JP2017177068A - 圧力変動吸着式ガス製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】適正な運転状態を維持しながら、吸着塔から排出される精製対象ガスの濃度を適正な濃度に維持できる圧力変動吸着式ガス製造装置を提供する。
【解決手段】複数の吸着塔1に接続されたオフガス排出路4に、雑ガスが精製対象ガスに較べて速く透過する分離膜9Aを備える膜分離部9と、オフガスを昇圧して膜分離部9に供給する昇圧部10とが設けられ、分離膜9Aを透過しないリサイクルガスを原料ガス供給路3に返送するリサイクルガス返送路11が設けられ、運転制御部が、吸着工程を行う吸着時間を変更調整した場合には、昇圧部10から膜分離部9に供給するオフガスの供給量を、吸着時間を変更する前に吸着塔1から排出されるオフガス量と吸着時間を変更した後において吸着塔1が脱着工程を開始してから別の吸着塔1が脱着工程を開始するまでの間に昇圧部10から膜分離部9に供給するオフガス量とを等しくする流量にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、精製対象ガス及びそれ以外の雑ガスを含む原料ガスから前記雑ガスを吸着する吸着材を充填させた形態で、且つ、原料ガス供給路を一端側に接続し、精製対象ガス排出路を他端側に接続し、かつ、オフガス排出路を接続させた形態で設けた複数の吸着塔の夫々について、
前記原料ガス供給路を通して供給される前記原料ガスから前記雑ガスを吸着して前記精製対象ガス排出路を通して前記精製対象ガスを排出する吸着工程、及び、前記オフガス排出路を通して前記雑ガスを排出する脱着工程を含む運転サイクルを、位相を異ならせて順次行う運転制御部が設けられ、
前記オフガス排出路に、前記雑ガスを前記精製対象ガスに較べて速く透過する分離膜を備える膜分離部、及び、前記脱着工程において前記吸着塔から排出されるオフガスを前記膜分離部での膜分離のために昇圧して前記膜分離部に供給する昇圧部が設けられ、
前記分離膜を透過しないリサイクルガスを前記原料ガス供給路に返送するリサイクルガス返送路が設けられた圧力変動吸着式ガス製造装置に関する。
かかる圧力変動吸着式ガス製造装置は、吸着塔から排出されるオフガスには、精製対象ガスが含まれているため、オフガスから雑ガスを分離する膜分離部を設けて、雑ガスを分離した後のオフガスを、リサイクルガスとして原料ガス供給路に戻すようにすることにより、吸着塔の負荷を軽減しながら精製対象ガスの製造効率を向上させるようにしたものである。
かかる圧力変動吸着式ガス製造装置の従来例として、吸着塔からオフガス排出路を通して排出されるオフガスを昇圧部(昇圧機)に導き、昇圧部で昇圧されたオフガスを膜分離部に導くようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1においては、原料ガスとして、精製対象ガスとしての水素を含み、雑ガスとして、二酸化酸素やメタンを含む水素含有ガスが記載されている。
ちなみに、特許文献1においては、膜分離部を経由した後の水素含有ガスを二酸化炭素分離膜に供給して、二酸化炭素が分離された水素含有ガスを、リサイクルガスとして原料ガス供給路に戻すように構成されている。
尚、特許文献1においては詳細な説明は記載されていないが、オフガスが存在しない空運転状態での運転により昇圧部に悪影響を与えることの回避や脱着工程においてオフガス排出路の内部圧を低くするためには、脱着工程を行うごとに吸着塔から排出されるオフガス量と、吸着塔が脱着工程を開始してから別の吸着塔が脱着工程を開始するまでに、昇圧部が送り出す量とが等しくなるように、昇圧部の送出量を定めるものであると考えることができる。
特許第5039407号公報
原料ガスの精製対象ガスの濃度は、一定ではなく、原料ガスの供給元が変化する等の諸々の状況に応じて変化することになり、その結果、原料ガスの精製対象ガスの濃度が低くなった場合には、吸着塔から排出される精製対象ガスの濃度が適正な濃度よりも低くなる不都合を生じる虞がある。
また、原料ガスの精製対象ガスの濃度が一定であっても、吸着塔に充填した吸着材の経年変化により、吸着材の吸着性能が低下した場合には、吸着塔から排出される精製対象ガスの濃度が適正な濃度よりも低くなる不都合を生じる虞がある。
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、適正な運転状態を維持しながら、吸着塔から排出される精製対象ガスの濃度を適正な濃度に維持できる圧力変動吸着式ガス製造装置を提供する点にある。
本発明の圧力変動吸着式ガス製造装置は、精製対象ガス及びそれ以外の雑ガスを含む原料ガスから前記雑ガスを吸着する吸着材を充填させた形態で、且つ、原料ガス供給路を一端側に接続し、精製対象ガス排出路を他端側に接続し、かつ、オフガス排出路を接続させた形態で設けた複数の吸着塔の夫々について、
前記原料ガス供給路を通して供給される前記原料ガスから前記雑ガスを吸着して前記精製対象ガス排出路を通して前記精製対象ガスを排出する吸着工程、及び、前記オフガス排出路を通して前記雑ガスを排出する脱着工程を含む運転サイクルを、位相を異ならせて順次行う運転制御部が設けられ、
前記オフガス排出路に、前記雑ガスを前記精製対象ガスに較べて速く透過する分離膜を備える膜分離部、及び、前記脱着工程において前記吸着塔から排出されるオフガスを前記膜分離部での膜分離のために昇圧して前記膜分離部に供給する昇圧部が設けられ、
前記分離膜を透過しないリサイクルガスを前記原料ガス供給路に返送するリサイクルガス返送路が設けられたものであって、その特徴構成は、
前記昇圧部から前記膜分離部に供給されるオフガスの供給流量を調整するオフガス調整部が設けられ、
前記運転制御部が、
前記オフガスの供給流量を、前記脱着工程を行うごとに前記吸着塔から排出されるオフガス量と前記吸着塔が前記脱着工程を開始してから別の吸着塔が前記脱着工程を開始するまでの間に前記膜分離部に供給されるオフガス量とを等しくする流量にするように、前記オフガス調整部を調整し、且つ、
前記原料ガスの前記精製対象ガスの濃度及び前記吸着塔から排出される前記精製対象ガスの濃度の少なくとも一方に基づいて、前記吸着工程を行う吸着時間を変更調整し、かつ、前記吸着時間を変更した場合には、前記オフガスの供給流量を、前記吸着時間を変更する前に前記吸着塔から排出されたオフガス量と前記吸着時間を変更した後において前記吸着塔が脱着工程を開始してから別の吸着塔が前記脱着工程を開始するまでの間に前記昇圧部から前記膜分離部に供給されるオフガス量とを等しくする流量に補正すべく、前記オフガス調整部を調整する点にある。
すなわち、運転制御部がオフガス調整部を調整することにより、昇圧部から膜分離部に供給されるオフガスの供給流量が、脱着工程を行うごとに吸着塔から排出されるオフガス量と吸着塔が脱着工程を開始してから別の吸着塔が前記脱着工程を開始するまでの間に膜分離部に供給されるオフガス量とを等しくする流量に調整されることにより、昇圧部に悪影響を与えることを回避しながら、脱着工程を良好に行うことができる。
