JP2017177541A - 金型 - Google Patents
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Abstract
【課題】トランスファーモールドにおいて、端子上への樹脂漏れを防止し、コネクタ部を良好に成形することができる技術を提供することを課題とする。
【解決手段】下型11と上型12を含んで構成されたトランスファーモールド用の金型10である。金型10は、基板41を挟持した状態でレジスト44を押圧するレジスト押圧部16と、基板41を挟持した状態で端子43を押圧する端子押圧部17とを備える。基板41の上面からレジスト押圧部16までの高さは、基板41の上面から端子押圧部17までの高さと異なる。
【効果】基板の上面からの高さが異なる端子とレジストをそれぞれ良好に押圧し、端子上に樹脂が漏れることを防止することができ、コネクタを良好に成形することができる。端子の電気的接続を良好に確保することができる。
【選択図】図1
【解決手段】下型11と上型12を含んで構成されたトランスファーモールド用の金型10である。金型10は、基板41を挟持した状態でレジスト44を押圧するレジスト押圧部16と、基板41を挟持した状態で端子43を押圧する端子押圧部17とを備える。基板41の上面からレジスト押圧部16までの高さは、基板41の上面から端子押圧部17までの高さと異なる。
【効果】基板の上面からの高さが異なる端子とレジストをそれぞれ良好に押圧し、端子上に樹脂が漏れることを防止することができ、コネクタを良好に成形することができる。端子の電気的接続を良好に確保することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、回路装置の基板及び電子部品を樹脂で封止するトランスファーモールド用金型に関する。
乗用車や自動二輪車に代表される車両には、基板を備える回路装置が搭載されている。回路装置では、基板への水等の浸入を防ぐために、基板の周囲を樹脂で中実になるように覆う技術が実用化されている。このような技術において、加熱ポッドから溶融した樹脂を基板が配置されたキャビティに充填する、トランスファーモールド用の金型が知られている(例えば、特許文献1(図6)参照。)。
特許文献1に開示されている技術の基本原理を図4に基づいて説明する。
図4(a)に示すように、下型101及び上型102からなるトランスファーモールド用金型100のキャビティ103に、支持部材104に支持された回路基板105が配置され、回路基板105から延びるコネクタ部(コンタクト部)106が下型101と上型102に挟持されている。
図4(a)に示すように、下型101及び上型102からなるトランスファーモールド用金型100のキャビティ103に、支持部材104に支持された回路基板105が配置され、回路基板105から延びるコネクタ部(コンタクト部)106が下型101と上型102に挟持されている。
ゲート107からキャビティ103に溶融樹脂108が注入され、この溶融樹脂108が固まることで、コネクタ部106の一部や回路基板105が封止される。樹脂によって封止される際のコネクタ部106の状態について、一般的な構成を用いて説明する。
図4(b)に示すように、一般的なコネクタ部106は、基板109に接着層110が積層され、この接着層110に回路パターンに繋がる端子111が積層され、さらに特定領域を保護する被覆材料としてのレジスト112が塗布され、コネクタ部106の先端に基板109を保護する樹脂部108が形成されている。コネクタ部106は、レジスト112が端子111の基端部113にのみ積層されることで、端子111が露出してハーネスのコネクタと接続することが可能となる。
しかし、レジスト112は端子111に積層されているため、基板109の上面から端子111の上面までの高さH1よりも、基板109の上面からレジスト112の上面までの高さH2が高くなる。このため型締め時に、コネクタ部106は下型101と上型102に挟持されるものの、上型102が高さH2のレジスト112(基端部113)にのみ接し、上型102と端子111との間に隙間114が生じる。
結果、成形時に溶融樹脂が隙間114に漏れて端子111が樹脂で覆われ、電気的接続を阻害し接続信頼性に影響がでる。そのため、端子上への樹脂漏れを防止し、コネクタ部を良好に成形することができる技術が求められている。
