), 2.79 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.35-2.33 (m, 1H), 2.14-2.09 (m, 2H), 1.92-1.86 (m, 1H), 1.64-1.58 (m, 2H), 1.46-1.42 (m, 2H), 1.09-1.05 (m, 1H), 0.99-0.95 (m, 1H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 167.9, 167.3, 142.3, 141.5, 140.1, 139.9, 139.0, 134.5, 130.0, 128.7, 128.1, 127.92, 127.86, 127.4, 126.9, 126.5, 126.1, 125.7, 125.2, (1 aromatic carbon peak overlapped somewhere) 50.7, 49.9, 49.8, 49.0, 47.4, 41.5, 29.9, 26.2, 25.5, 25.0, 16.9; HRMS (ESI) m/z calcd for C37H39 35ClN3O2[M+H]+: 592.2725 found 592.2717。
実施例9-2:1-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-6-(4-(((トランス)-2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)シクロプロピル)アミノ)n-ブチル)-4-(3-クロロベンジル)-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1259)
50.0 mgのアルコールを用い、目的化合物を白色アモルファスとして得た(27.8 mg, 40 %)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.56-7.53 (m, 6H), 7.47 (dd, J = 8.4, 1.8 Hz, 2H), 7.44-7.40 (m, 4H), 7.35 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.31 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.27-7.24 (m, 3H), 7.18-7.14 (m, 3H), 7.11 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 4.86 (dd, J = 15.0, 2.4 Hz, 1H), 4.44 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 4.32-4.27 (m, 1H), 4.02 (td, J = 6.6, 1.8 Hz, 1H), 3.77-3.72 (m, 1H), 3.64-3.59 (m, 1H), 3.52-3.47 (m, 1H), 2.80 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.39-2.37 (m, 1H), 2.12 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.95-1.92 (m, 1H), 1.64-1.59 (m, 2H), 1.47-1.42 (m, 2H), 1.12-1.09 (m, 1H), 1.02-0.99 (m, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 167.9, 167.4, 141.7, 141.6, 141.0, 140.2, 140.1, 139.0, 138.3, 134.7, 130.1, 128.8, 128.7, 128.1, 128.0, 127.4, 127.1, 126.9, 126.8, 126.5, 126.22, 126.17 (2 aromatic carbon peaks overlapped somewhere), 50.9, 50.0, 49.9, 49.1, 47.5, 41.7, 30.0, 26.3, 25.6, 24.8, 17.1; HRMS (ESI) m/z calcd for C43H43 35ClN3O2[M+H]+: 668.3038 found 668.3016。
実施例10
以下の反応:
にしたがって、目的化合物を得た。
一般操作
実施例8-5で得た1-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-クロロベンジル)-6-(4-ヒドロキシn-ブチル)-1,4-ジアゼピン-5,7-ジオン(SMY-1246; 1当量)、N-((トランス)-2-(4-ブロモフェニル)シクロプロピル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(1.1当量)、及びトリフェニルホスフィン(PPh3; 3当量)のTHF溶液に、40 %アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD; 3当量)のトルエン溶液をゆっくりと添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。揮発性物質を真空下に蒸発させた。得られた残渣をMPLCで精製し、粗生成物(ジエチルヒドラジンジカルボキシレートを含むN-(4-(1-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-クロロベンジル)-5,7-ジオキソ-1,4-ジアゼピン-6-イル)n-ブチル)-N-((トランス)-2-(4-ブロモフェニル)シクロプロピル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド)を得た。次に、得られた粗生成物(ノシレート; 1当量)、アリールボロネート(3当量)、Na2CO3(3当量)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh3)4; 10 mol%)のトルエン/メタノール/H2O(25: 5: 1)の懸濁液を、窒素雰囲気下に70℃で加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をMPLCで精製し、粗生成物を得た。次に、得られた粗生成物(ビフェニル誘導体; 1当量)及びK2CO3(4当量)のCH3CNの懸濁液に、チオフェノール(3当量)を添加した。反応混合物を60℃で一晩撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をNH-MPLCで精製し、目的化合物を得た。