つまり、オフガス排出路における吸着塔と昇圧部との間に位置する流路部分にオフガスが存在しない状態になって、昇圧部に悪影響を与えることを回避しながら、上記流路部分の内圧が過大になって、脱着工程を適正通り行えなくなることを抑制できる。
しかも、運転制御部が、原料ガスの精製対象ガスの濃度及び吸着塔から排出される精製対象ガスの濃度の少なくとも一方に基づいて、吸着工程を行う吸着時間を変更するものであるから、原料ガスの精製対象ガスの濃度が変化すること等があっても、精製対象ガス排出路を通して排出される精製対象ガスの濃度を適正濃度に維持することができる。
つまり、例えば、原料ガスの精製対象ガスの濃度が低いほど、吸着時間を短くするように変更し、同様に、吸着塔から排出される精製対象ガスの濃度が低いほど、吸着時間を短くするように変更することにより、吸着塔から排出される精製対象ガスの濃度を適正に維持することができる。
ちなみに、原料ガスの精製対象ガスの濃度と吸着塔から排出される精製対象ガスの濃度とに基づいて、原料ガスの精製対象ガスの濃度が低いほど、吸着時間を短くするように変更する形態で吸着時間をフィードフォワード的に設定し、且つ、吸着塔から排出される精製対象ガスの濃度が低いほど、吸着時間を短くするように変更する形態で、フィードバック的に吸着時間を補正してもよい。
そして、運転制御部が、吸着時間を変更した場合には、昇圧部から膜分離部に供給するオフガスの供給流量を、吸着時間を変更する前に吸着塔から排出されたオフガス量と吸着時間を変更した後において吸着塔が脱着工程を開始してから別の吸着塔が脱着工程を開始するまでの間に昇圧部から膜分離部に供給されるオフガス量とを等しくする流量に補正すべく、オフガス調整部を調整することになる。
したがって、吸着時間を変更した場合にも、オフガス排出路における吸着塔と昇圧部との間に位置する流路部分に存在するオフガス量が過少となって、昇圧部に悪影響を与えることを回避しながら、上記流路部分に存在するオフガス量が過大になって、脱着工程を適正通り行えなくなることを抑制できる。
説明を加えると、吸着時間を変更調整すると、複数の吸着塔の一つの塔から排出されてオフガス排出路における吸着塔と昇圧部との間に位置する流路部分に存在するオフガスを、昇圧部から膜分離部に供給する時間が、直ちに変化することになる。
これに対して、吸着時間を変更調整した直後においては、吸着時間を変更調整する前に吸着工程を行った吸着塔からオフガスが排出されることになるから、吸着塔から排出されるオフガス量は、吸着時間を変更調整した直後から変化することがない。
その結果、吸着工程を行う吸着時間を減少側に変更調整したときに、昇圧部から膜分離部に供給するオフガスの供給流量が不足し、吸着工程を行う吸着時間を増加側に変更調整したときに、昇圧部から膜分離部に供給するオフガスの供給流量が過剰となるため、オフガス排出路における吸着塔と昇圧部との間に位置する流路部分に存在するオフガス量が過少となる不都合や、当該流路部分に存在するオフガス量が過大となる不都合を生じる虞がある。
本特徴構成によれば、吸着時間を変更した場合には、昇圧部から膜分離部に供給するオフガスの供給流量を、吸着時間を変更する前に吸着塔から排出されたオフガス量と吸着時間を変更した後において吸着塔が脱着工程を開始してから別の吸着塔が脱着工程を開始するまでの間に昇圧部から膜分離部に供給するオフガス量とを等しくする流量に補正することにより、オフガス排出路における吸着塔と昇圧部との間に位置する流路部分に存在するオフガス量が過少となることや、当該流路部分に存在するオフガス量が過大となることを抑制できる。
つまり、吸着時間の変更調整により、吸着塔から排出される精製対象ガスの濃度を適正な濃度に維持できるのであり、しかも、吸着時間を変更した場合において、吸着工程に悪影響を与えることや昇圧部に悪影響を与えることを回避できるのである。
要するに、本発明の圧力変動吸着式ガス製造装置の特徴構成によれば、適正な運転状態を維持しながら、吸着塔から排出される精製対象ガスの濃度を適正な濃度に維持できる。
本発明の圧力変動吸着式ガス製造装置の更なる特徴構成は、前記原料ガス供給路を通して前記吸着塔に供給する原料ガス供給量を調整する原料ガス調整部が設けられ、
前記運転制御部が、前記オフガスの供給流量を増加側に補正した場合には、前記原料ガス供給量を減少側に補正し、前記オフガスの供給流量を減少側に補正した場合には、前記原料ガス供給量を増加側に補正すべく、前記原料ガス調整部を調整するように構成されている点にある。
すなわち、運転制御部が、昇圧部から膜分離部に供給するオフガスの供給流量を増加側に補正した場合には、原料ガス供給量を減少側に補正すべく、原料ガス調整部を調整することになるから、オフガスの供給流量を増加側に補正しても、吸着塔から排出される精製対象ガスの濃度を適正な濃度に維持でき、また、オフガスの供給流量を減少側に補正した場合には、原料ガス供給量を増加側に補正すべく、原料ガス調整部を調整することになるから、精製対象ガスの製造効率の低下を抑制できることになる。
説明を加えると、昇圧部から膜分離部に供給するオフガスの供給流量を増加すると、リサイクルガス量が増加して、吸着塔に供給されるガス量が急激に増加するため、吸着塔に吸着されない雑ガス量が増加する傾向になって、吸着塔から排出される精製対象ガスの濃度が低下することになるが、オフガスの供給流量を増加側に補正した場合には、原料ガス供給量を減少側に補正することにより、吸着塔に供給されるガス量の急激な増加を回避して、吸着塔から排出される精製対象ガスの濃度を適正な濃度に維持できるようにする。
そして、オフガスの供給量を減少側に補正した場合には、原料ガス供給量を増加側に補正することにより、精製対象ガスの精製量の低下を抑制する。
ちなみに、吸着塔から排出される精製対象ガスの濃度に基づいて、吸着工程を行う吸着時間を変更する場合には、吸着塔から排出される精製対象ガスの濃度が適正な濃度よりも低下すると、それに伴って、再度吸着時間が減少補正されることにより、オフガスの供給流量を増加することが繰り返される異常状態を招く虞があるが、オフガスの供給流量を増加側に補正した場合には、原料ガス供給量を減少側に補正することにより、異常状態を招くことを抑制できる。
要するに、本発明の圧力変動吸着式ガス製造装置の更なる特徴構成によれば、昇圧部から膜分離部に供給するオフガスの供給流量を増加側に補正した場合にも、吸着塔から排出される精製対象ガスの濃度を適正な濃度に維持できる。
本発明の圧力変動吸着式ガス製造装置の更なる特徴構成は、前記原料ガスが、前記精製対象ガスとしてのメタンを40%以上含有するメタン含有ガスであり、前記精製対象ガス排出路を通して排出される前記精製対象ガスが、メタンを80%以上含有する製品ガスである点にある。
すなわち、吸着塔と膜分離部とを備えることによって、精製対象ガスとしてのメタンを40%以上含有するメタン含有ガスを、効率良く、メタンを80%以上含有する製品ガスに精製することができる。