本発明は、トランスファーモールドにおいて、端子上への樹脂漏れを防止し、コネクタ部を良好に成形することができる技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明では、2つの型を含んで構成され、これらの型に設けられるキャビティに、端子及び前記端子を絶縁するレジストと備えている基板を配置し、この基板の端部を前記2つの型で挟持するとともに、溶融した樹脂が前記基板を覆い一体となるように成形する金型であって、前記2つの型のうち少なくとも一方は、前記基板を挟持した状態で前記レジストを押圧するレジスト押圧部と、前記基板を挟持した状態で前記端子を押圧する端子押圧部とを備え、前記基板の上面から前記レジスト押圧部までの高さは、前記基板の上面から前記端子押圧部までの高さと異なることを特徴とする。
請求項2に係る発明では、基板は、エッジコネクタを構成することを特徴とする。
請求項3に係る発明では、レジスト押圧部及び前記端子押圧部は、2つの型とは別に設けられている部分型に形成されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明では、端子は複数並んでおり、隣接する端子間に樹脂が充填されることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、金型は、基板を挟持した状態でレジストを押圧するレジスト押圧部と、基板を挟持した状態で端子を押圧する端子押圧部とを備える。基板の上面からレジスト押圧部までの高さは、基板の上面から端子押圧部までの高さと異なるので、基板の上面からの高さが異なる端子とレジストをそれぞれ良好に押圧し、端子上に樹脂が漏れることを防止することができ、コネクタを良好に成形することができる。結果、端子の電気的接続を良好に確保することができる。
請求項2に係る発明では、基板は、エッジコネクタを構成するので、パッドを介して電子部品を実装する基板をそのままコネクタとすることができる。
請求項3に係る発明では、レジスト押圧部及び端子押圧部は、2つの型とは別に設けられている部分型に形成されているので、レジスト及び端子の形状に応じて部分型のみを変更することで対応することができ、金型のコストを低減することができる。
請求項4に係る発明では、端子は複数並んでおり、隣接する端子間に樹脂が充填されるので、隣接する端子間の絶縁を確保することができる。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
まず、本発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、トランスファーモールド用の金型10は、固定型としての下型11と、可動型としての上型12の2つの型を含んで構成されている。上型12側に、部分型13が配置されている。これらの2つの下型11、上型12と、部分型13とは、互いに型締めされた状態で、溶融した樹脂を成形するキャビティ14と、このキャビティ14へ溶融樹脂を供給するゲート21と、キャビティ14に配置される基板41の端部を挟持する基板挟持部31を有する。
図1に示すように、トランスファーモールド用の金型10は、固定型としての下型11と、可動型としての上型12の2つの型を含んで構成されている。上型12側に、部分型13が配置されている。これらの2つの下型11、上型12と、部分型13とは、互いに型締めされた状態で、溶融した樹脂を成形するキャビティ14と、このキャビティ14へ溶融樹脂を供給するゲート21と、キャビティ14に配置される基板41の端部を挟持する基板挟持部31を有する。
基板挟持部31に位置する基板41の端部は、エッジコネクタ50を構成している。これにより、パッド(ランド)を介して電子部品を実装する基板41をコネクタとすることができる。
キャビティ14は、回路装置40(図2(b)参照)の樹脂部42の外形形状を呈している。なお、実施例では、樹脂部42を略直方体とし、キャビティ14の形状を断面視で矩形としたがこれに限定されず、樹脂部42の形状は角部を円弧状に形成したり、取付用のフランジを形成する等、樹脂部42の形状に応じてキャビティ14の形状を適宜変更しても差し支えない。
基板挟持部31は、下型11と部分型13が型締めされ接触する分割面15の一部を窪ませることで形成されている。基板挟持部31は、キャビティ14を挟んでゲート21の反対側に配置されている。金型10によって、溶融樹脂が基板41を覆い一体となるように成形され、基板41の周囲に樹脂部42が形成される。
図1(a)は下型11に配置された基板41の平面図であり、基板11のエッジコネクタ50には、ゲート21方向に延びるように複数の端子43が並んで配置されている。端子43の基端部43aには、レジスト44が塗布されている。エッジコネクタ50の位置に、想像線で示す部分型13が配置される。
次に端子43部分での断面について説明する。