実施例10-1:4’-((トランス)-2-((4-(1-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-クロロベンジル)-5,7-ジオキソ-1,4-ジアゼピン-6-イル)n-ブチル)アミノ)シクロプロピル)-N-メチル-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(SMY-1301)
25.0 mgのアルコールを用い、目的化合物を白色アモルファスとして得た(11.7 mg, 13 %, 3 steps)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.04 (s, 1H), 7.80-7.75 (m, 2H), 7.57-7.53 (m, 5H), 7.48 (dd, J = 8.4, 1.8 Hz, 2H), 7.43 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 7.35 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.27-7.16 (m, 3H), 7.19-7.16 (m, 3H), 7.12 (dd, J = 8.4, 1.2 Hz, 2H), 4.87 (dd, J = 15.0, 1.8 Hz, 1H), 4.58 (brs, 1H), 4.46 (dd, J = 15.0, 1.8 Hz, 1H), 4.35-4.31 (m, 1H), 4.03 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 3.81-3.77 (m, 1H), 3.65 (dt, J = 15.0, 6.0 Hz, 1H), 3.55-3.50 (m, 1H), 2.80 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.67 (s, 3H), 2.38 (ddd, J = 7.2, 4.2, 3.0 Hz, 1H), 2.11 (q, J = 7.8 Hz, 2H), 1.96-1.93 (m, 1H), 1.64-1.59 (m, 2H), 1.47-1.42 (m, 2H), 1.15-1.12 (m, 1H), 1.03-1.00 (m, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 168.0, 167.4, 143.0, 142.2, 141.6, 140.2, 140.2, 139.3, 139.1, 136.3, 134.7, 131.0, 130.2, 129.5, 128.8, 128.08, 128.05, 127.5, 127.1, 127.0, 126.6, 126.4, 126.3, 125.4, 125.3 (1 aromatic carbon peak overlapped somewhere), 50.9, 50.1, 49.9, 49.1, 47.6, 42.0, 30.0, 29.4, 26.3, 25.6, 24.9, 17.3; HRMS (ESI) m/z calcd for C44H46 35ClN4O4S [M+H]+: 761.2923 found 761.2911。
実施例10-2:4’-((トランス)-2-((4-(1-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-クロロベンジル)-5,7-ジオキソ-1,4-ジアゼピン-6-イル)n-ブチル)アミノ)シクロプロピル)-N-メチル-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキシアミド(SMY-1305)
25.0 mgのアルコールを用い、目的化合物を白色アモルファスとして得た(10.3 mg, 12 %, 3 steps)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.95 (s, 1H), 7.67 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 7.56-7.54 (m, 4H), 7.49-7.42 (m, 5H), 7.35 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.27-7.25 (m, 3H), 7.17-7.15 (m, 3H), 7.11 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 6.30 (brs, 1H), 4.87 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 4.45 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 4.34-4.29 (m, 1H), 4.02 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 3.80-3.76 (m, 