ちなみに、メタン含有ガスとして、バイオガスを挙げることができ、バイオガスは、メタン40〜60%、二酸化炭素60〜40%程度であるが、このようなバイオガスについても、効率良く、メタンを80%以上含有する製品ガスに精製することができる。
要するに、本発明の更なる特徴構成によれば、精製対象ガスとしてのメタンを40%以上含有するメタン含有ガスを、効率良く、メタンを80%以上含有する製品ガスに精製することができる。
本発明の圧力変動吸着式ガス製造装置の更なる特徴構成は、前記オフガス排出路における前記昇圧部よりも上流側箇所に、前記吸着塔から排出されるオフガスを貯留するオフガスタンクが設けられ、
前記昇圧部が、前記オフガスタンクに貯留されたオフガスを前記膜分離部に供給するように構成されている点にある。
すなわち、脱着工程において吸着塔から排出されたオフガスがオフガスタンクに一旦貯留され、貯留されたオフガスが昇圧部にて昇圧されながら膜分離部に供給され、膜分離部にて雑ガスが分離されたオフガスが、リサイクルガスとして、リサイクルガス返送路を通して原料ガス供給路に戻されることなる。
したがって、脱着工程において吸着塔から排出されたオフガスをオフガスタンクに一旦貯留するものであるから、オフガスタンクの内部圧を、脱着工程を行うのに適する低圧力にすることにより、脱着工程を良好に行うことができる。
つまり、オフガスをオフガスタンクに一旦貯留して、貯留したオフガスを昇圧部にて昇圧して膜分離部に供給するものであるから、オフガスをオフガスタンクの内部に十分な低圧で貯留させることができるため、脱着工程を良好に行うことができる。
要するに、本発明の圧力変動吸着式ガス製造装置の特徴構成によれば、吸着塔の脱着工程を良好に行うことができる。
圧力変動吸着式ガス製造装置を示す概略図 制御構成を示すブロック図 運転サイクルを示す表 原料ガス中メタン濃度と工程補正値との関係を示す表 吸着時間補正値の挙動を示す表 流路圧の変化を示す図 オフガス流量が過少のときの流路圧の変化を示す図 オフガス流量が過大ときの流路圧の変化を示す図 流路オ圧とリサイクルガス流量との関係を示す図 差圧と補正流量との関係を示す図 吸着時間とリサイクルガス流量と流路圧との関係を示す図 吸着時間とリサイクルガス流量と流路圧との関係を示す図 第2実施形態の製品ガス中メタン濃度と工程補正値との関係を示す表 第2実施形態の吸着時間補正値の挙動を示す表 第3実施形態の原料ガス中メタン濃度と工程補正値との関係を示す表 第3実施形態の製品ガス中メタン濃度と工程補正値との関係を示す表 第3実施形態の吸着時間補正値の挙動を示す表
〔第1実施形態〕
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(圧力変動吸着式ガス製造装置の全体構成)
本実施形態においては、原料ガスGが、精製対象ガスとしてメタンを40%以上含み、雑ガスとして二酸化炭素等を含むバイオガスであり、雑ガスが、吸着塔1の吸着材に吸着され、メタンを80%以上含有するメタンガスが製品ガスHとして吸着塔1から排出されるように構成されている。
つまり、原料ガスGとしてのバイオガスは、主成分がメタンと二酸化炭素であり、メタン含有率が60%程度のものである。そして、本実施形態の圧力変動吸着式ガス製造装置は、メタンを80%以上含有する製品ガスHを得るためのガス精製を行うように構成されている。
ちなみに、吸着塔1に充填する吸着材としては、活性炭、モレキュラーシーブカーボン、ゼオライト、多孔性の金属錯体から選ばれる少なくとも一種の材料を主成分とするものが使用できる。本実施形態においては、例えば、MP法で測定した細孔径0.38nm以上において、その細孔径における細孔容積が0.01cm3/gを超えず、細孔径0.34nmにおける細孔容積が0.20cm3/g以上であるモレキュラーシーブカーボンを用いる。
図1に示すように、4つの吸着塔1として、A塔、B塔、C塔、D塔が設けられ、4つの吸着塔1の下端側には、原料昇圧部としての圧縮機2にて昇圧された原料ガスGを供給する原料ガス供給路3、及び、オフガスを排出するオフガス排出路4が接続されている。
圧縮機2には、供給圧を設定値(例えば、750kPaG)に維持するための背圧弁2Aが設けられている。
原料ガス供給路3における圧縮機2の上流側には、原料ガス供給量を目標供給量に調整する原料ガス調整部MGが設けられている。
原料ガス調整部MGは、マスフローコントローラを用いて構成されるものであって、原料ガス供給路3を流れる原料ガスGの流量を検出し、検出した流量が後述する運転制御部F(図2参照)から指令される目標流量になるように、原料ガスGの流量を制御するように構成されている。尚、マスフローコントローラの詳細は周知であるので、本実施形態では詳細な説明を省略する。
そして、4つの吸着塔1の夫々に対応して、原料ガス供給路3を開閉する原料ガス供給弁A1、B1、C1、D1、及び、オフガス排出路4を開閉するオフガス排出弁A5、B5、C5、D5が設けられている。
原料ガス供給路3における圧縮機2の下流側には、原料ガスGの精製対象ガスの濃度であるメタンガス濃度(原料ガス中メタン濃度)を検出する原料側濃度センサSGが設けられている。
4つの吸着塔1の上端側には、製品ガスHを送出する精製対象ガス排出路としての製品ガス送出路5が設けられ、この製品ガス送出路5を通して製品ガスタンク6に、製品ガスHが貯留されるように構成されている。また、4つの吸着塔1の上部には、4つの吸着塔1を互いに連通接続するための塔連通路7が接続されている。
そして、4つの吸着塔1の夫々に対応して、製品ガス送出路5を開閉する製品ガス送出弁A2、B2、C2、D2、及び、塔連通路7を開閉する連通断続弁A4、B4、C4、D4が設けられている。
ちなみに、製品ガス送出路5には、製品ガスHの精製対象ガスの濃度であるメタンガス濃度(製品ガス中メタン濃度)を検出する製品側濃度センサSHが設けられている。
オフガス排出路4には、分離膜9Aを備えた膜分離部9、及び、オフガスを昇圧して膜分離部9に供給する昇圧部としての昇圧ポンプ10が設けられている。
昇圧ポンプ10には、供給圧を設定目標値(例えば、780kPaG)に維持するためのポンプ背圧弁10Aが設けられている。
膜分離部9の分離膜9Aとしては、二酸化炭素を主成分とする雑ガスを、精製対象ガスとしてのメタンに較べて速く透過する材料が用いられる。つまり、雑ガスがメタンに較べて速く透過する材料を用いることで、精製対象ガスとしてのメタンがほとんど透過しないか、または実質的に透過せず、オフガスタンクTに貯留されたオフガスのうちの二酸化炭素を主成分とする雑ガスが、膜透過ガスJとして分離されることになる。
このような分離膜9Aとしては、酢酸セルロース、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホン、カーボン膜、微多孔質ガラス複合膜、DDR型ゼオライト、多分岐ポリイミドシリカ、ポリジメチルシロキサンから選ばれる少なくとも一種の材料を主成分とするものが用いられる。
