JP2017177523A - 印刷用版ロール及び印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷処理を連続的に行っても印刷不良を発生させにくくすることができ、さらにメンテナンス性に優れる印刷用版ロールを提供する。【解決手段】印刷用版ロール10は、表面に供給された塗料で被印刷物90を印刷する印刷用版ロールであって、版胴12と、版胴12の外周面に取り付けられた印刷版11と、印刷版11の非印刷領域Nにおける塗料の滞留を防止する滞留防止手段とを備える。滞留防止手段は印刷版11の周方向全体にわたって形成された環状凹部111を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、印刷用版ロール及び印刷装置に関する。
従来、印刷用版ロールを用いて被印刷物の表面に例えばフレキソ印刷法等により塗装模様を付与する印刷処理が知られている(特許文献1,2参照)。
例えばフレキソ印刷法では、版胴に版下クッションを介して巻き付けられたフレキソ版を有する印刷用版ロールを用い、アニロックスロールに付着した塗料をフレキソ版の外表面に形成された印刷用凸部に転移させ、この印刷用凸部に転移した塗料を被印刷物の表面に印刷することで印刷処理が行われる。
特開2003−145718号公報 特開2008−132662号公報
しかしながら、図5に示すように、被印刷物として例えば無機質板800の表面に印刷処理を連続的に行うと、フレキソ版710の表面に付着した塗料900は、無機質板800にフレキソ版710が圧接されることにより、フレキソ版710の表面における印刷領域の外側、即ち軸方向外側に徐々に押し出されて版胴700の軸方向端部に流動し、さらにフレキソ版710を越えて版胴700の側面及び回転軸720にまで流動し、フレキソ版710の非印刷領域である軸方向端部、版胴700の側面、及び、回転軸720に塗料900が滞留することがあった。その結果、滞留した塗料900が無機質板800にハネ飛んで印刷不良が発生したり、無機質板800に落下、付着して印刷不良が発生することがあった。さらに、印刷終了後にフレキソ版710の軸方向端部、版胴700の側面及び回転軸720に滞留した塗料900を除去し、清掃する必要があり、メンテナンス性に優れるものではなかった。
そこで、本発明は、印刷処理を連続的に行っても印刷不良を発生させにくくすることができ、さらにメンテナンス性に優れる印刷用版ロール及び印刷装置を提供することを目的とするものである。
本発明の印刷用版ロールは、表面に供給された塗料で被印刷物を印刷する印刷用版ロールであって、版胴と、前記版胴の外周面に取り付けられた印刷版と、前記印刷版の非印刷領域における塗料の滞留を防止する滞留防止手段と、を備える。
本発明の印刷用版ロールにおいて、前記滞留防止手段が前記非印刷領域に形成されていることが好ましい。
本発明の印刷用版ロールにおいて、前記滞留防止手段が前記印刷版の周方向全体にわたって形成された環状凹部を有することが好ましい。
本発明の印刷用版ロールにおいて、前記印刷版は、供給された塗料で前記被印刷物を印刷する複数の印刷用凸部を表面に有することが好ましい。
本発明の印刷装置は、前記印刷用版ロールと、前記印刷用版ロールに塗料を供給する塗料供給手段と、前記印刷用版ロールの下方に設けられ、前記滞留防止手段によって前記非印刷領域における滞留が妨げられて前記印刷用版ロールから落下する塗料を回収する塗料回収手段と、前記塗料回収手段によって回収された塗料を前記塗料供給手段に戻す塗料返送手段と、を備える。
本発明によれば、印刷処理を連続的に行っても印刷不良を発生させにくくすることができ、さらにメンテナンス性に優れる。
図1は、本発明の第一実施形態に係る印刷装置の概略説明図である。 図2は、本発明の第一実施形態に係る印刷用版ロールの概略断面図である。 図3は、印刷処理中の本発明の第一実施形態に係る印刷用版ロールを示す概略斜視図である。 図4は、本発明の第二実施形態に係る印刷用版ロールの概略断面図である。 図5は、印刷処理中の従来の印刷用版ロールを示す概略斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