1H), 3.64 (dt, J = 15.0, 6.0 Hz, 1H), 3.54-3.49 (m, 1H), 3.02 (d, J = 4.8 Hz, 3H), 2.80 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.39-2.37 (m, 1H), 2.12 (q, J = 7.8 Hz, 2H), 1.95-1.93 (m, 1H), 1.64-1.60 (m, 2H), 1.46-1.42 (m, 2H), 1.14-1.10 (m, 1H), 1.02 (q, J = 6.0 Hz, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 168.2, 168.0, 167.4, 142.3, 141.6, 141.4, 140.20, 140.17, 139.1, 137.3, 135.2, 134.7, 130.2, 129.7, 128.9, 128.8, 128.09, 128.04, 127.5, 127.1, 126.9, 126.6, 126.29, 126.25, 125.4, 125.2 (1 aromatic carbon peak overlapped somewhere), 50.9, 50.1, 49.9, 49.1, 47.6, 41.9, 30.0, 26.9, 26.3, 25.7, 24.9, 17.2; HRMS (ESI) m/z calcd for C45H46 35ClN4O3[M+H]+: 725.3253 found 725.3246。
合成例1
以下の反応:
[式中、Pivはピバロイル基を示す。nPrOHはn-プロピルアルコールを示す。DIPEAはN,N-ジイソプロピルエチルアミンを示す。以下同様である。]
にしたがって、目的化合物を得た。
一般操作
N-((トランス)-2-アリールシクロプロピル)ピバルアミド(1当量, ref. Angew. Chem. Int. Ed. 2015, 54, 846)のn-プロピルアルコール溶液に、濃塩酸(過剰量)を添加した。混合物をscrew vial中で100℃で40時間加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで洗浄した(back-extraction)。水相を5M NaOHで塩基性化し、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮し、粗生成物(第1級アミン)を得た。得られた粗生成物(アミン; 1当量)及びヒューニッヒ塩基(1.5当量)のCH2Cl2溶液に、2-ニトロベンゼンスルホニルクロリド(1.05当量)をゆっくりと添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、CH2Cl2で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をMPLCで精製し、目的化合物を得た。
合成例1-1:2-ニトロ-N-((トランス)-2-フェニルシクロプロピル)ベンゼンスルホンアミド(SMY-1367, 1154)
730 mgのピバレートを用い、目的化合物を薄茶色オイルとして得た(478 mg, 45 %)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.86 (dd, J = 7.9 Hz, 1H), 7.74 (td, J = 7.8, 1.5 Hz, 1H), 7.67 (td, J = 7.7, 1.4 Hz, 1H), 7.27-7.23 (m, 3H), 7.21-7.16 (m, 1H), 7.02-7.00 (m, 2H), 5.74 (brs, 1H), 2.49-2.46 (m, 1H), 2.28 (ddd, J = 9.7, 6.6, 3.0 Hz, 1H), 1.39 (ddd, J = 10.0, 6.0, 4.0 Hz, 1H), 1.25-1.22 (m, 1H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 148.0, 139.3, 133.9, 132.8, 132.6, 131.6, 128.3, 126.3, 126.1, 125.2, 34.1, 24.3, 15.2; HRMS (ESI) m/z calcd for C15H14N2NaO4S [M+Na]+: 341.0566 found 341.0543。
合成例1-2:トランス-N-(2-(3-フルオロフェニル)シクロプロピル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド
185 mgのピバレートを用い、目的化合物を薄茶色オイルとして得た(108 mg, 41 %)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.10 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.87 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.74-7.68 (m, 2H), 7.22-7.19 (m, 1H), 6.91-6.82 (m, 2H), 6.67 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 5.79 (brs, 1H), 2.49-2.45 (m, 1H), 2.31-2.26 (m, 1H), 1.44-1.39 (m, 1H), 1.28-1.19 (m, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 162.9 (d, JCF= 244.2 Hz), 148.2, 142.1, 133.9, 132.9, 132.8, 131.7, 129.9 (d, JCF= 8.7 Hz), 125.4, 122.0 (d, JCF = 2.9 Hz), 113.4 (d, JCF= 21.5 Hz), 113.0 (d, JCF = 21.6 Hz), 34.3, 24.3, 15.4。