膜分離部9の分離膜9Aを透過しなかったオフガス(メタンを主成分とする)を、リサイクルガスとして原料ガス供給路3に供給するリサイクルガス返送路11が設けられている。
また、昇圧ポンプ10から膜分離部10に供給されるオフガスの供給流量を調整するオフガス調整部MRが、リサイクルガスの流量を目標流量に制御する形態で、リサイクルガス返送路11設けられている。
オフガス調整部MRは、原料ガス調整部MGと同様に、マスフローコントローラを用いて構成されるものであって、リサイクルガス返送路11を流れるリサイクルガスの流量を検出し、検出した流量が後述する運転制御部F(図2参照)から指令される目標流量になるように、リサイクルガスの流量を制御するように構成されている。
つまり、運転制御部Fは、オフガス排出路4における吸着塔1と昇圧ポンプ10との間に位置する流路部分の内部圧(以下流路圧と呼称)を検出する圧力センサ14の検出情報に基づいて、目標流量を指令するように構成されており、その詳細は後述する。
ちなみに、昇圧ポンプ10から膜分離部10に供給されるオフガスの供給流量を、リサイクルガスの流量を調整することによって調整できる点について説明を加えると、膜分離部9においては、オフガスの供給流量が増加するほど膜透過ガス量が正比例関係で増加するものであるため、オフガスの供給流量とリサイクルガスの流量とが正比例関係であることによる。
(圧力変動吸着式ガス製造装置の運転制御)
図2に示すように、圧力変動吸着式ガス製造装置の運転を制御する運転制御部Fが設けられ、運転制御部Fが原料ガス供給弁A1〜D1、製品ガス送出弁A2〜D2、連通断続弁A4〜D4、及び、オフガス排出弁A5〜D5を制御することにより、4つの吸着塔1の夫々が、図3の表に示す運転サイクルを行うように構成されている。
すなわち、4つの吸着塔1の夫々は、運転サイクルを16ステップに分割した形態で定められる運転工程を、位相を異ならせた状態で順次実行するように構成されている。
4つの吸着塔1のうち、A塔を代表して、運転サイクルについて説明する。
ステップ1〜3においては、A塔に対応する原料ガス供給弁A1及び製品ガス送出弁A2を開いて、吸着工程に相当する原料昇圧、吸着を行う。つまり、A塔の内部圧を昇圧しながら、雑ガスを吸着材に吸着し、製品ガスHを、製品ガス送出路5を通して排出することになる。ちなみに、この吸着工程においては、連通断続弁A4及びオフガス排出弁A5を閉じる。
ステップ4においては、A塔及びB塔の連通断続弁A4及びB4を開いて、A塔の内部ガスをB塔に供給する降圧用初段均圧工程に相当する吸着均圧ABを行う。ちなみに、この降圧用初段均圧工程においては、原料ガス供給弁A1、製品ガス送出弁A2及びオフガス排出弁A5を閉じる。
尚、吸着均圧ABにおける「AB」の意味は、先に記載の高圧側のA塔の内部ガスを後に記載の低圧側のB塔に供給することを意味するものであり、以下同様である。
ステップ5においては、A塔に関連する全ての弁を閉じて待機する。
ステップ6においては、A塔及びC塔の連通断続弁A4及びC4を開いて、A塔の内部ガスをC塔に供給する降圧用中段均圧工程に相当する均圧ACを行う。ちなみに、この降圧用中段均圧工程においては、原料ガス供給弁A1、製品ガス送出弁A2及びオフガス排出弁A5を閉じる。
ステップ7においては、A塔及びD塔の連通断続弁A4及びD4を開いて、A塔の内部ガスをD塔に供給する降圧用終段均圧工程に相当する均圧ADを行う。ちなみに、この降圧用終段均圧工程においては、原料ガス供給弁A1、製品ガス送出弁A2及びオフガス排出弁A5を閉じる。
ステップ8〜10においては、A塔のオフガス排出弁A5を開いて、脱着工程に対応する減圧を行う。ちなみに、この脱着工程においては、原料ガス供給弁A1、製品ガス送出弁A2及び連通断続弁A4を閉じる。
ステップ11においては、A塔及びB塔の連通断続弁A4及びB4を開いて、B塔の内部ガスをA塔に供給する昇圧用初段均圧工程に相当する均圧BAを行う。ちなみに、この昇圧用初段均圧工程においては、原料ガス供給弁A1、製品ガス送出弁A2及びオフガス排出弁A5を閉じる。
ステップ12及び13においては、A塔に関連する全ての弁を閉じて待機する。
ステップ14においては、A塔及びC塔の連通断続弁A4及びC4を開いて、C塔の内部ガスをA塔に供給する昇圧用中段均圧工程に相当する均圧CAを行う。この昇圧用中段均圧工程においては、原料ガス供給弁A1、製品ガス送出弁A2及びオフガス排出弁A5を閉じる。
ステップ15においては、A塔に関連する全ての弁を閉じて待機する。
ステップ16においては、A塔及びD塔の連通断続弁A4及びD4を開いて、D塔の内部ガスをA塔に供給する昇圧用終段均圧工程に相当する吸着均圧DAを行う。ちなみに、この昇圧用終段均圧工程においては、原料ガス供給弁A1、製品ガス送出弁A2及びオフガス排出弁A5を閉じる。
つまり、運転制御部Fが、4つの吸着塔1の夫々について、位相を異ならせる状態で、吸着工程、降圧用初段均圧工程、降圧用中段均圧工程、降圧用終段均圧工程、脱着工程、昇圧用初段均圧工程、昇圧用中段均圧工程、及び、昇圧用終段均圧工程からなる運転サイクルを順次実行させるように構成されている。
換言すれば、運転制御部Fが、4つの吸着塔1の夫々について、位相を異ならせる状態で、吸着工程、降圧用均圧工程、脱着工程、昇圧用均圧工程からなる運転サイクルを順次実行するように構成されている。
そして、図3の下段に示すように、ステップ1〜16の夫々について、各ステップを実行するステップ時間(秒)として、X、t1、t2、t3が定められており、定められたステップ時間に応じて各工程を実行するように構成されている。
ちなみに、ステップ1、ステップ5、ステップ9、及び、ステップ13のステップ時間は、吸着工程を実行する吸着時間を変更調整するための吸着時間補正値Xに相当する時間であり、後述の如く、吸着時間補正値Xを補正することにより、吸着工程を実行する吸着時間が変更調整されるように構成されている。
原料ガス供給路3における圧縮機2の上流側箇所には、上述の如く、原料ガス供給量を調整する原料ガス調整部MGが設けられ、この原料ガス調整部MGが、原料ガス供給路3を流れる原料ガスの流量を検出し、検出した流量が運転制御部Fにて設定された目標流量になるように、原料ガス供給量を制御するように構成されている。
つまり、操作指令部16から運転制御部Fに対して原料ガスGの目標供給量が指示され、運転制御部Fが、指示された目標供給量に基づいて、原料ガス調整部MGに対して目標流量を指示するように構成されている。
尚、原料ガスの目標供給量は、原料ガスGのメタン濃度等、原料ガスGの種類に応じて実験的に求められている。
ちなみに、圧力変動吸着式ガス製造装置の立ち上げ運転時には、運転者が操作指令部16から運転制御部Fに対して、リサイクルガス返送路11を流れるリサイクルガスの目標流量を指令して、運転制御部Fが指令された目標流量をオフガス調整部MRに指令することになり、その後、操作指令部16から自動運転指令が指令されると、運転制御部Fが目標流量をオフガス調整部MRに指令することになるが、その詳細は、後述する。
(吸着時間の調整制御)