[第一実施形態に係る印刷装置1]
図1は、本発明の第一実施形態に係る印刷装置1の概略説明図である。図2は、本発明の第一実施形態に係る印刷用版ロール10の概略断面図である。図2では、印刷版11の厚みを拡大している。図3は、印刷処理中の印刷用版ロール10を示す概略斜視図である。なお、図3において、印刷用凸部112及び印刷用凹部113の形状の記載、及び被印刷物90,90の表面の凹凸形状の記載は省略している。
印刷装置1は、被印刷物90の表面にフレキソ印刷法により塗装模様を付与する印刷処理に用いられる輪転式の装置であり、図1に示すように、印刷用版ロール10と、塗料供給手段としての塗料転移ロール20と、塗料供給パン30と、塗料回収手段としての落下塗料回収パン40と、塗料返送手段50と、搬送手段60と、クリーニング手段70と、塗料移送手段80とを備える。印刷用版ロール10は、図2に示すように、塗料の滞留を防止する滞留防止手段としての環状凹部111が形成された印刷版11と、版胴12とを有する。塗料返送手段50は、図1に示すように塗料返送路51及びポンプ52を有する。搬送手段60は、搬送台61及び圧ロール62を有する。クリーニング手段70は、クリーニングロール71及びドクターブレード72を有する。塗料移送手段80は、塗料回収パン81、塗料案内路82及びポンプ83を有する。
印刷用版ロール10は、回転自在に配置されており、印刷処理前のロール位置調整(以下、セッティングという)の際、上下方向に移動可能である。塗料転移ロール20及びクリーニングロール71は、印刷用版ロール10に接触して回転自在に配置されており、セッティングの際、それぞれ水平方向に移動可能である。塗料供給パン30は、塗料供給パン30内の塗料が塗料転移ロール20の表面と接触するように配置されている。落下塗料回収パン40は、滞留防止手段によって印刷用版ロール10から落下する塗料を回収できるように、印刷用版ロール10の下方に配置されている。塗料返送路51は、落下塗料回収パン40内の塗料を塗料供給パン30に供給できるように配置されている。圧ロール62は、印刷用版ロール10の圧力を受けながら被印刷物90を搬送できるように、印刷用版ロール10の下方で、印刷用版ロール10と対向して配置されている。ドクターブレード72は、クリーニングロール71の表面に付着した塗料を取り除くことができるように配置されている。塗料回収パン81は、クリーニングロール71及びドクターブレード72によりクリーニングロール71から取り除いた塗料を回収できるように、クリーニングロール71及びドクターブレード72の下方に配置されている。塗料案内路82は、塗料回収パン81内の塗料を塗料供給パン30に供給できるように配置されている。ここで、下方とは重力方向で下向きを意味する。上方とは重力方向で上向きを意味する。水平方向とは、重力方向と直交する方向を意味する。
印刷処理は以下のようにして行われる。まず、塗料供給パン30内の塗料を塗料転移ロール20の表面と接触させ、塗料転移ロール20に塗料を供給する。次いで、塗料転移ロール20に付着している塗料を印刷用版ロール10の表面の少なくとも一部(少なくとも印刷用凸部112の表面112a)に転移させる。最後に、印刷用版ロール10の表面に転移した塗料を、搬送手段60により走行している被印刷物90の表面に印刷する。この印刷処理を連続的に行うことで、表面に塗装模様が付与された被印刷物90が連続的に製造される。この際、印刷用版ロール10に残存している塗料はクリーニングロール71によって回収される。このクリーニングロール71により回収された塗料はドクターブレード72によって掻取り回収される。