合成例1-3:N-((トランス)-2-(4-フルオロフェニル)シクロプロピル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(SMY-1141)
210 mgのピバレートを用い、目的化合物を黄色オイルとして得た(114 mg, 38 %)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.09 (dd, J = 7.2, 1.2 Hz, 1H), 7.87 (dd, J = 7.8, 1.2 Hz, 1H), 7.75 (td, J = 7.8, 1.2 Hz, 1H), 7.69 (td, J = 7.2, 1.2 Hz, 1H), 7.02-6.99 (m, 2H), 6.97-6.93 (m, 2H), 5.76 (brs, 1H), 2.43-2.40 (m, 1H), 2.30 (ddd, J = 9.6, 6.6, 3.0 Hz, 1H), 1.37 (ddd, J = 9.6, 6.0, 3.6 Hz, 1H), 1.18 (ddd, J = 7.2, 6.6, 6.6 Hz, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 161.5 (d, JCF= 242.7 Hz), 148.2, 135.0 (d, JCF = 2.9 Hz), 133.9, 133.0, 132.7, 131.6, 127.8 (d, JCF = 7.2 Hz), 125.3, 115.2 (d, JCF = 21.6 Hz), 34.0, 23.8, 14.9; HRMS (ESI) m/z calcd for C15H12N2O4S [M-H]-: 335.0507 found 335.0496。
合成例1-4:2-ニトロ-N-((トランス)-2-(p-トリル)シクロプロピル)ベンゼンスルホンアミド(SMY-1147)
150 mgのピバレートを用い、目的化合物を無色オイルとして得た(96.9 mg, 45 %)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.10 (dd, J = 7.5, 1.5 Hz, 1H), 7.84 (dd, J = 8.0, 1.5 Hz, 1H), 7.73 (td, J = 7.5, 1.5 Hz, 1H), 7.67 (td, J = 8.0, 1.0 Hz, 1H), 7.05 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.90 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 5.76 (brs, 1H), 2.46-2.44 (m, 1H), 2.29 (s, 3H), 2.22 (ddd, J = 10.0, 6.5, 3.5 Hz, 1H), 1.34 (ddd, J = 10.0, 6.0, 4.0 Hz, 1H), 1.18 (q, J = 7.0 Hz, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 148.1, 136.2, 136.0, 133.8, 132.9, 132.7, 131.7, 129.1, 126.1, 125.2, 34.0, 24.0, 20.9, 15.0; HRMS (ESI) m/z calcd for C16H16N2NaO4S [M+Na]+: 355.0723 found 355.0699。
合成例1-5:N-((トランス)-2-(4-メトキシフェニル)シクロプロピル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(SMY-1180)
180 mgのピバレートを用い、目的化合物を黄色オイルとして得た(73.3 mg, 29 %)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.10 (dd, J = 7.8, 1.8 Hz, 1H), 7.83 (dd, J = 7.8, 1.8 Hz, 1H), 7.73 (td, J = 7.8, 1.2 Hz, 1H), 7.67 (td, J = 7.8, 1.2 Hz, 1H), 6.95 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.79 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.78 (brs, 1H), 3.77 (s, 3H), 2.43-2.40 (m, 1H), 2.22 (ddd, J = 10.2, 7.2, 3.0 Hz, 1H), 1.31 (ddd, J = 10.2, 6.0, 4.2 Hz, 1H), 1.15 (q, J = 6.6 Hz, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 158.2, 148.1, 133.8, 132.9, 132.7, 131.6, 131.2, 127.4, 125.2, 113.8, 55.2, 33.8, 23.6, 14.7; HRMS (ESI) m/z calcd for C16H16N2NaO5S [M+Na]+: 371.0672 found 371.0663。
合成例1-6:N-((トランス)-2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)シクロプロピル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(SMY-1170)