運転制御部Fが、原料側濃度センサSGの検出情報に基づいて、吸着工程を行う吸着時間を変更調整するように構成されている。
本実施形態においては、ステップ1の時間、ステップ5の時間、ステップ9の時間、及び、ステップ13の時間に対応する吸着時間補正値Xを、一挙に増減調整するように構成されている。
ちなみに、ステップ1の時間は、A塔の吸着時間に対応し、ステップ5の時間は、B塔の吸着時間に対応し、ステップ9の時間は、C塔の吸着時間に対応し、ステップ13の時間は、D塔の吸着時間に対応する時間である。
例えば、A塔の吸着時間は、ステップ1の吸着時間補正値X、ステップ2のステップ時間、ステップ3のステップ時間を加えた時間であり、ステップ1の吸着時間補正値Xを補正することにより、A塔の吸着時間が変更調整されるのであり、B塔の吸着時間、C塔の吸着時間、D塔の吸着時間についても同様である。
本実施形態においては、原料側濃度センサSGにて検出される原料ガス中メタンガス濃度と工程補正値との関係が、図4の表に示すように予め定められている。
そして、圧力変動吸着式ガス製造装置の運転開始時には、吸着時間補正値Xを予め設定した初期値(例えば、100秒)として運転を開始し、その後、吸着塔1の夫々にて吸着工程を行うごとに、そのサイクル中の原料ガス中メタン濃度の平均値である平均原料ガス中メタン濃度が求められる。尚、平均原料ガス中メタン濃度は、設定時間(例えば、500ms)ごとに原料側濃度センサSGの検出情報をサンプリングし、サンプリングした検出値の平均値を求めることになる。
次に、図5に示すように、平均原料ガス中メタン濃度と図4の関係とに基づいて、工程補正値を求め、求めた工程補正値を現在の吸着時間補正値Xに加えた値を、次の吸着工程における新たな吸着時間補正値Xとするように構成されている。
例えば、吸着時間補正値Xを100(秒)とする状態で経過吸着工程数yの吸着工程を実行したときに、サイクル中の平均原料ガス中メタン濃度が57(%)であれば、次の経過吸着工程数y+1の吸着工程では、「100(秒)」と工程補正値「−6(秒)」と加えた「94(秒)」を吸着時間補正値Xとすることになり、続く、経過吸着工程数y+2〜y+6の吸着工程についても同様である。
(リサイクルガス流量の制御)
運転制御部Fが、リサイクルガスの流量を、脱着工程を行うごとに吸着塔1から排出されるオフガス量と吸着塔1が脱着工程を開始してから別の吸着塔1が脱着工程を開始するまでに昇圧ポンプ10から膜分離部9に供給されるオフガス量とを等しくする流量にするように、オフガス調整部MRを調整するように構成されている。
つまり、一つの吸着塔1が脱着工程を行うことによって排出されるオフガスは、オフガス排出路4における吸着塔1と昇圧ポンプ10との間の流路部分に貯留されながら流動することになるが、その貯留されながら流動するオフガスを、一つの吸着塔1の脱着工程が開始されてから別の吸着塔1が次に脱着工程を開始するまで間に膜分離部9に供給する必要がある。
ちなみに、昇圧ポンプ10から膜分離部9に供給されるオフガスの供給流量を、リサイクルガスの流量を調整することによって調整できるのは、上述の如く、膜分離部9においては、オフガスの供給流量が増加するほど膜透過ガス量が正比例関係で増加するものであるため、オフガスの供給流量とリサイクルガスの流量とが正比例関係であることによる。
本実施形態においては、脱着工程を行うごとに吸着塔1から排出されるオフガス量と、当該吸着塔1が脱着工程を開始してから別の吸着塔1が脱着工程を開始するまでの間に、膜分離部9にて分離される膜透過ガス量と、当該吸着塔1が脱着工程を開始してから別の吸着塔1が脱着工程を開始するまでの間に、リサイクルガス返送路11を通して原料ガス供給路3に返送するリサイクルガス量との関係を、下記(1)式の関係に維持すべく、運転制御部Fが、オフガス調整部MRを調整するように構成されている。
リサイクルガス量=オフガス量‐膜透過ガス量--------(1)
説明を加えると、図6〜8に示すように、圧力センサ14にて検出される流路圧は、4つの吸着塔1の夫々が脱着工程を行うことにより増加することになるものの、昇圧ポンプ10にて膜分離部9にオフガスが供給されることにより、減少することになる。
そして、上記(1)式の関係が維持されていると、圧力センサ14にて検出される流路圧は、図6に示すように、適正な最低圧(極小値)と適正な最高圧とを維持しながら、増加と減少を繰り返すことになる。
これに対して、リサイクルガス量が、「オフガス量‐膜透過ガス量」よりも少ないと、図7に示すように、流路圧が漸次大きくなり、減圧工程を適正に行えない状態になる。
また、リサイクルガス量が、「オフガス量‐膜透過ガス量」よりも多いと、図8に示すように、流路圧が過少(負圧)となって、昇圧ポンプ10を損傷する等の不都合を生じる虞がある。
ちなみに、図6〜8は、圧力センサ14にて検出される流路圧の変化の傾向を示すものであって、流路圧の実際の変化の大きさを正確に表すものではない。後述の説明で使用する図9、図11、及び、図12においても同様である。
本実施形態においては、運転制御部Fが、オフガスタンク圧を検出する圧力センサ14の圧力検出情報に基づいて、流路圧の最低圧(極小値)を目標圧力にする目標流量を求め、求めた目標流量をオフガス調整部MRに指令することにより、上記(1)式の関係を維持するように構成されている。
具体的には、運転制御部Fが、図9に示すように、圧力センサ14にて検出される流路圧の最低圧(極小値)が繰り返し生じるごとに、その最低圧(極小値)と目標圧力との差圧Ptを求める。そして、求めた差圧Ptに基づいて、オフガス調整部MRに指令する目標流量の補正流量を求め、現在指令している目標流量を補正流量にて補正した流量を新たな目標流量として、オフガス調整部MRに指令するように構成されている。
補正流量は、図10に示すように、例えば、差圧Ptが1kPaGのときには、1NL/minの値に求めるようにする状態で、差圧Ptが大きくなるほど大きな流量として求められることになる。尚、最低圧(極小値)が目標圧力よりも大きいときには、差圧Ptが正となり、正の補正流量が求められ、最低圧(極小値)が目標圧力よりも小さいときには、差圧Ptが負となり、負の補正流量が求められる。
その結果、図9に示すように、リサイクルガスの目標流量の補正により、流路圧の最低圧(極小値)が目標圧力に近づくように構成されている。
尚、図10においては、差圧Ptと補正流量との関係を一次式として設定する場合を例示したが、差圧Ptと補正流量との関係を二次式として設定する等、差圧Ptと補正流量との関係は種々変更できる。
ちなみに、本実施形態においては、上述の如く、圧力変動吸着式ガス製造装置の立ち上げ運転時には、運転者が操作指令部16から運転制御部Fに対して、リサイクルガス返送路11を流れるリサイクルガスの目標流量を指令することになる。具体的には、圧力センサ14にて検出される流路圧を監視しながら、流路圧の最低圧(極小値)が目標圧力になる目標流量を指令することになる。