第一実施形態では、印刷装置1は、図1に示すように、落下塗料回収パン40と、この落下塗料回収パン40によって回収された塗料を塗料供給パン30に戻す塗料返送手段50とを備える。落下塗料回収パン40は、印刷用版ロール10の下方に設けられ、滞留防止手段としての環状凹部111によって非印刷領域Nにおける滞留が妨げられて、印刷用版ロール10から落下する塗料を回収する。これにより、滞留防止手段を有さない従来の印刷用版ロールを用いた場合には廃棄等していた塗料を回収して塗料供給パン30に戻し、再利用することができるため、従来の印刷用版ロールを用いた場合よりも環境負荷が少なく、さらに印刷装置のランニングコストに優れる。
[第一実施形態に係る印刷用版ロール10]
本発明の第一実施形態に係る印刷用版ロール10は、フレキソ印刷法により被印刷物90の表面に塗装模様を付与する印刷処理において、表面に塗料が転移され、転移した塗料を被印刷物90の表面に印刷する印刷処理に用いられる。印刷用版ロール10は、図2に示すように、印刷版11と、円筒型の版胴12とを有する。印刷版11は、版胴12の外周面に取り付けられている。版胴12は、回転軸12aと、版下クッション12bとを有する。版下クッション12bは回転軸12aの外周面に設けられている。
印刷用凸部112の表面112aに対応する径、すなわち印刷用版ロール10の外径D10は、図2に示すように、軸方向にわたって一定である。印刷用版ロール10の外径D10の大きさや、印刷用版ロール10の軸方向の長さ(印刷版11の軸方向の長さ)は、被印刷物90の表面に付与する塗装模様の意匠や、被印刷物90のサイズなどに応じて適宜調整すればよい。
印刷版11は、図2に示すように、印刷処理を行う印刷領域Pと、印刷領域Pの軸方向両外側に、印刷処理を行わない非印刷領域N,Nとを有する。印刷版11の印刷領域Pは被印刷物90と接触する部位であり、印刷版11の非印刷領域Nは被印刷物90と接触しない部位である。印刷領域Pの外周面の一部(少なくとも印刷用凸部112の表面112a)には塗料転移ロール20から塗料が転移し、この転移した塗料を被印刷物90に印刷する。非印刷領域Nの外周面は塗料転移ロール20と接触してもよいし、接触しなくてもよい。印刷領域Pの軸方向の長さは、印刷版11の軸方向の長さに対して、好ましくは85〜90%である。
第一実施形態では、印刷版11は、図2に示すように、その外表面の各非印刷領域N,N内に、印刷版11の非印刷領域N,Nにおける塗料の滞留を防止する滞留防止手段として、印刷版11の円周方向全体にわたって形成された環状凹部111を有する。環状凹部111は、図2に示すように、環状凹部111の底面111bが、径方向において、印刷用凹部113の表面113aの位置よりも内側に位置するように形成されている。
印刷版11は環状凹部111を有するので、印刷処理中に、印刷不良が生じにくくなる。具体的には、図3に示すように、印刷処理を連続的に行うと、印刷版11と被印刷物90とが圧接し、この圧接よって、印刷版11の表面における印刷領域Pの外側に、即ち軸方向外側に、徐々に押し出されてきた塗料31は、環状凹部111の軸方向内側の側面である段差面111cを伝って該環状凹部111内に流入し、さらに該環状凹部111の軸方向外側の側面である段差面111aにより軸方向外側へのさらなる流動が妨げられて、環状凹部111の段差面111a,111c及び底面111bで構成される溝(以下、単に溝という)内をつたって下方に流動するようになり、最後には、印刷用版ロール10から落下するようになる。そのため、印刷処理中に、印刷版11の表面に付着している塗料31は印刷版11を越えて版胴12の側面及び回転軸12aまで流動しにくく、印刷版11の非印刷領域N,Nである軸方向端部、版胴12の側面、及び回転軸12aに塗料が滞留しにくくなるため、滞留した塗料が被印刷物90にハネ飛んだり、被印刷物90に落下、付着することはほとんどない。その結果、印刷処理を連続的に行っても、図5のような滞留防止手段を有さない従来の印刷用版ロールを用いる場合よりも印刷不良が生じにくくなり、さらにメンテナンス性にも優れる。さらに、環状凹部111は溝状となっているので、軸方向外側に勢いよく流動してきた塗料31が段差面111aに接触して軸方向内側へ流動した(以下、跳ね返ったという)としても、この跳ね返った塗料31は段差面111cにより軸方向内側へのさらなる流動が妨げられ、溝内をつたって下方に流動するようになる。