図1(b)は図1(a)のb−b線断面図であり、エッジコネクタ50は、基板41に接着層45が積層され、この接着層45に回路パターンであるパッド(ランド)から延びる端子43が積層され、さらに特定領域を保護する被覆材料としてのレジスト44が塗布され、基板41の先端にこの基板41を保護する基板保護部46が形成されている。基板保護部46は、分割面15に位置し、溶融樹脂が流れ込むことで形成されて樹脂部42の一部を構成する。
図1(b)は図1(a)のb−b線断面図であり、エッジコネクタ50は、基板41に接着層45が積層され、この接着層45に回路パターンであるパッド(ランド)から延びる端子43が積層され、さらに特定領域を保護する被覆材料としてのレジスト44が塗布され、基板41の先端にこの基板41を保護する基板保護部46が形成されている。基板保護部46は、分割面15に位置し、溶融樹脂が流れ込むことで形成されて樹脂部42の一部を構成する。
エッジコネクタ50部分では、レジスト44が端子43の基端部43aにのみ積層されることで、端子43が露出してハーネスのコネクタと接続することが可能となる。レジスト44は、端子43に積層されているため、基板41の上面から端子43の上面までの高さH3よりも、基板41の上面からレジスト44の上面までの高さH4が高い。
部分型13は、基板41を挟持した状態でレジスト44を押圧するレジスト押圧部16と、基板41を挟持した状態で端子43を押圧する端子押圧部17とを備えている。基板41の上面から端子押圧部17までの高さは、基板41の上面から押圧するレジスト押圧部16までの高さと異なる。
端子43の延び方向において、レジスト44の長さよりも、レジスト押圧部16の長さがL1だけ大きい。これにより、レジスト44の塗布のバラツキを吸収しつつ、端子43の上面に樹脂が流れ込ませずに端子43を露出させることができる。
実施例では、基板41の上面から端子押圧部17までの高さがH3であり、基板41の上面から押圧するレジスト押圧部16までの高さH4であり、H3<H4とした。なお、実施例に限定されず、基板41の上面から端子押圧部17までの高さが、レジスト押圧部16までの高さと異なり、端子43と端子押圧部17との間に溶融樹脂が流れ込まなければ、それぞれの高さを変更しても差し支えない。
次に端子43間の断面について説明する。
図2(a)は図1(a)の2a−2a線断面図であり、部分型13は、基板41を挟持した状態でレジスト44を押圧するレジスト押圧部16と、基板41を挟持した状態で接着層45を押圧する接着層押圧部18とを備えている。基板41の上面から接着層押圧部18までの高さは、基板41の上面から押圧するレジスト押圧部16までの高さと異なる。
図2(a)は図1(a)の2a−2a線断面図であり、部分型13は、基板41を挟持した状態でレジスト44を押圧するレジスト押圧部16と、基板41を挟持した状態で接着層45を押圧する接着層押圧部18とを備えている。基板41の上面から接着層押圧部18までの高さは、基板41の上面から押圧するレジスト押圧部16までの高さと異なる。
実施例では、基板41の上面から接着層押圧部18までの高さがH5であり、基板41の上面から押圧するレジスト押圧部16までの高さH4であり、H5<H4とした。なお、実施例に限定されず、基板41の上面から接着層押圧部18までの高さが、レジスト押圧部16までの高さと異なり、端子43と接着層押圧部18との間に溶融樹脂が流れ込まなければ、それぞれの高さを変更しても差し支えない。
図2(b)は実施例1の回路装置40の斜視図であり、回路装置40は、樹脂部42の先端にエッジコネクタ50が配置されている。エッジコネクタ50は、基板41と、この基板41に設けられ露出する端子43と、端子43の基端部43aに塗布されたレジスト44と、樹脂部42から延びるとともに基板41を囲うように形成された基板保護部46とを備えている。端子43上及び端子43間には、樹脂が形成されていない。
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。なお、図2に示した構成と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
図3(a)は図1(a)の2a−2a線と同位置であり、端子43間の断面図である。エッジコネクタ50部分において、上型12は、基板41を挟持した状態でレジスト44を押圧するレジスト押圧部19を有し、このレジスト押圧部19は、平面を延長するようにして接着層45の上方まで延びている。
図3(a)は図1(a)の2a−2a線と同位置であり、端子43間の断面図である。エッジコネクタ50部分において、上型12は、基板41を挟持した状態でレジスト44を押圧するレジスト押圧部19を有し、このレジスト押圧部19は、平面を延長するようにして接着層45の上方まで延びている。