320 mgのピバレートを用い、目的化合物を黄色固体として得た(282 mg, 66 %)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.13 (dd, J = 7.8, 1.2 Hz, 1H), 7.86 (dd, J = 7.8, 1.2 Hz, 1H), 7.74 (td, J = 7.8, 1.8 Hz, 1H), 7.68 (td, J = 7.8, 1.2 Hz, 1H), 7.55 (dd, J = 7.8, 1.2 Hz, 2H), 7.49 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.43 (t, J = 8.4 Hz, 2H), 7.34 (tt, J = 7.2, 1.2 Hz, 1H), 7.09 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 5.79 (brs, 1H), 2.53-2.51 (m, 1H), 2.32 (ddd, J = 9.6, 6.6, 3.0 Hz, 1H), 1.42 (ddd, J = 10.2, 6.0, 4.2 Hz, 1H), 1.27 (q, J = 6.6 Hz, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 148.3, 140.6, 139.4, 138.5, 133.8, 133.1, 132.7, 131.8, 128.8, 127.3, 127.1, 126.9, 126.7, 125.3, 34.3, 24.2, 15.3; HRMS (ESI) m/z calcd for C21H17N2O4S [M-H]-: 393.0915 found 393.0901。
合成例2
以下の反応:
[式中、dppfは1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンを示す。AcOKは酢酸カリウムを示す。DMSOはジメチルスルホキシドを示す。以下同様である。]
にしたがって、目的化合物を得た。
合成例2-1:3-ブロモ-N-メチルベンゼンスルホンアミド(SMY-1277)
メチルアミン(MeNH2)の2M THF溶液(0.625 mL, 17 mmol)をTHF(10 mL)に溶解させ、m-ブロモベンゼンスルホニルクロリド(0.50 mL, 3.5 mmol)をゆっくりと添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を水(20 mL)で希釈し、酢酸エチル(15 mL×2)で抽出した。合わせた有機層を水(15 mL×1)及び食塩水(15 mL×1)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をMPLC(ヘキサン/酢酸エチル= 3: 1 to 2: 3)で精製し、目的化合物を白色固体として得た(734 mg, 85 %)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.02 (t, J = 1.8 Hz, 1H), 7.81-7.79 (m, 1H), 7.73-7.71 (m, 1H), 7.42 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 4.42 (brs, 1H), 2.70 (d, J = 5.4 Hz, 3H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 140.8, 135.8, 130.6, 130.1, 125.7, 123.2, 29.4; HRMS (ESI) m/z calcd for C7H7 79BrNO2S [M-H]-: 247.9386 found 247.9383。
合成例2-2:N-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゼンスルホンアミド(SMY-1283)
合成例2-1で得た3-ブロモ-N-メチルベンゼンスルホンアミド(SMY-1277; 730 mg, 2.9 mmol)、酢酸カリウム(AcOK; 716 mg, 7.3 mmol)、ジクロロ[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム・ジクロロメタン(PdCl2(dppf)・CH2Cl2; 238 mg, 0.29 mmol)、及びビスピナコレートジボロン(B2pin2; 741 mg, 2.9 mmol)のジメチルスルホキシド(DMSO; 10 mL)の懸濁液を80℃で6時間加熱した。室温まで冷却後、反応混合物を水(20 mL)で希釈し、酢酸エチル(20 mL)で抽出した。不溶物をセライトでろ過した。ろ液を酢酸エチル(15 mL×2)で抽出した。合わせた有機層を水(20 mL×1)及び食塩水(20 mL×1)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をMPLC(ヘキサン/酢酸エチル= 3: 1 to 15: 85)で精製し、目的化合物を白色固体として得た(602 mg, 69 %)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.29 (s, 1H), 8.00 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.96-7.94 (m, 1H), 7.53 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 4.54 (brs, 1H), 2.66 (d, J = 5.4 Hz, 3H), 1.35 (s, 12H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 138.8, 138.2, 133.2, 129.8, 128.4, 84.4, 29.3, 24.8 (B ipso carbon not observed); HRMS (ESI) m/z calcd for C13H20BNNaO4S [M+Na]+: 320.1098 found 320.1096。