これにより、所望の塗装模様を被印刷物90の表面に付与しやすくなる。なお、第一実施形態では各非印刷領域N,Nに設けられた環状凹部111の断面形状、サイズ等は互いに同一のものであるが、本発明はこれに限定されず、本発明の効果を阻害しない範囲内で、非印刷領域ごとに断面形状等の異なる滞留防止手段であってもよい。また、第一実施形態では、環状凹部111は円周方向全体にわたって形成されているが、本発明はこれに限定されず、本発明の効果を阻害しない範囲で、例えば、滞留防止手段は、円周方向の一部のみに形成されていてもよいし、軸方向に垂直な方向に対して傾斜する方向に全周にわたって形成されていてもよい。
滞留防止手段は印刷版11自体に設けられている。すなわち、印刷版11は環状凹部111を有する。つまり、印刷用凸部112及び印刷用凹部113を形成する凹凸形状と同様に、印刷版11自体に環状凹部111が形成されている。そのため、例えば、印刷版11を分断して形成された環状凹部を有する印刷用版ロールを用いる場合よりも、環状凹部111内に塗料が滞留しにくく、滞留した塗料が被印刷物90にハネ飛んだり、被印刷物90に落下、付着することはほとんどない。
環状凹部111の断面形状は、図2に示すように四角形状である。環状凹部111の底面111bから印刷用凸部112の表面112aまでの径方向の距離Hは、印刷版11の径方向の厚さより小さく、印刷処理を連続的に行った際、塗料の軸方向外側へのさらなる流動を妨げることができる高さであれば特に限定されず、好ましくは1.0mm以上、より好ましくは1.5〜2.0mm、さらに好ましくは1.5〜1.7mmである。環状凹部111の幅Wは、印刷版11の外表面に供給する塗料の塗布量などに応じて適宜調整すればよく、好ましくは5〜15mm、より好ましくは5〜10mmである。また、印刷版11の環状凹部111の断面形状は四角形状であるが、本発明はこれに限定されず、本発明の効果を阻害しない範囲内で、環状凹部の断面形状は、例えば、半円形状、半楕円形状、V字形状、多角形状、階段形状などであってもよい。
環状凹部111の軸方向外側には、環状凸部114が形成されている。環状凸部114の表面114aは、印刷処理の際、塗料転移ロール20と接触してもよい。環状凸部114の幅Wは、印刷版11の材質などに応じて適宜調整すればよく、好ましくは1.5〜2.0mmである。環状凸部114の幅Wが上記範囲であれば、印刷処理を連続的に行う際、環状凸部114は変形しにくく、環状凹部111は溝状を維持するため、軸方向外側に流動してきた塗料を印刷用版ロール10から落下するように誘導し易くなるとともに、印刷処理を行わない非印刷領域Nの面積が小さい印刷用版ロール10とすることができる。なお、第一実施形態では、径方向において、環状凸部114の外表面114aと、印刷用凸部112の表面112aとは同じ位置にあるが、本発明はこれに限定されない。例えば、径方向において、環状凸部114の外表面114aの位置は、印刷用凸部112の表面112aの位置よりも内側にあってもよく、印刷用凹部113の表面113aの位置よりも外側にあるのがより好ましい。この場合、環状凸部114の表面114aは、印刷処理の際、塗料転移ロール20と接触してもよい。また、環状凸部114の表面114aが塗料転移ロール20の外表面とちょうど接触する位置で印刷処理を行うように、環状凸部114の表面114aの径方向の位置を設定して、セッティングの際、環状凸部114を塗料転移ロール20の位置調整の目印にしてもよい。
印刷版11は、供給された塗料で被印刷物90を印刷する複数の印刷用凸部112を表面に有する。すなわち、印刷版11の印刷領域Pには、図2に示すように、印刷用凹部113から突出する、パターン形成用の複数の印刷用凸部112が設けられている。印刷用凹部113は、印刷領域P内で被印刷物90と接触しない箇所であり、印刷用凹部113が存在することで被印刷物90の表面に所望の塗装模様を付与することができる。印刷用凸部112の突出高さH(印刷用凹部113の表面113aから印刷用凸部112の表面112aまでの径方向の距離)は、被印刷物90の表面に付与する塗装模様などに応じて適宜調整すればよく、好ましく1.0〜1.5mmである。