そして、流路圧の最低圧(極小値)が目標圧力になったときに、操作指令部16から自動運転指令が指令されると、運転制御部Fが、上述の如く、差圧Ptに基づいて補正流量を求めながら目標流量を設定し、設定した目標流量をオフガス調整部MRに指令することになる。
尚、圧力変動吸着式ガス製造装置の立ち上げ運転時においても、運転制御部Fが、上述の如く、差圧Ptに基づいて補正流量を求めながら目標流量を設定し、設定した目標流量をオフガス調整部MRに指令する形態で実施してもよい。
(リサイクルガス流量の補正制御)
運転制御部Fは、上述の如く、吸着工程を行う吸着時間を変更調整した場合には、その変更調整に合わせて、オフガス調整部MRに指令する目標流量を変更して、リサイクルガス流量をフィードフォワード的に変更するように構成されている。
つまり、運転制御部Fが、吸着時間を変更した場合には、リサイクルガスの流量を、吸着時間を変更する前に吸着塔1から排出されたオフガス量と吸着時間を変更した後において吸着塔1が脱着工程を開始してから別の吸着塔1が脱着工程を開始するまでの間に昇圧ポンプ10から膜分離部9に供給されるオフガス量とを等しくする流量に補正すべく、オフガス調整部MRを調整するように構成されている。
すなわち、吸着時間を変更調整すると、4つの吸着塔1の一つの塔から排出されたオフガスの一部をリサイクルガスとして原料ガス供給路3に戻すことができる時間が、直ちに変化することになる。
これに対して、吸着時間を変更調整した直後においては、吸着時間を変更調整する前に吸着工程を行った吸着塔1からオフガスが排出されるため、吸着塔1から排出されるオフガス量は、吸着時間を変更調整した直後から変化することがない。
その結果、吸着工程を行う吸着時間を減少側に変更調整したときに、リサイクルガス流量が不足し、吸着工程を行う吸着時間を増加側に変更調整したときに、リサイクルガス流量が過剰となり、流路圧が大きく増加又は減少することになる。
例えば、図11に示すように、吸着時間を減少側に変更すると、リサイクルガス流量が不足するために、流路圧が漸次増加することになる。
本実施形態においては、吸着時間を変更調整した場合には、その変更調整に合わせて、リサイクルガス流量をフィードフォワード的に変更することにより、リサイクルガス流量を適正流量に維持するように構成されている。
具体的には、運転制御部Fは、基準時間とリサイクルガス流量との積が一定となる関係を維持するように、吸着時間を変更調整した場合には、その変更調整に合わせて、オフガス調整部MRに指令する目標流量を変更するように構成されている。
基準時間は、吸着塔1の夫々からオフガスが排出される周期、換言すれば、1つの吸着塔1からのオフガスの排出が開始されてから次の吸着塔1がオフガスの排出を開始するまでの間に対応する時間である。
すなわち、D塔からのオフガスの排出が開始されてからA塔のオフガスの排出が開始されるまでのステップ4〜7に相当する時間、A塔からのオフガスの排出が開始されてからB塔のオフガスの排出が開始されるまでのステップ8〜11に相当する時間、B塔からのオフガスの排出が開始されてからC塔のオフガスの排出が開始されるまでのステップ12〜15に相当する時間、C塔からのオフガスの排出が開始されてからD塔のオフガスの排出が開始されるまでのA塔においてはステップ16〜3に相当する時間であり、これらの時間の夫々には、吸着時間補正値Xが含まれている。
したがって、吸着時間が変更調整された場合には、吸着時間が変更調整される前の基準時間とリサイクルガス流量との積を、吸着時間が変更調整された後の基準時間にて除算することにより、新たに目標とするリサイクルガス流量を求めて、求めたリサイクルガス流量を目標流量として、オフガス調整部MRに指令するように構成されている。
例えば、図12に示すように、吸着時間を減少側に変更すると、リサイクルガス流量が増加されることになり、流路圧の増加が抑制されることになる。
また、図示は省略するが、吸着時間を増加側に変更すると、リサイクルガス流量が減少されることになり、流路圧の減少が抑制されることになる。
(原料ガスの供給補正制御)
運転制御部Fが、上述の「リサイクルガス流量の補正制御」により、リサイクルガス流量を増加又は減少させた場合には、リサイクルガス流量の増加分又は減少分に応じた量を減少又は増加させた原料ガスの供給量の目標量を、原料ガス調整部MGに指令することにより、吸着塔1に供給される原料ガスの供給量を補正するように構成されている。
すなわち、リサイクルガス流量を増加すると、吸着塔1に供給されるガス量が急激に増加するため、吸着塔1に対して供給される雑ガス量が増加して、製品ガスHのメタン濃度が低下する虞がある。
本実施形態においては、「吸着時間の調整制御」により吸着時間を減少側に変更することに伴って、「リサイクルガス流量の補正制御」により、リサイクルガス流量を増加させた場合には、原料ガスGの供給量を、リサイクルガス流量の増加分に応じた量を減少させることにより、製品ガスHのメタン濃度が低下することを抑制できるようにしてある。
〔第2実施形態〕
次に、圧力変動吸着式ガス製造装置の第2実施形態を説明するが、この第2実施形態は、上記第1実施形態における「吸着時間の調整制御」の別実施形態を示すものであって、基本的な構成は上記第1実施形態と同様であるから、以下の説明においては、上記第1実施形態と異なる点を詳述する。
上記第1実施形態においては、運転制御部Fが、原料側濃度センサSGの検出情報に基づいて、吸着工程を行う吸着時間を変更調整する場合を例示したが、本第2実施形態においては、製品側濃度センサSHの検出情報に基づいて、吸着時間を変更調整するように構成されている。
すなわち、図13の表に示すように、製品側濃度センサSHにて検出される製品ガス中メタンガス濃度と工程補正値との関係が予め定められている。
そして、圧力変動吸着式ガス製造装置の運転開始時には、吸着時間補正値Xを予め設定した初期値(例えば、100秒)として運転を開始し、その後、吸着塔1の夫々にて吸着工程を行うサイクルごとに、そのサイクル中の製品ガス中メタン濃度の平均値である平均原料ガス中メタン濃度を求める。尚、平均製品ガス中メタン濃度は、設定時間(例えば、500ms)ごとに製品側濃度センサSHの検出情報をサンプリングし、サンプリングした検出値の平均値を求めることになる。
次に、図14に示すように、最初のサイクルの吸着工程を終了したときには、平均製品ガス中メタン濃度と図13の関係とに基づいて、工程補正値を求め、求めた工程補正値を現在の吸着時間補正値Xに加えた値を、次の吸着工程における新たな吸着時間補正値Xとするように構成されている。
その後、2回目以降のサイクルの吸着工程を終了したときには、平均製品ガス中メタン濃度と図13の関係とに基づいて、工程補正値を求め、求めた工程補正値と以前のサイクルの吸着工程を終了したときに求めた工程補正値の全てを加えた積算値を求め、その積算値を初期値(例えば、100秒)に加えた値を、次の吸着工程における新たな吸着時間補正値Xとするように構成されている。