合成例3
以下の反応:
にしたがって、目的化合物を得た。
合成例3-1:3-ブロモ-N-メチルベンズアミド(SMY-1296)
3-ブロモ安息香酸(1.0 g, 5.0 mmol)及びN-メチルピロリドン(NMP; 3滴)のCH2Cl2(10 mL)溶液に、塩化オキサリル(0.51 mL, 6.0 mmol)を添加した。室温で2時間撹拌した後、揮発性物質を真空下に蒸発させた。得られた残渣をCH2Cl2(20 mL)に溶解させた。次に、0℃で、2M NH3のTHF溶液(8.0 mL, 16 mmol)をこの溶液にゆっくりと添加した。室温で反応混合物を2時間撹拌した。揮発性物質を真空下に蒸発させた。得られた残渣に水(20 mL)を添加し、酢酸エチル(15 mL×2)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(20 mL×1)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をMPLC(ヘキサン/酢酸エチル= 3: 1 to 1: 4)で精製し、目的化合物を白色固体として得た(845 mg, 79 %)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.91 (t, J = 2.0 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.62 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.31 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 6.11 (brs, 1H), 3.02 (d, J = 4.5 Hz, 3H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 166.7, 136.6, 134.3, 130.14, 130.09, 125.4, 122.7, 26.9; HRMS (ESI) m/z calcd for C8H9 79BrNO [M+H]+: 213.9862 found 213.9860。
合成例3-2:N-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンズアミド(SMY-1297)
合成例3-1で得た3-ブロモ-N-メチルベンズアミド(SMY-1296; 400 mg, 1.9 mmol)、酢酸カリウム(AcOK; 550 mg, 5.6 mmol)、ジクロロ[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム・ジクロロメタン(PdCl2(dppf)・CH2Cl2; 45.8 mg, 56μmol)、及びビスピナコレートジボロン(B2pin2; 712 mg, 2.8 mmol)の1,4-ジオキサン(10 mL)の懸濁液を80℃で5時間加熱した。室温まで冷却後、反応混合物を水(20 mL)で希釈し、酢酸エチル(20 mL)で抽出した。不溶物をセライトでろ過した。ろ液を酢酸エチル(15 mL×2)で抽出した。合わせた有機層を水(20 mL×1)及び食塩水(20 mL×1)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。得られた残渣をMPLC(CHCl3/アセトン= 99: 1 to 93: 7)で精製し、目的化合物を薄茶色固体として得た(330 mg, 68 %)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.08 (s, 1H), 7.98-7.96 (m, 1H), 7.92 (dt, J = 7.2, 1.2 Hz, 1H), 7.45 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 6.31 (brs, 1H), 3.01 (d, J = 4.8 Hz, 3H), 1.35 (s, 12H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 168.1, 137.6, 133.9, 132.1, 130.5, 128.2, 84.1, 26.7, 24.8 (B ipso carbon not observed); HRMS (ESI) m/z calcd for C14H20 11BNNaO3[M+Na]+: 284.1428 found 284.1423。
試験例1:LSD1阻害活性試験
LSD1の酵素活性は、Enzo life science社のLSD1 fluorescent assay kit (BML-AK544-0001) を用いて評価した。96ウェルプレート上で25μLの4倍阻害薬(最終濃度100-0.01μM)を25μLのLSD1(0.5μg/ウェル)とHRPを含む4倍酵素溶液 に加えた後、50μLのH3K4me2ペプチド(終濃度20μM)とCeLLestialTM Redを含む2倍基質溶液をブランク以外の全てのウェルに加えた。室温で30分間インキュベーションした後、PerkinElmer社の2030 ARVOTM X3マルチラベルリーダーで蛍光強度(励起波長:540 nm、蛍光波長:590 nm)を測定し、IC50値(酵素活性を50%阻害する阻害薬濃度)を算出した。また、阻害活性については、ジメチルスルホキシド添加時の酵素活性を100 %とし、50 %の活性を阻害する濃度(IC50)を求めた。LSD1阻害活性試験の結果を表1に示す。なお、比較例として、公知のLSD1阻害剤であるPCPAの結果も示す。
試験例2:モノアミンオキシターゼ阻害活性試験
LSD1阻害活性の高かった実施例1-2、1-6、2-2、5-2、7-2及び9-1について、モノアミンオキシダーゼA(MAO-A)及びモノアミンオキシダーゼB(MAO-B)阻害活性の測定を、Promega社のMAO-GloアッセイキットとSigma-Aldrich社から購入したMAO-A及びMAO-Bを用いて以下のように行った。