印刷用凹部113の表面113aの位置は、図2に示すように、環状凹部111の底面111bの位置よりも、径方向において外側に位置している。これにより、印刷処理を連続的に行うことによって、軸方向外側に流動してきた塗料は、環状凹部111が形成されている印刷用版ロール10の環状凹部111,111からより集中的に落下するようになるので、印刷用版ロール10から落下する塗料を回収し易くなる。印刷用凸部112の径方向の断面形状や、印刷用凸部の表面112aの表面形状などは、被印刷物90に付与する塗装模様などに応じて適宜調整すればよい。
印刷版11の材質としては、特に限定されず、好ましくはアスカーゴム硬度計C型によるゴム硬度が50度未満の材質であり、より好ましくは30度以上50度未満の材質であり、具体的にEPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)等のゴム材を用いることができる。ゴム硬度が上記範囲内であれば、自然なかすれを表現し易く、塗装される箇所と塗装されない箇所の境界が明確になりすぎず自然な風合いの塗装模様を被印刷物90の表面に付与しやすくなる。印刷版11の厚みは特に限定されず、好ましくは5〜10mmである。
版胴12を構成する回転軸12aの材質としては、特に限定されず、鉄などのフレキソ印刷法に用いられる回転軸として一般的に用いられる公知の材質が挙げられる。
版胴12を構成する版下クッション12bの材質としては、印刷版11よりもゴム硬度が低い材質で形成されるのが好ましく、例えばIIR(ブチルゴム)等のゴム材やスポンジ材で形成されるのが好ましい。版下クッション12bのゴム硬度は10度以上30度未満の範囲が好ましく、例えばそのゴム硬度を20度とすることができる。版下クッション12bのゴム硬度が上記範囲内であれば、印刷版11の被印刷物90表面への追従がより安定する。
印刷用版ロール10の製造方法としては、例えば、印刷版11の材質からなるシートの一方の面に直接レーザーを照射して表面を削り、パターン形成用の複数の印刷用凸部112と、環状凹部111とに対応する凹凸形状を形成して印刷版11を得、回転軸12aの表面に版下クッション12bを巻き付けて固定して版胴12を得た後、版胴12における版下クッション12bの外周面を覆うように重ねて印刷版11を巻き付けて固定する方法などが挙げられる。印刷版11、版下クッション12bを固定するに際し、公知の接着剤などを用いてもよい。
(塗料転移ロール20)
塗料転移ロール20は、塗料供給パン30から供給された塗料を印刷用版ロール10の外表面に転移させるために用いられる。塗料転移ロール20としては、例えば、鉄シリンダ表面に彫刻でセルが彫られ、これにクロムめっきが施されたクロムメッキロールなどの公知のアニロックスロールを用いることができる。彫刻するセルの形状は、塗料の供給量や塗装模様などに応じて適宜選択すればよく、例えば、ダイヤモンドパターン(ひし形)、ハニカムパターン(六角形)、ピラミッドパターン、ヘリカルパターンなどが挙げられる。第一実施形態では、塗料供給手段として塗料転移ロール20を用いたが、本発明はこれに限定されず、塗料供給手段は、塗料転移ロールに塗料を供給することができれば、例えば、ロールコータ方式、チャンバコータ方式などの構成であってもよい。
塗料としては、特に限定されず、被印刷物90の表面に付与する塗装模様などに応じて適宜調整すればよく、例えば、無機質板に対して塗装模様を付与するためにはアクリルエマルジョン塗料などを用いることができる。塗料の粘度は、特に限定されず、好ましくは1000〜1600mPa・sである。
(塗料供給パン30)
塗料供給パン30は、塗料転移ロール20に塗料を供給するために用いられる。塗料供給パン30として、塗料を貯蔵することができる容器であれば、形状、サイズ等は特に限定されず、塗料の供給量などに応じて適宜調整すればよい。
(落下塗料回収パン40)