例えば、吸着時間補正値Xを100(秒)とする状態で最初の経過吸着工程数yの吸着工程を実行したときに、平均製品ガス中メタン濃度が82(%)であれば、次の経過吸着工程数y+1の吸着工程では、初期値の「100(秒)」と工程補正値「−3(秒)」と加えた「97(秒)」を吸着時間補正値Xとすることになる。
次に、2回目の吸着工程を終了したときに、平均製品ガス中メタン濃度が84(%)であれば、次の経過吸着工程数y+2の吸着工程では、初期値の「100(秒)」と最初のサイクルの工程補正値「−3(秒)」と2回目のサイクルの工程補正値「−1(秒)」と加えた「96(秒)」を吸着時間補正値Xとすることになる。
続く、経過吸着工程数y+3〜y+6についても同様である。
この第2実施形態においても「リサイクルガス流量の補正制御」を行うことにより、オフガスタンク圧の急激な変動が抑制される。
特に、製品ガス中メタンガス濃度に基づいて吸着時間を補正する場合には、吸着工程を行う吸着時間を減少側に変更調整したときに、リサイクルガス流量が不足して、オフガスタンク圧が増加すると、吸着塔1の脱着工程(減圧)における脱着条件が悪化して、雑ガスを適正通り脱着させることができない結果、再度、吸着時間を減少側に変更調整されることが繰り返されて、吸着時間が極端に減少され、かつ、リサイクルガスの流量が極端に増加するという、制御不能な異常状態を現出する虞があるが、「リサイクルガス流量の補正制御」を行うことにより、このような異常状態の現出を抑制できる。
この第2実施形態においても「原料ガスの供給補正制御」を行うことにより、製品ガス中メタンガス濃度の低下を抑制することができる。
特に、製品ガス中メタンガス濃度に基づいて吸着時間を補正する場合には、リサイクルガス流量を増加して、吸着塔1に供給される雑ガス量が増加して、製品ガスHのメタン濃度が低下すると、それに伴って、再度吸着時間を減少補正し、リサイクル流量を増加することが繰り返されて、製品ガスHのメタン濃度が低下する状態が続く異常事態は生じる虞があるが、「原料ガスの供給補正制御」を行うことにより、このような異常事態の発生を抑制できる。
〔第3実施形態〕
次に、圧力変動吸着式ガス製造装置の第3実施形態を説明するが、この第3実施形態は、上記第1実施形態における「吸着時間の調整制御」の別実施形態を示すものであって、基本的な構成は上記第1実施形態と同様であるから、以下の説明においては、上記第1実施形態と異なる点を詳述する。
この第3実施形態においては、運転制御部Fが、原料側濃度センサSGの検出情報、及び、製品側濃度センサSHの検出情報に基づいて、吸着工程を行う吸着時間を変更調整するものである。
すなわち、図15の表に示すように、原料側濃度センサSGにて検出される原料ガス中メタンガス濃度と工程補正値との関係が予め定められ、また、図16の表に示すように、製品側濃度センサSHにて検出される製品ガス中メタンガス濃度と工程補正値との関係が予め定められている。
そして、圧力変動吸着式ガス製造装置の運転開始時には、吸着時間補正値Xを予め設定した初期値(例えば、100秒)として運転を開始する。
その後、吸着塔1の夫々にて吸着工程を行うサイクルごとに、そのサイクル中の原料ガス中メタン濃度の平均値である平均原料ガス中メタン濃度、及び、そのサイクル中の製品ガス中メタン濃度の平均値である平均原料ガス中メタン濃度を求める。
尚、平均原料ガス中メタン濃度は、設定時間(例えば、500ms)ごとに原料側濃度センサSGの検出情報をサンプリングし、サンプリングした検出値の平均値を求めることになり、同様に、平均製品ガス中メタン濃度は、設定時間(例えば、500ms)ごとに製品側濃度センサSHの検出情報をサンプリングし、サンプリングした検出値の平均値を求めることになる。
次に、平均原料ガス中メタン濃度と図15の関係とに基づいて、原料ガスGに関する工程補正値を求め、同様に、平均製品ガス中メタン濃度と図16の関係とに基づいて、製品ガスに関する工程補正値を求める。
そして、図17に示すように、現在の吸着時間補正値Xに対して、直前のサイクルの吸着工程に対応する原料ガスGに関する工程補正値、及び、直前のサイクルの吸着工程に対応する製品ガスに関する工程補正値を以前のサイクルの吸着工程を終了したときに求めた製品ガスに関する工程補正値に積算値を加えた値を、次の吸着工程における新たな吸着時間補正値Xとするように構成されている。
例えば、吸着時間補正値Xを100(秒)とする状態で最初の経過吸着工程数yの吸着工程を実行したときに、原料ガス中メタン濃度が57(%)で、平均製品ガス中メタン濃度が82(%)であれば、次の経過吸着工程数y+1の吸着工程では、初期値の「100(秒)」と、原料ガスGに関する工程補正値「−6(秒)」と、製品ガスに関する工程補正値「−3(秒)」とを加えた「91(秒)」を吸着時間補正値Xとすることになる。
次に、2回目の吸着工程を終了したときに、平均原料ガス中メタン濃度が59(%)で、平均製品ガス中メタン濃度が84(%)であれば、原料ガスGに関する工程補正値「−2(秒)」と製品ガスに関する工程補正値「−1(秒)」とを求め、さらに、前回の経過吸着工程数yの吸着工程における製品ガスに関する工程補正値「−3(秒)」と今回の経過吸着工程数y+1の吸着工程における製品ガスに関する工程補正値「−1(秒)」とを加えて、製品ガスに関する工程補正値の積算値「−4(秒)」を求める。
そして、初期値の「100(秒)」と、原料ガスGに関する工程補正値「−2(秒)」と、製品ガスに関する工程補正値の積算値「−4(秒)」とを加えた「94(秒)」を吸着時間補正値Xとすることになる。
続く、サイクルy+3〜y+6についても同様である。
この第3実施形態においても「リサイクルガス流量の補正制御」を行うことにより、オフガスタンク圧の急激な変動が抑制される。
特に、製品ガス中メタンガス濃度に基づいて吸着時間を補正する場合には、吸着工程を行う吸着時間を減少側に変更調整したときに、リサイクルガス流量が不足して、オフガスタンク圧が増加すると、吸着塔1の脱着工程(減圧)における脱着条件が悪化して、雑ガスを適正通り脱着させることができない結果、再度、吸着時間を減少側に変更調整されることが繰り返されて、吸着時間が極端に減少され、かつ、リサイクルガスの流量が極端に増加するという、制御不能な異常状態を現出する虞があるが、「リサイクルガス流量の補正制御」を行うことにより、このような異常状態の現出を抑制できる。
この第3実施形態においても「原料ガスの供給補正制御」を行うことにより、製品ガス中メタンガス濃度の低下を抑制することができる。
特に、製品ガス中メタンガス濃度に基づいて吸着時間を補正する場合には、リサイクルガス流量を増加して、吸着塔1に供給される雑ガス量が増加して、製品ガスHのメタン濃度が低下すると、それに伴って、再度吸着時間を減少補正し、リサイクル流量を増加することが繰り返されて、製品ガスHのメタン濃度が低下する状態が続く異常事態は生じる虞があるが、「原料ガスの供給補正制御」を行うことにより、このような異常事態の発生を抑制できる。
〔その他の別実施形態〕
次に、その他の別実施形態を列記する。