12.5μLの4倍MAO基質(最終濃度40μM)、12.5μLの4倍阻害剤溶液(最終濃度0.01〜100μM)、25μLのMAO-A(最終濃度 9 unit/mL)又は25μLのMAO-B(最終濃度3 unit/mL)を混合し、室温で1時間反応させた。この反応液に50μLのルシフェリン検出試薬を添加し、室温で20分反応させ、PerkinElmer社の2030 ARVOTM X3マルチラベルリーダーで化学発光強度を測定し、50 %の活性を阻害する濃度(IC50)を求めた。なお、濃度を100μMとしても50 %の活性を阻害しなかったものは、100μM濃度における阻害活性(%)を示すものもある。モノアミンオキシターゼ阻害活性試験の結果を表1に示す。なお、比較例として、公知のLSD1阻害剤であるPCPAの結果も示す。表1の結果から、本発明の化合物は、LSD1の機能を選択的に阻害することができ、なかでも、実施例2-2のSMY-1198、実施例7-2のSMY-1184、実施例9-1のSMY-1216は特に優れていることが理解できる。
試験例2:細胞増殖阻害試験
ヒト乳癌由来細胞株であるMDA-MB-231細胞、ヒト乳癌由来細胞株であるMCF-7細胞、ヒト子宮頸癌由来細胞株であるHeLa細胞、及びヒト肺癌由来細胞株であるA549細胞の増殖に対する化合物の阻害活性を測定することにより評価した。以下にその詳細を示す。
細胞増殖阻害活性は、AlamarBlue(登録商標)アッセイ法により求めた。このアッセイ法は、生きた細胞のミトコンドリアに含まれるNADHがAlamarBlue試薬に含まれるレサズリンと反応して発色するときの蛍光を測定して、NADHの量を測定することを原理とするものであり、以下の手順で行った。
96ウエルマイクロタイタープレートにMDA-MB-231細胞、MCF-7細胞、HeLa細胞又はA549細胞を1ウエルあたり50μLの10%ウシ胎児血清含有培地に1000細胞又は2000細胞ずつ播種し、インキュベーターで24時間培養した。培養後、化合物を添加した。次いで、さらに72時間培養後、AlamarBlue試薬を1ウエルあたり10μL入れた。インキュベーターで3時間培養した。PerkinElmer社の2030 ARVOTMマルチラベルリーダーで蛍光強度(励起波長:540 nm、測定波長:590 nm)を測定し、細胞の生存量を求めた。また、阻害活性は、ジメチルスルホキシド添加時の酵素活性を100%とし、各化合物の添加濃度を様々に変えて残存活性を測定し、50%の活性を阻害する濃度(GI50)を求めた。なお、濃度を10μMとしても50 %の活性を阻害しなかったものは、10μM濃度における阻害活性(%)を示す。
なお、MDA-MB-231細胞を評価する場合は、10%ウシ胎児血清含有Leibovitz’s L-15培地に2000細胞ずつ播種し、培養は37℃で行った。また、MCF-7細胞を評価する場合は、10%ウシ胎児血清含有D-MEM培地に2000細胞ずつ播種し、培養は5%CO2存在下、37℃で行った。また、HeLa細胞を評価する場合は、10%ウシ胎児血清含有RPMI1640培地に1000細胞ずつ播種し、培養は5%CO2存在下、37℃で行った。さらに、A549細胞を評価する場合は、10%ウシ胎児血清含有RPMI1640培地に1000細胞ずつ播種、培養は5%CO2存在下、37℃で行った。
結果を表2に示す。表2の結果から、本発明の化合物は、いずれの癌細胞の増殖も抑制することができ、なかでも、実施例9-1のSMY-1216は特に優れていることが理解できる。
試験例3:Flowcytometry
A549細胞をDMEM培地に8 x 104cells/ 2 mL/ well(24時間:細胞周期解析及びアポトーシス解析)、4 x 104 cells/ 2 mL/ well(48時間:アポトーシス解析)又は2 x 104cells/ 2 mL/ well(72時間:アポトーシス解析)の濃度で播種し、CO2インキュベーターで24時間培養した後、実施例9-1のSMY-1216を添加し、CO2インキュベーターで24、48、72時間処理した。なお、各化合物の濃度は、2μM、4μM、6μM又は8μMとし、対照として0.1% DMSOを用いた。
培地を15 mLチューブに回収し、2 mLの1 x PBSで細胞を洗浄後、トリプシン処理を実施した。回収した培地を細胞に再添加してトリプシンを不活性化させ、浮遊状態になった細胞を15 mLチューブに再回収した。浮遊状態で回収された細胞は、4℃、1500 rpmで5分遠心し、培地を除去した後、氷冷1 mLの1 x PBSを添加し、再度4℃、1500 rpmで5分遠心し、上清を除去した。沈殿した細胞を200μLの氷冷1 x PBSに懸濁し、0.2% triton-X(ナカライテスク)で処理した後に、0.5 mg/mLのヨウ化プロピジウム(Sigma-Aldrich)を用いて核を染色した。
核染色された細胞に対して、FACSCalibur(Becton-Dickinson)を用いて、そのDNA含量を測定した。細胞周期はModFit(Verity Software House)及びアポトーシスはCellQuest(Becton-Dickinson)を用いて解析を実施した。
結果を図1に示す。図1の結果から、本発明の化合物を24時間2、4、6μM処理した場合、A549細胞のG1期の増加とS期の減少が認められ、本化合物によるG1期における細胞周期の停止が生じていると考えられた。また、6、8μM処理した場合は、sub-G1期の増加が認められ、アポトーシスが生じていると考えられた。さらに、そのsub-G1期は、24時間、48時間、72時間と時間依存的に増加することから、アポトーシスの誘導には時間依存性があると考えられた。
試験例4:ウェスタンブロッティング