落下塗料回収パン40は、印刷用版ロール10の軸方向両端部の下方に設けられ、環状凹部111によって非印刷領域N,Nにおける滞留が妨げられて、印刷用版ロール10から落下する塗料を回収するために用いられる。落下塗料回収パン40としては、印刷用版ロール10の環状凹部111,111から落下する塗料を回収できる容器であれば形状、サイズ等は特に限定されず、塗料の供給量などに応じて適宜調整すればよい。第一実施形態では、塗料回収手段として落下塗料回収パン40を用いたが、本発明はこれに限定されず、塗料回収手段は、印刷用版ロールから落下する塗料を回収できれば特に限定されず、例えば、バキューム装置で落下する塗料を吸い取る構成であってもよい。また、第一実施形態では、図3に示すように、印刷用版ロール10の環状凹部111,111の下方に落下塗料回収パン40が2個配置されているが、本発明はこれに限定されず、落下塗料回収パンは1個だけ配置されていてもよいし、3個以上配置されていてもよい。
(塗料返送手段50)
塗料返送手段50は、落下塗料回収パン40によって回収された塗料を塗料供給パン30内に戻すために用いられる。塗料返送手段50は、図1に示すように、落下塗料回収パン40内の塗料を塗料供給パン30内に案内するための塗料返送路51と、落下塗料回収パン40内の塗料を塗料供給パン30内へ汲み上げるためのポンプ52と、を有する。塗料返送路51は塗料の供給量を調整するためのバルブを有していてもよい。
(搬送手段60)
搬送手段60は、被印刷物90を搬送するために用いられる。被印刷物90を搬送することで、連続的に印刷処理を行うことができる。搬送手段60は、被印刷物90を載置するための搬送台61と、印刷用版ロール10と対向し、印刷用版ロール10から被印刷物90にかかる圧力を受けるための圧ロール62とを有する。搬送台61としては、特に限定されず、例えば、搬送用の樹脂ベルトなどが挙げられる。なお、第一実施形態では、搬送手段60として搬送台61及び圧ロール62を用いたが、本発明はこれに限定されず、搬送手段は、被印刷物を搬送することができれば、例えば、複数の搬送用ロールのみから構成されていてもよい。
(クリーニング手段70)
クリーニング手段70は、被印刷物90の表面に塗料を印刷した後、塗料を新たに供給する前に、印刷用版ロール10の外表面に残存している塗料を回収するために用いられる。クリーニング手段70は、印刷用版ロール10の外表面に残存している塗料を回収するためのクリーニングロール71と、クリーニングロール71の外表面に付着した塗料を除去するためのドクターブレード72とを有する。クリーニングロール71としては、特に限定されず、公知のクリーニングロールを用いることができる。ドクターブレード72としては、掻き取り性及び耐久性を備えるものが好ましく、例えば材質としてSUSからなるものが好ましい。
(塗料移送手段80)
塗料移送手段80は、被印刷物90の表面に印刷されなかった塗料を回収し、塗料供給パン30内に戻して再利用するために用いられる。塗料移送手段80は、クリーニングロール71及びドクターブレード72によりクリーニングロール71から取り除いた塗料を主に回収するための塗料回収パン81と、塗料回収パン81内の塗料を塗料供給パン30内に案内するための塗料案内路82と、塗料回収パン81内の塗料を塗料供給パン30内へ汲み上げるためのポンプ83とを有する。塗料回収パン81としては、クリーニングロール71及びドクターブレード72によりクリーニングロール71から取り除いた塗料を回収できる容器であれば形状、サイズ等は特に限定されず、塗料の供給量などに応じて適宜調整すればよい。塗料案内路82は塗料の供給量を調整するためのバルブを有していてもよい。
(被印刷物90)