エッジコネクタ50は、基板41に接着層45が積層され、接着層45の基端側に特定領域を保護する被覆材料としてのレジスト44が塗布され、接着層45の先端側に絶縁樹脂部47が形成され、基板41の先端にこの基板41を保護する基板保護部46が形成されている。レジスト44と絶縁樹脂部47は面一に形成されている。
なお、図1(a)のb−b線断面における構成、すなわち端子43部分における構成は、実施例1と同様であるので、説明は省略する。
図3(b)は実施例2の回路装置40の斜視図であり、回路装置40は、樹脂部42の先端にエッジコネクタ50が配置されている。エッジコネクタ50は、基板41と、この基板41に設けられ露出する端子43と、端子43の基端部43aに塗布されたレジスト44と、隣接する端子43間に充填された絶縁樹脂部47と、樹脂部42から延びるとともに基板41を囲うように形成された基板保護部46とを備えている。
こような構成にすることで、端子43は複数並んでおり、隣接する端子43間に樹脂が充填されるので、隣接する端子43間の絶縁を確保することができる。
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。また、実施例1において、部分型13を採用したが、部分型13を採用せずに上型12にレジスト押圧部16、端子押圧部17、接着層押圧部18を直接設けても差し支えない。
また、実施例2において、上型にレジスト押圧部19を直接設けたが、これに限定されず、部分型を採用し、この部分型にレジスト押圧部19を設けても差し支えない。また、実施例では、レジスト押圧部16及び端子押圧部17を、上型12又は上型12側に配置した部分型13に設けたが、これに限定されず、下型11又は下型11型に配置した部分型に設けてもよく、さらには、両側の型に設けても差し支えない。
本発明は、エッジコネクタを有するトランスファーモールド用の金型に好適である。
10...金型、11...下型、12...上型、13...部分型、14...キャビティ、16...レジスト押圧部、17...端子押圧部、41...基板、43...端子、44...レジスト、47...絶縁樹脂部、50...エッジコネクタ。
Claims (4)
- 2つの型を含んで構成され、
これらの型に設けられるキャビティに、端子及び前記端子を絶縁するレジストと備えている基板を配置し、この基板の端部を前記2つの型で挟持するとともに、溶融した樹脂が前記基板を覆い一体となるように成形する金型であって、
前記2つの型のうち少なくとも一方は、前記基板を挟持した状態で前記レジストを押圧するレジスト押圧部と、前記基板を挟持した状態で前記端子を押圧する端子押圧部とを備え、
前記基板の上面から前記レジスト押圧部までの高さは、前記基板の上面から前記端子押圧部までの高さと異なることを特徴とする金型。 - 前記基板は、エッジコネクタを構成することを特徴とする請求項1記載の金型。
- 前記レジスト押圧部及び前記端子押圧部は、前記2つの型とは別に設けられている部分型に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の金型。
- 前記端子は複数並んでおり、
隣接する前記端子間に樹脂が充填されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の金型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016068311A JP2017177541A (ja) | 2016-03-30 | 2016-03-30 | 金型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016068311A JP2017177541A (ja) | 2016-03-30 | 2016-03-30 | 金型 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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JP2016068311A Pending JP2017177541A (ja) | 2016-03-30 | 2016-03-30 | 金型 |
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-
2016
- 2016-03-30 JP JP2016068311A patent/JP2017177541A/ja active Pending
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