A549細胞をDMEM培地に2.5 x 105 cells/10 mL/ dishの濃度で播種し、CO2インキュベーターで一晩培養した後、実施例9-1のSMY-1216を添加し、CO2インキュベーターで24時間培養した。なお、各化合物の濃度は、0 M、2μM、4μM、6μM又は8μMとした。
スクレイパーで細胞を剥がして懸濁し、15 mLチューブに回収し、氷上に静置した。以降の操作は氷上、または4℃で行った。4℃、700 gで5分遠心した後、上清を吸引除去した。2 mLの氷冷1 x PBSで細胞を洗浄後、4℃、700 gで5分遠心し、上澄みを吸引除去した。再度2 mLの氷冷1 x PBSで細胞を洗浄後、700 gで5分遠心し、上澄みを吸引除去した。50μLの溶解液(50 mM Tris-HCl [pH8.0]、150 mM 塩化ナトリウム、1% NP-40、0.5% デオキシコール酸、0.1% SDS、1 mMエチレンジアミン四酢酸、1 mMジチオトレイトール、0.5 mMフッ化フェニルメチルスルホニル、2 mg/mL アプロチニン、2 mg/mL ロイペプチン、1% ホスファターゼ阻害剤カクテル(ナカライテスク))を細胞に加えてピペッティングした後、サンプルをエッペンチューブに回収した。超音波処理をした後、4℃、20,000 gで10分遠心し、上清を蛋白質抽出液として以降の解析に用いた。Bio-Rad Protein Assay Dye Reagent(Bio-Rad Laboratories)を用いて溶解物の蛋白質量を測定し、SDS-サンプルバッファーにより希釈し同一蛋白質量を含む電気泳動サンプルを調製した。12% SDS-ポリアクリルアミドゲルにサンプル10μLをアプライし、電気泳動し、PVDF膜(Millipore)に転写した。
続いて、ブロッキングバッファー(5% スキムミルク、0.1% アジ化ナトリウム)を用いて転写膜を室温で1時間、または一晩インキュベーションした。一次抗体(H3K4me3 一次抗体:CST、1:1000希釈)入りブロッキングバッファー(5% スキムミルク、0.1% アジ化ナトリウム)中で、室温で1時間、または一晩インキュベーションした。TBS-Tバッファーで洗浄したのち、二次抗体(anti-rabbit IgG-horseradish peroxidase conjugates from donkey、GE Healthcare、1:2000希釈)入りTBS-Tバッファー中で振盪しながら室温で1時間インキュベーションした。TBS-Tバッファーで洗浄したのち、化学発光法によりシグナルを検出した。検出後、転写膜はTBS-Tで洗浄したのち、WB Stripping Solution(ナカライテスク)で、室温で10分処理し、再度TBS-Tで洗浄した。
以降は再度ブロッキングバッファーでインキュベーションした後に一次抗体をH3K4me2(CST、1:1000希釈)、H3K4me1(CST、1:1000希釈)、Histone H3(CST、1:2000希釈)、β-actin(Sigma、1:2000希釈、二次抗体(anti-mouse IgG-horseradish peroxidase conjugates from donkey、GE Healthcare、1:2000希釈))の順で使用し、それぞれ同様の操作によりシグナルを検出した。
結果を図2に示す。本発明の化合物は、癌細胞増殖抑制の顕著な濃度である6μM及び8μMにおいて、ヒストンH3K4におけるモノメチル化、ジメチル化、トリメチル化の亢進が見られた。

Claims (12)

  1. 一般式(1):
    [式中、R1は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。R2は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。R3は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。R4は置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。nは2〜10の整数を示す。*1及び*2は不斉炭素を示す。]
    で表される化合物又はその塩。
  2. 前記一般式(1)で表される化合物が、一般式(1A):
    [式中、R1、R2、R3、R4及びnは前記に同じである。]
    で表される化合物である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
  3. 前記R1が置換されていてもよいアラルキル基である、請求項1又は2に記載の化合物又はその塩。
  4. 前記R2が置換されていてもよいアリール基である、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物又はその塩。
  5. 前記R3が水素原子である、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物又はその塩。
  6. 前記R4が置換されていてもよいアリール基である、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物又はその塩。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の化合物又はその塩を含有する医薬組成物。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の化合物又はその塩を有効成分とする抗癌剤。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載の化合物又はその塩を有効成分とする抗ウイルス剤。
  10. 請求項1〜6のいずれかに記載の化合物又はその塩を有効成分とするヘモグロビン異常症治療剤。
  11. 請求項1〜6のいずれかに記載の化合物又はその塩を有効成分とするLSD1阻害剤。
  12. 請求項1〜6のいずれかに記載の化合物又はその塩を含有する生物試験用試薬。
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