被印刷物90としては、特に限定されず、例えばフレキシブルボード、珪酸カルシウム板、石膏スラグパーライト板、木片セメント板、繊維セメント板、プレキャストコンクリート板、高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリート(Autoclaved Lightweight aerated Concrete、ALC)板、石膏ボード等の無機質板などが挙げられる。被印刷物90の表面には、複数の凸部が形成されていてもよく、隣り合う凸部間には目地状の凹部が形成されていてもよい。各凸部の形状は特に限定されず、正面視矩形状などが挙げられる。凸部の表面には、全面にわたって、複数の微細凸部が形成されていてもよい。凸部の突出高さ(目地状の凹部の深さ寸法)は、好ましくは2〜8mmである。微細凸部の突出高さ(隣り合う微細凸部間の凹部の深さ寸法)は、凸部の突出高さよりも小さければよく、例えば1〜7mmである。また、印刷処理後、被印刷物90の塗膜模様が付与された面の全面にわたってクリア塗装が施され、被印刷物90はその表面にクリア塗膜を有していてもよい。第一実施形態では、図3に示すように、印刷用版ロール10の印刷領域Pの軸方向の長さに対して2分の1程度のサイズの被印刷物90を用いているが、本発明はこれに限定されない。
[第二実施形態に係る印刷装置]
図4は、本発明の第二実施形態に係る印刷装置に用いられる印刷用版ロール13の概略断面図である。
本発明の第二実施形態に係る印刷装置は、上記の印刷用版ロール10の代わりに、印刷用版ロール13を用いる他は上記の印刷装置1と同様である。そのため、第二実施形態に係る印刷装置の印刷用版ロール13以外の部品については図1と同じ符号を用い、説明を省略する。また、図4において、図2の第一実施形態に示した構成部材と同一の構成部材には同一符号を付して説明を省略する。
[第二実施形態に係る印刷用版ロール13]
本発明の第二実施形態に係る印刷用版ロール13は、環状凹部111を有する印刷版11の代わりに環状凸部141を有する印刷版14を用いる他は印刷用版ロール10と同様であり、印刷版14と、円筒型の版胴12とを有する。印刷版14は、版胴12の外周面に取り付けられている。
印刷用凸部112の表面112aに対応する径、すなわち印刷用版ロール13の外径D13は、図4に示すように、軸方向にわたって一定である。印刷用版ロール13の外径D13の大きさは、被印刷物90の表面に付与する塗装模様の意匠や、被印刷物90のサイズなどに応じて適宜調整すればよい。印刷用版ロール13の軸方向の長さ(印刷版14の軸方向の長さ)は、環状凸部141が塗料転移ロール20の外表面と接触しないように、塗料転移ロール20の軸方向の長さよりも長くなるように調整されている。非印刷領域Nは、被印刷物90と接触しない部位である。印刷領域Pの軸方向の長さは、印刷版14の軸方向の長さに対して、好ましくは85〜90%である。
第二実施形態では、印刷版14の外表面の各非印刷領域N,Nに、印刷版14の非印刷領域N,Nにおける塗料の滞留を防止する滞留防止手段として、円周方向全体にわたって環状凸部141を有する。このように、印刷版14の表面に滞留防止手段が形成されているので、印刷処理を連続的に行うと、印刷版14と被印刷物90とが圧接し、この圧接よって、印刷版14の表面における印刷領域Pの外側に、即ち軸方向外側に、徐々に押し出されてきた塗料は、段差面141aにより軸方向外側へのさらなる流動が妨げられる。そのため、印刷処理中に、印刷版14の表面に付着している塗料は印刷版14を越えて版胴12の側面及び回転軸12aまで流動しにくく、印刷版14の非印刷領域N,Nである軸方向端部、版胴12の側面、及び回転軸12aに塗料が滞留しにくくなるため、滞留した塗料が被印刷物90にハネ飛んだり、被印刷物90に落下、付着することはほとんどない。なお、第二実施形態では各非印刷領域N,Nに設けられた環状凸部141の断面形状、サイズ等は互いに同一のものであるが、本発明はこれに限定されず、本発明の効果を阻害しない範囲内で、非印刷領域ごとに断面形状等の異なる環状凸部であってもよい。また、第二実施形態では、環状凸部141は円周方向全体にわたって形成されているが、本発明はこれに限定されず、本発明の効果を阻害しない範囲で、例えば、滞留防止手段は、円周方向の一部のみに形成されてもよいし、軸方向に垂直な方向に対して傾斜する方向に全周にわたって形成されていてもよい。