(1)上記第1〜第3実施形態においては、オフガスの供給流量を調整するオフガス調整部MRを、膜分離部9の下流側箇所に設けるようにしたが、昇圧ポンプ10と膜分離部9との間に相当する箇所にオフガス調整部MRを設置する形態で実施してもよい。
(2)上記第1〜第3別実施形態においては、「原料ガスの供給補正制御」において、リサイクルガスの増加量に合わせて、原料供給量を減少補正する場合を例示したが、リサイクルガスの雑ガス濃度を検出して、リサイクルガスのうちの雑ガスの増加分に相当する量だけ、原料供給量を減少補正するようにしてもよい。
(3)上記第1〜第3実施形態においては、マスフローコントローラを用いてオフガス調整部MRを構成する場合を例示したが、流量センサにてガス流量を検出しながら、昇圧部を構成する昇圧ポンプ10の吐出量を調整する形態で、オフガス調整部MRを構成するようにしてもよい。
(4)上記第1〜第3実施形態においては、原料ガスGが、精製対象ガスとしてメタンを含み、雑ガスとして二酸化炭素等を含むバイオガスである場合を例示したが、例えば、原料ガスGとしては、都市ガス等を改質したガス、つまり、精製対象ガスとして水素を含み、雑ガスとして、二酸化炭素、一酸化炭素、及び、窒素を含むガス等、種々のガスを原料ガスGとして適用できるものである。
(5)上記第1〜第3実施形態においては、圧力変動吸着式ガス製造装置として、4つの吸着塔1を備える装置を説明したが、3つや5つ以上の吸着塔1を備えさせて、それらの吸着塔1の夫々にて、位相を異ならせる状態で、吸着工程、降圧用均圧工程、脱着工程、昇圧用均圧工程を順次実行させるようにしてもよい。
(6)上記第1〜第3実施形態においては、吸着塔1の一端側としての下端側に、原料ガス供給路3及びオフガス排出路4を接続し、かつ、吸着塔1の他端側としての上端側に、精製対象ガス排出路5を接続させた形態を例示したが、吸着塔1の一端側としての上端側に、原料ガス供給路3及びオフガス排出路4を接続し、かつ、吸着塔1の他端側としての下端側に、精製対象ガス排出路5を接続させる形態で実施してもよい。
また、オフガス排出路4を吸着塔1に接続する箇所は、吸着塔1における精製対象ガス排出路5が接続される端部側や、吸着塔1における長手方向の中間部に接続させるようにしてもよく、要は、オフガス排出路5を吸着塔1に接続すればよい。
(7)上記第1〜第3実施形態においては、オフガス排出路4における吸着塔1と昇圧部としての昇圧ポンプ10との間の流路部分の流路圧に基づいて、オフガスの供給流量を調整する場合を例示したが、オフガス排出路4における吸着塔1と昇圧部としての昇圧ポンプ10との間の流路部分を流動するオフガスの流量を検出する流量センサの検出値を積分する等により、脱着工程を行うごとに吸着塔1から排出されるオフガス量を求めて、そのオフガス量を、吸着塔1が脱着工程を開始してから別の吸着塔1が脱着工程を開始するまでの時間にて除算することによって、オフガスの供給流量の目標値を求める形態で実施してもよい。
(8)本発明を実施するにあたり、オフガス排出路4における昇圧ポンプ10よりも上流側箇所に、吸着塔1から排出されるオフガスを貯留するオフガスタンクを設けて、昇圧ポンプ10にて、オフガスタンクに貯留されたオフガスを膜分離部9に供給する形態で実施するようにしてもよい。
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
1 吸着塔
3 原料ガス供給路
4 オフガス排出路
5 精製対象ガス排出路(製品ガス送出路)
9A 分離膜
9 膜分離部
11 リサイクルガス返送路
12 オフガス調整部
14 圧力センサ
15 原料ガス調整部
F 運転制御部
G 原料ガス(バイオガス)
H 製品対象ガス(製品ガス)

Claims (4)

  1. 精製対象ガス及びそれ以外の雑ガスを含む原料ガスから前記雑ガスを吸着する吸着材を充填させた形態で、且つ、原料ガス供給路を一端側に接続し、精製対象ガス排出路を他端側に接続し、かつ、オフガス排出路を接続させた形態で設けた複数の吸着塔の夫々について、
    前記原料ガス供給路を通して供給される前記原料ガスから前記雑ガスを吸着して前記精製対象ガス排出路を通して前記精製対象ガスを排出する吸着工程、及び、前記オフガス排出路を通して前記雑ガスを排出する脱着工程を含む運転サイクルを、位相を異ならせて順次行う運転制御部が設けられ、
    前記オフガス排出路に、前記雑ガスを前記精製対象ガスに較べて速く透過する分離膜を備える膜分離部、及び、前記脱着工程において前記吸着塔から排出されるオフガスを前記膜分離部での膜分離のために昇圧して前記膜分離部に供給する昇圧部が設けられ、
    前記分離膜を透過しないリサイクルガスを前記原料ガス供給路に返送するリサイクルガス返送路が設けられた圧力変動吸着式ガス製造装置であって、
    前記昇圧部から前記膜分離部に供給されるオフガスの供給流量を調整するオフガス調整部が設けられ、
    前記運転制御部が、
    前記オフガスの供給流量を、前記脱着工程を行うごとに前記吸着塔から排出されるオフガス量と前記吸着塔が前記脱着工程を開始してから別の吸着塔が前記脱着工程を開始するまでの間に前記膜分離部に供給されるオフガス量とを等しくする流量にするように、前記オフガス調整部を調整し、且つ、
    前記原料ガスの前記精製対象ガスの濃度及び前記吸着塔から排出される前記精製対象ガスの濃度の少なくとも一方に基づいて、前記吸着工程を行う吸着時間を変更調整し、かつ、前記吸着時間を変更した場合には、前記オフガスの供給流量を、前記吸着時間を変更する前に前記吸着塔から排出されたオフガス量と前記吸着時間を変更した後において前記吸着塔が脱着工程を開始してから別の吸着塔が前記脱着工程を開始するまでの間に前記昇圧部から前記膜分離部に供給されるオフガス量とを等しくする流量に補正すべく、前記オフガス調整部を調整する圧力変動吸着式ガス製造装置。
  2. 前記原料ガス供給路を通して前記吸着塔に供給する原料ガス供給量を調整する原料ガス調整部が設けられ、
    前記運転制御部が、前記オフガスの供給流量を増加側に補正した場合には、前記原料ガス供給量を減少側に補正し、前記オフガスの供給流量を減少側に補正した場合には、前記原料ガス供給量を増加側に補正すべく、前記原料ガス調整部を調整するように構成されている請求項1記載の圧力変動吸着式ガス製造装置。
  3. 前記原料ガスが、前記精製対象ガスとしてのメタンを40%以上含有するメタン含有ガスであり、前記精製対象ガス排出路を通して排出される前記精製対象ガスが、メタンを80%以上含有する製品ガスである請求項1又は2記載の圧力変動吸着式ガス製造装置。
  4. 前記オフガス排出路における前記昇圧部よりも上流側箇所に、前記吸着塔から排出されるオフガスを貯留するオフガスタンクが設けられ、
    前記昇圧部が、前記オフガスタンクに貯留されたオフガスを前記膜分離部に供給するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧力変動吸着式ガス製造装置。
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