環状凸部141の断面形状は、図4に示すように四角形状である。印刷用凸部112の表面112aから環状凸部141の表面141bまでの径方向の距離Hは、印刷処理を連続的に行った際、塗料の軸方向外側へのさらなる流動を妨げることができる高さであれば特に限定されず、好ましくは1.0mm以上、より好ましくは1.0〜2.0mm、さらに好ましくは1.5〜1.7mmである。環状凸部141の幅Wは、好ましくは5〜15mm、より好ましくは5〜10mmである。なお、印刷版14の環状凸部141の断面形状は四角形状であるが、本発明はこれに限定されず、本発明の効果を阻害しない範囲内で、環状凸部の断面形状は、例えば、半円形状、半楕円形状、山形状、多角形状、階段形状などであってもよい。
印刷版14の材質としては特に限定されず、印刷版11の材質として例示したものと同様のものを用いることができる。印刷版14の印刷領域Pにおける厚みは特に限定されず、好ましくは5〜10mmである。
印刷用版ロール13の製造方法としては、例えば、上述した印刷版14の材質からなるシートの一方の面に直接レーザーを照射して表面を削り、パターン形成用の複数の印刷用凸部112と、環状凸部141とに対応する凹凸形状を形成して印刷版14を得、回転軸12aの表面に版下クッション12bを巻き付けて固定して版胴12を得た後、版胴12における版下クッション12bの外周面を覆うように重ねて印刷版14を巻き付けて固定する方法などが挙げられる。版下クッション12b,印刷版14を固定するに際し、公知の接着剤などを用いてもよい。
[第三実施形態に係る印刷用版ロール]
本発明の第三実施形態に係る印刷用版ロールは、印刷領域Pにおいて、印刷用凹部113と、印刷用凹部113から突出する、パターン形成用の複数の印刷用凸部112とを有する印刷版11の代わりに、印刷領域が凹凸部のない平状である印刷版を用いる他は、印刷用版ロール10又は13と同様の構成である。この印刷用版ロールは、例えばグラビアオフセット印刷法により被印刷物の表面に塗装模様を付与する印刷処理において、外表面に塗料が転移され、転移した塗料を被印刷物の表面に印刷する印刷処理に用いられる。
1 印刷装置
10 印刷用版ロール
11 印刷版
111 環状凹部
112 印刷用凸部
12 版胴
13 印刷用版ロール
14 印刷版
141 印刷用凸部
20 塗料転移ロール
30 塗料供給パン(塗料供給手段)
40 落下塗料回収パン(塗料回収手段)
50 塗料返送手段
90 被印刷物

Claims (5)

  1. 表面に供給された塗料で被印刷物を印刷する印刷用版ロールであって、
    版胴と、
    前記版胴の外周面に取り付けられた印刷版と、
    前記印刷版の非印刷領域における塗料の滞留を防止する滞留防止手段と、
    を備えることを特徴とする印刷用版ロール。
  2. 前記滞留防止手段が前記非印刷領域に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の印刷用版ロール。
  3. 前記滞留防止手段が前記印刷版の周方向全体にわたって形成された環状凹部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷用版ロール。
  4. 前記印刷版は、供給された塗料で前記被印刷物を印刷する複数の印刷用凸部を表面に有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷用版ロール。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷用版ロールと、
    前記印刷用版ロールに塗料を供給する塗料供給手段と、
    前記印刷用版ロールの下方に設けられ、前記滞留防止手段によって前記非印刷領域における滞留が妨げられて前記印刷用版ロールから落下する塗料を回収する塗料回収手段と、
    前記塗料回収手段によって回収された塗料を前記塗料供給手段に戻す塗料返送手段と、を備えることを特徴とする印刷装置。
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